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    元スレ紅莉栖「岡部、IS学園に転入して」

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    タグ : - steins;gate + - インフィニット・ストラトス + - 岡部倫太郎 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    301 = 194 :


    紅莉栖「織斑先生はこの能力を駆使して、第1回モンド・グロッソを勝ち抜いた……」

    岡部「……おかしくないか?」

    紅莉栖「うん……」

    岡部「俺が受けた攻撃は確かに“零落白夜”なんだな?」

    紅莉栖「えぇ間違いない」

    岡部「対象のエネルギー全てを消滅させる……? おかしいではないか。
       “石鍵”の“シールドエネルギー”はほぼ満タンだ。
        何せ、まともに動いてないからな」

    紅莉栖「そこがおかしいの。確かにあの時“石鍵”の“シールドエネルギー”は表示されていなかった」

    岡部「そこがおかしいではないか。表示されていない? エネルギーが0になると、表示されなくなるのか?
        俺が参考書で読んだ記憶では“0”と表示される。と書いてあった気がするのだが……」

    紅莉栖「……あっ!」

    岡部「ふむ。余計解らなくなったな……」

    紅莉栖「岡部、ちょっと調べさせて貰うわね?」

    紅莉栖はそう言うと、デバイスを取り出しPCとISを繋げた。
    この時、紅莉栖は“IS国際委員会”に命令されての情報収集ではなく、純粋に科学者としての探究心から動いていた。

    302 = 194 :


    紅莉栖「……やっぱり。でも、何で……」

    岡部「おい、何か解ったのなら教えてくれ。何がやっぱりなのだ助手よ」

    紅莉栖「でも……理由が……」

    岡部「クゥゥリィイス!」

    紅莉栖「あっ、ごめん。ちょっと考えちゃった。えっと、説明するね?」

    岡部「頼む」

    紅莉栖「OK. まず結論を言うわね。岡部は“白式”の最大攻撃と言える“零落白夜”の直撃を食らった。
         しかし“シールドエネルギー”を消滅させられることは無かった」

    岡部「……続けてくれ」

    紅莉栖「“零落白夜”が不具合を起こした訳でも、“石鍵”の特殊能力によりコレが無効化された訳でもない。
         “石鍵”は直撃の瞬間、コア自らの意志で“シールドエネルギー”の供給を遮断した」

    岡部「遮断……した?」

    紅莉栖「そう。その影響で、表示されるはずの“シールドエネルギー”残量は表示されず、私を含め殆どの人間が直撃を食らい、
        “石鍵”の“シールドエネルギー”が消滅したのだと勘違いした」

    303 = 194 :


    岡部「ちょっと待て。“シールドエネルギー”の供給が遮断されてしまえば“シールドバリアー”が無くなってしまう」

    紅莉栖「その通り。つまり“石鍵”は独自の判断でそれを決行した」

    ──“白式”の攻撃は“シールドバリアー”を展開する必要の無い攻撃力だと。

    紅莉栖「付け加えておくけれど、決して“零落白夜”の攻撃力は低くない。
        いいえ、現行では一発の破壊力としては最強の一角と言って良いほどよ。
        “銀の福音”(シルバリオ・ゴスペル)を落したのは伊達じゃない」

    岡部「待て待て待て……理解が追いつかん」

    紅莉栖「アンタにも解るように説明するとだな……。
       “石鍵”の装甲はべらぼうに強い。呆れるほど硬い。
        バリアー張らなくて傷一つつかない位強固。
        だから“石鍵”はノーガード作戦を決行して“零落白夜”の直撃を食らった。
        むしろ無駄にガードして“シールドエネルギー”消滅させれる方がマジ無理。
        ってか“シールドバリアー”も貼る必要なくね? だったら、エネルギーカットしちゃう!
        ってことよ」

    岡部「防御力が凄いってことか?」

    紅莉栖「そう言うこと。でもほんっっと無駄なのよね、この機能」

    岡部「……えっ?」

    304 = 194 :


    紅莉栖「IS戦での勝敗は、言い換えれば“シールドエネルギー”の削り合いよ?
        “石鍵”のように、エネルギーカットをしてしまえば今回のように“シールドエネルギー”が表示されなくなる」

    岡部「表示されない=0。と判断されて、負ける……という事か?」

    紅莉栖「オフコース。装甲の硬さも正直、あまり意味が無いわね……“シールドエネルギー”がある限り、
         “シールドバリア”が破られても“絶対防御”で操縦者の命は守られる。
         “零落白夜”のように“シールドエネルギー”を消滅させられた場合はこの限りじゃないけど……」

    岡部「なんと言うことだ……」

    紅莉栖「このこと、皆には言わない方が良いかも」

    岡部「……なぜだ?」

    紅莉栖「ISとしてかなりの欠陥機能ですもの。
         装甲が硬いからって、エネルギー供給をカットしちゃうなんて……。
         幸い、皆は“石鍵”の“エネルギーシールド”残量を確認していない。
         生徒会長に背中を押されて直ぐに出て行っちゃったからね」

    岡部「確かに……言う必要はないな。心配させるだけかもしれない。
       しかし、防御力だけの機体とは……俺は俺が思うほど自己保身の強い人間だったという事だな」

    紅莉栖「(……そこが腑に落ちない。
          私の記憶の残滓にある岡部倫太郎は、むしろ自己犠牲の強い気のある男だった。
          未だに私と岡部が過ごした3週間の記憶、その全てを思い出した訳ではないけれど……。
          だとしたら、この装甲の硬さは“コア”の意志……ってこと?)」

    305 :

    ロシアってISの世界では大国なの?

    306 = 194 :


    岡部「よくよく考えればまさに欠陥機だな。攻撃を受ける度にエネルギーをカットしていては試合にならない。
        一撃食らっただけでエネルギー0と判断されて試合が終る」

    紅莉栖「ん。それは私がなんとかしよう」

    岡部「なんとか……って出来るのか?」

    紅莉栖「おいおい。忘れたのか? 岡部が言ったんでしょ、私はタイムマシーンを開発出来るほどの天才なのだぜ?
         エネルギーカット機能をさらにカットする、そんなパッチを作るくらい訳無い。
         2.3日掛かるけどね」

    岡部「紅莉栖……すまん。迷惑をかける……」

    紅莉栖「やっ、野暮ったいこと言うな! そ……その、ラボメンだろ。
         ラボメンは仲間だから協力するのは仕方ないと言うか……当たり前と言うか……。
         とっ! とにかく、その機能を岡部の意志で切り替え出来るようにしてやるから、まずはそのあんまりにも無い体力をどうにかしろ!」

    岡部「……まさか、ISでの戦闘があそこまで疲れるものとは──」

    紅莉栖「疲れない! 疲れません! 普通疲れないから!」

    岡部「なっ、何を言う! 3分も動けば息が弾み呼吸が乱れていたぞ!」

    紅莉栖「体力無さ杉だろjk……アンタって私より体力無いもんな。忘れてたわ」

    岡部「ぐぬぬ……」

    307 = 194 :


    紅莉栖「取りあえず、原因も解決方法も解った訳だが私達は生徒会室に御呼ばれしている。
         さっさと展開解除して、着替えて行きましょ」

    岡部「う、うむ……」

    紅莉栖「? どうしたのよ、さっさと解除しなさいよ」

    岡部「助手よ……その、後ろを向いていてはくれまいか。
        正直、このピチピチとしたスーツはまだ慣れんのだ……」

    紅莉栖「ばっ……見るかこのHENTAI!」

    岡部「女子にこの辛さが解るか! 見る、見られないの問題ではない!!」

    紅莉栖「辛さなら解るわボケ! 胸の大きさかんが……」

    岡部「……」

    紅莉栖「OK. 外で待ってるわね」

    岡部「す、すまない」

    紅莉栖「気にしないで。そしてお前も気にするな、解ったな?」

    岡部「はい」

    308 = 194 :


    紅莉栖の解析により“石鍵”の特性が判明した。
    それはISとして致命的な特性であり、使い道の無いものであった。

    紅莉栖は考える。
    なぜ、“石鍵”はそのような特性を組み込んだのか。
    “シールドエネルギー”をカットしてまで、エネルギーを温存しなければならない状況を想定しているのだろうか。
    あの装甲の硬さは……。
    “白式”の全力攻撃を受けて傷一つ付かないなんて異常の極みと言える。
    一体何と戦うことを想定しているのだろうか。
    戦争? どこの国と? 核攻撃にでも耐えるつもり? その為の全身装甲?
    疑問は増えるばかり。

    そして岡部に伝えなかったもう一つの特性。
    “石鍵”の“総シールドエネルギー量”は従来のIS機の数倍近い数値を示していた。
    しかし、今回の戦闘ではそのエネルギーにロックが掛かっておりその大半が開放されずにいた。
    全エネルギーが解放された場合の数値は、今の機材で計測出来るものでもなかった。

    解析をしたい、研究をしたい。
    何のために“石鍵”はあの形になったのか。
    全て、岡部の深層心理のようなものが反映されているのだろうか。

    数々の問題が山積した今回の出来事。
    紅莉栖は微かに微笑んだ。

    紅莉栖「面白いじゃない……私が解を導き出してあげるわ」

    309 = 194 :

    以上です。
    ありがとうございました。

    >>305
    原作にそのようなことは一切書いて無かったと記憶しています。
    ISとしての先進国なのかは解りませんが、ロシアは大国と言う言葉を当てて遜色ない国だと思いそう表現しました。

    311 :

    乙です

    次が楽しみだ

    312 = 280 :

    乙だよ。無理せず進めてくれるとうれしい。

    なんかアレだ。九尾の力を解放する前のナルトを思い浮かべたのは俺だけかね。

    313 :

    乙です。

    そう言えば束と鈴羽の中の人も同じか。
    束はオカリンの事なんで呼ぶんだろ、
    リンリンって呼んでくれる事を期待してます。

    315 :

    よく考えたら助手も敵に近いんだよな

    周りに純粋な味方がいないオカリンマジ可哀想

    316 :

    おつおつ
    なんかもうめっちゃ面白い

    317 :



    まゆしぃとダルだけでラボは大丈夫なのかねぇ
    それとも、他のラボメン達の遊び場になってたりして

    318 :

    まゆしぃとダルって普通に仲良いよね
    まさか鈴羽の母親は…

    319 :

    鈴羽の母親の苗字はあまねだから違うだろww

    320 = 318 :

    本編終了後の話なんだからシュタインズゲートの未来は未確定なはず
    ダルが自身のダルバナをまゆしぃのまゆしぃ☆に挿入したら世界線が(ry

    321 :

    まっちょしぃJr.の誕生か……。
    世界が壊されるな。

    323 :

    .>>322
    もう許してやれよwww
    あとsage

    324 :

    >>320
    おまいのせいでダルまゆSSのインスピレーションが湧いてきた、訴訟

    325 :

    >>318

    326 :

    え 誰このいけめんww

    327 :

    ダル君だよ~

    328 = 323 :

    リア充爆発しろと言いたくなるな

    330 :

    流石クリちゃんはスゲェ

    332 :

    ダルは国際機関にハックしたり独自にタイムマシン開発したりかなりの高スペックの持ち主
    コミュ力も高くて友達思いだしレジスタンスを結成して悪に立ち向かうなど
    正義感も高く行動力もある
    しかも有名なレイヤーである美人の嫁さんゲットして可愛い娘も産まれる予定

    間違いなく俺らより上

    333 :

    祝日? 土曜日? なにそれ美味しいの?
    休みが日曜日しかありまてん……。
    その日曜日も、風邪で休んだから埋まりそうな勢いです。

    文章量少なめかとは思いますが、今日の文をもう少ししたら投下出来ると思います。

    334 :

    舞ってる

    335 = 194 :

    ↓より投下します。説明パート?なのでちょっと微妙ではありますが。

    336 = 194 :

    >>308 続き。


    ─生徒会室─


    どんっと豪勢な机が窓を背に鎮座しているのが印象に残る。
    一夏はこれを“権力者の象徴”だなと思っていた。

    ──コンコン。

    控えめなノックの後に扉が開いた。
    岡部倫太郎と、その後ろから牧瀬紅莉栖が入室した。

    楯無「いらっしゃーい」

    紅莉栖「どうも……」

    岡部「で、一体どうしたと言うんだ?」

    楯無「あら、皆が倫ちゃんの“石鍵”について知りたそうな顔してたから、おねーさんが一肌脱ごうとしてるのに」

    ぴらっ、とスカートの裾をあげる仕草を見せる。
    それを見て、一夏がそっぽを向く。

    岡部「スカートを脱いでどうする」

    337 = 194 :


    楯無「あん。倫ちゃってば反応つまんなーい。
        一夏くんみたいに照れた方が可愛いわよ?」

    内心、岡部もドキドキしていたが年長者としての少しばかりの面子。
    そして何より後ろに紅莉栖が居る状況では落ち着いた対応をせざるを得なかった。

    「んんっ! 楯無先輩。お話を伺いたいのですが」

    セシリア「そっ、そうですわ! 私達はそのためにここまで来たのですから」

    ラウラ「何時まで裾を持ち上げているつもりだ。一夏が困っている」

    楯無「あら? 一夏くんは嬉しいわよね?」

    一夏「えっ!? いっ、いや……」

    ラウラ「ふん。困っているではないか」

    楯無「あっ、そーかぁ。もう一夏くんはおねーさんのパンツ見慣れちゃったんだもんね」

    338 = 194 :


    一夏「ぶっ!」

    「貴様……」

    セシリア「いいえ、まさかそんな……」

    鈴音「……え?」

    シャル「うん……どう言うことだろうね?」

    ラウラ「どっ、どういう……」

    一夏「ちっ、違う! 誤解だ!! あれはお尻をマッサージしてくれって言われたか、ら……で……」

    恋する五人の乙女が発する気によって、生徒会室の空気が凍る。
    なるほど。
    紅莉栖はこうして、自ら墓穴を毎度掘っているのねと納得した。

    紅莉栖「ちょっと、失礼。今はその話題ではなくて“石鍵”についてが先決じゃない?」

    見かねた紅莉栖が助け舟を出す。
    一夏以外、誰にも気付かれないようにウインクをして“貸し一つよ”と伝えた。

    一夏「(助かった……紅莉栖、ありがとな。本当に良いやつだ……。年上だし、しっかりしてるよなぁ)」

    339 = 194 :


    楯無「そーだった、そーだった。倫ちゃんもクリちゃんも座って座って」

    二人を椅子に促し、楯無は伊達眼鏡を装着し自分で“出来るおねーさん”を演出した。

    楯無「こほん。まず、あの武器の弱さについておねーさんなりに出した結論を教えちゃうわね?」

    岡部「攻撃力の低さに何か理由があったのか……?」

    一夏「やっぱり、あの攻撃ってただ攻撃力が低かっただけってことになるのか。
        あまりにも威力が低かったから、何か特殊な能力があるのかと思っちまった」

    楯無「一言で表すと……“石鍵”はズバリ、“赤ちゃん”なのよ」

    シャル「赤ちゃん……?」

    「赤子、と言う意味ですか?」

    楯無「いえーす、正解。ベイビーってこと」

    鈴音「ちょっと意味が解らないわね」

    セシリア「ISが赤ちゃんって、どういう事ですの?」

    340 = 194 :


    楯無「束博士は言いました。
       “石鍵”は“完全自立進化型”だと。
       “紅椿”同様に“無段階移行”(シームレス・シフト)が搭載されてると言ってたけれど、この機能もまだまだ謎が多い。
        ISの稼動時間だったり、戦闘による経験値だったり様々な要因から発動する。
        そうでしょ?」

    「え、えぇ」

    楯無「だから、おねーさんは思いました。
        この子はゲームのキャラクターの様に、経験値を手に入れて強くなるってことをね!」

    ビシィ!
    と音が聞こえてきそうな程、楯無は鋭角に人差し指を岡部倫太郎に向けた。
    その顔は自信満々のいわゆる、ドヤ顔と呼ばれている表情を作っている。

    セシリア「つ、つまり……あの不可思議な武器は今だ成長段階で、これから強くなるってことなのでしょうか……」

    ラウラ「成長する武器など聞いた事が無い」

    シャル「でもそれを言うなら、IS本体が成長するってのも聞いた事が無いよ。
        “非限定情報共有”(シェアリング)で、コアが自己進化するのは知ってるけど……」

    鈴音「つまりは、それが“完全自立進化型”ってことなのかしら?」

    一夏「進化していくISとその武器、って訳か」

    紅莉栖「……」

    岡部「なるほど。それならば、あのへぁんぱない弱さも頷けると言うものだな」

    341 = 194 :


    楯無「でしょでしょ?
        おねーさんあったまいー!」

    鈴音「うん? でもそうすると……」

    ラウラ「問題が一つ解決されていないな」

    「うむ」

    セシリア「倫太郎さんは“零落白夜”の直撃を受けましたわよね?」

    一夏「あっ、そう言えばそうだった」

    シャル「武器の弱さは何となく納得したけど、それとこれとは別だね」

    楯無は内心、このまま押し切れるかと期待していたがそこまで甘くは無かった。
    岡部・紅莉栖が至った結論と楯無が憶測により導き出した答えが同一であるかどうかは定かでは無いが、
    三者ともその仕様を皆に伝える気が無い。

    岡部と紅莉栖は黙り込み、楯無が説明するより他が無い状況。
    無論、楯無が皆を生徒会室に呼び、この状況を作った張本人であるので明言を避ける事も出来なかった。

    楯無「あーっと、それはね……?」

    342 = 194 :


    一夏「それは……?」

    楯無「ごめーん! おねーさんにも解らないの☆」

    てへっ、と可愛く舌を出しウインクをする。

    「は?」

    セシリア「どういうことですかしら?」

    鈴音「ちょっとちょっと」

    シャル「えっと……」

    ラウラ「何か解ったから、ココへ呼んだんじゃないのか?」

    楯無「あら、だから説明したじゃない。“石鍵”は赤ちゃんだって」

    一夏「でも楯無さん、凶真が墜落したあとぺたぺたと機体を触ってましたよね?」

    シャル「うんうん。それで何か解ったような顔してたもんね?」

    鈴音「あー、確かに触ってたわね」

    セシリア「この目でしっかりと見ていましたわ」

    ラウラ「その説明はどうする」

    楯無「うん。触ったけど、何も解らなかったの♪」

    343 = 194 :

    再び、てへっと楯無は舌を出した。
    無駄に可愛く見えるその仕草に誰とも無し舌打ちが微かに聞こえた。

    楯無「あーん、怒っちゃやー。おねーさんだって全部が解る訳、ないじゃないっ。ぷんぷん」

    一夏「いや……怒ってはいないですけど……」

    シャル「と、すると何でオカリンは無事だったんだろうね?」

    鈴音「そこが納得いかないのよね」

    紅莉栖「さっき、少しだけデータを見たけれど納得のいくような情報は得られなかったわ」

    一夏「そっか。結局謎は解けず仕舞いかぁ……“白式”の方で何か問題があったのかもなぁ。
        結局それが良い方向に働いた訳なんだけどさ。
        明日にでも整備室に行って見てくるかな」

    セシリア「それが良いですわね。万が一、と言うこともあります。
         “石鍵”によるなんらかの能力と見るより“白式”側に何かある可能性の方が現実的ですし」

    鈴音「産まれたての赤ちゃん、ってんだから何かしらの力があるようには思えないしね」

    ラウラ「機動力、攻撃力、どれを取っても第一世代に劣るスペックに思えるほどにな」

    楯無「はぁーい。問題解決ね♪」

    344 = 194 :


    岡部「うむ」

    紅莉栖「そうね」

    楯無「で! おねーさん一つ気付いちゃったの」

    一夏「まだ何かあるんですか?」

    「もう何もあるように思えないが……」

    楯無「ちっちっちー。皆は二人の戦いを見て、何か一つ不思議に思わなかったかしら」

    シャル「不思議?」

    楯無「倫ちゃん倫ちゃん」

    岡部「む?」

    楯無「あなた、戦闘が始まって5分もしない内に肩で息してなかった?」

    楯無の問いに、岡部は一瞬黙り込んでしまった。

    岡部「なっなにを言い出すのかと思えば──」

    紅莉栖「はい。岡部は開始3分程で呼吸が乱れるほど疲労していた」

    岡部「じょっしゅぅぅ! 貴様まで一体何を言いだすのだ!!」

    345 = 194 :


    セシリア「そう言えば、後半妙に動きがノロノロとしてましたわね」

    シャル「ISの操作に戸惑ってるのかと思ってたけど……」

    鈴音「えっ、でもあの程度で疲れる訳無いじゃない」

    「そうだ。第一動いているのは我々ではなくISなのだからな」

    ラウラ「IS戦闘3分でバテるなど論外も良いところだ、ありえん」

    岡部「う、うむ。ありえん」

    紅莉栖「私の体力は恐らく、一般的な10代後半の女性よりやや低い位。
         そして岡部の体力は私以下である。
         これによって導き出される解は……」

    楯無「倫ちゃん。あなた、体力無いでしょう?
        それも、びっくりする位に」

    岡部「……」

    346 = 194 :


    「まっ、まさか……」

    セシリア「考えられませんわ……」

    鈴音「ありえない……」

    シャル「えっと、冗談だよね? あはは……」

    ラウラ「貴様、それでも軍人か?」

    岡部「軍人ではない!!
        ええい、そもそも貴様らのような脳筋と一緒にするではない!!
        俺の本分はマーッドサイエンティースッ! 科学者なのだからな!」

    一夏「でも、凶真……その体力の無さはヤバイかも……」

    楯無「ヤバイわね」

    「危険だ」

    セシリア「少々お気の毒な感じがしてきましたわ……」

    鈴音「ヤバイってレベル通り越してるわよ」

    シャル「ちょっと、それは……うん」

    ラウラ「問題外だ」

    紅莉栖「満場一致で岡部はヤバイ」

    岡部「ぐぬぬ……」

    347 = 194 :


    楯無「と、言うこーとーでー。決まりね?」

    「うむ」

    セシリア「致し方ありませんわね」

    シャル「頑張ろうね」

    鈴音「しゃーない、付き合ってやるか」

    ラウラ「一週間でセーフティを外せるルーキーにしてやろう」

    岡部「うん? 何を言っているんだ? こいつらは」

    紅莉栖「さぁ……? 私にも」

    一夏「えーっと、多分……」

    楯無「クラス内対抗戦までみっっっちりしごいてあげる。
        正直、今の倫ちゃんにはISを起動する資格が無いもの♪」

    348 = 194 :


    岡部「は……? いやいや、待て待て俺はそんな事頼んでは──」

    「私の指導は厳しいが、なに。直に慣れる」

    セシリア「英国式のトレーニングを直接指導して差し上げますわ!」

    鈴音「面倒だけど、同じ専用機持ちの仲間ってことで協力してやるわよ」

    岡部「えっ、だから頼んで──」

    シャル「僕も心を鬼にして頑張るよ!」

    ラウラ「倫太郎。貴様専用に育成プログラムを組んでやる。逃げれば銃殺刑だ」

    楯無「あはっ。皆頼もしいわね」

    一夏「凶真……俺もサポートするからさ、死ぬなよ……」

    岡部「待て、なんだこの流れは」

    紅莉栖「良かったじゃない。これで、もやしっ子体型からおさらば出来ると思えば」

    349 = 194 :


    楯無「明日からさっそくスタートしましょうね? 倫ちゃん♪」

    岡部「俺に自由意志は無いのか?」

    一夏「凶真。俺達に自由意志は、無いんだよ……」


    一夏の一言で岡部は全てを汲み取り諦めた。
    いくら自分が足掻いたところで、この学園では逃れる術も守られるべき法も無いのだと。
    クラス内対抗戦まで残り約一週間。
    岡部倫太郎はこれまで生きてきた中で、肉体的に一番辛い時期を迎えることとなる。


    楯無「あっ、それと倫ちゃん生徒会に入って貰うからね♪」

    決定事項だから。
    と、楯無が最後に重く付け加えた。

    350 = 194 :

    おわーりです。
    物語の起伏が無く申し訳ない。

    それでは皆様良い週末連休を!                                                                             くそっ!!!


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