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元スレ梨子 「ひぐらしのなく頃に」
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荷物を大量に積んだトラックは、私たちが新居に着いたすぐ後に到着した。
東京からそう遠くはないが、出発したのが昼過ぎだったということもあり、辺りは夕日の赤に染められている。
梨子 「きれいな街。ここならいい曲が弾けそう」
都会の喧騒に疲れ、ピアノを弾くにもメロディが上手く浮かばなくなった私は、静かな環境にしばらく身を置くことにした。
夏休み中に引越しを終え、明けてからは浦の星女学院に転入し、新たな生活が始まる。
東京からそう遠くはないが、出発したのが昼過ぎだったということもあり、辺りは夕日の赤に染められている。
梨子 「きれいな街。ここならいい曲が弾けそう」
都会の喧騒に疲れ、ピアノを弾くにもメロディが上手く浮かばなくなった私は、静かな環境にしばらく身を置くことにした。
夏休み中に引越しを終え、明けてからは浦の星女学院に転入し、新たな生活が始まる。
梨子 「お隣、旅館なんだ。後で挨拶しに行かないと」
海風を背中に感じながら、新居の中へと足を踏み入れる。私はこの地で、上手くやっていけるだろうか。
新居の中でも、ひぐらしのなく声は煩く響き続けていた
ーーーーーー
ーーーー
ーー
海風を背中に感じながら、新居の中へと足を踏み入れる。私はこの地で、上手くやっていけるだろうか。
新居の中でも、ひぐらしのなく声は煩く響き続けていた
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ーー
~夏休み明け 浦の星女学院~
千歌 「いやぁびっくりしたよ! 話題の転校生が、まさか隣に越してきた人だったなんて」
梨子 「挨拶に行った時、高校の名前言うの忘れてたもんね…ごめんね」
千歌 「いやいや、私てっきり大学生かと思ってたんだもん。高校どこ? とか聞かないよ」
梨子 「そんな、私なんて…」
曜 「でも本当綺麗だよねぇ梨子ちゃん。その綺麗な長い髪、憧れるなぁ」
千歌 「曜ちゃんも伸ばせばいいのに」
曜 「私はほら…くせっ毛だし。それに水泳やるのにも邪魔だしね」
梨子 「水泳?」
千歌 「いやぁびっくりしたよ! 話題の転校生が、まさか隣に越してきた人だったなんて」
梨子 「挨拶に行った時、高校の名前言うの忘れてたもんね…ごめんね」
千歌 「いやいや、私てっきり大学生かと思ってたんだもん。高校どこ? とか聞かないよ」
梨子 「そんな、私なんて…」
曜 「でも本当綺麗だよねぇ梨子ちゃん。その綺麗な長い髪、憧れるなぁ」
千歌 「曜ちゃんも伸ばせばいいのに」
曜 「私はほら…くせっ毛だし。それに水泳やるのにも邪魔だしね」
梨子 「水泳?」
千歌 「そう! 曜ちゃん凄いんだよ!」
曜 「泳ぐっていうよりか、私は飛び込みだけどね」
千歌 「曜ちゃん、今度の大会の優勝候補って言われてて、それにオリンピックも夢じゃないって言われてるんだよ!」
梨子 「お、オリンピック!? すごい…」
曜 「競技人口が少ないだけだってー。…あっ、そろそろ行かなきゃ」
千歌 「また練習ー?」
曜 「うん、ごめん。悪いけど先帰ってて」タタタッ
梨子 「……忙しそうね、曜ちゃん」
千歌 「仕方ないよ。さ、帰ろ?」
曜 「泳ぐっていうよりか、私は飛び込みだけどね」
千歌 「曜ちゃん、今度の大会の優勝候補って言われてて、それにオリンピックも夢じゃないって言われてるんだよ!」
梨子 「お、オリンピック!? すごい…」
曜 「競技人口が少ないだけだってー。…あっ、そろそろ行かなきゃ」
千歌 「また練習ー?」
曜 「うん、ごめん。悪いけど先帰ってて」タタタッ
梨子 「……忙しそうね、曜ちゃん」
千歌 「仕方ないよ。さ、帰ろ?」
~昇降口~
梨子 「…なんだろう、なんかやけにざわついてるね」
千歌 「何かあったのかなぁ? ……あっ」
梨子 「千歌ちゃん? どうしたの…?」
鞠莉 「…………。」
千歌 「…なんだ、夏休み中一回も見かけなかったから、てっきり逃げたのかと思ったのに」
梨子 「あの人、知り合い? 3年生だよね?」
千歌 「知らない」
梨子 「…なんだろう、なんかやけにざわついてるね」
千歌 「何かあったのかなぁ? ……あっ」
梨子 「千歌ちゃん? どうしたの…?」
鞠莉 「…………。」
千歌 「…なんだ、夏休み中一回も見かけなかったから、てっきり逃げたのかと思ったのに」
梨子 「あの人、知り合い? 3年生だよね?」
千歌 「知らない」
梨子 「えっ…でも今逃げたとかなんとか」
千歌 「知らない。…行こ」
梨子 「ちょっ…ちょっと待ってよ!」
鞠莉 「……あなた、桜内さん?」
梨子 「えっ…はい」
鞠莉 「その子から離れて! その子は危険よ!」
梨子 「その子って…千歌ちゃんのことですか?」
千歌 「梨子ちゃんッ!!!」
千歌 「知らない。…行こ」
梨子 「ちょっ…ちょっと待ってよ!」
鞠莉 「……あなた、桜内さん?」
梨子 「えっ…はい」
鞠莉 「その子から離れて! その子は危険よ!」
梨子 「その子って…千歌ちゃんのことですか?」
千歌 「梨子ちゃんッ!!!」
梨子 「び、びっくりした…いきなり大声出さないでよ…」
千歌 「ごめん…でも早く行こう!」
梨子 「う、うん…」
鞠莉 「…桜内さん、気をつけてね」
梨子 「えっ?」
そこにいるだけで周りをざわつかせていた金髪の少女は、虚ろ気な目で私を見つめていた。
続きの言葉を聞く前に、私は千歌ちゃんに手を引かれ、その場を離れてしまった。
千歌 「ごめん…でも早く行こう!」
梨子 「う、うん…」
鞠莉 「…桜内さん、気をつけてね」
梨子 「えっ?」
そこにいるだけで周りをざわつかせていた金髪の少女は、虚ろ気な目で私を見つめていた。
続きの言葉を聞く前に、私は千歌ちゃんに手を引かれ、その場を離れてしまった。
梨子 「ね、ねぇ千歌ちゃん…」
千歌 「…………。」スタスタ
梨子 「千歌ちゃん…千歌ちゃんッ!!!」
千歌 「…っ!! な、何?」
梨子 「腕…痛い」
千歌 「あっ…ごめん。掴みっぱなしだったね」
梨子 「…ねぇ、あの人誰なの? 知ってるんでしょ?」
千歌 「…知らないよ。私はあんな人知らない」
千歌 「…………。」スタスタ
梨子 「千歌ちゃん…千歌ちゃんッ!!!」
千歌 「…っ!! な、何?」
梨子 「腕…痛い」
千歌 「あっ…ごめん。掴みっぱなしだったね」
梨子 「…ねぇ、あの人誰なの? 知ってるんでしょ?」
千歌 「…知らないよ。私はあんな人知らない」
梨子 「知らないわけないじゃない。あの人、その場にいただけで周りがあんなにざわついてて…。ただの有名な人…って雰囲気じゃなかった」
千歌 「…梨子ちゃん、これだけ言っておくね」
千歌 「あの人には絶対に近付かないで。…呪われても、知らないよ?」
梨子 「の、呪われる!?」
千歌 「…私が言えるのは、これだけ。さ、この話はおしまいっ!」
梨子 「千歌ちゃん…」
千歌 「…梨子ちゃん、これだけ言っておくね」
千歌 「あの人には絶対に近付かないで。…呪われても、知らないよ?」
梨子 「の、呪われる!?」
千歌 「…私が言えるのは、これだけ。さ、この話はおしまいっ!」
梨子 「千歌ちゃん…」
千歌 「ねぇ梨子ちゃん! 帰りどっか寄ってかない!?」
梨子 「えっ…うん、いいけど」
千歌 「やったぁ! 千歌、甘いものが食べたい気分だったんだよねぇ」ニコッ
千歌ちゃんの笑顔は、教室でお話をしていた時の笑顔と変わらない…何も変わらないはずなのに。その時の笑顔からは、どこか狂気じみたものを感じた。
梨子 (千歌ちゃん…一体何を隠してるの?)
ーーーーーー
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梨子 「えっ…うん、いいけど」
千歌 「やったぁ! 千歌、甘いものが食べたい気分だったんだよねぇ」ニコッ
千歌ちゃんの笑顔は、教室でお話をしていた時の笑顔と変わらない…何も変わらないはずなのに。その時の笑顔からは、どこか狂気じみたものを感じた。
梨子 (千歌ちゃん…一体何を隠してるの?)
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~駅前~
千歌 「あっ、ルビィちゃんだ! おーい!」
ルビィ 「あっ、千歌さん!」
梨子 「かわいい…お友達?」
千歌 「うん、学年は違うけどね」
ルビィ 「えと…はじめまして、ですよね? 黒澤ルビィです」
梨子 「桜内梨子です、よろしく。黒澤…どこかで聞いたような」
千歌 「生徒会長じゃない? 転入手続きのとき会ったでしょ?」
梨子 「あぁ…たしか黒澤ダイヤさん」
ルビィ 「妹なんです。私」
千歌 「あっ、ルビィちゃんだ! おーい!」
ルビィ 「あっ、千歌さん!」
梨子 「かわいい…お友達?」
千歌 「うん、学年は違うけどね」
ルビィ 「えと…はじめまして、ですよね? 黒澤ルビィです」
梨子 「桜内梨子です、よろしく。黒澤…どこかで聞いたような」
千歌 「生徒会長じゃない? 転入手続きのとき会ったでしょ?」
梨子 「あぁ…たしか黒澤ダイヤさん」
ルビィ 「妹なんです。私」
梨子 「そうだったんだ。確かに言われてみれば似てるかも」
千歌 「ルビィちゃんはここで何してるの?」
ルビィ 「今日は友達の付き添いで。ルビィは先に終わったので、ここで待ってるんです」
千歌 「そーなんだ。…でもルビィちゃん、こんなとこでアイスの買い食いなんて」
梨子 「何か問題でもあるの?」
千歌 「いやぁ。次女とはいえ、あの黒澤家の娘だよ? 買い食いなんてしてたら当主さんに怒られないかなぁって」
ルビィ 「……。」
千歌 「ルビィちゃんはここで何してるの?」
ルビィ 「今日は友達の付き添いで。ルビィは先に終わったので、ここで待ってるんです」
千歌 「そーなんだ。…でもルビィちゃん、こんなとこでアイスの買い食いなんて」
梨子 「何か問題でもあるの?」
千歌 「いやぁ。次女とはいえ、あの黒澤家の娘だよ? 買い食いなんてしてたら当主さんに怒られないかなぁって」
ルビィ 「……。」
ルビィ 「…ルビィは、大丈夫なんです。お姉ちゃんとは違いますから」
千歌 「ふーん…そっか」
ルビィ 「…る、ルビィ、友達のとこ戻ります! さようなら、千歌さん、梨子さん」
千歌 「うん、ばいばーい!」
梨子 「…黒澤家って、有名なの?」
千歌 「えぇっ!? 梨子ちゃん知らないの!? …まぁ無理もないか、越してきたばっかだもんね」
千歌 「ふーん…そっか」
ルビィ 「…る、ルビィ、友達のとこ戻ります! さようなら、千歌さん、梨子さん」
千歌 「うん、ばいばーい!」
梨子 「…黒澤家って、有名なの?」
千歌 「えぇっ!? 梨子ちゃん知らないの!? …まぁ無理もないか、越してきたばっかだもんね」
千歌 「黒澤家…たしか網元って言うんだっけ?」
梨子 「私に聞かないでよ…」
千歌 「まぁとにかく、由緒正しき家系ってやつだよ! ここらで開かれるお祭りなんかも、黒澤家がほぼ取り仕切ってるようなものって話だよ」
梨子 「へぇ…ルビィちゃん、凄いところの娘さんなんだね。確かに買い食いなんてしてたら怒られちゃいそう」
千歌 「ダイヤさんはもっと厳しいらしいよ。次期当主、って話だし」
梨子 「でもさ千歌ちゃん、なんでそんな所の娘さんと知り合いなの?」
千歌 「あっ…あぁー…」
梨子 「私に聞かないでよ…」
千歌 「まぁとにかく、由緒正しき家系ってやつだよ! ここらで開かれるお祭りなんかも、黒澤家がほぼ取り仕切ってるようなものって話だよ」
梨子 「へぇ…ルビィちゃん、凄いところの娘さんなんだね。確かに買い食いなんてしてたら怒られちゃいそう」
千歌 「ダイヤさんはもっと厳しいらしいよ。次期当主、って話だし」
梨子 「でもさ千歌ちゃん、なんでそんな所の娘さんと知り合いなの?」
千歌 「あっ…あぁー…」
千歌 「ぶ、部活が一緒でさ!」
梨子 「部活? 千歌ちゃん、部活なんてやってたの?」
千歌 「む、昔ね! 今はもう廃部になって!」
梨子 「そう…」
千歌 「ほ、ほら! 噂のスイーツ店すぐそこだよ! 行こいこ!」
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梨子 「部活? 千歌ちゃん、部活なんてやってたの?」
千歌 「む、昔ね! 今はもう廃部になって!」
梨子 「そう…」
千歌 「ほ、ほら! 噂のスイーツ店すぐそこだよ! 行こいこ!」
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~深夜 梨子の部屋~
梨子 「………。」
鞠莉 『…桜内さん、気をつけてね』
千歌 『あの人には絶対に近付かないで。…呪われても、知らないよ?』
梨子 「呪い…この街には、絶対に何かある」
梨子 「………。」
鞠莉 『…桜内さん、気をつけてね』
千歌 『あの人には絶対に近付かないで。…呪われても、知らないよ?』
梨子 「呪い…この街には、絶対に何かある」
静岡県沼津市 呪い | 検索 |
梨子 「…これで、何かわかるかも」ゴクリ
「……ゃーん…! 梨子ちゃーん!」
梨子 「? 千歌ちゃん?」
千歌 「…あっ! よかった、梨子ちゃん起きてた」
梨子 「携帯もあるんだから、わざわざベランダ越しで話さなくても…」
千歌 「せっかくこんな近くにいるんだから、直接話したいなぁと思って」
梨子 「…これで、何かわかるかも」ゴクリ
「……ゃーん…! 梨子ちゃーん!」
梨子 「? 千歌ちゃん?」
千歌 「…あっ! よかった、梨子ちゃん起きてた」
梨子 「携帯もあるんだから、わざわざベランダ越しで話さなくても…」
千歌 「せっかくこんな近くにいるんだから、直接話したいなぁと思って」
梨子 「私はいいけど、そっちは旅館でしょ? こんなに声出して大丈夫?」
千歌 「大丈夫、聞こえないって。ところで梨子ちゃん、こんな遅くまで何してたの?」
梨子 「えっ…うん、ピアノの練習を…」
千歌 「ピアノ? 音全然聞こえなかったよ?」
梨子 「うっ…」
千歌 「嘘下手っちょだなぁ、梨子ちゃん」
梨子 (千歌ちゃんも大概だと思うけど…)
千歌 「大丈夫、聞こえないって。ところで梨子ちゃん、こんな遅くまで何してたの?」
梨子 「えっ…うん、ピアノの練習を…」
千歌 「ピアノ? 音全然聞こえなかったよ?」
梨子 「うっ…」
千歌 「嘘下手っちょだなぁ、梨子ちゃん」
梨子 (千歌ちゃんも大概だと思うけど…)
千歌 「で? 本当は何してたの?」
梨子 「……ちょっと調べ物を」
千歌 「まさか、呪いについてとか?」
梨子 「…うん。やっぱり気になっちゃって」
千歌 「やめてよ…」
梨子 「えっ?」
千歌 「嫌だよ…呪いのこと…“内浦の怒り” のことを知ったら、梨子ちゃんもきっと私のこと嫌いになる…!」
梨子 「ち、千歌ちゃん? どうしたの…?」
梨子 「……ちょっと調べ物を」
千歌 「まさか、呪いについてとか?」
梨子 「…うん。やっぱり気になっちゃって」
千歌 「やめてよ…」
梨子 「えっ?」
千歌 「嫌だよ…呪いのこと…“内浦の怒り” のことを知ったら、梨子ちゃんもきっと私のこと嫌いになる…!」
梨子 「ち、千歌ちゃん? どうしたの…?」
千歌 「嫌だ…お願い…嫌いにならないで…私は何もしてないの…! 私は違う…違う違う違う違う違う違う違う違う違うっ!!!!!!」
梨子 「千歌ちゃん!? しっかりして!」
千歌 「はぁっ…はぁっ…。私…嫌われたくない…嫌われたくないよぅ…!」
梨子 「嫌わないから! 何があっても、私は千歌ちゃんのこと嫌わないから!」
千歌 「……ホントに?」
梨子 「本当よ」
千歌 「あとから嘘だったって…言わない?」
梨子 「言わない。だから…ね? 落ち着いて」
千歌 「……うん、ごめん」
梨子 「千歌ちゃん!? しっかりして!」
千歌 「はぁっ…はぁっ…。私…嫌われたくない…嫌われたくないよぅ…!」
梨子 「嫌わないから! 何があっても、私は千歌ちゃんのこと嫌わないから!」
千歌 「……ホントに?」
梨子 「本当よ」
千歌 「あとから嘘だったって…言わない?」
梨子 「言わない。だから…ね? 落ち着いて」
千歌 「……うん、ごめん」
梨子 「呪いのこと…もう聞かないようにする。ごめんね」
千歌 「ううん、私の方こそ…」
梨子 「…もう遅いね。そろそろ寝よっか」
千歌 「うん、おやすみなさい」
梨子 「おやすみ、千歌ちゃん」
千歌 「……………。」グスッ
千歌 「ううん、私の方こそ…」
梨子 「…もう遅いね。そろそろ寝よっか」
千歌 「うん、おやすみなさい」
梨子 「おやすみ、千歌ちゃん」
千歌 「……………。」グスッ
千歌 「嫌だ…私じゃないのに…私は何も悪くないのに…」
千歌 「なんでみんな信じてくれないの? なんでみんな嘘をつくの…?」
千歌 「もう、大切な人に嫌われるのは嫌だ…」
千歌 「…………果南ちゃん」
ーーーーーー
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千歌 「なんでみんな信じてくれないの? なんでみんな嘘をつくの…?」
千歌 「もう、大切な人に嫌われるのは嫌だ…」
千歌 「…………果南ちゃん」
ーーーーーー
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~翌日 放課後 浦の星女学院 屋上~
鞠莉 「……まさか、話題の転校生から呼び出しを受けるなんてね」
梨子 「ごめんなさい、突然」
鞠莉 「ひょっとしてlove letterと思ったケド…そんな雰囲気じゃなさそうね」
梨子 (…ごめん、千歌ちゃん。私やっぱり気になるんだ)
鞠莉 「2人っきりになれる場所で話をしようとするあたり、私のこの学校での扱われ方を知ってるようね」
鞠莉 「……まさか、話題の転校生から呼び出しを受けるなんてね」
梨子 「ごめんなさい、突然」
鞠莉 「ひょっとしてlove letterと思ったケド…そんな雰囲気じゃなさそうね」
梨子 (…ごめん、千歌ちゃん。私やっぱり気になるんだ)
鞠莉 「2人っきりになれる場所で話をしようとするあたり、私のこの学校での扱われ方を知ってるようね」
梨子 「…いじめを受けていると聞きました」
鞠莉 「…うん。まぁ、自業自得なんだけどね」
梨子 「それも、学校内だけじゃない。この街の人殆どから、あなたは嫌われている」
鞠莉 「そこまで知ってたのね」
梨子 「ネットで調べたら、たくさん出てきました。あなたがいじめを受けるに至った経緯…そして、この街に伝わる呪い、“内浦の怒り”についても」
鞠莉 「……私はね、この街が大好きだった」
鞠莉 「…うん。まぁ、自業自得なんだけどね」
梨子 「それも、学校内だけじゃない。この街の人殆どから、あなたは嫌われている」
鞠莉 「そこまで知ってたのね」
梨子 「ネットで調べたら、たくさん出てきました。あなたがいじめを受けるに至った経緯…そして、この街に伝わる呪い、“内浦の怒り”についても」
鞠莉 「……私はね、この街が大好きだった」
鞠莉 「この街の澄んだ空気…豊かな自然、透き通った海。全てが魅力的だった」
梨子 「いい街ですよね。来たばかりの私でも、そう思います」
鞠莉 「そう、いい街よ。だからこそ…父がね、この街にホテルを建てると言い出したの」
梨子 「…ここからでも見える、あの大きな空き地ですね」
鞠莉 「ええ、あそこにホテルが建つ予定だったの。このmarvelousな景観、リゾート開発するには最適よね?」
梨子 「そうかもしれません。けど、街の人たちは…」
鞠莉 「Exactly。ホテル建設に反対した人は少なくなかったわ。…理由は色々。日差しが遮られるとか、街の空気が乱れるとか、etcetc…けど慣れたものよ。そんなのは開発業者の常だもの」
鞠莉さんは手をひらひらと泳がせ、偽悪的に笑を浮かべる。地元の声を聞くふりだけをして強引に開発を推し進める。そんな小原家への自嘲が含まれているように見えて。
そこでふと、鞠莉さんの目が暗さを宿す。
鞠莉 「けれど、ある日ね…」
梨子 「いい街ですよね。来たばかりの私でも、そう思います」
鞠莉 「そう、いい街よ。だからこそ…父がね、この街にホテルを建てると言い出したの」
梨子 「…ここからでも見える、あの大きな空き地ですね」
鞠莉 「ええ、あそこにホテルが建つ予定だったの。このmarvelousな景観、リゾート開発するには最適よね?」
梨子 「そうかもしれません。けど、街の人たちは…」
鞠莉 「Exactly。ホテル建設に反対した人は少なくなかったわ。…理由は色々。日差しが遮られるとか、街の空気が乱れるとか、etcetc…けど慣れたものよ。そんなのは開発業者の常だもの」
鞠莉さんは手をひらひらと泳がせ、偽悪的に笑を浮かべる。地元の声を聞くふりだけをして強引に開発を推し進める。そんな小原家への自嘲が含まれているように見えて。
そこでふと、鞠莉さんの目が暗さを宿す。
鞠莉 「けれど、ある日ね…」
梨子 「“内浦の怒り”…。建設現場で次々と、狂人化事件が起きた。そうですよね?」
鞠莉 「That's right。最初に起きたのは、現場のチーフのバラバラ死体が見つかった事件」
梨子 「犯人はすぐに特定…」
鞠莉 「けど、その犯人はもはや人としての理性を保っている状態ではなかった」
梨子 「……。」
鞠莉 「犯人は捕まったけど、獄中で無気力症に陥ったって話よ」
鞠莉 「That's right。最初に起きたのは、現場のチーフのバラバラ死体が見つかった事件」
梨子 「犯人はすぐに特定…」
鞠莉 「けど、その犯人はもはや人としての理性を保っている状態ではなかった」
梨子 「……。」
鞠莉 「犯人は捕まったけど、獄中で無気力症に陥ったって話よ」
梨子 「建設員が次々と狂人化して、その後無気力症を発症する…。普通では考えられないような現象が、建設現場で次々と起こって…」
鞠莉 「狂人化した人による事件の被害者の遺族なんかも、建設に反対してきてね…流石の私も参っちゃった」
梨子 「それで結局、建設は中止になったんですよね」
鞠莉 「残念だけど、流石に仕方なかったわね」
鞠莉さんが微笑む。その笑は先程の偽悪的なものとは違い、この街を思いやっているような、そんな優しさを含んだ笑だった。
一呼吸置き、再び真剣な面持ちに戻り、鞠莉さんは話を続けた。
鞠莉 「…建設が中止になった後だった。呪いの存在を知ったのは」
「町ヲ愛サヌ者 民ノ逆鱗ニ触レシ者
神ハ其ノ心ニ 罰ヲ与エン」
鞠莉 「狂人化した人による事件の被害者の遺族なんかも、建設に反対してきてね…流石の私も参っちゃった」
梨子 「それで結局、建設は中止になったんですよね」
鞠莉 「残念だけど、流石に仕方なかったわね」
鞠莉さんが微笑む。その笑は先程の偽悪的なものとは違い、この街を思いやっているような、そんな優しさを含んだ笑だった。
一呼吸置き、再び真剣な面持ちに戻り、鞠莉さんは話を続けた。
鞠莉 「…建設が中止になった後だった。呪いの存在を知ったのは」
「町ヲ愛サヌ者 民ノ逆鱗ニ触レシ者
神ハ其ノ心ニ 罰ヲ与エン」
鞠莉 「最初は反対してた住民による陰謀とか言われてたけど、皆この呪いを信じ、恐れた」
鞠莉 「それでも、まだ完全に信じられている訳では無い。現に反対してた住民を疑う声もある」
梨子 「……千歌ちゃんも、反対してたんですね」
鞠莉 「あの子の家は旅館だから。ホテルが出来たら死活問題だったのよね」
千歌 『嫌だ…お願い…嫌いにならないで…私は何もしてないの…! 私は違う…違う違う違う違う違う違う違う違う違うっ!!!!!!』
鞠莉 「それでも、まだ完全に信じられている訳では無い。現に反対してた住民を疑う声もある」
梨子 「……千歌ちゃんも、反対してたんですね」
鞠莉 「あの子の家は旅館だから。ホテルが出来たら死活問題だったのよね」
千歌 『嫌だ…お願い…嫌いにならないで…私は何もしてないの…! 私は違う…違う違う違う違う違う違う違う違う違うっ!!!!!!』
梨子 「千歌ちゃん、疑われるのがトラウマになってたのね」
鞠莉 「…分からないわよ、それも演技かもしれない」
梨子 「えっ…それってどういう…」
言い終わる前に、扉が勢いよく開かれた。
その音に驚き、私と鞠莉さんは揃って扉の方へと目をやった。
……そこにいたのは、生徒会長だった。
鞠莉 「……ダイヤ」
ダイヤ 「本校の許可なしで、屋上に入ることは禁じられていますよ。鞠莉さん、梨子さん」
鞠莉 「…分からないわよ、それも演技かもしれない」
梨子 「えっ…それってどういう…」
言い終わる前に、扉が勢いよく開かれた。
その音に驚き、私と鞠莉さんは揃って扉の方へと目をやった。
……そこにいたのは、生徒会長だった。
鞠莉 「……ダイヤ」
ダイヤ 「本校の許可なしで、屋上に入ることは禁じられていますよ。鞠莉さん、梨子さん」
梨子 「…ダイヤさんも、ホテル建設に反対していたんですか?」
ダイヤ 「突然なんですの?」
梨子 「知りたいんです。この街で何が起こっているのか…千歌ちゃんが、どうしてあそこまで追い詰められてしまったのか」
せっかくの呪いについて詳しい話を聞けるチャンス。無駄にはしたくない。
ダイヤさんに話のペースを持ってかれないようにと、必死に詰め寄る。
ダイヤ 「千歌さん…やはり今でも気にしているのですね」
梨子 「やっぱりルビィちゃんだけでなく、ダイヤさんとも面識はあったんですね、千歌ちゃん」
ダイヤ 「……あなたに話す必要はありませんわ」
鞠莉 「…ねぇダイヤ、私も知りたいの」
ダイヤ 「突然なんですの?」
梨子 「知りたいんです。この街で何が起こっているのか…千歌ちゃんが、どうしてあそこまで追い詰められてしまったのか」
せっかくの呪いについて詳しい話を聞けるチャンス。無駄にはしたくない。
ダイヤさんに話のペースを持ってかれないようにと、必死に詰め寄る。
ダイヤ 「千歌さん…やはり今でも気にしているのですね」
梨子 「やっぱりルビィちゃんだけでなく、ダイヤさんとも面識はあったんですね、千歌ちゃん」
ダイヤ 「……あなたに話す必要はありませんわ」
鞠莉 「…ねぇダイヤ、私も知りたいの」
鞠莉 「単刀直入に聞くわ。あの呪いと黒澤家は、なにか関係しているの?」
ダイヤ 「していない…と言ってあなたはそのまま信じますか?」
鞠莉 「あら、ダイヤは私を信じてくれないの?」
ダイヤ 「…口で言うのは簡単ですわ。今の状態で真実と偽りの区別がつくはずがない。なら何を話しても無駄でしょう」
鞠莉 「……ダイヤの分からず屋」ボソッ
ダイヤ 「分からず屋はどっちですかっ!!」
梨子 「…!」ビクッ
ダイヤ 「していない…と言ってあなたはそのまま信じますか?」
鞠莉 「あら、ダイヤは私を信じてくれないの?」
ダイヤ 「…口で言うのは簡単ですわ。今の状態で真実と偽りの区別がつくはずがない。なら何を話しても無駄でしょう」
鞠莉 「……ダイヤの分からず屋」ボソッ
ダイヤ 「分からず屋はどっちですかっ!!」
梨子 「…!」ビクッ
鞠莉 「単刀直入に聞くわ。あの呪いと黒澤家は、なにか関係しているの?」
ダイヤ 「していない…と言ってあなたはそのまま信じますか?」
鞠莉 「あら、ダイヤは私を信じてくれないの?」
ダイヤ 「…口で言うのは簡単ですわ。今の状態で真実と偽りの区別がつくはずがない。なら何を話しても無駄でしょう」
鞠莉 「……ダイヤの分からず屋」ボソッ
ダイヤ 「分からず屋はどっちですかっ!!」
梨子 「…!」ビクッ
ダイヤ 「していない…と言ってあなたはそのまま信じますか?」
鞠莉 「あら、ダイヤは私を信じてくれないの?」
ダイヤ 「…口で言うのは簡単ですわ。今の状態で真実と偽りの区別がつくはずがない。なら何を話しても無駄でしょう」
鞠莉 「……ダイヤの分からず屋」ボソッ
ダイヤ 「分からず屋はどっちですかっ!!」
梨子 「…!」ビクッ
ダイヤ 「何故…なぜあなたはここに居続けるのですか!? 私が…私がどれだけっ!」
『小原さんの教科書、トイレに捨てられてたの見た!?』
『えっ、マジ!? 見に行く見に行く!』
『うわっ…アイツ傘盗られたからって濡れて帰ってんだけど』
『アイツにはそれがお似合いじゃない?』
ダイヤ 「あなたがいじめられているのを見るのが…どれだけの苦痛かっ!」
鞠莉 「ダイヤ…」
『小原さんの教科書、トイレに捨てられてたの見た!?』
『えっ、マジ!? 見に行く見に行く!』
『うわっ…アイツ傘盗られたからって濡れて帰ってんだけど』
『アイツにはそれがお似合いじゃない?』
ダイヤ 「あなたがいじめられているのを見るのが…どれだけの苦痛かっ!」
鞠莉 「ダイヤ…」
ダイヤ 「あなたを想ってのことなのです…早くこの街から出ていってください!」
鞠莉 「ダイヤ…。ごめん、それは無理」
ダイヤ 「どうして…!」
鞠莉 「私には、この呪いを解明する義務があるから。呪いを引き起こした責任があるの」
ダイヤ 「鞠莉さんに責任なんて…」
鞠莉 「ごめん、桜内さん。今日は先に帰らせてもらうね」
鞠莉 「ダイヤ…。ごめん、それは無理」
ダイヤ 「どうして…!」
鞠莉 「私には、この呪いを解明する義務があるから。呪いを引き起こした責任があるの」
ダイヤ 「鞠莉さんに責任なんて…」
鞠莉 「ごめん、桜内さん。今日は先に帰らせてもらうね」
ダイヤ 「…………。」
梨子 「…どうしてですか? 生徒会長なら、いじめをやめさせればいいのに!」
ダイヤ 「それが出来れば苦労しませんわ!!」
ダイヤ 「……私には、どうしても崩せない立場というものがあります」
梨子 「黒澤家次期当主…としてですか」
ダイヤ 「街の空気を乱そうとした…そして呪いを引き起こした小原家は、この街の敵です」
ダイヤ 「幼馴染とはいえ、鞠莉さんをかばうような真似をすれば、黒澤家次期当主として顔が立ちません」
梨子 「やっぱり、仲良かったんですね。二人の顔を見れば分かりました」
梨子 「…どうしてですか? 生徒会長なら、いじめをやめさせればいいのに!」
ダイヤ 「それが出来れば苦労しませんわ!!」
ダイヤ 「……私には、どうしても崩せない立場というものがあります」
梨子 「黒澤家次期当主…としてですか」
ダイヤ 「街の空気を乱そうとした…そして呪いを引き起こした小原家は、この街の敵です」
ダイヤ 「幼馴染とはいえ、鞠莉さんをかばうような真似をすれば、黒澤家次期当主として顔が立ちません」
梨子 「やっぱり、仲良かったんですね。二人の顔を見れば分かりました」
ダイヤ 「せめて…呪いの原因でもわかれば。鞠莉さんを救えるかもしれません」
梨子 「…私、協力します」
ダイヤ 「……ですが、あなたは疑いたくないのでしょう? “彼女”のことを」
梨子 「彼女…千歌ちゃんのことですよね?」
ダイヤ 「千歌さん…と言うよりかは、高海家全員です。千歌さんの反応が特に怪しい、というだけで」
梨子 「…私、協力します」
ダイヤ 「……ですが、あなたは疑いたくないのでしょう? “彼女”のことを」
梨子 「彼女…千歌ちゃんのことですよね?」
ダイヤ 「千歌さん…と言うよりかは、高海家全員です。千歌さんの反応が特に怪しい、というだけで」
梨子 「ダイヤさんは黒澤家という立場上、自由に動けない。なら私が、この呪いを解明して見せます」
ダイヤ 「……屋上の無断立ち入りの件は、見逃して差し上げます」
梨子 「…真面目ですね、ダイヤさん」
ダイヤ 「仕込まれた結果ですわ」
ふふっ、と優しく微笑む。先程まで見せていた生徒会長としての威厳に満ちた顔とはうって変わり、鞠莉さんの包容力に満ちた印象に似た何かを、ダイヤさんからも感じた。
……やっぱり、私がなんとかしないと。
決意を新たに、屋上を後にしようと扉を開けると、目の前に突然人が現れた。
梨子 「うわぁっ!?」
ルビィ 「ぴぎゃぁっ!?」
ダイヤ 「……屋上の無断立ち入りの件は、見逃して差し上げます」
梨子 「…真面目ですね、ダイヤさん」
ダイヤ 「仕込まれた結果ですわ」
ふふっ、と優しく微笑む。先程まで見せていた生徒会長としての威厳に満ちた顔とはうって変わり、鞠莉さんの包容力に満ちた印象に似た何かを、ダイヤさんからも感じた。
……やっぱり、私がなんとかしないと。
決意を新たに、屋上を後にしようと扉を開けると、目の前に突然人が現れた。
梨子 「うわぁっ!?」
ルビィ 「ぴぎゃぁっ!?」
ダイヤ 「ルビィ!? どうしてここに…」
ルビィ 「お、お姉ちゃんがこっちに行ったのを見て気になって…」
ダイヤ 「それにまた飴なんか舐めて…学校ではやめなさいとあれほど…」
ルビィ 「ご、ごめんなさい…」
ダイヤ 「はぁ…仕方ないですわね」
梨子 「なんか…色々と甘いんですね、本当に」
ルビィ 「お、お姉ちゃんがこっちに行ったのを見て気になって…」
ダイヤ 「それにまた飴なんか舐めて…学校ではやめなさいとあれほど…」
ルビィ 「ご、ごめんなさい…」
ダイヤ 「はぁ…仕方ないですわね」
梨子 「なんか…色々と甘いんですね、本当に」
ルビィ 「あ、梨子さんも飴舐めますか?」
梨子 「あっ…うん、ありがとう」
ダイヤ 「学校内で食べたら取り締まりますからね!」
梨子 「理不尽な…」
ダイヤ 「……宜しくお願いします、梨子さん」
ルビィ 「……。」ペコリ
2人に向かって頭を下げ、屋上をあとにした
……私にしか、出来ないんだ。なら、やれる限りのことをやらないと。
帰りがけに食べた飴は、いちご味だった。
ーーーーーー
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梨子 「あっ…うん、ありがとう」
ダイヤ 「学校内で食べたら取り締まりますからね!」
梨子 「理不尽な…」
ダイヤ 「……宜しくお願いします、梨子さん」
ルビィ 「……。」ペコリ
2人に向かって頭を下げ、屋上をあとにした
……私にしか、出来ないんだ。なら、やれる限りのことをやらないと。
帰りがけに食べた飴は、いちご味だった。
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~帰り道~
梨子 「……あれって、鞠莉さん?」
鞠莉 「うぅっ…いたぃっ…!」
女子生徒 「あんたのせいでしょ! あんたが“内浦の怒り”に触れたせいで、私のお父さんは!」
梨子 「もしかして…蹴られてる!? ちょっと! 何してるの!?」
女子生徒 「何って、コイツを見れば分かるでしょ?」
梨子 「分からないよ! どんな理由があってもいじめなんて…!」
梨子 「……あれって、鞠莉さん?」
鞠莉 「うぅっ…いたぃっ…!」
女子生徒 「あんたのせいでしょ! あんたが“内浦の怒り”に触れたせいで、私のお父さんは!」
梨子 「もしかして…蹴られてる!? ちょっと! 何してるの!?」
女子生徒 「何って、コイツを見れば分かるでしょ?」
梨子 「分からないよ! どんな理由があってもいじめなんて…!」
鞠莉 「…とめたら…Noだよ、桜内さん。悪いのは私、なんだから」
梨子 「鞠莉さん…」
女子生徒 「ほら、本人がこう言ってんだもん。あんたが口を挟むことない…よっ!」ガッ!
鞠莉 「ぐふぁっ…!?」
女子生徒 「……あーあ、他人に見られるとしらけるわ。じゃあね」
梨子 「鞠莉さん! 大丈夫ですか!?」
鞠莉 「これくらい No problem。平気よ」
梨子 「鞠莉さん…」
女子生徒 「ほら、本人がこう言ってんだもん。あんたが口を挟むことない…よっ!」ガッ!
鞠莉 「ぐふぁっ…!?」
女子生徒 「……あーあ、他人に見られるとしらけるわ。じゃあね」
梨子 「鞠莉さん! 大丈夫ですか!?」
鞠莉 「これくらい No problem。平気よ」
鞠莉 「あの子ね、ホテル建設に携わった建設員の娘さんなの」
鞠莉 「内浦の怒りの対象になって、彼女のお父さんも無気力状態に陥った。だから、私は蹴られて当然なの」
梨子 「そんなのおかしいですって!」
鞠莉 「Why? 何故?」
梨子 「どんな理由があっても、いじめられていい理由なんて…それをあなたが受け入れる義理なんて!」
鞠莉 「内浦の怒りの対象になって、彼女のお父さんも無気力状態に陥った。だから、私は蹴られて当然なの」
梨子 「そんなのおかしいですって!」
鞠莉 「Why? 何故?」
梨子 「どんな理由があっても、いじめられていい理由なんて…それをあなたが受け入れる義理なんて!」
鞠莉 「ありがと、梨子は優しいんだね」
梨子 「鞠莉さん…」
鞠莉 「じゃ、私帰るわね。梨子も気をつけて帰りなさい」
……こんなの間違ってる。
この街を、どうすれば救える?
内浦の怒りという呪いの呪縛から、どうすればみんなを救い出せる?
それが出来るのは…
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梨子 「鞠莉さん…」
鞠莉 「じゃ、私帰るわね。梨子も気をつけて帰りなさい」
……こんなの間違ってる。
この街を、どうすれば救える?
内浦の怒りという呪いの呪縛から、どうすればみんなを救い出せる?
それが出来るのは…
ーーーーーー
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~深夜 梨子の部屋~
千歌 「……へぇ、そんなことが」
梨子 「だから、私が呪いの根源…それを突き止めることにしたの」
千歌 「梨子ちゃんは、これを呪いだと思う?」
梨子 「…正直なところ、人為的なものであるとは思う。だってこんな超常現象が起きるなんて、信じられないもん」
千歌 「……そっか。それとさ梨子ちゃん」
梨子 「なに?」
千歌 「なんでその話を私にしたの?」
千歌 「……へぇ、そんなことが」
梨子 「だから、私が呪いの根源…それを突き止めることにしたの」
千歌 「梨子ちゃんは、これを呪いだと思う?」
梨子 「…正直なところ、人為的なものであるとは思う。だってこんな超常現象が起きるなんて、信じられないもん」
千歌 「……そっか。それとさ梨子ちゃん」
梨子 「なに?」
千歌 「なんでその話を私にしたの?」
梨子 「…千歌ちゃんの考えが変わるかと思って」
千歌 「そっか、やっぱり疑われてたんだね」
梨子 「そうは言ってない。…ただ、知ってることを話してほしいの」
千歌 「私は何も知らない。私はただ反対運動をしていただけで…」
千歌 「…こんなはずじゃなかったのに。みんな私を疑うんだ」
梨子 「千歌ちゃん…」
千歌 「…いいよ。そんなに疑うなら、こんな街もうどうなったって構わない」
そう言って千歌ちゃんは、部屋に戻っていってしまった。
千歌 「そっか、やっぱり疑われてたんだね」
梨子 「そうは言ってない。…ただ、知ってることを話してほしいの」
千歌 「私は何も知らない。私はただ反対運動をしていただけで…」
千歌 「…こんなはずじゃなかったのに。みんな私を疑うんだ」
梨子 「千歌ちゃん…」
千歌 「…いいよ。そんなに疑うなら、こんな街もうどうなったって構わない」
そう言って千歌ちゃんは、部屋に戻っていってしまった。
梨子 「千歌ちゃん…?」
しばらくして、千歌ちゃんはベランダに戻ってきた。そして勢いよく助走をつけーー
私の部屋へと、飛び移った。
梨子 「きゃぁっ!?」
千歌 「……梨子ちゃんはやっぱり嘘つきだ。私のこと疑わないって…嫌わないって言ったのに!」
千歌ちゃんは持っていた包丁を、私に向かって振りかぶった。
しばらくして、千歌ちゃんはベランダに戻ってきた。そして勢いよく助走をつけーー
私の部屋へと、飛び移った。
梨子 「きゃぁっ!?」
千歌 「……梨子ちゃんはやっぱり嘘つきだ。私のこと疑わないって…嫌わないって言ったのに!」
千歌ちゃんは持っていた包丁を、私に向かって振りかぶった。
梨子 「ち、千歌ちゃんっ!?」
千歌 「いらない……梨子ちゃんなんていらないっ!! 大っ嫌いっ!!!」ブンッ!!
梨子 「や…やめて千歌ちゃん!」
千歌 「あまり避けないでよ…早く楽にしてあげたいんだからっ!」
だめだ、もう人の話が耳に入る状態じゃない
もしかしてこれが…狂人化? 千歌ちゃんも呪われた? でも、どうして?
千歌ちゃんはこの街が大好きで…裏切るようなことなんてしてないのに。
千歌 「いらない……梨子ちゃんなんていらないっ!! 大っ嫌いっ!!!」ブンッ!!
梨子 「や…やめて千歌ちゃん!」
千歌 「あまり避けないでよ…早く楽にしてあげたいんだからっ!」
だめだ、もう人の話が耳に入る状態じゃない
もしかしてこれが…狂人化? 千歌ちゃんも呪われた? でも、どうして?
千歌ちゃんはこの街が大好きで…裏切るようなことなんてしてないのに。
この街の人間はどこかおかしい
私が正さなきゃ…私しかできないんだから
私が……私が…っ!
こ の 街 を 正 す ん だ
千歌 「うぐぅっ…!」
千歌ちゃんが攻撃を外した勢いで、ピアノにぶつかり、そのまま倒れる。千歌ちゃんの手に鍵盤が押され、不協和音が部屋中に響く。
……私はその瞬間を見逃さなかった。
私が正さなきゃ…私しかできないんだから
私が……私が…っ!
こ の 街 を 正 す ん だ
千歌 「うぐぅっ…!」
千歌ちゃんが攻撃を外した勢いで、ピアノにぶつかり、そのまま倒れる。千歌ちゃんの手に鍵盤が押され、不協和音が部屋中に響く。
……私はその瞬間を見逃さなかった。
千歌 「いっ…痛い痛い! 髪の毛引っ張らないで…っ!!」
千歌ちゃんの髪をつかみ、鍵盤に顔を叩きつける。さっきよりも汚い音が鳴る。
千歌 「がはっ…! 痛いよぅ…梨子ちゃん…やめて…やめてよぅ…」
梨子 「ふーっ…ふーっ…うわぁぁぁッ!!!」
素早く千歌ちゃんの頭から手を離し、そのまま鍵盤の蓋を勢いよく閉める。
千歌ちゃんの絶叫…ゴンッ、グシャッと肉や骨が鳴らす気味の悪い音…。それを早く止めるために、何度も何度も千歌ちゃんの頭を蓋で挟む。
千歌ちゃんの髪をつかみ、鍵盤に顔を叩きつける。さっきよりも汚い音が鳴る。
千歌 「がはっ…! 痛いよぅ…梨子ちゃん…やめて…やめてよぅ…」
梨子 「ふーっ…ふーっ…うわぁぁぁッ!!!」
素早く千歌ちゃんの頭から手を離し、そのまま鍵盤の蓋を勢いよく閉める。
千歌ちゃんの絶叫…ゴンッ、グシャッと肉や骨が鳴らす気味の悪い音…。それを早く止めるために、何度も何度も千歌ちゃんの頭を蓋で挟む。
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