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    元スレ美琴「とある幸福の上条当麻、始めるわよ!」上条「マジで!?」

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    601 = 599 :


    禁書「今度はあなたの記憶を消してあげる」


    美琴「!?」


    禁書「とうまとの記憶を、その浅ましい想いごと一切合財キレイさっぱりデリートしてやるんだよ」ニッコリ


    美琴「や、やめてよ……」ガクブル


    禁書「なんで今まで思いつかなかったんだろう。こっちの方がより残酷なのに、迂闊だったかも」


    美琴「それだけは……アイツとの……と、当麻との思い出だけは盗らないでよ!!!」


    禁書「良い! 実に良いっ!! これが見たかった!! あなたの絶望に塗れた醜態を見たかったんだよ!」ケラケラ


    美琴「~~~~~ッ、悪魔めぇぇッ!!!」ギリッ


    禁書「今あなたが言うべきなのは、別の言葉じゃないのかな?」


    美琴「………………ます」


    禁書「んん~~? なになに、今すぐ記憶を消して下さい?」


    美琴「お、お願いだからそれだけは勘弁してください! 私が憎いなら殺したって構わない! だから……だから……!!」


    禁書「うんうん、気持ちは痛いほど共感できるかも」ウン


    美琴「じゃあ!?」パァァ


    禁書「いい懇願なんだよ、感動的なんだよ、――――だが無意味なんだよ」ニッコリ


    美琴「……え」


    602 :

    むなくそわるいな…このくそシスター…

    603 = 599 :


    禁書「ハッハー! このインデックスの大好きな事のひとつは、みさかみことが一縷の希望を見出した時の表情を、絶望に塗り替えてやることなんだよ!」

    美琴「あ、あぁぁ……」ブルブル

    禁書「さあ、フィナーレだよ! とうまに色目を使ったことを、忘却の彼方で私に詫び続けるんだよぉぉーーー!!!」


    神裂「テメエの血は何色だああああああああああああああああ!!!!」チャキ



    ザンッッ!!!!



    禁書「なっ、かお…ぬわああーーーーっ!?!?」ヒューーン



    ズドーーーン!!



    美琴「せ、聖人……!?」オロオロ

    神裂「外道が、大概にしとけよ! ……がはあッ!?」キリッ

    ステイル「なに全力で斬りかかってるんだ!? 彼女を止めに来たのに、ミンチにしてどうする!? しかも考え無しに魔術まで使うなんてバカか!?」ギャース

    神裂「し、心配には及びません。か、刀の腹で打ちすえただけです」フラフラ

    ステイル「自分のパワーを考えろよ人間核兵器!!」

    神裂「ステイル、あなたは御坂美琴を。私は上条当麻を運びます」

    ステイル「~~~~~~ッ!!! 言われなくても分かっている!!」



    禁書「ふ……ふふっ……フフフ」ユラァ



    ステ神裂美琴「「「!」」」ビクッ


    604 :

    所詮二次創作ってわかってるのに、殺意が湧き上がってくるレベル

    605 = 599 :


    禁書「せっかくの良い気分が台無しなんだよ。フフフ、このインデックスをここまでコケにした愚か者は初めてかも」ドドドドド



    ステイル「は、はは……冗談キツイね、これは」ガクブル

    神裂「ええ、これでは大人と子供……いいえ、恐竜と蟻です」ガクブル

    美琴「す、少しでも勝てるかもなんて考えてた自分の甘さが嫌になるわね」ガクブル



    禁書「怖がる必要は無いよ。私は慈悲深いからね、苦しまないように逝かせてあげる」ニッコリ

    上条「やらせねーよ」

    ガシッ

    禁書「と、とうま……!?」ギョッ!?



    美琴「!ッ、今なら…」



    上条「ステイルッ!!! インデックスは俺が責任を持つ!! だから……美琴を頼む」



    ステイル「君は……」

    美琴「何言ってんのよ! 私は、あっ……」クテン

    神裂「不作法を許してください。……ステイル」

    ステイル「クソっ、分かっているさ!! 上条当麻っ! これは貸しだからな!!」



    上条「ああ、必ず返すよ」

    禁書「離してっ!! ここで短髪を処理しないと、禍根を残すことになるんだよ!」


    606 = 599 :


    上条「禍根、ね。そうだよな……お前が美琴に異様なまでの敵対心を剥き出しにしてたってのに、俺は何の対処もしなかった」

    禁書「とうまは悪くないかも! 悪いのは全部…」

    上条「ああ、俺だけが悪いんじゃない。つーかテメエが一番悪い!!」

    禁書「ええっ!?」ガビーン

    上条「この際だ、きっちりケジメをつけさせてもらう!」ゴゴゴゴゴ

    禁書「こ、このテレズマの高まりは!? まさかとうま……!」

    上条「ようやく能力の使い方が分かってきた。つっても枯渇寸前だから大したことは出来ないけどな」ゴゴゴゴゴ

    禁書「落ち着いてとうま! こんな事しても誰も喜ばないんだよ!!」アセアセ

    上条「はは、その慌てようなら一応効果はあるみたいだな」ニッ

    禁書「わ、わかったから! 短髪には二度と手出ししないと約束する! だから早まらないでー!?」ギャース

    上条「さあインデックス、俺と一緒に地獄に逝こうぜっ!!!」

    禁書「!」




    ――――



    ズゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!




    神裂「この空間が軋むような力の波動は……!」

    ステイル「彼だろうね……。しかしこれでも彼女を止めるには足りないだろう」

    神裂「上条当麻の意思を無駄に出来ません。生き恥を晒してでも、御坂美琴を無事に帰さねば立つ瀬がありませんね」

    ステイル「当然だ」

    神裂「ならば一刻も早く、この空間から脱出する手立てを見つけましょう」




    ◆◆◆◆

    607 = 599 :


    ???――



    総体「――てな感じで、アンタたちは白い悪魔に完全敗北/return。死に損った上条ちゃんは記憶を改竄されちゃいましたとさ/return」

    上条「……美琴たちはどうやって逃げのびたんだ?」

    総体「第一位の最後っ屁ってやつ?/escape。死に際に疑似アストラル界を崩壊させて、最終信号を通常空間に帰還させたのだよ/return」

    上条「一方通行はアレイスターとの決戦で戦死して……あれ?」

    総体「前回以外はそうだね/return。前回だけが例外ってこと/return」

    上条「前回……てことは、この世界は一定の期間をループしてるのか?」

    総体「ご明察/return。二回目以降は ほぼ同様の過程を10030回ループしてる/return」

    上条「どんだけだよ!?」ガビーン

    総体「執念深いわよー、ホワイトデビルちゃんは♪/return」

    上条「頭いてぇ……要するに前回、10031回目だけが異質だった。……大覇星祭二日目に美琴が俺に告ったからだ。本来は数年後に俺からのはずだった」

    総体「大覇星祭二日目、その日がお姉様にとっての基点なんだ/return」

    上条「改竄された記憶だと、その日は暴走した美琴を……ッ、そうか、そういう事か」

    総体「理解したみたいね/return」

    上条「ああ、――美琴は大覇星祭二日目に記憶を取り戻すんだな?」

    総体「木原幻生の実験の過程でね/return。ミサカネットにバックアップしてあるお姉様の記憶データをダウンロードすんのよ/return」

    上条「ずっと一人で戦ってたのか……いや、戦わせちまってたのか」

    総体「気に病みなさんな/return。その甲斐あって、どうにか白い悪魔の攻略法までこぎつけたんだ/return」

    上条「マジかよ!? あ、でも……」

    総体「うん、今回のお姉さまは今見たクソッタレな記憶なんて一切知らないし、戦う術も碌に知らない無力な小娘だよ/return」

    上条「そうか……」

    総体「しっかし参ったなー/return。前回の試行は本命である今回の予行演習だったのにさー/return」

    上条「えっ」

    総体「あ、いっけね、これ以上は白い悪魔に感知される危険大だわ/return。じゃあね、話せて楽しかったよ、上条ちゃん♪/return」

    上条「ちょ、おまっ、こんな中途半端に情報渡して…」



    ◇ ◇ ◇ ◇

    608 = 599 :


    第七学区 とある病院――


    上条「…上条さんにどうしろってんですかーーー!?」ガバッ


    美琴「あ、気がついた」パァァ

    土御門「……普通ならミンチより酷い事になってるだろうに、数時間でお目覚めとはカミやんのカラダはファンタジーだにゃー」

    美琴「気にしたら負けですよ」ウン


    上条「ハァハァ、ダメだ……。久々に脳をフル回転させた反動か、頭痛が痛い!!」ズキズキ


    土御門「このお馬鹿発言、いつものカミやんですたい」

    美琴「知恵熱かしら……?」

    オッレルス「何気に酷いね、君ら」


    上条「あ、お前は上条さんに体当たりかましやがった落下系イケメン!?」


    オッレルス「いやぁー、とんだ無礼を働いてしまって済まない」ペコリ


    上条「いえいえ、なんのこれしき お気になさらず」


    オッレルス「そうかい? まあそれはそうと、幻想殺しである上条当麻に聞きたい事があるんだが」


    上条「ほう」


    オッレルス「魔神オティヌスは何処に居る?」


    上条「……誰それ?」ハテ?


    609 = 599 :

    といったところで今回は終了
    覚醒フラグを回収したので、次回からジジ条さんのボンクラ具合が緩和されます。悪しからずー

    610 :

    インさんクズすぎワロタ

    611 :


    きっとインデックスにもいろいろあったんだ!
    上条さんとずっと一緒にいたから少し依存しちゃってただけなんだ!
    みんなが大好きヤンデレなだけなんだ!
    きっとステイルさんが救ってくれる!だってステイルだもん!

    613 :

    何回繰り返しても上条さんと一緒になれなかったみたいだからね
    しかしこれを知ったら、上条さんも次は悪ふざけなしで一気に潰しに掛かるかもな

    614 :

    前回ミコっちゃんと結ばれてたけど、上条さんの記憶だとインデックスと結ばれてた記憶があったってことはインデックスとの記憶は偽物だったってことかな?
    だとしたら偽の記憶があってもミコっちゃん一筋の上条さん、流石だなぁ。

    615 :

    まさしく女神転生

    616 :

    インさん、正にえクソシスター……。

    617 :

    オティヌスを救った上条さんですら見捨てるレベルだなこれは。

    618 :


    手に汗握る展開

    619 :

    上条さんの両親は美琴と結婚すると思ってたみたいだしね
    それにしてもこのインデックス、どうしてここまで上条さんに執着してるんだろう
    記憶を持ったまま転生を繰り返しているなら上条さん以外のパートナーと幸せな時代を過ごしているはずなのに

    620 :


    上条さんだからだろ

    それ以上でもそれ以下でもない

    621 :

    転生じゃなくてループだからステイルやアウレオルスと一緒に暮らした時点までは遡行してないのか

    622 :

    あれ?記憶が蘇ったならミコポイント使ってもおkなのかな?

    623 :

    >>622
    ミコポイント貯まって使ったからこうなった
    >>503

    624 :

    前回のループのインさん相当幸せだと思うんだが何故戻した?

    625 :

    >>624
    >>518から察するに最後に愛想つかされたからじゃね?
    むしろ結婚までこぎ着けて何故体を許さなかったんだろう・・・
    ここまで手段を選ばず神も仏もなく執着心MAXなヤンデックスなら、繋ぎとめるために何でもしそうだが
    純潔を失ったら力も無くしちゃうタイプの魔神なんだろうか

    626 :

    神を凌駕してる時点で純潔を守る必要ないもんな

    627 :

    インさんをここまでクズ表現してて、ここの1はそんなにインさん嫌いなのかとも思ったが
    上琴インのほのぼの家族モノも書いてたんだよな・・・あのころの綺麗なインさんに会いたい

    628 :

    きっと全部平行世界

    629 :

    本編ではインなんとかさんみたいな感じで扱われてるんだからここではインデックスとして扱われていてよかったじゃないか

    630 :

    原作でなぜ上条さんがインデックスに執着しているのかさっぱりわからなかった。
    呪いにかけられているかのようにも見えた。
    このSSでなんとなく納得できたり。

    634 :

    前世?での回想シーンの意味がようやく繋がったわ
    逃げ延びた美琴が理事長になって、ステイル達と一緒に戦い続けた未来だったのか…
    ターミネーターか封神演義みたいなクライマックスになってきたww

    これで謎や伏線はかなり消化されたし、総体の参戦で逆転のメドがついた話の持っていき方が上手い
    フルスペックの上条と記憶が戻った美琴でもまだ足りないみたいだし、撃滅メンバーがポイント?
    オティヌスが最後の鍵とかだったら燃えるが

    635 :

    まだかなぁー

    636 :

    まってるよー

    637 :

    >>1が帰ってくると俺は信じてる

    638 :

    帰ってくるって別に投下スピードが早いわけでもなく、前回の投下から一ヶ月も経ってない
    とりあえずageるな、アホ

    639 :

    わりぃな気長に待つわ~

    640 :

    わりぃなもうあきらめるわ~

    642 = 641 :


    ◆◆◆◆


    イギリス とある魔術結社――


    魔術師A「フハハハハ、時は満ちた! ついに我が最強の術式が完成したのだ!!」

    魔術師B「おおっ!!」

    魔術師C「これで忌々しい科学の総本山を叩ける! チンケな犯罪には飽き飽きしてたんだ」

    魔術師D「しかしイギリス清教の聖女はともかく、必要悪の教会が黙っているでしょうか?」

    魔術師E「ふんっ、必要悪の教会なにするものぞ! 我らが大望の前では蟷螂の斧 同然よ」


    上条「じゃあお前らは藁の盾だな」ヌッ


    魔術師A「何者だっ!!」


    上条「イギリス清教第零聖堂区。お前らの言う蟷螂の斧の元締めだよ」


    魔術師A「黒髪ツンツン頭の東洋人神父……。ま、まさか……コイツが必要悪の教会の……」

    魔術師B「魔術師殺しの上条当麻か!」


    上条「幻想殺しだっての。まあお前らを殺しに来たんだから間違いじゃないけどさ」


    魔術師D「待ってください、ここに来るまで大勢の同志が居たはずです! どうやってここまで……」


    上条「俺がここにいる以上、答えは一つだろ?」


    魔術師E「来たるべき日に備えて鍛え上げた選りすぐりの精鋭だぞ!?」


    上条「元気に息巻いてたなぁ。学園都市を潰すだの、御坂を殺すだの。上条さんの前でよくもまぁ吠えたもんだ」


    魔術師A「せ、聖女に仕える人間が殺生など許されるのか!?」


    上条「は? インデックスは関係ないだろうが。テメエら、俺を誰だと思ってやがる」


    魔術師D「……必要悪の教会の処刑人。血塗れ神父……上条当麻に目を付けられた魔術師は例外なく抹殺される……ッ」ガクブル


    上条「知ってるなら話が早い。さあ始めようか」ニッコリ

    643 = 641 :


    魔術師B「と、投降する! だから殺さないでく…」

    上条「違うなぁ」スッ

    ドスッ!!

    魔術師B「がふッ!?!?」ゴポッ

    上条「命乞いなんて許すわけねーだろ。強盗、殺人、強姦、極めつけにテロ未遂。テメエらが犯した悪事はとっくに知れてんだ」


    魔術師E「くッ、若造がつけ上がるなァーー!! ――全ての力の源よ 輝き燃える赤き炎よ フレアアロー!!!」ボゥッ!!!


    パキーン!


    上条「なんだこのショボイ炎は。ステイルと比べればマッチ以下じゃねえか」

    魔術師E「ば、馬鹿な……」ガクブル

    上条「しかも戦意喪失? そうじゃないだろ」スッ

    ドスッ!!

    魔術師E「ぎッ、ごはあーーっ!!!」ドサッ

    上条「投降も命乞いも却下だ。そろそろ理解しようぜ?」


    魔術師A「ど、どうすればいいのだ!? 助かるなら何だってする! 学園都市へのテロ行為も中止する!」

    魔術師C「仮にも聖職者なんだろ!? 犯罪者だからといって殺生が許されるものか!!」



    上条「ハァ、なんも分かってねーな。このクソ虫どもがッッ!!!!」



    魔術師ACD「「「ッ!?」」」ビクッ



    上条「毒を、更なる猛毒でもって制するのが必要悪の教会だ。一般人に手を出し、俺が出張った時点で慈悲は無いと知れ」



    魔術師A「い、命だけは! どうか命だけは……!!」



    上条「テメエらに残された道はただひとつ! 力の限り運命に抗い、そして藁のように死ぬのだあああ!!!」クワッ



    魔術師ACD「「「ぎゃああああーーーーーーーーーーーー!?!?」」」ギャース




    ◆◆◆◆

    644 = 641 :


    第七学区 とある病院――



    オッレルス「オティヌスを知らない、と?」

    上条「正確には面識が無い。が、情報としては知ってる。北欧神話由来の、それなりの力を持つ魔神だったっけ」

    オッレルス「そ、それなり……」

    上条「探して見つからないならインデックスに始末されてるかもな」ウン

    オッレルス「始末って……ええっ!?」ガビーン

    上条「脅威の火種を放置しておくほどアイツは甘くない。人間的にはアレでも、支配者としちゃ有能だからなぁ」

    オッレルス「そんなバカな……」

    上条「もしかして友人だったり?」

    オッレルス「そんなカワイイ関係ではないさ。……しかし、そうだね。倒れたのなら喜ばしいことだ」

    上条「それはそうと、侵入者の魔神級魔術師ってのはお宅ですか?」

    オッレルス「えっ、えーっと……」アセアセ

    上条「うちの可愛いミサカたちを、容赦なく叩きのめしたのはテメエかって聞いてんだよ」ドドドドド

    オッレルス「は、はいっ!!」

    上条「そっか。ならたっぷりお礼をしないとな」ニッコリ

    オッレルス「誰か彼を止めてくれ! って誰もいない!?」ガビーン

    上条「よりによってこんな時に来るなんてなぁ。運が悪かったんだよ……お前は!!」



    ◇ ◇ ◇ ◇


    オッレ<アンギャアアアアアアアアアアアアア!!!!



    美琴「と、止めなくていいのかな?」

    土御門「捨て置け。それより聞いておかないと不味い事がある」

    美琴「はぁ、なんですか?」ハテ?

    土御門「カミやんの能力についてなんだが、能力を根本的に消去出来るってのは本当か?」

    美琴「ええ、本当ですよ。実際第一位が無能力者……というのは語弊があるかな。とにかく能力を一切使えなくなりました」

    土御門「……やはりカミやんの力は本物か」

    美琴「怖い能力ですよねー。今までの努力が水の泡なんて、ううっ、想像しただけで悪夢だ」ガクブル

    土御門「……(まあ純正の能力者はそうだろうな。だが、オレにとっては……)」

    645 = 641 :


    CASE 28 DRAGON RISES 後編


    十月六日

    第七学区 グループアジト――


    上条「突然ですが、ここで緊急会議を開催します」デデン


    美琴「へ?」

    浜面「ホントに唐突だな……」

    食蜂「ふぅん、それで議題は何かしらぁ?」


    上条「議題は進路希望調査及び今後の指針。まあ何だかんだでグループも軌道に乗ってきたし、今後の運営方針を決める時期かな、と」


    浜面「ど、どうしたんだ? 大将が滅茶苦茶マトモな事言い出したぞ」ヒソヒソ

    食蜂「精神干渉の類はないみたいだけどぉ」ヒソヒソ

    御坂「拾い食いでもしたのでしょうか? とミサカは推測します」ヒソヒソ

    美琴「少しは自分たちのリーダーを信じてやりなさいよ! アイツも真面目に考える時だってあるわよ……きっと」ヒソヒソ


    上条「お前ら……ごほんっ!! とにかく、漠然とでもいい。この先グループの活動を通じてどういう自分になりたいのか、それを今から配るプリントに記入してくれ」


    美琴「ヤバイどうしよう? 宇宙人にキャトられたのかも!?」ヒソヒソ

    浜面「借金返済しか頭にないのが大将だったろ!?」ヒソヒソ

    御坂「やはり悪いものを拾い食いしたとしか……とミサカは沈痛な面持ちで唸ります」ヒソヒソ

    食蜂「ストレスでおかしくなった可能性も……」ヒソヒソ

    美琴「その可能性は否めない、ッ、な、なに!?」ビクッ



    上条「……文句があるなら肉体言語で個人面談してもいいんですが?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ



    浜面「あ、圧倒的プレッシャー!! 普段は穏やかな大将の背に、阿修羅の如き覇気が立ち昇っているッ!?」ギャース

    美琴「解説しなくていいから浜面さんも書きなさいよ!?」カリカリカリ

    食蜂「」ビクンビクン

    御坂「……(恐怖のあまり白目を剥いて気絶している……! とミサカは余計な事を考えつつ素早くペンを走らせます)」カリカリカリ

    646 = 641 :


    一時間後


    上条「みんな書き終えたか? そんじゃ浜面から順に発表してもらおうか」

    浜面「ちょっ、発表すんの!?」

    上条「当然だろ。全員の希望を突き合わせて、総合的に組織の運営方針を決定するんだ」

    浜面「け、けどよ、グループの仕事は魔術師狩りだよな?」

    上条「そりゃそうなんですがね、何時までも都合の良い駒に甘んじてるのは癪だろ」

    浜面「…………」

    上条「それに何の展望も見出せない環境は人を狂わせる。だからこそ夢や目標が必要なんだ」

    浜面「大将は……その、具体的なビジョンがあるのか?」

    上条「第一目標、学園都市の暗部を掌握。第二目標、統括理事会を掌握し学園都市の実権を握る。最終目標、白い悪魔の抹殺もしくは無害化」

    浜面「…………え」

    上条「うん?」ハテ?

    浜面「お、おい……それってクーデターなんじゃ…」

    上条「人聞きが悪いなァ。統括理事長にどっちが上位者なのか教育してやるだけだって。クックック、物理的にな」ニヤリ

    浜面「ぎゃああーー!!! ご乱心ッ、なんか大将が覇道に目覚めてんですけどぉぉーー!?」ガビーン

    上条「ハハハ、こーこーせーの無邪気な夢ですことよー」

    浜面「どこがだっ!! あからさまに棒読みじゃねぇか!!」



    御坂「なるほど、クソッタレな学園都市上層部に反逆ですか、とミサカはあの人の夢を全面肯定する決意を固めます」キリッ

    食蜂「御坂さんは言うまでもないわよねぇ?」

    美琴「まあ、うん……私も考えなかったワケじゃない」



    浜面「なんでお前らそんなに乗り気なの!?」

    上条「よろしい、ならば反逆だ」

    浜面「しねーよ!! てか結論急ぎ過ぎだろ!?」

    647 = 641 :


    浜面「落ち着けよ大将。確かに木原のおっさんは信用ならねえが、学園都市そのものにケンカを売る必要ないだろ!?」

    上条「仮定の話をしよう」

    浜面「大将?」ハテ?

    上条「白い悪魔は学園都市を征服、あるいは殲滅しようとしている。それに対抗できるのはグループの戦力だけ」

    浜面「…………」

    上条「なら白い悪魔にグループをぶつければいい、そう統括理事会は考えるだろう」

    浜面「実際そうだしな」ウン

    上条「問題はここからだ。仮にグループが勝利したらどうなると思う?」

    浜面「そりゃ喜ぶだろ。俺たちは学園都市を救った英雄じゃねーか」

    上条「本当にそうか?」

    浜面「へ?」

    上条「英雄といえば聞こえはいいが、本質は白い悪魔すら凌駕する怪物が生き残ったという結果にすぎない」

    浜面「か、怪物って……」

    上条「そんな怪物がいつ自分たちに牙を剥くか分かったもんじゃない。だから白い悪魔を倒した直後の消耗してる間に始末するべきだ」

    浜面「…………」

    上条「こうして学園都市を脅かす怪物たちはまとめて居なくなりましたとさ、めでたしめでたし」

    浜面「……マジかよ」

    上条「当たらずとも遠からずだろうよ。命が助かっても上条さんは研究所でモルモット生活が濃厚ですかねえ」


    食蜂「ま、妥当な筋書きでしょ」クスクス

    美琴「いや、全然笑えないんだけど」

    648 = 641 :


    上条「てな訳で、現体制への反逆は既定路線だ」

    御坂「あなたとレベル5が二人、それに妹達の戦力があればあるいは、とミサカは不可能でないと判断します」

    浜面「あの、俺は……?」

    御坂「おっと失礼。浜面バリアーも有用でした、とミサカは同僚にサムズアップを送ります」

    浜面「弾除けにする気かっ!!」ガァァ

    上条「なになに、キャリアプラン・浜面仕上。グループでの経験を活かせる職場を希望。第一希望は警備員か……ふむ」

    浜面「ちょ、なに読み上げてんの!?」

    上条「つまり特務支援課の活動を重視して、ゆくゆくは正式な警備員になりたいってことか」


    食蜂「へぇー、チンピラっぽいのに真面目ねぇ」ニヤニヤ

    美琴「うん、ちょっと意外」


    浜面「ほっとけ!」

    御坂「おや、同僚もミサカと同じですか、とミサカは嬉しさを隠しつつ告げてみます」

    浜面「えっ」

    上条「ホントは危険な仕事から遠ざけたいんだけど、本人が希望するなら仕方ないか。悪いけど浜面も気にかけてやってくれ」

    浜面「そりゃ構わないけどよ、マジでずっと警備員の仕事続けられんの、俺……?」

    上条「能力は十分証明されてるし、木原さんと黄泉川先生辺りが推薦すれば問題ないと思う」ウン

    浜面「…………」プルプル

    御坂「どうしましたか? とミサカは生まれたての小鹿のように震える同僚を訝しみます」

    浜面「よっしゃああーー!!! 人生裏街道まっしぐらだと思ってたのに、トンネルを抜けた先は真っ当な職場だなんて……ッ!!!」ブワワ


    美琴「な、泣いたーー!?」ガビーン

    食蜂「学園都市は才能が無い人に容赦ないもの。初めて報われたんじゃない?」


    649 = 641 :


    浜面「うっうっ、ありがとう大将。信じてついてきて本当によかった……」

    上条「仲間の功に報いるのもリーダーの務めだよ。それにまだグループの役目は残ってるんだ、これからも頼りにさせてもらうからな」

    浜面「任せてくれ! どんな過酷な任務だろうが絶対に達成して生き残ってみせるぜ!!」キリッ

    御坂「またこの男は……とミサカは不用意に死亡フラグを立てる同僚に呆れます」ハァ

    浜面「そんなモン立てる端からへし折ればいいだけだろ!」

    御坂「フォローするほうの身にもなってください、とミサカは…」

    浜面「テンション上がってきたぁぁっ!! よし、溜まってる支援要請を片っ端から片付けようぜ!」グイグイ

    御坂「…ハァ、仕方ありません。有頂天な同僚のフォローに回ります、とミサカは……こら、引っ張るのをやめなさい」ズルズル


    上条「白い悪魔に気をつけるんだぞー」フリフリ


    美琴「ふふっ、何だかんだいって、あの子も楽しんでるじゃない」

    食蜂「あの二人は綺麗な夢だけ見てればいいのよ」クスクス

    美琴「はぁ?」

    食蜂「上条さんは過保護なの。察しが悪いゾ☆」

    美琴「…………」イラッ

    食蜂「御坂さんてば融通が利かないしぃー。妹さん達と一緒に席を外してたほうがいいんじゃないかしらぁ」チラッ


    上条「御坂みたいなのはハブって下手に動かれるより、手元でコントロールしたほうが安全だと上条さんは判断します」

    食蜂「それもそっかぁ」ウン


    美琴「あ、あんたらねえ……!」ムカッ


    650 = 641 :


    上条「さてと、ここに残った三人で基本方針を固めようか」

    美琴「別にいいけど」

    上条「ま、やる事は極めてシンプルだ。一遍の情け容赦も無く、学園都市に巣食う外道を外法をもって駆逐する」

    食蜂「私は上条さんの方針に従うわぁ。食うか食われるかっていう認識も概ね理解できるし」

    美琴「…………」

    上条「御坂は不服か?」

    美琴「そういう訳じゃないけど……」

    上条「御坂妹と浜面の希望は微笑ましいもんだったが、御坂と食蜂はそうじゃねぇよな」

    食蜂「まーねぇ」

    美琴「……あんな狂った実験を平然と実行する連中だもん。学園都市を変えたい気持ちだってある。でも……」

    食蜂「人殺しは嫌ですぅー、なんて都合の良い幻想抱えてるんでしょお?」クスクス

    美琴「超えちゃいけない一線があるでしょーが!!」ガァァ

    食蜂「目には目をって知ってるぅ?」

    美琴「そんな考えで仮に勝ち残ったとしても、結局は同じ穴の狢じゃない!」

    食蜂「う~ん、反論の余地が無いくらい正論ねぇ」クスクス

    美琴「だったら……!」

    食蜂「でも正論では現実は回らないわぁ。正しさだけで救えるほど学園都市の闇は浅くないの、あなたも理解してるでしょ」

    美琴「くッ」


    上条「こらこら、純情で真っすぐなミコっちゃんをイジメんな」


    食蜂「はぁ~い」クスクス

    美琴「…………へ」キョトン


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