元スレ貴音「貴女様?!」 P「面妖な……」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
151 = 1 :
あ、あと体調は大丈夫です申し訳ない!
152 :
よし来い
153 :
あずさ「このお店です」
P「わー、店頭展示のタルト美味しそうですね……って、まだ怒ってます?」
あずさ「そんなことないですけれど?」
P(やべぇ……こえぇよ……)
P「な、なんか奢りますよ!」
あずさ「いいえ!」
P(ビクゥッ)
あずさ「奢り奢られではなく、対等に、一緒に食べに来るのが大切なんです」
P「……そ、その極意は?」
あずさ「友達と一緒って、幸せになるんですよ~♪」
P(あ、コレ元女子大生や)
154 = 153 :
~喫茶店『バージェス』~
(カランコロ-ン)
(イラッシャイマセー)
あずさ「二人です~」
店員「はい、こちらのお席へどうぞ」
P「あ、どうも」
(ストン)
あずさ「メニュー♪ メニュー♪」ペラペラ
P「……」
あずさ「……あら、プロデューサーさん、どうしました?」
P「いや、なんというか……」
あずさ「?」
P「あずささんも、今時の若い女性なんだな、と思いまして……」
あずさ「………」
155 :
あずささん案内で銀座だと!?
やべぇ面白い
156 = 153 :
(ペシン)
\アラー?/
あずさ「もうっ、プロデューサーさんは……」
P(でも頭を軽く叩くだけな辺り、やっぱりあずささんは優しい)
あずさ「私だってまだ21歳ですよ?」
P「そうですよね、四年制大学だったらまだ後輩扱いされる時がありますからね……」
あずさ「失礼しちゃいます」
P「でもやっぱり、普段事務所だとお姉さんポジションだから、つい大人びて見えてしまって」
あずさ「流石に春香ちゃん達に混ざってキャーキャーは出来ないし、律子さんや貴音ちゃん始め、年齢近い人たちはすごく大人っぽいですし……」
P(律子は意外とイケるんじゃないかなぁ)
あずさ「なんだか、隙間にぽつんと居る感じになってしまって……」
P(……悩むこともあったんだろうな)
P「気付いてあげられなくて……すみません」
あずさ「ううん、いいんです。その代わり……」
P「?」
あずさ「これからは、こうして時々付き合ってくださいね♪」ニコッ
P「っ」
157 = 153 :
P(そうだ……すっかり忘れてた……)
あずさ「なーににしよっかな~♪」
P(あずささんも基本はイマドキの女の子だし)
P(何より……)チラッ
あずさ「ふんふ~ん♪」
P(流石はアイドル、現在は同性の俺の目から見てもあの笑顔は反則だ……)
P(成程、これまではお姉さんポジションを売りにしていたけれども、同年代の同性から見ても接しやすい友達キャラクター、という路線でも、新しいファン層を発掘できるかもしれない)
あずさ「プロデューサーさんは何になさいますか~?」
P(ファン層の発掘か……)
あずさ「発掘リストをどうぞ~」
P「えっ、発掘?!」ガバァッ
あずさ「ぷ、プロデューサーさん?」
158 = 153 :
P「あずささん……俺と同じことを……!!」
あずさ「プロデューサーさん、一人称一人称」
P「やっぱり、そういう路線もいけますよね!」
あずさ「は、はぁ……? とりあえず注文を決めないと……」
P「あっ、す、すみません! 舞い上がってしまって……はい、注文を決めましょう!」
P「ええと、メニューは……随分凝った表紙ですねぇ」
『発掘リスト』
P「……ンン?」
159 :
「俺の胃です」で。
160 = 153 :
(ペラリ)
P「ええとあずささん」
あずさ「はい~?」
P「この喫茶店の店名、なんでしたっけ」
あずさ「バージェスですよ~?」
P「」
161 = 153 :
P「あずささんは何を注文するんです?」
あずさ「私はこのオパビニアセットを発掘しようかと~」
P「あずささんあなたあんな五つ目のクリーチャーがお望みなんですか!」バンバン
あずさ「あの触手みたいなの、可愛いじゃないですか~」
P「うぐっ、一理ある……一理ありますが……」
P「ここはアイシュアイア一択でしょう!」
あずさ「えっ、それは……」ドンビキー
P「いや待て、今はそういう話ではない」
162 = 153 :
P「ここの店長は何を考えてこんなメニューにしたんだ……」
あずさ「出てくるのは普通のケーキや飲み物ですよ?」
P「尚更分からない……」
あずさ「いいじゃないですか、可愛いくて~♪」
P「ここには良く来られるんですか?」
あずさ「はい~、友美とか短大時代の友達とたまに」
P「あずささん、私にはイマドキ女子の感性が分からないですよ……」
あずさ「とりあえずお決まりみたいなので、注文しちゃいますね~」
P「はい……お願いします……」
163 = 153 :
店員「オパビニアとアイシュアイアのセットをお持ちいたしました」
あずさ「ありがとうございます」ニコリ
P「良かった……普通のケーキセットだ……」
店員「では、ご存分にご発掘ください」スタスタスタ
P「そのセリフも分からない……私には何も分からないよ……」
あずさ「まあまあ、ケーキも来たことですし、メニューの事は忘れていただいちゃいましょう~」
P「そうですね……明日にでも律子に聞いてみよう……」
(サクッ)
P「……わっ、このかぼちゃのタルト、抵抗感なくフォークが真っ直ぐ……」
P「断面は綺麗にフィリングが均一に……」
P「タルト生地はボロボロと崩れることなく、しっとり感と硬さを併せ持つ感触で……」
P「口に運ぶと……」パクッ
P「……」
P「ワァォ!!!!」
164 = 153 :
あずさ「うふふ、そんなグルメ番組みたいに仰らなくても……」パクッ
あずさ(モグモグ)
あずさ「うん、やっぱりここのモンブラン、美味しいわ~」
P「栗もかぼちゃも、秋の味覚ですからね」
あずさ「季節感が良いわよねぇ~」
あずさ「……あっ」ティンッ
P「どうかしました?」
あずさ「折角美味しいケーキなんですし、食べさせ合いっ子しちゃいましょう!」
P「ほう、今の気温は16℃か」
165 = 153 :
あずさ「プロデューサーさ~んっ♪」
P「明日の天気は曇りのち雨か……」
あずさ「はい、あ~ん♪」
P「ふむ、961プロに不正経理の疑い……黒井社長、後手に回りましたね」
あずさ「プロデューサーさ~ん……」
P「あそこのビル、来週からイルミネーション開始かぁ、ロマンティック」キャンセルジャナイヨ
あずさ「えいっ♪」
P「あっぷぉ?!」
166 = 153 :
P「……」モグモグ
あずさ「うふふ」
P「……」ゴクン
あずさ「いかがです~?」
P「……うまいっ!」
あずさ「やった~♪」
P「じゃなくてですよあずささん!!」
あずさ「あ、あら~?」
P「ほらぁ……周りのお客さん見てるぅ……」
あずさ「ちょっと恥ずかしいです」ポッ
P「あなたがやったのあなたが! スキャンダルになったらどうするんです!?」
あずさ「でも今は女の子同士だから、問題ないですよ?」
P「まるで免罪符のように……」
167 = 153 :
あずさ「プロデューサーさん」
P「はぁ……なんです?」
あずさ「今、私のモンブラン、食べましたよね?」
P「ええ、美味しかったですが何か」
あずさ「あーん、してください♪」
P「ええと、明日のスケジュールはっと」
168 = 153 :
あずさ「プロデューサーさんっ!」
P「わ、分かりましたよ! やりますから!」
あずさ「うふふ」
P「ホントに……強情な時は強情なんですから……」
あずさ「女の子は強かなんですよ?」
P「765プロを見てるとつくづく思いますよ……はい、あーん」
あずさ「あーんっ♪」パクッ
P「どうです?」
あずさ「んー♪」ニコニコ
P「あはは、言わずもがなですね」
169 = 153 :
オイシクメシアガッテ
あずさ「ここの紅茶、やっぱり美味しいわぁ。プロデューサーさんはコーヒーを?」ホウッ
P「ええ、紅茶は朝、雪歩にもらったので。それに好きなんです、色んな店のオリジナルブレンドを知るのが」
あずさ「あ、分かります。私もカフェ巡り、好きなので~」
P「そういえばそうでしたね。このお店もその中で?」
あずさ「いえ、ここは友美に教えてもらって」
P(俺の中でまだ見ぬ友美さん像がどんどん造られていく……)
あずさ「お気に入りの店は他にもいくつかありますから、良かったらまた行きませんか?」
P「ええ、時間が合う時でしたら、よろこんで」
あずさ「ふふっ、楽しみです」
170 = 153 :
P「っとと、そろそろ出ましょうか」
あずさ「そうですね」カチカチ
P「あれ、携帯で何やってるんです?」
あずさ「友美に喫茶店の写真、送ろうと思って。ツーショットでもいいでしょうか?」
P「えっ、写真……ま、まぁいいですけど……」
あずさ「ふふっ。店員さ~ん、写真撮ってもらってもいいですか~?」
P「こうして見てると本当に女子大生だな……」
\ハイ、シドネイア/
(パシャッ)
\ソノカケゴエハDo-NanDai/
171 = 153 :
店員「ありがとうございます。お会計は……?」
あずさ「プロデューサーさん?」チラッ
P「はいはい」
あずさ「……せーのっ」
P・あずさ「「別々でっ♪」」
172 = 153 :
ミセヲデマシテ
P「アイドル事務所の男プロデューサーだが、担当アイドルと女子会をした件について、と……」
あずさ「今は女性なんですから、問題ないですよ~?」
P「うぐっ……デジャヴュが……いや同じようなこと言ったわコレ」
P「でもメニューはともかく、いいお店でしたね」
あずさ「身体も暖まりましたしね~」
P「最初、よどみなく道案内されたので、逆に恐怖を感じましたよ」
あずさ「あ、あらあら~?」
P「まさか、あずささんが銀座を攻略していたなんて……」
あずさ「そんな、攻略だなんて~♪」ペシペシ
P(嬉しそうに肩をぺしぺししてくるあずささん可愛い)
173 = 153 :
P「そういやさっきの写真、なんて言って送ったんです?」
あずさ「事務所の友達と一緒に、って書いちゃいました」
P「事務所の友達かぁ……」
あずさ「だ、だってさっき、友達感覚でお付き合いしていただけるって、プロデューサーさんが……」
P「あはは、それはいいのいいの、ちょっと不思議だなって思っただけですから」
あずさ「ちょっと感覚、違いますか~……?」
P「ううん、私も大学生の雰囲気、分かりますから。昔に戻ったみたいで、ちょっと可笑しくて」
あずさ「そうですか、うふふ……って、あら? プロデューサーさん、さっきから少し話し方が……?」
P「あぁ、どうも時間の経過と共に、中身もだんだん女の子になってくるらしくて」
あずさ「もういつの間にか、夕方に近いです」
P「ま、朝起きればいつも通りになってますから。心配はなっしんぐなっしんぐ」
174 = 153 :
あずさ「どうせでしたら」
P「?」
あずさ「こんな敬語使わないで、普段友達と話すように話してみません?」
P「タメ口で、ってことですかね」
あずさ「せっかくこんな機会ですし」テノヒラパンッ
P「そうですね、それも」
あずさ「プロデューサーさんっ」
P「……そうだね、それも面白いかも?」
あずさ「そうそう♪」
P「だって」
あずさ「私達?」
P・あずさ「「友達だもんげっ♪」」
175 = 153 :
P「しっかし、さっきのメニューはバッチリ秋だったのに、空気はもう冬手前……」ブルッ
あずさ「秋なんてどこにあったのかしらね~。まだまともに紅葉も見てない気がするわ~」
P「今から向かってる道すがら、どこかに紅葉が見れる場所ない?」
あずさ「ええと、この道から行く途中には……あら?」
P「あずさ、さん?」
あずさ「………」
P「えっと……この流れは……」
あずさ「あ、あらあら~?」
あずさ「ま、迷っちゃった~」アセタラリ
176 = 153 :
P「やはりあずささんはあずささんだった……」
P「と、とりあえず駅の方に戻りましょうか。ええと、スマホで地図を……って」
あずさ「ぷ、プロデューサーさん?」
P「電池が……ない」
あずさ「あらあら~」
P「いや正確に言えば少しはあるけど……急な連絡が入る可能性もあるし、残量をこれ以上削るわけには……」
あずさ「ええと、私の携帯で地図ってどうやって出すんだっけ~……」
P「……ま、いいか」
あずさ「え?」
P「このまま散歩がてら、地図を見ないで歩くのもアリかなって。お店が閉まるにはまだまだ時間あるし」
あずさ「……ふふっ、そうね~」
P「思わぬ発見もあるかもしれないし」
あずさ「じゃ、行きましょう~♪」ギュッ
P「えっ、ちょっ、あずささん?!」
あずさ「みんなを呼ぶ時みたいに呼び捨てでいいのよ~? それに、朝はプロデューサーさんから手を引いてくれたから~♪」
P「そっちこそさん付け!」
あずさ「私はみんなに付けてるからいいの~」
P「お、横暴だー!」
177 = 153 :
P「はぁ、はぁ……もー、あずさ、急に走り出さないで……」ゼェッゼェッ
あずさ「ふふっ、なんだか楽しくなっちゃって~」フゥッ
P「でもやっぱり、この体力の、歴然とした、差は、現役と、デスクワークの、差か……」
あずさ「私達と一緒にレッスンしてみる?」
P「……前向きに検討する」
あずさ「うふふ、みんな喜ぶわよ~」
178 = 153 :
(ブワァァァア)
P「ひゃっ、風で何かが飛ばされて……」
あずさ「葉っぱ、かしら?」
(サァァァァアアアア)
P「あ……」
あずさ「あら~?」
(ヒョゥゥゥゥウウウウ)
P「立派な紅葉……」
あずさ「ふふ、秋、みぃつけた」
P「なんとか冬になる前に見つけられたね」
あずさ「まさか本当に見つかるとは、思ってなかったのだけれど」
あずさ「神様も粋なことするのね~……」
179 = 153 :
あずさ「……あら~?」
P「どうしたの?」
あずさ「確か、目指してたお店はあのビルだったかしら……」
P「ホントに?」
あずさ「はい~、時間もぴったり」
P「時間?」
あずさ「い、いえいえ、さ、レッツゴー♪」
180 = 153 :
~ブティック『Tachypleus tridentatus』~
P「うぐ、高そうなお店……」ボソリ
あずさ「どうかしたの?」
P「い、いや、なんでもなくて……」
P(な、なんとか出せるか……)
あずさ「さてさて、ええと……?」カチカチ
P「そういえばさっきから何を見てるの?」ヒョイッ
あずさ「あっ、えっとその!」
P「……何々、『その写真の人なら、こんなスーツが似合うんじゃないかなー?』……?」
あずさ「あー……」
P「……あずさ」
あずさ「あ、あら~」
P「こっち見なさい」
あずさ「のワの」
P「春香の真似をしてもダメ」
あずさ「あ、あらあら、うふふ~」
181 = 153 :
P「つまり」
あずさ「と、友美にスーツを選んでもらってて……」
P「時折携帯弄ってたのや、さっきの写真や、迷子になったのも」
あずさ「迷子はまたちょっと……」
P「友美さんへの情報提供と、時間稼ぎ、か……」
あずさ「ご、ごめんなさい、騙すみたいな――」
(ギュッ)
あずさ「きゃっ!?」
P「あずさっ……ありがとう、私のために……!」グスッ
あずさ「あ、あらあら~?」
P「って私何やってんのおおおおおスキャンダルなああああうううう」バババッ
あずさ「ぷ、プロデューサーさん?」
P「ご、ごめんなさいごめんなさい! ついテンション上がっちゃって衝動的にっ――」
(ギュッ)
182 = 159 :
カブトガニ…
183 = 153 :
P「あ、あずさ?」
あずさ「ふふっ、女同士だから大丈夫なのよ?」
P「え、えっと……」
あずさ「いいの。普段から担当の枠を超えてお世話になって」
あずさ「普段は、なかなかお礼の機会がなくて」
あずさ「むしろ、今回の幸運に、私は感謝しているの」
P「あずさ……」
あずさ「こんな偶然が舞い込んで来ないと、私からお礼なんて、なかなかできないから……」カァァァ
P「……ふふっ、ありがと」ソデキュッ
あずさ「ええ」
P「じゃあ、着てみようかな」
あずさ「お店には、友美が既に伝えてくれているそうよ~」
P「あぁ、それで時間とか言ってたのね」
あずさ「そういうことよ~」
184 = 153 :
>>182
好きなの……
185 = 153 :
シチャクシツニログインシマシタ
あずさ「本当なら私が選んであげたかったのだけれど、折角のお礼なら、良い物を、と思って」
P「そんな……あずさにもらえるなら、何でも嬉しいのに」ゴソゴソ
あずさ「プロデューサーさんはそう言ってくれるのに……私ったら、頼んでることも隠して……」
P「いいのいいの。気を遣わせまいとしてくれたんでしょ?」ゴソゴソ
あずさ「は、はいー……」
P「その行動も全部含めて、あずさの気持ち、伝わってる」ピッ
あずさ「あ……」
(シャーーッ)
P「え、と……どう……似合ってる、かな……」スーツピシィッ
あずさ「……! ええ、とっても!!」
P「あ、あはは、良かった……」
P(うん、値段も……ギリ大丈夫。折角選んでくれたのだしね)
店員「寸法はこちらでよろしいでしょうか?」
P「あ、はい。丈も大丈夫です」
186 = 153 :
あずさ「じゃあお店の人に渡しておくから、脱いだら渡してもらっていいかしら~?」
P「はぁい」
P(気が早いなぁ)
P「よっと、はい、お願い」
あずさ「はい~」
P(今日は後半、何から何までお世話になっちゃったなぁ)ゴソゴソ
P「これからはより一層、みんなのプロデュースを頑張らないと!」
(シャッ)
P「お待たせ!」
あずさ「全然待ってないわよ~。スーツは着て帰る?」
P「折角だしね。そうだ、お会計を済ませないと」
あずさ「あ、それなら大丈夫よ?」
P「え?」
あずさ「私が払っておいたから♪」
P「」
187 = 153 :
P「あずさ、さん?」
あずさ「だからもうっ、さん付けしないでって――」
P「流石にそこまでさせられませんよおおおおおおお何考えてるんですかああああああああああ!!」
あずさ「驚かれちゃった♪」
P「♪、じゃないですよあずささん……!」
あずさ「でも実際、プロデューサーさん、このお値段は苦しいんじゃありません?」ヒラヒラ
P「うぐっ」
P「し、しかし、男には逃げてはならない時が」
あずさ「今は女の子だからいいんです~♪」
P「ああもう本当に免罪符だなぁindulgentia!!!」
あずさ「なんだかんだで私も竜宮小町としてそれなりに売れてますから、これくらいはだいじょーぶです♪」
P「とはいえ、安い買い物じゃないですよこれ……」
あずさ「大丈夫ですよ~、運命の人貯金はまだまだありますし~」
P「……運命の人貯金?」
あずさ「あ、あら~……」
188 :
なんと・・・・・・・・・・ボタボタボタ
190 = 153 :
あずさ「うふふ……知られてしまいましたか、私の隠し口座……」
P「いや、そんな大切なお金なら尚更!」
あずさ「いいんです」
P「でも!」
あずさ「プロデューサーさんが運命の人かどうかなんて、今はどうでもいいんです」
P「あずささん……?」
あずさ「未来の運命より、今この瞬間の、あなたへの感謝の方が、大事なんです」
P「あずささん……」
あずさ「それに、プロデューサーさんが運命の人ならタイミングが違うだけで」ボソリ
P「えっ? 今何か……」
あずさ「いいえ、なんでもありません♪」
191 = 153 :
>>188
南斗落下血!ボタボタボタ
>>189
とっぷしーくれっと、です
192 = 153 :
(マタノゴライテンヲオマチシテオリマスー)
P「悪いが……キミとはこれが今生の別れになるだろう……さらば……」
あずさ「プロデューサーさん?」
P「いえ、なんでもありません。もう訪れることはないであろう世界の感傷に浸っただけです」
P「それよりもあずささん、やっぱり……」
あずさ「プロデューサーさん、めっ。それ以上は言いっこナシです」
P「でも」
あずさ「むしろ、ごめんなさい。こんな、お金にモノを言わせるようなお礼しかできなくて」
P「そんなことないですよ! スーツも、お礼ですけど――」
あずさ「ですけど?」
P「――さっきも言ったように、ここまでしてくれたあずささんの気持ちが、一番のお礼ですから」
あずさ「もう、プロデューサーさんったら。きざっぽいですよ~?」
193 = 153 :
P「それよりも、こんな高価な……」
あずさ「だからいいんですって。それに、そのお金はアイドルとして稼いだものですから」
P「ですから?」
あずさ「プロデューサーさんの頑張りの結果でもあるんですよ?」
P「竜宮小町のプロデュースは、律子が……」
あずさ「竜宮小町に至るまで頑張れたのも、律子さんが私たちのプロデュースに集中できるのも、」
あずさ「なにより、先ほどもお伝えしたように、担当の枠を超えて、普段から助けていただいてます」
あずさ「今日もそうでしたよ?」クスッ
P「……ダメ、今日はあずささんに勝てる気がしない……」
あずさ「うふふ、私の勝ちですね~♪」
194 = 153 :
(ヒュオオオォォオ)
あずさ「ふぅ、夜風が吹き始めて、いつの間にやら寒くなってます~」
P「うー、寒い……あ、そうだ。ちょっと待っててもらっていいですか?」
あずさ「? はい」
(タッタッタッタ)
あずさ「なにかしら~?」
(ガシャコンッガシャコンッ)
(タッタッタッタ)
P「はいっ!」
あずさ「これ、缶コーヒー?」
P「普通のとブラック、どっちがいいですか?」
あずさ「じゃあ、普通ので」
P「はい、どうぞ」
あずさ「ありがとうございます」
195 = 153 :
((ズズズッ))
P「……昼間みたいな美味しい挽きたてコーヒーも美味しいけれど」
あずさ「?」ズズッ
P「こんな安っぽい缶コーヒーも、これはこれで風情があると思いません?」
あずさ「……ふふっ、分かります」
P「ちょうど夕暮れが落ち始めて、一気に暗くなり始めて……」
あずさ「オレンジ色が消えて、空に月や星の明かりが見え始めて」
P「特に秋冬の夜風がある時期は、こいつらの見せ場」フリフリチャポンチャポン
あずさ「不思議な感覚になるわよね~」
P「良かった、あずさにも伝わって。ちょっと安心した」
あずさ「あ」
P「? どうしたの?」
あずさ「喋り方」
P「……あ、いつの間にか敬語が」
P・あずさ「「……ふふふ」」
196 = 153 :
あずさ「今日は、ここまででいいわ~」
P「え? 駅まで送るのに」
あずさ「このまま友美と夕食、待ち合わせてるの。それにこの缶コーヒーの余韻、消したくなくて」
P「……うん、分かった。迷子にならないようにね?」
あずさ「うふふ、大丈夫。友美にも、ここから動かないでーって言われてるから」
P「流石親友、よく分かってる」
あずさ「失礼しちゃいます」
P「あ、私がよろしくって言ってたって、伝えておいて」
あずさ「はいはい♪」
P「はい、は一回」
あずさ「本当に律子さんみたいね~」
197 = 153 :
P「今日は本当にありがと」
あずさ「いえいえ~」
P「風邪、引かないようにね」
あずさ「プロデューサーさんこそ。コートまで選んでる時間がなくて」
P「それは今度、友美さんに選んでもらう」
あずさ「それくらいはプロデューサーさんご自身でお選びくださいな~」
P「けちー」
あずさ「うふふ。……コーヒー、ご馳走様でした」
P「いえいえ、お粗末様でした」
あずさ「それでは」
P「それじゃ」
P「あ、そうだ。あずさ」
198 = 153 :
あずさ「なぁに?」
P「さっき、ブティックに行く前だけど」
P「ホントは迷子じゃなかったんだよね?」
あずさ「うふふ」
P「?」
「迷子の神様も、時にはいい働き、するんです」
199 = 153 :
あずさ「きっとあの紅葉を見れたのは、迷子のお蔭だと思いますよ♪」
あずさおわる
200 = 153 :
ちょびっと後日談
~一週間後!~
P「ウィーッス」ガチャリンコ
小鳥「あ、おはようございます」
雪歩「寒いですねー、今お茶入れますぅ」
P「あー、悪い悪い、ありがと」
小鳥「今日もそっちですか。確か前回は丁度一週間前でしたね」
P「その前もそうだった気がしないでもないし……周期なのか?」
小鳥「かもしれないですね~」
雪歩「あ、どうぞ」
P「お、さんきゅ」コートヌギヌギ
みんなの評価 : ★
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