元スレ美琴「とある幸福の上条当麻、始めるわよ!」上条「マジで!?」
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CASE 19 とある超幸福の一方通行SR 後編
学園都市 第五学区――
垣根「あー、クソッ、どうするかな」
心理定規「しっかりしてよ。あなた一応『スクール』のリーダーでしょ?」
垣根「分かってる、だからこうして頭を悩ませてるんだろうが」
心理定規「別に、私は現状維持で不満は無いわよ」
垣根「ふざけんな、こんな舐めた真似されてハイそうですかっていくか」イライラ
心理定規「学園都市 暫定第一位(笑)に昇格した事?」
垣根「テメェ……」ギロッ
心理定規「怒らないでよ。暫定(笑)とはいえ、一位は一位じゃない」
垣根「おこぼれで手に入れた最強の座に興味はねえ。それに統括理事長との直接交渉権が認められないんじゃ意味ないだろうが」イライラ
心理定規「『グループ』に接触してみる? あそこは統括理事長のお気に入りのようだし」
垣根「幻想殺しか……」
心理定規「元第一位を再起不能にした統括理事長の秘蔵っ子。あなた以上の人格破綻者でしょうけどね」クスッ
垣根「会ってみる価値はあるかもな…………ん?」
佐天「退いた退いたぁーーー!!!」ピューン!
垣根「うおっ!」ヒラリ
一方通行「邪魔だ、ホスト野郎っ!!!」タッタッタ
垣根「なんだとコラ」ムカッ
心理定規「今の元第一位じゃなかったかしら?」ハテ?
垣根「道理でムカつく訳だ。クソッ、待ちやがれ第一位っ!!!」タッタッタ
心理定規「汗かくの嫌だから、私は帰るわね」ヤレヤレ
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第七学区 とあるコンビニ前――
麦野「シャケ弁もゲットしたことだし、ファミレスにでも入ろっか」ニコニコ
絹旗「麦野、超ご機嫌ですね」ヒソヒソ
フレンダ「そりゃコンビニ三軒もハシゴして、ようやくシャケ弁を買えたんだから当然よ」ヒソヒソ
海原「……三軒も駆けずり回ったのは自分なんですが」ヒソヒソ
絹旗「新入りなんですから、超当たり前です」ヒソヒソ
フレンダ「結局、暗部でも年功序列は重要って訳よ」ヒソヒソ
滝壺「……(あの時 助けてくれた人……また会えないかな)」ポケー
海原「だとしても、コンビニ弁当をファミレスに持ち込むのはどうなんです?」ヒソヒソ
絹旗「いいんじゃないですか? 私たちは超普通に注文しますから」ヒソヒソ
麦野「ほら、アンタたち、さっさと…」
佐天「退いて退いてーーーっ!!!」ピューン!
麦野「きゃっ!?」トサッ
一方通行「ぜェ、ぜェ……! ま、待ちやがれェェェッ!!!」タッタッタ グシャ!!
麦野「あ」
フレンダ「ひぃぃぃ!?」
絹旗「麦野のシャケ弁が超ぺちゃんこにーーっ!?」ガビーン
海原「せっかく買ってきたのに!?」ガーン
フレンダ「そういう問題じゃなくって! 確実に麦野、ぶちキレちゃう!?」
麦野「あのモヤシ野郎……ッ! オイ、海原ァッ!!」
海原「は、はいっ!!」
麦野「弔い合戦だ! シャケ弁の仇を討ちに行くぞっ!!」ムカムカ
海原「りょ、了解しました!!」ピューン!
絹旗「あーあ、行っちゃいましたね」
フレンダ「結局、厄介事は新入りに任せて、私らは関わらないのが正解って訳よ」ウン
滝壺「あ、北北東の方角から信号がきてる」ムーピピピ
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第七学区 学舎の園――
食蜂「退屈ねぇ、何か面白い噂はないのぉー?」
縦ロール「面白いかどうか判断に迷いますが、御坂さんのご活躍が派閥の子たちの間でよく話題になりますわ」
食蜂「ああ、例のアレねぇ……」
縦ロール「なんでも意中の殿方を追ってアンチスキルに入ったとか」
食蜂「あの野蛮で女子力ゼロの御坂さんが? ……にわかには信じられないわぁ」
縦ロール「まあ噂の域を出ない話ですから」
食蜂「ふぅ~ん(少し前からあの人の傍をうろちょろしてたようだしぃ、ちょっと探りを入れてみようかしらぁ)」
佐天「あっはっはーー!! この佐天さんに追いつこうなんて100年早いわーーー!!!」ピューン!
食蜂「きゃあ!?」ドシン
縦ロール「じょ、女王!?」
食蜂「いったぁ~い! もうなんなのよぉ……。ちょっと待つんだゾ☆」スカッ
縦ロール「女王、一体何を……?」ハテ?
食蜂「あ、あれぇ? リモコンが……ない?」
縦ロール「先程転ばれた際に、落とされたのでは?」
食蜂「あっ! あんなところに」キョロキョロ
リモコン『』
一方通行「ハァッ、ハァッ……クソッ、目が霞んできやがった」タッタッタ バキッ!!!
リモコンだったもの『』チーン
食蜂「ま、まあ代えはいくらでもあるしぃ……ってあら?」
縦ロール「あの、バッグは重いからと寮に置いて……」オソルオソル
食蜂「……私が転ぶ原因になった子、確か御坂さんのお友達だったわよねぇ」プルプル
縦ロール「!?(女王が怒っている! 迫力は全然ありませんが!)」ガビーン
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第七学区 とある公園――
美琴「ハァ……酷い目にあった。うぷっ、まだキモチワルイ」ヨロヨロ
上条「無理しなくていいから、今日はもう帰って休めよ」
美琴「そうはいかないわよ、途中で投げ出すなんて私らしくないし」
上条「ったく、分かったよ」ヤレヤレ
美琴「……よし! それじゃあの子たちの援護に向かうわよ!」
上条「この近くの裏路地で炎の魔術師と交戦中だったな。さっさと倒してスフィンクスを捕まえるのを手伝わないと」
佐天「あっ、御坂さん発見ーーっ!!」ピューン!
スフィンクス「にゃあ♪」
美琴「わ、どうしたのよ佐天さん、汗だくじゃない」
佐天「ふっふっふ、それはですねえ、この愛らしいニャンコを白い悪魔の凶手から守るために走り続けたからなのだ!!」ドヤッ
スフィンクス「にゃー」
美琴「ええっ!? し、白い悪魔から!?」ガビーン
上条「よく無事だったな……」
佐天「楽勝でしたよ。あの貧弱っぷりからして、今頃は音を上げて諦めたんじゃないですかね」
一方通行「だ……誰が諦めるかよ……ぜェ、ぜェ」フラフラ
上条「一方通行?」
佐天「フフン、このあたしに着いてこれたのは褒めたげる。白い悪魔と呼ばれるだけはあるって事か」
美琴「白い悪魔ってコイツのことを言ってたのね」
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佐天「しかしその頑張りもここまでみたいね」
一方通行「ハァ、ハァ……クソが……」フラフラ
佐天「白い悪魔よ! なにゆえもがき生きるのか? 挫折こそわが喜び。諦めるものこそ美しい。さあ、わが金属バットの一撃で沈むがよい!」
一方通行「挫折、か……。俺はもう何の能力も無い……これから数え切れない挫折を味わうンだろう……ぜェ、ぜェ」フラフラ
佐天「…………」
一方通行「けどなァ、もう二度と諦める事だけは絶対にしねェ……。たとえ無様でみっともなかろォが、最期まで貫き通してやる……」ググッ!!
佐天「な、なんなのよ! あたしの方が圧倒的に有利な状況なのに、気圧されてる!?」ビクッ
上条「なあ御坂、これじゃ白い悪魔っつーか、白い勇者と黒い魔王じゃね?」
美琴「何やってんのよ佐天さん……」
上条「俺も大概だけど、御坂にもユニークな友達がいるんだな」ケラケラ
美琴「言わないで……」ゲンナリ
一方通行「オマエがどれ程の能力者だろォが俺は退かねェ……スフィンクスちゃンは返してもらう!!」ギンッ!!
佐天「な、なんて眼力!? このあたしが一歩も動けないなんて!?」オロオロ
一方通行「…………」ザッ ザッ
佐天「くッ!」
一方通行「…………」ザッ ザッ
佐天「ち、近寄らないでっ!」アウアウ
スフィンクス「にゃあ!? にゃあー!」ジタバタ
佐天「えっ」スルッ
スフィンクス「にゃあーっ」ヨチヨチ
一方通行「…………」ナデナデ
スフィンクス「にゃあ♪」スリスリ
佐天「え、えと……もしかしなくても、あたしが悪者でした?」
上琴「「うん」」
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上条「俺たちが探してた小猫がスフィンクスで、その飼い主がアイツなんだよ」
佐天「いやー、それならそうと教えてくださいよー」アハハー
美琴「あ、あのねえ……」
佐天「まあまあ細かい事は気にしない! 終わり良ければ全てよしですよ! ねっ、上条さん」
上条「あー、まだ終わってないようなのですが……」チラッ
佐天「え」チラッ
垣根「テメェら……」ゴゴゴゴ
麦野「弁償しろなんてセコイことは言わないわ。代わりに命を貰うから」ゴゴゴゴ
海原「あれは上条当麻!! 性懲りも無く御坂さんと……ッ」ゴゴゴゴ
上条「随分と恨みを買ってるみたいですねぇ」
佐天「恨みなんて買った覚えないのに!? ていうかあのストーカーっぽい人は明らかに上条さんを恨んでますって!!」ギャース
美琴「ゲコ太の仇……ッ」ゴゴゴゴ
佐天「御坂さんまで!?」
美琴「私はあの時の魔術師をやる。アンタは他の二人をお願いできる?」
上条「仲良く話し合いって雰囲気じゃないし仕方ないか」ヤレヤレ
佐天「こ、こうなったらあたしも!」
麦野「へぇ、やる気なんだ」ニタァ
海原「待ってください!? 自分は御坂さんとは戦えません!」
垣根「一般人に手出しするのは主義じゃねえが、邪魔するってんなら まとめて叩き潰すだけだ」
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上条「叩き潰す、ねえ? 実力の伴わない大言壮語は身を滅ぼしますよ」
垣根「ハッ、無知ってのは哀れだな。学園都市第二位に実力が伴わないだと? ……笑えねえ冗談だ」ムカッ
麦野「アンタが第二位? てっきりホスト崩れのチンピラかと思ったわ」クスッ
垣根「ああ?」イラッ
麦野「アンタらに用はないのよ。私はそこの白いのに…」チラッ
スフィンクス「にゃあー」
一方通行「腹へったのか?」
スフィンクス「にゃあ!」
一方通行「ンじゃ帰るとすっか」テクテク
麦野「…って ちょっと待て!!」ガァァ
垣根「テメェが帰ってどうすんだクソ一位!!」ガァァ
一方通行「あン?」ハテ?
垣根「そっちからケンカ売っといて、ハイさようならって舐めてんのか?」イライラ
麦野「こっちはシャケ弁を台無しにされたんだ。なのにわびの一つも無しか?」イライラ
一方通行「……そいつは悪かったな。スフィンクスちゃンを取り戻すのに夢中で悪気は無かったンだ、すまン」ペコリ
垣根「…………は?」
麦野「いや、まあ、悪気が無かったんなら仕方ないわね」ウン
垣根「オイオイ、そんなのありかよ!?」ガビーン
麦野「一応謝ってもらったわけだし、弁当はまた海原をパシらせればいい。私は気にしないわ」
垣根「チッ、これでつっかかったら俺が馬鹿みてぇじゃねえか」
一方通行「?」
垣根「行けよ、俺も気にしてない」
一方通行「ン」テクテク
佐天「あ、あるぇー?」ポカーン
上条「話し合いで解決しちゃいましたねえ」
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海原「み、御坂さん? あちらは平和的に解決したようですよ」アセアセ
美琴「それは良かったわね」
海原「では自分たちも穏便に…」
美琴「行くと思う?」
海原「え、ええ」
美琴「私見たのよ。アンタが公園に入ってきた時、アイツに例の魔術を使おうとしたのをさ」ジトー
海原「え、ええっと……」オロオロ
美琴「全ッ然懲りてないみたいね」ゴゴゴゴ
海原「御坂さんは上条当麻に騙されてるんですっ!! あの男は危険なんだ!」
美琴「アイツが危険? ……たしかに危険かも、うん///」カァァ
海原「何故そこで赤くなるんですか!?」
美琴「きょ、今日だっていきなりお、おお、お姫様だっことかしてくるし!///」テレテレ
海原「なんて奴だ!? 嫌がる御坂さんに無理やりなんて……ッ!!」ギリッ
美琴「べべ、別に嫌ってわけじゃ……ないんだけど///」モジモジ
海原「御坂さん……?」
美琴「と、とにかく! 私たちの事でとやかく口出しされる覚えはないんだからっ!!///」ガァァ
海原「……そうですか」
美琴「分かったらさっさと…」
海原「ええ、分かりました。やはり上条当麻はここで死ぬべきだ!!」キラッ!
美琴「…ッ、しまっ!?」
上条「うおっ、まぶし!?」
佐天「どーしたんですか?」ハテ?
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海原「……は?」
美琴「あれ? なんともないの……?」
海原「そんな馬鹿な!?」キラッ! キラッ! キラッ!
上条「やめっ! このっ! まぶしいっ!?」ギャース
海原「もう一度!」キラッ!
ガシッ
上条「まぶしいっつってんだろ!!」ガァァ
海原「何故バラバラに分解されない!? 右手以外に命中しているのに!」
上条「あー、そっか。お前の魔術は、金星の光を利用したものだったよな」
海原「だから何だと言うんです!」
上条「そりゃ効くわけねーよ。お前を殺すのに、ちょっとお前の力を貸してくれって言ってるようなモンだからなぁ」ヤレヤレ
海原「金星が力の源泉……ま、まさか」
上条「不思議に思わなかったか? 魔術の魔の字も知らなかった御坂が、正確にお前の狙撃地点を割り出して追跡したのを」ギロッ
海原「ひっ!?」ビクッ
上条「んー、上条さんに格下を嬲る趣味はないんですが」
海原「…………」ホッ
上条「敵を無意味に生かしておく程、青臭くもねえんだ。……で、オマエは誰の敵なんですかね?」ニッコリ
海原「じじ、自分はっ!?」ビクビク
垣根「ほっといていいのか?」
麦野「さあ? 海原から売ったケンカだし、私が口出しするのも面ど……無粋じゃない?」
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同刻
第七学区 路地裏――
御坂妹「拙いですね、とミサカは珍しく同僚に弱音を吐いてみます」タッタッタ
浜面「弱音を吐く余裕があるならもっと速く走れ!!」タッタッタ
御坂妹「誤算です。大誤算です。炎使いは、ただ『炎使い』というだけで雑魚フラグのはずなのに……」タッタッタ
ステイル「路地裏のような閉鎖空間で僕に戦いを挑むとはね。――巨人に苦痛の贈り物を!!」ブンッ!
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!!
浜面「ぎゃあああああ!!! 半端ないデカさの炎が追って来る!?」ギャース
御坂妹「こんな日の当らないジメジメした根暗空間がホームグラウンドですか、とミサカは全力で逃走しつつ毒で反撃を試みます」タッタッタ
浜面「こんな時でも平常運転だなお前は!? そんな悪口が通用するわけねえだろ!!」タッタッタ
ステイル「じめじめ……根暗……」ズーン
浜面「効いてるーーー!?」ガビーン
御坂妹「こうかはばつぐんだ、とミサカは華麗なドリフト走行で路地裏から公園へ一気に駆け抜けます」ズサァァァ!!!
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第七学区 とある公園――
浜面「な、なんとか開けた場所に出られたな」
御坂妹「あ」サササ
浜面「おい!? あの魔術師が人通りの多いトコに出る前に仕留め…」
御坂妹「あなたはここで何をしているのですか? とミサカは問いかけます」
上条「お、御坂妹」
美琴「仕事よ仕事、魔術師狩り」
佐天「うわー、上条さんて意外と容赦ないなー」ツンツン
海原「」チーン
浜面「あ、勝ったわ」
ステイル「ハァ、ハァ、や……やっと追い付いた」
垣根「また変なのが増えたな」
麦野「常盤台の子のそっくりさんに三下っぽいチンピラ、極めつけは赤くてデカくてバーコードな神父……確かにまともじゃないわね」ウン
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上条「御坂妹たちが無事で一安心ですよ。スフィンクスも一方通行が連れ帰ったし、支援要請は完了だな」
浜面「呑気してる場合かよ! まだ魔術師が一人片付いてねえ!?」ギャース
御坂妹「そういえば、とミサカはジメジメ神父を見やります」チラッ
ステイル「……僕の炎で湿気を飛ばしてやろうか?」ワナワナ
上条「おお、ステイルじゃん! いつ学園都市に来たんだ?」
ステイル「あのねぇ……君があの子の面倒を見ないから、今僕が苦労しているんだぞ!!」ガァァ
上条「ふ~ん」
ステイル「大体あの子の力は何だ! アッという間にイギリス清教を掌握して、今度はイギリス王室に反旗を翻すだと!?」
上条「で、次は地理的にフランス、そして本命のバチカン、ロシアだろうなぁ」ウン
ステイル「彼女は本気で世界征服でも始めるつもりなのか!?」
上条「だから危険だって何遍も言ってんだろ。まあ、だからといって止められる人材も居ないんだけどなー」ケラケラ
ステイル「笑い事かッ!!」
上条「心配すんなって。学園都市は全力で死守するからさ」
ステイル「頼むから彼女を止めてくれ! このままだと取り返しのつかない事態になる!」
上条「無理だっつってんだろうが。仮に上条さんがフルパワーで殺しにかかっても、精々全治10年の手傷を負わせる程度だっつーの」
ステイル「十分だ! その間に打開策を考えるから人柱になってくれ!!」
上条「いや死ぬからね? その場合、上条さんは白い悪魔にぶち殺されちゃいますからね?」
ステイル「君の尊い犠牲は無駄にはしない」キリッ
上条「冗談じゃねえ」
美琴「知り合いみたいね」
御坂妹「敵じゃないのでしょうか? とミサカは混乱します」ハテ?
浜面「スゲー物騒な頼みをしてる時点で100%敵だろ……」ゲンナリ
佐天「……(よく見ると この人、あたしのパン……もとい初春を誑かした人だ! このヤロウ、どうしてくれようか……ん?)」チラッ
食蜂「ぜぇ、ぜぇ、も……もう限界よぉ……」パタリ
縦ロール「女王ぉぉーーーーっ!?!?」ギャース
一同「「「「「「「え……女王?」」」」」」とミサカは耳慣れぬ単語に戸惑います」ポカーン
美琴「げっ、食蜂操祈!?」
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縦ロール「女王、お気を確かに! 深呼吸をして息を整えてください」アセアセ
食蜂「すぅー、はぁーー…………少し楽になったわぁ」
縦ロール「安心しましたわ」ホッ
食蜂「それより御坂さんのお友達は何処かしら? 公園に入って行くところまでは覚えてるんだけどぉ」キョロキョロ
佐天「ん?(目があった?)」ハテ?
食蜂「居たぁーー!!」ビシィィ!!
佐天「あ、あたし?」
食蜂「あなたがぶつかってきたせいで、とぉぉーーーッても不自由したんだからぁ!!」プンプン
佐天「ええっ!? あたし、何かしましたっけ?」
縦ロール「女王のリモコンを失う切欠を作りました」
佐天「じょ、女王……?」ピク
縦ロール「ええ、この御方こそ常盤台中学が誇るレベル5の第五位、常盤台の女王こと食蜂操祈様ですわ」フフン
佐天「ぶふーっ!!」
食蜂「!?」
佐天「アハハハハハハッ!!! 女王ッ、女王って……!!」ゲラゲラ
食蜂「なっ!///」カァァ
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佐天「み、御坂さん! ひひっ、と、常盤台の女王って、なな、なんなんですかッ?」プククク
美琴「あー……」
浜面「くくっ、中二病なんだろ。で、でもブフッ、じょ、女王……ッ」プークスクス
御坂妹「残念な人なんですね、とミサカはぷくくっ」プークスクス
麦野「ないわー、流石に女王はないわー」プークスクス
垣根「クククッ、いくら中坊でも痛すぎ、つか常盤台は常識が通用しねえのな」ゲラゲラ
ステイル「どういう事だい?」ハテ?
上条「イギリス育ちのステイルにはピンとこないかもな。解り易く説明するとだな、中学生にもなって取巻きにクイーンとか呼ばせてる痛いヤツっていう…」
食蜂「わ、私が呼ばせてるわけじゃないしぃーーっ!?///」ギャース
美琴「でも派閥の子たちはみんな『女王』って呼んでるわよ?」
浜面「は、派閥っ!?」
佐天「まあ女子は基本、どこかのグループに入ってますからねえ。さすがに派閥ってのは大げさだけど」
麦野「まるで政略ゲームね」
垣根「そんな大層なもんかよ。猿山のボスが粋がってるようにしか見えねえ」
御坂妹「あなたはモンキーなのですか? とミサカは女王(痛)に尋ねます」
食蜂「違っ!? ッ、てゆーか野蛮なおサルさんは御坂さんのほう…」
縦ロール「何ですかあなた達はっ!! 女王に対する無礼は、わたくしが許しません!!」キリッ
御坂妹「すみません女王(笑)、とミサカは女王に謝罪します」ニヤニヤ
麦野「ごめんなさいね、女王?」ニヤニヤ
垣根「悪かったな、女王」ニヤニヤ
浜面「すまん、女王」ニヤニヤ
佐天「ソーリー女王」ニヤニヤ
食蜂「~~~~~~~~~ッ///」プルプル
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縦ロール「分かればいいのです」ウン
食蜂「全然わかってないわよぉー! あなたたちバカにしてるでしょおー!?」プンプン
垣根「はあ? 被害妄想だろ女王」ニヤニヤ
御坂妹「自意識過剰です女王、とミサカは女王をたしなめます」ニヤニヤ
麦野「気にし過ぎよ女王」ニヤニヤ
浜面「まったくだぜ女王」ニヤニヤ
佐天「逆に尊敬ですよ女王。てかフツーに恥ずかしくないんですか女王?」ニヤニヤ
美琴「それは無いよ。だってコイツ、普段から女王って呼ばせて悦に入ってるもん」
ステイル「それはなんと言うか……キツイね」
食蜂「その態度がバカにしてるっていうのよぉ!! あと御坂さんは黙ってぇ!?」
美琴「…………」ニヤニヤ
麦野「…………」ニヤニヤ
浜面「…………」ニヤニヤ
垣根「…………」ニヤニヤ
御坂妹「……女王、とミサカは小さな声で囁きます」ボソッ
美琴麦野垣根浜面「「「「ぷふっ!?」」」」
食蜂「うわああーーん!!! バカぁーーーー!!!」タッタッタ
コケッ
食蜂「へぶっ!?」ビターン!!
美琴麦野垣根浜面「「「「こけたーーーっ!?」」」」ガビーン
縦ロール「ああっ、女王!?」
166 = 149 :
食蜂「~~~~~~ッ!? ――――ッッ!!!」ゴロゴロ
縦ロール「女王、お怪我はありませんか!?」アセアセ
食蜂「うう……痛ぁい……」メソメソ
縦ロール「膝を擦りむいてッ!? で、ですが絆創膏など持ち合わせてませんし、一体どうすれば」オロオロ
上条「ちょっといいか?」
食蜂「ッ!?」
上条「ふむ、軽い擦り傷だけど一応消毒しておいた方がいいな。ソックスを下ろすぞ?」
食蜂「え、ええ……」
上条「まずは傷口を水で洗い流して、清潔なガーゼでキレイに拭いてと。それから消毒液で……あ、少し沁みるからな」テキパキ
食蜂「痛ッ」
上条「あとは赤チンを塗って、最後に絆創膏を貼れば……よし、手当完了っと」
食蜂「…………」ポカーン
縦ロール「あ、あの!」
上条「ん?」ハテ?
縦ロール「迅速な処置をして頂き、何てお礼を言えばいいか……」オズオズ
上条「ああ、気にしなくていいよ。ただの応急処置だし、このくらい不幸が絶えない上条さんには出来て当然なんです」
縦ロール「まあ」
上条「食蜂、だよな。立てるか?」
食蜂「ひゃい!?///」カァァ
縦ロール「じょ、女王?」
食蜂「ななな、何でもないからぁ! どど動揺なんてしてないわよぉ!?///」アタフタ
浜面「さすが英国紳士ッ!! 行動にそつがねえぜ!」
御坂妹「あれだけのグッズを何処に携帯していたのでしょう? とミサカはお姉さまに疑問を、ひっ!?」ビクッ
美琴「…………」バチバチバチッ!!!
浜面「御坂漏れてる!! ヤバイ感じで電撃が漏れてるっ!?」ギャース
垣根「おおっと、下手に巻き込まれる前に退散すっか」バッサバッサ
浜面「は、羽根が生えて飛んでったーーーーー!?」ガビーン
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浜面「ああもう! 何が何だか分からなくなってきやがった」
麦野「たしかにね。まあ私も用件は済んだから帰るわ」
浜面「お、おう」
麦野「おい海原ァ!! いつまで死んだふりしてるんだ。さっさと代えのシャケ弁を買いに行けっ!!」
海原「は、はいっ!!!」ムクッ、タッタッタ
麦野「それじゃあね」テクテク
御坂妹「はい、お疲れ様です、とミサカは社交辞令のあいさつを返しました」
浜面「……ていうか誰?」
御坂妹「さあ?」
浜面「ま、いっか。それより目下の問題は……」チラッ
美琴「ア・ン・タ・は~~~~~ッ!!」ドドドド
上条「へ?」
美琴「なにナチュラルに他の女を口説いてんのよド馬鹿ーーーーーーっ!!!」ビリビリッ!!
パキーン
上条「え?」ハテ?
168 = 149 :
美琴「しかもよりにもよって食蜂操祈だなんて……!!」
上条「…………」
美琴「胸かッ!! そんなに母性の塊が好きかこらーーーーっ!!!」ガァァ
上条「…………」
美琴「黙ってないで何とか言いなさいよ!」
上条「御坂さん、ひとつ聞いてもよろしいでせうか?」
美琴「なによ!」
上条「……ひょっとしてヤキモチ焼いてる?」
美琴「だったら何だっていうの……って、あ///」カァァ
上条「マジで!?」
美琴「ち、違っ……わなくないことなんてなくない///」ボソボソ
上条「ここに来てまさかの好感度急上昇!? ついにミコっちゃんフラグが立ちましたかっ!?」クワッ
美琴「バ、バカなこと言ってないで、さっさと次の仕事に行くわよ!///」
上条「次?」
美琴「夕方から大覇星祭の打ち合わせがあるって今朝話したじゃない!///」グイグイ
上条「おお、そうだった。んじゃ、後の報告は任せるなー」テクテク
御坂妹「了解、とミサカは生温かい目で二人を見送ります」ニヤニヤ
浜面「大将は歪みねえな」ウン
佐天「…………」プルプル
御坂妹「そういえば赤髪神父が見当たりません、とミサカは辺りを見渡しつつ同僚に報告します」キョロキョロ
浜面「逃げたんだろ。支援要請は完遂したし、とりあえず木原のオッサンに報告しようぜ」
佐天「うがーーーっ!!! 御坂さんはあたしに幸せを見せつけないと死ぬ病気か何かなのかああああああッ!!!」ガァァ
浜面御坂妹「「!?」」ビクッ
169 = 149 :
縦ロール「では私達も帰りましょう。……女王?」
食蜂「えへー、上条さんに優しく手当てされちゃったゾ☆///」ポワポワ
縦ロール「じょ、女王の表情が未だかつて無いほど緩んでいる!?」ガビーン
テッテレー
支援要請『猫ちゃンの捜索』を完遂した!
一方通行は佐天さんとの追いかけっこで、ちょっぴり体力が向上した!!
佐天さんはミコっちゃんに当てられて、ストレスが大上昇してしまった!!
食蜂さんは上条さんに駄フラグを立てられてしまった!?
第二位は第一位への興味を完全に失った!
偽海原は第四位のパワハラで胃痛を患ってしまった!!
上条さんはドサクサに紛れて、1ミコポイントを取得した!! ※累計 3ミコポイント
170 = 149 :
とある学生寮 一方通行さんち――
一方通行「帰ったぞ」
スフィンクス「にゃあー」
オルソラ「お帰りなさいませ。猫ちゃんは無事取り戻せたのでございますね」パァァ
土御門「ご苦労さんだにゃー」
一方通行「もォヘトヘトだ……」グッタリ
スフィンクス「なうー」
一方通行「悪ィけど、スフィンクスちゃンにご飯をやってくンねェか」
土御門「お安い御用ですたい。スフィンクス、カモーン!」
スフィンクス「にゃあ!」ヨチヨチ
◇ ◇ ◇ ◇
一方通行「今日はやけに部屋が広く感じる、つゥか天草式の連中はどォした?」
オルソラ「何でも調べたい事があるとか。それにしても凄い汗……」
一方通行「あちこち駆けずり回ったからなァ」
オルソラ「お風呂を沸かしてるので、汗を流してはいかがでございましょう?」
一方通行「だりィ」
オルソラ「でしたら、私がお背中を流すのでございますよ」ニコニコ
一方通行「ン、それなら入ってもいい」
オルソラ「では着替えを用意するので、先に入ってください」スタスタ
一方通行「はァ、めンどくせェ」
土御門「甘えた事抜かすんじゃねえッ!! 一々羨ましいぞクソ野郎がああああああああああ!!!」シッ!
ドスッ!!
一方通行「ごふっ!?」バターン
土御門「立てっ!! モテナイ野郎の怒りと憎しみは、こんなもんじゃねーぜよ!!」
一方通行「クソッ、また訳わかンねェキレ方しやがって……! 調子乗ってンじゃねェぞ三下があああああああああああッ!!!」ガァァ
土御門「ガチの殴り合いで勝てると思うなド素人が!!」キリッ
このあと、モテナイ男子の嫉妬パワーで鬼と化した土御門による一方的な制裁がありましたとさ
土御門「だが結局オルソラに手厚く介抱されてたんだにゃー!! スズやんの不潔ぅぅーー!!」
一方通行「またこのオチかよ……」ガクリ
171 = 149 :
第二十三学区 エンデュミオン――
禁書「ぐぬぬぬ……短髪め、とうまは私のものだというのに!」イライラ
ローラ「ステイル! 任務失敗とはどういう事!?」ヒソヒソ
ステイル「……上条当麻たちの激しい抵抗に遭い、奮戦むなしく撤退を余儀なくされました」ヒソヒソ
テッラ「それは災難でしたねー。単独では些か厳しかったでしょう」ウン
ローラ「…………」ジトー
アウ「依然、聖女インデックスのご機嫌が優れない。今は次善策を練るのが急務ではないか?」ヒソヒソ
ローラ「ハァ、それで何か考えがありけるの?」ヒソヒソ
アウ「もちろん…」
禁書「アウレオルス! テッラ!」
アウ「ハッ!」
テッラ「御用でしょうか、我が君」
禁書「ローマに不穏な動きがある。テッラは直ちに出向き、それを阻止して欲しいんだよ」
テッラ「はい。しかしバチカンの結界には、少しばかり手こずりそうですねー」
禁書「心配いらないよ、そんなものはこのインデックスが打ち砕いてあげる」クスッ
テッラ「おお、なんと頼もしい……!」
禁書「アウレオルスは私と一緒に、学園都市の力を削ぐ作戦に付き合ってもらうよ」
アウ「承知!」キリッ
禁書「レベル5の第五位、面倒な能力な上に許し難い罪を犯したんだよ。これはもう救済しかあり得ないかも」ニッコリ
アウ「……(相も変わらずブレない方針……ッ)」ブルブル
禁書「ローラとステイルはイギリス攻略の準備を進めるんだよ」
ローラ「ご随意に」ニコッ
ステイル「……(こんな暴挙を続けても彼女の為にならない。例え恨まれてでも僕は……)」グッ
禁書「苦労してフラグを回避してきたのに、自分から死に急ぐなんて愚かな女なんだよ、フフフ……」ニヤリ
172 = 149 :
といったところで今回は終了
一方さんルート→大覇星祭編 みさきち死亡フラグ待ったなしルートへ続きます
ちなみに前々回の選択肢で、偽海原とムーブポイントさん加入フラグは消滅しましたー
174 :
乙
今回も安定の面白さだ
175 :
乙
海原…打ち止めを泣かした罪はあまりにも大きかった…
176 :
みさきち死んでまうん?
177 :
しいたけポイントが貯まる展開
178 :
ステイル苦労人すなぁ…頑張れよ
ミコっちゃんと上条さんの桃色空間のせいで佐天さんのストレスがマッハだけど
堕天さんにだけはならないで…
179 :
みこっちゃん上条さん以外のゲコラー(縦ロールさん)と仲良くなるチャンスだったのに目の前で女王()とかやっちゃダメでしょーに
180 :
一方さんが学園都市第一位から陥落して他のレベル5の序列が一つ上がっているって考えて、
みさきちは第4位になってるはずだから死亡フラグは元第6位さんの可能性が・・・ないか・・・
181 :
学園都市からリモコンが消えるな…
182 :
くっ、誰かこの白い悪魔を止められる者はないのか……ッ(棒)
183 :
乙でした
184 :
みさきち死なないで~
185 :
前回その後
美琴「たっは~、長引いたわねー、大覇星祭の打ち合わせ」
上条「世界中から人が来るからなぁ。警備が大規模になるのも仕方ねえよ」
美琴「アンタはいいわよね。公欠扱いで警備に専念するんでしょ」
御坂妹「お姉さまは違うのですか? とミサカは聞いてみます」ハテ?
浜面「御坂は学園都市の顔みたいなもんだからな。競技もこなせって事なんだろ?」
美琴「まあねー」
上条「御坂は常盤台のエースにして、最強無敵の電撃姫だもんな」
御坂妹「ぶっ!!」
美琴「ど、どうしたの!?」
御坂妹「常盤台のエースはともかく最強無敵の電撃姫……女王より酷い、とミ、ミサカはぷぷっ!!」プークスクス
美琴「んな!///」カァァ
上条「あー……」
浜面「……///」プルプル
美琴「わ、私が呼ばせてるわけじゃないわよ! こらそこっ! 笑うなーーーっ!!!///」ギャース
御坂妹「笑ってませんよ姫、とミサカは真顔で応対します」キリッ
浜面「余裕を持てよ。サイキョーでムテキなんだろ姫?」ニヤニヤ
上条「怒ってる御坂もカワイイなぁ」ホッコリ
美琴「アンタたちはーーーーっ!!!///」プンスカ
テッテレー
グループ内に、ミコっちゃんの中二臭い異名が知れ渡ってしまった!!
187 :
乙
かわええのぅ
188 :
というか、そもそも学園都市の能力者は能力名が中二(黒翼と殺人光線と超電磁砲と原子崩しとその他いろいろで粉砕
190 = 189 :
九月十七日
バチカン 聖ピエトロ大聖堂――
教皇「かねてより進めていた学園都市攻略プラン、その実行に移ってもらう」
リドヴィア「お任せください。あの霊装を用いれば、無駄な血を流さず異教徒たちに布教出来ます」
ビアージオ「手ぬるい。異教のサルどもなど、住処ごと粉砕してやればよいのだ」
リドヴィア「武力による制裁など主はお認めになりません。滅ぼすのではなく、教え導く事こそ我が使命ですので」
ビアージオ「何を言うか。科学という毒に侵されたサルに、最早救いなどいらん!!」
リドヴィア「いいえ、大いなる父の愛は無限。短慮は慎むべきですので!」
ビアージオ「神の威光を示すためにも、女王艦隊で学園都市を粉砕するッ!! これは決定事項だ!!」ブルアアアアアアアアアアア!!!
リドヴィア「なんと野蛮な!? 使徒十字(クローチェディピエトロ)で改宗させるべきです!!」
教皇「やめないか! まず使徒十字で仕掛け、不発の場合は女王艦隊で粉砕する。そう決定したはずだ」
ビアージオ「はい……」ギリッ
リドヴィア「それが最善ですので」フフン
教皇「うむ、それでよい。右方のフィアンマが破れた以上、我らも本腰を入れねばならん」
テッラ「良くありませんねー。実に良くない」ヌッ
教皇「き、貴様は……ッ!」
191 = 189 :
テッラ「お久しぶり……と言うほど久しくもありませんか」
教皇「左方のテッラ!?」
ビアージオ「!?」ギョッ!?
リドヴィア「?」ハテ?
教皇「造反したうえでフィアンマに討たれたと聞いたが、生きていたのか」
テッラ「いいえ、キッチリ殺されましたよ。ですが愛により蘇ったんですねー」
教皇「馬鹿なっ! 死者蘇生など不可能なはず……」
ビアージオ「猊下危険です! 奴はローマ正教を裏切った背教者!!」
リドヴィア「まあ背教者!? それはいけません。すぐに悔い改め…」
ビアージオ「ええい、お前は黙ってろ! ――十字架は悪性の拒絶を示す」ポポイ
ドガガガガガガ!!!
ビアージオ「続けて――十字架はその重きをもって驕りを正す!!」キィィィン
ドンッ!!!
ビアージオ「ハァハァ、や、やったか……?」
教皇「馬鹿者っ!! あれしきでどうにかなる相手ではない! お前たちは下がるのだ!」
ヒュン!
ビアージオ「何を仰られます! 猊下こそ安全な場所へ避難…………え?」
ブシュウウウウウウウウウウウウッ!!!!
ビアージオ「ごぱっ!?」バターン
テッラ「まずは一人」ニタァァ
192 = 189 :
教皇「小麦粉の刃……光の処刑か!?」
テッラ「ようやく完成したので、こうして御覧にいれようと思いました。次は御身をもって斬れ味を確かめてもらいますかねー」
ヒュン!
教皇「くッ!」
リドヴィア「教皇猊下っ!!」ダッ
ズバアアアアアアアア!!!
リドヴィア「かはっ……!?」バターン
教皇「リドヴィア!!」
テッラ「これで二人。身を呈して教皇を守りましたか。ですが順番が変わっただけですねー」
リドヴィア「猊下……お逃げください。そしてどうか、ごほッ、……遍く世界に主の教えを……」ガクリ
教皇「傷は浅い! その使命は自身の手で全うするのだ!」
リドヴィア「…………」
テッラ「茶番は結構です。無益な殺生は控えよと仰せつかってますからねー」ヤレヤレ
193 = 189 :
教皇「くそッ!! 何の目的で主の教えに背いたのだ!」
テッラ「いけませんねー、仮にもローマ正教の長が そのような汚い言葉を吐くのは感心しません」
教皇「仰せつかったと言ったな? 誰が貴様を操っている!」
テッラ「たかが一宗派の教皇如きが知る必要はない。あの御方に比べれば、如何なる権威も無価値ですしねー」
教皇「……ッ(元より得体のしれない男だったが、これは最早別物だ。生かしておけばどんな災厄を招くか想像もつかんッ!!)」スッ
テッラ「ほう、抵抗しますか」
教皇「一から十二の使徒へ告ぐ。数に収まらぬ主に仰ぐ。満たされるべきは力、我はその意味を正しく知る者、その力をもって敵が倒れる事をただ願う」フォン
テッラ「これはこれは。まさかユダの印まで持ち出すとは」
教皇「……本来、裏切りすら受け入れるのが主の慈悲なのだ。安易な排除は教えに反する……だがっ!!」カッ!!
バォ!!!
テッラ「!」
教皇「貴様は危険すぎる。ローマ教皇、いや、マタイ=リース一個人としてこの場で貴様を討つ!!」
テッラ「グッ、お、おおおっ……!」
教皇「この術式に囚われた以上、もはや指一本動かせん。このまま永遠に封印させてもら…」
テッラ「なんて冗談ですよ」
パキーン!
教皇「なっ!?」
194 = 189 :
テッラ「伊達に教皇を名乗っていませんねー。以前の私ならば封印は成ったでしょう」
教皇「ば、馬鹿な……」ワナワナ
テッラ「ですが今の私には通用しません。あの御方の次に強く! 美しく! 完全な存在に生まれ変わりましたからねー!」クワッ
教皇「!」
テッラ「この爪の青さが我が信仰の証ィィィッ!!! そしてこれが完成した我が術式ーーーッ!!」パワフリャ!!
教皇「!?」
テッラ「優先する。――左方のテッラを上位に、世界を下位に」
教皇「な、何を……」
テッラ「ご存じの通り、『光の処刑』はモノの優先順位を操る術式です。たった今、意識下で世界を掌握したんですねー」
教皇「そんな真似が出来るはずがない! それは既に神の領いッ、~~~~~ッ!?」パクパク
テッラ「喋れないでしょう? 私がうるさいと感じたから貴方は喋れなくなった。つまりはそういう事なんですねー」
教皇「~~~~ッ(願った事を現実にするだと!?)」
テッラ「因果律を読み解き自在に操る、これが真の魔神の実力です」
教皇「ッ!!(こんなバケモノが存在したとはッ!! いかん、この事を知らせねば世界が――)」
テッラ「力はともかく貴方のカリスマ性は少々厄介だ。聖女インデックスが大望を果たすまで、何も考えないでもらえますか?」
教皇「…………」コクリ
テッラ「これで組織だった作戦は実行できないでしょう。しかしフィアンマを始め神の右席は全員留守ですか」
テッラ「まあ焦る必要も無い。『神の薬』と完全に同調した今の私なら、連中の始末など容易いですからねー」ニタァァ
テッテレー
よりパワフリャに生まれ変わった左方のテッラに、ローマ正教は半壊滅状態に追い込まれた!!
ビアージオは全治半年の病院送りになった!
リドヴィアは全治三週間の大ケガを負った!
マタイ=リースは考えるのをやめたッ!!!
195 = 189 :
九月十八日
学園都市 窓のないビル――
アレイ☆「まずい事になった。このままでは私……ひいては学園都市の存亡に関わる事態だ」
木原『そりゃオオゴトですなぁ』
アレイ☆「他人事ではないぞ。木原が妹達と超電磁砲を用いて『絶対能力進化(レベル6シフト)』を行おうとしている」
木原『はぁ……それで?』
アレイ☆「彼女らは上条当麻をこちら側に繋ぎとめる重要な楔だ。こんな暴挙を許せば…」
木原『今みたいに従順な番犬ではなくなるでしょうなぁ。ヤツにとって重要なのは、妹達を維持できる環境であって俺らじゃあない』
アレイ☆「問題の木原は『木原幻生』。すでに私のコントロールを離れ、独自に活動している」
木原『オイオイ、よりにもよって幻生かよ』
アレイ☆「どうやら大覇星祭を隠れ蓑に実験を行うようだ。手段は問わない、確実に始末しろ」
木原『滞空回線の使用は?』
アレイ☆「許可する」
木原『それじゃあ俺と上条で殺っときます。決行は大覇星祭の一日目。妹達の護衛には猟犬部隊を付けときますんで』
アレイ☆「ま、待て!」
木原『上条をこっち側でいさせるなら積極的に起用した方がいい。ことシスターズに関して、野郎は潜在的に学園都市の敵だ』
アレイ☆「しかし人を殺すのを善しとするだろうか? 木原幻生、その精神はバケモノだがカテゴリ的には人間だ」
木原『その点は心配ないと思いますがね』
◇ ◇ ◇ ◇
木原くんの研究室――
木原「……(あれが優しいのは言葉が通じる相手だけだっての。そこんとこの認識を間違えりゃ、俺もぶっ殺されるだろうな)」ククク
アニェーゼ「なにニヤケてんですか?」
木原「何でもねぇよ。んな事よりお前らはどうなんだ?」
アニェーゼ「学校生活を満喫してますよ。明日からは祭ですからね。みんな張り切るのも仕方ないってなもんです」ワクワク
木原「ケッ、テメエが一番張り切ってんじゃねぇのか?」ニヤニヤ
アニェーゼ「そんなことねーです!!///」カァァ
196 = 189 :
CASE 20 選択は計画的に……
九月十九日
第七学区 大覇星祭運営委員会テント――
浜面「暇だなぁ」グデー
御坂妹「暇です。退屈です、とミサカは不平を漏らします」
黄泉川「ハハ、大覇星祭は始まったばかりじゃん。すぐに忙しくなるから今のうちに英気を養っておけ」
御坂妹「望むところです、とミサカは培ってきたアンチスキル魂に火をつけます」メラメラ
黄泉川「頼りにしてるぞ」
浜面「無駄に士気が高いっつーかなんつーか……。あんまり大将に心配をかけんなよ」ヤレヤレ
御坂妹「大丈夫です。子供は親に心配をかけるのが仕事だ! とミサカはあの人から言質を取ってあります」
浜面「あー、大将ならそう言うだろうな」ウン
御坂妹「ですので、ミサカは全力で職務にぶち当たる覚悟です」ドヤッ
黄泉川「良い覚悟だ。特務支援課の成果は誰もが認める所だが、一層の活躍を期待してるじゃんよ」ウン
御坂妹「はい、とミサカは素直に返事をします」
浜面「……黄泉川に褒められるなんて、スゲー違和感だ」ボソッ
◇ ◇ ◇ ◇
木原くんの研究室――
上条「――極秘任務?」
木原「そうだ。この件は俺とお前の二人のみで当たる事になる」
上条「うわっ、いきなりキナ臭ぇー」
197 = 189 :
木原「任務の内容は至ってシンプル。木原幻生の捕獲もしくは殺害、そんだけだ」
上条「誰それ?」ハテ?
木原「木原幻生の大まかなプロフィールだ。見てみろ」スッ
上条「どれどれ…………………ッ!?」
木原「ヤツの研究履歴は一貫してレベル6に至るための布石だ。当然、それにあるように『絶対能力進化』にも一枚噛んでやがった」
上条「御託はいい。コイツは今何処に居る?」
木原「相当頭にキてやがんな。らしくないじゃねえか」ヘラヘラ
上条「世の中には煮ても焼いても食えないヤツってのがいる。難しく考えるのは後だ。まずは力でねじ伏せる……!」
木原「確かにそうだ。木原幻生ってのは、糞ばかりの科学者の中でも素晴らしく糞な部類だぜ」
上条「実際に会ってみれば分かるさ。殺すかどうかはその時決めればいいだろ」
木原「それでいい。ま、100%殺すと思うけどな」
上条「そうかよ」
木原「学園都市も一枚岩ってわけじゃねえ。理事長の命令を聞かず、しかも今回の狙いが妹達ってのが致命的だ」
上条「…………」ググッ
木原「お前の実力は信用しているが油断すんなよ。幻生は曲者揃いの木原の中でも一等イカレてるからなぁ」
上条「……了解」
天井「…………」シイタケ
◇ ◇ ◇ ◇
第七学区 学舎の園――
食蜂「…………」ピ
食蜂「……(野暮な介入はノーサンキューだけどぉ……上条さんなら心強いなんて、女は現金よねぇ///)」モジモジ
禁書「…………」ドドドドド
198 = 189 :
大覇星祭 競技エリア――
一方通行「だりィ」
土御門「いきなりヤル気ナッシングなご様子。イイ若者がこれではイカンぜよ!」
青ピ「せやかて昨日は徹夜で遊んだんや。ヤル気も起きんって」
一方通行「太陽が黄色いぜェ……」グッタリ
青ピ「せやなぁ……」グッタリ
土御門「せっかく活躍出来そうなイベントなんだから気合いを入れるにゃーっ!!!」ガァァ
青ピ「なんでそない元気なん?」
一方通行「どォせ義妹にいいトコ見せようって魂胆だろ」
土御門「!」ギクッ
青ピ「それ以外あり得へんね」ウン
土御門「いいだろ別に!! ようやく好き勝手出来るようになったんだ! 舞夏にカッコイイとこ見せたくて何が悪いっ!!」カッ!!
一方通行「マジになンなよシスコン軍曹」ヤレヤレ
吹寄「だがその意気は買うわ」
土御門「吹寄!」パァァ
199 :
食蜂さん逃げてえええ!
200 = 189 :
吹寄「動機は不純だけど、土御門の体力は校内随一だものね」
土御門「任せろ! 棒ごと相手校を粉砕してやるにゃー!!」
吹寄「アンタたちも少しは見習って……って居ない?」キョロキョロ
◇ ◇ ◇ ◇
一方通行「付き合ってらンねェっての」
青ピ「熱血なんて僕らのガラやないしー。テキトーに済ませるのが吉や」
一方通行「大体俺は頭脳労働専門……」
小萌「言いがかりなのですよー! うちの学校の評価が悪かったのは、私たち先生の責任で、生徒さんたちに非はないのです!」プンプン
教師「フン、出来損ない共を庇うなんてナンセンスだ」
小萌「みんなは出来損ないなんかじゃありません! 生徒さんに成功も失敗もないのですー!!」
教師「でしたら純然たる結果で教えて差し上げる。お宅の劣等性を、うちの優秀な生徒が蹴散らしてね」ニヤリ
小萌「うう~~~~~」
教師「私も暇ではないので、これで失礼しますよ」
小萌「みんなは……劣等性なんかじゃ……ないのです」グッスン
一方通行「オイ」ムカッ
青ピ「マジになる理由が出来たなぁ……! けど勝てるやろうか?」ギリッ
一方通行「確か対戦相手はエリート校、それに対してうちは平均校。驕り、侮り、油断……そこから導き出される結論は」ブツブツ
青ピ「ス、スズやん?」
一方通行「俺たちは勝つ。俺が勝たせる」ニタァァ
みんなの評価 : ★
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