「あなた……誰、って、ミサカは、ミサカは……」


打ち止めは感覚的にわかった。
今目の前にいる一方通行は一方通行ではない。別の恐ろしい何かだ。
しりもちをついたまま、ゆっくりと後退る。
だがその距離を、『 アヌビス神 』 はあっさりとつめた。抜身の刀を打ち止めの首筋に当てる。


「ひっ」

「コイツ、試しぶった切ってもいいかァ？　花京院？」

「別に僕はどうでも…………ああやっぱり待て」


絶望的な宣告がひるがえされた。
打ち止めは、喜んでいいのか恐怖していいのかわからなかった。


「どこかで見た顔だと思ったら……やはり、『 アイツ 』 を尾行してる時に見た顔だ。ねえお嬢さん」


花京院は急に親しげな笑みを浮かべて、そばに片膝をついた。
打ち止めは反射的に身を引いた。


「僕たちの目的を教えてあげよう。この男をね、始末しに来たんだ」


はっと打ち止めが気付いた時には、彼女の手の中には一葉の写真があった。
その顔を打ち止めは知っている。
自分の靴のサイズを、初めて教えてくれた人だ。

「彼に対抗するためにね、一方通行の体を借りることにしたんだ。
これはしょうがないことだ。彼は負けてしまったんだから。彼の体は僕らに使われる運命にある。
……うん、しかし、もし、仮にだよ？　
が僕らより早くこの男を消してくれたら……彼の体はもういらないんだ。用済みになるんだ。返してあげてもよくなるんだ。僕が言いたいこと、わかるかな？」


打ち止めは生まれて間もない。
だが、その言葉の裏を読むぐらいの知能はある。


「ほ、ほんとう、に……？」


違う、ダメだ、と打ち止めの心のどこかが叫んだ。
違う、たぶん間違ってる！　どこが間違ってるかよくわからないけど違う気がする！


「本当さ。がんばって、やってみてくれるかい？　彼のためにも」


だめだ！　『 イイエ 』 と言うんだ！


「いっ……」


しかし、拒否したところでどうなる？
冷たい囁きが、打ち止めの頭を冷やす。
拒めば殺されてしまうのは明白だ。
なら今自分が彼にできる精一杯は何だ？　彼にしてやれる精一杯は？　そうだ、もっと合理的に考えろ。


「あっ……」


打ち止めは未分化な感情しか持っていない。
打ち止めは善悪が何かわからない。
だから、この 『 合理的 』 な決断が、実は 『 恐怖 』 から生まれたものだとわからなかった。
今から自分が、『 悪 』 にひれ伏すという最高に屈辱的な行為をしようとしていることもわからなかった。

「わっ……わかっ、た、やってみる……そ、その代わり、終わったらその人を返して！　ってミサカは、ミサカは……頼んでみる……」

「ああ、もちろんだ。結果次第では 『 あの方 』 に君を紹介してもいい」


『 あの方 』。
その単語に胡乱なものを感じたが、その時にはすでに花京院は踵を返していた。


「がんばりたまえ、打ち止め＜ラストオーダー＞。
君の勇気が――『 110年ぶり 』 に目覚めた、『 あの方 』 への祝杯となるのを期待しよう」


そして、一方通行は打ち止めの前から消えた。

　　　→TO　BE　CONTINUED....

初春「はい！　そーゆーわけで本作のコンセプトは 『 ＜あの方＞が10年寝過ごしたら 』 なんですよー」

佐天「ういはるぅ……間田プレイスにいるってことは、もしかしてボツですかァァ～～！？」

初春「いえ、ここは入れようかどうしようか迷ってる人達の控室です」

冥土帰し「まさか僕が入れられるとは思わなかったね？」

初春「主人公の能力からして医者泣かせですからねー」

佐天「怪我どころか腹に穴空いても必要ないからねー」

初春「おかげで上条さんも病院の常連さんじゃなくなっちゃいました」

佐天「出る要素ないね」

冥土帰し「ぐうの音も出ないね」

佐天「世界一やさしい能力も彼だけには優しくなかったのだ、と……」ﾄﾞﾔｧ

初春「それほどうまいこと言ってませんから」

初春「でもキーキャラですし、忘れたころにやってくるかもしれません」

佐天「大体行き当たりばったりで合わせてるからねぇ、保留キャラが多いったらないわこりゃ」

初春「それじゃあ、今日はここまででーす」

絶っ対に乙なのだァァァァァァァ――――

乙

乙
＜あの方＞が出てくるのか……楽しみすぎてヤバイ

色々な疑問が一気に解決してメチャスッキリした

乙ッ！
ってことは他の3部勢も出るかも・・・？

乙
つまり承太郎が時を止められないってことじゃあないか・・・

花京院（28）か。胸アツだな。

やれやれ
『グレート』な物語だぜ
乙！！！！！

乙、むしろあの方と接触したら承太郎のみならず仗助も進化しそう

相変わらず良いクオリティだなー
続きが楽しみで仕方ない

ダブル再構成ってことか
楽しみすぎる
乙！

え、ちょっと待って下さい何言ってるかわかんないです

なにがだ？

>>712
いいや違うねッ！
「イタい勘違いぼっち花京院(28)」だぜ！(OH MY GOD!)

そうなるといろいろ変わってくるな
とりあえずジョルノはいないのかなー

ポルポルもまだあっち側か

えーとよくわかんない４部の頃では５部組は何やってたんだろう

ジョルノ不在で他は平常運転だろ
杜王町は虹村家とアーノルド＆鈴美と鋼田一豊大が可哀想なことになってる程度か

1999年時点ではミスタさえチーム入りしてない
四部勢は...億泰父が死んでないからなあ

間違えた。肉の芽暴走してないから
形兆が矢を持ち込まない

ウィルソン・フィリップス上院議員が大統領になっている

>>726
一番の勝ち組w

アンジェロは死刑執行されてるな

脱獄進行中

グレートだぜ

コーラとペプシはスタプラとラバーズぐらい違うだろ！

グレートだぜ
あの方が10年寝過ごした設定とはやられたぜ

宝探しのオッサンどもさえ来なければ何年でも海の底でおねんねできるのがカリスマDIO様だ

あと1000年くらいねとけばよかったのに

グレートだぜ

たった今このスレを読み終わりました。

つまり花京院はぼっちのまま大人になったのか……

花京院には肉の芽が使われているのか、いないのか

とりあえず一話から続く仗助のヒロイン属性を何とかしてほしい

10年寝過ごしならヴァニラが天敵になりそうだなぁ仗助

おつ

ジョルノが存在しない

しかし、エンヤの弓と矢は元々ディアボロが見つけたのを売った物だったはず
つまりパッショーネ及びボスは原作通りっぽいのか

そしてブチャラティは、仮にトリッシュ護衛に成功し
ボスに反逆したとしてもその場で始末される
DIOが10年寝過ごすと結構大変なことになるなｗｗ
まあこのSSでは描写されない範囲だろうけど

>>742
護衛失敗どころかズッケェロにしてやられてたかもしれん

パッショーネがローマ正教とやり合ってる可能性もあるってことだよな

そこまで考えるとかお前らホントにジョジョ好きだなw

よぉぉ～～～～～～やく追い付いたァアァ

次が楽しみすぎるゼェ

>>743
そもそもジョルノがいないからポルポ生きてるだろうしズッケェロと戦うこともないな

追い付いた
ジョセフが参戦出来ないぶん、仗助が参戦ってことになるのかな

そしてポルナレフは未だ妹の仇を探してさ迷ってんのか

10年後って聞いて心から思ったんだけどさぁ……エンヤ婆、死んでねぇか？

死んでないにしても体とかいろいろやばくねぇか？

謎の術で若返ってるよ