元スレ紅莉栖「岡部、IS学園に転入して」
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401 :
待ってました!!
402 = 194 :
>>388 続き
──ハァッ、ハァ。
苦しい、喉が焼けるようにヒリつく。
前が見れない。
視界に入るのは、地面と自身の両足。
足は鉛のように重く、前に進もうにも一向に速度が出ない。
ザッザッと地を蹴る音だけが鼓膜を響かせる。
次第にその音も聞こえなくなり、視界も暗転し、何も見えなくなった。
岡部「──ッッ!!」
深夜3時。
ベッドから跳ね起きるように、岡部倫太郎は目を覚ました。
ゴクッ、と喉が鳴る。
岡部「……あぁ、そうか。マラソンをして……ワンサマーにマッサージをして貰っている最中に寝てしまったのか」
視線を隣のベッドへ見遣ると、ルームメイトである織斑一夏がスースーと寝息を立てている。
岡部は再び身体をベッドに寝かせた。
403 = 194 :
岡部「……身体が痛くない。マッサージと薬の効果だろうか」
マッサージをしてくれた一夏と薬をくれた楯無に感謝の気持ちが募った。
岡部「……明日、いや……後数時間後か。今日は一体何をさせられるのか……」
不安と恐怖の中、岡部は再び眠りについた。
この日、朝の5時になっても部屋のノックが鳴る事は無かった。
一夏「凶真、凶真」
岡部「うぅむ……ッッ! 何だ! どうした! 走るのか!?」
一夏に起こされてた岡部は、過剰に反応して飛び起きた。
一夏「ははは、違うよ。朝飯食いに行こうぜ」
岡部「……鍛錬ではないのか?」
一夏「うーん、今日は誰も起こしに来なかったな。それより、身体の調子はどうだ?」
岡部「う、うむ。お陰で筋肉痛は殆ど無い。マッサージのお陰だろうな、感謝する」
一夏「そっか、なら良かった。着替えて食堂に行こう」
404 = 194 :
─食堂─
食堂へ着くと、自然に何時もの面子が集まる。
専用機持ちばかりずるい、と言う他の女子達の視線を無視して。
一夏「そう言えば今日は誰が凶真の訓練をするんだ?」
一夏の朝食は、たぬき蕎麦だった。
昨日、岡部が食べているのを見てそれを食べたくなり、お稲荷さんとのセットで注文していた。
箒が作ったお稲荷さん程ではないが、食堂のお稲荷さんも一夏のお気に入りである。
鈴音「私よ」
鈴音が中華風のお粥を食べながらそう答えた。
鈴音「本当は朝からやりたかったんだけど、生徒会長から今朝は簡便してあげてって言われてね」
一夏「だから来なかったのか、楯無さんも良いところあるよなー」
岡部「正直、助かったな……」
食欲が沸かないのか、岡部は野菜サンドを少しだけ齧って手を止めていた。
405 = 194 :
箒「朝はしっかり食べないと、もたないぞ」
そう言った箒は朝定食、大盛りご飯にアジの開き。お味噌汁にお新香と海苔のついたオーソドックスなものだった。
ラウラ「食事は全ての基本だ。お前はただでさえ線が細い、もっと食え」
シャル「まぁまぁ、慣れない運動で疲れちゃってるんだよ。
はい、オカリン。暖かいミルクだよ、せめて飲み物だけでもね?」
シャルロットはミートスパゲティを巻くフォークの動きを止め、ぬるめのホットミルクを岡部に差し出した。
岡部「あ、あぁ……済まない」
ラウラ「シャルロットは誰にでも甘すぎる」
ザグッ! とフォークをシュニッツェルに突き刺しラウラが言った。
岡部は朝から揚げ物とは……胃が痛む光景だなと目を伏せる。
セシリア「聞きましたわよ。昨日、ランニング中に倒れたんですって?」
紅理栖「もやしっ子ですから……」
セシリアはクリームシチューを。紅理栖は朝からラーメンを食べていた。
406 = 194 :
一夏「凶真。無理にでも食っておいた方が良いぜ。今日は千冬姉のIS実技授業があるからさ」
岡部「……そう、だな」
野菜サンドを無理やり口に詰め込み、ミルクで流し込む。
美味くも何ともなく、栄養補給をするためだけの、何とも救われない味気ない食事だった。
ラウラ「倫太郎」
ドン。と、大きめの缶をテーブルの上に置いた。
表記には“プロテイン”と書いてある。
ラウラ「これからは、コレを毎日飲め」
一夏「これって、プロテインか?」
ラウラ「あぁそうだ。一夏は得に必要無いがな、このもやし男には必要だろう」
岡部「なぜそこまでしてくれる……」
ラウラ「決まっている。少しでも強化された体で私の番に回ってこなくては……」
──死んでしまうだろう。
ドイツの冷氷、ラウラ・ボーデヴィッヒの目は本気だった。
407 = 194 :
ラウラ「私も教官のように、新兵を育てられる人間になりたいと常々思っていたところだ。
一夏は最初から身体が出来ていたからな。
倫太郎、貴様は手を焼かせてくれそうで何よりだ」
一夏「は、ははは……良かったな、凶真」
紅理栖「身体鍛える鍛錬に耐える、死なない体を作る為に、鍛えるのか。
鶏が先か卵が先かってヤツね」
岡部「一瞬でも感謝しそうになった、自分のなんと愚かしい事か……」
そう言いながらも残ったミルクにプロテインパウダーを混ぜいれソレを飲み干した。
無理やりヨーグルト味を付けられたそれは美味いはずがなかった。
岡部「鬼軍曹殿に目を着けられては堪らんからな……」
ラウラ「ふん。素直な新兵(ルーキー)は嫌いではない」
一夏「凶真とラウラもすっかり仲良くなったみたいだな」
紅理栖「(やっぱり一夏ってどっか抜けてるんじゃないかしら……)」
408 = 194 :
─第3アリーナ─
千冬「本日は機体制御の訓練をする。
今年中には回避運動と射撃運動を同時に出来るようになれ。
ボーディヴィッヒ、見本を見せろ。
空中で逆さになり一旦完全停止。その後、その体勢のまま急上昇及び急降下」
ラウラ「了解」
──シュゥゥン。
右腿の黒いレッグバンドが光り、瞬時にIS“シュヴァルツェア・レーゲン”を展開する。
紅理栖「あれが、ドイツの第3世代型か」
千冬「こと機体制御に置いてはお粗末な者が多い。
コレが上手くならずにIS操縦が上達するとは思うな。
ボーデヴィッヒ、やれ」
こくん、と頷きラウラの駆る“シュヴァルツェア・レーゲン”が飛翔した。
地上3m付近で一時停止、そのまま180℃機体を回転させ逆さま状態に。
千冬「そのままその状態を維持。
ISでの戦闘は360℃全方位で行われる。地上のみが自分の下にあると思うな」
千冬のレクチャーが続く。
千冬「空中での静止すらままならぬ者も居る。
逆さ状態での静止は勿論それ以上に高度な機体制御を強いられるから良く見て参考にしろ」
全生徒の視線がラウラに集まる。
その視線を感じ取ってか、少しだけラウラの両頬が赤く染まった。
409 = 194 :
千冬「5秒後にその体勢のまま急上昇。
──5・4・3・2・1……飛べ」
千冬のカウントダウンと同時に一気に上空へと飛翔する。
機体は少々のぶれを生じさせながらも、その体勢のまま上昇した。
千冬「よし、そのまま今度は急降下。
地上30センチまで」
ラウラ『了解』
──ギュンッ!
猛スピードで黒い点のようだった“シュヴァルツェア・レーゲン”が地面へと迫り寄った。
地上すれすれの30センチ付近で停止する。
風圧で砂埃が大量に舞った。
千冬「よし、流石だボーデヴィッヒ。問題ない」
ラウラ「ありがとうございます」
千冬「これより実地に入る。まずは逆さ状態での姿勢維持を5分出来るようにしろ」
410 = 194 :
千冬の掛け声と共に生徒が各々に実地を開始した。
多数の生徒が専用機持ちである者へアドバイスを求めに走る。
特に人気だったのは……。
女生徒「織斑君! お願いします!」
女生徒「第一印象から決めてました!」
女生徒「優しく、時には厳しく教えて下さい!」
一夏「参ったな……凶真を見てやりたかったんだけど……」
セシリア「その心配なら必要なさそうですわ」
シャル「……ちょっと、びっくりしちゃった」
女生徒「篠ノ之さん、これってどういう感覚でやれば良いんだろ?」
箒「あぁ、それは──」
女生徒「ラウラちゃん、さっき凄かったねー」
ラウラ「あっ、あの程度軍人であればどうと言うことは──」
セシリアとシャルロットの視線の先。
箒とラウラが多数の女生徒にアドバイスをしてるさらに奥。
アリーナの端の方で紅理栖の見守る中、機体制御を行っている“石鍵”の姿があった。
411 = 194 :
一夏「えっ、マジかよ……」
シャル「完璧だよ。逆さ状態で完全に静止してる」
セシリア「一体どう言うことですの?」
紅理栖『ちょっと、なんでそんな簡単に出来るのよ?
結構難しいはずなんだけど』
岡部『その事なんだがクリスティーナよ。俺が読んだ参考書と操作が全く違うのだ』
紅理栖『どう言うこと? あっ、ちょっと待って、オープンチャネルは良く無いかも。
よし、OK. 何が違うって?』
プライベートチャネルに切り替え、紅理栖がコンソールから話しかけた。
岡部『機体制御……マニュアル制御だとかオート制御だとかそう言ったものが無い。
動きたいように、動く』
紅理栖『はぁ……?』
岡部『はぁ……? ではない! まるで自分の身体のように動かす事が出来る』
紅理栖『ちょっとちょっと、ちょっと待ってね。えーっと……』
紅理栖は頭を抱えた。
つまり“石鍵”は岡部と完全に同期していて、操縦と言うよりも一体化してる。
考えられる要因はそれしかなかった。
412 = 194 :
紅理栖『つまり“石鍵”には難しい制御動作操縦と言う概念が無いってこと?』
岡部『そうなるな……イメージ通りに機体が動く。
ただこの間、ワンサマーと戦った時もそうなのだが俺自身の反応がハイパーセンサーで感知する世界に付いていけない』
紅理栖『それは仕方が無い。岡部自身のスペックなんてそんなもんよ』
岡部『くっ、はっきり言ってくれる……』
紅理栖『事実だからな。うんと、一応、そのまま急上昇急下降やってみてよ』
岡部『了解した、やってみよう』
──ギュンッ!
一切ぶれることなく、上空に到着。そのまま地上へ急降下。
“石鍵”は地面スレスレの3センチで完全停止した。
風圧や衝撃も一切発生せず、完璧な機体制御を紅理栖の眼前で容易に行った。
413 = 194 :
紅理栖『(凄い……)』
岡部『そ……ろそろ、姿勢を戻して良いだろうか。視界が上下逆で気持ち……悪い……』
紅理栖『なんという……』
なんというスペックの無駄遣いだと、紅理栖は思った。
岡部の三半規管は視界の切り替えに弱く、直ぐに気分が悪化した。
岡部『お……うぷ……』
紅理栖『操縦者の視界は常にクリアになってるはずなんだけど……。
クリアになってても、岡部自身の三半規管の弱さとはなんら関係無いってことね。
なんと言う宝の持ち腐れ……』
そんな光景を遠目で千冬が眺めていた。
千冬「(異常なまでの機体制御だな……ISの性能なのか、岡部自身によるものなのか……)」
完全に“石鍵”の性能によるものだが、端から見れば岡部の操縦術が長けているように見える。
こうして勘違いする人間は連鎖的に増えていった。
女生徒「ねぇ見てた!? 今の岡部君見てた!?」
女生徒「何あれ凄いよ!! ビタッ! って、空中でビタッ! って!」
女生徒「私、織斑派から岡部派に行くわ」
414 = 194 :
一夏「凄いな……」
シャル「うん。僕やラウラより、機体制御の腕は上かもしれない」
セシリア「やはり、侮れませんわね……」
箒「一夏、どういう事だ」
ラウラ「何があった?」
騒ぎを聞きつけ、箒とラウラが三人の元へ駆け寄ってきた。
一夏「凶真の機体制御が半端じゃないんだ」
シャル「ラウラ、きっと僕達よりも上手いよ」
ラウラ「なに……?」
箒「機体制御なぞ、簡単に出来るものじゃ……」
セシリア「それが、出来ているんですの」
おろおろと嘔吐感を催す岡部に対し、その評価は望まぬ方向へぐんぐんと伸びていく。
この日、織斑一夏ファン倶楽部から岡部倫太郎ファン倶楽部へと鞍替えする者が多数出た。
415 = 194 :
非公式ながらもこの2つのファン倶楽部には、かなりの女生徒が参加している。
ある女性徒達曰く、
女生徒「一夏君の周りには専用機持ちが居て競争率ヤバイ。けど、岡部君は牧瀬さんだけでしょう? 行ける! 若さで勝負!」
女生徒「紅理栖さんは美人だけど、若さなら負けないわ! あと胸の大きさも!」
女生徒「身長何気に高いし……カッコイイと思う!」
こうして一夏同様に、岡部もこの学園のアイドルとして着実に名前が馳せて行くことになる。
その日の昼食は少しばかり大変だった。
岡部は元より少しばかりの食欲不振になっていたが、授業中の機体制御で完全に酔っていた。
食事など喉が通る訳がない。
お茶だけで済まそうとしていると……。
女生徒「ちょっと! 一夏君だけじゃなくて、岡部君まで独占するの!?」
見慣れない顔の女生徒の声が食堂前で響いた。
一夏「えっと、ごめん。誰かな……」
女生徒「3組! どうせ名前なんて知らないよね……そうだよね……」
女生徒「ちょっと何弱気になってるのよ!」
女生徒「頑張らないと、ここで頑張らないと……」
ラウラ「何を詰まっているんだ。さっさと配給を受け取りに行こう」
416 = 194 :
女生徒「専用機持ちはしゃーらっぷ!」
女生徒「今日こそは、今日こそは一緒にお食事ぃぃぃ」
女生徒「1組ばっかり……ずるいです……」
シャル「あはは、そういう事か……」
セシリア「同じクラスの者同士で食事するのは当たり前のことですわ」
箒「あまり騒ぎすぎると織斑先生が来てしまうぞ」
女生徒「うぐ……!」
箒の一言で女生徒がたじろぐ。
この学園の生徒で織斑千冬を恐れない人間は居なかった。
ラウラ「教官が来る前に騒ぎを辞めろ。
一夏は我々と食事をするのだ」
女生徒「くぅ……なら、岡部君! 岡部君、一緒にご飯食べよ!?」
女生徒「良くやった! 良く言った!!」
女生徒「食べ……よ……?」
紅理栖「(来た……遂に、来た。岡部に若い女の手がついに……)」
417 = 194 :
岡部「悪いが、食欲が無い。俺がここに来たのはただの付き合いだ。他を当ってくれ」
女生徒「うきぃー!」
女生徒「やはりダメなのかー!!」
女生徒「ぐす……ん……」
完全敗北した女生徒達は食堂の奥へと去って行った。
紅理栖「(Yes! 一夏もだけど、岡部の空気の読めなさも相当なのよ!!)」
一夏「なんだったんだ……?」
岡部「さぁな……俺は席を取っておく。お前達は食事を貰いに行くと良い」
ラウラ「おい。本当に食べないのか?」
シャル「今朝もあまり食べなかったよ……?」
岡部「飲み物だけで十分だ。今無理やり食べても戻してしまう可能性があるしな」
一夏「そっか、じゃぁ仕方ないな」
セシリア「席の確保、お願いいたしますわね?」
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岡部「あぁ」
そう言うと岡部は自販機で“ドクトルペッパー”を2本買って席を確保した。
この学園では食堂の端にある自販機でしか“ドクトルペッパー”が売っていなかった。
その為、飲みたくなったら食堂へ来て買うしかない。
学園中を探してみたがここにある一機しか販売していないので、不便であった。
一夏「お待たせ、あー腹減った」
そう言った一夏のトレーにはチキン南蛮。箒も一夏と同じもの。
セシリアはビーフシチューとバケット。シャルロットはカルボナーラとデザートのプリン。
ラウラはソーセージとフライドポテトの盛り合わせ、それにサラダ。
途中で合流したのか、鈴音は回鍋肉定食をトレーに乗せている。
どれもコレも美味しそうではあるが、今の岡部にはどれも重たく見えて食べる気は起きなかった。
未だに、酔いが残っている。
一夏「紅理栖は……牛丼か!」
紅理栖「えぇ、前は良く食べてたんだけどココへ来てから食べてないなーって」
シャル「ぎうどん?」
419 = 194 :
セシリア「なんですの?」
ラウラ「牛が丸々乗っているのか?」
鈴音「うそ、あんたら知らないの?」
一夏「外国に牛丼って無かったっけかな?
ええと、薄く切った牛肉を玉ねぎと一緒に甘辛く味付けしたタレで煮込んだり、焼いたりしてそれをご飯の上にどん」
箒「好みで、生卵を入れることもあるな」
シャル「へぇ、美味しそうだね」
セシリア「少し野蛮な感じがいたしますが……」
ラウラ「なるほど、それがDON物と言うやつだな」
紅理栖のトレーに視線が集まる。
甘めの香りが食欲をそそる、学園特性の牛丼だった。
岡部「助手。ドクペを買っておいた、飲むだろ」
紅理栖「ありがと、これも最近飲んでなかったわね」
──プシッ。
心地良いプルタブの音が響き、二人はドクペを飲んだ。
420 = 194 :
岡部「やはり、知的飲料は一味違う。身体にスッと入っていく……」
紅理栖「久々だけど美味しいわね」
一夏「えっ、2人が飲んでるそれって……」
箒「……ドクトルペッパーか?」
セシリア「それを好んで飲む方が居るだなんて……」
鈴音「マジで?」
シャル「あ、アハハ……」
ラウラ「なんだその飲料水は?」
一夏「あー、ラウラ。止して置いた方が良い。多分……全部飲めない……」
紅理栖「ここでもドクペは異端か。ラウラ、一口飲んでみる?」
岡部「うむ。味の解る者であれば、この至高の飲料水の魅力が解るだろう」
一夏に止められて、一瞬迷ったラウラだったが興味には勝てず、ちびりと一口だけ口をつけた。
ラウラ「うぐっ……! な、んだこの風味と味は……」
421 = 194 :
鈴音「言わんこっちゃない……」
紅理栖「……どう?」
ラウラ「不味い……なんだか、気分が落ちてしまうそんな感じの味だ」
岡部「貴様も所詮、その程度だったと言う事か……」
シャル「えっと、オカリンも紅理栖も……ドクペが美味しいって思うの?」
岡部「とーぜんだ」
紅理栖「え、えぇ。……まぁ」
セシリア「お2人とも、少し……その、味覚がどうかしてるんじゃなくて?」
ラウラ「無駄に甘ったるくて、変な匂いだ……なんだ、この味は」
岡部「ふん。なんとでも言うが良い。知的飲料の味は知的な者にしか解らんのだ」
そう言って岡部はドクトルペッパーを飲み干した。
それを見ていた皆は“わぁ……”と少し引いた目で岡部を見つめるしか出来なかった。
422 = 194 :
紅理栖「(うぅ、何かいたたまれない……)」
一夏「でも、紅理栖も好きなんだよな……俺も小さい頃に飲んでダメだったから、今度チャレンジしてみようかな」
箒「な」
セシリア「え」
鈴音「ん?」
シャル「……」
ラウラ「どう言う意味だ?」
一夏「ん? いやー、2人とも美味いって言って飲んでるからさ。もしかしたら俺も美味いって感じるかもしれないし」
一夏は気付いていなかった。
自身が強調した人物が“紅理栖”であったことを。
もちろんこの男が意識してその台詞を吐いていないことを、理解していない5人娘ではない。
むしろ、無意識の内にそう言った言葉回しをした一夏に腹が立ったのだ。
423 = 194 :
箒「ご馳走様。私は先に行く」
一夏「えっ、おい箒どうし」
セシリア「私もお先に失礼させて頂きますわ」
鈴音「はいご馳走様ー」
シャル「先、行くね?」
一夏「え? ちょっ、どうしたんだよ急に」
ラウラ「シャルロット、私も一緒に出る」
一夏「ラウラまで」
ラウラ「お前は紅理栖と一緒にドクトルなんちゃらでも飲んでいるが良い」
一夏「え?」
ラウラ「ふんっ」
こうして5人娘は、一夏と紅理栖、岡部を残し食堂を後にした。
424 = 194 :
岡部「(全く、ハーレムと言うのも考え物だな。
今度ダルにハーレムの実態を教えてやろう)」
紅理栖「(大変ね、一夏も、あの子達も)」
一夏「一体なんだってんだ……?」
この後、一夏もドクトルペッパーを買って飲んでみたがやはり美味しくは感じられず、岡部に処理してもらう形になった。
午後の授業中、一夏は背中に突き刺さるような視線をずっと感じていたがその正体が何なのかは解らず仕舞いに終わった。
425 = 194 :
おわーりでございます。
注意。
セシリア・オルコット の一人称について。
セシリアは自分の事を “わたくし” と名乗っています。
漢字変換すると わたくし も わたし も 私 になってしまい解りにくいですが“わたくし”です。
オルコッ党の方が居ましたら申し訳ありません。
これからも 私 と変換しますがご了承下さい。
一夏の千冬に対する呼び方。
当初“千冬姉ぇ”と打ってましたが、正しくは“千冬姉”です。
すでに表記は“千冬姉”にしていますが、イントネーションとして ぇ をつける感じで読んで下さい。
今日もありがとうございました。
427 :
ドクペ小さいころから普通に飲んでたわ
シュタゲ効果かどうか知らんがAmazonでも売れてるんだっけ?
なんでわざわざネットで買うんだって思ったが関東でも一部でしか売ってないって聞いてびっくりした
428 :
紅莉栖が紅理栖になってる
429 :
最初の一口は変な感じだったけどそこまでまずくはないよね
430 :
俺もドクペ昔から好きだな
飲んでるとシュタゲの影響扱いされて困る
後味だけちょいきついが上手い
431 = 194 :
PCの予測変換がアホの子になってました……。
紅理栖→×
紅莉栖→○
です、申し訳ありません。
432 :
乙
ドクぺってそんなに珍しいかなぁ
普通に自販機で売ってるけどなby茨城
ちなみにペプシの方が絶対美味しい
433 :
東北で売ってないからわざわざ輸入したぞ
434 :
ドクぺ無料、バカな子でいいです
435 = 434 :
無料じゃないよ「無理」だよ
orz
436 :
ISの機体についてはよく知らないんだが普通は基本動作プログラム+各駆動・ブーストの微調整を含むマニュアル操作
みたいな感じなのかな?そうだとしたら確かに大変だな
で、石鍵にはコフィンシステム搭載と。・・・この時点で大きすぎる差がある気がするんだが
さらに岡部の感覚+戦況サポートとして独立型戦闘支援ユニットAIが付く・・・?
・・・少し書きすぎたか
437 :
乙。
なぜかわからんが、腕を組みながら空中制動をするオカリンを幻視した。
コーラですらちょっとキツい俺には、ドクペはハードルが高すぎるだろうな。
飲んだことないけど。
438 = 434 :
>>437
クンクンするだけでも良いからやってみると良いと思うよ
439 :
学校の自販機にあるけど買ってる奴見たこと無いわ
440 :
ドクペは飲めば飲むほどハマるスルメ飲料
無理な奴はとことんダメだが
441 :
ドクペは何故か学校近くの雑貨屋で売ってる
シュタゲの影響で買おうかと思ったけど、気後れしてやめた
442 :
マックスコーヒーの時もだがドクペにしても全国区じゃないって知ったときは驚愕したわ
443 :
マックスコーヒーを死ぬほど飲んでるからドクぺは飲まないなあ
もはや知り合い全員に「マックスコーヒーの人」扱い
444 :
マックスコーヒーは甘いから朝ごはんにいい。糖分が目覚めた脳に染み渡る。知的飲料といえよう。
ドクペはあの匂いがちょっとなあ…お年寄りがコーラの匂いがダメって気持ちが分かる気がする。
445 = 442 :
俺はドクペは全然平気だけどコーラはダメだ
最近はライフガードばっか飲んでるが
446 :
ドクペは基本的に関東圏か沖縄でしか売ってないからなぁ
米国産を取り扱う雑貨屋なら場所を選ばないけど
昔から世界中で流通してるのに
神メモでドクペ飲み始めた知り合いならいる
447 = 440 :
>>445
それって単に炭酸が強いの苦手なだけじゃね?
448 :
果たしてここにオルコッ党員やシャルロッ党員が居るのだろうか
ほとんどがシュタゲ勢かな
449 = 437 :
>>448
ISはアニメのみってのが多いのではなかろうか。
かく言う私もアニメだけでね。
シュタゲはゲームはだーりんまでやったが、アニメは見てない。
ISは山田先生、シュタゲはもえいくさんが一番好きです。
450 :
そろそろオカリンはISガールズにクリスティーナは俺の嫁宣言した方がいいんじゃね?
一夏の平穏の為に。
みんなの評価 : ★★
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