元スレ村娘「勇者様ですよね!」勇者?「……違うが」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
202 :
乙
魔王死ななきゃの人?
204 :
205 = 204 :
団長「君は凄いな、私が誇る騎士達をまるでゴミのように殺してしまった」
勇者?「そうでもないな、音より速い人間に肋骨を全て粉砕されて死にそうだ」
団長「それは結構……死んでくれたまえ」ニヤリ
団長「さて、さて、私はα君がどうなったか気になるんだがね」
勇者?「α? ……魔剣の使い手か」
団長「彼は強かったろう」
勇者?「……強いな、とても人間とは思えん」
206 = 204 :
団長「では君は彼をどうした? 何故に君はここに君臨しているのかね」
勇者?「奴は殺した、だから生きている」
団長「……優秀な部下を失うと心が痛む、勇者君は酷い男だねぇ……」
< カツ、カツ……
団長「所で君はこんな夜更けに大聖堂に何のようかね?」
団長「懺悔か、祝福か」
勇者?「どれでもないな」
団長「ではどんな目的で私の優秀で最強にして最高の『駒』を破壊したのか述べよ罪人!!!」バッ
207 = 204 :
< ズドン!!
勇者?「……ッ」ゴフッ
勇者?(床から槍……? 面白い魔法と魔導の使い方だ)
団長「その槍は罪人に刺さったが最後、抜けない」
団長「私はね、『神罰の槍』を射る事が出来る選ばれた人間なんだ」スタスタ
勇者?(抜けない、確かにな)ググッ
団長「……」スッ
団長「話を聞きたまえ罪人」バッ
< ズドン!! ズドン!!
勇者?「がはッ……は、肺を…2つ貫くと、はえげつないな……」グシャ
208 = 204 :
団長「貫いてはいないさ、呼吸する度に肺が切り裂かれるように貫いたんだ」ニヤリ
勇者?「悪趣…味だな」
団長「私の性癖は関係ない、懺悔したまえ」
団長「君は、何の目的があったのかね? 何者だ」
団長「それを聞くまでは私も槍を投げ続けるしかないのだが……」
勇者?「聞きたい事があっただけだ」
団長「ほう、言いたまえ」
209 = 204 :
勇者?「……『誰』だ……?」ビシィッ
団長「!?」ビクッ
団長(わ、私の槍にヒビ? ばかな)
勇者?「『誰が』、お前達に力を与えたか言え」ビシィッ
勇者?「どうやって力を得る、どうやって力を使う、どうやって誰にどうして知った?」
< バリン!
団長「くっ、黙りたまえ!!」バッ
―――― ヒュドドドド!!
勇者?「……」グチャァ
210 = 204 :
団長「……」
団長「しまったな、思わずトドメを……」
< 「答えてないぞ? 俺の質問に」
団長「……!?」バッ
勇者?「どうした、トドメとは何の話だ」
団長「な、なんだ! 何故無傷でそこにいる!!」
勇者?「おかしな事を言う奴だ……なら聞かせてくれ、『俺を貫いている姿』が思い出せるのか?」スタッ
団長「………っ、!」
団長(何故だ、顔や姿が思い出せない……)
211 :
なんかシュレディンガー准尉みたいな能力だな
「僕はどこにでもいるし、どこにもいない」
212 = 204 :
勇者?「満足か? ならば俺の質問に答えて貰う」スタスタ
団長「……」
団長「応えようじゃないか、私は今ので君に惚れたよ」
勇者?「………」
団長「さて……では教えよう」
―――― スタッ
勇者?「!」
団長「何を驚く? 『瞬間移動』など君にとっては珍しくもなさそうだがね」
勇者?(槍を無制限に『魔導錬成』、更には『転移魔法』か……)
勇者?(魔力だけなら……『幻魔』クラスに匹敵するな)
214 = 204 :
勇者?「…………」
――――――――――――――――――――
淫魔兵「ん? 何だ貴様、小屋に戻れ!」チャキ
勇者?「武装はしていても『淫魔』クラスのサキュバスか、その程度でよく粋がるな」
淫魔兵「……!」
――――――――――――――――――――
勇者?「……」
―――― 「12年位前なんだけどね、私が五歳の時サキュバスが近くの民家で捕まったのよ」
―――― 「捕まったのは1人か?」
―――― 「らしいわね、噂だとあなたが連れて行った淫魔達のはぐれとか」
勇者?(そうか、『あの時』に1人遅れて……取り残されたのか)
215 = 204 :
団長「彼女は既に『本土』の魔術師が混乱の魔法をかけ続け、心は破壊したよ」
団長「まったく大変だったものだ、淫魔と思ったら潜在魔力は『夢魔』クラスだったのだから」
団長「……これが君の知りたい事さ」
< スタッ
団長「さて、まだ聞きたい事はあるかね」スタスタ
勇者?「『誰が』それを解明した、人間とただ性交しただけでは淫魔の性質を移す事はできない」
団長「君は博識だな? もしや勇者君の方が詳しいのではないかな」
勇者?「………」
団長「ふふ、海の向こうを見たことはあるかね」ニヤリ
216 :
これでエロゲつくってほしい
217 = 204 :
勇者?「海……?」
団長「ご存知ないか、まあいい」
勇者?(……『他の大陸』が関係しているのか)
勇者?(いや、有り得ない……この今いる大陸の他には2つしかない筈だ)
勇者?(それとも、『四天王』が人間に敗れたのか?)
団長「海の向こうにある2つの大陸、その片方は約60年前に我々『聖教騎士』が支配した」
団長「どうやったかは私も知らないが、淫魔達を統べる4人の王の1人を生け捕りにしたらしい」
勇者?「生け捕り!?」
218 = 204 :
団長「はは、君でも驚くのか」
勇者?「………」
団長「始めはただの人間ばかりだったがね、いつしかその『王』を生け捕りにした男が研究したのだ」
団長「……『淫魔とはどういう生物なのか』、とね」
< カツ……カツ……
団長「生け捕りにした淫魔を切り裂いては繋げ、犯し、千切り、治癒させる」
団長「そんな繰り返しの果てに、その男はついに我々人間に『力』をもたらしたのだよ」
団長「理屈は分からないが……とても簡単だった、捕まえた淫魔をその男が魔法をかければいい」
団長「後は……先に言った通り、ただただ陵辱すれば良かったのさ」ニヤリ
勇者?「………何者だその男」
団長「『教皇』と呼ばれているよ、彼は優れた知識で魔法や魔導の仕組みすら解明した」
219 = 204 :
勇者?(魔法や、魔導を?)
勇者?(………)
勇者?(………)
勇者?(……っ)
勇者?「おい」
団長「なんだね? 私に出来る事ならなんでも……」
< パンッ
団長「え」
勇者?「え、じゃないだろう? 腕を散らしたんだぞ」スタスタ
団長「ひぃぃ!? な、何を怒っている!! 私が何か…」
勇者?「……喋るな」スッ
220 = 204 :
< ゴキッ
団長「ぎぁあああああ!! く、ばけもの!!」ヒュッ
勇者?(転移魔法か)バッ
―――― ヴンッ!!
勇者?「放て」スッ
―――― スタッ
団長「は、話し合おう!? 私は君に応えたのに君は……」
< ドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスッッッ!!!
221 = 204 :
団長「……な・・・ぜ・・?」グラッ
< ゴシャッ
勇者?「床を含め360度全方位にお前の好きな『槍』を放ってやったんだ、安らかに死ね」
勇者?(…………)
勇者?「………」
< カツ……カツ……
勇者?「……」
勇者?(この淫魔を治して、それから『 α 』を治癒させてから……)
勇者?(やる事は山積みか)
222 = 204 :
淫魔兵「……あ、あれっ?」
勇者?「気分はどうだ」
淫魔兵「あ、『さっきの』人間さん?」
勇者?「お前、今の自分の名前覚えてるか」
淫魔兵「えっ? ……淫魔兵です」
勇者?「…それでいい、行くぞ」スタスタ
淫魔兵「えぇ!? ちょ、あの、ここどこですか!?」
223 = 204 :
白服α「…」
白服α「だ……団長はどうした」
勇者?「殺した、だからお前には生きて貰わないといけない」
白服α「くっ……生き延びる位なら、死ん…」
淫魔兵「……」
白服α「!!」
勇者?「…?」
白服α「………その娘はお前が、やったの……か?」
勇者?「そうだ」
224 = 204 :
白服α「…………」
淫魔兵「?」
白服α(これが、本来の……『あの日』までの彼女)
白服α(……)
勇者?「命を繋ぐ程度に回復した、俺の話を聞け」グイッ
白服α「……どうしろと?」
勇者?「『本土』とやらに戻った後、教皇に伝えろ」
勇者?「 『魔女狩りを止めただけでは済まさない』とな 」ブンッ
白服α「っ!」ドサッ
225 = 204 :
< 「行くぞ、お前の仲間の所へ」
< 「は、はい」
白服α「っ、待ってくれ!」
淫魔兵「!」
< 「何だ」
白服α「お前じゃない! 彼女に頼みがある……!!」
淫魔兵「わ、私ぃ?」
226 = 204 :
淫魔兵「私に……なにか?」
白服α「……」
白服α「手を、握ってくれ……」ガクガク
淫魔兵「ぇ……あ」スッ
白服α(………ああ)
白服α(この温かさだ、思い出した)
勇者?「……」
勇者?「……先に外で待つ」スタスタ
淫魔兵「えっ、わかった……」
白服α(……!)ぎゅっ
227 = 204 :
―――― 「12年位前なんだけどね、私が五歳の時サキュバスが近くの民家で捕まったのよ」
「ただいまー!」
「お母さん、お腹空いた! ごはんは?」
< 「来たらだめ!! いやぁぁ!!」
< ガタンッガシャーン!
「……おかあさん?」
「!! ガキがいたのかよ」
「この女は縛っとくからお前あのガキ殺せ」
「チッ、仕方ねぇな……男根が疼いてるってのに手間かけさせやがる」スタスタ
「ひっ……」
228 = 204 :
< ズバァッ
< グシャッ
「な、なんだてめぇ!! この女がどうなってもいいのか!」
「その女性を離しなさい下衆野郎……ッ」ヴンッ
「く、このぉ……!」
< ザクッ
「お母さーん!!」
「貴様……人間の中でも最低のクズだ!!」
「るせぇっ! お前、8年前に村に来た淫魔だろ!? お前らとヤッてから俺達はこうでもしねえと狂っちまいそうなんだよ!!」
229 = 204 :
< ドサッ
「……ねえ! しっかりしなさいよ!」
「ぁ……貴女は、どちら様かは知りませんが…ありがと……」
「ただの淫魔よ、覚えてないの!? 昨日パンをくれたのに……」
「ああ……あの時の娘ね」ニコッ
「お母さん! おかあさぁん!!」
「泣かないの、坊や」
「………サキュバスさん、この子をお願いしても?」
「な、何言ってるのよ! 私はただでさえ十字軍に追われてるのに……」
「…ぉ……ね、がいします……」
< ドサッ
230 = 204 :
白服α(……助けてくれたのも、育ててくれたのも……)
白服α(全部、君だったね……)
< 「それじゃ……誰かは知らないけど、さようなら」スッ
白服α「……っ」
白服α(………)
白服α(ご……ごめんなさい……)
白服α(結局、僕は貴女を助ける事は……!)
白服α(『最初』から最後まで出来ませんでしたぁ……!!)ギリ
231 = 204 :
―――― 「追い詰めたぞサキュバス!!」
―――― 「観念するがいい!」
「そう簡単に、捕まってたまるか!」ヴゥンッ
―――― 「魔剣だ! 気をつけろ騎士達よ!」
―――― 「神罰を代行せよ!!」
< ズバァッ!!
「きゃぁ……っ!」ドサッ
「『姉さん』に触るなぁ!!」
―――― 「!? なんだコイツ、邪魔だ!」
< ブシャァァァッ!!
「!?……やめて、そいつには手を出さないで!」
「私を殺すなりなんなり好きにすればいいじゃない!」
232 = 204 :
白服α「ひっぐ……ごめんなさい……」
白服α「結局……僕は弱くて、逆らえなくて……!」
白服α「じゅ、12年もっ……助け、られなぐて………!」
白服α「ごめんなさい……っ」
233 = 204 :
勇者?「……中に入れ」
淫魔兵「ど、どうなってるんですか? 『さっき』来た時は仲間はいないわ『今』は村が街になってたり」
勇者?「『詮索はするな』、だ」ガチャッ
淫魔兵(怪しいなぁ……)
勇者?「入れ」
淫魔兵「はいはいっ」タタッ
234 = 204 :
淫魔兵「……!?」
サキュバス「あら? どなたかしら」
サキュバスB「ここは『夜魔』クラス専用の寮よ?」
淫魔兵「えっ、え……?」チラッ
淫魔兵(あれ!? 扉が、なくなってる!?)
サキュバスB「貴女…見た所『夢魔』クラスね、寮を間違えてるわよ?」
サキュバス「凄いわ! 優秀な淫魔なのね!」
235 = 204 :
< ドタタタタッ
淫魔兵(ど、どうなってるの!? まるで……昔の『城』の中みたいにっ)タタッ
< ドンッ
淫魔兵「きゃっ」
サキュバスC「みゃぁ!」ドサッ
淫魔兵「あはは、すいません……ってあれ!?」
サキュバスC「おや? しばらく見てなかったけどおひさー」
淫魔兵「サキュバスC様!? やっぱり、あの人間の扉を潜って?」
サキュバスC「……?」
サキュバスC「……ああ、『半年』も遅れたのね?」
淫魔兵「?」
236 = 204 :
サキュバスC「よーこそ、ここは『城』の中よ」
淫魔兵「え、でもっ……今は戦争中じゃ?」
サキュバスC「その辺は『魔王』様に聞くといいわ、ほら」チラッ
淫魔兵「陛下に?」チラッ
淫魔兵「えっ………?」
< 「おや、新入りさんかい?」
< 「またか……やれやれ」
< 「そんな風に言ったら可哀想だよ?」
< 「たしかに俺がいけないし……まあ、とりあえずだな」
勇者?「 歓迎するよ、若い淫魔の娘さん 」ニコッ
237 = 204 :
< ガチャッ
< バタン
勇者?「……」スタスタ
勇者?(多少の『調節』は出来るようになったが、まだまだ危うい)
勇者?(『お前』に会える日が待ち遠しい)スッ
勇者?(『魔王』、お前が死んでないのは分かってる)ゴバァッ
< ゴドン!
勇者?(そもそも、お前は死なないだろう)ガギン
< ガチャッ
勇者?(……だから、この棺に入ってる黒髪の女はお前であってお前じゃない)なでなで
勇者?(この死体は、お前なんかじゃない……)なでなで
238 :
え?これって勇者が魔王をさらった話の>>1?
239 = 204 :
『 年代不明 』
< ドンッ!!
< ドンッ!!
女?「くぅ、王女! お前はそこの魔法陣で逃げなさい!」
王女「しかし『お婆様』! あなたはどうするのです!」
女?「私はいいから! アンタは魔法陣で移動した先の山を登りなさい!!」
王女「山……? そこには一体誰が!?」
女?「勇者がいるわ! 早く行って!!」
240 = 204 :
< ドガァァッ!!
女?「……っ! 久しぶりね」
白服α「………」ヴゥンッ
女?「悪いけど私の大切な孫娘はとっくに移動したわよ」
白服α「どこにだ」
女?「……さあ? 勇者以外に頼れる人知らないの私」
白服α「!」
白服α「…………死ね、『少女』」ズバァッ
241 = 204 :
とりあえず第二部完
>>238
違う
今日はここで
243 :
おつ
244 = 204 :
サキュバス達のクラス詳細
最上級:『王魔』(宇宙の創造が可能)
超上級:『天魔』(四天王達の実力、ある意味未知数)
上級:『幻魔』(転移魔法や魔導錬成が可能)
中級:『夢魔』(魔剣のみならず多少の創造魔法が可能)
下級:『夜魔』(速い強い美しい)
最下級:『淫魔』(サキュバス)
246 = 211 :
この世界のモンスターって基本的にサキュバスだけ?
247 = 204 :
>>246
一応スライムや小さなドラゴンはいますが、基本的に『使い魔』程度にしか扱われません
戦争が始まる前は人間とサキュバスしかいないレベルの世界だった位に、数もサキュバスが圧倒的
248 :
乙
ドラゴンが使い魔か斬新だな
249 = 211 :
じゃあRPGで敵をエンカウントしても
「サキュバスが2体現れた」
「野生のサキュバスが襲ってきた」
的な感じにしかならんのか
みんなの評価 : ★
類似してるかもしれないスレッド
- 姫「疲れた、おんぶして」勇者「はいはい」 (815) - [43%] - 2012/7/11 15:45 ★
- 三浦「八幡早く起きろし」八幡「……あと、5分」 (197) - [43%] - 2017/1/24 19:00 ★
- 魔王「お前、実は弱いだろ?」勇者「……」 (333) - [41%] - 2016/6/11 10:15 ★
- 陽乃「妹って良いよね」八幡「全くです」 (148) - [38%] - 2015/6/15 13:30 ★
- 提督「もう一杯、もらえるかな」鳳翔「……はい」 (380) - [38%] - 2015/6/20 9:30 ☆
トップメニューへ / →のくす牧場書庫について