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    元スレ村娘「勇者様ですよね!」勇者?「……違うが」

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    51 = 49 :



    サキュバスB「………」


    < ザッザッザッザッ


    淫魔兵「サキュバス様! 只今助太刀します!」

    淫魔兵「怪しい奴め……! 仲間を解放しろ!!」チャキ

    サキュバスB「!」


    サキュバスB「……」

    サキュバスB(まだ『何か』に縛られた淫魔を救助出来てない?)

    サキュバスB(そう言えばこの男、一見丸腰に見えるけど……)


    勇者?「…」


    52 = 49 :



    勇者?「答えを聞かせてくれるか」

    サキュバスB「……」

    サキュバスA「……」

    サキュバスC「……」


    サキュバスB「具体的には……どうやって保護する気?」

    勇者?「それが条件だ、『何も詮索するな』」

    サキュバスB「!……貴方、どこまでも隠して……っ」


    サキュバスA「ね、ねぇ……さっきの『元の暮らし』って、ほんと?」

    サキュバスB「A?」


    53 = 49 :



    サキュバスA「だってB、やっぱり戻れるなら戻りたいよ」

    サキュバスB「~~!! 根拠がないわ! 本当に信じて良いのかどうかも分からない!!」


    サキュバスB「ましてや人間なのよ!? 私達を軍に売り渡すかもしれない!!」


    勇者?「……そこのお前」

    サキュバスC「?」

    勇者?「お前が一度『見て』、信用するに値するか判断したらどうだ」

    サキュバスC「……」チラッ


    サキュバスB「し、C……」

    サキュバスC「……」

    サキュバスC「行く」


    54 = 49 :



    勇者?「人質ならこちらも用意する、建物の出入り口前の茂みに俺を案内した女がいる」


    サキュバスB「人間の女……? いつのまに?」

    サキュバスA「ちょっとC! アンタ本当に大丈夫なの?」

    サキュバスC「いざとなれば私がアイツを殺るからへーき」


    勇者?「半日したら人間の女を殺して構わない、2時間で戻る」

    サキュバスC「近いの?」

    勇者?「俺を山の方まで運んでくれ、飛べば速い」


    シュル


    勇者?「それと、今解いたから動けない淫魔はもう大丈夫だ」

    サキュバスB(……今何か糸みたいなのが見えた?)


    55 = 49 :




    < バサァッ

    サキュバスC「とーちゃく、この小屋に何かあるの?」


    勇者?「入れ」

    サキュバスC「ん」スタスタ

    サキュバスC「……これ、お墓?」


    勇者?「ああ、数日前に友人が死んだんだ」


    サキュバスC「……ふーん」


    56 = 49 :



    < ガチャッ

    勇者?「待て」


    サキュバスC「なに?」

    勇者?「忘れるなよ、『詮索するな』だ」

    サキュバスC「……お化け屋敷じゃないよね」

    勇者?「開ければわかる、だが『知ろうとするな』」


    サキュバスC「………」ギィィ



    サキュバスC「……?」

    サキュバスC「……っ!!???」


    勇者?「……」


    57 = 49 :




    < バサァッ




    サキュバスC「……足元にお気をつけ下さい」スッ

    勇者?「悪いな」


    サキュバスB「随分早いのね、どうだった?」

    サキュバスC「……このお方は、その……信用出来ます」

    サキュバスA「? どうかしたのC」

    サキュバスC「……みんな、一緒に行こう? みんなで帰ろ?」


    サキュバスB「……」チラッ

    勇者?「全員来てくれて構わない、人数に関係なく迎え入れてやる」

    サキュバスB「貴方、名前は?」

    勇者?「『詮索するな』『知ろうとするな』だ」


    58 = 49 :



    サキュバスB「あくまで教えないのね、それとも名前が『詮索するな』なの?」

    勇者?「普通の名前だ、普通の」


    淫魔兵「あの、人質はどうなさいます?」

    淫魔兵「村の人間も……」

    勇者?「村の人間はまだ監禁したままでいい、後で人質にした女がやる」


    サキュバスB「じゃあ決まりね、みんな荷物を持って来なさい」

    サキュバスA「ね? どんな所なの?」


    サキュバスC「………行けば、分かるよ」


    59 = 49 :



    村娘「勇者様!」がしっ

    勇者?「なんだ」

    村娘「いきなり捕まって怖かったです……」

    勇者?「そうか、とりあえずお別れだな」サッ


    村娘「なんでですか?」

    勇者?「……色々あってな、20年近く姿を消す」

    村娘「え?……どこか遠い所に淫魔達を連れて行くんですか」

    勇者?「ああ、お前のせいでな」


    60 = 49 :



    勇者?「だからお前にやって貰う事がある」

    村娘「はい?」


    勇者?「今から20年、毎日村の外や村で起きた事を日記に記せ」

    勇者?「それから、何かまた困った時は20年後まで待ってろ」


    村娘「……」

    村娘「それで良いのなら、喜んで♪」

    村娘「ずっと貴方様の帰りを待ってますね、勇者様!」


    勇者?「……」

    勇者?(だから、勇者じゃないんだがな)


    61 = 49 :



    < バサァッ


    サキュバスB「こんな小屋が入り口なの?」

    サキュバスA「うわぁ……狭そう」


    勇者?「1人ずつ入れ、最後に俺が入る」

    淫魔兵「……罠、とかないよね?」

    勇者?「心配するな何も気にしなければ問題ない」


    < ガチャッ


    淫魔兵「……」スタスタ

    勇者?「次、入れ」


    62 = 49 :






    サキュバスC「………」


    勇者?「後はお前だけだ」

    サキュバスC「……あの」

    勇者?「なんだ」

    サキュバスC「………」

    サキュバスC「……っ」


    勇者?「わかった、1つだけ答えてやるから話せ」


    サキュバスC「……」


    63 = 49 :



    サキュバスC「『あれ』は、私達が平和に暮らしてた時代の『城』ですか?」


    勇者?「……」

    勇者?「違う」

    サキュバスC「では一体あの場所は……!」


    勇者?「どこでも無い、どの時間でもどの場所でもない」

    勇者?「『あれ』は、俺の死んだ友人が残した……言わば反則技だ」


    サキュバスC「………」

    勇者?「気が済んだなら、行け」

    < ガチャッ


    サキュバスC「……どうかお元気で、貴方様に一生の中で会えた事は絶対忘れません」


    64 = 49 :




    勇者?「……」バタン



    勇者?「……」スタスタ

    勇者?(『お前』のおかげで、しばらく退屈はしないみたいだよ)スッ


    勇者?(まだ調節が分からなくてな、しばらく会えないみたいだ)


    勇者?「じゃあな、 『魔王』 」スッ



    < ガチャッ

    < バタン


    65 :

    なるほどわからん

    66 :

    おっつん
    書き終えたら解説よろしく

    68 = 49 :

    とりあえず第一部完

    >>65
    分からなくてok

    >>66

    勇者?は勇者じゃありません、魔王でもないです。
    解説する必要がある所は……分かりません、質問があったら出来る限り答えます

    71 :

    謎が多いな

    72 :

    不親切ぐらいが調度いい



    終わり、は書いといて

    73 :

    >>70
    ならなかったら糞SSだろ
    第二部で分からなくてもいつか分かるだろJK

    74 :

    今のところ謎ばかり
    とにかく先が読みたい

    75 :

    取り残され乙

    76 :

    取り残された淫魔がなんか可哀想

    77 :




    「こんにちは」


    【ん? 見かけない顔だな、というかどこから……】

    「こんにちはされたら、こんにちはするのが英国紳士だよ」

    【紳士って……お前、女だろう】


    【……まて、えー国とはなんだ】


    「イングランド……というかヴァチカン? 詳しいのは分かんないや」


    【貴様、淫魔じゃないな…何者だ……!】

    「ぼく? ぼくはねぇ……うーん」



    ―――― 「時間と次元に影響されない、『魔王』かな?」



    【魔王……だと………?】


    78 = 77 :



    < ギィィ……


    勇者?「……ついさっきから20年か、思ったより変わらないな」

    スタスタ

    勇者?「……」

    勇者?(久しぶりだな、元気にしてたか)スッ

    勇者?「………」


    79 = 77 :



    勇者?(さて、麓の村まで行くか)スタスタ

    勇者?「……?」


    勇者?「これは……『ポスト』か? 誰が作ったんだ」


    勇者?(中に何かあるな)カチャ

    勇者?(手紙……3通ある)

    勇者?「! ……差出人は村娘か」ガサッ


    80 :

    時空移動できるとか

    主人公何者

    81 = 77 :



    ―――― 「あれから20年が経ちました」

    ―――― 「私はあの後三年で結婚し、子供も産まれました」


    ―――― 「勇者様、あれから村は1つの街に発展し以前よりも栄えるようになったのですが……」

    ―――― 「今、私達家族は大変な目に合っているのです」

    ―――― 「どうか……またお助け下さい、このままでは私達家族を筆頭に街が最悪の末路を辿る事になります」



    82 = 77 :



    勇者?「……残りの二通も差出人は村娘……?」



    ―――― 「勇者様、すでに半年が過ぎています」

    ―――― 「先月ついに私の夫が処刑されました……何故あなたはまだ来てくれないのですか」


    ―――― 「助けて下さい」


    ―――― 「私はどうなっても構いません、せめて娘だけでも助けて下さい」

    ―――― 「もう逃げながら待つ事は出来ません」


    83 = 77 :



    勇者?「………」ガサッ



    ―――― 「勇者、あなたがいなくなり既に21年経っている」


    ―――― 「この手紙を入れた小屋には『生活している痕跡』があるのを見た、あなたはもう帰って来ているのだろう」

    ―――― 「だから私はその小屋に2ヶ月住んでみたが、面白い事が分かった」

    勇者?「……ほう」

    ―――― 「勇者は『これまでの21年間ずっと小屋で生活している』、それが私なりの答えだ」


    ―――― 「どんな魔法かは知らないけど、あなたに拒否権は無い」

    ―――― 「この手紙を読んだら直ぐに街の酒場に来い」

    ―――― 「さもなければ『王立十字軍』にあなたの事を話す」


    84 = 77 :



    勇者?(……王立十字軍?)

    勇者?(十字軍といえば、悪魔や魔女狩りを連想させるが……)

    勇者?(………)


    勇者?「面倒な時期に来てしまったな」


    勇者?(何にせよその十字軍は明らかに人間の軍隊、俺の存在を知られるのは面倒だ)

    勇者?(……行くか)


    85 = 77 :


    < ワイワイガヤガヤ


    勇者?(確かに随分と発展してるようだな)

    「そこの兄さん、騎士団の人かい」

    勇者?「違うが」

    「なんだ違うのか……消えな」


    勇者?(……?)スタスタ

    勇者?(かなりの店が出てはいるが、幾つかは一般の人間を立ち入りさせてないな)

    勇者?(騎士団……十字軍と関係あるとしか思えない)


    86 = 77 :



    勇者?「酒場はどこだ」

    「はい?」

    勇者?「酒場だ、場所を教えろ」

    「はぁ……余所から来たんですか?」


    「酒場は向こうの南ストリートと北ストリートに挟まれた路地にありますよ」

    勇者?「そうか」スタスタ

    「あの、騎士団の方ですか」

    勇者?「違うが」

    「……そうですか、お気をつけて」


    87 = 77 :



    勇者?(以前とは大違い過ぎるな……20年ってこんなものか?)

    勇者?(……ここか)ギィィ


    店主「いらっしゃい」

    勇者?「……」チラッ


    「……」

    白服「……」


    勇者?「……」チラッ


    「……」

    仮面「……」


    88 = 77 :



    勇者?(……誰が村娘だ?)

    店主「お客さん、座りなよ」

    勇者?「ああ」

    店主「何飲む?」

    勇者?「任せる」


    勇者?「………」

    勇者?(毎日いるとは限らないか? 逃げていると書いてあったが)


    < 「おいそこのお前」


    勇者?「……」


    89 = 77 :



    白服「さっきから何だその仮面は、外せ」

    仮面「……」

    白服2「聞こえないか? これは『王立十字軍』の命令だ」


    勇者?(あの『女』、なんだ…?)

    店主「はいよ」コト

    勇者?「店主、あの仮面を被った『女』はいつからあそこに?」

    店主「女なのかい? さあ、毎日この位の時間にいるが……」


    仮面「…!」


    90 = 77 :



    仮面「……」スッ

    白服「?」


    勇者?「!!」


    白服2「……あの男がなんだって?」

    仮面「……」

    白服「おい、何とか言っ…」


    仮面「  勇者さん助けてっ!!  」


    勇者?(!? 声が違う、村娘じゃない……!)


    91 = 77 :



    白服「ゆう……しゃ?」

    白服2「何を言ってるんだお前」


    仮面「は……!!」バッ

    ―――― バシュゥッ


    < 「うわぁ!?」

    < 「くそ、煙幕?」

    < 「逃げられるぞ!!」


    仮面「こっち……!」バッ

    勇者?「違う、そっちの角の先に同じ服装の男がいる……こっちだ」グイッ

    仮面「…!」


    92 = 77 :



    今日は終わる

    94 :

    いいところで

    95 :

    地味に楽しみ

    97 :

    ふむ…乙

    98 :



    < タッタッタッ・・・

    勇者?「来てるか」

    仮面「直線は追いつかれる、曲がって……!」

    勇者?(なに?)



    ―――― ヒュバァッ!!


    白服「見つけた、向こうだ!!」スタッ



    勇者?(……! 何だ、今の動きは……)


    99 = 98 :



    仮面「速い…! こうなったら人質でも取って……」

    勇者?「角を曲がったらその仮面を捨てろ、何とかする」

    仮面「はぁ!? 素顔までバレたらどうなるか!」


    勇者?「黙ってろ」ガシッ

    仮面「ひゃ……っ」


    < カランッカラカラ……


    100 = 98 :



    ―――― ヒュンッ


    白服「・・・」スタッ

    白服2「!」スタッ


    < カラカラ……

    白服「この仮面、女が着けていた物か」

    白服2「見失った……!?」

    白服「・・・」


    白服「そこの2人、これの持ち主はどこに?」


    「……!」ピタッ

    ?「まぁ、何かあったんですか?」



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