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    元スレ紅莉栖「岡部、IS学園に転入して」

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    みんなの評価 : ★★
    タグ : - steins;gate + - インフィニット・ストラトス + - 岡部倫太郎 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    101 :

    >1さん乙。今後の展開に期待。

    http://kie.nu/.zJの画像を見ていつも思うんだが、
    凰 鈴音のアルファベット表記は日本語のローマ字読みではなく
    中国語のピンイン(Lingyin Huang)で綴るべきじゃないのかな。

    102 :

    >>1
    次の投稿はいつ?

    103 :

    乙。

    しかしこれは無いんじゃね?
    紅莉栖「(データ収集か……嫌だな……)」
    あの助手だぜ。嬉々としてデータ取りそうなもんだ

    104 :

    >>1 です。
    体調を崩し、中耳炎一歩手前までいってしまい停止してました。
    書き溜めた分をもう少ししたら投下します。

    説明はウザイかもしれませんが……。

    >>103
    紅莉栖の心情として、岡部に黙って(内密)のデータ収集、そしてそれをIS国際委員会へ提出。
    これがネックになって「嫌だな」と言う感情を吐露しています。
    紅莉栖としては岡部と二人で一緒に考えながらきゃっきゃうふふしつつデータ収集したいのです。

    ↑を説明しなければならないあたり、描写が足りないと反省。

    ちなみに、何故大っぴらにデータを採取して云々がダメなの?
    って事に関しては“アラスカ条約”云々だと思って下さい。

    105 = 104 :

    では失礼して投下始めます。

    106 = 104 :

    >>86 続き


    ─自室─

    一夏「凶真、朝だぞ。起きて食堂行こうぜ」

    岡部「う……うぅむ」

    一夏「凶真は朝苦手な方?」

    岡部「得意……ではないな、マッドサイエンティストとは基本的に夜行性なーのーだ……」

    一夏「そっか。でも早起きには慣れておいた方が良いぜ。
       万が一、遅刻なんてしたら千冬姉ぇになにされるか解らないからな……」

    岡部「……想像だに恐ろしいな」

    一夏「だろ? ちなみに、朝もちまちま食べてると喝入れられるから注意な」

    岡部「留意しておこう」

    107 = 104 :


    一夏「千冬姉ぇは1年の寮長でもあるから、そこも注意」

    岡部「朝から頭痛を催す会話だな……」

    一夏「仕方ないさ。でも結構、優しいところあるんだぜ」

    岡部「(ワンサマーはシスコンか……)」

    一夏「さ、顔洗って着替えたら食堂に行こう」

    ──コンコン。

    一夏「ん? こんな時間に誰だろ……」

    紅莉栖「モーニン。起きてたかしら?」

    一夏「紅莉栖! おはよう、どうしたんだ?」

    紅莉栖「岡部にちょっと渡す物があってね」

    108 = 104 :


    一夏「ん。凶真も今起きたところなんだ、上がってくれよ」

    紅莉栖「サンキュ」

    一夏「紅莉栖の制服、昨日と違くないか?」

    紅莉栖「うん、昨夜私なりにカスタムしてみたの。おかしくないかな?」

    一夏「すげぇ似合ってるよ。へぇー、自分で裁縫したの?」

    紅莉栖「えぇ、裁縫は得意なの」

    一夏「俺も家事全般やるから、裁縫もちょっとはやるけど……こいつは中々凄いな!
        紅莉栖って家庭的だな!」

    紅莉栖「えっ、いや……うん、ありがと……。
        (流石ハーレムキングね……天然の女たらしか……)」

    一夏「凶真ー! 紅莉栖が制服を持ってきてくれたぞ」

    岡部「助手ではないか……」

    紅莉栖「もう、まだ寝ぼけてるの? ほら、顔洗ってシャッキリしなさい」

    109 = 104 :


    岡部「お、押すな……」

    一夏「ハハハッ」

    ──ジャー、パシャパシャ。

    岡部「ふう……」

    紅莉栖「はい、タオル」

    岡部「む、ありが……そう言えばなぜ助手が居る?」

    紅莉栖「はぁ、マジで寝ぼけてたんですね? 解ります」

    一夏「紅莉栖が凶真の制服を持ってきてくれたんだよ」

    岡部「……昨夜話していたやつか! しかし、昨日は時間がかかると言っていたではないか」

    紅莉栖「ん……ちょっと、針が進んでね」

    岡部「そうか、うむ。ご苦労!」

    紅莉栖「(ッチ、私の制服の変化に気付けよ鈍感!)」

    110 = 104 :


    岡部「ではさっそく袖を通すとしよう!
        ん……そこに居ては、着替えにくいではないか、クリスティーナよ。
        それとも何か? この俺の着替えシーンを見たくて見たくてたまらないと、そう言いたい──」

    紅莉栖「あーはいはい、出て行きます出て行きます!
         外で待ってるわよ。
         一夏、外で待ってましょ」

    一夏「そうだな、凶真の着替えが終わったらそのまま食堂へ行こう」

    岡部「全く、相変わらずのHENTAI天才少女だな……んんっ! んんんっ!
        これは……!」


    紅莉栖「でね、セシリアったら──」

    一夏「ハハッ、らしいな──」

    岡部「フゥーハハハハハ!!!!」

    一夏「んぁ、凶真着替え終わっ──」

    112 = 104 :

    一夏「うお! すげぇな、全然違うじゃないか!」

    紅莉栖「思ったより白衣っぽくなったわね」

    岡部「良くやった助手よ! ズボンまで白と言うのはさすがに仕方が無いが……。
        実に良く馴染むぞ!」

    一夏「へぇー、本当に上手いもんだな。赤いラインを消して、白と黒しか色が無いんだな」

    紅莉栖「えぇ。さすがに白一色にするのもと、思って。黒はアクセント程度に残してみたの」

    一夏「紅莉栖自身の制服と言い、二人ともすげぇ似合ってるよ!」

    岡部「ん? ……おぉ、良く見れば助手の制服も昨日と違っているな」

    紅莉栖「(いの一番に気付けっての……)」

    岡部「助手の服など気付きもしなかったが……ふむ。
        良く見たら、白のホットパンツに白のストッキングとは中々マニアックなチョイスを──」

    ──ジロジロ。

    紅莉栖「ジロジロ見るなHENTAI!」

    一夏「ハハハッ! さぁさぁ、食堂に行こうぜ」

    岡部「(まったく助手め……朝からドキドキさせおって……)」

    紅莉栖「(岡部はもう少し、一夏みたく出来ないのかしら……もう……)」

    113 :

    オカリンが一夏みたいになったらラボが地獄と化す

    114 = 104 :



    ─食堂─


    シャル「一夏っ、おは──紅莉栖も一緒なの?」

    「──ほう、紅莉栖と仲良く食堂へ……か。大層な身分だな」

    鈴音「いーちーかー……?」

    セシリア「朝、隣に居ないと思ったらそう言うことでしたの……」

    ラウラ「貴様、私の嫁としての自覚が足りないんじゃないか?」

    一夏「っちょ、お前ら何怒ってるんだ? 凶真と紅莉栖と三人で来ただけじゃないか」

    シャル「(あっ、オカリン……気付かなかった)」

    「(む、一夏に視線が行き過ぎて気付かなんだ……)」

    「(居たんだ)」

    セシリア「(一夏さんと紅莉栖さんしか目に付きませんでしたわ……)」

    ラウラ「なんだ、岡部倫太郎も一緒だったのか。制服が違うので気付かなかったぞ」

    115 = 104 :


    岡部「っふ。良く気が付いたな、眼帯娘よ。
        我助手、クリスティーナによってカスタムされた白衣仕様の制服だ……」

    シャル「わぁ、二人ともなんだかとっても似合ってるよ!」

    セシリア「言われてみれば……なんだか、しっくりきますわね?」

    「正直、昨日までの姿には少しばかり違和感を感じていたが……」

    鈴音「それにしたって、ちょっとカスタムしすぎじゃない?」

    ラウラ「この学校は制服のカスタムが自由だ。私のようにスカートではなく、ズボンを穿くことも許されている」

    紅莉栖「(助手とか、ティーナについて誰も突っ込んでくれない……)」

    一夏「全部、紅莉栖が裁縫したんだってさ。すげーよな。
        紅莉栖はきっと良いお嫁さんになるぜ」

    紅莉栖「えっ、そっ……そんな……。
        (岡部と結婚したら、きっと毎日楽し……えへへ)」

    116 = 104 :


    シャル「ぼっ、僕も裁縫してみよっかなー……?」

    「私も裁縫は苦手な方ではないぞ……?」

    セシリア「わっ! わたく……しはその……」

    鈴音「りょっ、料理が出来れば十分でしょ!」

    ラウラ「おい。何時までも立ち話していないで食事を取りに行かないのか?
         教官に見つかったら事だぞ」

    一夏「おっと、そうだな。飯にしようぜ」

    鈴音「さっさと食べて教室行かないと、授業始まっちゃうわね」

    「それもこれも、一夏が余計な誤解を招くからだぞ」

    セシリア「そうですわよ、まったく……」

    シャル「まぁまぁ、早く食べちゃおう?」

    ラウラ「朝食の時間は貴重だと言うのに……」

    岡部「この連中はなぜ、こうも毎回騒がしいのだ……?」

    紅莉栖「端から見たらラボも実際こんなもんよ……私達に無かったのは若さだけね。
         あと一つ言っておくけど、アンタも十分騒がしいから」

    岡部「……」

    117 = 104 :



    ─てがみ─


     よっす、ちーちゃん! 元気?
    ちょっと聞きたいんだけどさー、岡部倫太郎ってどうなの?
    なんか解ったりしてる?
    解らないよねー、束さんが解らない事が解るはずないもんねー。

    そいでさ、色々調べたいんだけど身体開けるのってやっぱり不味いよね? ね?
    だから仕方なく、仕方なくだよー? その子にIS渡そうと思ってさ。
    根回しはしといたから、だいじょーぶいぶいっ!
    箒ちゃんにあげた時ほど問題にはならないっぽいよ! これも彼が男の子だからかな?

    ってことでよろしくぅ!
    先にコアを送っておくからそれを渡しておいてねん。
    いちおー、第4世代って事なんだけどもう限りなく第五世代に近いと言うかー。
    わき道それ過ぎてちょっともうそれ違う感じじゃん!? ってな具合なんだけど気にしない気にしなーい!

    厳密に名前を付けるなら、そーだなーうーんうーん……。
    特殊成長型IS……ってところかな? っま! 良いか!
    後で機体が出来上がったら別途で送るから、先にコアを渡しておいてね!
    取りあえず触らせれば解るから!!
    ってコレさっき書いたっけ? まぁいーかー! うん! ばいばい。

    菓子子

    118 = 104 :


    ──カサカサ。

    千冬「……はぁ」

    山田「えっ、つまりこの箱の中にはISのコアのみが入ってるということですか?」

    千冬「だろうな……」

    山田「コアだけを彼に……岡部君に渡してどうするつもりなんでしょう。
        それに、実質の第5世代? 特殊進化型って……」

    千冬「束が何を考えているのかなんて、想像するだに無駄なことだ。
        しかし……思った以上に行動が早かったな」

    山田「篠ノ之束が作った第5世代相当の専用機……また、周りが荒れそうですね。
        と言うか、荒れます。完全に……はぁ……。
        来週に行われる“クラス内対抗戦”はどうしますか?」

    千冬「間に合うようなら岡部もその機体で参加させる。
        束のことだ、間に合わせてくるだろう。
        データを取るにはうってつけのイベントだからな……」

    119 :



    ──キーンコーンカーンコーン。


    千冬「HRを始める……と言っても特に報告は無い。
        来週に行われる“クラス内対抗戦”は解っているな?
        何時も以上に各人、気を引き締めて授業を受けるように。
        午前中はIS実戦だ。すぐに着替えて、第二グラウンドへ集合。
        それから岡部」

    岡部「ん……?」

    千冬「コレを」

    岡部「この箱は……?」

    千冬「ISのコアだ。お前の専用機が近いうちに届く。
        意図は解らんが届くまでお前がそれを持っていろとのことだ」

    ──え! 専用機!? コアってどういうことだろ!? ざわざわ。

    千冬「静かに! さぁ、さっさと着替えてグラウンドへ集合しろ。以上!」

    ──ガラガラ、ピシャ。

    120 = 119 :


    一夏「凶真! 取り合えず、それは後にして急ぐぞ!」

    岡部「お? お? どういうことだ?」

    一夏「女子が着替え始めるから急いで更衣室に行かないと!
        アリーナに更衣室がある、実習の度に移動しなきゃいけないから急がないと遅刻する!」

    岡部「う、うむ」


    紅莉栖「行っちゃった……(ISのコアのみ? どういうこと?)」

    シャル「っさ、紅莉栖も着替えないと」

    セシリア「もたもたしていると、遅刻しますわよ?」

    「早着替えには慣れておいた方が良い」

    紅莉栖「(目の毒です……本当にありがとうございました……ん?)」

    ラウラ「どうした? 私の身体に何か付いているのか……?」

    紅莉栖「いっ、いえ! なんでもないの!
        (仲間が居た……)」

    紅莉栖「それにしても、私は技師な訳だが……操縦しなくちゃいけないのかしら」

    シャル「うーん、一応授業だからね。必修としてやらなくちゃいけないんじゃないかな?」

    紅莉栖「そっか。それもそうよね……にしても、この格好は恥しいわね……」

    「直に慣れる。行こう」

    121 = 119 :



    ─アリーナ更衣室─

    岡部「これを……着るのか?」

    一夏「ん? どうかしたのか?」

    岡部「少し、ぴっちりしすぎじゃないか……」

    一夏「これさ、着る時に裸って言うのが着辛いんだよ。引っかかったり」

    岡部「だな……」

    一夏「っま! その内慣れるさ」

    岡部「慣れたくないものだが……。これは最初の制服以上にキツいものがあるな……」

    122 = 119 :



    ─第二グラウンド─


    千冬「本日は実演戦闘を行う。
        岡部と牧瀬は初回になる、織斑! デュノア! 軽く実演を行え」

    一夏「了解」

    シャル「はい」

    「(っく、なぜ私じゃないんだ…)」

    シャル「(選ばれなかった……ショックですわ……)」

    ラウラ「(教官、私ではダメなのでしょうか……)」

    岡部「(えぇい、この服装は……目のやり場に困るではないか)」

    紅莉栖「(もう……何なのよこの服装! ボディーラインが見えすぎじゃないの!?)」

    千冬「ざわつくな! 良いか二人とも、慣らす程度で良いからな。
        各人、両名の動きをちゃんと見るように」

    123 = 119 :


    ──シュユゥゥゥゥン……!
    一夏の右腕に装備された白いガントレットが光を放ち、身体を包み込んだ。
    次の瞬間、織斑一夏専用機 IS“白式”が現れた。

    同様に、シャルロット・デュノアも専用機 IS“ラファール・リヴァイヴ・カスタムII ”を身に纏っていた。

    岡部「これが、ISか」

    紅莉栖「一夏のが“白式”第4世代のIS。ちなみに第4世代のISは“白式”と箒さんの“紅椿”の二機のみ」

    岡部「む……随分と詳しいじゃないか」

    紅莉栖「これも常識だから、あんたも覚えておきなさい。
         シャルロット機の説明もいる?」

    岡部「頼む」

    紅莉栖「“ラファール・リヴァイヴ・カスタムII ”ラファール・リヴァイヴをカスタムした第2世代型IS。
         特徴は豊富な装備量で、どの様な場面でも即時対応が出来る。
         彼女の得意技、高速切替(ラピッド・スイッチ)をもっとも発揮出来る機体ね」

    124 = 119 :


    岡部「一夏の“白式”の説明も頼む」

    紅莉栖「OK. “白式”世界でたった二機しかない第4世代型IS。
         装備は“雪片弐型”(ゆきひらにがた)近接戦闘用の武装で白式の主力武装。
         “ワンオフ・アビリティー”(単一仕様能力)は“零落白夜”(れいらくびゃくや)
         対象のエネルギー全てを消滅させる。いわゆるチート武器ってやつね。
         ちなみに、第1回IS世界大会総合優勝および格闘部門優勝者である織斑先生の搭乗していたIS“暮桜”も同じ“ワンオフ・アビリティー”だった。
         未だ謎だらけの機体よ」

    岡部「ふむ、詳しいなクリスティーナよ」

    紅莉栖「表面的なスペックは公表されてるから、当然っちゃ当然よ。
         ……始まるわよ」

    千冬「(ふん、レクチャーしてやろうかと思ったが……その必要はなさそうだな」

    シャル「行くよ、一夏!」

    一夏「おう! 来い……!」

    125 = 119 :



    ──シャゥゥン!!

    右手に連装ショットガン“レイン・オブ・サタデイ”を呼び出し、一夏へとその銃口を向けた。

    一夏「っく……!」

    シャル「だめだめ! 近づけさせないよ……!」

    弾丸の雨を潜り、シャルロットに近接しようとする一夏だが動きを読まれ一向に近づけない。
    被弾を減らしつつ、攻撃を凌ぐしかなかった。

    シャル「まだまだぁ……行くよ!!」

    ──シャゥゥン!!

    シャルロットは重機関銃“デザート・フォックス”に切り替え、その鉄量を持ってして一夏を攻め続ける。

    ──ダダダッ!! ガンガンガンッッ!!

    一夏「くっそ……!」

    126 = 119 :


    避けきれずに被弾する。
    “雪羅”による“零落白夜”のバリアシールドを展開しようとしたが、シールドエネルギーのことを考え一夏は躊躇った。
    おそらく、シャルロットの目論見は遠距離攻撃を繰り返し、シールドを展開させエネルギー切れを狙っている。

    一夏「その手には……乗らないぜっ!!」

    次の瞬間、一夏は“ダブル・イグニッション・ブースト”(二段階瞬時加速)を仕掛けた。

    一夏「決める……!!」

    ─“零落白夜”発動─

    一夏「うおおおおおおおおおお!!!!」

    銃弾の雨を潜り抜け、その一太刀をシャルロットへと振り抜いた。

    シャル「──掛かったね、一夏!
        “イグニッション・ブースト”からの、“零落白夜”……想定していれば、避けられるよっっ!!」

    一夏「な……にっ」

    127 = 119 :


    全力で空振りをした一夏の隙をシャルロットは逃がさなかった。
    “雪羅”によるクロー攻撃での返しを試みたが──。

    ──カツン。

    シャル「チェックメイト……」

    背中を取られた一夏……白式の背中に“灰色の鱗殻”(グレー・スケール)がカツンと当った。
    零距離、それも背後からパイルバンカーを食らってはひとたまりも無い。
    一夏の選択は一つだった。

    一夏「……参った」

    シャル「んふふっ、僕の勝ちだね♪ 二段階瞬時加速が思ったより速くて焦っちゃったけど、なんとか対応できたよ」


    千冬「それまでッッ!!」

    128 = 119 :


    岡部「何が何だか解らない訳だが……」

    紅莉栖「最初はそんなもんでしょ。あんた、教科書どこまで読んだの?」

    岡部「半分だ。二日で読むと言ったからな」

    紅莉栖「ふむん。ちゃんと読んでるじゃない、感心したわ」

    セシリア「まったく、一夏さんったら最近たるんでるんじゃなくって?」

    「まったくだ。鍛錬が足りていない証拠だな」

    ラウラ「いや、そうとばかりも言えん。シャルロットの技術が上がっている。私もうかうかしてられんな……」

    129 = 119 :


    一夏「ふぅー、凶真にカッコ悪いとこ見せちゃったな」

    シャル「一夏は最近考えて戦いすぎなんじゃないかな、そのせいで裏をかかれやすくなってると思うんだ」

    一夏「スラスター増設とか、“雪羅”のエネルギーの食い方が半端じゃないからさ。どうしても短期戦で決めなきゃって思っちゃうんだよな」

    シャル「うん。じゃぁまず──」

    千冬「反省会は後にして、一旦集まれ」

    一夏「あっ、はい!」

    シャル「はいっ」

    千冬「二人ともご苦労だった。デュノアは全体的に技術が上がってきているな。
        織斑は考えて戦いすぎだ。お前はそう言う性格の人間じゃないだろう、もっと自分を見つめな直すんだな」

    一夏「はい……」

    千冬「それでは、これより二人一組で軽い実戦を行う。
        専用機持ちはこれを補助、カバーしてもらう。解ったな!」

    専用機持ち「「「「「了解っ!」」」」」

    130 = 119 :


    千冬「岡部、それと牧瀬はこっちだ……」

    岡部「む?」

    牧瀬「へ?」

    千冬「牧瀬は技術屋だ。無理にIS操縦をする必要もあるまい。
        お前は生徒達の乗る“打鉄”に不備故障などが無いか見学していろ。
        目で見て不具合を察知出来るようになれ。良いな」

    牧瀬「はっ、はい」

    千冬「岡部。先ほど渡したコアの入った箱を持っているな?」

    岡部「あっ……あぁ……はい」

    千冬「よろしい。開けろ」

    131 = 119 :



    箱の中には球体のISコアが入っていた。
    その色は黒く暗く、全てを吸い込むような深い色をしていた。


    岡部「これが……ISのコアか。
       (ダルが見たら喜びそうだな)」

    紅莉栖「(一体コアだけで何をしようってのかしら)」

    岡部「ふむ、良い色だ……ダークマターと名付けようではないか」

    紅莉栖「(ナチュラルに、厨二乙……。顔、ニヤついてんぞ)」

    千冬「名前などどうでも良い。持ってみろ……」

    ──フィィィィィィィィン……。
    岡部がコアに触れた瞬間、コアが一瞬光を放ち──消えた。

    岡部「なにっ!? 消えたぞ!」

    千冬「……右手の指を見てみろ」

    紅莉栖「えっ、指輪……? 岡部がそんなお洒落アイテム持ってるはず……」

    岡部「なんだ、これは……」


    岡部の右手中指には黒い無機質な指輪が輝いていた。

    132 = 119 :


    千冬「おそらく……待機状態だろうな」

    紅莉栖「待機……ちょっ、ちょっと待って下さい!
         コアの待機状態なんて、そんなの聞いたことも無い……」

    千冬「これを岡部にと用意したのは束だ。何かしら意味があるのだろう……」

    紅莉栖「(篠ノ之 束の……)」

    岡部「女史よ。それで俺は一体どうすれば……」

    ─パァンッ!

    岡部「あだっ!」

    千冬「織斑先生だ。同じ事を何度も言わせるな馬鹿者。
        以上だ。後は牧瀬と見学していろ」

    岡部「俺は皆のようにISを操縦しなくて良い……のですか?」

    千冬「時期に専用機が届く。
        それまで変に癖をつける必要も無いだろう。解ったら黙って見学しておけ」

    133 = 119 :


    岡部「ふむ……それにしても、趣味の悪い指輪だ」

    紅莉栖「さっきまで、「ダークマターと名付けよう……」とか何とか言っちゃってニヤついてた癖に」

    岡部「あっ、あれはあの黒い球体だから良かったのだ!」

    紅莉栖「はいはい厨二厨二」

    岡部「ぐぬ……!」

    紅莉栖「……ん? 何よ急に黙っちゃっ……て……」

    岡部「っべ、別に見ようと思って見たわけではないぞ!
        貴様がそんなピッチリとした服を着ているから目線が行ってしまっただけで……」

    紅莉栖「アンタがHENTAIだってことすっかり忘れてた!
         それに、そっちだって同じの着てるじゃないか!」
     
    岡部「お前の貧相な身体など見るに値しな──」

    紅莉栖「それ以上言ったら、ポン酢漬けにするわよ……」

    134 = 119 :


    岡部「はぁ……しかし、とんでもない学校へ来てしまったものだな……。
        見ろ。俺達よりも若い衆がISを乗り回して戦っている」

    紅莉栖「そうね。……──ねぇ、岡部」

    岡部「ん?」

    紅莉栖「やっぱり、その……怒ってる?」

    岡部「何だ、藪から棒に」

    紅莉栖「いや……だって、私が原因でここに居る訳だし、さ」

    岡部「そうだな……」

    紅莉栖「(やっぱり……)」

    岡部「だが案ずるなクリスティーナよ。
        ここ最近は退屈していたところだ、この程度どうと言うことはない」

    紅莉栖「岡部……」

    135 = 119 :


    岡部「ただ。ラボに行かない生活……と、言うのは少し味気なさを感じるな」

    紅莉栖「そうね……」

    岡部「次の連休当りに、ラボへ行かないか?」

    紅莉栖「へっ……」

    岡部「ホームシックになるのが早いと、ダルやまゆりに笑われてしまうな……」

    紅莉栖「ううん。だって、あそこは岡部。あんたの日常だったんだもの。
         誰も笑いやしないわ」

    岡部「……ふん。助手の癖に、言ってくれる」

    紅莉栖「助手でもティーナでも無いと、言っとろーが」

    岡部「ふっ……ここでも楽しくやれると良いな」

    紅莉栖「そうね。でもきっと大丈夫よ、良い人達ばかりだもの」

    136 = 119 :


    ラウラ「待て一夏! 今度は私と勝負しろ!」

    セシリア「いーえ! 今度こそは私のブルーティアーズとですわ!」

    「次は私と戦う約束だったろう! おい一夏逃げるなっ!!」

    シャル「あ、あはは……大変だね、一夏」

    一夏「笑ってないでシャルも何とか言ってくれよ!」

    シャル「いやぁ、僕はさっき戦っちゃったから何も言えないよ。ごめんね一夏」

    ラウラ「いー」

    セシリア「ちー」

    「かぁぁぁ!!」

    一夏「うわああああ!!!」

    千冬「お前らっ! 真面目にやれ!!」


    紅莉栖「ね?」

    岡部「あぁ──そうだな」

    137 = 119 :

    今回の投下は以上です。

    読んでくれてる方々、感謝です!

    138 :

    これはISSSでは稀なキャラ崩壊してないSSやね

    139 = 119 :

    ISを知らない人の為に簡単な用語説明。

    白式(びゃくしき)の能力

    装備
    ・雪片弐型(ゆきひらにがた)
    剣の形をした、近接戦闘用の武装で白式の主力武装。

    ・零落白夜(れいらくびゃくや)
    白式の単一仕様能力。
    対象のエネルギー全てを消滅させる。
    使用の際は雪片弐型が変形し、エネルギーの刃を形成する。
    相手のエネルギー兵器による攻撃を無効化したり、シールドバリアーを斬り裂いて相手のシールドエネルギーに直接ダメージを与えられる白式最大の攻撃能力。
    自身のシールドエネルギーを消費して稼動するため、使用するほど自身も危機に陥ってしまう諸刃の剣。

    ・雪羅 (せつら)
    状況に応じて荷電粒子砲、エネルギー刃のクロー、零落白夜のシールドへ切り替え、4機のウィングスラスターによる《 二段階瞬時加速 (ダブル・イグニッション)》が可能になる。


    ・ワンオフ・アビリティー(唯一仕様の特殊能力)
    各ISが操縦者と最高状態の相性になったときに自然発生する能力のこと。

    ・イグニッション・ブースト(瞬時加速)
    ISの後部スラスター翼からエネルギーを放出、その内部に一度取り込み、圧縮して放出する。
    その際に得られる慣性エネルギーをして爆発的に加速する。

    140 = 119 :

    月曜日からは仕事があるもので、投下速度が落ちてしまうかもしれませんが、頑張ります。
    ありがとうございました。

    141 :

    ダルとか画伯とか他のラボメンの出番はないのか?

    142 :

    面白すぎてやばいww
    更新これからも頑張ってくれ!

    143 :

    >>104
    なら、加盟国に情報開示すれば良いだけじゃね?
    日本だけが技術持つのイクナイっていう条約だし。

    144 = 119 :


    ○○のキャラは出るの?
    と言う質問に対しては、言ってしまうと色々とイベントやら何やら予想付きそうな感じがするのでごめんなさい。
    がんばります。

    >>143
    シャルロットがIS学園に潜入して、白式のデータを盗もうとした。
    この事から、(当然だが)ISのデータは公表されているスペック以外にも色々と秘密がある。
    そしてそれが公表されない事にも理由がある。

    *公表されているスペック=ラウラが鈴とセシリアに言った台詞
    ラウラ「データで見たときの方がまだ強そうではあったな」
    から憶測し、表面的な数値は公表されていると考える。

    そして、女性しか扱えないはずのISを起動させた二人目の男。
    織斑一夏だけの特異ケースでなく、何らかの事象が原因で起動させることが出来るのであれば世界が変わる。
    もちろん軍事的な意味でも一気に色が変わる程の事件になる。
    国際委員会としては各国で仲良く情報を共有、ではなく慎重に慎重を重ねたいと言う思惑。

    と言う事でどうか一つご了承下さい……。

    145 :

    また楽しみが増えたぜ
    ……無精ヒゲくらい処理しようぜオカリン

    146 :

    乙!次も楽しみにしてる

    147 :

    なんか教科書を読むスピードといいこのオカリンはハイスペックな予感

    148 :

    オカリンって実際スペック高いんだっけ?ダルは明らかに高スペックだけど
    原作じゃオカリンの学業レベルとかには触れてないよね?
    まぁ執念ってか努力家なイメージはあるが

    149 :

    全力で努力できる才能があんじゃね

    150 :

    γ世界線では鈴羽を凌ぐ身体能力

    自力で動画を添付出来るDメール開発
    ダイバージェンスメーター開発

    基本的にスペックは高いんだよな


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