元スレ上条「白いワンピース」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
851 = 476 :
ガチャ─────。
「……判然。まさかダミーを連れてくるとは」
「愕然、あれは誰だ!?」
「いや、だからあいつがアウレオルスなんだって」
「断然、その通りだが。少年、しかし何故それを」
「俺はとある情報通だからな」
「悄然、何だこれは……!? 私は一体どうすれば」
「消えろ」
アウレオルスが一言、そう言っただけでダミーは消えてしまった。
なかなかひどいことをするもんだ。
852 = 476 :
「さて、少年。話を聞こうか」
「……ちょうど俺も聞きたいことがあるんだ」
「自然、こちらが質問する以上、その条件をのもう」
「じゃあ俺から。俺から聞きたいのはただ一つ。何で俺の許可なくインデックスと姫神をここへ連れてきた」
部屋の端にいるインデックスと姫神を見る。
インデックスは寝かされている。
多分姫神はあまり抵抗しなかったから眠らされなかったのだろう。
それに対してインデックスは最後まで抵抗したために気絶させられた、とまあこんなものだろう。
そのことに腹が立つ。助けたいと思う相手に手をあげることが俺には納得できない。
もし自分が今後そういう立場に立ったらやってしまうかもしれないし、そんなことに腹を立てるなんて子供じみてるとも思う。
それでも俺はなんか嫌で、腹が立った。
853 = 476 :
「酒然、彼女たちを連れてくるのに何故貴様のような奴の許可をとる必要がある」
「この二人は俺の家にいたはずなんだから当然だろ」
「なるほど」
「で? お前はそいつら連れ込んで何がしたいんだ?」
「依然、それこそ答える必要のない問いだ」
「……ふーん。じゃあいいや。次はお前の質問でいいぞ」
854 = 476 :
「では少年。貴様は何をしにここへやって来た」
「はあ? お前が何がしたいか答えねえのに何で答えなくちゃなんねえんだよ」
「自然、それは交渉決裂ということでいいな?」
「あーはいはい、答えます、答えますよ。誰かさんがインデックスを吸血鬼にしようとかアホなこと考えてるから止めにきただけだ」
「な……!!」
「お、何か知ってんのか?」
「憤然、最初から全て知っていたということか」
「うーん、何のことだかわかんねえなあ」
「貴様……」
「あ、でも一つだけ言っておくの忘れてた」
「は?」
855 = 476 :
「インデックスは。吸血鬼になんかしなくたって、もう記憶を失うことはないぜ?」
「な、に……?」
「つまりだ。インデックスは───
「彼女は、そこの腹の立つ話し方をする日本人に助けられた、ってことさ。つまり、この馬鹿は君に喧嘩を売っているようだね」
「……!!!」
「あーあ……」
「フン」
「ふ、ふざけるな……。それじゃ、私の……私の、今まで……。あぁぁぁぁぁあああああ!!!」
……。この野郎。
こっちはなるべく穏便に済ませるつもりだったのにこれだ。
856 = 476 :
「いや何。一回くらい痛い目見た方がいいと思ってね」
俺の睨みつけるような視線に気づいたステイルが言う、ふざけるな。
「……痛い目なんて見てやんねえよ、ばーか」
「……間然、貴様にゆっくりと喋っている暇があると思っているのか!!! 窒息せよ!!」
パキン……
857 = 476 :
「……」
「……」
「……」
「……は?」
「……うん、まあそういうこった。インデックス返せ」
「うるさい、黙れ!! 感電死絞殺圧殺! 死ね!!!」
858 = 476 :
「……」
「……」
「……」
「……あ、うん。なんかごめんな?」
「悄然、貴様何か結界を貼っているのか!? ……ならば物理で攻めるのみ」
「……まあ頑張れ」
こうなることは分かっていた。
アウレオルスやステイルなど、魔術のみで相手を倒そうとする奴に対してはこうなる。
そんなことはもう分かっていたのだ。
859 = 476 :
「銃をこの手に。弾丸は魔弾。用途は射出。数は一つで十二分。人間の動体視力を超える速度にて」
もちろん今からくるであろう攻撃も同じ。
これはステイルの炎剣と同じタイプ。
ステイルの魔術で作った剣、アウレオルスの魔術で作った銃。
……結局はこういうことだ、それ自体が物理であろうと関係なく効かない。
その魔弾とやらで床を崩壊させる、とかならまた別の話だけど。
「射出を開始せよ!!!」
バシュ、という音と、パキン、という音が同時に聞こえる。
こんな近距離で人間の動体視力を超えるらしい速さで撃ったのだからそりゃそうなるだろう。
860 = 476 :
「な……に…………?」
「一つだけ教えてやるよ」
「黙れ!! 我が黄金錬成に逃げ道などない! 断頭の刃を無数に配置。速やかにその体を切断せよ!」
今度はパキンとも鳴らなかった。
つまりそれは。
俺が部屋中に力を充満させたからあいつが魔術を使えなかった、とかではなく。
……アウレオルス自身が自分を信じられなかったということ。
861 = 476 :
「……もういいか?」
「ひ……」
勝敗は決まった。
だから俺は、ありったけの皮肉を込めて。
そして、いつかと同じように演技をする。
「お前じゃ俺には勝てねえよ」
「ぅ……ぁ」
セリフも、いつかと同じ物を。
862 = 476 :
「……じゃ、帰るか」
「……んん?」
「……え?」
「……すまない、僕にも分かるような日本語で話してくれないかな?」
「はあ? だから家帰るっつってんだよ」
「君の意図が全く読めないんだけど」
「こっからは俺の仕事じゃねえよ。お前らの仕事だろ? 何かやったら素人がーとか言うんだしお前に任せるよ」
「甘いな、実に甘い」
「甘くて結構、俺は基本的には平和主義なんだよ」
「……。そうかい、じゃあこちらで処理させてもらうよ」
「ただし。もう戦う意思はないのに傷をつけるのはダメだぞ」
「どうしろと」
「知らねーよ、お前らで考えろ」
「……はぁ」
「こいつも。……こいつも、ちゃんとインデックスと話し合って仲直りしなくちゃなんねえんだよ」
「……ふーん」
863 = 476 :
「じゃ、インデックス。帰るか」
「……うん。ありがとう」
「いやいや。今度、ちゃんと話し合おうな」
「もちろん」
「……思い出せなくても、もう一回やり直せるんだ、きっと。な?」
あのロシアで記憶喪失を告白した時のように、今の俺でいいんだと認めて貰えたあの時のように。
また、きっと。
「うんっ!!」
インデックスは元気良く笑顔で返事をした。
それを見たステイルの顔がすこし緩んでいるのを見てしまった。
「……チッ」
「はは」
「……まあ、今回は君に従ってやるとするよ」
「……おう!」
こんな感じで、俺達の今回の戦いは幕を閉じた。
864 = 476 :
「……そんで、もう遅いけど昼飯どうするよ?」
「食べに行きたいかも!!」
「はいはい、分かったよ。俺も疲れたからな」
「帰りは買い物行かないとね」
「どっかのバカが飯ばっか食うからなー、ははは」
「むう、またバカにしたね!?」
「さあなー。それに、今日は多めに買わないとな」
「? 何かするの?」
「ん? つまりこういうことだ」
「……?」
「姫神、帰るぞ」
865 = 476 :
「え。あの」
「……それはつまり。第二弾、するの?」
「おう、楽しいだろ」
「うーん……。まあね」
「じゃ、決定」
「あの。何を」
「ん? そんなの決まってるだろ?」
「そうだよ、あいさ」
「「お泊まり会、第二弾 開催!!」」
866 = 476 :
「第二弾……」
「そうなんだよ、第一弾は白いお友達とクールビューティー。あいさが第二弾」
「へえ。でも。本当にいいの?」
「もちろん。ね、とうま?」
「こっちから言ったんだから当たり前だろ? それに、頼んだ霊装が来るまではウチにいた方が安心だろ、その能力だって抑えられるし」
「じゃあ。遠慮なく」
「どうぞどうぞ」
「じゃ、改めて。まずは昼飯、行くぞ?」
「うん!」
「うん……」
867 = 476 :
「よし!」
「……さっさと行ってくれると嬉しいんだけどね」
「悪かったよ、じゃあな」
「ふん、君とはもう会わないことを祈るよ」
「まあ無理だけどな」
「……」
「じゃ」
868 = 476 :
そして、戦場を後にする。
「あ」
「何? あいさ」
「一つ。言いいたいこと忘れてた」
「何だ?」
「……その。ありがとう」
「いいさ、困った時はお互い様だぜ?」
「ふふ。そう」
「まーたとうまは……」
「何だよ、インデックス」
「何でもないかもー」
「あ。もう一つ。言い忘れてたことがある」
「なあに?」
869 = 476 :
「これは。コスプレじゃない。私。魔法使い」
「聞こえてたのかよ!! ってかいつの話だよ!?」
「適当なこと言っちゃって!! あいさとは一回ちゃんと話さないといけないかも!!!」
「───ふふ。ありがとう。本当に」
870 = 476 :
いじょー
2巻終了!
次は5巻、まだ5KB程度しか書けてないです
今回のように、どんだけ考えても思いつかないって時以外はなるべく週一くらいで来たいとは思ってます
その時は日曜日になるかと
では次でレス返します
871 :
うるせぇ!行こう!(ドン)
872 = 476 :
>>839
ありがとうございます!
>>840
ああ、ありますね
二つくらい思いつきますが、多分あっちだろう
これはいつまで続くやら
それと、自分も総合スレに投下してみたいんだけどあれって勝手にしていいもんなのかね
何かあっこのシステムがよく分かってないんだよね
>>841
超ありがとうございます
>>842
おう
>>843
新約7巻もやっと読み終わりました
浜面かっこいいな、黒夜に対するあの考え方は凄かった
というか3主人公のそれぞれの会話もいちいちかっこよかった
3主人公って書いて気づいたけど、3ヒロインがほとんど出なかったなあ
インデックスが数行と、滝壺がイラストとセリフ一個くらいかな?細かく覚えてないから分からないけど
>>844
ごめんなさいお待たせしました
なるべく早く来れるよう頑張ります
>>871
んん?
ではー
880 :
そのコテだとローラスレの>>1かと思っちゃう
883 :
こんばんはー
日曜日に投下できるように、などと言いながら、全然書けていません
ごめんなさい
まずはレス返します
>>873
>>874
>>878
ありがとうございます!
>>875
自分もです
でも絶対こうなるよね、上条さんがあんな能力持ってたら
>>876
ありがとうございます、それでほのぼのしてもらえるなら嬉しいです
>>877
わざわざありがとうございます
スレたてたあと寝ていなかったら投下してみます
>>879->>881
まさかの本人ならすごいなあ
とても楽しみなスレの一つでした
>>882
ええ、行きますよ!!
今からスレをたててきます
ちょうど今見てくれてる人がいるとして、スレたてたあとしばらくは書き込まないで下さい
前スレ、注意、登場人物など貼っていくつもりです
あと、このスレもしばらくは残しておきます
ここから新スレへ移動する人が多いと思うので
ではいってきまーす
884 = 476 :
たてて来ました
上条「」を入れるのをすっかり忘れていた、どうしよう……
虹色の最終日
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1371397634/
885 :
ちょっと早すぎやしないかい?さすがに
886 = 885 :
まぁ、スレ主がいいというならいいが
去年のスレ主が立てて書き始めたときからずっと見てきたが、
ついにここまできてくれたか...
やはり、ここの>>1は天才だな...
このまま、完結してくれ!
887 :
↑毎度毎度人のスレでコテハンつけて自己主張するのいい加減やめようよ…
888 :
新スレがもう落ちてるんだが
889 :
スレタイとかミスったみたいだから建て直す為に落としたんじゃね
890 = 476 :
こんばんはー
上条「虹色の最終日」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1371470610/
ごめんなさい、朝のこと知らない人もいるんでしたね、配慮が足りませんでした
いろいろミスったのでたて直させてもらいました
もう次スレいってしまうのは、5巻が100レス以内で終われるか分からないからです
新スレでも早速誤字ってますが、よろしくお願いします!
あ、このスレもしばらくは誘導用として残しておくので、自分に何か用があったり、小ネタ書きたいなどあったら自由に使ってください
ではー
みんなの評価 : ★
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