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    元スレ美琴「とある幸福の上条当麻、始めるわよ!」上条「マジで!?」

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    251 = 249 :



    禁書「あ……ああ……」


    10万3000冊を統べる魔神は恐怖していた。
    世界に存在する全ての戦力を凌駕する恐るべき魔神であり、老獪な統率者であるインデックスを震えあがらせる唯一の存在。

    本気の上条当麻にインデックスは恐怖していた。


    上条「――アクセスッ!!」


    上条の咆哮と呼応するように、『幻想殺し』という檻に閉じ込められていた悪竜が目を覚まし、その右手から噴出する。


    上条「十字教世界の楔を破棄――『竜王の顎(ドラゴンストライク)』から『光を掲げる者(ルシフェル)』へシフト」


    十字教世界における悪の象徴たる右手のドラゴンは分解され、光り輝く六対十二翼が背中に再構築される。


    上条「SYSTEMへ接続――操作範囲を太陽系・第三惑星に限定――掌握率98.998%」


    人間には辿りつけない真理。絶対運命と称するべきアカシックレコードへの接続。文字通り神の領域を踏破する。


    上条「求める結果から逆算――学園都市で調整中の妹達49名の死が確定。打ち止め及び木原数多が74%の確率で死亡」

    上条「食蜂操祈の精神崩壊が確定――確定した事象を改変。数値入力、ゲマトリア変換――誤差修正」

    上条「――エラー発生、食蜂操祈の運命の改変に失敗――再試行――失敗――保留、除外――改変成功率99.999999%」


    望む結末への道筋を演算し終えた上条は、翼の一振りで一気に学園都市上空、成層圏まで舞い上がる。

    十二枚の羽を広げると同時に複数の幾何学的な魔法陣を展開。それは幾重にも重なり合い、やがて積層型立体魔法陣を形成する。

    そこから発生する破滅的な力の高まりは止まるところを知らず、上条の右手へと収束し

    そして……







    上条「封神八十七式 烈光流星乱舞――ガンマ・レイ――」








    トリガーワードと共に、幾千の光条が地上に降り注いだ。

    252 = 249 :


    CASE 21 光を掲げる者


    第七学区 とある病院――


    ??「ほらほらぁー!! さっきまでの威勢はどーしたの? 死ぬのが怖くなっちゃったカナー?」カンッ、キンッ


    ドガガガガッ!!!


    木原「クソッ、隙がねえ。もうちょいサンプルが集まれば法則を解析できそうなモンだがッ、あっぶねえ!?」ヒラリ

    打ち止め「キハラ……」オズオズ

    木原「そんな顔しなくても見捨てねえよ。上条と殺りあうより、あのイカレ女をぶっ殺すほうが楽だからなぁ」ニヤリ


    ??「あら? あんた上条当麻のお知り合い?」


    木原「人様に物を尋ねる時は、まずテメェから名乗れってママに習わなかったかよクソ女」キン、ポイッ


    コロコロ


    ??「『神の右席』の一人、前方のヴェント。地下に居た気色悪いヒトモドキ共は口を割らなかったのよねぇ。だから…」


    ズガンッッ!!!!!


    木原「ぎゃはははははは!!! 見たかよオイ、あのクソ女の足元で爆発しやがった!」

    打ち止め「あわわ、容赦無さすぎ、ってミサカはミサカはキハラの蛮行に驚愕を隠せなかったり」ギャース

    木原「褒めんな、照れるだろうが」ククッ

    打ち止め「褒めてない! ってミサカはミサカは…」

    木原「それより妹達の状態を確認しろ。たしかここに居るのは9983号から10032号までだったはずだ」

    打ち止め「わ、わかった、ってミサカはミサカはネットワークを駆使して下位個体の安否を確認してみる!」

    253 = 249 :


    木原「にしても屋内で爆発物なんか使うもんじゃねぇな。煙たくて仕方ねえ」

    打ち止め「あっ」

    木原「どうした、死んでやがったか?」

    打ち止め「死んでないもん!! ただネットワークから切断してるから意識がないのかも、ってミサカはミサカは危惧してみたり」

    木原「気絶or死亡ってか。凄絶だねぇ」ケラケラ

    打ち止め「縁起でもない!? ってミサカはミサカは猛抗議っ!!」プンスカ

    木原「プリプリ怒んなって。姉ちゃんみたく情緒不安定になっちまうぞ」

    打ち止め「うっ、それは少し困る、ってミサカはミサカは……ッ!?」

    木原「おっと」グイッ


    ドガッ!!!


    ヴェント「ざぁ~んねん!! あと少し反応が遅れてれば、そこのチビガキをぐちゃぐちゃの肉塊に変えれたのにさー」ニタァァ


    打ち止め「ッ!?」ビクッ

    木原「あーあ、オマエ死んだわ」


    ヴェント「はぁ?」


    木原「もう手遅れ処置なしってヤツだ。普段なら全治一生の半殺しで済みそうなモンだが、今日は日が悪い……うん、どう考えても殺されるわ」ウン


    ヴェント「もしかして時間稼ぎのつもり? ならお粗末にも程が…」


    ジュッ


    ヴェント「…………え」パタリ


    木原「ほらな?」

    打ち止め「えっ、えっ? 何がおきたの、ってミサカはミサカは大混乱!?」アウアウ

    木原「超長距離から追尾性のあるレーザーみたいな能力で狙撃したんだろうぜ。まったく理解できねぇけどな」ヤレヤレ

    254 = 249 :


    大覇星祭 資材置き場――


    プスプスプス


    T:GDだったもの『『『『『『』』』』』』シーン

    T:MTだったもの『』チーン


    馬場「い、一体何が起きたっていうんだ」ポカーン

    馬場「これじゃあ目的を果たせない……。いや、このT:MQ(タイプ・モスキート)があればまだ…」スッ


    ジュッ


    T:MQだったもの『『『『』』』』サラサラ


    馬場「えっ」

    馬場「僕が手に持っていたT:MQが消し炭に……」

    馬場「…………」プルプル

    馬場「う、うわああああああああああああああああああッ!?!?」ダダッ

    255 = 249 :


    第七学区 学舎の園――


    ギュン! ギュン! ギュン!


    禁書「むうーっ!! しつっこいんだよ!! ――我は紡ぐ 光輪の鎧ッ!!!」フォン!


    パキーン!


    禁書「学園都市の住人に強い害意があるモノだけをピンポイントに狙ってるの!? 敵に回すとこんなに厄介だなんて!」テッテッテ

    ジュッ

    幻生「うぎゃああああああああああッ!?!?」パタリ

    禁書「ああっ!? いかにも悪そうな老人が焼かれたんだよ!?」ガビーン


    上条「お前もまとめて焼き払うつもりだったんだが、流石にそう甘くはないか」バッサバッサ


    禁書「追いつかれた!?」

    上条「驚くことねえだろ。やろうと思えば世界の果てだろうが、月の裏側だろうがひとっ飛びなんだ」

    禁書「とうま! その力はみだりに振るっていいモノではないんだよ!!」

    上条「知ってるさ。世界の半分を敵に回すって言いたいんだろ?」

    禁書「理解してるならなんで!」

    上条「そんなの魔術サイド全部より、テメェ一人の方が脅威だからに決まってんだろーが」ゴゴゴゴゴ

    禁書「妻である私に手を上げるの!? DVなんて許され…」

    上条「おらあーーっ!!」ブオオオッ!!


    ズバァァァーーー!!!


    禁書「ぎゃあ!? は、羽根で薙ぎ払うなんて……!」

    上条「チッ、無傷かよ」ボソッ

    禁書「舌打ち!?」

    256 = 249 :


    上条「強すぎるってのも考えものだな。周りに配慮しながら戦うのも一苦労だ」

    禁書「とうまのくせに生意気なんだよ!」ガァァ

    上条「悪いコトはいわねえ、降参しろ。いくらお前でも、何の準備もなしに勝てると思ってないよな」

    禁書「……そうだね、因果律に干渉できる今のとうまは無敵かも」ムムム

    上条「けど食蜂には干渉できなかった。お前が関わってるんだろ、インデックス」

    禁書「フンだ、知らないもん」

    ガシッ

    禁書「と、とうま?」

    上条「質問は一回こっきりだ。食蜂は何処にいる?」ニッコリ

    禁書「だから知らな…」

    ミシミシミシ

    禁書「イタイいたい痛いィィーーー!!! あ、頭を握りつぶさないでーー!?」ギャース

    上条「喋りたくなったか? クックック、今日の上条さんは優しくないぞ」ニヤリ

    禁書「ヒーローにあるまじき邪悪な笑みかも!?」

    上条「シスターにあるまじき邪悪の化身が言うな。第一、今の俺はサラリーマンですー、学園都市の敵を駆逐する番犬なんですぅー」

    禁書「世界を救った英雄の、『光を掲げる者』としての誇りはないの!?」ガビーン

    上条「ハッ、プライドで借金が減るかよ」シレッ

    禁書「すっかり飼い馴らされちゃって……! それもこれも全部短髪のせいなんだよ!!」

    上条「お前と違って性根の優しい子だ。アイツらを守るためなら、地獄の底だろうが駆け抜けてやる!」キリッ

    禁書「借金地獄でしょ!?」

    257 = 249 :


    上条「地獄の沙汰もカネ次第ってな。で、食蜂の居場所を教える気になった?」

    禁書「タダで教えると思う? それなりの誠意を…」

    メキメキメキ

    禁書「軋んでる軋んでる痛いからやめてーーっ!?」ギャース

    上条「遠慮すんな、誠意(暴力)が欲しいんだろ?」ニッコリ

    禁書「わ、わかったんだよ! 教えるから放してぇぇーー!?」

    上条「はいはい」パッ

    禁書「うう~! 頭がズキズキするんだよ……」

    上条「最初から素直に教えろよな。それで食蜂は…」


    禁書「教えるわけないでしょ! ばーか、ばーか! とうまのバーカ!!」スタコラサッサー


    上条「…………」イラッ


    ◇ ◇ ◇ ◇


    常盤台中学 体育倉庫――


    食蜂「むぐぐ、んんんーーー!!!」ジタバタ

    アウ「間然、猿ぐつわを噛ませてもこの煩さとは。ええい、大人しくしていろ!」ギロッ

    食蜂「うう……」ガクブル

    258 = 249 :


    食蜂「……(どーしてこんな場所に監禁されてるのよぉ……)」ガクブル

    アウ「当然、聖女インデックスの不興を買ったからに決まっている」

    食蜂「……(誰よそれ、……って、思考力を読まれてる!?)」

    アウ「必然、我が『黄金練成(アルス=マグナ)』の前に不可能はない。君が能力を行使できぬのも その一端だ」ドヤッ

    食蜂「……(知らないわよ変態っ! 女子中学生さらってイイ気になるなんてサイテーよぉ!!)」プンプン

    アウ「生意気な小娘だ。フン、ひとついい事を教えてやろう」

    食蜂「……(そんなの興味ないから早く解放してくれないかしらぁ)」

    アウ「憮然、怖いもの知らずにも程がある。君の態度如何で余生がほんの少し伸びるチャンスだというのに」ヤレヤレ

    食蜂「……(よ、余生って……)」

    アウ「君は贄なのだよ。聖女インデックスを慰める栄誉を与えられた生贄だ」

    食蜂「!?」ゾクッ

    アウ「悠然、怯えることはない。ただ死を受け入れよ」

    食蜂「……ッ(はァーーーッ? だ、誰が怯えてるっていうのぉ!? どーせすぐに助けが…)」

    アウ「当然、助けなど来ない。この場は既に聖女インデックスの力で異空間化しているからな」

    食蜂「ッ!!(わ、わけ分かんない!!)」

    アウ「幻想殺しならばこの場に介入するのも可能だろう。しかしかの少年は超電磁砲の少女に執心しているではないか」

    食蜂「!」

    259 = 249 :


    食蜂「……(御坂さんは関係ないでしょぉー!! 私のほうが女子力高いし!! てゆーか彼は関係ないしぃー!?)」アウアウ

    アウ「傲慢に振る舞っていても、その内心は繊細な乙女ではないか。幻想殺しの少年が救ってくれると信じているとは」

    食蜂「……(だ、黙りなさいよぉ///)」カァァ

    アウ「憮然、そうなると万が一を考慮すべきか」ギロッ

    食蜂「!?ッ」ビクッ

    アウ「仮に助けが来たとしても手遅れな状態ならば問題無い」

    食蜂「……(な、なにをするつもり!)」

    アウ「当然、君の精神を完全に破壊する。二度と修復出来ぬよう、念入りに徹底的に」ニヤリ

    食蜂「……ッ(人をモルモット程度にしか考えてない科学者と同じ目をしてる……。ま、まずいわねぇ)」

    アウ「ハハハッ、存分に怯え恐怖せよ。その負の感情こそが彼女を慰めるのだからな!!」

    食蜂「~~~~ッ!!!(たすけてぇ、上条さん……!!)」

    アウ「漠然! 有りもしない希望を打ち砕いてくれる!」


    ガラガラ


    禁書「待つんだよっ!!!」ヘノヘノカッッッッッパ!!!


    アウ「!?」


    禁書「アウレオルス! すぐにその女から離れてっ!!」

    アウ「ハッ、出過ぎた真似をして申し訳…」

    禁書「そうじゃない! 早くその女への害意を捨てないと……ッ、き、来た!?」ゾクゾクッ

    アウ「は? 何を慌てぶぎゅるごッ!?!?」バターン!


    上条「おっと、やっぱこの状態だと手加減が難しいな」バッサバッサ


    食蜂「!?」

    260 = 249 :


    それはまるで一枚の絵画のようであり、荘厳な叙事詩の再現だった。

    薄暗い体育倉庫を眩く照らす、光り輝く天使の翼。夜の深さを閉じ込めたような漆黒の髪。

    無駄のない引き締まったカラダは、ルネサンスの巨匠が作り上げた彫像を彷彿とさせる。


    上条「空間の位相をずらしてたのか。道理で狙い撃てないわけだ」


    凛とした声音に、透きとおった眼差し。


    上条「無事か?」

    食蜂「ぷはっ、か、上条さん!?」


    食蜂を拘束していた戒めを解き、優しく抱き上げる。


    上条「よく頑張ったな。もう大丈夫だ、これ以上 食蜂には指一本触れさせやしない」

    食蜂「……///」


    慈愛に満ちた優しい頬笑みを浮かべる上条。

    熱病にかかったかのように顔を真っ赤に染めた食蜂が、コクリと小さく首を縦に振る。

    その姿はさながら誠実な騎士と姫君のようだ。


    禁書「とうま、裸でカッコつけても滑稽なだけかも」


    上条「おわっ!? いつの間にやら素っ裸!?」

    食蜂「上条さぁん……///」ポッ

    上条「ぎゃあー!! 素っ裸でJCを抱っこだなんて、言い訳の余地なく変態じゃねーか!?」


    禁書「能力の制御が甘々なんだよ。亜光速で動きまわれば洋服なんて一瞬で燃え尽きて当然かも」


    色々と台無しだった。

    261 = 249 :


    禁書「パンツくらい穿いてよね、みっともない」


    上条「くそッ!! せっかく本気モードになったってのに締まらねえ!?」

    食蜂「……(上条さんの腕……とっても逞しい///)」モジモジ

    上条「しょ、食蜂さん? 誤解しないで頂きたいのですが、当方にアナタ様を辱める変態的意図はございませんの事よ!?」アウアウ

    食蜂「は、はい……///」テレテレ


    禁書「――カイザード・アルザード・キ・スク・ハンセ・グロス・シルク 灰燼と化せ 冥界の賢者 七つの鍵を持て 開け地獄の門」ムカムカッ


    上条「とと、とにかく何か着る物をッ、インデックス!?」

    食蜂「お、お洋服なら私が! 助けていただいたお礼をさせてください……///」キュンキュン

    上条「礼なんて要らないっつーか、今はそれどころじゃねえ!?」ギャース


    禁書「大霊界で反省してっ!! 七鍵守護神(ハーロ・イーン)!!!」


    ピカッッ!!!


    上条「くッ、この前みたいにやれると思うなああああああああああッ!!!」



    ◇ ◇ ◇ ◇


    第七学区 大覇星祭運営委員会テント――



    ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!



    黄泉川「な、なんだ!?」

    浜面「地震っ!?」

    御坂「ッ、あれを見てください、とミサカは学舎の園のある方角を指差します」

    黄泉川「は……?」

    浜面「光の柱が空に……ッ、行くぞ御坂妹!!」ダダッ

    御坂「了解、とミサカは同僚に続きます」タッタッタ


    黄泉川「アイツら……! オイっ!! 被害状況はどうなってる!!」

    警備員「今問い合わせてます!」

    262 = 249 :


    学舎の園 常盤台中学跡地――


    上条「フフン、さすがに余裕で防げた……ッ、ええーーっ!! 辺り一面更地になってるーー!?」ガビーン

    食蜂「すっごぉーい……」ポカーン


    ヒューールルルーー


    禁書「ちょっとやり過ぎちゃったかも、てへっ♪」テヘペロ


    上条「てへじゃねーよてへじゃ!? 常盤台がマルっと消滅してるじゃねーか!!」

    食蜂「壮絶ねぇ……」ゴクリ


    禁書「大覇星祭中で敷地内に人は居なかったんだよ。幸いだね」シレッ


    上条「幸いじゃねぇんだよ!! 上条さんは経験則で知っている、今回の損害も俺の借金に上乗せするんだろチクショー!!!」

    食蜂「常盤台は校舎の造りも一級品だけどぉ、それより問題なのは調度品でしょうね。絵画一点で10億とかざらだし」ウン

    上条「やっべえ……!」


    禁書「形あるモノ、いつか滅び去るんだよ」ウン

    上条「滅ぼしたのはテメェだけどな!!」


    浜面「アンチスキル特務支援課だ! この惨状を引き起こしたのはお前らかっ!!」タッタッタ

    御坂「両手を上げてこちらの指示に従いなさい、とミサカは警告します」タッタッタ


    上条「お巡りさん犯人はコイツです……って居ねえ!?」

    食蜂「逃げたのかしらぁ?」ハテ?

    263 = 249 :


    浜面「てかよく見たら大将じゃん。てことは」

    御坂「白い悪魔の仕業ですか、とミサカは忌々しげに呟きます」

    浜面「……だろうな」

    上条「後先考えずの全力だったのに逃がしちまったか。まあ一先ず危機は脱したんだ。良しとすっか」ウン

    御坂「おや、あなたは女王、とミサカはほくそ笑みます」プークスクス

    食蜂「もうその煽りはいいからぁー!?///」カァァ

    浜面「しかもお姫様だっことか。つーか何で大将は素っ裸なんだよ……」ゲンナリ

    上条「いやー、これには深い事情が…」


    黄泉川「こちらは警備員じゃん!! そこの変態っ! 婦女暴行と猥褻物陳列罪の現行犯で逮捕する!!」


    上条「ええっ!?」

    食蜂「!」キュピーン


    黄泉川「こんな事をして! 故郷の親御さんが泣いてるじゃん!!」


    上条「両親学園都市に来てますから! ていうか俺も一応アンチスキルですから!?」


    黄泉川「全裸の警備員なんて居てたまるか! 説得力に欠けるじゃんよ!!」

    御坂「待ってください。彼の言うことは正し…」

    黄泉川「御坂は離れてるんだ。奴の様な変態には格好の餌になる!」


    上条「俺は変態じゃねえ!? 食蜂からも言ってやってくれ!」ギャース

    食蜂「ええ、もちろんよぉ」ニコニコ

    264 = 249 :


    上条「ほら御覧になってこのフレンドリーな関係! どっからどう見ても…」

    食蜂「仲良しカップルよねぇー♪」ニコニコ

    上条「そう、仲良しカップル……じゃねーよ!!」

    食蜂「そういう事にしておけば万事解決じゃない。嘘も方便力でしょおー?」ヒソヒソ

    上条「いいや違うね! その嘘が更なる不幸を招く予感ビンビンだね!」

    食蜂「じゃあ嘘をホントにすれば……///」

    上条「上条さんは御坂一筋なんです! 例え逮捕されようが、そこだけは絶対に曲げられねえ!」キリッ

    食蜂「へぇ……」ピキ

    上条「分かったら俺の無実を証明してください」

    食蜂「お巡りさぁーん、たぁーすけてぇー」ボーヨミ

    上条「ちょっ!?」


    黄泉川「いたいけな中学生を助けるじゃん! 総員、突撃ィィィッ!!!」ダダッ

    警備員ABCDE「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」」」」ダダッ


    上条「ぎゃあああーー!!! 痛い痛い警棒で殴らないでっ!! てかマジで上条さん逮捕されちゃうの!?」ガビーン

    黄泉川「貴様には弁護士を呼ぶ権利と黙秘権が与えられるじゃん」

    上条「そんなの雇う金ありませんからーー!? つーかお前ら見てないで助けてぇぇーーー!!!」

    黄泉川「話は詰め所で聞くじゃんよ」


    浜面「あれ、これって不味くね?」

    食蜂「私の好意力を無碍にするのが悪いんだゾ☆」キラッ

    御坂「女王の証言が決め手になりましたか、とミサカは男性の立場の弱さを指摘します」

    浜面「冷静だな……」

    265 = 249 :


    学園都市某所――


    幻生「やれやれ、酷い目に会ったよ」

    馬場「面倒をみるのはここまでだ。これ以上は付き合いきれない!」

    幻生「それはメンバーの総意かね?」

    馬場「ああそうだよ! こんなリスキーな仕事だなんて聞いてない! 当然の判断だろ!?」

    幻生「リスキーだからこそリターンが見込めるのだよ」ニタニタ

    馬場「クソッ、もう二度とアンタの依頼は受けないからな!」テクテク


    木原「そりゃ賢明だ」シッ

    ドゴッ!!

    馬場「おごっ!?」ドサッ


    幻生「ほっほ、お前がここに来たということは、僕もお終いかぁ」

    木原「ま、そういうこった」

    幻生「いやしかし、アレイスター君も人が悪いね。レベル6に至ったサンプルを一人占めしてたなんてさ」

    木原「そんだけテメェに信用がないんだろ」

    幻生「お互い探究者だからねぇ」

    木原「ずいぶんと殊勝だな。抵抗しないのか?」

    幻生「既に詰んでいるのに投了しないのは愚か者のする事さ。仮にこの場を凌いでも幻想殺しからは逃げきれんよ」

    木原「まあな」

    幻生「好奇心は尽きないが去り際は心得ている。さ、早いトコ始末をつけてくれ」

    木原「おうよ」チャキ


    バンッ!!

    266 = 249 :


    アンチスキル詰所――


    黄泉川「ネタはあがってるんだ、さっさと吐いて楽になるじゃん」シイタケ

    上条「だから俺は無実なんです!!」

    黄泉川「状況証拠に食蜂の証言。無実なんて信じられないじゃんよ」シイタケ

    上条「た、たしかに素っ裸でした。でもそれは…」

    黄泉川「露出狂か?」シイタケ

    上条「ちげーよ!?」ガビーン

    黄泉川「落ち着け、誰にだって過ちはあるもんだ。大切なのは罪を認め償うことじゃん」シイタケ

    上条「それ自分にも当てはめてっ!? これ誤認逮捕ですから!!」

    黄泉川「仕方ない。そこまで言うなら信じてもいいじゃん」シイタケ

    上条「マジで!?」

    黄泉川「その代わり条件がある」シイタケ

    上条「条件?」ハテ?

    黄泉川「御坂美琴を捨てて、食蜂に乗り換えるじゃん///」シイタケ

    上条「ぶっ!! な、何言ってんですか!?」

    黄泉川「さあどうする///」シイタケ

    上条「そして何で赤くなってんの!? つーか食蜂! オマエの仕業だろ!!」


    食蜂「えへー///」ヒョコ

    267 = 249 :


    その日の夜


    グループのアジト――


    美琴「ええーっ!! アイツが逮捕されたですって!?」ガビーン

    御坂「はい……、とミサカは不安を露わに肯定します」ズーン

    浜面「木原のオッサンが裏から手を回してっから心配ないって」


    ガチャ


    上条「ただいまー」


    御坂「あっ」パァァ

    浜面「ほらな、心配なかったろ」

    美琴「ええ……でも何でアンタが一緒なのかしら、食蜂!」ピキ


    食蜂「本日付でグループに編入された食蜂操祈です☆ よろしくお願いしまぁーす」ニコッ

    上条「なんでこんな事に……」ゲンナリ

    268 = 249 :


    美琴「ちょっと! これは一体どーいうこと!!」ガァァ


    食蜂「やぁーん、御坂さんてば野蛮力凄すぎぃ~」ギューッ

    上条「こらっ! 女の子が無闇に抱きつくんじゃありません!」メッ

    食蜂「こんなコト、あなた以外にしないわよぉ///」


    美琴「ほう」ピキピキ


    上条「ああっ!? 御坂が誤解してるじゃねーか!」

    食蜂「さっきも言ったけどぉ、誤解を真実にすればいいじゃなぁーい♪」

    上条「ふざけんな!」

    食蜂「もう、つれないわねぇ。あんな風に助けておいて、その態度は無責任だと思わない?」

    上条「思いません!」

    食蜂「まあいいわぁ、簡単に手に入らない方が燃えるしぃー♪」

    上条「燃えなくていいから!? 上条さんは御坂が好きなんだあああああああああああああッ!!!」


    美琴「馬鹿なコト叫んでないで、早く離れろーーーー!!!///」カァァ



    浜面「何やってんだか」ヤレヤレ

    御坂「無事に釈放されてよかった、とミサカは安堵に胸を撫で下ろします」ホッ


    テッテレー


    上条当麻『光を掲げる者(ルシフェル)』へ変身可能になった!! ※以後一カ月経過するまで再使用不可

    上条当麻はミサカ9983号~10031号、及び木原数多の運命を変えることに成功した!!

    上条当麻は食蜂操祈の救出に成功した!!

    上条当麻は1ミコポイントを消費した!! ※現在所持数=2ミコポイント


    テレレレテッテッテー♪


    白い悪魔打倒に必要な人材、心理掌握がパーティーインしました!!!

    269 = 249 :


    第二十三学区 エンデュミオン――


    テッラ「幻想殺しとケンカした?」

    ローラ「それでかように消沈しておるの?」チラッ



    禁書「怒ることはあっても、本気の力を向けられたことはなかったのにぃ……」ションボリ



    アウ「騒然っ!? なんとか彼女を慰める手立てはないのか!」ヒソヒソ

    テッラ「難しいですねー。所詮コマにすぎない我らに、あの御方の悩みを取り去るのは些か……」ヒソヒソ

    ローラ「ステイル! 今こそ英国紳士としての器量を発揮……ってステイルはいずこ?」ヒソヒソ

    テッラ「そう言えば見当たりませんねー」ヒソヒソ

    ローラ「こんな時に何処で油を売りたるのかしら」ヒソヒソ

    アウ「唖然……このような書置きを見つけたのだが」スッ


    書置き『探さないでください by ステイル=マグヌス』


    ローラ「い、家出……?」

    テッラ「思春期の情動は理解不能ですねー」ヤレヤレ



    禁書「とうまのばかぁ……」メソメソ


    テッテレー


    インデックスは、上条当麻に本気で敵対されて激しく落ち込んだ!!

    ステイル=マグヌスは、とある目的のため家出してしまった!!

    270 = 249 :

    といったところで今回は終了
    最強の魔神がアレならば、最強の中の人はコレしかあるまいー

    271 :


    みさきちかわいい

    272 :

    乙  よし、次にパーティーインを狙うのはあの熱い男だッ!

    273 :


    上条さんにこの戦力があるとなると、撃滅メンバーは戦闘力重視とは限らないってことか・・・

    274 :


    それにしても一つの暗部にレベル5の1/3が集まるってパネエ
    最ももう暗部はあってないようなものだけど

    275 :

    乙。
    十字教世界の楔を破棄して光を掲げる者ってどう言う事?
    続き期待してます。

    276 :


    かっこいいなー
    やっぱこのss最高だわ

    277 :

    おい、誰かステイルの動向に期待してやれよ
    やれば出来る子なんだぞ

    278 :

    大丈夫。厨二で思春期のステイルを応援している。

    279 :

     もしかしてレベル5全員仲間にしないと無理か?

    280 :

    ここまで上条さんからクソミソ扱いされてるとインデックスがかわいそうになってきた
    思春期なステイルもいい方に向かうといいな

    281 :

    ステイルがインデックスを救うとかになったら俺得

    282 :

    >>275
    光を掲げる者=ルシフェル
    ルシフェル=ルシファー

    283 :

    白い悪魔インなんとかを駆逐せよ!!

    284 :

    8巻読んだらなんかインデックスさんをディスれなくなった

    287 = 286 :


    学園都市 第七学区 とある学生寮 一方通行さンち――


    ステイル「神裂、頼みがある」ズイッ

    神裂「な、なんですか、突然訪ねてきて藪から棒に」

    ステイル「あの子を救うために力を貸して欲しい」

    神裂「話が見えないのですが……」

    ステイル「どういう訳か彼女は10万3000冊を使いこなしている。そしてその力を背景に恐ろしい事を企んでいるんだ」

    神裂「…………」ポチポチ

    ステイル「今まで必要悪の教会を始め、イギリスは彼女を都合のいい様に利用してきた」

    神裂「そうですね……」

    ステイル「だから彼女の行動にも一応の正当性があるかもしれない。だけど僕は止めるべきだと思ってる」

    神裂「…………」ポチポチ

    ステイル「例え裏切り者の謗りを受けようと、彼女の過ちを正したいんだ」

    神裂「はい……」

    ステイル「頼む、神裂! 無理を承知でお願いする。僕に力を貸してくれ!!」ペコリ


    神裂「ああっ!? 貧乏神をなすりつけましたね!!」

    一方通行「ぎゃは!! ボケっとしてるオマエがマヌケなンだよ」ポチポチ

    土御門「スズやんは容赦ないにゃー。ねーちんは初心者なんだから手加減してやらないと」ポチポチ

    神裂「牛歩カード!?」ガビーン

    建宮「土御門も酷いのよ。貧乏神に憑かれてるのに牛歩は鬼畜の所業よな」ケラケラ

    神裂「くッ、寄ってたかって私をカモにするつもりですね。……いいでしょう、受けて立ちますっ!!」キリッ


    ステイル「…………」

    「あ、あの……元気を出してください!」アセアセ

    オルソラ「お茶はいかがでございましょう? お口に合えばいいのでございますが」

    ステイル「……ありがとう」ゲンナリ

    288 = 286 :


    九月二十五日


    グループのアジト――


    上条「うだー……」グッタリ

    美琴「ほら、いつまでグッタリしてんのよ。しゃっきりしなさい!」メッ

    上条「初日に無理し過ぎたからなぁ。いやはや、寄る年波には勝てんのう」

    美琴「私と二つしか違わないでしょーが! まったく、もう」ヤレヤレ

    上条「ミコっちゃんは元気ですねぇ。大覇星祭でも大活躍だったそうじゃん」

    美琴「ふっふーん、長点上機に大差をつけて優勝したわよ」エッヘン

    上条「偉い偉い」ナデナデ

    美琴「こ、子供扱いすんな!! てゆーか頭撫でるなっ!!///」テレテレ


    御坂「お疲れ様です、とミサカは大過なく大覇星祭の警備を終えた労いをします」

    浜面「おう、御坂妹もお疲れ」

    御坂「結局初日以降、白い悪魔に目立った動きはありませんでした」

    浜面「大将にビビって縮こまってんじゃねえの? な、食蜂」チラッ


    食蜂「痛い痛ぁーい! もっと優しくしてぇー!?」ビキビキ

    打ち止め「大げさね、ってミサカはミサカは勢いよくシップを貼ってみたり」パシーン!

    食蜂「ひぎぃぃッ!?」ギャース


    浜面「…………」

    美琴「情けないわねー。ちょろっと競技で引っ張り回しただけなのに筋肉痛?」

    御坂「一般的なお嬢様とお姉さまを同等に考えるのは酷では? とミサカは野生児並の体力を持つ姉に苦言を呈します」

    美琴「誰が野生児か!?」ガビーン

    上条「大丈夫だよ、御坂。俺はワイルドな御坂を応援してる」キリッ

    美琴「フォローになってないわよ!!」ガァァ

    289 = 286 :


    御坂「時に、明日から三日もお休みを頂いたわけですが、とミサカは話をぶった切ります」

    打ち止め「どこか遊びに行きたーい! ってミサカはミサカは提案してみる!」

    美琴「せっかくのお休みだもんね」ウン

    御坂「美味しいもの食べ歩きツアー……とミサカは小さな声で主張してみます」ボソッ

    打ち止め「えーっ、ミサカは遊園地に行きたい、ってミサカはミサカは駄々をこねてみたりー!」

    御坂「いいえ、時代はグルメを求めています、とミサカは上位個体(クソガキ)の意見を却下します」

    打ち止め「なんだとー!? ってミサカはミサカは下位個体の反逆に戦慄を隠せなかったり」

    美琴「こらこら、ケンカしないの」メッ

    御坂「ケンカなどしてません。美味しいものを食べ、心を豊かにする事の有用性を説いていた、とミサカは…」



    上条「なになに、遊園地に行きたい?」

    打ち止め「うん! ってミサカはミサカは9982号に先んじてあなたの懐柔を試みる!」

    上条「もちろんいいとも。明日は第六学区の遊園地に行こうな」ニコニコ

    打ち止め「わぁーい! やったぁー! ばんざーい!! ってミサカはミサカは全身で喜びを露わしてみたりー♪」キャッホウ♪



    御坂「ミサカのグルメ……」ションボリ

    美琴「あ、あはは……。元気出しなさいよ、遊園地のレストランだって捨てたモンじゃないわよ」

    御坂「なるほど、テーマパークにありがちな不味いくせに無駄に高いレストランですね、とミサカは死中に活を見出します」

    美琴「……さーて、お弁当の仕込みをしなくっちゃ」

    御坂「却下です、とミサカは風情を介さない姉を羽交い絞めします」ガシッ

    美琴「は、放せーーっ!! アンタと違って私に無駄遣いする余裕はないんだからー!?」ジタバタ

    290 = 286 :


    ギャア!! ギャア!!


    食蜂「遊園地ねぇ……」

    浜面「このあいだは有耶無耶になっちまったし初春も誘ってみるか」

    食蜂「明日には筋肉痛引いてるかしらぁ……いたた」ビキビキ

    浜面「そんなに酷いの?」

    食蜂「酷いなんてものじゃないわよぉ……。私は運動が苦……こほん、私は人より少しだけ、ほんのすこぉーしだけ運動が得意じゃないのに御坂さんたら」


    美琴「要は運痴なのよねー」


    食蜂「は、はぁーーーーッ!?」ガビーン

    浜面「おまっ、女の子がうんちとか言うなよ!? せめて『丸いもの』とか言葉を濁せよ!?」ガビーン

    食蜂「そっちの意味じゃないわよ! 馬っ鹿じゃないのぉーー!?///」カァァ

    浜面「他にどんな意味があるってんだ!? うんちはウンチだろーが!!」

    食蜂「下品なワードを連呼しないでぇーーっ!?///」ギャース

    浜面「ハッ、もしかして漏れそうなのか!?」

    食蜂「なにが!?」

    浜面「そりゃ話の流れからアレに決まってんだろ。その……丸いものだよ///」カァァ

    食蜂「…………死んで?」ピ

    浜面「はい、食蜂様」シイタケ


    ダダダダダダダッ!!!


    浜面「アイ・キャン・フラァァァーーーーーーーイッ!!!!」シイタケ

    美琴「ちょっ、浜面さんがベランダから飛び降りようとしてるーー!?」ガビーン

    上条「コンビニにでも行くのか?」ハテ?

    御坂「ではついでにシュークリームを買ってきてください、とミサカはちゃっかりお願いします」

    美琴「馬鹿言ってないでアンタたちも止めなさいよ!?」


    こうして夜は更け……

    291 = 286 :


    第二十三学区 エンデュミオン――


    アウ「整然、進撃の準備は整った!!」クワッ

    ローラ「まったく、人使いが荒きことブラック企業の如しなのだから……」

    テッラ「連合王国など何するものぞ。我が信仰心の前ではゴミ同然ですねー」


    禁書「その意気やよし!!」


    アウ「聖女インデックス! 我らが盟主にして神の地上代行者よ!」

    テッラ「どうか我らにご命令を」


    禁書「命令(オーダー)は見敵必殺(サーチ&デストロイ)!!! 目標、連合王国ッ!! 全力で粉砕するんだよ!!!」キリッ


    アウ「ジーク・ハイル!!」

    テッラ「ジーク・カイザー・インデックス!!」










    ローラ「…………」ニッコリ



    ある者は陰謀と野望渦巻く進撃を開始し……

    292 = 286 :


    第七学区 窓のないビル――


    レイ「かの魔神はイギリスを取るのか。ふふ、それもまた一興」

    土御門「なんだ、慌てないのか?」

    レイ「どこに慌てる要素がある? 私は、学園都市は無敵の守護天使を得たのだ。恐れるモノなど有りはしない」

    土御門「『光を掲げる者』か……。しかしアレは良くないモノじゃないのか?」

    レイ「天界の三分の一を率いて神に反逆した堕天使。『魔王(ルシファー)』であると言いたいのだろう?」

    土御門「…………」

    レイ「心配はいらない。そのような風聞は十字教の欺瞞だよ」

    土御門「欺瞞だと?」

    レイ「シュメールの戦女神イシュタルを、悪魔大公爵アスタロトと貶めて悦に入る馬鹿者どもの宗教だ。分からないか?」

    土御門「なるほど……。唯一神を信奉する以上、都合の悪い存在は皆アクマか」

    レイ「そもそもルシフェルは地獄に叩き落とされたのではない、むしろ逆だと私は考えている」

    土御門「逆?」

    レイ「彼は自ら望んで地獄に落ちたのだよ。知恵の実を食べ、楽園を追放されたか弱き人間を護るために」

    土御門「この世界こそが地獄か。言い得て妙だな」

    レイ「だからこそ、暗部に堕ちても輝きを失わず妹達を護っているのだろう」

    土御門「自分で堕としておいて抜け抜けと。まあ貴様の講釈は理解した、そしてここからはオレの提案だ」ニヤリ

    レイ「ほう、なんだね?」



    またある者は保身と慢心に浸り、お節介焼きは暗躍する……

    293 = 286 :


    九月二十六日


    第二十三学区 超音速旅客機内――


    上条「は?」

    美琴「え?」

    浜面「なんで俺たち飛行機に乗ってんの?」

    御坂「しかもこれは超音速旅客機、とミサカは不吉な予感に冷や汗をかきます」ヒヤリ

    食蜂「てことは海外へ行くのかしらぁ?」ハテ?

    浜面「遊園地に行くんじゃなかったのかよ」

    初春「そ、そうですよ! 今日は遊園地でデ、デデデートだって聞いてたのに……///」モジモジ

    佐天「ならんッ!! このあたしの目の黒いうちは、初春(パンツ)とデートなんて認めんぞおおおおッ!!!」クワッ!!

    初春「ていうか何でついて来てるんですか佐天さん!?」ガビーン

    佐天「何言ってんの? あたしと初春は一心同体、二人でワンセットでしょ」ウン

    初春「抱き合わせ商法みたいに言わないでください!」


    ピンポンパンポーン♪


    木原『あー、これより当機は離陸するから速やかにベルトを締めるように。でなきゃ……死ぬぜ?』



    一同「「「「「「「「え……」」」」」」」

    294 = 286 :


    浜面「ちょっと待て!? 死ぬってなんだよ!?」

    上条「滅茶苦茶速いんだよコレ。たしか時速7000キロだっけ?」

    初春「カタログスペックではもっと速度が出せるそうですけど、とても人が耐えられるGではないんだとか」

    浜面「マジかよ……」

    美琴「不安しかないわね……」

    食蜂「ま、大丈夫でしょ。学園都市って科学力だけは信用できるわけだしぃ」

    上条「でもコレ、スゲー胃にくるんだよ。エチケット袋はどこですかね」キョロキョロ

    浜面「えっ、ゲロ吐くの前提!?」ガビーン


    御坂「ミ、ミサカのお腹には朝食がたんまりと……」サァァ…

    佐天「あたしもだ!?」

    美琴「どどどどうしよう!?」オロオロ

    食蜂「慌てなくてもぉ、女の子は粗相したりしないゾ☆」キラッ

    美琴「アンタは朝食抜いてたでしょーが!!」

    初春「……(浜面さんからのお誘いに緊張して、朝食どころじゃなかったのが幸いしました)」ホッ

    美琴「降ろしてっ!! せめて普通の飛行機にしてよ!?」



    木原『残念だがそれは認められねえ。諦めて逝ってこいや』



    美琴「ぎゃああーーー!!! 人でなしーー!?」ガビーン

    295 = 286 :


    フライト中


    ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


    美琴「うぎぎぎぎ……。き、きもちわるい……」ウプッ!?

    浜面「あれ? 俺は割と平気なんだが」ケロッ

    上条「右に同じく」ケロッ

    御坂「くッ、凄まじいGです……ッ、とミサカは大気圏離脱ごっこに興じます」ケロッ

    初春「もう少しです! もう少しで私たちは星の大海に……!!」ケロッ

    美琴「ア、アンタらはバケモノか……食蜂、生きてる?」チラッ

    食蜂「」グッタリ

    美琴「し、白目むいてる……。佐天さんは…」

    佐天「あ、あたし……頑張ったよね……? ねえ、初春……もうゴールしてもいいよね? …………うぶッ!?」

    美琴「ぎゃあ!? 誰かエチケット袋ぉぉーー!!!」ギャース

    佐天「…………」プクー

    美琴「さ、佐天さん……? ハムスターみたいに頬が膨らんでるのは、ま、まさか……」ゾクッ

    佐天「…………」ニッコリ

    美琴「あ……」


    ◇ ◇ ◇ ◇


    学園都市 第七学区 常盤台中学女子寮――


    寮監「白井、今日も風紀委員の活動か?」

    黒子「はい、大覇星祭が終わり空気が緩んでいますので」

    寮監「そうか。あまり無理はしないようにな」

    黒子「ええ……ッ!?」ゾクッ

    寮監「どうした?」ハテ?

    黒子「いえ……(今の悪寒は一体……。まさかお姉様の身になにか!?)」

    297 = 286 :


    ?????――


    上条「ほら、着いたぞ御坂」

    美琴「うう、酷い目にあった……」ゲッソリ

    食蜂「なんなのこの飛行機。人が乗るものじゃないわよぉ……」ゲッソリ

    佐天「いやー、とんだ旅行になっちゃいましたね」スッキリ

    美琴「主に佐天さんのおかげでね……」ジトー

    佐天「あ、あはは」

    上条「と、ともかく少し休めるとこを探そう! みんなもそれでいいよな?」チラッ


    御坂「超音速旅客機から降りたミサカたちを待ち受けていたのは」

    初春「霧の都と揶揄されたロンドン!」ワクワク

    浜面「おおっ、外国とか初めて来た!」ワクワク

    御坂「イギリスといえばフィッシュ&チップスですか、とミサカは名物料理に期待を膨らませます」キラキラ

    初春「どうなる事かと思いましたが、ヨーロッパ旅行できるなんて感激です!」

    浜面「よっしゃー! 満喫するぜ!」

    御坂「そうと決まれば即行動、とミサカはおもむろに駆けだします」タッタッタ

    浜面「テンション上がってきたー!!」タッタッタ

    初春「ま、待ってくださーい!」タッタッタ


    上条「ちょ、お前ら勝手に行動すんな!?」ガビーン

    佐天「まあまあ上条さん、そんなに目くじらを立てなくても大丈夫ですって」

    298 = 286 :


    数時間後


    イギリス ロンドン市街――


    上条「――なんて言ってる端からアイツら迷子になってるじゃねーか!?」ギャース

    佐天「う~ん、困りましたね」

    美琴「浜面さんがついてるし大丈夫よ」タブンネ

    上条「ああ……心配だ。ただでさえ御坂妹はカラダが丈夫じゃないのに、生水を飲んだりしてないといいんだが……」オロオロ

    食蜂「過保護ねぇ。海外といっても学園都市ほど治安が悪いわけじゃないでしょぉ?」


    市民A「女王を探せーー!!!」

    市民B「大勢はすでに決したらしい。聖女さま率いる『清教派』の勝利だ!!」

    市民C「『王室派』と『騎士派』の残党を逃がすなーー!!!」

    市民D「オールハイル・インデックス!!!」

    市民E「我らが聖女インデックス様に勝利を捧げるんだ!!」


    食蜂「…………」ポカーン

    佐天「うわっ、そこら中で物騒なコト話してる!?」

    美琴「ねえ、これって……」

    上条「クーデターかよ!? アイツやりやがった……!!」


    テッテレー


    グループ一行+αは強引にイギリスへ出張させられたうえ、クーデターに巻き込まれてしまった!!

    299 :


    浜面「なあ、街の様子が変じゃないか?」

    御坂「…………」

    初春「なんだか街中の人が殺気立ってるというか、誰かを探してるような……」

    浜面「ヤバそうだな……。大将たちと合流したほうが良さそうだ」

    御坂「いいえ、ここは情報収集を優先するべきです、とミサカは主張します」

    浜面「情報収集?」

    御坂「この状況は普通ではありません。そしてミサカたちが今ここに居るのにも意図があるはず、とミサカは推測します」

    初春「……ですね。こんな状況の中、入国なんて普通は出来ませんよ」

    浜面「つまり木原のオッサン、いや、学園都市は何らかの意図があって俺たちを寄越したってワケか」

    御坂「はい」

    浜面「クソッ!! 俺らはともかく、初春たちを巻き込むなんて何考えてやがる!!」

    初春「浜面さん……」

    御坂「だからこそミサカたちは別口で動くのが最善なのです、とミサカは厄介事の避雷針なあの人を思い浮かべます」

    浜面「なるほど、大将たちと合流するほうが危険って事か」

    御坂「お花畑系風紀委員の友人だけならば、お姉様がフォローするでしょう、とミサカは冷静に分析します」

    初春「お、お花畑ってなんですか!?」ガビーン

    浜面「まあなんだ、初春は俺たちが守るから傍を離れるなよ」キリッ

    初春「……は、はい///」カァァ

    御坂「やれやれ、とミサカは天然たらしな同僚に辟易……ん?」チラッ


    ??「ハァ、ハァ……! 急がないと手遅れに……ウ、ウィリアム……」パタリ


    300 = 299 :

    といったところで今回は終了
    今度はイギリスクーデター編。やったねヴィリアンちゃん、アックアが助けに来るよ!


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