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    元スレ佐天「こ、こっから先は一方通行だァ!?」美琴「えぇー!?」

    SS+覧 / PC版 /
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    みんなの評価 : ★★★
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    552 :

    ていと君普通・・・か・・?
    ナンパしといて嫌いなやつの関係者だったから[ピーーー]、って無茶苦茶な理論だぞwwww
    まぁいつも冷蔵庫ネタだからかなりかっこいいし面白いからいいんだけど

    553 :

    ぶっちゃけ読み飛ばした

    554 :

             ・ ・
    佐天「そうだ、ここはメロンパン入れにしよう」

    555 :

    >>554
    ていとくんの脳みそがメロンパン入れか…胸が熱くなるな

    557 :

    え・・・?

    558 :

    たぶん誤爆だからふれてやんな

    559 :

    トリビアの泉

    560 :

    >>552
    脳みそだけになって恨みばかり溜まって、
    しかもナンパが失敗続きで気が立っていたんだよ!

    561 :

    >>552
    安っぽい2ドア式の白物家電されて
    しかもTT式の自主回収騒ぎで気が立ってたんだよ!

    562 :

    どうでもいいけど佐天さんが能力に目覚めた事がどうでもいい余談状態になってるww

    563 :

    スカートがないと活躍できないからね

    564 :

    つまり垣根にスカートを履かせれば勝算が

    565 :

    御坂「ほうまの…んむ」ペチャペチャ

    上条「ん……く……っ、やめ…」

    御坂「ひもひいいへふか?」ピチャ

    上条「…か………くぁ…つ」

    御坂「あむ……ほうま…」ペチャピチャ


    …中学生とは思えない程のフェラテクを披露する御坂妹とは裏腹に、小さな口に収められている上条の息子は早くも限界を迎える寸前だった。


    上条「あ……っ、ん…や、ヤバ…い…!」

    御坂「だひへも………いいへうよ」

    上条「う、く…ん……で、出…!」



    ビュリュリュリュリュ

    御坂「!……んくっ、んぐ、ん…く……」

    御坂「ぷぁ」


    …上条は、不覚にも口の中で果てた。

    566 = 565 :

    うん本当にゴメンなさい
    誤爆

    567 = 560 :

    >>566
    十八禁を誤爆すんなやww
    切れられてもおかしないで自分ww

    568 :

    >>566
    一体どこと誤爆したのだね?

    570 :

    >>569
    そう焦るなsage忘れてるぜ
    そして>>566早くURLを

    572 :

    トリついてるから追跡余裕だなww

    573 = 568 :

    いやぁ、いきなり誤爆されてて思わず追跡しちゃったぜ(何
    てか誤爆されるってことはSSの作者さんみたいな人も読んでくれてるってことなのかしら
    だとしたら結構嬉しいのう

    というわけでお昼の分を投下していくぜい

    574 = 568 :


     最初に異変に気づいたのは土御門だった。

    「ふむ、どうやら守護神からのリアクションがあったようだぜい」
    「ハッ、15分前とは大分待たせてくれンじゃねェの」

     実際、グループの面々はこのまま反応が無ければ強行策行くことも視野に準備を始めていたところだった。どうやら少しは楽が出来るようだと、土御門達のやり取りに残る2人も安堵のため息を吐く。

    「ふぅ、学園都市全体を飛び回るなんてことにならないで済みそうね。まったく、あの女分かってて焦らしたりしてないでしょうね?」
    「それで、どのようなリアクションだったのでしょう?」
    「ちょっと待て、今解凍する。ご丁寧にこっちが使った暗号コードだ、罠の可能性も低いだろう」

     何せ自分と海原とで用意した暗号コードだ。復号も十数秒あれば済む。しかし問題はその中身だった。当初予定していた計画ならこんなものが送られてくるはずが無い。

    「……ちっ、どうにもマズイ事になってそうだ」
    「何が入ってたわけ?」
    「垣根帝督の数分前の時点での位置情報、それと監視システムへアクセスするキーコードだ」
    「アクセスコードまで? どういうことでしょうか?」
    「……ハッ、清濁どころのタマじゃなかったみてェだな」

    「俺達の動きを見逃してくれるどころじゃない。これは『垣根帝督をどうにかしろ』っていう守護神からのメッセージだ」

    575 = 568 :

    ・行間

     その日、少年はスーパーの特売の食品を無事に購入し終えて帰路に着いていた。珍しく卵のパックには何のダメージも無いし、お一人様1パックの特売鶏肉も買えた。いつもなら争奪戦の末の卵パックは中身が1つや2つ割れているものだし、特売の肉類など売り切れて買いそびれるぐらいが普通だというのに。

    「ふーむ……今日はやけについてんな。こんな日は早く帰るに限りますってんだ。上条さんの場合油断してるとすぐ不幸なことになっちゃいますからね」

     などと暢気に独り言を発しながらの上機嫌な買い物帰りだった上条の目に不自然なものが飛び込んでくる。

    (なんだ……? やけに警備員が多い……)

     不審に思った上条が辺りを見渡した瞬間、

     ドンッ! という轟音とよ~く見慣れた稲光が彼の網膜に焼きついた。

    (畜生、言ってるそばからこれか! 一体何が起きてんだ……!?)

     呆然と立ち竦む少年の脇を警備員の装甲車両が何台も通り過ぎていく。また何か事件が起きた。しかもそれに少年の良く知る少女が関わっている。少なくともそれだけは理解できた。

    576 = 568 :


     自爆テロのあった現場です、とでも言えばいいか。もはや廃墟と呼ぶ他に表現のなくなった店内に残っているのは3人だけ。倒れている人間が2人。佐天涙子と御坂美琴の2人は建物全体から見れば内側の方の壁際に吹き飛ばされていた。そして、ただ1人悠然と廃墟の中央に存在する垣根帝督。

    「俺は自分の敵とムカツク奴にゃ容赦しない。まあ運が悪かったと第一位でも呪っとけ」

     先ほどよりは耳の調子は復活していた。そして今しがた聞こえてきた第二位の言葉。堪えようと思った時には佐天涙子の目からは涙が溢れた後だった。何故こうなったのか分からない理不尽さ。圧倒的な暴力によってうちのめされる恐怖。あの第三位ですら敵わないという絶望。もはやあらゆる負の感情が彼女の精神を圧迫していく。けれど、次に彼女の耳に入ってきたのは聞き慣れた力強い声だった。

    「ご自分のしたことを棚に上げて、挙句第一位に責任転嫁とは……とんだ大馬鹿野郎でしたのね、第二位は」

     ヒュン、という風切り音と共に虚空から一人の少女が現れた。続けざまに太ももに装備したホルダーから金属矢を手元に引き寄せる。

    「……空間移動能力者(テレポーター)か。珍しいっちゃ珍しいがそれだけだな。力の差ってもんを教えてやる、仕掛けてきな」

     対して垣根帝督は余裕の表情を崩さない。自身の能力への絶対の自信。それこそが超能力者(レベル5)たる能力者だと言わんばかりに。

    577 = 568 :


     攻防は一瞬。そもそも白井のような空間移動能力者の戦闘には距離も威力も関係ない。相手の体内に直接金属矢を転移させればそれで片がつく。基本的に先手必勝なのである。わざわざ仕掛けて来いなどと余裕を晒した垣根帝督の行動は白井にとって好機でしかなかった。

    「その余裕、後悔させて差し上げますわ!」

     手の中に引き寄せた左右合わせて6本の金属矢を垣根の手足目掛けて転移させる。ヒュンという風切り音。しかし次に聞こえてきたのは垣根の絶叫でも、ましてや白井の声でもなかった。
     チャリリン、と金属矢が床に転がる無機質な音が響く。空間移動での攻撃は点から点への攻撃だ。故に転移した瞬間に相手の位置がずれてしまえば攻撃は意味を為さない。けれど今のはおかしい。
     何故なら垣根帝督は文字通り微動だにしていなかったのだから。

    「なっ、外れた!?」
    「話にならねぇな。そっちの第三位のが全然ましだったぞ」

     咄嗟に白井は空間移動を繰り返し、すかさず次の金属矢を引き寄せ続けて攻撃を行う。だが結果は変わらない。確かに垣根帝督の位置目掛けて転移させているはずなのに、その尽くが狙い通りに跳ばないのだ。

    「空間移動ってのは3次元の座標を11次元で計算し直して、11次元での座標をずらしてるわけだ。俺の未元物質は現実世界を侵食する。代入元の3次元の物理法則が捻じ曲がってんだ、11次元のベクトルに影響が出ないわけないだろう?」
    「!」
    「ここはもうテメェの知ってる空間じゃねぇんだよ」

     ダンッ! という床を蹴る音と共に翼を広げた垣根帝督が迫る。対し、白井は自分自身を空間移動させることで攻撃をかわす。上手く跳ばせないといってもまったく空間移動できないわけではない。間違っても『壁の中に居る』などということにならぬよう、広く開けた空間に転移先は限定されてしまうが、美琴の時と違い軌道の先読みが不可能なその回避で辛うじて白井は垣根の攻撃を避けることができた。

    「ちっ、ちょこまかと……」

     言葉の割りにさほど焦った様子でもないのは自身の優位を確信しているからだろう。事実、もはや白井には垣根を止める術など無い。こうして逃げ回るだけで精一杯で、それすらもいつ追いつかれるかという状態だ。ほんの僅かでも気を抜けば転移に失敗して垣根に捉まってしまうに違いない。それが分かっているから垣根はただ追い続けるだけでいい。空間移動などという集中力の必要な能力をいつまでも発動させることなど不可能だからだ。
     こんな不安定な転移しか出来ない状態では佐天や美琴を連れて脱出するという選択肢も消えた。元々は垣根帝督に攻撃を加え、注意を逸らしたところで2人を連れて転移する腹積もりだった。ところがこの空間では思うように転移できない。自分1人、それも多少転移先がずれるのを承知で跳ぶのでやっとだ。
     けれど白井黒子はその場から逃げ出すという選択肢を選ばない。停まった瞬間にゲームオーバーとなるサドンデスに挑み続ける。何故ならそれこそが彼女がここへ来た目的。垣根の見せる余裕に彼女は内心でほくそ笑む。1分でも1秒でも長く、彼女の全身全霊を込めて能力を発動させ続ける。

     いつ来るとも知れぬ、垣根帝督に対抗できる『本命』が来るまでの時間を稼ぐために。

    578 = 568 :

    なんか地の文書いてるとテンション上がってくるな……

    劇中では未元物質VS空間移動ってのは描写も考察も無いんだが、
    1位と2位は別格というのを際立たせるために黒子の格下感を山盛りにしてみた
    まあ、その分カッキーの小物臭も際立った気もするんだけど

    というわけでお昼の分はここまで
    とうとう上条さんまで出てきてもうどうやって風呂敷畳むかパニックだよ、テヘ☆

    579 = 550 :

    わーい毎日投下してくれてうれしいな
    まあカッキーのことだから空間移動は効かないだろうし問題なさそうだね

    580 = 549 :


    お昼の分てことは今日も夜の分あるのか、凄いな
    上条さんが噛んでくるのは予想外でした

    581 = 570 :


    上条さんが出てくるとろくなことがないから恐怖が湧くぜ

    582 = 560 :

    むしろ上条さんが解決してしまう悪寒……

    583 :

    いきなり上条さんが出て来てビビった

    584 :

    つまりだ
    カッキーvsセロリだと死闘になるからサテンさんとのイチャイチャが半減する
    しかしカッキーvsセロリ&そげぶだと軽傷ですむに加えてカッキーと仲良くなるも可能に加えて一方茶店と上琴Wデート可能という素晴らしい特典がついてくる訳だ
    そげぶが解決したら・・・まあ作者の自由だけどね

    586 :

    まあガチであの二人がやりあったらいろいろ消し飛ぶからな

    ワンクッションは仕方ない

    587 :

    上条さんからとてつもないベビーレスラー臭がする様になった今日この頃

    588 :

    >>584
    若ぇの、イチャイチャ希望かい?
    そういうのはもっと登場人物の少ないスレに期待することだぜ?
    だって人増やしすぎて出番消化するだけで精一杯なんだぜ!w

    というわけで上条さんの出番は? っていうか佐天達の命運は? 気になる今日の分、いっくよー

    589 = 588 :


     もう5分は同じことを繰り返しただろうか。垣根が距離を詰める、白井が転移してそれを避ける。薄氷を踏むようなその舞踏(ロンド)にけれど当人達は全く納得していない。片や少しでも長く。片や少しでも短くと。決着を望む者と引き伸ばそうとする者との駆け引きが続く。

    「何を待ってるか知らねぇがな。警備員(アンチスキル)をどれだけ呼ぼうが、AIMジャマーをどれだけ並べようが、この俺様をどうにかできると本気で思ってるのか?」
    「……っ、関係ありませんの!」

     それは白井の精神力を繋ぎとめている希望そのものへの否定だ。だが、今更それぐらいでは白井は揺るがない。今自分が諦めたら誰も助からない。美琴も、佐天も、そして白井自身も。潔く諦めるなどという考えは白井には無い。風紀委員として過去それなりの修羅場も、死線も潜ってきた彼女は知っているのだ。どれだけ無様であろうと最後に生き残った方が勝ちであることを。

    「月並ですけれど……諦めたらそこで試合終了ですのよ?」
    「はっ、そりゃまた随分と安っぽい台詞だな」
    「けれど、真実ですの!」

    「じゃあいい加減諦めろ、コラ」

     6枚の羽の1対が突如バラバラに解けていく。

    (……何を……? ――ッ!?)

     跳べなかった。今まで辛うじて転移そのものは出来ていたのに、計算式もさきほどまで遜色ない組み立てが出来ているのに、けれど白井は唐突に能力を発動出来なくなっていた。

    (しまっ――!?)
    「遅ぇ」
    「ごふっ、ぁぁあアアアッ!?」

     高速で飛来した垣根の回し蹴りが白井の脇腹を捉える。更に、回転の勢いを殺さずにその場で回転した垣根の白い翼が白井を薙ぎ払う。


    「ったく、最初からこうしてれば良かったぜ。言っただろ、ここはテメェの知ってる場所じゃねぇってな」

    590 = 588 :


     白井が跳べなかったのは垣根の未元物質による影響だった。美琴との戦闘で撒き散らした分だけで白井の空間転移の精度を著しく下げていたのだ。周囲の未元物質の量を増やせば空間転移そのものを阻害できたというわけだ。

    「やれやれ……面倒掛けやがって、俺の邪魔してんじゃねぇよ。ったくなんでわざわざ突っ掛かってきやがんだ」

     それは超能力者(レベル5)が超能力者(レベル5)たることを示す、いや第二位の実力を示す『絶望の戦い(デモンストレーション)』でしかなかった。同じ超能力者(レベル5)たる第三位すら軽くあしらい、空間移動すらも無力化してみせる。そしてそれは最初に吹き飛ばしたこの目の前の少女からすれば次々と援軍を撃破して見せられたことに他ならない。
     だと言うのに、目の前の少女――佐天涙子は命乞いをするでもなく、その視線は真っ直ぐにこちらを射抜いている。まるでまだ何か希望を持っているかのような、強い眼光だった。

    (何だ……? 何でこの状況でまだそんな目ができる?)

     そして気づいた。その少女の周囲だけ不自然に粉塵が流されていることに。

    「風……だと? ははっ、こりゃ傑作だ! 確かに未元物質をどうにかすりゃ空間移動(テレポート)で逃げられるもんなぁ!」

     よく見れば確かに風を吹かせていた痕跡が見て取れた。建物の中から外へ、理屈は分からなくとも本能的に未元物質を少しでも遠ざけようとしていたのだろう。人は未知なる恐怖を遠ざけようとするものだ。

    「でも残念だったなぁ。こんな微風じゃ俺の未元物質は押し流せねぇ。まあそもそも風ぐらいでどうにかなるもんでもないけどな。この風力じゃレベル1かそこらか? ま、頑張ったんじゃねーの? はは、ははははッ!!」

     今度こそ、この気に入らない少女の希望を打ち砕いた、そう思うと笑い声を抑えることは出来なかった。これだけ痛め付ければもういいか。止めを刺そうと白い翼に力を込めたその時だった。


    「そォだな。よく頑張った」


     見れば目の前に第一位が居た。一体どうやって現れたのか、そんな疑問を抱くことすら出来ぬまま、一方通行の右拳が垣根の顔面を捉えた。渾身の一撃に秘められた破壊力は軽くビルを一つ叩き潰せるだけのベクトルが集約されている。

    「ごっ、がぁぁァァァアアアああああッッ!?」

     高速で撃ち出された垣根の体は壁を破り、車道を挟んだ反対側のビルに叩き込まれていた。

    591 = 588 :


     時間は少し戻る。
     守護神(ゴールキーパー)から送られてきたファイルを元に、第二位の位置を確認したグループの面々は直ちに垣根帝督を拿捕すべく動いていた。とはいえ直接やり合えるのは一方通行ぐらいだ。土御門と海原が監視システムを用いたバックアップ、結標が一方通行を現場に送り届ける、といった具合に分担がなされた。

    「こちら結標、問題のビルまで転送できる距離まで近づいたわ」
    『よし、それじゃ見取り図を見ながら転送位置を……くそっ、監視カメラが全部壊れた。これじゃ店内の様子が分からない』
    「チッ、なら高さだけ揃えて店の外でいいぜ」
    「待って、せっかく奇襲のチャンスなのよ?」
    「様子が分からないんじゃ奇襲も何も無ェだろォが」
    『ですが下手に突っ込んでも3人を巻き込む恐れがあります。せめて彼女達の位置だけでも掴めればいいのですが……』

     結標の能力、座標移動(ムーブポイント)は本人が跳ぶ必要が無いため離れた場所でも平気で能力を振るうことが出来る。以前にも壁を隔てたところから一方通行を送り込むという奇襲をしたことがあり、今回もその手を使おうとしていた矢先だった。戦闘の余波で店内の様子を伺える位置にあった最後の監視カメラ――もっとも最初に電撃の槍が放たれた時点でほとんどの監視カメラは死んでいたのだが――からの映像が途絶えたのである。
     跳ばす先の様子が分からないまま迂闊に転送すれば、最悪助けるべきはずの人間を巻き込んでしまう恐れがある。それに直接店内に転送しないにしても、突入するに当たって3人の少女達の位置は掴んでおきたい。

    「とはいえ困ったわね……透視能力(クレヤボンス)でも近くに居ないかしら?」
    「ハッ、馬鹿言って無ェで用意しろ。こうしてても埒があか……マテ」

     電極のスイッチを入れたところで一方通行の言葉が途切れる。

    『どうした? 一方通行』
    「風が吹いてやがる」
    「は? 風なんていくらでも吹いてるでしょうに」
    「オイ、見取り図出せ。……ここと、ここ……後ここだ」

     結標の言葉を無視して一方通行は見取り図の上に印を付けていく。

    『一体どういうことです?』
    「店内から不自然な風が吹いてる。こりゃ能力で出したもンだ」
    「それがどうかしたの?」
    「俺が何の能力者だったか忘れたか? 風の乱れを逆算すりゃ風を妨げてる障害物の位置や大きさは大体掴める」
    『なるほど、そういうことか』
    『なら先ほど指した場所が』
    「そォいうこった」

     こりゃ後で褒めてやらねェとな。内心でそれが自分のキャラではないと思いつつも、一方通行はそう思わずにはいられなかった。別に自分に位置を知らせるために能力を使っているのでは無いだろうけれど、あの状況で諦めずに何かをしようとしている、それだけで十分賞賛に値する。一方通行は素直にそう思う。

    「それじゃ跳ばすわよ。転送先の未元物質は自分でどうにかしてよね」
    「オゥ」

     結標の能力で一方通行の姿が虚空へと消える。
     勝敗は決したも同然だ。

    592 = 588 :


     自然と涙が溢れた。先ほどまでのような負の感情から来るものではない。

    「あ、アグゼラレーダざぁん……」

     鼻を啜りながら出した声は震えていて、佐天はなんとも言えぬ恥ずかしさで頬を染めた。しかしそれ以上に安堵のが上回っていた。第二位を名乗ったあの男とこの目の前に居る第一位とでは格が違うと、佐天にも分かるのだ。もう怯える必要は無い。

    「風、使ってたろ。よく諦めなかったな、褒めてやンよ」

     ふえぇぇ……と、涙はもう止まらなかった。助かったという安堵、理不尽な暴力から開放されたという喜び、尊敬する人から褒められたという感動、様々な感情がごちゃごちゃに混ざり合い、内側から溢れてくる。

    「重症な所は無さそォだな、そのまま寝とけ。直に警備員(アンチスキル)の連中も来ンだろ」

     怪我の具合を診ようと血液の流れなどを調べるためにかざしていた手を戻しながら告げると、一方通行はそのまま踵を返した。

    「さて、そンじゃきっちり後片付けと行くか」

     先ほどブチ抜いた壁穴に足を掛け、垣根を追って外に出ようとした時だった。


     バキン! と硬質な物が割れるような音が辺りに鳴り響いた。

    593 :

    セロリの癖にカッコイイ

    594 = 588 :

    今日はちょっと内容詰めすぎた気がしないでもない
    正直上条さんは勢いで出した反省している

    というわけで今日の分はここまで
    このSSでの一方さんの登場は基本王子様。なんていうか、ピンチのヒロイン的な意味で

    595 :

    一方さんかっけぇ~
    上条さんにもう出番ねぇだろww

    596 :

    上条さん「残りの半分を果たしに行こう(キリッ」

    597 = 549 :

    もしかしてすさまじくKYなタイミングで上条さんきちゃった気が…

    598 = 554 :

    海原「よく諦めなかったな、褒めてやんよ(キリッ」
    土御門「さて、そんじゃきっちり後片付けと行くか(キリリッ」

    600 = 570 :

    >>596
    そういうの間に合ってますんで
    上条さんは速やかにお引取りを


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