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元スレ上条「その幻想を!」 仗助「ブチ壊し抜ける!」
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「飯でも食おーぜ。起きてから歩き通しで腹減っただろ?」
「……」
グウ。
脊髄反射的に鳴るお腹を押さえるインデックスだった。
「ついでに服も買ってやるよ。覚えてねーけど俺がやっちまったもんらしーしよぉ~」
「お……」
ヒラヒラ空手をふりながら先を行く東方仗助に、インデックスは慌てて追いつく。
「大盤振る舞いかも!」
「コーコーセーの身だからよぉ~~あんま金かかるものは勘弁してくれよな」
そういうわけでデパートに足を踏み入れた2人だった。
少し遅いモーニングを取った後ぶらぶらとウィンドウを覗いて回る。
「なんか気に入ったのあったか?」
「むぅぅ……この『でぱーと』にはイチから修道服をかがってくれるようなところはないの?」
「ねぇ……と思うけどよ~フツーの服じゃあダメなのかよ?」
「じょうすけは全然わかってないんだね。修道服を身に着けるのは『衣服としての偉大なる主』を身に纏ってるのと同じ。
一度着衣式を経たら、それ以降は絶~~~対! に、もとの平服は着ちゃいけないの」
「はぁ……? そりゃ大変だなぁ~」
「ましてやこの『歩く教会』は教会の機能的な面を抽出した、言わば服の形をした教会なんだよ。緻密かつ完璧に計算されつくした技術で作られていて、
極上の防御結界として、どんな攻撃も物理・魔術を問わず吸収し受け流しちゃうんだから!」
「でも今はタダの服なんだろ?」
「うっ……! そ、それでも! 精神的な意味合いは決して失われないんだよ! あ、今私いいこと言った」
「最後の一言がなきゃあな」
「君が直してくれれば話は早いんだけどね……」
「結局そこに行き着くのかよ」
「君は覚えてないの一点張りだけど、そこからして怪しいんだよ」
「オメーにだけは言われたくねーぜ。十万三千冊の魔道書っつートンでも話するオメーにだけはよぉ~~」
「私の話は本当だもん! ちゃんと持ってるよ、十万三千冊!」
「どーー見ても手ぶらにしかみえねーんだけどよ~俺の目がフシアナさんなのかぁ?」
「物理的手段で持ち運んだら意味がないよ。勝手に見られちゃいけないんだから」
「じゃ、どこに?」
「ここ」
インデックスは自分のこめかみをつついた。
「『ここ』に十万三千冊、全部入ってるんだよ」
「……グレート。俺もそんだけ記憶力よきゃあよ~~万年満点なんだがな~」
「記憶がよくたって扱う頭がなくちゃ意味ないよ。私には、あるけどね~」
どうだとばかりにない胸を張るインデックス。
それに東方仗助は『アワレすぎて何もいえねえ』的な一瞥をくれた。
「でもよぉー魔術書なんか狙ってなんになるんだ?」
「なんにでもなるよ。魔術っていうのは……」
そこでインデックスは口ごもり、伺うように東方仗助を見た。
「……便利なんだよ! でも原典はほとんど封印されてて、私しかその中身を知ってる人はいない。
要するに私は持ち運びできる秘蔵図書館みたいなものだから、そこに『入館』したい人は後を絶たないってわけ」
「……敵っつーのは魔道書オタクか?」
「……うん。その認識でいいかも」
「あ~~、マイナーなもんにのめりこんでるヤツほど執着心は高ぇからな~」
「マイナー?」
インデックスはむっと口を尖らせた。
「君にはわからないかもしれないけどね! 魔道書っていうのは魔術師にとってメジャーもメジャー、あらゆる力の原点なんだよ。
君にもわかりやすく言えば……石油みたいなもの! 精製しだいであらゆる力に応用可能。一冊その手にあれば莫大な富だって築けちゃうんだから!」
東方仗助はひょいっと眉を上げた。
「ふぅ~~ん、金が絡めばよぉ~確かにややこしいことになるかもな」
「まだお金目的のほうがかわいいよ。真によこしまな人間は、力自体を悪用しようとするから」
「どっちにしろオトナのジジョーってやつだよなぁ~~巻き込まれるほうも迷惑なこった」
インデックスはぱちりと瞬きをして、東方仗助の顔を覗き込んだ。
「なんだよ?」
「まるであなたが当事者みたいなセリフ」
東方仗助は「ん~~」とうなると、なんでもないような顔で手を振った。
「あれだよ。俺もその……利権問題っつーの? 遺産相続がどうたらよぉ~~ややこしいことに巻き込まれてんだ。
話が一段落つくまでこっちに移されたっつー。マー、おめーに比べれば大したことねー話かもしれねーけどよ~」
「そんなことないよ」
「うん?」
インデックスは静かに両手を組んだ。
神に祈りを捧げるように。慈愛に満ちた笑顔で。
「誰しも悩みは持ってるもの。大小は問題じゃあない。その人がどれだけそれで苦しんでるかが問題なの。そして、その苦しみを受け止めるために、主はいらっしゃるんだよ」
「ふぅ~~ん……」
東方仗助は後ろ頭を掻いた。
といってもそれは今までのように『話についてけねーぜ~』とか『わからねー俺が馬鹿なのかよ~こいつァよ~』とかいう気持ちの表れではなく、ちょっとした嬉しさと面映さのしるしだった。
「まあなんだ、ありが……」
もう一度見たときにはもういない。
ぐるっと視界を一巡させると、右斜め後ろで瞳をキラキラさせていた。
「じょうすけ……それで今現在、私もちょっとした悩みを抱えて苦しんでるんだけどな……!」
前方に熱烈な目ビームを送りながら言うインデックスにつられて目をやれば、そこにはパフェの路上販売車がとまっていた。
「食いてーの?」
東方仗助には不可解なことだが、インデックスはむっと目を怒らせた。
「誤解しないで欲しいんだよ、じょうすけ。私は『あれが食べたい』はもちろん『お腹すいたナー』さえもまだ言ってないんだよ!
私はシスターであり、修行中の身ゆえ、俗世的な欲求を解放することは禁じられてるんだから。
でも! もしも! ここで誰かが私にあれを『施して』くれたら、その人の厚意を無駄にしないためにも食べざるを得ないという状況になったりならなかったり!」
「どっちだってぇ……マッ、いいけどよぉ」
というわけで、東方仗助は生まれて初めてお布施というものをした。500円相当くらいのを。
ビルの屋上から見下ろす一対の目がある。
地上ははるか数百メートル先だというのに、その瞳はひしめく人間の顔一つ一つを確実に検分していく。
検分。排除し、絞り込む。
検分。排除。絞込み。
検分。排除。絞込み。
検分。排除――……。
そして、とうとうある一点で瞳は止まった。
キチキチと焦点を定め、確かにそれだと認識した瞬間――。
五芒星の刻まれたカードが、さっと空を舞った。
「おいしー……ほっぺがとろけそうなんだよ~」
「そっか。落ちねーようにちゃんとおさえてろよ」
フンフンご満悦で鼻歌を歌うインデックスの隣で、東方仗助はちらりと時計を見た。
「そろそろ昼も回るしよ、教会ってヤツを探さなきゃいけねぇな」
「その必要はありませんよ」
凛とした女性の声が響き、インデックスの頬からさっと血の気が引いた。
「彼女は私どもが保護しますので」
コツ、コツ。
カチャ、カチャ。
ヒールがアスファルトを叩く音に混じって、聞き慣れぬ金属音。
「ひ、人払いのルーン……いつのまに!」
「はぁ?」
「じょうすけ、逃げ……!」
インデックスの言葉をかき消すように烈風が2人の間を裂いた。
「これは……魔術……!」
「ハイ?」
コツ、コツ。
いつの間にか人通りの失せた通りの向こうから、一人の女性が歩んでくる。
「あなたは……!」
「神裂火織……と申します」
長い髪を高く括り上げ、Tシャツに片裾を切り落としたジーンズ。
帯刀。
冷たい目。
「魔法名は――――救われぬ者に救いの手を(Salvere000)」
「少年。彼女を渡してもらえますか」
抑揚のないセリフ。
機械的な声で儀礼的な問いをする。
一歩、女がこちらに歩を進める。
思わず後ずさりしたインデックスの背中に東方仗助の体が当たり、彼女はそのまま少年のほうへ引き寄せられた。
「『七閃』」
呟くような声と共に、2人の間を再び斬撃が駆け抜ける。
遅れて、二人の肩口がぱくっと割れ、ついでにイチゴチョコバナナパフェが攫われて地面に落ちた。
「う、うぅ……」
呆然とする少女。事態を呑み込めてないらしい少年。
絶対的弱者に、神裂火織は容赦なく凄みを利かせる。
『その気になればいつだって殺せるのだ』『屈服しろ』と慇懃な裏で言い聞かせる。
「私の七天七刀が織り成す斬撃速度は、一瞬と呼ばれる時間に『七度殺す』レベルです。『必殺』といっても過言ではありません。
もう一度問います……『その子を保護させていただきたいのですが?』」
「うぅうっ……あ……」
一瞬の沈黙。
インデックスの瞳が涙に揺らいだ。
「あんまりなんだよ……あァァァァんまりなんだよォォォッ!! うわああああんッッ!! 私のパァァァフェェェがァァァァーー!!」
「……は?」
思わず神裂火織は止まった。
インデックスは人目もはばからず、
『萌え』という観点から言えばぶっちぎり不合格の顔で泣き喚く。
「うわあああああんん!!! おォーーいおいおい!! 私ィィィのパフェァァァァ!!!」
「グレート。泣くなよ~だめになっちまったもんはしょぉがねぇじゃあねーか~」
「……あなたたち」
「うあああああ!! あーんあんあん!!」
「ホラ泣くなって~また新しいの買ってやっからよ~」
「話を聞き」
「あのパフェ!! あのパフェがよかったんだよォォォ!!」
「ああ。バナナチョコパフェな」
「苺チョコバナナァァ!」
「バナナチョコバナナパフェ?」
「イチゴォ!」
「イチゴでもバナナでもいいから……」
「あーそだったそだった、こーゆーパフェだった、な!」
「ぶっ!?」
さすがにイラついたのか目を伏せた隙に東方仗助は神裂火織の顔面めがけてパフェを投げつけた。
結果、命中。
「逃げるぜインデックス!」
「いえすさー!」
まさに脱兎。ついでに、泣いたカラスも泣き止んだ。
神裂火織の顔からぼとりと甘味が落ちる。
クリームまみれの顔面から除く瞳は、漆黒の意志を備えていた。
ダダダダダダ。
2人と一人の距離はどんどん広がっていく。
「インデックスよぉ~んでなんなんだあ? あのプッツン女は?」
「私にもよくわからないけど、十万三千冊を追ってる魔術師の一人だよ!」
「魔術師ィ? あーなんつーか、考え甘かったみてぇだな」
「私が早く別れてれば……!」
「おいおい、今サラんなこといってもショーがねーでショウよ。おめーの力であの女どうにかできねぇのかよ?」
「私は魔力がないから魔術は使えないの! それよりなにより大変なのは、あの人が魔法名を名乗ったことだよ!」
「いやだからそーゆー専門用語使われてもよ」
「黙って聞いて!」
「はい」
「魔術師にとって魔法名を名乗ることは紳士が手袋を投げるのと同義。つまり、『覚悟はできたか? 私はできてる』っていう宣戦布告に等しいんだよ!」
「つまり相手は殺る気マンマンってことか」
「そ、そして私達に対抗策はない……」
「詰んでね?」
「『七閃』」
少々震えた声が二人の耳に届くなり、先ほどより威力の増した斬撃がアスファルトを引き裂いた。
直後、「どぉわっ!?」と「きゃあ!?」という悲鳴と、重いものが地面に倒れる音。
それらを視界に入れることすらせず、神裂火織は重苦しくうめいた。
「……阿呆らしいことで時間を割かせないでください」
「うお~どうするインデックス、しかしうまく回り込まれたぜ」
「迷い込んだ時点でチェックメイトの予感はしてたんだよ……」
「阿呆なのか、馬鹿なのか……どうもいまいち危機感に欠けますね、あなたは……」
神裂火織は抜刀すると、しりもちをついた東方仗助に切っ先を向けた。
「! やめて!」
「殺しはしません。返答によっては、ですが……さて、答えていただきましょうか。
『禁書目録を保護させていただきたいのですが?』」
「……そ~~言われてもよ~俺ァ保護者じゃあねぇし……ッ!?」
「じょうすけ!」
グッと。
喉もとの刃が薄皮を裂く。神裂火織は目を細めた。
「選択肢はイエスかハイだけです。今度それ以外を口にしたら……まず耳を削ぎます」
実際に刃が喉を離れ、少年の耳に当てられる。
「次に鼻を。それでもダメなら頬を」
「……それでもダメなら?」
冷や汗を浮かべながらなお不敵なまなざしを失わない少年に、
神裂火織は再び切っ先を喉に向けた。
「その時代遅れの髪ごと頭を叩き割って、彼女を保護するまで……!」
インデックスは「やめてそれだけは!」と言おうとした口をパクッと閉じた。
ごっくんとつばを飲み込んだ。
ゆっくりと理解する。
今、目の前の女が『何』を言ったか。言ってしまったか。
「こ、この人……い、今、やばいことを……」
「……?」
間近にいたインデックスは、はっきり彼の背中から得体の知れない凄みが立ち上ってくるのを感じた。
効果音にするなら『ゴゴゴゴゴ』といったところか。
それは徐々に大きくなり、大気を震わせる。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
東方仗助はゆっくりと顔を上げた。
「てめー……俺の髪がどーしただとコラァッ……!」
何もこんな時に『目覚め』なくっても! というのがインデックスの正直な感想だった。
「アァ~~? もう一度言ってみろオイ」
とめる間もなくグウゥンッと立ち上がる東方仗助。喉に食い込む刃を気にかける気配もない。
いきなり雰囲気の変わった少年に神裂火織も戸惑ったらしく、思わず刀を引いた。
だが彼女も歴戦の勇者、すぐ気を取り直す。
「警告します。それ以上動くなら……」
「ゴチャゴチャ言ってんじゃあねーぞこのアマァ!」
仕方がない。と神裂火織は冷静に判断を下した。
少々しゃれにならない怪我をするかもしれないが、『自分は警告したのだ』。
柄を握る手に力を込め――
「なっ……!?」
瞬間、神裂火織は瞠目した。
インデックスが影も形もなくなっているのだ。
普段の彼女にはありえないことだが、一般人にすごまれるという常にはない事態のせいで、完全に気が逸れていた。
「なるほど。彼女を逃がすためにあえて……というわけですか」
「ハァ!?」
実際はプッツン仗助のとばっちりを恐れて植え込みに隠れただけなのだが、どちらもそのことを知るよしはなかった。
「まんまとしてやられました。それに敬意を表し改めて名乗らせていただきましょう。私の名は」
「耳クソ詰まってんのかテメーは! 俺の髪型に何てケチつけたか聞いてんだよ俺ぁよぉ~~ッ!!」
「……魔法名をさえぎるとは。いいでしょう、無礼には無礼でお返しします。私の思うところ……」
「あなたの、頭は、センスが、最悪です」
プッツーーンッ。
と、東方仗助の頭の中で音が響く。
完全に少年の瞳孔が開いたことに、神裂火織は気づかなかった。
「ブッ飛ばすァッッ!!!」
「来なさい……あなたがそうまであの子を守ろうとする理由はわかりかねますが……向かってくるなら、この神裂、容赦はしません!」
すれ違いまくりながら、戦いの幕は切って落とされた。
とは言うものの、神裂火織は、これが『まとも』な勝負になるとは思ってなかった。
自分はロンドンでも十本の指に入る魔術師。大して相手はズブのド素人。
経験から違う。潜り抜けてきた死闘の数が違う。覚悟の強さが違う。
圧倒的な力の差を見せられてなお立ち向かってくる勇気はすばらしいが、勇気だけでどうにかなるほど世界は優しくない。
せめて一発で再起不能にしてやろう。
神裂火織は抜刀の構えをとった。
「『七閃』」
居合いの構えは形だけ。
実際は仕込んだ七本の銅糸が目標を切り裂くのだ。
少年はなすすべもなく四肢を切り裂かれ地に伏せる――とここまで脳内シュミレーションしていた神裂火織を――比喩ではない――衝撃が襲った。
ガギンッッ。
「!? なっ!?」
少年は動いていない。
動いていないのに、銅糸すべてがはじき返されたのだ。
馬鹿な。何をした。
それより何だ今の感触は。あたかも拳で撃ち散らされたかのような今の感触は!?
「……るさねぇ~~!」
「ハッ!?」
呆然としていた一瞬が勝負を分けた。
東方仗助は既に懐に滑り込んでいる!
「この髪型をけなすヤツァ! だれであろ~と許しゃしねーー!!」
「ななせ……!」
ドゴォッ。
拳が神裂火織の頬をえぐった。
「ぐっ……うっ……!」
「ドォラァーーッ!!」
いや。神裂火織は感じていた。
『もうひとつの拳』が自分を殴り抜けるのを。
これは一体なんだ。
私はこれを知らない。
『こんなことが、あるわけがない!』
「ドォララララララララーーーッ!!!」
体中に『二重の拳』が叩き込まれる。
肋骨・鎖骨・上腕骨の折れる音を最後に、神裂火織は意識を失った。
ドサリ。
神裂火織の体が地に落ちる。
「じょ……じょうすけ、すごいんだよ!」
「はぁ~~? ってうお!? やっべ、女殴っちまった!」
「それでもすごいんだよ! 魔術師を拳だけで倒しちゃう人なんて、私、初めて見たんだよ!」
「いや、いくら魔術師でもこのボコボコ加減はやべ~って~~とりあえず救急……」
フシュッ。
軽い音がして、東方仗助の体から赤い霧が噴出した。
「……え……?」
「お、おぉ?」
ボタボタボタ。
少年の足元に赤い水たまりができる。
「じょうす……」
東方仗助は一度インデックスと目を合わせたあと、くるりと白目を剥いて仰向けに倒れた。
「じょうすけ!!」
それと入れ替わるように、神裂火織が動いた。
相当なダメージだったのか、膝は震え、ほとんど刀にすがり付くようにして起き上がる。
「……慢心……」
一瞬。
気を失っていたのは一瞬だった。
自分の執念が勝ったというわけではない。
あまりの激痛に、気絶さえ許されなかったというだけのこと。
脳内シュミレーション?
ズブの素人?
馬鹿らしい。
「相手がなんであれ……己がなんであれ……わかりきった未来など……ありは、しない……」
これは『罰』だ。
『ヤツは決して私に勝てない』という慢心が、この怪我を生んだのだ。
「『唯閃』を使ったのは……あなたへの敬意……そして、己への戒めのためです……」
ハァハァと息も荒く神裂火織は抜刀する。
殴られた際に噛んだのか、口の中もズタズタだ。喋るたびに痛み、血があふれる。
ようやっと刃を意識のない少年へと向ける。
体中がきしんで今にも意識が飛びそうだ。
それでも自分はこの少年を殺さねばならない、と神裂火織は考える。
未熟な過去は打ち払わねばならない。
自分がこれからやり遂げることのためにも、自分がこれから進むべき道のためにも。
「…………?」
「私が……これから……?」
神裂火織はひどいめまいを感じた。
私がこれから『やり遂げること』とはなんだっただろう?
決まっている。
彼女を保護するのだ。
保護して――保護して――?――とにかく保護するのだ。だって彼女は私の――私の?――
「私の……」
「だめぇ!!」
腰あたりに重い衝撃を受け、神裂火織は倒れ付した。
また頭を打ったらしい。
思考が真っ白に染まる。
――私は――私は――?
答えは出ないまま、神裂火織は今度こそ、深い意識の泥沼に沈んでいった。
→TO BE CONTINUED....
物語は動かない(ペース的な意味で)
とりあえず今回はここまでです。
>>それでも自分はこの少年を殺さねばならない
[ピーーー]って……良いのか?
自分が負けそうになったからって、相手は民間人だぞ。
そこまで考えのない人だっけ?
[ピーーー]って……良いのか?
自分が負けそうになったからって、相手は民間人だぞ。
そこまで考えのない人だっけ?
くそっ、なんてこった
仗助のヤロー、魔術師の魅力的な服を直しやがった
仗助のヤロー、魔術師の魅力的な服を直しやがった
学園都市にきてスタンド発現して、まだスタンドを自覚してない状態かな?
スタンドはスタンドでしか倒せないから、最強の盾になるけど本体狙われるとアウトだし。
仗助なら戦闘力的にも釣り合うよね。
スタンドはスタンドでしか倒せないから、最強の盾になるけど本体狙われるとアウトだし。
仗助なら戦闘力的にも釣り合うよね。
>>78
四部の冒頭読み返せ
四部の冒頭読み返せ
魔術師にやられた、とインデックスは言った。
上条当麻は目の前の不良神父が魔術師なのだと、とっさに思いつく。
次に湧き上がったのは腹の底からの怒りだった。
「てめえ……!」
「そんな目で睨まれても困るんだけどなぁ。それをやったのは僕じゃないし、こっちだって仲間をやられたんだ」
赤髪の男は肩をすくめた。
態度自体はおどけているが、表情筋はピクリとも動かない。
冷徹な瞳でこちらを睨む少年と、その背後の少女を観察している。
「正直予想外だったよ。あの神裂が再起不能に追い込まれるとはね……ま、代償は大きかったみたいだが……」
タバコを挟んだ指を三人へ向ける。
「その傷じゃあ持って15……いや10分ってところかな」
「10分……」
ズシリと、腕の中の重みが増した気がした。
「そうだよ、10分さ。たった10分。だからさ、ここでグダグダやってる暇はないだろう?
彼女さえこっちで確保できれば、僕はおとなしく帰るよ」
「! それは本当!?」
勢い込むインデックスに男は口角だけ上げた。
「あぁーー本当さ。だからこっちへおいで」
「だが断る」
と言ったのは上条当麻である。
迷わず男の元へ行こうとしたインデックスを押しとどめ、男を強く睨みつける。
「東方をこんなにしたヤツが……こんなことをしたヤツの仲間が約束を守る保障なんてどこにもねえ。いや、あるかもしれねえ。だけど!
そうだとしても、インデックスをお前なんかに渡すつもりはない!」
「とうま……」
男は「ふぅん……」とため息を漏らすと困ったように眉尻を下げた。
「理解してない様だから言っておくけど……僕はまだ魔法名を名乗ってないんだ。殺し名をね。
君たちを殺す気はないってことだよ。今はまだ、さ。この意味がわかるかな?」
「知ったことかよ! インデックスは絶対に渡さねえ! 東方も病院に連れて行く! だからとっととそこをどきやがれ!」
「あ、そう」
呟いて男がタバコをほうり捨てる。
突如。
それから炎が噴出し巨大な火の塊となった。
「くっ!?」
熱気が上条当麻を焼く。
男の掲げた右手に炎が収斂されていく。
「申し遅れまくったけど、僕の名はステイル=マグヌス。魔法名は『我が名が最強である理由をここに証明する(Fortis931)』だ」
「あれが……魔術……ッ!」
上条当麻は迷った。
自分の『右手』は異能を無効化できる。
しかし、そこでいう異能とは超能力に限っており、魔術なんぞというメルヘンチックなものにも有効かはわからない。
それでも……やるしか……!
――だけど俺は――。
――俺は、『透明の腕』を打ち消せなかった――。
ブワッと上条当麻の顔に冷や汗が浮かぶ。
かざそうとした右手が止まった。
「炎よ―― 巨人に苦痛の贈り物を(Kenaz PuriSazNaPizGebo)!」
振りかぶり、振り抜く!
その軌跡を追って炎塊は横一文字の炎剣へと姿を変えた!
「狙いを右へ(AATR)!」
ステイルの声にかぶせるようにしてインデックスが叫ぶ。
瞬間、炎が大きく軌道を逸らした。
「何ッ!?」
炎剣は制御を失い、壁にぶつかって天井に燃え広がる。
「今のうちに!」
「なっ……何言ってやがる! お前も一緒に逃げるんだよ!!」
「きゃ!?」
東方を担いで動かないインデックスの襟首を捕まえ、上条当麻は炎をかいくぐって走った。
目指すは先ほど乗ってきたエレベーター。
幸いにしてすぐドアは開いた。2人と共に転がり込み、『閉じる』ボタンを探す。
その目に、魔術師の姿が映った。
「灰は灰に(AshToASh) ―――――塵は塵に(DustToDust)」
熟れた果実をつぶすような形にした両掌に、炎がともっていく。
なんか――。
上条当麻は冷や汗を流す。
なんか――やばい!
「吸血殺しの――紅十字ッ(SqueamishBloody Rood)!!」
ステイルが十字に両手を振りぬくや、二本の炎剣が現れ一直線に3人に向かう。
上条当麻はあわててボタンを叩いた。
だが遅い。遅すぎる。
ドアの閉まるのが遅すぎる!
「うおおおおっ!!」
ボタンから手を離し『右手』をかざす。
「刀の切れ味は(ISI)……ッ!」
インデックスの叫び。
間近に迫る炎。
瞬間、上条当麻の背後から『両腕』が飛び出した。
一瞬分の一の速さで両開きの扉を掴むと、力任せに閉扉する。
直後、ドアの向こうが真っ赤に染まり、上条当麻は慌てて奥へ下がった。
ゴゥン……。
こもった音と共にエレベーターが動き始めた。
「はぁ~~~……な、なんとか逃げ切れた……かな」
インデックスの声が静寂を破った。
「今のは……」
荒い息をつきながら、上条当麻は東方仗助を見た。
さっきと変わりなく背負われたまま、ぐったりと目をつぶっている。
「『透明の腕』……俺達を、助けてくれたのか?」
頭にクエスチョンマークを浮かべて見つめてくるあたり、インデックスにはやはり見えなかったようだが。
いや、考えるのは後だ。と上条当麻は頭を振った。
「とにかく救急車!」
「キューキュー……ってじょうすけも言ってたけど、それが来れば生命力(マナ)の補充ができるの? 今から呼べば間に合うんだよね?」
「わからねえッ、とにかく呼ぶしか……」
ピタリと上条当麻は口をつぐむ。
「今のお前の口ぶり……魔術の世界では、魔術で傷を治すのか? ゲームの白魔法みたいに?」
「白魔法がなんなのかはわからないけど、うん」
「本当か!?」
「でも! 私自身は魔術を使えないんだよ」
「え、でもさっき……」
「あれは相手の魔術に割り込みをかけただけ。君たちの知ってる合気道みたいなもので、相手の力を利用した技術でしかないんだよ。
魔術自体は、手順さえわかれば普通のヒトにもできるけど……」
「なら俺が……ああクソッ、だめだ、俺の『右手』じゃあ……いっそ友達に頼んで」
「それもだめ! 超能力者にとって魔術の理論は毒みたいなものなの。使ったらそれだけで脳が破壊されちゃうんだよ!」
「なっ……」
なんてこったと上条当麻は頭を抱えた。
ここは学園都市。『能力開発』を受けた学生が住む町だ。
それなのにその学生では、東方を助けられないときた。
学生では――……。
「……!!」
月詠小萌はストレスのない日々、をモットーとしている。
職業は教師。
毎日定時には仕事を終わらせ、同僚と疲れをいたわりあって遅くとも11時には家に帰る。
酒はかっくらう程度。灰皿一杯(いっぱい、ではない)のタバコが日課。
軽く向かい酒を終えた後、20分のストレッチをして床につけばほとんど朝まで爆睡だ。
彼女の秒刻みの体内時計はこうしてできている。
「小萌先生! ちょっとあがらせてもらんます、すいません!」
だが、今夜だけは安眠できそうにない。
「えぇ~~ちょ、ちょっと待っ」
「このテーブル借りるんだよ!」
「ちゃぶ台ですけど、って誰なのですかこの子はぁ~~上条ちゃ……ってふわぁ!? 東方ちゃん!? こ、この怪我は!? ケンカでもしたのですか!?」
「『蟹座の終わり。八時から十二時の夜半。方位は西方。ウィンディーネの守護。天使の役はヘルワイム』」
「何をやってるのですかぁぁ~~~!!」
「小萌先生!」
ガシッと両肩をつかまれ、真剣な瞳で見つめられる。
教え子とはいえ、小萌は思わず赤面した。
「か、上条ちゃ……」
「俺、救急車呼んできます。その間この子のいうこと聞いてやってください。ちょっと事情が込み入ってるんで……頼んます!」
「え? ちょっと……」
バタンッ。
少々強引過ぎたろうか。
だが本当のことを言うわけにもいかないし……言ったところで信じてもらえるとも思えない。
上条自身、いまだ半信半疑なのだ。
上条当麻は自分の手の平を見つめた。
「俺の『右手』は異能を打ち消す……意識無意識にかかわらず、な……。あの場にいたら回復の魔術すら打ち消しちまう……だから、出て行くしかなかった……!
俺は情けねえヤツだよ……目の前で苦しんでる友達の一人も助けられねえ……。でも……!」
ぐっと拳が握られる。
上条当麻は振り向いた。
「『守る』ことなら俺にだってできる!」
「驚きだね……気づいてたのか」
ステイル=マグヌスはやはり、セリフとは裏腹に感情らしきものを滲ませることなく言った。
ステイルの瞳がぐるりと辺りを見回す。
「あの子をどこに隠した?」
「あんたはこの辺にいると思ってるんだろうな……悪いが、はずれだぜ」
上条当麻の左手を見て、ステイルは目を細めた。
ちらりと忌々しげな表情が顔の上をよぎる。
「あの子のフード……なるほど? それでサーチかけてるってのもばれてたのか……ふぅん……少しだけ褒めてあげるよ」
「見破ったのはインデックスだ! そして俺が利用した……お前をおびき寄せるためにな!」
「君を……」
再び、ステイル=マグヌスの顔から表情がごっそり抜け落ちた。
似合わない、と上条当麻は思う。
なんとなくだが、この男は『もっと色々な表情をしていい気がするのだが』、と。
「黒焦げの消し炭にする前に聞いておきたいんだけどね、『どうしてだい』? どうして、彼女のために危険を冒すようなマネをする?」
「理由なんてねえ……守りたいから守るんだ!」
「ふぅん……」とステイル=マグヌスはため息をついた。
「それってエゴかい? それとも意地かい? それとも、カワイソウな女の子を助ける俺カッコイイーっていう自己満足?
君はあの子の何を知ってる? 彼女の年齢・出身地・宗派・オーダー名……これのどれかひとつでも言えるかい?
知らないのにどうして今やってることが彼女のため、なんて信じ込めるんだ? 僕にはとてもできない」
「……るせえ」
「うん?」
「うるせえっつったんだよ! この無感情ヤロウ!!」
怒声が空気を震わせた。
「今、『理由なんてねえ』って言ったばっかりだけど……訂正するぜ。『理由なんていらねえんだ』!
女の子が誰かにつれさらわれそうになってるッ、そんな場面で『助けてやりたい』って思うのは人間として当たり前のことだろう!?
ぐちゃぐちゃ理屈こねて『助けない理由』を探すより、ずっとずっと人間的だろうが! そうじゃねえのかよ!?
まして、てめーら見ず知らずの人間を傷つけて平気な顔してる連中に……あいつを渡せるかよッ!!」
「フーッ……君さ、感情論って知ってる?」
「お前をぶん殴る方法ならよーーく知ってるぜ」
「じゃ、それが遺言ってことでいいのかな?」
それを合図に、ステイルの手から炎が噴き出した。
「逃げ回るしか能のない一般人がッうすっぺらい感情なんかで魔術師の世界に足を踏み入れるんじゃあない!」
罵声とも怒声とも違う、ただの大声をあげてステイルは炎をぶちまけた。
「ただ、女の子の命を守りたいっていう!」
上条当麻はその炎を正視した。
瞳にもはや怯えはない。
「それのどこが薄っぺらだ魔術師ィィーーッ!!」
右手を振るう。
炎はあっさりなぎ払われ、四散し、消滅した。
「……何?」
「悪いけど……お前の魔術は俺には利かない。たとえ何百発撃とうと、何千度の炎を出そうと、絶対にな! 理解したか? だったらとっとと尻まくって帰りやがれ!!」
「……いい気なもんじゃあないか、たかがあの程度の術を破ったくらいで……!」
語気を強めると同時、ステイルの体がかげろうのように揺らいだ。
彼を中心円状に炎が渦巻いて現れる。
「―― 『 世界を構築する五大元素の一つ、偉大なる始まりの炎よ (MTWOTFFTOIIGOIIOF)
それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり (IIBOLAIIAOE)
それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を滅する凍える不幸なり (IIMHAIIBOD) 』 ――」
ステイル=マグヌスは静かに右手を掲げる。
その掌の中で、炎は明確な形をとりつつあった。
「『 その名は炎、その役は剣 (IINFIIMS)
――顕現せよ、我が身を喰らいて力と為せ (ICRMMBGP) !! 』」
爆風に近い勢いで炎が巻き上がり、黒い人影を形作る。
上条当麻は思わず後退った。
「でっ……でかい……!」
でかすぎる。
身長2mはあろうかというステイルの二・三倍はある。
「魔女狩りの王(イノケンティウス)……その意味は…… 『 必ず殺す 』 」
黒く燃える人影が腕を振るう。
上条はとっさに『右手』で受け止めた、がッ……!
――利いてない!?
「いや! 打ち消してる! ちゃんと打ち消してるけど……こ、こいつッ! 消した傍から再生してるのかッ!」
イノケンティウスが半自動操縦型で、向かってくるだけの動きしかしないのは上条当麻にとって幸運だった。
だが、この状態で手を離せば燃え尽きる。
手を離さなくてもこのままではジリ貧だ。
「へぇ……どんな能力か知らないけど、中々やるもんだね。さて、どこまで持つか……ッ」
その時、ステイル=マグヌスが真顔で血を吐いた。
「なっ……!?」
驚く上条とは対照的に、ステイル=マグヌスは無表情を崩さず血をぬぐう。
「ここはどうも地の利が悪いな……。方位は北・星は水(モイスト)の蟹(カンケル)・色は黒・おまけに栗の木まで植えてあるじゃあないか……ここまで相性が悪いのも珍しいよ」
「それらを無視してイノケンティウスに百パーセントの力を発揮させるんだ……それってつまり、自然の摂理を一時的とはいえ捻じ曲げるってことだからね……ダメージを負うのは当たり前、か」
「お前……! どうして、そうまでして……!」
「どうしてって…… 『 やらなくちゃいけないからだよ 』」
ステイル=マグヌスは不可解そうに答えた。
地球が回るようにこんなことは当然だとばかりの態度で。
「~~ばっかやろうが!!」
「バカヤロウとはご挨拶だね。別れの挨拶にしては乱暴すぎる、か、ゲホッ」
「俺は……」
「?」
「俺はお前にも事情があるんだと思ってた……だからこんなことしてるんだって! けどな、今はっきりわかったぜ! お前はお前の意志で動いてるんじゃねえ!!」
「……何を言ってるのかよくわからないな」
「わからねえならッ!」
上条当麻の『右手』が炎を突き進んでいく。再生する炎と熱気に手首から上がチリチリとあぶられる。
それでも上条当麻は手を止めない!
とうとう『右手』はイノケンティウスの体を貫通し、真っ二つに分散させた!
「なッ!?」
形が崩れ、炎の塊となったイノケンティウスを上条当麻はしっかりと『掴んで』いた!
ちょうどステイル=マグヌスが掌に炎を集めていたときのように!
再生する傍から形を崩され、これでは身動きが取れない!
「わかるまで叩ッ込んでやるだけだーーッ!!」
上条当麻がまっすぐこちらに向かってくる。
右手を構えてやってくる。
『 イノケンティウスを掴んだままの右手を構えて! 』
「しまっ……!」
イノケンティウスは自動追尾型の魔術!
術者といえど(普通ありえない話だが)攻撃されればダメージは食らう!
その熱は鉄すら融解する3000度! 生身が当たればひとたまりもない!
『 イノケンティウスを解除しなくては! 』
『 解除して、別の術でヤツを迎え撃たなければ! 』
ボシュッ。
花火を水につけたような音と共に上条の手の中の炎が消える。
上条当麻の拳が、固く握られた。
「は、灰は灰に(AshToASh) ―――――」
「うおおおおあああーーーッッ!!」
「―――――塵はちっ」
ドグオォォッ。
ステイル=マグヌスは空を見た。
見させられた、と言ったほうが正しいか。
打たれた顎から伝わる鋭い痛み。
その痛みが、放射状に広がって、とうとう頭の芯にまで届く。
瞬間。
パキィィンッ、と何かがブチ壊れる音を、ステイル=マグヌスは確かに、遠ざかる意識の中で聞いた。
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