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元スレ上条「白いワンピース」

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751 = 476 :



「そう、か」

「ああ、そうなんだよ」

「お前は今も幸せな訳だ」

「そう、幸せだ」

「そっか、そっか……」

「……」

「それ、は……本当に良かった……。ありがとう、当麻」

「こちらこそだよ。……ところで父さん」

「……ん?」

「だから、さ。もうお土産にお守りとかはいいよ。母さんに何かプレゼントを買ってきてやった方が喜ぶに決まってる」

「……そうだな。はは、そうするよ」

752 = 476 :



「あと、今回のことなんだけどさ……」

「うん?」

「父さんが見た翼の生えた人間っていうのは、天使っていうんだ」

「天使?」

「そう、さっきも説明した魔術によって無理やり天使のいる世界から引きずり降ろされたんだとさ。俺にもよく分かってねえけど」

「当麻が分からないのに私が分かるはずがないだろう」

「はは、まあそうか。問題はそこじゃない。父さん、よっぽど必死に俺の事を考えてくれてたんだな」

「何を。当たり前だろう?」

「お土産の置く位置とか、風水っていうのを勉強して置いたりしたんだろ?」

「……そんなこと良く分かるな」

「まあな。……魔術を使うための力ってのはお守りにもほんの少しだけ含まれているらしいんだ。で、父さんはそれらを全部きちっと位置も考えて並べた。風水にも魔術的な意味があるらしくてさ」

「……すまん。よく分からない」

「俺にも分からないさ。ただ、大事なのは……」

「……」






「……。天使がこの世界へやってきたのは父さんが買ってきたお土産達によって、偶然起こってしまったってことなんだ」

753 = 476 :



「……え」

「つまりこの魔術を起こしたのは父さんってことだ。……まあ、それを被害なくして俺が止めることができたってのは本当に嬉しいことだよ」

「私のお土産の、せいで当麻があんな風に……?」

「せい、なんて言わないでくれ。父さんにその気は無かったんだし、俺のためにやってくれたことなんだ。そんなことを言って欲しくてこんなこと言ったんじゃない」

「……」

「まあ、何が言いたいかっていうと」







「子供のためなら何でもしてくれて、それがちょっと失敗に繋がっても、最後まで子供のことを考えて行動できる。そんな、父さんのようなバカで頼りないのに頼れる父親ってのになりたいって思うよ、俺は」

754 = 476 :



「……ははは。お前も大抵バカだな、当麻」

「な、何でだよ!」

「今から頼りない父親を目指してどうする。当麻は自分の信じた道をまっすぐ進んで、頼れる父親になりなさい。それが私というのなら少し恥ずかしいな……」

「ははは」



夜風がとても心地よい。
いつか俺が父親になった時は、またここに来て俺の子供と話そう。

そう、思った。

755 = 476 :



「ところで当麻」

「何だよ?」

「砂浜に打ち上げられている、あの少女は当麻の知り合いかい?」

「……は?」


父さんの指差す方向を見ると、一人の少女が砂浜で倒れていた。


「おいバカ、何でもっと早く言わねえんだ!!」

「わ、私も今見つけたばかりなんだ、仕方ないだろう」

756 = 476 :



「……神裂、神裂!!」

「何でしょう」


遠くにいても、あれだけ叫べば神裂なら聞こえると思ったが、予想通り、神裂はすぐにやって来た。



「今すぐ海の家にサーシャを連れて手当てを。怪我はないかもしれないけど、体温と飲んだ海水とかが心配だ。一応見てあげてくれ」

「はい、ではすぐに」


本当にすぐに行ってしまった。









「……あの綺麗なお姉さんも当麻の知り合いかい?」

「ん? ああ、まあな」

「本当に当麻は顔が広いんだな」

「ああ、それだけは自慢できるぜ」

757 = 476 :




「……あ」


神裂を見て、思い出した。



「……どうした?」

「土御門に連絡しねえと」

「当麻の友達か?」

「そう、クラスメイト。……っと、もしもし?」

「にゃー! ずいぶん遅かったにゃーカミやん」

「悪いな、いろいろあったんだよ」

「ところでオレらはこの家をどうすればいい?」

「一応天使はもう倒したんだが、まだ何か起こりそうか?」

「そりゃ何かなんてもんじゃないぜい、こんなのほっといたら地球が破滅するぜよ」

「ん、分かった。じゃあ俺も今から向かうからあと30分ほど待っててくれ」

「分かったにゃー」

「悪いな、じゃ」

758 = 476 :



「……どこかへ行くのか?」

「上条家だよ、置き物の配置が変わるだけで今度は違う魔術が発生するかもしれないんだってさ」

「それは危ないものなのか?」

「んー。地球が破滅するくらい、らしい」

「……」

「んじゃ俺はちょっといってくるぜ」

「待て、当麻。私には正直さっぱりなんだが、その対処法はあるのか?」

「まあな、あいつらに家ごと破壊してもらえば簡単なんだけど、そんなの絶対嫌だしさ。せっかく俺の能力があるんだから、それで置き物の力だけ壊してしまおうかなと」

「……私も行く」

「ここに戻ってくるの遅くなるかもしれないぜ?」

「当麻の自慢の力というのを見てみたいんだ。その不幸で幸福な力を」

「……分かった」

759 = 476 :



神裂に儀式場の破壊をしに行ってくると伝えた後、父さんの車に乗り込む。
……よくよく考えたら、俺一人でどうやって家まで行こうとしてたんだろう。
タクシーだったら絶対30分では着かなかっただろうに。

父さんと雑談をしながら車に揺られること約20分。
上条家と土御門とインデックスが俺達を待っていた。

「ごめん、遅くなった」

「それはいいんだがにゃー。何で刀夜氏まで着いてきてるのかってのが気になるぜい」

「ケリを、つけにきたんだ」

「ケリ、だと?」

「ああ。私は何も知らないとは言え、どうもみんなに迷惑をかけていたらしい。正直、天使だとか魔術だとか何のことだか未だに分からない。ただ、原因は私にあって、その原因を壊してくれるのが私の息子だというのは理解できた。なら私はそれを見守らなければいけない」

「……カミやん」

「悪い、今回のことは全て話した」

「刀夜氏、これは絶対に口外したらダメだ」

「ああ分かってるさ、口外するにはもったいない話も聞かせてもらった、そんなことは出来ないよ」

「……じゃ、カミやん。始めてくれ」

「……分かった」

760 = 476 :



力をまず体全体に行き渡らせる。
……なるほど。俺の中のあいつが何なのかはサッパリだけど、あいつが出てきてからは力の流れをイメージしやすくなっている。

続いて竜の顎を出現させる。

こちらも楽になっている。集中力を全然使わない。

しかしこれで家ごと飲み込むには小さすぎる。

……どうするべきか。

761 = 476 :



分かった。簡単なことじゃないか。

俺の体に大量の力を放出して、それで包み込むようにして覆えばいい。


……よし、順調。


まだ、まだいける。


まだだ、家を全て覆うには小さい。


「くっ……」


もう少し、もう少し。
ここまでくるとさすがに体力と集中力の消費が激しい。


「ぐああああっ!!」











パキン!!!

762 = 476 :



「え?」

「「「……」」」


いつも俺が何か異能の力を消す時に響く、甲高い音が鳴り響いた。


「あれ? おかしいな……」

その途端、俺の身体にかかる負担もなくなった。
……幻想殺しは出し過ぎると壊れる風船みたいなもんなのかね。


仕方ない、もう一回やろうか。

763 = 476 :



また、力を放出し始める。

力は順調に大きくなって、俺の体表を覆った。

……そこまで行って気づく。

そうじゃない、もっとなにか大きな力が俺の周りに充満している。

「一体、何が……」

前を見ると、インデックス、土御門、それに父さんまで俺を見ていなかった。
その視線の先は俺の後ろ。


つられて振り返る。


そこにあったのは、

764 = 476 :









大きな、六枚の、真っ白な翼。










765 = 476 :





……えええええええええ!!??




幻想殺しすげぇ……。
いや、確かにあの夢のような感覚だった時、翼で飛んでたよ?

でも、力を放出しすぎると翼になるなんて聞いたこと……













あった。

766 = 476 :



そういや一方通行との2回目の戦闘の時にはあいつ翼生やしてたな。
ベクトル操作、という能力なんで力の放出が上限を越えた、とかじゃないんだろうけど、何か未知のベクトルを操ってたんだろう。

アレイスターにLevel5について聞かれた時、第二位、第四位、、第五位、第七位について何も知らなかったから詳しく調べた時には、第二位の操る物質は、どうも翼として操っているらしいことが噂になってた。



つまりなんだ、こういうことか。

767 = 476 :





"未知のものを操ると、その物質のある世界での形に変わる"







一方通行も第二位も俺も。
"翼"は、人の身を超えた象徴なのかもしれない。

よって、俺達が使っているのは、この世界にはない物質なんだろう。

768 = 476 :



……そんなことは今はいいか、また第二位に会った時にでも話をしよう。
一方通行が現時点で翼を生やしたっていう話は聞いたことがないからな。





じゃあ、とりあえず仕事を終わらせますか。



翼を手にいれたと同時に、力の扱い方が分かってきた。


六枚の翼を我が家へ叩きつける。
破壊されるのは幻想だけ。

翼を動かした時も、翼が家を叩いた後も。
俺に翼の重さは感じられず、さらに、音もしなかった。

769 = 476 :









音のない真っ白な空間で消されるのは幻想のみ。









……なんだか幻想殺しの本質を見た気がした。

770 = 476 :



「……よし!」

「……いや、よしじゃないんだよ」

「帰って寝ようぜ、俺もう無理」

「カミやん、オレは今人生で一番驚いてるぜい」

「だろうな、俺もだよ」

「そうは見えないにゃー」

「……妙に馴染んでるんだよ、この力が。"新しく身につけた"じゃなくて"使い方を思い出した"ような感じ。だからこれも普通にあった俺の能力なんだろうなって」

「……当麻、お前凄いんだな」

「そりゃ、何てったってあの母さんから産まれた子供だからな」

「そうかそうか、確かにそうだったな。はは」

771 = 476 :



「んじゃあ帰るとするかにゃー」

「はーい」

「ああ」

「ちょ、ちょっと待ってくれ」

「……何だにゃー?」

772 = 476 :



「当麻の力を見ていてつい忘れてしまっていた。……ええと、インデックスちゃんに、土御門君、だったか」

「あってるぜよ」

「そ、そうか。……あの、今回私はみんなに大きな迷惑をかけてしまった、すまない」

「終わり良ければすべて良し、なんだよ!」

「……。それと、当麻のために集まって、そして、力を貸してくれてありがとう」

「……」

「ま、今回の件はテキトーにごまかして報告するから刀夜氏は犯人だとかそういうのは気にしなくていい。終わり良ければすべて良し、禁書目録の言う通りだ」

「……そうか、それはありがたい」

773 = 476 :



「……そうだ、土御門、せっかくお前元に戻れたんだから一緒に泊まらねえか?」

「それはいい考えだ。お金はこちらに任せてくれたらいい」

「あいにくオレとねーちんは仕事だからにゃー」

「そ、そうか……」






「……だから三日後には向こうに行かなきゃならない。それまでよろしくお願いしますにゃー」

「……分かった、任せてくれ!」

「じゃあ、行くか!」

「うんっ!」

774 = 476 :


いじょー

4巻一旦おしまい
次の投下は何でもない日常回になると思います
その次からやっと2巻!

3冊でここまできちゃうのはほんとに予想外だったな……

何てったって構想なんて関係なく思いついたまま書いてるからなあ
翼なんて1時間前まで生やすつもり全くなかったってのがいい例
その場の気分だけでこのSSは続いています
これからもよろしくお願いします!

では次レス返します

775 = 476 :


>>731
あのスレと同じレベルで見てもらえるとは光栄です!
これからもよろしくお願いします!

>>732
ありがとうございます、頑張ります
何を頑張るか知らないけど頑張ってください!

>>733
いやあ嬉しいやら恥ずかしいやらです
2巻も楽しみにしていてください
SS書くの大変ですが、自分のSSに構成なんてないですよ
上でも書いたとおり、その場の気分だけで書いてます

アイテムスレに上条さんは出ますか!?
かみきぬわっほいってなりますか!?
とりあえずきぬはたが出るなら何でもいいので、スレたてたらレスで是非教えてください

ローマのやつ面白いですよね、ヴェントかわいい
それと初めて上条×舞夏がかわいいと思った

>>735
お待たせです!

>>736
これは……?

>>738
早い反応でびっくりしました
チェックしてもらってるんですかね、ありがとうございます!




あと、ここでひとつ

上条さんの中の人?の一人称が"自分"なのは、>>1の一人称が"自分"なのと同じ理由で
私でも俺でも僕でもあたしでもないのは、一人称によって先入観で性格が決まってしまうのを防いでるつもりです
上条さんに近いしゃべり方をするも、フラットな感じ、っていうつもりでした




ではー

776 :

乙です!!!

あのやたら長いのは浜面のセリフいじったものです。

777 :

乙でした

778 :

上条さんマジ最強
これもうレベル6認定だろ・・・

779 :

>>775


アイテムスレは
当麻「起きろ姉ちゃん、朝だぞ」麦野「んー…」
だね。
残念ながら、俺はまだそこまで長くかけるほどSSを書く技術がまだないんで、こっちで修行中なんだよね...
上条さんとアイテムのメンバー(浜面を除く)が家族という設定なんでもちろん
ちなみにこのスレは書き手とかは決められていないから誰が書いてもいいようになってるかな。
おっと、あまり話すとスレ違いになりそうだから、興味があれば是非。

いやー、上条さんがついに覚醒しだしたねえ...
自分の幻想殺しの正体の予想を述べてみれば、堕天使ルシフェルではないかと思うんですけどねえ...
やはり、色々と説は上がってるけど、やっぱりこれが一番しっくりくるかな

780 :

遠距離 ドラゴンブレス
近距離 何かよくわからない羽
防御 幻想フィールド 幻想殺し

後は移動手段か…飛べるのかな?あの羽…

781 :

飛べるのか、それとも跳べるのか
うーん

782 :

>>779
幻想殺しは法の書にでてくるハディートじゃないかと思う
ハディートの司る属性位置含めるとルシフェルと同一視されてるだろうけどあの右手はオシリスの時代=十字教では説明できないみたいだからね
もし本質がルシフェルならミカエルを司るフィアンマが旧22巻でビビる事はない
まぁ議論するつもりはないんでこの詳細が気になる人は本スレでもどうぞ

783 :

>>782
わかった、見てみる

784 :

続きが気になって気になってREALが辛い

785 :

>>782
イーノックだったりして

786 :


こんばんはー
レス返しにきましたー

>>776
俺たちはここで全員リタイヤして、警備員に捕まっちまうのは確実だってのに、その中心にいるお前には思惑すらねえってのか?
この浜面仕上の人生がここで終わるっつーのに、その一番最後のフィナーレだっつーのに……せめて巨大な陰謀に巻き込まれたとか、とんでもない策士がいたとか、そういう風にごまかす事もできねえってのか。
ははは。はははははははッ!!
たまんねえなオイ。殴り殺さなくちゃ気が済まねえよ

これか、なるほどー

>>777
ありがとうございます!

>>778
確かに最強かもしれませんね
Level6ですか、ふふふ

……完結まで見てやってくださいな

>>779
ああそのスレでしたか

一回スレたてて書いてみようぜ!
思いつくままに書いたらなんとかなるもんですよ
自分は修行とかすっ飛ばしてこのスレたててしまいましたから……
そのせいで見通しとかもできずにこんな長くなってしまっていますが

>>779
>>782
>>785
このスレでの上条さんの中は、"人を越えたなにか"です
よってどっかのドラゴンさんのように、竜のようなものとしか判断できません
っていうつもりです
どっかで"竜"ってはっきりと書いてしまってたらごめんなさい

>>780
>>781


>翼を手にいれたと同時に、力の扱い方が分かってきた。


>六枚の翼を我が家へ叩きつける。
>破壊されるのは幻想だけ。

>翼を動かした時も、翼が家を叩いた後も。
>俺に翼の重さは感じられず、さらに、音もしなかった。

本来、ここの何処かに飛んだって表現を入れるつもりでした
イメージはフワッと音もなくスーって飛ぶ感じ
浮くって感じかもしれない

上条さんは上空から家を包み込んでいます
翼の重さは感じられずってのは、飛んでる時と包む時に動かした翼の重さを指しています

書いてなかったことにレスあってから気づきました、すいません

>>784
OKそんなあなたに朗報だ
明日投下するよん
だいたい15KB~20KBくらい

楽しみにしてくださってありがとうございます!


じゃあ明日お会いしましょう





ではー

788 :

クソ!!!

浜面風コメントのネタが尽きてきた…


とりあえず乙だ>>1

789 :


訂正

>>739
誤:そうだ、そういや自分天使にやられて倒れたんだっけか。

正:そうだ、そういや"自分"天使にやられて倒れたんだっけか。


>>740
誤:俺が次に噛み付いた時には完全に消えてしまっていた。

正:自分が次に噛み付いた時には完全に消えてしまっていた。

790 :

>>786
残念ながらまだスレを立てられるほどじゃあないんですよね...
もっと頑張るように努力はしますが

明日投下になるのか...
待ち遠しいな!
期待して待ってますよ!

791 = 789 :



こんばんはー

さあて投下にきました
だいたい18KB

いきますよー

792 = 476 :



八月八日。

俺は朝、普通に目を覚ました。
違う点と言えば、今の時刻が10:00を過ぎているぐらい。


「ふわぁ。……おはよう、インデックス」

「あ、おはよう。顔洗ってきたら?」

「んー」

「ついでにもうすぐご飯なんだよー」

「んー」

「大丈夫かなぁ……」


あれから俺達は家事を当番制にした。
今日はインデックスが朝飯を作る番だ。

ところで、あれから、の「あれ」とは、もちろん御使堕しのこと。
ここであれからのことを少し。

793 = 476 :



上条家から海の家へ向かった俺達を、神裂と元気になったサーシャが迎えてくれた。
神裂のことは、さっきまでの赤毛と入れ替わりでやって来た友人、ということにしておいた。
その時点でもう日付は変わっていたので、俺達はそれぞれ部屋に入って寝ることにした。

次の日から三日間、ちょうどイギリス清教組が帰るまでは、未成年6人でワイワイと遊んでいた。
未成年は6人。ここは重要らしい。

794 = 476 :



特に印象に残っているのは、インデックスが乙姫とサーシャにお姉さんをしていたこと。
……お前ら年変わんねえだろ、と突っ込みたかったが、家で家事などを手伝っていたインデックスはどこかお姉さんっぽかった。
俺と神裂は離れたところからそれを微笑ましく見ていたのだが、

「ふふん、私は家事のお手伝いとかしてるもんねー」

「わ、私だってとうまのお手t……。いや、私は一人で料理だって出来ちゃうもんね!」

「だ、第三の質問ですが、それは本当ですか?」

「ほんとなんだよ! こうトントントンって」

「ぐぬぬぬ……」

「今度会ったら私の料理を食べてみるといいんだよ!」


とかいう会話をし始めた。

795 = 476 :



「……あれは本当ですか?」

「いいや、あいつが丸々全部料理を作ってくれたことはないなぁ」


そのセリフを言った途端、インデックスは首がグリンと回転させ殺気を発しながらこちらを睨んでくる。聞こえてたのかよ、こわいこわい。


「……まあ、いつも手伝ってはくれてるし。そのうち作れるようになれたらいいんじゃねえの?」

「ふふっ、そうですね」


と、いうわけで寮に帰ってからインデックスが、「う、嘘ついちゃった! これは一大事かも!!」とかなんとか言い出したので、当番制となったのだ。

796 = 476 :



「まだ数日しか経ってねえのにずいぶんうまくなったな、インデックスの料理」

「まいかは教え方が上手いからね、当然なんだよ」

797 = 476 :



一人で作った料理を俺に食べてもらいたいらしく、当番制になってから俺が料理を教えることはなくなった。
でもそれはそれで正解だったかもしれない。
一人暮らしの俺が作っていたような、いわゆる男料理のようなものではなく、結構本格的なものを作ってくれる。
それが俺は実は嬉しかったりする。

798 = 476 :



その話は置いといて。
土御門達が帰った後、残ったのはサーシャ。
四人になった未成年を見て、母さんも水着装備をしてきた。
それまでは子供が多かったので遠慮していたけど、実はウズウズしていたらしい。

あの水着を着る母さん。
いや、母さんとかではなく、あの水着を女の人が着るということにドキドキしてしまった。
今までは青ピだったのだ、この反応は当たり前だと思う。
だが、何も知らない両親にはマザコンだのなんだの言われていた。

隣のインデックスも母さんを見て顔を赤くしていたのが横目で見えていたので、仲間だと思い助けを求めてみた。

インデックスはこちらに気づくと赤い顔で母さんをチラチラ見ながら「……マザコン!」と、照れ隠しに言ってきた。
思わずふざけんなと突っ込むところだった。

799 = 476 :



そんな感じで帰ってきた俺達。
そして、今日は待ちに待った八月八日。
……この日は姫神が脱走しているはずなのだ。

「さてと、朝飯食ったら適当にぶらつくか」

「でも外暑いよ?」

「今日はとある事件が起こるからな。それまでのただの散歩だよ」

「なるほど」

「何なら途中でアイスでも買ってくか?」

「行く!」

「現金なやつだなぁ」

800 = 476 :



会話のあと、それぞれ用意を済ませた俺達は、外へ出た。


「あっづー……」

「あつーい……」


アイスは、コンビニで買っていくつもりだ。
……わざわざ閉まってる店へ行ってインデックスに怒られて喜ぶ趣味はない。



「すずしー」

「あーすずしーんだよー」



アイスを食べるために、近くのベンチに座った。


「うめー」

「おいしーんだよー」


そして。




「にゃー」





ネコを見つけた。


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