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元スレ京太郎「咲、話があるんだ」
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京太郎「ちょっと喉乾いたんで飲み物買って来たいんですけど・・・」ガタッ
まこ「何を腕の皮の生っ白いこと言っとるんじゃ?」
京太郎「え?」
まこ「言ったろ、『この麻雀はどちらかがトぶまで終わらん』って」
京太郎「耐久麻雀って、まさか・・・」
まこ「そう。終わるまでは飯も外の空気を吸う事も喉を潤す事も寝る事も許されん麻雀じゃ!」
京太郎「・・・っ!」
まこ「ただ一つ、逃げる方法はある。・・・部屋の両隅にあるボタンの、自分側のを押せばええ。押した方の負けじゃ・・・尻尾巻いて無様に逃げればええ」
京太郎「誰が押すんですか、そんなボタン!」ドカッ
まこ「言うと思ったわ・・・後悔するなよ?」
京太郎「しません!」
「ロンだ!」
「ロンじゃな」
「ロン!」
「それ、ロンじゃ」
「それロン!」
「ロンじゃ!」
・
・
・
10時間経過・・・東百十六局
京太郎「ハーッ、ハーッ・・・!」
まこ「・・・お前の親番じゃぞ」
京太郎(くそ、喉が渇いて死にそうだ!頭もクラクラする!しかも・・・染谷先輩が段々強くなってる!)
京太郎「俺の・・・ツモ、ですね?」
まこ「そうじゃ」
京太郎「・・・」
パシッ
まこ「・・・」
ピシッ
京太郎「っ・・・」フラッ
パシッ
まこ「・・・」
ピシッ
京太郎「・・・」
パシッ
まこ「ロンじゃ」
京太郎「ぐぅっ・・・!」
まこ「・・・」
ピシッ
京太郎「・・・」
パシッ
まこ「ロンじゃ」
京太郎「ぐぅっ・・・!」
>>207ミスです
まこ「ピンフドラ1、2900点・・・これで、またほぼ振り出しに戻ったのう」
京太郎「畜生っ・・・!負けてたまるか・・・!」
まこ「最初の威勢はどうした、京太郎?」
京太郎「今からお見せしますよ、染谷先輩・・・!」
まこ「おお好きなだけ見せとくれ、お前さんの虚勢を!」
まこ「ピンフドラ1、2900点・・・これで、またほぼ振り出しに戻ったのう」
京太郎「畜生っ・・・!負けてたまるか・・・!」
まこ「最初の威勢はどうした、京太郎?」
京太郎「今からお見せしますよ、染谷先輩・・・!」
まこ「おお好きなだけ見せとくれ、お前さんの虚勢を!」
「ロン!」
「ロンじゃ」
「・・・ロン!」
「そこもロンじゃ」
「・・・・・・っロン!」
「おいおい、勝手にバテんでくれよ・・・?ロン」
・
・
・
18時間経過:東二百十六局
京太郎(ヤバい、意識が・・・!)
京太郎「・・・」カクン
まこ「京太郎、お前のツモ番じゃぞ?ふむ、寝とるな・・・むしろ今まで持っただけ褒めるべきかのう」
まこ(実力は完全に伯仲・・・いや、若干奴さんのが上とさえいえるかの)
まこ「・・・支配人、目覚まし持ってこい」
『ハッ・・・』
京太郎「Zzz・・・」
支配人「・・・」スッ
バシャァァァァァァァァァァァァァァァッ!
京太郎「ぐああああああああああああああああああああああああっ!?」ビクッ
まこ「いい目覚ましじゃろ?バケツ大盛り一杯、55℃の熱湯じゃ・・・さ、続けるぞ」
まこ「あぁそう、これを5回浴びても起きなかった場合は強制的に負けじゃ、精々気を付けぇよ」ニタァ
京太郎(熱い!クソッ、一体何がどうなって・・・あ、そうか、俺、まーじゃんしてたんだ)
京太郎「染谷・・・まこっ・・・!」ギリッ
まこ「ハッ、まるで獣の目じゃな。それじゃあワシには勝てん」
京太郎「この野郎っ!」
「ロ、ン・・・」
「ロンじゃ」
「そこもロンじゃ!」
「甘いのう、それもロンじゃ!」
「ぐがっ・・・!ロン!」
「それもロンじゃなぁ!」
・
・
・
22時間経過:東二百五十九局
京太郎「・・・」フラフラ
パタッ・・・
まこ「・・・」
ピシッ
京太郎「・・・」
パタッ・・・
まこ「京太郎、聞け。返事はせんでええ」
ピシッ
京太郎「・・・?」
パタッ・・・
まこ「今、大勢がワシにあるのは理解できるな?・・・そこで、提案じゃ」
まこ「今、あのボタンを押せばここから出してやる。あったかい飯も、冷たい水も、ふかふかの布団も好きなだけ使わせてやる」
ピシッ
まこ「・・・どうじゃ?ワシとしても清澄高校唯一の男子麻雀部員のお前をこれ以上追い詰めたくない。ここはひとつ、次に生かすための負けとして受け入れるのは」
京太郎(飯・・・水・・・布団・・・くそ、眠ぃ・・・あの、ボタンを押せば・・・)
まこ「ここまでよく頑張った。お前は十分強い、もう頑張らんでもええ」
京太郎(頑張らなくても、いい・・・?)フラッ
まこ(奴さん、ここまでじゃな・・・)
京太郎(ボタン・・・これを押せば、ああ、眠ぃ・・・)フラフラ
『京ちゃん!』
『悪いよ!勝手に努力を放棄して、戦う前から負けを認めてる京ちゃんなんて、とってもカッコ悪いよ!』
『京ちゃんは、いつだって頑張り屋さんだもん!』
京太郎「ふっーーーーーー」
『麻雀って……楽しいよね!』
京太郎「っっっっざけんなあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」ガァンッ
まこ「!?」ビクッ
京太郎「あ゛ー、やっとスッキリした・・・染谷先輩、お待たせしました。続けましょう」フラフラ
まこ「おまっ、壁に思いっきり頭打ち付けるなんて何考えとるんじゃ!血がドバドバ出とるぞ!?」
京太郎「目覚ましです・・・続けましょう」
まこ「お前さん・・・最悪死ぬぞ?」
京太郎「死んだっていい、構うもんか・・・座れよ、染谷まこ。俺は、俺はまだこの勝負を降りる訳にはいかねぇんだ!」
まこ(フッ、乗り越えたか・・・久の言った通りじゃのう)
まこ「あー、お前さんの覚悟はよーく分かった。じゃから勝負はここでーー」
京太郎「怖いのか?」
まこ「・・・あ゛?」
京太郎「急に喋り出したから降参すんのかと思ったら、さっきからちっとも自分のボタンに手をつけようとしねぇじゃねぇか・・・それってつまり、俺が押せってこったろ?」
京太郎「俺に負けるのが、不敗伝説を破られるのがそんなに怖いのかよ・・・染谷先輩!」
まこ「人の老婆心も知らんと、随分とズケズケ言ってくれるのぉ、若造が・・・!」ゴウッ
京太郎「口つぐむのは老人だけで十分だ!」
まこ「・・・もう本気で怒った。どうなっても知らんぞこんくそガキがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
京太郎「そのくらいなきゃ勝負にならねぇよ!」
「ロンッ!」
「ロンじゃっ!」
「甘ぇよ!そこロン!」
「それもロン!」
「ロン!」
「ロン!」
「ロンだっ!・・・さぁ、連荘だぜ!」
・
・
・
24時間経過:東二百七十六局
京太郎「あ゛ー・・・クソッ」フラフラ
まこ「くぅ・・・」フラッ
京太郎「・・・染谷先輩の、親だな」
まこ「ワシの分析麻雀を掻い潜った上で更に攻め込み、ここまで追い込んだ・・・認めちゃる。お前さん、大した奴じゃ」
ピシッ
京太郎「だからどうした。まだ勝負はついてねーぞ・・・!」
バシッ
まこ「だがな、人間心よりも体の支配が強いんじゃ」
ピシッ
京太郎「・・・」
バシッ
まこ「血を流し過ぎたのう。早くワシにトドメをささにゃ、お前さんもうじき確実にぶっ倒れるぞ」
ピシッ
京太郎「だったらっ・・・この局で和了るだけだ!」
バシンッ
まこ「ああそうじゃな、今のお前さんならその力もある。実力はワシより上じゃからな、まともに打ち合えば間違いなく和了れるじゃろう」
ピシッ
京太郎「まさか、アンタ・・・!」
バシッ
まこ「あぁ、お前さんの想像どおりじゃ・・・悪いが、この局はベタ降りさせてもらうき。この耐久麻雀、如何に点数で下回っていようと最後に立っていたほうの勝ちじゃからな」
ピシッ
京太郎「ぐっ・・・!」
バシッ
まこ「勝つための手段じゃ・・・卑怯とは、言わんよな?」
ピシッ
京太郎「ったりめーだろ・・・それがアンタの戦法なら、俺は喜んで挑戦する!」
バシッ
まこ「須賀、京太郎か・・・お前さんと打てて楽しかったよ」
ピシッ
京太郎「その言葉は俺が勝つまでとっといた方が良いですよ、先輩・・・!」
バシッ
まこ「・・・さ、次はお前さんじゃ」
ピシッ
京太郎「・・・っ」
バシッ
まこ「苦しそうじゃのう」
ピシッ
京太郎「リー・・・チッ!」
バシンッ!
まこ「ハッ、予言してやる。そのリーチは不発に終わるけぇ」
ピシッ
京太郎「言ってろ・・・!」フラフラ
バシッ
まこ「本当に・・・アホじゃのう」
ピシッ
京太郎「俺は、和了る・・・!そこ、ポン頂き!」
バシッ
まこ「いーや、和了らせん!」
ピシッ
京太郎「和了る!」
バシッ
まこ「絶対に和了らせん!」
ピシッ
京太郎「絶対に、和了ってみせる!それポンだ!」
バシッ
まこ「ワシの誇りにかけて、この局は流す!」
まこ(和了る和了ると急に元気を取り戻しおって・・・相当和了りやすい手を持ってると見たき)
ピシッ
京太郎「っ・・・!」フラッ
パタッ・・・
まこ「・・・!」
ピシッ
京太郎「くっ・・・!」
パタッ・・・
まこ「そろそろ、じゃな。せめてリーチせんどけばよかったものを」
ピシッ
京太郎「うるせぇ、俺の麻雀だ・・・!」
パタッ・・・
まこ「おー、今のうちに吠えろ吠えろ。後3分もせん内にお前さんは倒れ、ワシの不敗記録は更新されるからのう」
ピシッ
京太郎「させる、かっ・・・!」
パタッ・・・
京太郎「ぐぅっ!?・・・ぁ・・・」ドサッ
まこ「・・・ついに座っても居られんくなったか。後腐れないように、早めに引導渡しちゃるけーのお」
まこ「これで・・・死にさらせやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
バシィィィィィン!
京太郎「・・・」
まこ「これで流局・・・終わりじゃな。京太郎、お前さんの負けじゃ」
ガシッ
まこ「なっ!?」
京太郎「いいや・・・」
ズルッ・・・
まこ「馬鹿なっ、そんな事があるのけ!?」
京太郎「俺の・・・」
京太郎「俺の・・・勝ちだ・・・!」
バンッ
京太郎「ーーロン。混老頭、トイトイ・・・ドラ2、河底撈魚で・・・12000点、ハネ満」
京太郎「アンタの、トビ、だ・・・」ドシャッ
まこ「・・・ハァ。もう呆れたわ・・・分かった分かったワシの負けじゃ」
まこ「しかしここに来て一番危なっかしい混老頭とは読めんかったな・・・深読みし過ぎたか、いや今回が偶然で元から読める手じゃなかったか・・・京太郎?」
京太郎「・・・・・・」ゲー
まこ「うわ、こいつ寝ゲロしとる」
京太郎「・・・・・・」
まこ「ったく、締まらんなぁ・・・よいしょ」グィッ
まこ「重っ・・・くそ、完全に気絶しとるなこれ」
まこ(ボタン・・・負けを認めた方が押すんじゃったな)
カチッ
ブーーーーーーーーーーーーーッ
まこ(あ、これ、アイツとの勝負に夢中で気付かんかったけど、ワシもそろそろ・・・げん、か・・・)ドサッ
ギィィィィィィィッ
支配人「・・・・・・終了いたしましたか」
支配人(ほとんど使ってない部屋とはいえ、出来れば店は汚してほしくなかったですね)
支配人(男のゲロとか一番嫌な類です)
支配人(いやマジで)
とある公園
京太郎「・・・ぅおっ!?」ガバッ
まこ「やーっと起きたか」
京太郎「し、勝負は!?ていうか今何時だ!?」
まこ「今は日曜の夜9時・・・勝負はお前さんの勝ちじゃ。本気で死ぬまで打つ気だったんか貴様」
京太郎「そう、か・・・俺、勝ったのか・・・ハハ」
まこ「ああ。店の中で寝ゲロした上で、かよわい女の子にゲロぶっかけよってな」
京太郎「あれ、頭の傷・・・」サスサス
まこ「あれは切り傷。血が多く出ただけで、きちんと消毒すれば前髪で隠れる程度のもんじゃ。まったく訳のわからん自傷行為に走りおって・・・」
京太郎「し、仕方ないでしょう!」
まこ「ああ、全く負けた方が何言っても遠吠えじゃあ。それじゃ、負け犬はそろそろ帰るとするけぇ」
京太郎「・・・」
まこ「・・・次は負けん」
京太郎「俺も、負ける気ないです」
まこ「勝手に言っとき。この麻雀狂いめ・・・それじゃーの」スタスタ
京太郎「ハハハ・・・って、日曜の夜9時ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
まこ「・・・チッ」ビュンッ
京太郎「ちょっ、俺家からとんでもない数の電話とメールが来てるんですけど!?染谷先輩!?染谷まこ先輩ー!?」
京太郎の家
京太郎「あ゛ー、超絞られた・・・ただでさえ疲れてんのに」フラフラ
ボフッ
京太郎「やべ、布団超気持ちいいー・・・ん?」
ピリリリリリリリリッ!ピリリリリリリリリッ!
京太郎「そうですか、後1イベント残ってましたか」
ピッ
『京ちゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!』
京太郎「ハーイ、こちら須賀京太郎。聞こえてるからなるべく小さな声で喋ってくれると嬉しいな」
『ふざけてる場合じゃないでしょ!京ちゃんのお母さん「遅くなるとは言ってたけど、ここまで遅いなんて・・・」って本気で心配してたんだよ!?』
京太郎「あー、それについてはまた今度・・・てか普通にウチの親と会ってるんだな」
『また今度じゃないのっ!私だって・・・とっても、心配で・・・』グスッ
京太郎「・・・悪かったよ、だから泣くなって」
『・・・・・・だって、京ちゃんにメールしても全然返って来ないのなんて初めてだから、どうしたらいいかわかんなくて・・・』
京太郎「・・・咲、お前ひょっとして「京ちゃんからメールが返ってこないんです!」とか言って涙目でド○モショップに駆けこんだりしてないよな?」
『・・・・・・』
京太郎「で、受付のお姉さんに苦笑されながら「ちゃんと届いてますから、安心してください」とか言われて急に恥ずかしくなって赤面したりしてないよな?」
『・・・・・・京ちゃんの馬鹿っ!』
京太郎「なんだビンゴか・・・機械不信もここまで来ると特殊能力だな」
『う゛ー、人が折角心配してるのに・・・』
京太郎「咲・・・ありがとな」
『私にお礼言う前に自制心を持ってくれた方が私は嬉しいなー』
京太郎「ハイハイ、善処します。それじゃ、俺疲れてるから切るけど・・・暖かくして早めに寝ろよ」
『だから私そんなに子供じゃないってばー』
京太郎「へっ・・・それじゃー、また学校で」
『うん、また明日、学校でね!』
ピッ
京太郎「あー、疲れた」グッタリ
京太郎「・・・へっくし!」
京太郎「うわー、これ風邪引いちゃったかもなー」
京太郎「明日までに、直さねーと・・・部活に・・・」
京太郎「Zzz・・・」
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