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    元スレ勇者「パーティーの中で、俺が一番弱いんだよな……」

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    201 = 1 :

    戦士「つまり、その、どうすればいいんだ」

    魔法使い「しばらく待ってみるしかないんじゃないのか」

    僧侶「そんな! ここまで来て!」

    魔法使い「そうは言ってものう、わしゃ勇者のトラウマなんぞ知らんし」

    戦士「お前、確か父親と親交があったんだろ、何か知らないのか」

    魔法使い「……知らんな」

    戦士「何か手がかりになるようなことでもいいから」

    魔法使い「それに、知ってどうする? 勇者のトラウマをわしらがほじくり返して、さあ、すぐ目の前にラスボスだ、早く乗り越えろ、と声をかけるのか?」

    僧侶「そんなこと!」

    戦士「だが、ここに長居はできまい」

    僧侶「そうですよ! 魔物と仲良くしてる町で、私達が……あ」

    「……」

    202 = 1 :

    「あのぅ~、私のことなら、気になさらないでぇ~」

    魔法使い「そうじゃな。気にしても仕方あるまい」

    戦士「……いずれにせよ、長居できないのは変わりないだろう」

    魔法使い「そうじゃな」

    僧侶「う、うう、そうですか」

    魔法使い「……」

    戦士「……」

    僧侶「……」

    魔法使い「ここいらが潮時かもしれんな」

    戦士「な、なに」

    僧侶「な、なんですか!?」

    魔法使い「ここでパーティーは解散するかいなっちゅうことじゃ」

    戦士「なぜだ?」

    魔法使い「ちょっと考えれば分かるじゃろう」

    203 = 1 :

    魔法使い「敵方は、明らかにこちらを調査しとる」

    魔法使い「指揮系統がうまくいかなかったから失敗したんじゃろうが、もしわしが町の人も巻き添える気がなかったら、まず全滅しとった」

    戦士「そ、それは……」

    僧侶「ゆ、勇者様が打開したじゃないですか!」

    魔法使い「その結果が部屋の片隅でぶるぶる震えている姿じゃな」

    魔法使い「おそらく、精神攻撃が有効とわかれば、罠の類もそういう方向へ張り出すじゃろ」

    戦士「……」

    魔法使い「お前さん方、もう一度あの夢を見せられたら、打ち克つ自信はあるかね?」

    僧侶「……!」

    魔法使い「勇者も同じ事じゃな。今回は妙な方向へ爆発したからまだしも、それがうまくいくとは限らん」

    魔法使い「現に、わしは致命傷に近い傷を受けたんじゃろ?」

    僧侶「……遅れていれば、助かりませんでした」

    魔法使い「……ま、それならそれでもな」ボソ

    204 = 1 :

    戦士「本気で、魔王討伐をやめるつもりか!?」

    僧侶「き、傷を癒せば、トラウマを乗り越えれば……」

    魔法使い「時間もないと思うがの」

    僧侶「ど、どうしてですか!」

    魔法使い「魔王は明らかに暴力による直接支配から、間接支配にシフトしつつある」

    戦士「いや、それは、この町だから……」

    魔法使い「ほれ、大陸をわたってから来たお城。兵士が弱っちかったあそこ」

    戦士「ああ、あったな」

    魔法使い「ま、わしはあそこの王と知り合いじゃから察知したが、魔王軍と交易しとるな」

    僧侶「な、なんですって!?」

    魔法使い「町の城壁にあった傷に、新しいものが少なかったしの。周りの魔物はそれなりに強かったのに」

    魔法使い「その上、兵士も弱くなっているといえば、もう分かるじゃろ」

    戦士「実際に、魔物と戦ってないってことか……」

    僧侶「そんな馬鹿な話が……」

    205 = 1 :

    魔法使い「そうなると、一気に倒してしまわん限り、時間を与えれば悪化するばかりじゃ」

    魔法使い「時間を与えれば、魔物と同盟するのも悪くはない、と考える人も国も増える」

    戦士「……」

    魔法使い「じゃから、もうパーティーは解散してしまって……」

    勇者「……ま、まだだ」ガタガタ

    戦士「勇者!」

    僧侶「勇者様!」

    勇者「お、俺は、大丈夫だ、みんなを、守る」ガタガタ

    勇者「せ、世界を、救うんだ。俺が、みんなを助けるんだ、こんどこそ」ガタガタガタ

    魔法使い「……」

    勇者「ま、魔法使いの体力が戻ったら、出発、しよう」

    戦士「何言ってるんだ」

    僧侶「そうですよ! そんな真っ青な顔で」

    206 = 1 :

    魔法使い「……勇者」

    勇者「す、すまない。俺は、がんばる、あと少し、ついてきてくれ……」ガタガタガタ

    魔法使い「やめてもいいんじゃよ」

    勇者「は、は?」

    魔法使い「世界なんぞ救わんでもいい。わしらも、自分の身くらいは自分で守れる」

    魔法使い「そんな下らんことで自分を追い詰めんでもいい」

    勇者「……」

    戦士「お前……」

    僧侶「……」

    魔法使い「わしゃ、女の子と楽しく遊びたいんじゃ。そんな暗い顔をしとったら、素直に楽しめんわい」

    魔法使い「お前の親父は、いろいろ言ったかもしれんがな、お前はお前じゃ」

    魔法使い「もっと正直に生きていいんじゃ。本当に」

    戦士「ふ、ふざけん……」

    勇者「魔法使い」ブルブル

    207 = 1 :

    勇者「……俺は、勇者以外に、やることはないんだ」

    魔法使い「そうでもないぞ? ほれ、かわいい女の子が周りに居るぞ」

    魔法使い「こいつらを手篭めにしてもよし、名前を売って、姫様を貰い受けるもよし」

    勇者「いや」

    勇者「……俺は、弱いんだ」

    勇者「たとえ、誰かを嫁にもらっても、怖くて、きっと一緒にいられない」

    戦士「な、なんで」

    勇者「俺は、母さんを亡くしたんだ」

    208 = 1 :

    勇者「弱かったせいだ」

    勇者「いつものように親父と特訓していて、口答えした」

    勇者「そうしたら、いつも冷静な親父が、その日はなんか切れ始めて、俺を締めあげて」

    勇者「……母さんがそれを止めた」

    勇者「俺は逃げ出して、町の外に出た」

    勇者「そこで、魔物に襲われたんだ」

    勇者「魔物は強かった。俺だって、どこでも一位になったことはないけど、少しは戦えるんじゃないかって思ってた」

    勇者「でも、あっという間にボコボコに殴られて……」

    勇者「気づいたら、母さんが、俺を庇ってくれていた」

    勇者「俺を逃がしてくれて、俺は親父を呼びに戻った」

    勇者「親父は、一歩、遅かったみたいだ」

    勇者「ケンカしていたから、まさか町の外に出ていったと思わなかったらしい……」

    勇者「俺が、その場で、助けていれば」

    209 = 1 :

    勇者「それから、親父も行方不明になり……」

    勇者「あとに残ったのは、もう、勇者になるしかなかった」

    勇者「何が何でも、少しでも前に進んで」

    勇者「死ぬなら死ぬでいいと思ってた」

    勇者「み、みんなに、出会ってから……」

    勇者「……」

    勇者「ここまで来れるとは思わなかった」

    勇者「気づいたんだ。なんで、ここまでって……」

    勇者「親父よりも強くない自分がどうして」

    勇者「仲間が、みんな強かったんだ」

    勇者「お、俺は……」

    勇者「パーティーの中で一番弱かった」

    210 = 1 :

    勇者「……」

    勇者「みんなが羨ましかった」

    勇者「大嫌いだった。憎かった」

    勇者「戦士は最初からすごくカッコ良かった。何かおかしなことがあればすぐに怒って、叱っていた」

    勇者「穴だらけの俺の作戦や行動を、魔法使いは知識と経験で補ってくれたし、見守ってくれた」

    勇者「僧侶は、本当に優しかった。俺が冷めた目で見ているやつらを、助けようって本気で走りよっていくんだ」

    勇者「俺は、みんなの剣の腕にも、魔法の威力にも、回復呪文にも劣っているばかりじゃない」

    勇者「みんなの心が眩しかった」

    勇者「俺は、弱くても勇者を続けようとしたのは……」

    勇者「母さんが、父さんが、それで許してくれるんじゃないかって……」

    勇者「ずっと自分のことばかりだったんだ」

    211 = 1 :

    勇者「……ただ、ずっと旅していくうちに」

    勇者「俺は、みんなが嫌いなだけじゃなくて……」

    勇者「……」

    勇者「好きになっていた」

    勇者「できるなら、魔王を倒して勇者をやりきったなら」

    勇者「世界を救って、みんなを守れた自分なら」

    勇者「こんどこそ……もっとみんなの助けになれるような、自分になれるんじゃないかって」

    勇者「……」

    勇者「だから、あと少しだから」

    勇者「もう少しだけ……」

    戦士「バカ勇者」

    勇者「……」

    212 = 1 :

    戦士「お前はな、自分がどのくらい強いのか、知らないだろう」

    戦士「私が、前のパーティーに解雇されてくさっていた時、拾われて、どれくらい救われたか!」

    戦士「お、お兄ちゃんみたいな、ことを言って、励ましてくれたの、覚えてないだろう」

    戦士「お前な、私が、お前のこと、どのくらい頼りにしてるか、知らないだろう」

    戦士「知ってたら、そんな、自分はダメだみたいなこと、言わないからな」

    僧侶「そうですよ!」

    僧侶「私は、勇者様がいなかったら、ただの、ただの乱暴者で」

    僧侶「私が誰かを助けたいと思えるの、勇者様と一緒にいられるからなんです!」

    僧侶「贖罪だけじゃなくて、本当に、誰かを助けたいって思えたのは……」

    僧侶「私は勇者様が好きですから!」

    僧侶「いっぱい嫌われていても、あ、あ、す、好きですから!」

    213 = 1 :

    魔法使い「……だそうじゃ」

    勇者「お、俺は」

    魔法使い「勇者よ」

    勇者「う、お」

    魔法使い「わしの方が自分勝手なんじゃがの」

    勇者「な、何が」

    魔法使い「……家族の仇も取るつもりで、魔王退治に出かけたんじゃがな」

    勇者「……」

    魔法使い「お前が辛いまま、魔王城に出向くつもりなら、パーティー解散して、わし一人で行くつもりじゃった」

    勇者「な、あ……」

    魔法使い「まあ、聞け。お前を肉盾にして利用するつもりもあったしのう」

    魔法使い「だから、お前がわしに恩義を感じる必要性はどこにもない」

    魔法使い「ただ、ま、今の気分では……」

    魔法使い「お前のために戦ってやりたい、というのも、一割くらい?」

    214 = 1 :

    勇者「……」

    勇者「俺は、その」

    戦士「勇者、改めてお願いする」

    戦士「私を、最後まで雇ってくれ」

    勇者「……」

    魔法使い「わしも頼む」

    魔法使い「ほれ、わしがおらんと全滅してしまうじゃろ」

    勇者「……」

    僧侶「勇者様、私も」

    僧侶「きっと、私達、一緒じゃないと強くなれないです」

    勇者「……」

    勇者「……うん」

    215 = 1 :

    「あのぉ」

    勇者「う、ああ、ごめん」

    「私も、謝ります」

    「これが~、役に立つって、聞いていたから……」

    「でも、違ったんですね……」

    戦士「……眠らせたことは許せないが」

    魔法使い「それより、わしらが魔王を倒してしまうからの」

    魔法使い「魔物依存経済から抜け出しといたほうがええぞ」

    僧侶「もう、魔法使いさん!」

    魔法使い「ホントのことじゃ」

    勇者「……そうだね」

    勇者「ふうーっ、ふっ」

    勇者「よし、よし……」

    勇者「……」

    勇者「よし、宿屋の娘さん。馬車を調達できる?」

    「え、ええ~、はい」

    勇者「……馬車は運転できる?」

    戦士「勇者、まさか」

    216 = 1 :

    勇者「こうなったら、とことん利用させてもらうけど、いい?」

    「……」

    「分かりましたぁ~、私も、覚悟します」

    魔法使い「馬車でどうするつもりじゃ?」

    勇者「うん。移動力を上げることと、ちょっといろいろ城攻めの道具を運べないかなって」

    僧侶「ま、町の人を利用するつもりですか!?」

    勇者「相手も罠をしかけて来るはずだから、ド派手なのが一番いいと思う」

    魔法使い「ふむ。爆弾石でも集めるかのう」

    勇者「いいね。一泡吹かせてやろう」

    戦士「ふう……ま、馬車内で休憩も出来ればいいが」

    勇者「よし、魔王を倒す準備だ!」

    全員『おう!』


    ……彼らが世界を救うまで、あと少し。

    217 = 1 :

    これで終わりです。

    ふー。

    219 :


    これは良い根暗シナリオ

    220 :

    うん。
    これこれ!

    暗いと言うけど這いつくばって起き上がろうとする勇者はこの作者さんは上手だわい( ´ ▽ ` )ノお疲れ様

    221 :

    いれ忘れ。

    側近「魔王様」

    魔王「どうした?」

    側近「夢魔の部隊が勇者にやられました」

    魔王「やっぱりダメか……」

    側近「報告では『俺は悪くねぇ!』と」

    魔王「そういうのいいから!」

    側近「ちなみに戦死」

    魔王「あ、そう」

    側近「どうなさいますか?」

    魔王「どうするもなにも、ここまできたら城で迎えうつしかあるまい」

    側近「はっ、では兵を召集してまいります」

    魔王「よろしく」

    魔王「……」

    魔王「ああああ、やってられんわ! 大魔王様に叱られるぅ!」ゴロゴロゴロ

    魔王「こないだも兵士の負傷率にケチつけられたのにぃ!」ジタバタ

    魔王「大体、俺は四人の魔王の中で一番弱いんだから、しょうがねーじゃん!」ゴロゴロゴロ

    魔王「ハァハァ……」

    魔王「……魔王って孤独だよな」


    その後、魔王は倒されて、世界に平和が戻った。

    222 :

    おい・・・おい!!

    223 :

    いやいや

    225 :

    おい、ちょっと待て

    226 :

    オチはつけるべきかと思って……

    一応、これでおしまいです。
    次作もお暇でしたら。

    227 :

    えっ

    228 :

    これからって時に終わるスレ増えたな

    231 :

    これは>>1の盛大なボケだろ
    もちろん続きあるんだよな?な?

    232 :

    よいんがあるラストと思えばよいんじゃね?

    233 :

    おい







    おい

    234 :

    えっ?
    打ち切りなの!?

    ってか魔王倒して「何かを成し遂げた」アトの4人を書いてくんなきゃ、物語として成立しないじゃん!!
    ぶっちゃけ魔王サイドの顛末なんか書かれてもオチになんないよ?

    235 :

    残念な終わり方だ

    236 :

    内容が良いだけにラストのガッカリ感が…
    取り敢えず乙

    237 :

    続き気になってwktkして開いてみたら終わりが・・・でも面白かったです>>1

    238 :

    こんなんにもとりあえず賞賛しちゃうから質が劣化していくばっかりなんじゃねーのwwwwwww

    239 :

    読んで損したわ

    240 :

    落ちの付け方が酷いぞ

    途中まですごくよくかけてると思ったのにちょっと勿体無い

    241 :

    盛り上がってきて、最高のクライマックスに向かうと思った途端クライマックス直前で辞めちゃう。
    盛り上がらずに適当に最終戦の開始と同時に打ち切られるジャンプとは違ってあまりに勿体無い

    242 :

    反響ありがとうございます、と言っていいのか……
    最初からそうですけど、このSSは魔王を倒すのが目的じゃなくて、仲間ーとかそういうところを書きたかったので、こんな感じです
    パーティーの仲が最悪です的なのは定番と思ってたので……
    魔王サイドを少しだけ持ってきたのは、その対比として必要かなと

    これ以上書くとタイトルから外れるし、蛇足かなって思うんですがそうでもないんですかね

    243 :

    起承転結の結がない、あるいは序破急の急がない状態じゃないのかコレは

    244 :

    乙乙。SS板なんだから本編の存在しない外伝的な物の詰め合わせも当然アリだと思う
    スレタイそのままの分かりやすいテーマだったし問題ないよ
    また頼むわ

    245 :

    乙です

    皆さんも言ってる通りここまでしっかり描写してきてラストこの投げっぷりはあり得ないというか勿体無いです。
    当初の構想には無いかもしれませんが魔王戦とその後のPTの様子が見てみたいです。
    もしここで終わらせるのであれば大魔王とか他の魔王は全くの蛇足かと。
    もちろんご自分の中で終わったのであれば無理強いすることはできませんが…

    246 :

    はやく僧侶とセクロスさせろ

    247 :

    >>242
    ぜんぜん蛇足じゃなくって、
    「パーティーで一番弱い」と思ってた勇者が魔王戦を経てどう考えるようになったのか、
    「弱い」と思ったままなのかそれとも何か変わったのか

    「弱い」と思ったままなら何故それで納得したのかまで書いて
    初めて「物語のキレイな終わり」って言えるんじゃないかな?

    ってかそこまで書かないと、タイトルがさっぱり生きてこないと思うんだケド
    最初からずっとおもしろかったから、ここで終わっちゃうのはホントに残念

    248 :

    蛇足どころかこのままじゃ中途半端の極みだよね

    249 :

    どうやら独特な感性をお持ちのようだけどここで終わりっていうのはあまりにも不自然

    250 :

    俺たちの戦いはこれからだ ← 打ち切り
    俺たちの戦いの為の準備はこれからだ ← 打ち切りですらない途中で止まってるだけ

    さあ! キーボードを打つ作業に戻るんだ!


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