元スレ村娘「勇者様ですよね!」勇者?「……違うが」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
151 = 121 :
―――― ザシュン・・!!
白服α「……は、っ!?」
< グラッ
白服α(何だと……『銃』すら見切った私でも、見えなかった?)ドシャ
白服α「が、ぁ……貴様なにをした」
勇者?「ワイヤーを使う必要はないと思ったんだ、どうやらお前は以前に両断された経験があるらしくてな」
白服α「……!?」
勇者?「簡単に言えば、お前が今まで受けた中で最も威力のあるダメージを『再現』した」
白服α「貴様……なに、者だ」
勇者?「別に化け物とかではないんだがな」
152 = 121 :
今日はこの辺で
154 = 147 :
乙
今度の続きはいつかな?
155 = 121 :
>>154
明日の午前を予定しています
158 :
うぉ
159 :
乙 またいいとこできるわぁ
160 = 122 :
生殺し乙
161 :
白服α「化け物じゃない…? ならなんだ、人外じゃないと言うならお前は!」
勇者?「……」スタスタ
勇者?「立てるか」
村娘「ありがとうございます勇者様…」
勇者?「行くぞ、追っ手の速度は異常だからな」
白服α「……っく」
勇者?(……斬られた傷が塞がりかけているな、まったく人外はどちらか分からないな)
162 = 161 :
< タッタッタッ
白服α(クソ、逃げられた……!!)フラフラ
白服α(はぁ……はぁッ、ぐぁ…血を流し過ぎたのか)フラフラ
白服α(あの男は一体何者だ、何故か顔や表情が思い出せない)
白服α(淫魔でなく、化け物じゃない……?)
白服α(ふざけてるッ……人間の筈がない)
163 = 161 :
少女「………おかあさん」
村娘「少女っ、無事で良かった……」
少女「お母さんこそ! 大丈夫? 怪我はない?」
村娘「あはは、久しぶりに走ってちょっと疲れたかな」
勇者?「……」スタスタ
村娘「勇者様、約束を覚えてくれていたのですね」
少女「やっぱり知り合いなんだね」
勇者?「……まあそうだな」
164 = 161 :
―――― 数時間後
村娘「それでね、勇者様はサキュバス達を連れて……」
少女「遠くに旅立ったんでしょ、もうそこは何度も聞いたよ」
村娘「ふふ、あの頃は今も鮮明に覚えてるわ」
少女「……」チラッ
勇者?「なんだ」
少女「……勇者さ、このまま一緒に住まない?」
村娘「ちょっと何言ってるの!」
村娘「ぁぅ……すいません勇者様」ぺこり
勇者?「……」
165 = 161 :
勇者?「とりあえず返事はする、断る」
少女「え、なんでよ」
村娘「少女、勇者様にはね……」
勇者?「そうじゃなくてな、今度はお前達2人が生きてる間に帰れなくなる」
村娘「……はい?」
勇者?「悪いがな」
少女「私達2人って……勇者だって死んじゃうわよ!」
勇者?「老衰はしない体質だ」
166 = 161 :
勇者?「それにな、何も二度と会えない事は無いはずだ」
少女「えっ、そうなの」
村娘「……」
勇者?「少し『慣れ』さえすればいつでも来れる、だからまずはやりたい事をやらせて貰う」
勇者?「お前達2人は街の騒ぎが治まるまで隠れてろ、いいな」スタスタ
< ガチャッ
< バタン
村娘「……」
167 = 161 :
< ガチャッ
勇者?「……何か用か」
村娘「あの、21年間聞きたかったんです」
勇者?「何がだ」
村娘「勇者様の家の傍に埋葬された『友人』、勇者様とどんな関係があったんですか!」
勇者?「『友人』は友人だろう」
村娘「違います!! 私、夫を失って初めて気づいたんです!」
村娘「この手で墓標に花を添えた後、私は……っ」
村娘「……初めて会った時の勇者様とまったく…まったく同じ『目』をしていた」
勇者?(ほぉ)
168 = 161 :
村娘「勇者様、あなたは私を何度も鬱陶しく思っていたのでは?」
村娘「幼いとはいえ、愛する人を亡くした所へ私が来たのは目障りだったのでは?」
勇者?「さぁな」
村娘「……知りたいんです、何故今回も助けて頂いたのかを」
勇者?「最初からそう言えば教えたが……まあいい」
勇者?「………『魔王』」
村娘「?」
勇者?「『魔王』だ、あそこに埋葬されたのは」
169 = 161 :
村娘「ま、ま魔王? とは、やっぱりあの?」
勇者?「そうだ」
村娘「……でも、ならどうして戦争が?」
勇者?「それを後々調べる、『魔王』は俺とずっといたんだからな」
村娘「しかし、勇者様と魔王は友人だったんですか…? どうにも信じられないというか」
勇者?「『魔王』は俺の妻でもあったと言えば納得か?」
村娘「!?」
勇者?「……後は自分で想像するんだな、俺はもう行く」
170 = 161 :
村娘「また、会えますよね」
勇者?「……そうだな」スタスタ
勇者?「………」
勇者?(しまった、言いそびれたな)スタスタ
勇者?(俺は勇者じゃない)
171 = 161 :
―――― 「『魔女狩り』って知ってるかい」
「なんだ? 淫魔を狩るのか」
―――― 「ちょっと違うかな、要するに【怪しい奴は魔女】っていう考え方が実現された行為だね」
「……?」
―――― 「ぼくのいた世界ではね、大昔に魔女狩りが行われたんだ」
―――― 「酷いものだったよ、女子供関係なく痛めつけられる時代だった」
「あまりこっちの世界には縁がなさそうだ」
―――― 「くす、そうかもね」
―――― 「この世界は本当に素晴らしいよ……『ファンタジー』そのもので、ぼくの世界とは大違い」
―――― 「……でもね、それでもぼくの世界と同じ悲劇は繰り返してはいけないよ」
―――― 「拷問は痛くて辛いし、死刑より酷い刑もある」
―――― 「■■■■■は、絶対に『魔女狩り』なんていけないよ」
「…あ、ああ……覚えておこう」
172 = 161 :
―――― グシャぁァァッ!!
白服2「ひぎぃぃぁああああああ!?」
―――― スパッ
< ズシャッ
勇者?(……だから『俺』は宗教なんてものが存在しないようにした)
< シュルッ
勇者?(だから『アイツ』は人間に余計な力を与えないようにしてた)
白服4「クッ、何者だ貴様ァァッ!!」
173 = 161 :
勇者?「この世界はな、あくまでファンタジーでなければいけなかった」
ジャギィンッ!!
スパァッッ!!
勇者?「多少の発展は許そう、多少の戦争は許そう」
白服4「死ねぇ! 化け物ぉぉっ!!」
―――― ピタッ
白服4「……!! 糸?」ギギギ
勇者?「…………だが」ピンッ
174 = 161 :
―――― ツルッ
白服4「え」
< ゴトッ
勇者?「『魔女狩り』なんて大量虐殺は、絶対に許さん」
< シュルッ
白服4「うわあああ!? 腕が、腕がぁ!!」
勇者?「だからお前達妄執者は全員ここで死ね」
< ビチャッ
175 = 161 :
―――― カツ・・カツ・・・
騎士「止まれ、撃つぞ」
勇者?「マスケット銃か、よく狙うんだな」スタスタ
騎士「くっ、騎士達よ……これより神罰を代行する! 撃て!!」
―――― ズドドドォッ!!
勇者?「銃口を向ける速度が遅いな」シュルッ
騎士(いつのまに背後を……!?)
―――― スパァッッ
勇者?(装填すらさせん)
176 = 161 :
騎士2「ひぃ―――― ぐぉぇ」ギギギ
騎士3「ゼヒュ……ッゥ」ギギギ
勇者?(……)ピンッ
―――― ズシャァァ
< ドシャドシャッ
勇者?(……)シュルッ
勇者?(まだ奥にいるな)
177 = 161 :
勇者?(……『十字大聖堂』)スタスタ
勇者?(まだ未完成だが、四年前から『聖十字教会』の西側に位置する事実上の『軍施設』)
勇者?(奴らがサキュバスを監禁しているとしたら、ここしかないな)
< ザッザッザッザッ・・!
勇者?(……)
勇者?(不要、か)シュルッ
178 = 161 :
白服β「……囲め」
白騎士「了解ッ」
< ザッザッザッザッ・・・・
勇者?「……」
白服β「言うまでもなく、貴様は包囲された」
勇者?「確かに言うまでもないな」
白服β「武器の糸を捨てて大人しく投降するか、ここで我々に『神罰』を受けるか」
白服β「選べ化け物」
勇者?「斬れば良い、その腰にあるミスリル剣の刃で俺を一斉に斬り捨てろ」
179 = 161 :
白服β「………」
勇者?「………」
―――― 「殺せ」
白騎士「神罰を代行する!」シャキィ
< シャキィ
< シャキィ
< シャキィ
勇者?(……)
白騎士「うおおおおおおお!!!」
< ビュンッ!!
180 = 161 :
白服β「……ッッ!!?」
―――― 藍色のコートに身を包んだ男に騎士のロングソードが振り下ろされた瞬間、俺は見た。
勇者?「………」
―――― 刃が触れるか否かの刹那に、男は声無く何かを呟く。
―――― その直後、振り下ろした騎士のロングソードを筆頭としてその場にいた全員の剣が爆散した。
―――― まるで見えざる壁でもあるかのように、中心に立つ男を避けながら……
―――― ……破片は、血の雨を降らせる最悪の凶器と化して騎士達を襲ったのだ。
白服β(ぐぉ……!!)
―――― バキィィィンッ!!
181 :
いいぞ
182 = 161 :
白騎士「ギャ……ッは、ごぉ…っ」ドシャッ
< 「目、目が……ぁっ!! 耳がぁっ!!」
白騎士3「ヒュー……ヒュー……」フラフラ
白騎士4「し、神罰を・・・だい、代行する……っ」ビチャッ
勇者?(辛うじて生き残ったのがいるか)シュルッ
―――― ヒュルンッ
―――― スッパァンッッ
< ドシャドシャドシャッッ!!
勇者?(……)
勇者?(? 数が足りないな)
183 :
白い方々m9ww
それにしても魔王はボクっ娘だったんかー
184 = 161 :
―――― シャッッ
ズドン!!
ドガッ!!
ガゴォォンッ!!
勇者?「~~ッ!!」メシャッ
勇者?(……成る程、『人外』は他にもいたか)ズルズルッ
白服β「やってくれたな悪魔め、数少ない『十字騎士』を全滅させやがって」スタッ
勇者?「……目で追えなかった、随分速く動くんだな」
白服β「ああ、貴様を殺すには充分過ぎるスピードだ」
185 = 161 :
―――― シャッッ
< ドゴンッッ!!
勇者?「ッ、ぐ」フラッ
―――― 「まだまだぁっ!!」シャッッ
< ガッ!!
< バチンッ!!
< ドズッ!!
勇者?(チィ……音速の12倍か? 服や移動した後に摩擦熱が発生していないのを見ると『魔法』に近いのか)
勇者?(……何にせよ、これでは埒が開かないな)メキッ
186 = 161 :
―――― ガシィィッ!!
白服β「なっ……」ブワッ
勇者?「接近戦は苦手でな、肉弾戦も特に嫌いだが……仕方ない」ミシィ
白服β(この俺を捉えた……!?)
勇者?「……」スッ
白服β(大丈夫だ、この一撃を乗り切ったら次は慎重に……!)
勇者?「……」ブンッ
< ゴチャァッ!!
勇者?「言っておくが『次』はない」ぽいっ
< ドチャッ
187 = 161 :
勇者?「………」
勇者?(……静かになったな、数少ないと言っていたが本当らしい)
< カツ……カツ……
勇者?(しかし建物内を見れば、『アイツ』が喜びそうな美術だ)
< カツ……カツ……
勇者?(全て大理石か? それも上等な白、だな)
< カツ……カツ……
188 = 161 :
勇者?「……さて」カツン
白服α「昼間は手痛い目にあったが、『次』はない」カツン
勇者?「面倒だな、そうまでして大量虐殺をしたいか」
白服α「正義が悪魔を裁くのが罪だというなら、貴様はなんだ」
勇者?「『魔女狩り』はこれからの未来に影を落とす、最悪の産物だ」
白服α「なぜ断言する、なぜ神のように全て分かる?」ヴゥン
白服α「お前は我々の神でもなければ未来を知ってる訳でも無い、なのに何故貴様が断言する!」
白服α「応えろ異形の怪魔!! 貴様は何者だ!!」
勇者?「……」
勇者?「お前達、人間を作った神……か」
白服α「…!」
189 = 161 :
勇者?「残念ながら俺はお前達の神でも無ければ怪魔でも無い」
勇者?「それは『断言が出来る』」
< カツ…カツ……
勇者?「しかしな、もう一つ残念な事に俺は未来を同じく『断言が出来る』」
白服α「なぜだ」
< カツ……カツ…カツッ
勇者?「とある友人がお前達人間の未来を幾つかの運命として、既に予知しているからな」
白服α「友人だと……!!」
190 = 161 :
勇者?「お喋りは終わりだ、仲良く雑談する気はないんでな」
白服α(……っ、上等だ)ヴゥン
勇者?「……」シュルッ
勇者?「……」ピンッ
―――― ヒュパァッ!!
白服α「はァッ!! 同じ芸は通じんぞ!?」ジャキィッ
< バチィッ
勇者?(魔剣をあそこまで容易に操れるのか)
191 = 161 :
勇者?(なら折角だ、『剣』の風情を味わうか)
< ヴゥゥ……ンッ
白服α「魔剣だと? 剣の勝負という事か!」ダッ
勇者?「いや、俺は接近戦は苦手なんだ」ヒュッ
白服α「!!」
―――― ズガガガァァッッ!!!
白服α「……!! 貴様、なんだ今のは……ッ」
勇者?「伸縮自在、長さはリーチとして最大の戦力だ」ヴゥン
白服α(どんな魔力があればそんな真似が出来る、クソ……!!)バヂィンッ
192 = 161 :
勇者?「右、左、フェイントだ……右」ヴンヴンッ
―――― バヂィンッ!! ヒュォッ!! ズバァッ!!
白服α(く、近づけない……!)
勇者?「……」ピタッ
勇者?(……この男、魔法障壁で対魔法を完璧にしてるのか?)
白服α(止まった? チャンス―――― ッ!!)バッ
勇者?(……)
勇者?(呆気ないな、まったく)
勇者?「【絶大なる衝撃を与えよ】」
< ドゴォォォッ!!
白服α「ゴフッ……!?」
193 = 161 :
白服α「……こ、この程度で……っ」ヨロッ
勇者?「【全身を引き裂け】」
―――― ブシャァ!!
白服α「ぐあああああ!!?」ドサッ
白服α(なんだ!? 何で魔法障壁が効かない!?)
勇者?「……その傷なら流石に戦闘不能だな」
勇者?「『次』からは、魔法障壁なんて張らずに俺を絞め殺すんだな……無理だろうが」スタスタ
白服α(……ッ、出血が止まらない……)
194 = 161 :
< カツッ・・カツッ・・・・
勇者?「部下なら全員始末した、最後はお前だ」
< カツ……カツ……
勇者?「『魔女狩り』の引き金は引かせん、悪いがお前には死んで貰う」
勇者?「大司教か? 神官か? なんて呼べば良い」
団長「……『騎士団長』、そう呼んでくれるかね悪魔の化身くん」ニヤリ
勇者?「……教会関係者とは程遠そうだな、どうやら」シュルッ
195 = 161 :
今日はここで
198 = 183 :
乙
主人公無双モノは嫌いじゃないよ
200 :
なんとなくオーフェン?を思い出すな
みんなの評価 : ★
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