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元スレ上条「俺がジャッジメント?」初春「2です!」
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よくしめてくれた
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素晴らしい
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土御門「おっす──────ってあれ、カミやんは?」
インデックス「とうま? 寝ちゃってるかも」
土御門「そうなのか? ってもう昼前だぜい、まだ寝てるのかにゃー?」
インデックス「なんかね、昨日は眠れなかったらしくて。今頃寝付いちゃったんだよ。それで、どうしたの?」
土御門「んー、こっちの方の報告をしておこうと思ったんだが、寝てるのか。まあいいや、上がらせてもらうにゃー」
インデックス「おいでませ、なんだよ!」
いつものサングラスを光らせ、家主に断りも入れずにずかずかと土御門は入り込む。
とは言いつつもいつもの事でもあるので何ら問題はない。
それを迎え入れるインデックスの様子も、随分手慣れたものであった。
神裂「土御門」
五和「こんにちは」
土御門「おっす。カミやん寝てるらしいけど、とりあえずの報告をしに来たんだぜい。しかし今日は寒いんだにゃー」
神裂「こんな寒い日でも上条当麻はよく冷たいバスタブで眠れるものですね…………」
インデックス「私は一緒の部屋でも構わないのに、とうまったら聞かないんだよ」
五和「上条さんと同じ部屋で寝る…………私、抑えられる自信がありません」
オルソラ「温めて差し上げたいのでございますよ」
土御門「カミやんは謎の防御力が備わってるからにゃー、ちょっとやそっとの事じゃあの防壁は剥がせそうにないんだぜい」
報告をしに来た────はずだが。
しかし話題はこの部屋の家主の事ですっかり染まっていたりしているのだが、大丈夫なのだろうか。
大丈夫なのだろう、うん、きっとそうだ。
「ぐはっ!?」
浜面「っ!?」
後方に吹き飛び、勢いよく壁に激突する音が鳴り響く。
瞬きの間の様な一瞬の出来事。
浜面はその方を見るが、何によって吹き飛ばされたのかは解らなかった。
いや、解ったが解らない。
垣根の能力だというのは解る。
しかし浜面がいくら考えを張り巡らせた所で、第二位の能力の特性など理解出来やしないだろう。
アイテムの面々でさえ、太刀打ち出来なかった第二位のその力。
立ち向かおうとする事すらバカバカしく感じさせてくるその垣根の能力に苦虫を噛んだ。
浜面「くっ………………!」
「ガハッ…………、ぐ…………!」
浜面「おい、大丈夫か!?」
床に崩れ落ち、うめき声を上げた仲間に声をかける。
手加減をしたのだろうか、死に至るような攻撃では到底なかった様子で浜面はそこでほっと一息ついた。
「垣根を復活させてくれたからね、本当は君達に危害を加えるつもりはない。
ただ、歯向かう様であれば──────」
研究者は一息入れる。
無敵の道具を手に入れた恍惚な笑みを浮かべているかの様であった。
「次は、命はないと思い給え」
そう告げた瞬間、浜面達は理解し得ない『何か』によって吹き飛ばされ、意識を失った。
黒子「ええ、いいですわね。お姉様にも聞いてみますの」
黒子と美琴が暮らす常盤台の一室にて、黒子はそう口に出すと耳に当てていた電話を離す。
電源ボタンを押し、通話を切るとカップに注がれたそれを口に含んで喉に流し込んだ。
黒子が口にしていたのは、先日第一七七支部に買い置きしたそれと同じもの。
彼も飲むそれに自分も慣れようとこっそり努力しているのだが、大人っぽい苦味にまだ自分の舌は慣れない様でちょっぴり表情を歪ませて舌を出した。
美琴「さっぱりしたー」
すると、タオルで髪の毛を吹きながら相部屋で暮らす尊敬すべき先輩が浴室から出てくる。
朝に浴びるシャワーがとても気持ち良さそうにしており、機嫌も良さそうであった。
美琴「あれ、コーヒーのいい匂いがするーって黒子? アンタ、コーヒーなんて飲んだっけ?」
黒子「ええ、淑女としての嗜みですの」
美琴「淑女、ねえ」
ここでは嗅ぎ慣れないその香りを美琴は不思議そうにしていたが、嫌いな香りでもなくまあいいかと納得した様な表情をみせた。
美琴の調子もなんとか以前に戻りつつあり。
昨日は結局夜に帰宅をし、夕食も美鈴と外で食べてきた、と言っていた。
やはり母親との時間が美琴を落ち着かせたか、一昨日のあの時とは随分と顔付きが変わっていた。
美琴をそんな顔に戻したのが自分ではない事に少し悔しさがあったのだが、それでも戻ってくれた美琴のその様子に安堵感の方が遥かに上回っている。
黒子「お姉様、今初春から電話がありまして。初春と佐天さんと四人でお昼でもいかがかと言っておりましたの」
美琴「うん、今日は用事もないし、いいわよ」
黒子「お姉様ゲットですの! 黒子は、黒子はああああぁぁぁ」ガバッ
美琴「やめい」ビシッ
黒子「あう」
美琴からの返事で飛び付くと、やんわりとチョップで止められる。
どうやらそんなおちゃらけた戯れにも付き合ってくれるのが黒子は嬉しく感じ、表情は笑みで溢れていた。
美琴「髪乾かそっと」
黒子「お手伝い致しますの!」
美琴「いいからいいから」クス
黒子「残念ですの」クス
二人して笑い合いながら、ドライヤーにて美琴が髪を乾かす。
いつも通りのやり取りが、いつもよりやけに楽しく感じられたのは気のせいではないだろうと思う。
初春「あ、白井さん、御坂さん」
佐天「こんにちはっ」
黒子「こんにちはですの」
美琴「ごめんね、お待たせ」
集合場所としてセブンスミストの前で待ち合わせた四人の楽しげな声が響く。
本当に仲良さげなその四人は、皆揃って容姿のレベルが高く、道行く男子学生達の視線を密かに引き寄せていた。
美琴の様子を初春は窺う。
いつも通りに見えるその笑顔に初春も黒子と同じく安堵をしていた。
それはもちろん佐天も同じ気持ち。
大切な友達の美琴の明るくなったその顔がなんだか嬉しく感じていた。
美琴「どこ行くの?」
佐天「なにを食べるかによりますねー」
黒子「イタリアンなんてどうですの?」
初春「イタリアン…………」
昨日の上条と共に摂った夕食を思い出す。
あれは厳密にはイタリアン専門店ではなかったが、似たような物であり。
違うものを食べたい気分―――――――――
とかそんな事はもはや頭にない。
初春「…………………………………………ふぁぁ///」ボフッ
佐天「初春?」
美琴「ど、どうしたの?」
彼と夕食を共にしたとか、楽しく話をしたとか、食べさせ合いっこをしたとか。
それだけでも卒倒ものであったのだが―――――それよりも、それよりも。
『当麻さん………………」
大好き、です────────』
初春「あわわわわわわ……………………………////////////」プシュー
佐天「ってええええ!? う、初春ー!?」
美琴「顔から湯気!?」
そこまで考えると初春はもう何も考えられなくなった。
火照りまくった顔を冬の寒さで冷たくなった手で覆うが、その熱さはもうものすごい事になっていた。
包まれた彼の温もり。触れ合った唇と唇。
『ダメ。………………もうちょい、一緒にいような』
『ダメ。ずっと、一緒にいような』
『飾利。一生、一緒にいような』
昨日の出来事がどれほど初春の心を揺らしているのであろうか。
網膜に焼き付いて、心のCPUはMAD.verも製作済みでこうしている時でも自動再生機能はばっちり作動している。
佐天「だ、大丈夫? 初春ー」
美琴「ど、どうしたんだろ」
そんな二人の気遣うような声も届いているか届いていないか。
初春の意識が戻ってくるまで、もう少し時間は掛かりそうであった。
黒子「………………………………………………………………」
黒子はその時思った。
昨日、絶対何かあった、と。
「さて…………、どこから手をつけようかね、ククク……………………」
誰もいなくなった暗い部屋の一室で、男の愉悦に満ちた笑い声が響く。
その声に返事するものは勿論なく、別にその男も返答を求めた訳でもない。
誰もいなくなった――――――それは厳密には違い、その男の横にはもう一人の「人間」が立っている。
その「人間」、垣根帝督は先程の様子と変わらずただそこに立っているだけだ。
何も動かない、喋らない。
息をしているのかも心臓が動いているのかもわからない、まるで「人形」の様だった。
白衣を着た男――――研究者は、その垣根の様子が全て順調だとあざ笑う。
全ては自分の思い通り、意のままに操れしもの。
視線をモニターに戻し、キーボードを叩いて操作する。
彼が求めしものの計測結果が再び画面に出ると、狂ったようにそれを繰り返す。
何度も、何度も、何度も、何度も。
丹念に幾度もやり直したその結果は変わらない。
それは研究者の自信を確実にするものであり、画面に出たその羅列された数値と記号を見るとその笑い顔は更に凶悪に歪む。
もはやその結果は頭に深く刻まれた。
間違いはない。
それが最良の手段。
最短の方法。
そして、確実。
「これで、学園都市は私のものだ……………………! くくく…………、あーっはっはっはっはっは!!」
研究者は笑いながらキーボードを画面に叩きつけ、そのモニターを割った。
もはや狂者、精神崩壊者。
どう転んでも、勝利は手に入る。
研究者は再び大声を上げて笑った。
研究者が叩き割られる前のモニターには。
『Last Order & MNW』
とだけ、記されてあった。
うげ、超短え…
次はもっと早く投下できるようにします
また次回!
次はもっと早く投下できるようにします
また次回!
神裂「それで、進展はあったのですか?」
コトン、と湯呑みをテーブルの上に置き、神裂は目の前に座る土御門に尋ねる。
その仕草はまさに大和撫子、実に彼女によく合っている。
イギリスで暮らす彼女は、ここ日本という国で久々に味わえるお茶をじっくり味わっているかの様であった。
まあ向こうでも味わえる事には味わえるのだが、今自分がいる場所的な雰囲気も共に味わっているのだろう、どことなく礼儀作法、仕草も堂に入っていた。
土御門「ん、そうだにゃー、そちらの方はどうだったんだにゃー?」
神裂「ええ、もっともこの学園都市の手による捜査の後でしたので、恐らく痕跡等は既に押収された後だと思うのですが。しかし、妙なものを見つけました」
土御門「妙なもの、ってなんだにゃー?」
五和「はい、これなんですけど…………」
五和がそういい、透明のビニールの袋に入ったものをテーブルの上に置く。
それを見た土御門の眉が一瞬釣り上がった。
土御門「………………やはり、か」
インデックス「これ、かなり弱いんだけど微かに魔力が出てるかも。今はもう消えそうだけど」
土御門「ふむ」
土御門が予想していた展開とその発見されたものと、繋がりはあった。
サングラスに手を当てながら、土御門はそれをじっと見る。
問題は、誰が何のためにその魔術を使ったのか。
この学園都市で何を企んでいるのか、目的が何なのか。
そこをきっちり把握しておかなければ、有事のいざという時に対応が遅れてしまう。
狙いが幻想殺し、あるいは禁書目録なのか、それとも別の何かなのか。
少々この学園都市のセキュリティはざるな所がある。
神裂達も含めて魔術師達にこんな易々と出入りされてしまう事をアレイスターはどう思っているのだろうか、次会う時はそこの所もきっちり問いただしてやらねばなるまいなと溜息を吐いていた。
浜面「うっ………………」
「おや? 気が付いたかい?」
「はまづら、はまづら………………」
浜面「ここは………………」
ここはどこなのだろう、見慣れぬ場所。
目を開けると、まずは白い天井と見知った二人の顔がある事に気が付いた。
自分の顔を覗き込んでいる二人の内の、片方の少女と目が合う。
浜面「おう、滝壺…………」
身を起こそうとするが、細い腕にやんわりと止められた。
滝壺「まだ起きちゃ…………だめ」
冥土帰し「大丈夫かい? わかるかな?」
浜面「俺は…………どうしたんだっけ」
意識がはっきりしない内でも、泣きそうにも見える滝壺を見るとさすがに彼女の言う通りにしない訳にはいかない。
それが浜面の無条件優先事項であった。
段々と意識がはっきりしてくる。
冥土帰し────という事は、ここは病院か。
───あれからどうしたんだっけ…………研究者に連れられ、USBメモリを渡して、第二位の復活を見て………………
浜面「はっ! あ、あいつは!?」
冥土帰し「あいつ、というのは彼の事かい? それなら心配ないよ、隣で横になっている」
「よう浜面、ようやくお目覚めか?」
浜面「………………大丈夫だったか」
「ああ、つっても俺も今起きたとこだったんだけど」
首を横に動かすと、横になってこちらを見ている仲間の姿があった。
どうやらその様子に心配は要らないようで、浜面はそこでほっと一息ついていた。
滝壺「はまづら………………はまづらぁ」キュ
浜面「のわっ!? た、滝壺…………?」
滝壺が首元に縋り付く。
その感触に浜面はドキマギしながらも、その背中にそっと腕を回した。
滝壺「よかった………………」ギュ
浜面「あ、ああ…………スマン、心配かけた」
頬と頬をすり合わせられ、その柔らかさはまさに異性を感じさせる。
元スキルアウトという身分でありながらそれに全然慣れない浜面はただどうする事も出来ずに、滝壺の頭をそっと撫でるしか出来なかった。
冥土帰し「大丈夫そうだね? とりあえず今日はここにいてもらうけど、もう心配ないんだね?」
浜面「あ、はい。スンマセン」
それだけ言うと、冥土帰しは病室を後にする。
麦野をあの状態から復活させた実績持ちの冥土帰しの言葉だ、彼が心配ないというのなら心配はいらないのだろう。
隣から発せられるニヤニヤとイライラが入り混じった様な視線を感じながら、ずっと浜面は滝壺の頭を撫でつづけていた。
浜面「って滝壺、どうしてここに?」
滝壺「はまづら、最近構ってくれなかったから。電話もしてたのに、出てくれなくて」
浜面「あ、ああ…………いやあ、その」
質問に対する答えにはなっていないのだが、プクーッと頬を膨らませた滝壺の様子に苦笑いを浮かべる。
まあ確かにそれはそうであったし、実際忙しくしていて滝壺を蔑ろにしていた所もあり。
最近、とは言ってもここ二、三日の間だけであるのだが、そんな短い間だけでも滝壺に寂しい思いをさせてしまっていた事に反省する。
浜面「……………………スマン」
実は手に入るお金で何か滝壺にプレゼントしてあげようと画策していた所でもあった。
しかしそれを優先して滝壺との時間を無くしてしまっていたのは本末転倒ではなかろうか、と今ではそう思う。
ただ、懸念事項も残っている。
あの第二位の事が、気にかかる。
あの研究者が垣根帝督を従え、この学園都市で何をやらかすのだろうか。
それはただ自分達の平穏な日常をも脅かす事は間違いないとは思う。
それを言うべきか、否か。
浜面「………………………………」
滝壺「はまづら?」
浜面「ん?」
滝壺「………………ううん、何でもない」
浜面「そうか?」
滝壺「……………………?」
浜面「…………………………」
いや、言うのはよそう。
言ったところで、滝壺が何らかのアクションを起こしもし彼女に何か危害が加われば────と考えると、言うのは得策ではない。
命に代えても、この少女の存在は守る。
そう腹に決めていた。
佐天「いっただっきまーす」
美琴「いただきまーす」
初春「いただきます」
黒子「いただきますの」
異口同音で食べ物に対する食前の挨拶をし、四人はスプーンとフォークを手にした。
結局、四人が昼食に選んだのはよく通うファミレスで落ち着いた。
メニューは洋食から和食まで色々と取り揃えている大衆向けのお店で、お手軽スポットとして学生達で賑わうこのお店は今日も人で溢れていた。
ちなみにここに来る途中、昨日の店やら公園やらを通りかかってその度に初春の意識が飛び、三人(特に黒子)に怪訝な目を向けられたのはまあいいだろう。
佐天「人いっぱいですねー」
黒子「ええ、まあ日曜日のお昼時と言えば致し方ありませんのかも知れませんわね」
美琴「そうね。まあ賑やかな事はいい事なんじゃない?」
初春「ですね」
クルクルとパスタをスプーンの上で巻きながら周りを見渡せば、自分達と同年代、それか少し上の少年少女達が賑やかにしてそれぞれテーブルを囲っていた。
どれも楽しげな雰囲気を醸し出し、皆食事を楽しんでいる様だ。
佐天「ん? んん?」
美琴「どうしたの? 佐天さん」
佐天「あ、いやー………………」
ふと佐天があるテーブルの方に目を向けると、怪訝そうな表情をしていた。
初春「?」
チラッと初春を見る。
初春はちょこんと首を傾げていて、その小さな口をもごもご動かしていた。
───初春の角度からは見えないけど………………
見知った顔が、初春の席の後方のテーブルにあった。
というか、クラスメイト達だ。
そしてその中には、あのメガネ君の姿も。
美琴「それで、この後はどうするの?」
黒子「ええ、どう致しましょう?」
初春「この近くに雑貨屋さんが出来たみたいですよ、ちょっと行ってみたいですね」
美琴「そうなんだ。行ってみよっか」
黒子「ご一緒しますの」
チラッ。
佐天「」
───うわあ、見てる、見てるよ、こっちのテーブル見てるよ………………。
チラッ、チラッとこちらのテーブルの様子を窺うメガネ君の様子に佐天は軽く頬を引き攣らせる。
向こうは男子四人グループらしく、それぞれ談笑している様子なのだがメガネ君だけこちらにちょこちょこ視線を送っている。
どうやら初春の様子が気になる様で、見返すもこちらの視線に気付かないのかただ初春の後ろ頭らへんを見ている様子であった。
───まだ諦めてないのかなぁ。
初春に心に決めた人がいるのは知っている。
というか、彼にだけしか目が行っていない。
メガネ君が初春に告白したあの時も、その様子をまざまざ見せ付けたていたというのにそれでもまだメガネ君はギラギラとそのレンズを光らせている。
───………………く、ダメだ、まだ笑うな…………
キュピーンという音さえ聞こえてきそうなその様子に佐天はなぜか笑いが込み上げてきた。
ただ突然笑い出すという奇行をする訳にもいかないので、顔を俯かせて見られないようにする。
黒子「佐天さん?」
初春「どうしたんですか?」
佐天「」ヒクヒク
美琴「え、え、何なに?」
ダメだ、肩がヒクつく。
笑ってはいけない状況下というのはいつも以上に笑えてくるというのはどうしてだろうか。
しかし佐天は何とか押し止める。
そうさ、私はポーカーフェイスのデキるオンナ。
というか、こちらの会話も聞こえているのだろうか。
それならば、初春と彼の話を聞かせればメガネ君もまた一歩引く事になるのではないか。
だって、初春の恋を応援したいもん。
佐天「初春ー、昨日ってどうだったぶふぉ!!」
初春「きゃっ、ちょ、佐天さーん!?」
黒子「」
美琴「」
椅子から半分身を乗り出し、こちらに少しでも耳を近付けて必死の様子で話を聞こうとするメガネ君。
その際にメガネを落として拾いに行ったその姿はさすがに佐天の許容量を超えていた。
佐天、アウトー。
佐天「こ、こほん、それでは仕切り直して」
わざとらしく咳ばらいをする。
吹いてしまった事の気まずさを誤魔化す様に若干早口気味ではある。
佐天「………………昨日、どうだった?」
初春「!? けほっ、けほっ!」
黒子「!」
美琴「?」
ニヤァという擬音が自分の口元から出そうな程口角を上げ、初春に尋ねる。
初春からしてみればそれは唐突な質問だった様で、今度は初春が咳込む番になっていた。
美琴「昨日って?」
佐天「あ」
あ、これはまずい質問だったかも。
と美琴の顔を見て今になって佐天は気がつく。
初春「………………///////」
初春の顔が真っ赤になっていくのを見ながら、佐天は少し思案した。
昨日、初春は上条と夕食を共にした。
しかし、佐天の推測からするに美琴は上条の事を少なからず想っている。
とすると、この話題を出すのはどうだろうか。
美琴「なになにー? 何かあったの?」
佐天「あ、あははー…………えと、そのですね」
言いづらい、というか言えない。
言ったらどうなるのだろうか、と佐天は地雷を踏んだ気分にもなってきていた。
黒子「…………昨日、初春と上条さんがお食事に行ったみたいなんですの」
佐天「!」ビク
美琴「え」ピク
初春「えぅ/////////」
しかし、言葉を紡ぎあぐねている所で黒子が口を開く。
佐天の肩がピク、と反応し美琴の様子を恐る恐る窺った。
美琴「………………そうなの? 初春さん」
初春「あ、はぃ//////////」
佐天「んん?」
黒子「う、初春………………?」
ただそこで何よりも初春の様子が妙に気が引ける。
顔を真っ赤にして、両手で頬を押さえていて。
昨日の出来事をポヤァッと思い返しているかの様で、そんな初春に一同は何事かと目を見張る。
っていうかまさか、えええええ?
まさか、あの寝言で言っていた事って………………
『うにゅ…………とうましゃん…………ほっぺじゃなくて…………おくちに……もういっかい……ちゅーしてくださぁい……』
え──────それってマジの話だった?
黒子「う、初春……………………? あなた、まさか………………?」
美琴「ちょちょちょ、どどどどどういう事よよよよよ?」
「ふむ、そこから先は」
「ミサカ達が答えてしんぜよう! ってミサカはミサカはお姉様達の会話の中に飛び込んでみたり!」
佐天「あ、打ち止めちゃん──────と、御坂さんがもう一人!?」
黒子「打ち止めちゃんと………………お姉様が二人!?」
初春「ほえ、打ち止めちゃんと妹さん………………? ってえええええええええ///////////」
美琴「妹、達………………!」
ふとその途中で飛び込んできた二人の姿に一同は視線を送る。
佐天にとってもはや初春を狙うメガネ君の事など、もう頭にはなかった。
乙!
あと俺垣根知らないんだけど
勝手にデットマンワンダーランド的な能力と思ってるけどおけ?
あと俺垣根知らないんだけど
勝手にデットマンワンダーランド的な能力と思ってるけどおけ?
好きな子にフラれたくらいで能力覚醒するんだったら
青ピなんて今頃第6位になっとるっちゅーねん!
青ピなんて今頃第6位になっとるっちゅーねん!
土御門「>>1からの連絡待ちにゃー。 今は寝て待つぜよ」
初春「あわ、あわわわわわわわわゎゎゎゎ………………」
美琴とウリフタツのその少女の姿を見るや否や、初春の思考がグルグル渦を巻く。
昨晩のあの時────────。
『大好きです………………当麻さん──────』
佐天「う、初春ー? どうしたの?」
初春「はうぅ/////////」
彼の優しさ、温かさ、包容力に包まれて、我慢できなくなって。
その時自分が思わず取った行動を、確かにその少女は見ていた。
打ち止め「あれれ、初春のお姉ちゃんどうしたのってミサカはミサカは含み笑いをしながら肘でつっついてみたり、このこの」ニヤニヤ
初春「ってえ?/////// 打ち止めちゃん?」
打ち止め「なーに? ってミサカはミサカは昨日のあれを知っているけど惚けてみる」ニヤニヤ
初春「し………………知っているんですかあああぁぁぁ!?///////」
御坂妹「脳波リンクを通じて昨日の出来事は全妹達が把握しています、とミサカはタネを明かします」
佐天「脳波リンク…………?」
黒子「全妹達…………?」
打ち止め「お、お姉ちゃんに聞いたんだよってミサカはミサカは言葉を置き換えてみたり!」
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