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元スレ垣根 「ほら、笑って笑って!」
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―――――――――
―――――
―――
11月17日(水)
~とある病院~
(一体何の用なんだ…?)
黒い学ランを着た1人の高校生は手術室の前の長椅子に腰かけていた
ツンツン髪の彼の名前は上条当麻
筋金入りの不幸体質で、一歩外へ出ると大抵何かしらの災難に出くわす
時には財布を落とし、時には騒ぎに巻き込まれ、時には女子のスカートの中を覗いてしまったり……
―――――
―――
11月17日(水)
~とある病院~
(一体何の用なんだ…?)
黒い学ランを着た1人の高校生は手術室の前の長椅子に腰かけていた
ツンツン髪の彼の名前は上条当麻
筋金入りの不幸体質で、一歩外へ出ると大抵何かしらの災難に出くわす
時には財布を落とし、時には騒ぎに巻き込まれ、時には女子のスカートの中を覗いてしまったり……
上条 (学校が終わったらすぐここへ来いとは言われたけど…)
今朝、冥土帰しから電話があった
事情は何も聞かされず、学校が終わり次第病院に来るようにとだけ言われたのだ
そして病院に着くと入口の看護婦に手術室の前まで案内され、今に至る
上条 (もしかして、俺の身体に異常が見つかってすぐ手術しなきゃいけないとか…?)
一抹の不安がよぎる
実は彼、この病院の常連患者でもあった
騒ぎが起きる度に大怪我をし、その都度冥土帰しに治してもらっていた
今朝、冥土帰しから電話があった
事情は何も聞かされず、学校が終わり次第病院に来るようにとだけ言われたのだ
そして病院に着くと入口の看護婦に手術室の前まで案内され、今に至る
上条 (もしかして、俺の身体に異常が見つかってすぐ手術しなきゃいけないとか…?)
一抹の不安がよぎる
実は彼、この病院の常連患者でもあった
騒ぎが起きる度に大怪我をし、その都度冥土帰しに治してもらっていた
切断された右腕も、冥土帰しなら手術痕1つ残さず治してみせる
彼の腕は確かだ。だからもしそうであったとしても、あまり心配はしない
…突然、手術室の扉が開いた
上条が扉の方に目をやると、手術着に帽子・マスク・手袋をした医者が1人
『冥土帰し』の異名を持つ医者だ
冥土帰し 「来てくれたね?」
上条 「あの、俺はどうして……」
冥土帰し 「説明は後でする、僕についてきてくれ」
そう言うと、冥土帰しは再び手術室の中へ入っていった
上条は一瞬躊躇うも、彼の後に続く
彼の腕は確かだ。だからもしそうであったとしても、あまり心配はしない
…突然、手術室の扉が開いた
上条が扉の方に目をやると、手術着に帽子・マスク・手袋をした医者が1人
『冥土帰し』の異名を持つ医者だ
冥土帰し 「来てくれたね?」
上条 「あの、俺はどうして……」
冥土帰し 「説明は後でする、僕についてきてくれ」
そう言うと、冥土帰しは再び手術室の中へ入っていった
上条は一瞬躊躇うも、彼の後に続く
冥土帰し 「君もこれに着替えるんだね?」
上条が渡されたのは手術着だった
いろいろ聞きたいことはあるが、とりあえず着替えることに
準備が整ったところで上条はもう一度冥土帰しに問う
上条 「俺はどうしてここへ呼ばれたんですか?」
冥土帰し 「……君に見せたいものがある」
こっちだ、と彼を奥の部屋へ案内する
そこには数人の医者が何かを囲むようにして立っていた
上条が渡されたのは手術着だった
いろいろ聞きたいことはあるが、とりあえず着替えることに
準備が整ったところで上条はもう一度冥土帰しに問う
上条 「俺はどうしてここへ呼ばれたんですか?」
冥土帰し 「……君に見せたいものがある」
こっちだ、と彼を奥の部屋へ案内する
そこには数人の医者が何かを囲むようにして立っていた
彼らに軽く挨拶すると、冥土帰しが上条のことを簡単に紹介した
医者達もそれに応え、立ち位置から少し左右へずれると……
上条 「……っ!!」
彼は目の前の“何か”を見て言葉を失う
それは、円柱型の容器一杯の培養液に浸された人間の脳だった――
医者達もそれに応え、立ち位置から少し左右へずれると……
上条 「……っ!!」
彼は目の前の“何か”を見て言葉を失う
それは、円柱型の容器一杯の培養液に浸された人間の脳だった――
上条 「うっ……!」
思わず目を背ける
当然だ、医者でもない人間が本物の脳を直に目にすることなど殆どない
大丈夫かと聞かれた気がしたが、気持ちを落ち着かせるので精一杯だ
しばらく胃の中で虫が這い回るような感覚に襲われる
上条 「……すみません」
冥土帰し 「そうなるのも無理はない」
少し落ち着いた様子を見て、冥土帰しは本題に入る
冥土帰し 「ここへ呼んだのは他でもない、君の力を借りたいんだ」
冥土帰し 「その右手に宿る『幻想殺し』をね…」
上条 「俺の力を……?」
思わず目を背ける
当然だ、医者でもない人間が本物の脳を直に目にすることなど殆どない
大丈夫かと聞かれた気がしたが、気持ちを落ち着かせるので精一杯だ
しばらく胃の中で虫が這い回るような感覚に襲われる
上条 「……すみません」
冥土帰し 「そうなるのも無理はない」
少し落ち着いた様子を見て、冥土帰しは本題に入る
冥土帰し 「ここへ呼んだのは他でもない、君の力を借りたいんだ」
冥土帰し 「その右手に宿る『幻想殺し』をね…」
上条 「俺の力を……?」
上条当麻は記録上、能力を持たない“無能力者”と呼ばれる分類に含まれている
しかし、彼の右手には不思議な力が宿っていた
『幻想殺し』と称されたそれは、あらゆる“異能”を打ち消すことが出来る
彼はそれで数々の死線をくぐり抜けてきた
学園都市最強と対峙し、数多の魔術師を退け、“天使”とも渡り合った
そのポテンシャルは統括理事長アレイスターも一目置いている
冥土帰し 「これは見ての通り、人間の脳だ」
冥土帰し 「この脳は今、異能の力に侵されているんだ」
冥土帰し 「僕も最大限の努力はしたが、今回ばかりはどうにもならない」
しかし、彼の右手には不思議な力が宿っていた
『幻想殺し』と称されたそれは、あらゆる“異能”を打ち消すことが出来る
彼はそれで数々の死線をくぐり抜けてきた
学園都市最強と対峙し、数多の魔術師を退け、“天使”とも渡り合った
そのポテンシャルは統括理事長アレイスターも一目置いている
冥土帰し 「これは見ての通り、人間の脳だ」
冥土帰し 「この脳は今、異能の力に侵されているんだ」
冥土帰し 「僕も最大限の努力はしたが、今回ばかりはどうにもならない」
あの冥土帰しの口から“どうにもならない”という言葉が出たのには驚いた
しかし、今回は医療の範囲から大きく逸れているらしい
“異能”であれば、上条当麻なら何とか出来るかもしれない
冥土帰しは彼にある種の希望を抱いていた
冥土帰し 「よく見てごらん」
上条は再び培養液の中の脳を見る
よく見ると、脳のあちこちに黒い斑点のようなものがある
上条 (これは一体何だ……?)
冥土帰し 「その黒い斑点は徐々に増え、脳を少しずつ汚染している」
しかし、今回は医療の範囲から大きく逸れているらしい
“異能”であれば、上条当麻なら何とか出来るかもしれない
冥土帰しは彼にある種の希望を抱いていた
冥土帰し 「よく見てごらん」
上条は再び培養液の中の脳を見る
よく見ると、脳のあちこちに黒い斑点のようなものがある
上条 (これは一体何だ……?)
冥土帰し 「その黒い斑点は徐々に増え、脳を少しずつ汚染している」
冥土帰し 「その斑点に覆われた部分の脳細胞は活動を止めてしまうようだ」
冥土帰し 「1つ取り除くのにおよそ1時間…、それではとても追いつかない」
冥土帰し 「それなら、1度に纏めて消してみようと思ってね」
冥土帰しは言わないが、この手術の成否は上条当麻の手に懸かっていた
医者でもない自分がこんな重荷を背負わされるなんてたまったものじゃない
……と、普通の人間であればそう思うだろうが、彼は違った
彼の“困っている人を放っておけない”精神がその考えに至らせなかったのだ
冥土帰し 「では、その右手で脳に触れてみてくれ」
上条は目を閉じ、小さく深呼吸する
そして培養液の入った容器に恐る恐る右手を入れた。それも素手で
周りの医者も固唾を呑んで見守る
冥土帰し 「1つ取り除くのにおよそ1時間…、それではとても追いつかない」
冥土帰し 「それなら、1度に纏めて消してみようと思ってね」
冥土帰しは言わないが、この手術の成否は上条当麻の手に懸かっていた
医者でもない自分がこんな重荷を背負わされるなんてたまったものじゃない
……と、普通の人間であればそう思うだろうが、彼は違った
彼の“困っている人を放っておけない”精神がその考えに至らせなかったのだ
冥土帰し 「では、その右手で脳に触れてみてくれ」
上条は目を閉じ、小さく深呼吸する
そして培養液の入った容器に恐る恐る右手を入れた。それも素手で
周りの医者も固唾を呑んで見守る
中途半端ですが今日はここまで
言い回しがワンパターンな気がしてならない>地の文
次は水曜の深夜を予定してます
言い回しがワンパターンな気がしてならない>地の文
次は水曜の深夜を予定してます
結局全然書き溜められてないっていうね…
2時過ぎから投下始めます
2時過ぎから投下始めます
ヌチャッ、とした感触が右の掌に伝わる
培養液は粘りけが強く、少しひんやりとした温度だった
上条は若干の嫌悪感を抱くも、そのままゆっくりと右手を中へと進めていく
脳まであと数センチ……
3センチ……
1センチ……
ニチャッ
この日、上条当麻は生まれて初めて人間の脳に触った
同時に、脳に貼り付いた黒い斑点のようなものは1つ残らず消滅する
「やった…!」
1人の医者が、安堵の声を漏らす
上条 「これで……」
上条は右手を培養液から抜いた
1人の医者から貰ったタオルで手に付いた液体を拭う
掌にはまだ、あの生々しい感触が……
“右手で脳に触れる”、これだけの動作にも関わらず彼の身体からは汗が滲む
さながら、手術を終えた後のような気分だ
上条 「何とかなったみたいで良かったです」
安心した彼は冥土帰しを見て言う
冥土帰し 「……」
冥土帰しから返事はない
彼は只、培養液に浮かべられた脳をじっと見ていた
その表情はマスクの上からでも曇っていることが窺える
上条 「どうかしましたか?」
上条も彼と同じ方向に目を向ける
脳には、さっき消滅したはずの黒い斑点が――
さながら、手術を終えた後のような気分だ
上条 「何とかなったみたいで良かったです」
安心した彼は冥土帰しを見て言う
冥土帰し 「……」
冥土帰しから返事はない
彼は只、培養液に浮かべられた脳をじっと見ていた
その表情はマスクの上からでも曇っていることが窺える
上条 「どうかしましたか?」
上条も彼と同じ方向に目を向ける
脳には、さっき消滅したはずの黒い斑点が――
上条 「そんな、どうして…!」
治ったんじゃないのか、何が起きたんだと他の医者もざわつき始めた
その後二度三度と脳に触れてみたが、結果は同じ
時を巻き戻すように、消した分だけ斑点がまた出現した
如何に幻想殺しといえど、打ち消しきれない異能が幾つかある
1つは、異能の持つ力があまりに大きいこと
1つは、打ち消した異能が瞬時に再生されること
1つは、異能が都市や国など超広範囲に及ぶこと
この場合だと2つ目が最も近い
消滅した斑点を補う為、新たに斑点を生み出した…といったところだろう
更に時間と共に少しずつ増殖するときたものだから非常に厄介だ
こういった力に対処するには、それらの根源となるものを叩かなければならない
殆どの場合、行使する魔術師や能力者が該当するのだが……
上条 「一体、誰がこんなことを……」
そうなると、その魔術師ないし能力者を探す必要がある
しかし、手掛かりが1つもない
これはどういった能力なのか?それとも魔術なのか?目的は?経緯は?
消滅した斑点を補う為、新たに斑点を生み出した…といったところだろう
更に時間と共に少しずつ増殖するときたものだから非常に厄介だ
こういった力に対処するには、それらの根源となるものを叩かなければならない
殆どの場合、行使する魔術師や能力者が該当するのだが……
上条 「一体、誰がこんなことを……」
そうなると、その魔術師ないし能力者を探す必要がある
しかし、手掛かりが1つもない
これはどういった能力なのか?それとも魔術なのか?目的は?経緯は?
思考する上条を察してか、冥土帰しはようやく口を開く
冥土帰し 「……これを生み出したのは彼なんだ」
上条 「彼…?」
冥土帰しの視線は未だ脳に向いたまま
上条 「彼って、脳…ですか?」
冥土帰し 「そう、この脳の持ち主さ」
君は想像出来るかい?
人間である為のあらゆる権利を奪われ、人の形をすることも許されない人生を…
それが半永久的に続くとしたら?
冥土帰し 「彼は自分を守りたかったのだろう…『死』という選択をもってね」
冥土帰し 「……これを生み出したのは彼なんだ」
上条 「彼…?」
冥土帰しの視線は未だ脳に向いたまま
上条 「彼って、脳…ですか?」
冥土帰し 「そう、この脳の持ち主さ」
君は想像出来るかい?
人間である為のあらゆる権利を奪われ、人の形をすることも許されない人生を…
それが半永久的に続くとしたら?
冥土帰し 「彼は自分を守りたかったのだろう…『死』という選択をもってね」
正直のところ、上条の頭の中は疑問符しか浮かんでこない
突拍子もない事を言われ、想像以前に言葉の意味すらまともに理解しきれてないからだ
だが、これだけは分かる
彼を蝕む要因は彼自身であること
そして彼は『死』を選んだ。これは紛れもない真実
…なるほど、道理で幻想殺しが通じない訳だ
冥土帰し 「皮肉にも、彼は再び人間としての権利を取り戻した」
冥土帰し 「もしかしたら、僕のやってることは彼の意に反する事なのかもしれない」
冥土帰し 「それでも、彼には生きていて欲しいんだ」
突拍子もない事を言われ、想像以前に言葉の意味すらまともに理解しきれてないからだ
だが、これだけは分かる
彼を蝕む要因は彼自身であること
そして彼は『死』を選んだ。これは紛れもない真実
…なるほど、道理で幻想殺しが通じない訳だ
冥土帰し 「皮肉にも、彼は再び人間としての権利を取り戻した」
冥土帰し 「もしかしたら、僕のやってることは彼の意に反する事なのかもしれない」
冥土帰し 「それでも、彼には生きていて欲しいんだ」
斑模様の知恵は何も答えない
だが、容器の中のそれからは彼という人物を垣間見た気がする
冥土帰し 「君でも無理なら仕方ない、このまま移植しよう」
医者達も半ば諦めたように頷くと、作業の準備に取り掛かる
上条 「彼はもう助からないのですか…?」
不安げに問う彼に対して、冥土帰しは「分からない」としか答えなかった
大方の準備が整った所で
冥土帰し 「ご苦労だったね、あとは僕達の仕事だ」
そう言って上条を出口まで送る
だが、容器の中のそれからは彼という人物を垣間見た気がする
冥土帰し 「君でも無理なら仕方ない、このまま移植しよう」
医者達も半ば諦めたように頷くと、作業の準備に取り掛かる
上条 「彼はもう助からないのですか…?」
不安げに問う彼に対して、冥土帰しは「分からない」としか答えなかった
大方の準備が整った所で
冥土帰し 「ご苦労だったね、あとは僕達の仕事だ」
そう言って上条を出口まで送る
元の制服に着替え、扉の外へ出ると「今日はありがとう」と一礼して冥土帰しは手術室へと消えた
扉が閉まると、辺りには静寂……
踵を返し、院内を歩く彼にはもやもやしたものが付きまとう
顔も名前も知らない彼がどうも気になる
彼はこれからどうなるのか、何を思うのか……
上条 「…名前、聞いとけばよかったな」
少しの後悔と共に、彼は病院を後にした――
扉が閉まると、辺りには静寂……
踵を返し、院内を歩く彼にはもやもやしたものが付きまとう
顔も名前も知らない彼がどうも気になる
彼はこれからどうなるのか、何を思うのか……
上条 「…名前、聞いとけばよかったな」
少しの後悔と共に、彼は病院を後にした――
手術室に一台の台車が運ばれてきた
上から大きな布が被せられてるが、膨らみからして人間であることは間違いない
これから行われるのは“帰還”
彼が自身のもとへと帰る時だ
――彼はもう助からないのですか?
あの時分からないと答えたのには理由があった
それは、ある意味で彼はもう助かっているようにも思えたからだ
結果として、自分の力であれを治すことは出来なかった
彼の『敗北』は覆らないだろう
しかし、例え僅かな時間でも人間らしさを取り戻した彼は本当に助かってないと言えるのか?
もっとも、彼がそれを喜ぶかは別だが…
「…準備が整いました」
1人の医者の声によって思考は止まる
そうだ、あれこれ考えてる場合ではない
今は目の前の患者のことだけを考えよう――
冥土帰し 「ではこれより、手術を始める――」
もっとも、彼がそれを喜ぶかは別だが…
「…準備が整いました」
1人の医者の声によって思考は止まる
そうだ、あれこれ考えてる場合ではない
今は目の前の患者のことだけを考えよう――
冥土帰し 「ではこれより、手術を始める――」
今日は以上です
また書き溜め全部使っちゃった…。間を空ければ書けると思ってちゃいかんね
次回は日曜日の夜以降に!
また書き溜め全部使っちゃった…。間を空ければ書けると思ってちゃいかんね
次回は日曜日の夜以降に!
1週間後―――
そげぶした後ずっと手をつないで過ごす上条さんとていとくんが!
そげぶした後ずっと手をつないで過ごす上条さんとていとくんが!
ここでまさかの全員集合写真という(BBQ中)反則技でていとくん復活フラグまだ~?
いつもレスを下さりありがとうございます
12時半頃から投下いきます
12時半頃から投下いきます
―――――――――
―――――
―――
11月24日(水)
~とある高校~
上条 「はあ……」 グデー
青髪 「最近カミやんため息ばっかついとるでー?」
姫神 「何か。あったの?」
上条 「いや、別に……」
土御門 (まあ、大体想像はつくけどにゃー)
彼はここのところずっとこの調子だ
何をするにも無気力で、授業中机に項垂れてる事が日常化している
只でさえ単位がギリギリの彼がこんなのでは進級も危うい
そんな事すらどうでもいいと思う程、彼は今気に病んでいるのだ
―――――
―――
11月24日(水)
~とある高校~
上条 「はあ……」 グデー
青髪 「最近カミやんため息ばっかついとるでー?」
姫神 「何か。あったの?」
上条 「いや、別に……」
土御門 (まあ、大体想像はつくけどにゃー)
彼はここのところずっとこの調子だ
何をするにも無気力で、授業中机に項垂れてる事が日常化している
只でさえ単位がギリギリの彼がこんなのでは進級も危うい
そんな事すらどうでもいいと思う程、彼は今気に病んでいるのだ
原因は1人の少女との別れ――
禁書目録<インデックス>という名の少女が、上条当麻の物語の起源だった
ある日、追われていた彼女を助けて以来彼の日常は一変する
魔術師という存在からは目をつけられ、何度も命を狙われた
果ては先の戦争の渦中に身を投げ、神に等しい力にも立ち向かった
不幸体質もここまで来れば最早笑うしかない
それでも今日を生きていられるのは彼女が側にいたから
いつも無邪気に、時には聖女のように接してくる彼女に、どこか心を癒されてたのかもしれない
修道服を着たそれは正しくシスターそのもの
まあ、彼女の暴飲暴食っぷりには泣かされた事もあったが…
そんな彼女は今側にいない――
戦争の影響は故郷イギリスにも及び、そちらの支援に向かったのだ
相当立て込んでいるらしく、暫くは戻って来そうにない
上条も納得し、彼女をイギリスまで見送った
向こうには信頼出来る仲間もいる
けれども……
上条 (もう1ヶ月か……)
心に穴が空くとはこんな気分なのか
もしこれが幻想だったらこの右手でぶち壊すのに……
青髪 「カミやーん」 ユサユサ
上条 「その幻想を…ぶち殺す……」 ブツブツ
青髪 「アカン、脱け殻みたいになっとるわ」
土御門 「カミやんがこの調子だとこっちまで滅入るにゃー」
キーンコーンカーンコーン
姫神 「もうすぐ。授業始まる」
青髪 「次は小萌センセーの授業やーん!」 クルクル
土御門 「カミやん、授業ぜよ」 ユサユサ
上条 「その幻想を…ぶち殺す……」 ブツブツ
土御門 (禁書目録と離れたのがそんなに辛いのか?)
小萌 「授業を始める前にお知らせがあるのですよー」
青髪 「なんやろか?」
土御門 「さあ…」
小萌 「今日はこのクラスに学校見学に来た人達がやってきます」
小萌 「みんなの授業風景を是非見たいという事でOKしちゃいましたー」
エーナンダヨソレ!
キイテナイヨー!
姫神 「よく。許可降りたね」
青髪 「こんな時期に見学?けったいやねー」
小萌 「では、入って下さーい!」
ガラララ
垣根 「スゲー、皆座ってる」 パシャッ
麦野 「撮影許可は貰ってんの?」
一方 「なンで俺まで……」
土御門 「」
イ、イケメンダ!
アノコハダシローイ!
キレイナオネエサン…
土御門 (どういうことだ?一方通行と垣根帝督が何故一緒に…)
土御門 (っていうか、垣根は統括理事会に『回収』されてたんじゃ…?)
土御門 (それにあの女は確か『アイテム』のリーダー、麦野沈利…)
土御門 (第一位、第二位、第四位が揃って行動してるだと?)
ガラララ
垣根 「スゲー、皆座ってる」 パシャッ
麦野 「撮影許可は貰ってんの?」
一方 「なンで俺まで……」
土御門 「」
イ、イケメンダ!
アノコハダシローイ!
キレイナオネエサン…
土御門 (どういうことだ?一方通行と垣根帝督が何故一緒に…)
土御門 (っていうか、垣根は統括理事会に『回収』されてたんじゃ…?)
土御門 (それにあの女は確か『アイテム』のリーダー、麦野沈利…)
土御門 (第一位、第二位、第四位が揃って行動してるだと?)
一方 (アイツ土御門じゃねェか。この学校だったのかよ…)
垣根 「先生歳幾つ?」
小萌 「失礼な!これでもちゃんと成人してます!」
垣根 「そっかー」 チラッ
麦野 「何でこっち見た」
垣根 「あれ、あそこの奴どうした?」
上条 「その幻想を…ぶち殺す……」 ブツブツ
小萌 「ちょっと上条ちゃん!寝てはいけませんよー!」
一方 (上条…?) ピクッ
土御門 「カミやん、いい加減にするにゃー」
上条 「その幻想を…ぶちkいでっ!!」 ビシッ
土御門 「!?」 ビクッ
垣根 「いやー、やってみたかったんだよチョーク投げ」 パッパッ
姫神 「チョークが粉々に…」
青髪 「ぜ、全然見えへんかった…」
垣根 「先生歳幾つ?」
小萌 「失礼な!これでもちゃんと成人してます!」
垣根 「そっかー」 チラッ
麦野 「何でこっち見た」
垣根 「あれ、あそこの奴どうした?」
上条 「その幻想を…ぶち殺す……」 ブツブツ
小萌 「ちょっと上条ちゃん!寝てはいけませんよー!」
一方 (上条…?) ピクッ
土御門 「カミやん、いい加減にするにゃー」
上条 「その幻想を…ぶちkいでっ!!」 ビシッ
土御門 「!?」 ビクッ
垣根 「いやー、やってみたかったんだよチョーク投げ」 パッパッ
姫神 「チョークが粉々に…」
青髪 「ぜ、全然見えへんかった…」
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