私的良スレ書庫
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元スレ禁書「とある幸福の上条当麻、はっじまるよー」上条「ウソつけ!」
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学園都市 某所――
禁書「フフフ、早速火種が暴れまわっているみたいだね」
ローラ『あ、ああ……今まで築いてきた信用が崩れてしまうなんて……』ヨヨヨ
禁書「いずれ壊すような信用は、今の内に壊しておくに限るんだよ。後腐れないし」
ローラ『そうは言っても…』
禁書「なに? もしかして文句でもあるのかな?」ニッコリ
ローラ『そそっ、そんなつもりは、って、きゃああーーー!!! 爪が、爪がぁぁーーー!?』ウゾゾゾ
禁書「ヒッキガエル♪ ヒッキガエル♪」
ローラ『文句でなし! 文句でなしにつきー!? わ、私はイギリス清教の未来を憂いているだけなのにぃぃ……』グッスン
禁書「それこそ余計な心配だよ。十字教なんて私には価値のない。ううん、むしろ害悪そのものなのだから」クスッ
ローラ『えっ』
禁書「まあ今は争いの種を撒く時期かも。とうまの存在を魔術世界に知らしめて、学園都市を巨大なアリ地獄に仕立てるんだよ」
アウ「ジーク・ライヒ! ジーク・アークビショップ・インデックス!!」キリッ
禁書「世界を我が手に! あははは、アーッハッハッハ」
アレイ☆「……(ううっ、これ見よがしに私の前で陰謀を巡らせるなんて……)」ガクブル
禁書「あ、そうだ」チラッ
アレイ☆「ッ!」ビクッ
禁書「ひょうかを利用したら即救済だからね」ニッコリ
アレイ☆「な、なんの事やら分からないが……」
禁書「虚数学区 五行機関だっけ? あれはクールビューティーたちにも多大な負荷がかかるし、とうまも黙っていないと思うけど」
アレイ☆「……(うん、止めよう。この状況で幻想殺しまで敵に回せば確実に詰んでしまう。生き残ることを最優先に考えるべきだ)」
第七学区 駅前――
黒子「容疑者、と申しましてもカメラで貴女の蛮行は確認済みですの」シュン!
シェリー「!?」
黒子「ですので少々荒っぽく行きますわよ!」シュン!
カカカカカカカ!!!
シェリー「…………」
黒子「その金属矢は簡単には外れませんので悪しからず。しかし初春も心配性ですわね、存外楽勝…」
シェリー「…………」カカッ
ガシッ
黒子「…痛っ!?」
エリス『』ゴゴゴゴ
黒子「じ、地面から手が!? まさか、あの女……!」
シェリー「…………」ニヤリ
黒子「ッ!!(まずいですの……ッ、痛みで上手く演算できないなんて!)」ズキッ
シェリー「マヌケ、そのまま潰れちまえ」
エリス『』ブゥゥーーン!!
黒子「あ……」
グチャリ
浜面「なんかスゲー音が聞こえたけど、魔術師が暴れてんのか?」タッタッタ
御坂妹「ッ! 金髪ゴスロリを視認しました、とミサカは戦闘態勢に移行します」タッタッタ
浜面「ああっ!! あれは!」
シェリー「チッ、殺りそこねたか」
エリス『』
上条「ふぅ、間一髪だな」ヒョイ
黒子「い、生きてる……?」ヒメダッコ
浜面「不機嫌なゴスロリに馬鹿デカイ土くれの腕! その傍で白井をお姫様だっこしてる大将!! わからん、どんな状況なんだ!?」ガビーン
御坂妹「さあ?」
上条「立てるか?」
黒子「と、当然ですの! というかさっさと下ろしなさい!!」ガァァ
上条「はいはい」
シェリー「面倒な能力者を殺すチャンスを邪魔しやがって。……ん、そのツラは」
上条「アンチスキル特務支援課の上条だ。あんたにゃ悪いが借金返済の糧に…」
シェリー「そうだ! 噂で聞いた『尻から怪光線』の上条当麻だなお前っ!!」ビシッ
上条「は…………はああああああああああっ!?」ガビーン
黒子「え……お尻からビームを出しますの?」ザザッ
上条「根も葉もない中傷だから! お願いだから引かないでっ!?」
浜面「マジかよ、大将に限ってそんな……」ヒソヒソ
御坂妹「ですが彼ならやりかない、とミサカは……」ヒソヒソ
上条「ぎゃああーーー!!! 上条さんの評判がマッハで急降下してるーーー!?」ギャース
シェリー「代償に切れ痔を患ったと聞いていたが、もう完治していたのか」
上条「これ以上ウソを拡散させないでーーっ!?」
シェリー「うるせぇ野郎だ。邪魔するんならまずは お前からだ。エリスっ!!」カカッ
エリス『』ウゴゴゴ
黒子「腕だけではなく、巨大な人型に!?」
浜面「俺の電撃の火傷の痛みも忘れてしまうほどの戦慄ッ!! 大将の168cmのカラダが小さく見えるほどのビッグゴーレムッ!?」
浜面「得体のしれないゴスロリッ! それにあの凶悪な面構えッ! 何かを秘めている……元スキルアウトだった俺には、その圧倒的なナニかを感じるっ!!」
御坂妹「…………」
浜面「ああっ!? ゴーレムの剛腕が大将に振り下ろされた! 避けろ大将、避けるんだぁぁーーーー!!!」
黒子「…………」
浜面「なんてこった! 無慈悲な一撃で大将がぺちゃんこに……なってねえ!? スゲー、逆にあのビッグゴーレムを持ちあげて投げ飛ばしたーーっ!!」
御坂妹「…………」
浜面「よっしゃあー! ゴスロリ女のヤツ、茫然として隙だらけだ。大将、一気に決めちまえ!!」
黒子「…………」
浜面「決まったぁぁーー!! 大将の鉄拳がゴスロリ女の顔面にめり込んだーー!! さすが大将、女だろうが容赦なしだぜ!」イヤッホゥ!!
御坂妹「ミサカたちは何をしにこの場に来たのでしょう? とミサカは自身の存在意義に疑問を投げかけます」
黒子「……わたくしに聞かないでくださいまし」ゲンナリ
グループのアジト――
打ち止め「おかえりなさーい、ってミサカはミサカはお出迎え!」
浜面「ただいま。あー、喉がイガイガする」
御坂妹「あれだけ叫べば当然です、とミサカは呆れながらのど飴を差し出します」スッ
浜面「気が利くな。はむっ……ん? 何だコレ……ゴムみたいな味が、うぷっ、オエーーーーー!?!?」オロロロ
御坂妹「これがサルミアッキの威力……とミサカは通販で買った世界一不味いアメのパワーに戦慄します」ゴクリ
浜面「死ぬっ!? 圧倒的不味さが口全体に広がっていくぅぅーーーーー!?」
打ち止め「うわぁー、ってミサカはミサカは下位個体のイタズラに呆れかえってみたり」
美琴「なにやってんのよ」ヤレヤレ
御坂妹「お姉さま、今日のお昼ご飯は何ですか? とミサカは期待に胸を高鳴らせつつ問いかけます」
美琴「きのこのパスタとサラダよ。もう出来てるから、早く手洗いとうがいをしてきなさい」
御坂妹「はい、とミサカは洗面所に全力で駆けこみます」ダダダダッ
打ち止め「あっ、ミサカもー! ってミサカはミサカは猛ダッシュ!」テッテッテ
美琴「あはは、食いしん坊なんだから。……ん?」チラッ
上条「ちくしょう……年寄りの傷つき易い心をズタズタにしやがって……」メソメソ
浜面「水っ! 誰か水をくれぇぇーーーー!?」ジタバタ
上条「白い悪魔め……次に会ったら覚えてろよ」グッスン
美琴「よく分かんないけど、元気出しなさいよ。午後の仕事は休んでいいからさ」ヨシヨシ
上条「御坂は優しいなぁ……」ホロリ
浜面「み、みず……」ガクガク
御坂妹「飲み物です、とミサカは救いの手(洗いたて)を差し伸べます」スッ
浜面「ありがてぇ! ……うん? な、なんだよ……このサロンパスみたいな風味は、てか不味っ!?」ゴクゴク
御坂妹「これが世界一不味いコーラ、SARSI…」
浜面「俺で実験するんじゃねぇぇーーっ!?」ガビーン
翌日 九月二日
第七学区 通学路――
土御門「今日も遊びまくったぜよ」
一方通行「ゲーセンってのは楽しいもンなンだな」
土御門「フツーの学生生活は楽しい事ばかりだにゃー。明日は吹寄たちも誘ってカラオケに行こうぜい?」
一方通行「あ」
土御門「どうしたスズやん? 学校に忘れ物でもしたのかにゃー」ハテ?
一方通行「猫缶買って帰らねェと。多少高くつくが、そこのコンビニで買ってくか」キョロキョロ
土御門「スフィンクスだっけ?」
一方通行「ちゃンをつけろよグラサン野郎っ!!」クワッ
土御門「はいはい、待っててやるから買って来い」ケラケラ
一方通行「チッ」
■■「あの人なら。貸してくれるような気がする……」ジー
◇ ◇ ◇ ◇
コンビニ――
店員「らっしゃーせー」
一方通行「……(カツオ味にササミ味にマグロ味。クカカ、やっぱ猫缶はモンプチだぜェ!!)」ヒョイヒョイ
■■「…………」ジー
一方通行「……(またたびボールなンて置いてやがる。これも買ってくかァ)」ヒョイ
■■「…………」ジー
一方通行「……(ついでに俺のメシも買うか。この最安値のカップ麺で十分だな)」ヒョイ
■■「…………」ジー
一方通行「つゥか刺すような視線を感じるンですけどォ?」チラッ
姫神「モノレール代を貸して欲しい」
一方通行「……誰だオマエ?」
といったところで今回は終了
次回は一方さんとシスコン軍曹と魔法少女のターン!
次回は一方さんとシスコン軍曹と魔法少女のターン!
おつおつ
あの敬愛な信仰深きシスターちゃんはいったいどこへ……
姫だっこ黒子かわいいprpr
あの敬愛な信仰深きシスターちゃんはいったいどこへ……
姫だっこ黒子かわいいprpr
そういえば姫神ってもう三沢塾の決壊に保護されて歩く教会持ってないはず…
やばくね? 吸血鬼的な意味で
やばくね? 吸血鬼的な意味で
結婚は、上条さんの意志ではなかったのか・・・・。
このインデックスさんは黒いなぁ。
上条さん、幸せになってくれ(T_T)/~~~
このインデックスさんは黒いなぁ。
上条さん、幸せになってくれ(T_T)/~~~
現状インデックス勢力はチート集団なんだけど、このドクロべえ一味みたいなダメダメ感は何なんだろう…
なるほどここから>>197につながるのか。
>>563
銃持たせれば結構強かったはず
銃持たせれば結構強かったはず
もう一方さんが戦うことはないだろ。あるとしたら猫ちゃんがピンチの時のみだな
銃持たせて強いってのも制限時間付に慣れた後、暗部落ちした後の事じゃね?
能力使ってた頃は「銃?そんなもんいらねーよ」って感じだろ
制限時間付でもなく完全に能力消されて暗部落ちもしてない今だったら、
銃も使えない運動も出来ない(しかし杖はいらない)学園都市最弱になってると思う
頭脳は健在だが
能力使ってた頃は「銃?そんなもんいらねーよ」って感じだろ
制限時間付でもなく完全に能力消されて暗部落ちもしてない今だったら、
銃も使えない運動も出来ない(しかし杖はいらない)学園都市最弱になってると思う
頭脳は健在だが
頭脳戦なら白い悪魔とチェス対戦でもしたらいいんじゃないかな
現実でもプロ棋士が演算機器に負ける位だし……
現実でもプロ棋士が演算機器に負ける位だし……
学園都市第一位の頭脳は健在、だが運動能力はない、
だから、展開楽しみにしてる。
だから、展開楽しみにしてる。
| : : : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : 、: :、: : | i : i
|:i : : : : / : : : : : : /: : : : : : 、: : :ヽ: ヽ | ト、|
|:|: : : : i: : : : : : : :|:ヽ: ヽヽ: :\: : : ト、: ハ| i|
ノ:|: : : :|: : : : :i: : : :ト、:_>‐、‐、一.、: iNハN ! あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
/イ: |: : :!: /:ハ: :|: : 卞ト、xィ斥ミメ\\乂:V'
,.イ: |: : :|//,公、ハ: :iト、 ヾ=' ´ ` ヽリヽトヽ 『メインプランになる為に第一位を潰す準備をしていたら
/: :!/乂,.イ{'^ヽNト、\\ -,.イ、 いつのまにか俺が第一位になっていた』
_ノ,. イ:|: |/: /冫、 jリ、`ヾヽ ` ,.-,.ィ∧.:\
ーァ':.∧レ1/:| { jイ ヽ.、 -'‐′∧:.:.:.:.:.} な… 何を言っているか わからねーと思うが
/´フイ:.:.:.|:.:.:| V ! ` ァ ─‐、 ´.:.:.:.:.:.:ノ 俺も何をされたのかわからなかった…
/:.:.:.:.:.|:.:.∧ V 、 ,.イハ /:ヽ:.:.:.:.:V
/:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:∧ \ヽ / / |-,V V:.:.∧:.:.| 頭がどうにかなりそうだった…
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:∧ \ ' ト:.ハ V:.:.:.〉:|
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.ハ / 〉-'ヽ!:.:i ヽ V/:.ハ 超能力だとか魔術だとか
rナヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.V/ 〈_|_|_レ':.:.| 〉V:.:.:∧ そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
/:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:∧ ヽ:.:.:.:.:.:..! / V:.:.:.:|
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.∧ \:.:.:.:〈 i V:.:.:.| もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
|:i : : : : / : : : : : : /: : : : : : 、: : :ヽ: ヽ | ト、|
|:|: : : : i: : : : : : : :|:ヽ: ヽヽ: :\: : : ト、: ハ| i|
ノ:|: : : :|: : : : :i: : : :ト、:_>‐、‐、一.、: iNハN ! あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
/イ: |: : :!: /:ハ: :|: : 卞ト、xィ斥ミメ\\乂:V'
,.イ: |: : :|//,公、ハ: :iト、 ヾ=' ´ ` ヽリヽトヽ 『メインプランになる為に第一位を潰す準備をしていたら
/: :!/乂,.イ{'^ヽNト、\\ -,.イ、 いつのまにか俺が第一位になっていた』
_ノ,. イ:|: |/: /冫、 jリ、`ヾヽ ` ,.-,.ィ∧.:\
ーァ':.∧レ1/:| { jイ ヽ.、 -'‐′∧:.:.:.:.:.} な… 何を言っているか わからねーと思うが
/´フイ:.:.:.|:.:.:| V ! ` ァ ─‐、 ´.:.:.:.:.:.:ノ 俺も何をされたのかわからなかった…
/:.:.:.:.:.|:.:.∧ V 、 ,.イハ /:ヽ:.:.:.:.:V
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rナヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.V/ 〈_|_|_レ':.:.| 〉V:.:.:∧ そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
/:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:∧ ヽ:.:.:.:.:.:..! / V:.:.:.:|
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EXTRA CASE とある幸福の一方通行S
とある学生寮 一方通行さんち――
土御門「――で、貸す金が無いから寮まで連れて来たわけだが」
一方通行「スフィンクスちゃン、ごはンですよォ♪」
スフィンクス「にゃあ♪」
土御門「完璧無視ぜよ。ハァ、ところでお宅はどちらさん?」
姫神「姫神秋沙。一応霧ヶ丘女学院に在籍している」
土御門「てことは第十八学区か。たしかに歩いて帰るには難儀な距離だにゃー」
姫神「だからモノレール代を借りたかった」
土御門「それは無理な相談ですたい。なんたって、オレもスズやんもゲーセンで遊び倒したんで無一文だぜい」ドヤッ
一方通行「一緒にすンじゃねェ。俺は猫缶を買ったから金が無ェだけだ」
土御門「しかし参ったにゃー。全員が文無しとは」
一方通行「まだ外は暑いンだ。一晩野宿するくらいどォって事ねェよ」
土御門「…………」ポカーン
姫神「…………」ポカーン
一方通行「なンなら段ボールをくれてやってもいい。近所の公園にでも…」
土御門「ま、待てスズやん!」
一方通行「ああン?」
土御門「この子、女の子だぜぃ?」
一方通行「見りゃわかる」
土御門「もう外は真っ暗だ。しかも暑いし虫は出るし、野宿には辛い季節だにゃー」アセアセ
一方通行「そォかもなァ」
土御門「それを踏まえてもう一度聞くが、この子にどうしろって?」
一方通行「……チッ、お節介野郎が」
土御門「さっすがスズやん! 何だかんだ言っても優しいぜよ」ホッ
一方通行「バスタブを貸してやるから、今晩はうちに居ろ」デデン
土御門「バスタブを貸すなんて太っ腹…………バスタブ? ベッドじゃなくて?」
一方通行「ベッドはスフィンクスちゃンの寝床だ」
土御門「……お前さんは?」
一方通行「当然スフィンクスちゃンと一緒だァ」ドヤッ
土御門「威張るんじゃねーぜよ!? そこは譲ってやれ!」ガァァ
一方通行「はああァァ!?」
土御門「バスタブなんて人が寝る場所じゃねーだろうが! んなトコに寝るのは救いようのない馬鹿だけだにゃー!」
◇ ◇ ◇ ◇
上条「へっくし!!」
浜面「どうしたんだ、風邪か?」
上条「いいや、誰かに噂されてるに違いない……白い悪魔が流したデマに背びれや尾ひれまでつけて……」ワナワナ
浜面「あの強靭無敵な大将が怒りに震えている!? 心の柔らかいトコを的確に突いてくるなんて、白い悪魔……恐ろしいヤツっ!!」
上条「少し夜風にあたってくるわ……」トボトボ
◇ ◇ ◇ ◇
一方通行「めンどくせェ、もうオマエが泊めてやればいいだろ。面倒見のいい土御門くゥン?」
土御門「馬鹿野郎! もし舞夏にバレたら洒落にならんぞ!」
姫神「というか。金髪グラサンアロハは危険な香り」シレッ
一方通行「たしかになァ」
土御門「オレは義妹以外には興味無いにゃーーっ!!」ガァァ
姫神「なにそれ怖い」
土御門「じゃあどうするんだ? もう完全下校時刻は過ぎちまったし、無下に放り出すわけにもいかんぜよ」
姫神「いい。私が歩いて帰れば済む問題だから」
一方通行「それがベターだろ。霧ヶ丘っつったらスキルアウト程度、簡単に蹴散らせるだろうしよ」
土御門「ならせめて寮まで送って行くにゃー」
姫神「それもいらない」フルフル
土御門「遠慮はいらんぜよ。こう見えてオレは強いんだぜぃ? スズやんは超よわよわだけどにゃー」
一方通行「テメェ……」イラッ
姫神「いい。私の能力のせいで。あなたたちに迷惑をかけられないから」フルフル
一方通行「能力だァ?」
土御門「どういう意味かにゃー?」
姫神「それは――」
少女説明中……
姫神「――吸血鬼を引き寄せて殺す能力。だからとても危険」
一方通行「…………」
土御門「……(まさかコイツが『吸血殺し(ディープブラッド)』だったとは。イギリス清教はあのザマだし、さて、どうする?)」
姫神「昼間はともかく。夜は危険だから出ていく」
一方通行「待てよ」
姫神「なに?」
一方通行「本当の事を話せ」
姫神「…………」
一方通行「吸血鬼うンぬンが本当かどうかは重要じゃねえ。オマエがオマエ自身の能力に怯えてるのは分かったからなァ」
姫神「…………」
一方通行「会って数時間の俺たちを気遣う甘ちゃンがよ、関係無ェ奴らが大勢住ンでる寮に帰るのか?」
姫神「ッ!?」
一方通行「端っから帰る場所なンざ無ェンだろうが。誤魔化すなら、もうちっとマシな嘘を吐きやがれ」
姫神「わ、私は……」グスッ
一方通行「チッ、鬱陶しいから泣くンじゃねェっての」
姫神「だって……三沢塾が壊れて……もう頼れる人もいなくて……」ポロポロ
一方通行「……一晩だけ泊めてやる」プイッ
土御門「泣~かした、泣~かした~♪ ス~ズやんが~泣~かした~♪」ニヤニヤ
一方通行「土御門くゥゥゥン!! ケンカ売ってンですかァァ!?」ガァァ
土御門「は? オレは弱い者いじめをする趣味なんて無いにゃー」
一方通行「よわッ、…………いいぜェ、今日の特訓(格ゲー)の成果を見せつけてやンよォォ!!」グワッ
土御門「いい度胸だなド素人」ニヤリ
二秒後
一方通行「」チーン
スフィンクス「にゃあー!?」ガビーン
土御門「赤子の手を捻るより容易いにゃー」ヤレヤレ
姫神「あの……」
土御門「ん? ああ、気にせず泊ればいいぜよ。コイツもお前の境遇に、思う所があるみたいだからにゃー」
姫神「境遇?」
土御門「それをオレの口から言うのは野暮ってもんですたい。根は良いヤツだから心配は要らないぜい」
姫神「うん。なんとなく分かるかも」ウン
土御門「それはそうと、ずっと気になっていたんだが」
姫神「???」ハテ?
土御門「なんで巫女服なのかにゃー?」
姫神「別に本物の巫女じゃない。これは世をしのぶ仮の姿」
土御門「その実態は?」ゴクリ
姫神「私。魔法使い」ドヤッ
土御門「……(この子もスズやんと一緒で、割と残念な子だにゃー)」
スフィンクス「きしゃあーーっ!!」シッ
ザシュ!!
土御門「ひぎィィ!? ひ、引っ掻くんじゃねえぜよ!?」ギャース
学園都市 第七学区――
上条「募る不幸 この空高く積み上げたなら 届くかな? つーか届きまくっとるわ!! ポラリスを貫通するくらいになっ!!」プンスカ
上条「くッ、いかんいかん。キレ易い若者じゃねーんだし、もっとゆとりある精神を持たねば」
??「うぅ……うう……」
上条「どうかしましたか? 具合が悪いなら病院に…」
??「血ィィ……あ、まい……ちのにおいが……」
上条「ッ、こいつは……!」
??「血だァァァ!!! 血をよこせええええ!!!」
上条「ぬんっ!!」ボッ
ドッゴオオオオオオオオオオ!!!!
??「うわらば!?」グチャ!
上条「殴った時の不自然な冷たさ……これはヤバイかも。とりあえず――」pipi
木原『こちら木原、何か問題でも起きたのか?』
上条「緊急事態だ。とびっきりヤバイのが発生してる。あと今回は御坂たち抜きでやりたいのですが」
木原『わかった。俺に動員できる全戦力を投入してやる。場所は何処だ?』
上条「第七学区の公園辺り。てか詳しい報告も無しに太っ腹だな」
木原『お前がヤバイってんなら、それが一番の根拠になるからな。遠慮はいらねえ、全力で叩き潰せ、以上』pi
上条「はぁ、この手の『狩り』は何十年ぶりですかねぇ。もう神父じゃないけど、人の天敵は駆逐しねえとな」ニッコリ
とある学生寮 一方通行さんち――
一方通行「――ンン?」
姫神「気がついた?」
一方通行「オマエは……あァ、そうか。たしか土御門の野郎に瞬殺されたンだった」ズーン
姫神「ラリアットを喰らって。一回転して気絶した」
一方通行「いちいち説明してンじゃねェ!!」ガァァ
姫神「凄んでも無意味。あなた人相は悪いけど。全然怖くない」クスッ
一方通行「チッ」
姫神「…………」ジー
一方通行「なンだよ」
姫神「どうして私によくしてくれるの? 能力の話をすれば。避けられるか研究の対象にされるだけだったのに」
一方通行「よくした覚えなンてねェよ。少しばかりカワイソーだから同情してやっただけだ」
姫神「そう……」
一方通行「…………」
姫神「でも……それでも嬉しかった。ずっと一人ぼっちだったから。だから……ありがとう」ニコッ
一方通行「くっだらねェ。礼なら隣に住ンでる腐れシスコン野郎に言ってやれ」プイッ
姫神「うん。そうする……ッ!?!?」ゾクッ
一方通行「そうしてやれ。あの変態なら泣いて喜……なンだ? 妙な気配が……」ゾクッ
姫神「この感じは……」ガクブル
一方通行「オイ、一体どうしたン…」
ガシャーーーン!!!
??「血ィィ……ほうじゅんで、あまい香りが……ふひひ……」
一方姫神「「!?」」
一方通行「テメェ、何処のどいつだか知らねェが、割った窓ガラスを弁償しやがれ! こっちは金欠なンだっつの!」プンスカ
姫神「ダメっ!! 逃げてぇぇっ!!!」
一方通行「ハァ? なンで逃げる必要があるンだ?」ヒョイ
一方通行は釘バットを装備した!
姫神「どうして釘バットなんて持ってるの……?」
一方通行「認めたくないが俺は以前と比べて、ちっとばかし弱くなったからなァ。コイツは弱くなった部分を補うための武器だ」
姫神「そうじゃなくて。普通は釘バットなんて手に入らない」フルフル
一方通行「コンビニで売ってる」
姫神「本当に……?」
一方通行「ビニール傘と同じ売り場に置いてある。ンなコトも知らねェのか」
姫神「それは。勉強になった」
一方通行「ンで、テメェは何処のクソ野郎だ?」ギロッ
グール「この女だァ……ふひ、ふひひ! もう我慢できねえええッ!!!」
一方通行「キモチ悪ィンだよクソッタレがァァッ!!!」ブンッ!!
ボグシャ!!
グール「げぴっ!?」バターン
ガチャ
土御門「スズやん、無事か!?」
グール『』シーン
土御門「うわっ、グロっ!?」
一方通行「……くかっ」
土御門「ス、スズやん?」
一方通行「くかきくけかかかぎィゃはははははははははは!!!」ニタァァ
姫神「!?」ビクッ
一方通行「『一方通行(アクセラレータ)』を使えなかろうが俺は雑魚じゃねェ!! この『釘バット(エクスカリバット)』があればなァ!!」
土御門「……絶好調なトコに水を差して悪いんだが、お客さんはそいつだけじゃないぜよ」
グールA「いたぁ……ふれっしゅみィィとォォ……」
グールB「あひ、あふふひ、あひゃ!」
グールC「喰わせろォォ……吸わせろォォォ……」
姫神「ひっ!?」
一方通行「……ゾンビ映画のロケでもやってンのか?」
土御門「やつらはグール。吸血鬼に噛まれた非童貞、非処女のなれの果てだにゃー」
一方通行「しばらく肉は食えねェな」
土御門「お喋りしてる間にも連中、続々とこの部屋を目指して集まって来てるぜよ。退路はオレが何とかする、スズやんは姫神を…」
一方通行「今はスフィンクスちゃンの安全が最優先だ。さっさと逃げンぞ!」ヒョイ
スフィンクス「にゃあー!」
姫神「……ヒロインってなんだろう」
第七学区 とある学生寮 廊下――
姫神「下の階からいっぱい来てる……」
一方通行「クソッ、下へは降りれそうにねェ」
土御門「元より降りるなんて選択肢は無いぜよ。闇雲に逃げ回るより、吸血殺しを逆手にとって一か所に集めた方が対処しやすいにゃー」
姫神「私のせいでこんな……」
一方通行「うるせェ、オマエは黙って着いてくればいいンだっつの。オイ、このまま屋上に上がるぞ」
土御門「これ以上被害を広げないためには、それが最善かにゃー」
◇ ◇ ◇ ◇
屋上――
バタン
土御門「やれやれ、ここなら一息つけそうだぜぃ」
一方通行「つっても時間を稼ぐだけじゃ意味が無ェ。一応アンチスキルに通報しておくか?」
土御門「そこは抜かりないぜよ。部屋を出る前に、助けは手配済みだにゃー」
姫神「……助けなんて。私が出ていって噛まれれば…」
一方通行「ハァ? ざっと見ただけで百匹以上はいやがるってのに、血を吸わせるだァ?」
土御門「干物になっちまうぜよ……」
姫神「でも…」
一方通行「デモもメーデーもあるかボケ。オマエは生餌なンだ。大物を釣り上げるためのなァ」ニタァァ
土御門「そういうこと。吸血鬼とやらを倒さない事には、雪だるま式にグールが大繁殖ですたい」
一方通行「つゥわけで――」
バンッ!!
グール「みィィつけたァァ……!」
一方通行「クソ溜めのボスが来るまで、オマエは守られてろ」
学園都市 窓のないビル――
禁書「わぁ、極東の地に吸血鬼が現れるなんて珍しいね」
アウ「…………」
禁書「でも動きが変かも。繁殖を行ったのは最初の研究所だけ、……何かを探している?」ハテ?
アウ「……依然、その能力を垂れ流している『吸血殺し』が原因ではないかと」
禁書「………………ああっ!? あいさの事すっかり忘れてたんだよ!?」ガビーン
アウ「必然、言い難いが彼女は影が薄いので仕方あるまい」
アレイ☆「……(ふむ、すでに幻想殺しがグール共の駆逐を始めているようだな。特に問題はないか)」
禁書「アウレオルス、吸血鬼の居場所は?」
アウ「第七学区の再開発地域から外れた廃ビルに潜伏している。ここは私が出向き、始末をつけよう」キリッ
禁書「ううん、私が出るんだよ」
アウ「唖然、君にあのような下衆の相手をさせるわけにはいかない!」
禁書「それはこっちの台詞かも。こんな汚れ仕事を部下に押しつけるなんて、私の矜持が許さないんだよ」
アウ「おお……! ジーク・ハイル・インデックス!!」
禁書「さて、神に逆らう不浄の徒に神罰を与えないとね♪」ニッコリ
アレイ☆「……(キコエナイ、私は何もキコエナイ)」
第七学区 とある廃ビル――
吸血鬼「ハァ、ハァ……これ以上は抗えん。なんという芳醇且つ退廃的な香りか。だがその先にあるのは……」
女生徒「や、やめて……殺さないで……」ガクブル
吸血鬼「この衝動を紛らわせるために貴様を捕らえたのだ。ハァハァ、フ、フフフ、この街に来てから処女を食らっていないからな」ニヤリ
女生徒「いやああああああああああああああああ!!!」
吸血鬼「良い悲鳴だ。研究者というのは不味くて敵わん、やはり清純な乙女でなくては…」
ブスリ
吸血鬼「あ?」
女生徒「ふぇ……?」
吸血鬼「は、腹がああああああああ!!! この焼けつく様な痛みは、まさか聖剣の類、ごはっ!?」ゴポッ
禁書「ただのフォークだよ。私の魔力をエンチャントしてるけどね」
吸血鬼「修道服……ッ!! 貴様ぁぁっ!!」
禁書「不死者にかける慈悲なんてないんだよ。魂を冒涜した罪、簡単に贖えると思わないで」
吸血鬼「調子に乗るなよ人間っ!! 餌の分際で…」
禁書「エゴ・エゴ・ア・ザラゴライ・エゴ・エゴ・ザメ・ラゴン 闇の公子 悪の長子と その王の名に於いて来たれ 悪魔の肉芽よ 汝が贄を 喰らい尽くせ」
吸血鬼「ま、まさか……その呪文は……馬鹿な、人間如きにソレを使えるはずがない!?」ブルブル
禁書「このインデックスをもってすれば造作も無いんだよ。――暴凶餓鬼地獄(エッド・ツェペリオン)」
吸血鬼「嫌だ……嫌だあああああああああああああああああああああ!?!?」キュイーン
禁書「この魔術に囚われたモノは魔界の飢餓魂に全てを喰らい尽くされる」
吸血鬼「ひィィィーーー!?」ボリボリ ムシャムシャ
禁書「後悔も懺悔も要らないよ。魂すら喰い荒されるあなたに、救いなんて必要ないからね」ニッコリ
女生徒「はう……」パタリ
禁書「気絶しちゃったの? ここからが最高のショーなのに」ヤレヤレ
吸血鬼「だ、ダズゲデ……あぎゃああーーーっ!!!」メキ! バリッ!! グチョッ!!!
禁書「あはっ♪ 中途半端に丈夫だと、なかなか死ねないから悲惨かも」
第七学区 とある学生寮 屋上――
グールA「がァァッ!!」
土御門「そこだっ!」シッ
バキッ!!
グールA「がッ!?」バターン
土御門「流石にキリが無いぜい。スズやんはまだやれるかにゃー?」チラッ
一方通行「ぜェ……ぜェ……もォ無理」グッタリ
姫神「三。四回バットを振っただけでこの有様」
一方通行「ゲーセンでやったゾンビを撃ち殺すヤツは、ノーミスでクリア出来たってのに……クソッ、腕がもう上がらねェ」プルプル
土御門「……端から当てにしていないとはいえ、モヤシにも程があるぜよ」ゲンナリ
グールB「吸わせろォォ……血をよこせェェ……」ヌッ
姫神「え……」
土御門「しまった! 壁をよじ登って来ただと!?」
Side 一方通行
大量に押し寄せるグールの侵入を制限するために、狭い階段からの入口しかない屋上へ避難した。
実際その策は功を奏し、余裕で時間を稼げていた。
そこに油断が生じた。
鈍くさいはずのグールが壁伝いに屋上へと侵入したのだ。
土御門「スズやん! 姫神を守れっ!!」
階段側からの侵入を、獅子奮迅の活躍で食い止めている土御門が悲鳴のような叫びを上げる。
その声に応えるように、一方通行は四肢に力を入れ立ち上がろうとするが
一方通行「ぐッ……!」
まったく立ち上がれない! 明日を待たず筋肉痛に苛まれているのか、生まれたての小鹿のようにプルプルするのみだ!
そうこうしているうちに、壁を登って来たグールが姫神の目の前まで迫っていた。
一方通行「なにつっ立ってやがる! 早く逃げやがれ!」
姫神「ううん。もういいから」
一方通行「オマエ、まさか……」
一方通行の背中に嫌な汗が伝う。
全てを悟ったかのように諦めの言葉を吐く姫神に、何かが重なって視える。
――誰も傷つけたくない
――だったら誰もが歯向かう気が失せるほど強くなればいい。最強じゃ足りない、無敵にならねェと
――実験? 無敵になれるなら参加するか
ヒトヲコロシテシマッタ……モウダレモキズツケタクナカッタノニ……
――あれは人形だ、人間じゃねェ。クソッタレな科学者も言ってただろ?
――絶対能力者になりさえすれば、またいつか、あの輪の中に戻れる……
一方通行(違ェ……全っ然違うだろうがクソッタレ!!)
一瞬でも自分と姫神の境遇を重ねた事を否定する。
一方通行(俺には選択肢があった。けどこの女にはそれが無かった。なのにこの差はなンなンだ!)
科学者の甘言に乗せられて殺戮の限りを尽くしてきた自分は、今のうのうと幸せを享受している。
一方通行(なンでこンな事になってンだよ。このお人好しの馬鹿女が俺より罪深いってのか?)
出会って数時間の関係だが、こびりつく様な血の匂いも、殺戮者特有の陰鬱な雰囲気も纏っていなかった。
一方通行(俺みたいなクズが幸せで、なンでこの女はこンなにも不幸なンだ……!)
あまりの理不尽に脳が焼き切れるほどの怒りを覚える。
同時に、今、この瞬間にこそ必要な『一方通行(アクセラレータ)』を失った自分に失望する。
一方通行(起きろよラッキー……もしカミサマってのが本当に居やがるなら、俺なンかより目の前のお人好しを救えよ)
かつて最強の能力者だったとは思えない凡庸な願い。
だが偽り様のない、素直な心からの願いだった。自分以外の人間のために、初めて本心から湧きだした願いだった。
しかしご都合主義の如く、ヒーローなんて現れるわけもなく
上条「見ィィつけたぞォォ!! この元リア充どもがあああああああああああああああ!!!!」
駆けつけたのはバケモノの類だった。
何処から現れたのか、ツンツン頭のバケモノは姫神に迫っていたグールを苦も無く叩き伏せ、鋭い眼光だけで場を支配した。
上条「クク、ククク、クハハハハハ!!!」
土御門「カ、カミやん……?」
上条「ん~? 誰かと思えば土御門じゃねーか。お前も不死者狩りに来たのか?」
土御門「いや、オレは巻き込まれた側ぜよ」
上条「そっか、そんじゃ大人しく見物しててくれ。すぐに掃除を済ませるからさ」
困惑する土御門を尻目に、ツンツン頭はグールの一団を見渡し口角を吊り上げ宣告する。
上条「魔法名を名乗るほどの相手でもねえか。ま、元に戻す手段もないし、わりーけどもう一遍死んでくれよ」
その宣言から数秒後、とある学生寮の屋上は凄惨なブラッドバスと化した。
◇ ◇ ◇ ◇
グールZ「がああーーっ!!」
上条「この上条さんの眼前でグゥゥルが闊歩しているなんて、許しておけるかゲンコロゲンコロオオォォオオ!!!」ボボボッ
ズドドドドドドドドドッッ!!!!!
グールZ「あわびゅ!?」グシャッ!!
上条「よっし、全部死んだな」
土御門「…………」ガクブル
猟犬部隊A「『グループ』のリーダーを支援するようにとの命令を受けて参りました。指示を願います」タッタッタ
上条「んじゃ消毒部隊のみなさん、消毒をお願いします」
猟犬部隊A「い、いえ、我々は『猟犬部隊(ハウンドドッグ)』であって…」
猟犬部隊B「ヒャッハー! 汚物は消毒だああーーーっ!!」ゴオオオオオオオ!!!
猟犬部隊C「学園都市製の火炎放射機はよく燃えるぜぇぇー! げひゃひゃひゃ!!」ゴオオオオオオオ!!!
上条「うん?」ハテ?
猟犬部隊A「……なんでもありません」ドヨーン
姫神「あわわわ……」ガクブル
一方通行「……(やっべ、少しちびっちまった……)」ブルッ
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