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元スレ禁書「とある幸福の上条当麻、はっじまるよー」上条「ウソつけ!」
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数十分後
9982号「あなたは何時まで呆けているのですか? とミサカは頬を叩いてみます」ペチペチ
上条「ハッ!?」
9982号「これからどうしますか? とミサカはリーダーに指示を仰ぎます」
上条「どうするもこうするも、あまりの展開に置いてけぼりなのですが……」
9982号「大丈夫です、とミサカは自信満々に言い切ります」
上条「なにが?」ハテ?
9982号「どのような敵が現れようと、あなたが負ける姿は想像できません、とミサカはあなたの強さに全幅の信頼を寄せます」キラキラ
上条「え……俺が強い?」
9982号「はい、ミサカが知る限り あなたは最強です」コクリ
上条「…………」プルプル
9982号「ですからこの先ミサカが生き残るには、あなたに着いていくのが最善と判断…」
ガシッ
上条「絶対に守るから、御坂妹もシスターズも絶対に守ってみせるからな!」パァァ
9982号「はい、頼りにしています」コクリ
上条「嗚呼、こんな風に頼られるのはいつぶりだろう……」ウルウル
テッテレー
上条当麻は数十年ぶりに頼られる喜びを味わった!!
上条当麻は御坂妹(9982号)及び、妹達に対して過保護になった!!
上条「よっしゃー! 俄然やる気が出てきましたよ!」
9982号「あ……」クゥゥ
上条「ハハ、腹も減ってきたし買い出しに行くか。御坂妹も一緒に来る?」
9982号「……以前から気になっていたのですが、その『御坂妹』とはミサカの事ですか? とミサカは疑問を口にします」
上条「そうだけど」
9982号「御坂妹……このミサカだけの呼び名……」ニヘラ
上条「……もしかして嫌だったか?」
御坂妹「いいえ、とても気に入りました。今からこのミサカの固有ネームは御坂妹です、とミサカは独断で決定しました」
上条「そりゃ良かった。そんじゃ出かけようぜ」
◇ ◇ ◇ ◇
とある病院――
10032号「ッ!?」
冥土帰し「おや、どこか具合でも悪いのかい?」ハテ?
10032号「い、今なにか大切な……このミサカのアイデンティティが失われたような……」ワナワナ
冥土帰し「よく解らないが、個性が芽生えるのは良い事だね?」
とあるスーパーマーケット――
上条「御坂妹は何が食べたい?」
御坂妹「肉……お肉が食べたいです、とミサカは本能の命ずるがまま答えます」
上条「肉かー……。う~ん、ご奉仕品にミンチがあるからハンバーグにするかな?」ウーン
御坂妹「ハンバーグ……っ!!」キュピーン
上条「あとは付け合わせにポテサラと野菜スープでも作るとすっか」
御坂妹「あなたはお料理が出来るのですか? とミサカは期待の眼差しを向けます」キラキラ
上条「フフン、この上条さんを侮るなよ? 和洋中、何でもござれだ!」ドヤァ
御坂妹「今すぐ帰還を申請します、とミサカはすでにハンバーグで頭がいっぱいです」グイグイ
上条「あはは、そんなに腹がへってるのかよ」ズルズル
路地裏――
上条「み、御坂妹さん? 何やら薄暗い路地裏に入っているのですが……」
御坂妹「ショートカットです」
上条「いやそれは分かるけど、こういう人通りの少ない場所を通ると…」
ドンッ!
浜面「痛っ!?」
上条「ああ、すみません! てな具合に――」ペコリ
浜面「気をつけろクソがっ!!」ガァァ
上条「チンピラに絡まれるんだな、これが」ヤレヤレ
御坂妹「?? あなたなら苦も無く撃破できるのでは? とミサカは素朴な疑問を呈します」ハテ?
上条「そういう問題じゃねえ。自ら進んで揉め事を起こさないようにだな…」クドクド
浜面「テメーら……無視してんじゃねぇよ!!」ウガァァ!!
上条「見てみろ、最近の若者はこんなにもキレ易いんだぞ」ホラネ
御坂妹「嘆かわしいですね」ヤレヤレ
浜面「オーケー、お前らケンカ売ってるんだな? そうなんだな!?」ブチッ
Side 浜面
浜面は苛立っていた。生来のチンピラ気質も影響しているのだろうが
目の前のスカしたツンツン頭の男が、どうにも気に食わなかったのだ。
平均よりかなり低い沸点はとうに超え、浜面は右手を握りしめ上条に殴りかかった。
浜面「おらあッ!!」
アスリート並の肉体を持つ浜面の右ストレートがツンツン頭の頬に突き刺さる。
だというのに……
浜面「いってぇぇーー!?」
上条「ハハ、なんで殴ったお前が痛がってるんだよ」
浜面「知らねぇよ! クソッ、こいつ高位能力者か……!」
上条「いいや、上条さんは無能力者(レベル0)ですよ?」
浜面「はぁ?」
理解の範疇を超えていた。
伊達にカラダを鍛えているわけではないのだ。ただの無能力者が今の一撃を受けてノーダメージなんてあり得ない。
上条「それより気は済んだか? 早く帰って飯を作りたいんだけど」
浜面「は、はは……」
まるで眼中にない。
そのコトが浜面を更に苛立たせる。男としてのプライドが、このふざけた野郎をブチ倒せと命じる!
浜面「これで済むわけねえだろうがぁぁああああああああああ!!!」
Side Out――
数分後
浜面「ハァ、ハァ……あり得ねぇ……手加減なしのストレートが完全に入ったのに……」ゼェゼェ
上条「さすがに何発も殴られると痛いな」ヒリヒリ
浜面「俺より体格が劣るってのに、なんてタフさだ……」
上条「もう十分だろ。お前じゃ俺は倒せねーよ」
浜面「ま、まだだ……!」
上条「ふむ、近頃の若いモンにしては根性があるな」ウン
クイクイ
上条「ん?」ハテ?
御坂妹「早く帰りましょう、とミサカは空腹に耐えきれずあなたを急かします」クゥゥ
上条「そうだな。んじゃ上条さんたちは失敬しますよっと」
浜面「まだ終わってねえっつってんだろうがぁぁーー!!!」シュッ!!
ヒラリ
上条「遅い」
浜面「なっ!?」
上条「突っかかるのはお前の勝手だけどさぁ……とりあえず、この如何ともしがたい実力差を埋めてからにしてくれよ」スッ
ドゴッッ!!!
浜面「ごほッ!?!?」バターン
上条「あれ? 手加減ミスったかな……?」
浜面(や、やめりゃあよかった! こんなタフガイにケンカふっかけるのはよォ……!)ガクリ
浜面仕上 リタイア!!!
グループアジト――
浜面「――んお?」
上条「おお、気がついたか」
浜面「いってぇぇ……。俺は一体……ってテメェは!?」
上条「テメエじゃない、俺は上条当麻だ。お前は?」
浜面「…………浜面仕上」ボソッ
上条「はまづら……? まさかバニー大好き浜面なのか!?」ガビーン
浜面「なんで知ってんの!?」ガビーン
上条「なんでって……あーなるほど、言われてみれば超浜面だわ、うん」シゲシゲ
浜面「意味わかんねぇよ! ていうかここ何処!?」キョロキョロ
御坂妹「ここは、もぐもぐ、統括理事直轄組織、もぐもぐ、グループのアジト、ごっくん、です」モグモグ
上条「こらこら、口の中のものを飲み込んでから喋りなさい」メッ
御坂妹「はい、とミサカは食事に集中します。ハンバーグおいしい……♪」モグモグ
上条「折角だし浜面も食べるか?」
浜面「お、おう」
食後
御坂妹「ごちそうさまでした、とミサカは食後のお茶を啜ります」ズズッ
上条「浜面もお茶飲むだろ?」コポコポ
浜面「ああ、頼む。こんなに旨い飯を食ったのは久しぶりだぜ……って違うだろ!?」
上条「なにが?」ハテ?
浜面「さっき不穏当な単語が飛び出したよね!? 統括理事会がどうとかって……」
御坂妹「統括理事直轄組織『グループ』、彼はそのリーダーでミサカは構成員その一です、とミサカは補足しました」タンタン
上条「まあアレだ、学園都市にとって不都合な連中(魔術師)を始末する組織ってヤツ?」タンタン
浜面「…………」ガクブル
御坂妹「冷房が強すぎますか? とミサカは震えるチンピラを心配します」
浜面「……(嫌ああああああ!? 絶対に関わったらダメな連中に関わっちまったぁぁーーーーーー!?)」ブルブル
上条「で、どうする?」
浜面「ッ!?(ス、スキルアウトも学園都市には不都合な存在だよな!? ヤバイ、殺される!)」ビクッ
上条「こっちとしては浜面をスカウトしたいんだけど、どうかな?」
浜面「おおお、俺みたいな下っ端を殺っても……って、え……スカウト?」キョトン
上条「今日立ちあげたばっかの組織だからな。優秀な人材を確保したいってのが人情だろ」
浜面「俺が優秀……?」ポカーン
上条「うん」
浜面「え、ただの無能力者でスキルアウトなんだけど……」
上条「誰かに押し付けられた肩書なんざ下らねえ。俺は浜面仕上を義理と根性のある漢(オトコ)と見込んで話をしてるんだ」キリッ
浜面「!!!」ピシャーン!!
上条「頼む、俺たちの仲間になってくんねぇか?」
浜面「お、俺なんかでいいのか……?」ワナワナ
上条「なんかじゃねーよ。お前が欲しいんだ!」デデン
浜面「こ、こんな風に評価されたのは初めてだ。素直に嬉しいぜ。……けどみんなを、駒場の旦那たちを裏切るわけには」ジーン……
上条「スキルアウトの仲間のコトなら問題ないぞ」
浜面「え」
上条「浜面がつなぎ役をしてくれたら、組織同士で連携がとれるだろ? もちろん対等な関係だし、必要な物はこっちで用意するからさ」
浜面「…………」
上条「なんとしても果たさないといけない目的があるんだ。だから重ねて頼む、力を貸してくれ」ペコリ
浜面「……わかったぜ、大将にそこまで言われたとあっちゃあ断れねえ。駒場さんに話してみる」
上条「そうか! ありがとうな!!」パァァ
浜面「んで、肝心の目的ってなんなんだ?」
上条「借金を完済することだ」デーン
浜面「ああ借金は良くないな、うん。…………はああぁぁぁぁ!? 借金っ!?」ガビーン
テッテレー
グループの構成員に、浜面仕上が加わった!!
八月二十二日
第七学区 グループアジト――
浜面「――で勢い任せで就職したのはいいんだが」
上条「金が無ぇぇーーーー!? なけなしの貯金まで差し押さえられてるなんて聞いてねーよ!?」ギャース
御坂妹「ミサカは元から一文無しなので悪しからず、とミサカは金策を丸投げします」シレッ
上条「浜面は!? 何か当てはありませんか!?」
浜面「……かねがね金が無ぇ」ボソッ
上条「お前もかーーー!! くっそー、こうなったら」pipi
トゥルルル、トゥルルル
木原『おう、何か用か?』pi
上条「仕事をください!」
木原『仕事だぁ?』
上条「生活費が枯渇してるんだよ! つーか組織の運営費をくれよ!!」ガァァ
木原『甘えんなクソガキ。それくらい自力で調達しろ』
上条「ぐぬぬ……!」
木原『ま、そうは言っても先立つものは必要だよなぁ?』
上条「あ、不幸の予感」
木原『ククク、悪い話じゃねーよ。とにかく俺の研究室に来い』
木原くんの研究室――
上条「失礼しまーすっと」
木原「よく来たな、そんじゃ説明するぜ」
上条「え、軍資金をくれるんじゃないの?」
木原「甘えんなっつっただろ。お前らには自力で稼げる場を提供してやる」
上条「稼げる場?」ハテ?
木原「今日から警備員(アンチスキル)も兼業しろ。ほれ、身分証も発行してあるからよ」ポイッ
上条「おっと」キャッチ
木原「配属部署は『特務支援課』だ。新設の部署で、学園都市で発生した事件を独自の裁量で解決するってのが業務内容になる」
上条「は?」
木原「いわゆる表の顔ってヤツだ。馬鹿正直に『グループ』を動かすわけにはいかないからな」
上条「なるほど……」
木原「事件を一件解決する度に、俺が一万円支給してやる。ポケットマネーだ、有り難く思えよ?」
上条「マジで!?」
木原「マジだマジ。だからしっかり稼げ」ニヤニヤ
上条「いよっしゃあああーーー!!! はりきって稼ぐぜ!!」
◇ ◇ ◇ ◇
天井「おや、幻想殺しが来ていたのではないのか?」
木原「予め決めていた『アルバイト』を紹介したら飛んで帰りやがった」ケラケラ
天井「……統括理事長から国家予算並の金額を頂いているというのに、酷い話であるな」ゲンナリ
木原「あれは俺らの懐の中だろうが。それによぉ、他人に厳しく自分に甘い。それが正しいオトナの在り方ってもんだろう?」ニタァァ
天井「……それもそうか」ウン
第七学区 とある公園――
上条「てなわけでパトロールをしませう」
御坂妹「了解、とミサカは作戦行動に移ります」ラジャー
浜面「ま、いいけどよ。何か当てはあるのか?」
上条「心配すんな。不幸体質の上条さんが徘徊すれば、事件の方から寄って来るって寸法よ」フフン
浜面「大将……」ホロリ
チェイサーー!!
ピロピロピロピロピロ!!!!
ゲッ、ケイホウガ!?
上条「ほらね!」ドヤッ
浜面「自慢にならねぇよ! てか逃げらる前に押さえないと拙いだろ!」タッタッタ
◇ ◇ ◇ ◇
「どーして警報が鳴るのよ!? いつもは鳴らないのに!」アタフタ
浜面「アンチスキル特務支援課だ! そこの女子生徒、大人しくこっちの指示に従え!(うわっ、何これ気分イイ!?)」ビシッ
御坂妹「あなたを器物損壊の容疑で拘束します、とミサカは刑事ドラマばりのキメ台詞を繰り出します」
上条「つーわけだ。抵抗は無意味だから大人しく…」
美琴「へ……?」キョトン
上条「あれ?」ハテ?
といったところで今回は終了
白い悪魔に打ち勝つために上条さん勢力拡大中
白い悪魔に打ち勝つために上条さん勢力拡大中
国家予算クラスの金を横領とはさすが木原くン本物の悪党はやることが違うな
誰かあの白い悪魔を止めろ
しかしあの白い悪魔には50:50の法則が適用されていないように見える。恐ろしい
しかしあの白い悪魔には50:50の法則が適用されていないように見える。恐ろしい
浜面は今、ある意味一番幸せな状態かw?
そして御坂DNA過保護上条さんは素晴らしい。さすが我等のお兄さん
そして御坂DNA過保護上条さんは素晴らしい。さすが我等のお兄さん
さっさと捕まえてくれwwww
知り合いだからって見逃すのはまた不幸を呼ぶ元だぞ上条さんwwwwww
それにお金も貰えないしがんばれ
知り合いだからって見逃すのはまた不幸を呼ぶ元だぞ上条さんwwwwww
それにお金も貰えないしがんばれ
乙
国家予算単位のピンハネとは…
その気になれば金は御坂から無限に引っ張れるがな
国家予算単位のピンハネとは…
その気になれば金は御坂から無限に引っ張れるがな
この後、世界を巻き込んだバカ騒動にでも発展しそうなんだが・・・
INDX「しばらくホッとしたろう?(暗黒微笑)」
KMJ「馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前(抵抗)」
KMJ「馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前(抵抗)」
乙
戦闘員に上琴、索敵にシスターズ、足に浜面か
あとは魔術師がいればバランスとれるな
戦闘員に上琴、索敵にシスターズ、足に浜面か
あとは魔術師がいればバランスとれるな
第七学区 とある公園――
美琴「え、どうしたの? アンチスキルって、拘束って何?」ハテ?
御坂妹「残念ですお姉さま。まさかオリジナルがしょーもない犯罪に手を染めるとは、とミサカはゴミを見るような目で見下します」ジトー
浜面「うおっ!? 御坂妹のそっくりさん?」
上条「御坂、お前……」
美琴「ちょ、待ちなさいよ!?」オロオロ
上条「いくら御坂でも犯罪は犯罪だ。俺たちについてきてくれるな?」
御坂妹「レベル5とて彼を相手に抵抗は無意味ですよ、とミサカは素直に逮捕されるコトをおススメします」
浜面「はあ!? お前の姉ちゃんレベル5なのかよ!?」ガビーン
美琴「くッ……わかったわ」ションボリ
浜面「ええーっ! 戦わずしてレベル5を屈服させるとか大将何者だよ!?」ガビビーン
上条「俺がスゴイんじゃねーよ。御坂が良い子なだけだ」
御坂妹「お子様趣味ですけどね、とミサカはせせら笑います」プークスクス
上琴「「ゲコ太を馬鹿にすんなっ!!」」ガァァ
CASE 06 とある暗部(笑)の超電磁砲
木原くんの研究室――
御坂妹「器物損壊及び、窃盗の現行犯をとっ捕まえました、とミサカは淡々と報告します」タンタン
美琴「なんだか本物の犯罪者みたいな扱い……」ショボーン
上条「そんな顔するな。ちゃんと反省すれば帰れるから」ヨシヨシ
美琴「う、うん」
浜面「まあ初犯なら厳重注意くらいで済むだろ」ヘラヘラ
木原「……(まさか利用しようと考えてたそばから超電磁砲をしょっ引いてくるとはな。コイツの不幸は筋金入りだ)」ニヤリ
上条「えっと、マニュアル通りに調書を取って反省文を書かせたら解放、でいいんだよな?」
木原「それは無理だな」
上条「え?」
木原「オイオイ、この嬢ちゃんは学園都市を代表する超能力者だ。そんなヌルイ処罰じゃ他に示しがつかねえだろうが」
美琴「…………ッ」ガクブル
上条「御坂はまだ中学生だぞ? 普通に反省文だけで十分だろう。御坂も反省してるよな?」
美琴「は、反省してます!」コクコク
木原「そうだなぁ、俺も鬼じゃねえ」
上条「そっか、なら…」
木原「だが余罪がある場合は話が別だぜ?」ニタァァ
浜面「……(くっせぇぇッ!! このオッサン、とんでもねぇ悪党だ。ゲロ以下の臭いがプンプンするぜ!!)」クサッ!?
上条「余罪?」
木原「清掃ロボの破壊が三回、携帯の基地局の破壊が十三回、大規模停電での被害が千件超、その他軽犯罪が三十以上、と」スラスラ
上条「み、御坂さん?」
美琴「えっ、そ、そんな! 今までは何も…」オロオロ
木原「今まではテメーに価値があったからお咎めなしだったんだ。だが例の実験が凍結されたからには、なぁ?」
美琴「ふ、ふざけんなっ!! あの実験のこと、私は許してないんだから!」ガァァ
木原「おー怖い怖い」
美琴「この……ッ!」イラッ
木原「まあお前の怒りはもっともだ。けどよぉ、テメーが犯罪者なのも否定しようがねえ事実だろうが、ああん?」ギロッ
美琴「そ、それは……」
上条「御坂、心配すんな。上条さんが何とかしてやるから」ヨシヨシ
美琴「……大丈夫なの? アンタに迷惑が…」
上条「あの時約束しただろ。俺はいつだって御坂の味方だよ」
美琴「何よカッコつけちゃって……バカなんだから///」カァァ
木原「カッコイイねぇ、お前は俺が守るってかァ? ギャハハハハ!!」ゲラゲラ
上条「木原さん、御坂にはちゃんと言って聞かせるから穏便に済ませてもらえないか?」
木原「構わないぜ? その代わり上条、テメェに超電磁砲が出した損害額を背負ってもらうことになるがな」ニヤリ
浜面「ダメだ大将! このオッサンを信用しちゃいけねえ! 何か裏があるに決まってる!」
木原「オイオイ、俺は親切心で妥協案を提示してるんだぜ?」ヤレヤレ
上条「……わかった、借金なら俺が背負う。だから今回だけは御坂を許してくれ」
木原「オーケー、契約成立だ。しかしお前も難儀なヤツだな。妹達の次はオリジナルの借金もなんてよ」ニヤニヤ
美琴「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! 妹達の借金って何? それに私が出した被害なら自分で払うわよ!」
木原「どうやってだ?」
美琴「フン、レベル5を舐めないでよね。お金なら…」
木原「現時刻をもって御坂美琴の口座を全て凍結。奨学金も全額凍結だ」シレッ
美琴「え」
上条「はあ!?」
木原「当然だろ? 学園都市も犯罪の尻拭いをさせるために高い奨学金を出してるわけじゃねえ」ニヤニヤ
美琴「そんな!?」ガビーン
木原「ククク、だがさっきも言ったが俺も鬼じゃねえ。お前に道を提示してやる」
美琴「道……?」
木原「そう、誰も損をしない唯一の冴えた道だ」ニタァァ
◇ ◇ ◇ ◇
グループアジト――
美琴「今日から配属された御坂美琴です。精いっぱい頑張りますのでよろしくお願いします」ペコリ
御坂妹「ようこそ借金ライフへ、とミサカは拍手でお姉さまを歓迎します」パチパチパチ
浜面「スゲー! レベル5が同僚とか! なあ大将……大将?」ハテ?
上条「御坂を巻き込んじまった……」ズーン
テッテレー
グループの構成員に、御坂美琴が加わった!!
上条さんの借金がさらに追加された!!
上条「ごめんな御坂。守るなんて言っておいて、こんな事に……」
美琴「ううん、アンタのせいじゃないわよ。これは私自身のケジメだから」
上条「…………」
浜面「きっとなんとかやっていけるって。大将とレベル5が居るんだぜ?」
御坂妹「一般人とはいえ、お姉さまの能力は傑出しています。治安維持活動など余裕でしょう、とミサカは冷静に分析します」
美琴「そうそう、私だって戦えるんだから」ウンウン
上条「違うんだ、そういうコトじゃないんだよ……」ワナワナ
美琴「ど、どうしたの?」
浜面「何が違うってんだ?」ハテ?
上条「アイツが……あのバケモノが……白い悪魔に御坂を殺されてしまうッ!?」ギャース
浜面「は……?」ポカーン
御坂妹「白い悪魔とは一方通行の事でしょうか? とミサカはあなたが怯える理由に疑問を抱きます」ハテ?
美琴「一方通行ならアンタがやっつけたじゃない。なんで今更…」
禁書「フフフ、ごきげんよう短髪」シュン!
上琴妹浜「「「「!?」」」」ビクッ
美琴「……テレポーター?」
禁書「こちらでは初めましてが正解かな? 私はインデックス、とうまの妻なんだよ」クスクス
美琴「つ、妻って……」チラッ
上条「誤解だっ!! そんなのは事実無根、白い悪魔の妄言だっ!!」ガァァ
浜面「……(え、こんなチンチクリンが白い悪魔?)」
禁書「人前だから照れてるの? 相変わらずツンデレさんだね♪」
上条「都合のいい様に解釈すんな! 俺は御坂が好きなんだ! 誤解されるような嘘はやめろよ!?」ギャース
禁書「もう、とうまったら♪」クスクス
上条「クソッ、聞いちゃいねえ!」
美琴「……///」カァァ
浜面「おお、直球かよ。さすがは大将だぜ」ニヤニヤ
御坂妹「良かったですねお姉さま、とミサカは真っ赤になって照れる姉を冷やかしてみます」ニヤニヤ
美琴「て、照れてなんか……ないわよ///」テレテレ
上条「もう縁は切ったのに、悪質なストーカーめ……」グヌヌ
禁書「私たちの縁はダイヤモンドみたいに堅く強固なんだよ。切れるわけないかも」シレッ
上条「何がダイヤモンド並だって? こより並の間違いだろ、いや納豆の糸より脆いんじゃねーの?」ヘラヘラ
禁書「……餓哭喰噛嚥魂(ブラッディ・デスイーター)」ボソッ
上条「おまっ、まさかそれは……ぎゃああああああああああああああああああああああああ!?!?」ガブガブ
浜面「た、大将の足元から馬鹿デカイ口が!? 大将を丸のみにしようとしている!?」ガビーン
禁書「減らず口ばかりなとうまは、異界の魔物にかじられて反省すればいいんだよ」
上条「うぐぐ……殺られてたまるかぁぁーーーーー!!!」
パキーン!
上条「ハァハァ、こ、殺す気か!?」
禁書「ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん……」ブツブツ
ウゾゾゾ
海魔「ぎゅるぎゅる」ウネウネ
浜面「なんだありゃあ!? か、海産物……不気味な海産物が白いシスターの影から這い出てくる……ッ!?」ギョッ!?
御坂妹「醜いですね、とミサカは率直な感想を述べます」
浜面「ああ、こんな醜悪なのは見たことがねえ! 恐怖すら忘れてしまうほどの嫌悪感! ウネウネと蠢く触手! まさにバケモノだぜ!」
海魔「FUuuuuuuu!!!」ズズズ
美琴「ひっ!? こ、こっちくんな!」ビリビリッ!!
海魔「ふしゅるるるる……」プスプス
浜面「うわっ、磯くさっ!?」
禁書「フフ、海魔は一匹だけじゃないかも。私の魔力が続く限り、いくらでも召喚できるんだよ」ニコッ
上条「十字教徒が旧支配者を使役しようとすんな!?」ギャース
禁書「どうして?」ハテ?
上条「仮にも最大主教まで務めたくせに、少しは教義を守れよ!」ガァァ
禁書「魔術なんて数ある手段の一つでしょう? 何よりこのインデックスこそが教義なんだよ」シレッ
上条「昔はこんなんじゃなかったのになぁ……」ホロリ
禁書「まあ冗談はこれくらいにして、今日はとうまにお話しがあるんだよ」
上条「……お前なんかネセサリウスに粛清されてしまえ」
禁書「十字教の総力を挙げても無理だと思うけど?」クスクス
上条「だろうな……」ゲンナリ
禁書「コホン、まわりくどいのは面倒だから単刀直入に言うんだよ。とうま、私に協力し…」
上条「嫌だ」キッパリ
禁書「…………」ポカーン
上条「上条さんは借金の返済だけで手いっぱいなんです。つーか二度と宗教には関わらんと言っただろうが」ヤレヤレ
禁書「は、話くらい聞いて欲しいかも!」アセアセ
上条「どーせ世界の覇権を握るとか、テメー中心の理想郷を作るとかそんなしょーもないコトだろ?」
禁書「しょーもあるもん!!」プンスカ
上条「ドンパチやるならイギリスでやれよな。学園都市を巻き込むな」シッシ
禁書「むうう~~~~ッ!! 私の伴侶として協力してくれるなら世界の半分をあげてもいいのにっ!!」
上条「そんなの欲しくねーよ。あと伴侶言うな、怖気が走るわ」ゾクッ
禁書「ひどっ!?」ガビーン
上条「話はそんだけか? こっちは仕事で忙しいんだ。用件が済んだなら」
ヒョイ
禁書「むあ!?」ジタバタ
上条「さっさとお引き取りくださいよ、っと」
ポイッ
禁書「きゃん!」ドサッ
ガチャリ
禁書「…………」
上条「ふぅ……」ヤレヤレ
浜面「い、いいのか? 玄関先で騒いでるけど」
トウマァァーー!!! コンナブレイハ、ユルサナインダヨーーー!!!
上条「放っときゃいいんだよ。それより白い悪魔の恐ろしさは理解できた?」
美琴「ま、まあ何となく……」
御坂妹「複数の能力を使っていました。多重能力者(デュアルスキル)でしょうか? とミサカは推察します」
浜面「多重能力者って……あれは都市伝説だろ?」
美琴「それに普通の能力じゃなかったわよ。あんなバケモノを呼び出してたし」チラッ
海魔「」プスプス
浜面「いや絶対に能力の範疇を超えてるだろ!? あまりの超展開だったからスルーしてたけど!」
上条「あれは古代の魔術書から召喚されたバケモノだ。いわゆる召喚魔術だな」ウン
美琴「魔術……?」ハテ?
――上条さん説明中
上条「――てなわけだ」
浜面「魔術ねぇ……」
美琴「普通なら信じられないけど、あんなのを見たあとじゃねぇ……」チラッ
海魔「」プスプス
御坂妹「イカ焼きみたいで美味しそう、とミサカはお姉さまの心の声を代弁します」シレッ
美琴「んなわけあるか!」ガァァ
浜面「つーか誰が処分するんだよアレ!?」
イマスグアヤマルナラ、ユルシテアゲルンダヨ!! サンビョウダケマッテアゲル。イーチ、ニーイ、サーン!
シーン……
上条「ともかく魔術師から学園都市を守るのが『グループ』の任務なんだ」
浜面「うへー、あんなバケモノとやり合うのかよ」ゲンナリ
上条「あの白い悪魔だけは別格だ。遭遇した場合は上条さんに連絡して、決して戦わない事を徹底するように」
美琴「うん、わかったわ」
上条「他の魔術師は現場の判断で対応してしてくれ。ただし絶対に無理はしないようにな」
浜面「……早まったかな。生き残れる気がまったくしないんだが」
御坂妹「ハイリスクですがリターンも大きい、とミサカは借金返済の要は魔術師であると主張します」
美琴「『特務支援課』のお仕事が一件につき一万円なのよね? だったら百倍の百万円とか?」
上条「1億8000万円だ」デデン
浜面「…………マジで?」
上条「マジらしい。ま、それくらい貰わないと完済なんて夢のまた夢だけどな」
浜面「どんだけ借金作ったんだよ……」ゲンナリ
上条「1兆8000億円だ」デーン
浜面「い、いちまんばいーーーーっ!?」ギャース
美琴「ちょ、ちょっと、妹達の借金って言ってたわよね? どういうコトなの!?」
御坂妹「ミサカ一体当たりの単価を1億8000万円として、約一万人が生き残りました、とミサカは端的に答えます」
美琴「そ、そう……(あれー? ハッキングした仕様書には単価18万って書いてなかったかしら?)」ウーン?
◇ ◇ ◇ ◇
禁書「この私を無視して部屋から閉め出すなんてぇぇ……もう許さないんだからぁぁ……」メソメソ
同日
第七学区 窓のないビル――
アレイ☆「フフフ、妹達に加え超電磁砲も上手く誘導できたか。これで幻想殺しへの枷は十分だろう」
禁書「…………」シュン!
アレイ☆「ふむ、何者かね? ここへの侵入を許した覚えはないのだがね」
禁書「何を言ってるのかな。このインデックスに許可なんていらないんだよ?」ドドドドドド……!!!
アレイ☆「!?」
禁書「そして命令を下すのも私かも。そこは弁えてほしいな、背教者」ニッコリ
アレイ☆「~~~~~~ッッ」コクコク
◇ ◇ ◇ ◇
脅迫状『とうまがムカつくので学園都市を滅ぼす事にしたんだよ。それが嫌ならとある海水浴場にとうまを連れて来て』チモジ
アレイ☆「…………」ガクブル
土御門「なんだこれは?」
アレイ☆「こ、殺される……みんな殺されるぅ……ヤツは最強の魔神なんだ……」ガクブル
土御門「魔神?」ハテ?
アレイ☆「もう駄目だ……おしまいだぁ……」ビクビク
土御門「この男がここまで怯えるとは。一体なにが起きている……?」
八月二十三日
木原くんの研究室――
上条「ふあぁぁ……。朝っぱらから何の用ですかー……」ショボショボ
美琴「まだ明け方よ?」ショボショボ
浜面「まあまあ、これも仕事の内だろ」
木原「文句を言いたいのはこっちだ。統括理事長から直々の命令なんだとよ」
御坂妹「命令ですか」
上条「日頃から不幸な上条さんを慮って、海水浴に行って来い! とかだったらいいのになぁ」
浜面「んなわけねーだろ」ヤレヤレ
木原「大正解っ!! 外出許可も下りてるから精々楽しんでこいや」
浜面「…ってええーーっ!?」ガビーン
上条「それってタダなの!? 経費で旅行できちゃうの!?」
美琴「水着はどうしよう。学校指定のは無しよね……せ、せっかくだしあの水着(フリフリ)着ちゃおっかな……?///」モジモジ
御坂妹「該当データをダウンロード。海の家……焼きそば……かき氷……不味いラーメン……とミサカは海水浴場に想いを馳せます」ニヘラ
浜面「何の疑いも無く行く気満々だよコイツら……」ゲンナリ
木原「二泊三日で温泉付き旅館だってよ。バインバインのねーちゃんたちをナンパしても構わねぇぞ」ニヤニヤ
浜面「よし行こう、すぐ行こう、さあ行こう!!」キリッ
上琴妹「「「おおーーーっ!!」」」
といったところで今回は終了
借金ヒーローと文無しヒロインが海水浴場に行く時、物語が始まるッ!!
借金ヒーローと文無しヒロインが海水浴場に行く時、物語が始まるッ!!
なんかもう不憫すぎて真面目に涙目になるレベルだな……面白いけど
乙
乙
アカン。海水浴場はアカンでえ……
前から思ってたが何故浜面はジョジョっぽいんだw
前から思ってたが何故浜面はジョジョっぽいんだw
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