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    元スレ垣根「友達が欲しいんだが」

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    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★
    タグ : - 麦野沈利 + - とある魔術の禁書目録 + - 一方通行 + - 垣根 + - 垣根帝督 + - 心理掌握 + - 木山 + - 番外個体 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    51 :

    超支援です!爆撃に気をつけてね。

    52 :

    ただいまー、待っててくれてありがとン
    頑張るぜー

    53 = 52 :

    店員「いらっしゃいませー、二名様でしょうか」

    一方「ン」

    店員「Sダックスの会員でいらっしゃいますか?」

    一方「…………」スッ

    店員「ありがとうございます、何時間でしょうか?」

    一方「決めて良いか?」

    垣根「任せた」

    一方「二じかンで」

    店員「学生様でしたら学生証等お持ちでしたらご提示お願いします」

    一方「……テメェあるか?」スッ

    垣根「おう、一応あるぜ」スッ

    店員「ありがとうございます。ご希望の機種等ございますか?」

    一方「…………」チラッ

    垣根「特にこだわりはねえよ」

    一方「DOMで」

    店員「かしこまりました。ドリンクバーのグラスはどちらに致しましょうか」

    一方「俺ァホット。どっちが良いよ?」

    垣根「アイスで」

    店員「かしこまりました、お部屋はあちらの階段の上の208号室となりますごゆっくりどうぞー」ガチャガチャ

    54 = 52 :

    垣根「飲み物も用意して部屋に入った、マラカスもある。準備万端、いつでもイケますってなあ!」

    一方「今度はメロンソーダかよ」

    垣根「炭酸苦手だからストローでかき混ぜて炭酸抜かなきゃ飲めねえがな。因みに、氷は大き目のを二つがベスト」

    一方「いや、別に聞いてねェし」

    垣根「コーヒー飽きないのか、そんなに連発してて」

    一方「別腹なンですゥ」

    垣根「にしてもこの部屋暗いな、その辺にツマミとかねえか?」

    一方「あった」クイッ

    垣根「サンキュ」

    55 = 52 :

    垣根「理由は特にねえんだが、カラオケとかで部屋に入って落ち着くと何だか『お疲れ様したー』みたいな雰囲気にならねえ?」

    一方「言わンとしてる事は判る」

    一方「それはそうと、なンか頼むなら最初に言っとくぞ。歌ってる時に来られたら気まずいってレベルじゃねェし」

    垣根「――――マジかよこのメニュー、ファミレスレベルの品揃えじゃねえか……。余程俺たちを歓待したいと見える」

    一方「Sダックスだからな。ま、割高だから腹へってンなら出てから食えよ」

    垣根「ア゛? お前誰にもの言ってんの? 金とか湯水の如くあるからよ」

    一方「そういう高飛車な態度はあンまよくないんじゃねェの。気前の良さをアピールすんなら別だがよォ」

    垣根「マジで? そいつは覚えとくわ」

    一方「ま、せっかくこの第一位にこうべ垂れに来たんだァ、ケツ拭くとこまでキッチリ付き合ってやンよ」

    垣根「……お前、思ったより面倒見良い奴だな」

    一方「そ、そんな事あるわきゃねェだろォ!」

    垣根「照れてるお前も、かわいいぜ?」



    一方「――――反射がきかねェ精神攻撃だと」ドン引き

    垣根「なんかごめん」

    一方「おゥ」

    56 = 52 :

    垣根「ポテトでいいや、このオメガポテトって奴。お前も食えるだろ?」

    一方「まァな。――――――あ、オメガポテト一つ。……ン」ガチャリ

    一方「さァて、ポテトが来るまでに歌う曲でも決めとくか」

    垣根「そういやどんな曲歌うんだよ? ディスってる訳じゃねえがパッと見JPOP歌うお前が想像し切れねえんだが」

    一方「ああ、まあ、うン……洋楽、とか?」

    垣根「良くも悪くもイメージ通り過ぎんじゃねえの? 俺は町で流れてる最近の曲とか聞いてて良いのがあればパソコンで調べて聞いてる。最近は便利なサイトがあるもんだ」

    一方「ふーン。ぶしつけに悪ィがテメェ歌上手いのかよ?」

    垣根「下手じゃねえ……とは思うがよ。音程は外してないんじゃって感じだな、自分では。ああ、下手だ下手だとか異常に言う奴ほど上手くて白ける空気ってあるよな多分」

    一方「上手下手に拘り過ぎる奴に付き合ってっとキリねェよ。こういうのは、色々とやり過ぎない適度に空気を読みつつ楽しむのが一番だァ」

    垣根「一方通行のちょっと良い発言タイム入りましたー」

    一方(木原クンの受け売りタイム入りましたァー)

    57 :

    支援するとでも思ったか

    58 = 52 :

    >>57
    キリが良いとこまでは持って行きたいから支援してくれ


    店員「失礼します、お待たせいたしましたオメガポテトでございます」

    店員「料金のほう、お先に頂いてもよろしいでしょうか」

    一方「ン」

    店員「……600円頂きまして20円のお釣りです。ありがとうございましたー」バタン

    垣根「思ったより多いな、オメガポテト」

    一方「あったけェ内に食えよ。ただ熱いから気ィつけな」モグモグ

    垣根「お、うめぇ。思ったよりうめぇ」モグモグ

    一方「確か徳用スーパーかどっかで売ってたンじゃねェかなこのポテト」モグモグ

    垣根「マジで?」モグモグ

    一方「おゥ」モグモグ

    垣根「……」モグモグ
    一方「……」モグモグ

    59 = 52 :

    垣根「よっしゃ、どっちが先に歌うよ」

    一方「ここは勢いあまって俺が先に入れてやらァ」ピピピピピッ

    垣根「なぁにを突っ込みやがった・か・な、と……。エメラルドソード?」

    一方「『ァ、ァ、ァー』……ちょっと音でけェな」カチカチ  テッテッテテテテーテテテーテテレレレテー

    垣根「うおっ、やけに激しい曲始まってんじゃねえかよ」

    一方「こォいう曲風のバンドだからなァ」


    一方『アーイクローダ、ヴァーリーズダダースオブミッラーン』
    一方『オンダウェーイトゥダグローリーアイローノーマイソーゥ』
    一方『フォーザーキーンフォーザーラーンフォーザーマーウンテンズ』
    一方『アイウィルサーチフォーディーイーメーラルソーーーゥ』


    一方「今日は喉の調子が良いぜェ」

    垣根「んだよ、全部英語で一瞬だけビビっちまったがお前歌上手いじゃねえか」ピピピピッ

    一方「やっぱ歌は練習だァ。原曲聞き込ンで下手でも自分の歌聞きながら悪ィとこ考えりゃァ嫌でも上手くなる。楽しンでたらもっとだ」

    垣根「それはそうと……やけにメルヘン……いや、ファンタジーな歌詞の曲だったな」

    一方「心配すンな、自覚はある。それはそうとさっきお前が入れてたのはなンの曲だ?」

    垣根「BUMPだな。こないだゲーセンの音ゲーに入ってたの聞いてから」

    一方「ほォ…………」


    垣根『ガラッス玉ひーとつ落とされた、追いかけてもひとつおっこちた』
    垣根『奪わーれないよーに、まもーりー続けってーるー』
    垣根『必ずー、僕らーはでーあうだろー』
    垣根『僕らーはー、ひとつーになるー』

    60 :

    その幻想をぶち[ピーーー]RPGの主題歌か

    61 = 52 :

    垣根「ふぅ、歌いきってやったぜ」

    一方「白ける程じゃねェけどオマエも良いじゃン。でも、少し元曲意識しすぎかもな」

    垣根「無意識の内に、元曲の歌い方に似せる方向に行き始めると時たまキモい歌い方になるときあるよな」

    一方「どっかで誰かに止めてもらわねェと取り返しつかなくなるもンな。……飲み物取り行こうぜ」

    垣根「おう。……あ、俺トイレ行ってるから先行っといてくれよ」

    一方「ン」ガチャバタン




    削坂『ブレイクゥゥゥゥ、ブレイクゥゥゥゥ、んァああなたのむわァあああちぬうォおおおおおお!!!』


    垣根「隣やけにエキサイトしてやがんな……」

    削坂『かいたいィィィィかいたいィィィひィィィとやくかいたいィィィYYYYYYYYY!!!』

    垣根「まあいい、トイレトイレ……」

    62 :

    削板wwww
    マジンガーZとか全力で歌ってそうだよな

    63 :

    すごパはヒトカラか?ww

    64 = 52 :

    垣根「――――ふぅ」

    垣根「カラオケ来るとトイレが近くなるのはなんでなんだろうなぁ」シャー ガチャバタン

    垣根「次の飲み物は何を選択するか……、同じメロンソーダで攻めるのも芸がねえ。かといってウーロン茶に回ると糖分が足りん」

    垣根「紅茶にガムシロ増し増しの手もあるが……、ん?」




    垣根「こりゃぁ…………」

    垣根「コーンポタージュ…………?」

    65 = 52 :

    垣根「――――――」ガチャバタン

    一方「ン、おかえりだァ」

    垣根「…………一方通行、認めざるを得ない。俺はSダックスを舐めていた」

    一方「ァ? …………テメェそれはまさか」

    垣根「ポタージュまじうめぇぞwwwwwwwwwwwwwwwwなんだこのまろやかさwwwwwwwwwwww」

    一方「そこに気づくとは……やはり天才か……」

    67 = 52 :

    垣根「ポタージュだけで生きていける気がしてきた」

    一方「コーヒーうめェ」

    垣根「そういやオマエはカラオケとかよく来んのかよ?」

    一方「木原クンとたまにな」

    垣根「木原クン? 誰だそりゃ?」

    一方「俺ン能力開発者の一人だよ。一応、保護者みたいな事になってる」

    垣根「ほぉ…………、こないだのタバコのか。更に良い奴じゃねえの」

    一方「うっとォしいだけだろォ……、次の曲でも入れンぞ」ピピピピピッ

    68 = 52 :





    一方「おーおー、太陽の光が眩しいなァ」

    垣根「二時間か……、思ったよりあっという間に過ぎるもんだな時間ってやつは」

    一方「ほンのちっと歌い足りない位が丁度良いンだ、又誘いやすくなるし何より歌う歌が無くなって時間が余ってる時の気まずさはヤベェ」

    垣根「ほうほう。中々参考になる意見だな」

    一方(って、木原クンが(ry )

    垣根「今三時半過ぎか……、三時のおやつって時間でもねえし」

    一方「オマエどっか行きたいとことかねェのかよ?」

    垣根「そうだな……。>>70とかどうだ?」

    70 = 60 :

    ボーリング

    71 = 52 :

    と、言う訳で今日はココまでな訳よ。支援くれた人マジサンクスな!
    てか、>>68に追記し忘れた上に安価が近すぎて自分で書き込む事も出来ずこのまま寝るしか無いかと思った。ありがとう>>69-70

    ちなみにカラオケは俺の個人的な趣味なんや
    ラプソディとかラルクとかTMRとかアニソンとか色々節操無しに歌うのが大好きなんや
    ってかカラオケの話投下してたら俺もカラオケ行きたくなって来たwwww 鼻歌とまんねぇwwwwwwww


    明日明後日は少し用事があるので昨日今日みたいに投下できないと思うけどすまない!
    おやすみ!

    73 :

    垣根→麦野
    一方→フレンダ
    ってこと?

    74 :

    オツカレ-

    ちょっくら俺もカラオケ行ってくる
    ひとりで

    75 :

    ちょっと細かいけど木原クンじゃなくて木原くンな!
    後sagaで[ピーーー]とか[ピーーー]とか解除できる

    乙ー、楽しみにしてる

    77 :

    ていとくんマジ天使

    78 :

    >>75
    あンがとう。早速使わせて貰う
    一昨日昨日と投下できなかったんで今日は貯金分を一段落するまで投下する
    では今日も頑張るわ

    79 :

    超楽しみにまってた
    がんばってくれ

    80 = 78 :

    垣根「よし、お疲れさんだ」

    一方「まだレーンに座ったばっかじゃねェか。…………ガッコンガッコンうるせェな」

    垣根「この音が鳴り響く空間こそがボウリング場だと定義できる。深々としたボウリング場はむしろホラーだ」

    一方「誰もいない学校やら街角と同じ怖さか。常日頃のギャップがあるからこそ怖さが倍増するンだな」

    垣根「怪奇! 誰もいない友達!」

    一方「自虐ネタはよしとけよ。それより……この画面のボタン押しゃァ始まンのか?」

    垣根「おい何だよ、情けねえな。学園都市第一位のはボウリング一つしたことありませんってかよ」

    一方「仕方ねェだろ一回も無い訳じゃねェが全く覚えてないンですゥ、ボウリングなンざ普通に生きてりゃそうそう行かないもンだろうが」

    垣根「まあな、俺もほとんど来たことないし」

    一方「おいィィ、なンでボウリングなんかに誘ったンですかァ!?」

    垣根「したくなったもんはしょうがねえだろ。そろそろ始めようぜ」ピッ

    81 = 78 :

    ゴロゴロゴロゴロガコァーン


    垣根「ちっ、六本しか倒れやがらねえの」

    一方「よし、次ァ俺の番だな――――よっと」

    垣根「腕前の程を見せてもらうぞ一方通行」

    一方「こンなンど真ん中にボールをぶち当てりゃ良いだけだろ、頗るイージーだァ」フラフラ

    垣根(ふら付いてんじゃねえか……下手するとコケるぞありゃ)

    一方「行くぜェ…………」スススス

    垣根(ボールを投げてるってよりボールに振り回されてるって見た目してんな……)

    一方「――――ハッ!」


    ダンガコンッ ゴロゴロゴロゴロゴロ


    一方「」

    垣根「どう投げりゃ四十五度の角度でガーターにボールが突撃してくんだよ……下手すりゃ隣のレーンにボールが突っ込んでんぞ……」

    一方「画面の中のウサギにまで笑われてンだが」ビキビキ

    垣根「大人しくボールもっと軽いのに換えてこい、オマエにそのボールは重すぎだ」

    一方「くっ……」フラフラ

    82 = 78 :

    垣根「おう、一番軽いのにしてきたか? 今度のはまあさっきのより持ててるんじゃねえの」

    一方「……下から四番目にしてきた」

    垣根「また中途半端な所のにしたな」

    一方「俺にもプライドがあンだよ」

    垣根「まあいい、次は俺がなげんぞ」スッ

    一方(はずせはずせはずせはずせはずせ……)

    垣根「――――オラッ!」


    ゴロゴロゴロゴロゴロ  ガコーン!


    垣根「よしストライク! ラッキーだな、良い跳ね方しやがった」

    一方「くそったれ…………」

    83 = 78 :

    一方「…………」

    垣根「おい第一位、この勝負は俺の勝ちみたいだなあ」フフン

    一方「――――勝ち誇るには早ェぞ、第二位」

    垣根「アン? ……27点差で最終フレームだぞ。こりゃ決まっただろ」

    一方「カカッ」スッ

    垣根(最終だから三回投げれたとと考えても27差だぞ……、ストライク三連発しかまくれねえ)

    垣根(自慢じゃないが俺もさっきの一回以外ストライクは出せてない……、もちろん一方通行もだ。こんな土壇場で三連発なんざできるはずが…………)


    一方「………………」ニヤニヤ

    垣根(なんだ? 今回はやけに無言で投げやがる……、あ)

    垣根「一方通行テメェまさか――――っ!!」

    一方「ベクトル操作ァァァァああああ! 例え何をしても勝てばよかろうなのだァァァァ!!」 ブンッ

    84 = 78 :





    ――――まさにその瞬間に隣のレーンで友人さんと共にボウリングに興じていた少女、佐天涙子氏。後日彼女はこう語っている。


    「ええ、斜め後ろから私はあの時の投球を見ていました」

    「上手に説明する自信は無いんですが……」

    「なんていうかこう……それまでの投球のフォームは、例えるなら……小学生?」

    「ボールの重さ、そうですね。自身の体重のおよそ三分の一に迫ろうというようなボールをですね」

    「それを一生懸命、ぶるんぶるんと振り回して投げる……そんな風に見えていたんですよ。その瞬間までは」

    「その一投だけは違いました。はい、一目で見てわかるくらいにです」

    「擬音で表すなら……スッ、と?」

    「信じられますか? まったく無駄なくスイングされる腕が綺麗な弧を描いてボールと地面が接触する音すらも曖昧になるほどの華麗な投球技術」

    「いえ、信じられないでしょうね。なんせ、自分の目で見た私ですら完全に信じてはいないんですから。――――伝聞などではとてもとても」

    85 = 78 :





    「そこからは私がお話しましょう」

    同時刻、同じ場所の違う角度から彼を目撃していた初春飾利氏は語る。



    「私は彼の投げる隣のレーン……、ほとんど真横から彼が投げる様子を目撃していました」

    「ですから彼の表情とか、仕草とか、細かい様子を見ることができたのですが……」

    「白い髪の彼は、投げた瞬間に。……こう、こんな感じにガッツポーズをしました」グッ

    「傍から見ていた私がわかったんです、投げた本人からすればこれはもう確信を通り越して予知とも言ってもよかったでしょう」

    『この一投は、間違いなく完璧なものだ』という予知です」

    「しかし、結果は少し違いました。――――いえ、確かに一番ピンを完璧な角度で打ち抜きましたよ、彼の一投は」

    「ですがボウリングという遊戯はそこまで甘くなかった、そういうことなんじゃないかな……ははっ。なんだかおかしいですね、こんなこと語っちゃって」


    「結論から言うと、彼の投球は恐らく完璧すぎたんです」

    「ボウリングという遊戯の目的が、一分の無駄も無く僅かな狂いも無く垂直に水平に中心にボールを投じる、そんな遊戯だったなら間違いなく100点満点でしょうね」

    「でもそれはあくまで仮定の話です。この遊戯の目的は、いかに多くのピンを倒すかと言うこと」

    「よくありませんか? ど真ん中を捉えたと思ったのに全てのピンが倒れず、ピンが残ってしまう」

    「まさに…………そんな感じでしたよ。アプローチで固まる彼の表情といえばそれはもう悲劇的過ぎて見ものでした」

    「もう、あんな面白いもの見る機会なんか訪れないんでしょうかね――――」

    86 = 78 :

    ・   ・
    ・  ・



    垣根「……見事に左右対称にピンが残ったな。四本残りで俺の勝ち確だ」

    一方「」

    一方「ば、バカな……完璧なベクトル演算を持ってして180度の進入角で頂点のピンにヒットした筈だってのに……」ヨロッ

    垣根「プロだってストレートなボールは投げてねえじゃねえか、曲げて投げたほうがストライク出やすいんだろ? 多分」

    垣根「それよりオマエ能力は無しだろうが。しかも使ってヘボけりゃ世話ねえぞ」

    一方「う、うるせェ! 勝負はこのゲームだけじゃねェぞ!!」ピピピ

    垣根「お、次のゲームだな」

    一方「あーあ、なンか必殺魔球みたいなのねェかな。……消える魔球、ピンの手前までまっすぐ転がってってパッと消える。ンで、ピンの後ろに出現」

    垣根「野球板じゃねえんだぞ、しかも何の意味があるんだそりゃ」

    一方「意味はゼロ。次は負けねェぞ、ケリをつけるか未元物質」

    垣根「ほえ面をかく、歯噛みをする、地団駄を踏む、どれでもいい。選んで無様を晒せよ、一方通行」

    87 = 78 :

    左右対称にならなかった。死にたい。

    88 = 78 :




    垣根「あー、だいぶ遊んだな。日も良い感じに暮れてきた」ゴキゴキッ

    一方「腕がちょっくら重いな……腹ァ減ってっか?」

    垣根「まあまあってとこだな、大分動き回ったしよ」

    一方「ンな軽い気持でいると地獄を見ンぞ。オマエ、油オオメのラーメンとか大丈夫だよなァ」

    垣根「ラーメンはこってり豚骨を良く食うぜ」

    一方「よしきたァ、行くぞ未元物質」スタスタ

    垣根「あ、おいちょっと待ちやがれ」タッタッタッ

    89 = 78 :

    一方「ここだァ。今日の晩飯はここで食う」

    垣根「黄色い看板がシンプルだな。――――二郎学園都市店? 夜にラーメンとか腹にたまるのか?」

    一方「その心配はねェ。ま、とりあえず並ぶぞ」

    垣根「やけに行列だな……人気の店みたいだな」

    一方「うーン、そォいうのとはまた違うンだが」

    垣根「?」

    90 = 78 :

    垣根「やあっと店内か。随分待ったからもう腹ペコだ」

    一方「そいつァいいこった。そこの食券買って店員に見せろ」

    垣根「食券か。……なんだかんだでカラオケは払わせちまったからな、ここは俺が払う」

    一方「ハッ、別に良ィのによ」

    垣根「大人しく奢られとけよ。その方がこっちも良い気分に浸れる。大盛りで良いか?」

    一方「…………」

    一方「死ぬ気かテメェ…………」

    一方「何も悪いこと言わねェから大人しく普通にしとけ」

    垣根「……?? じゃあオマエも普通ので良いんだな」

    一方「ン」

    店員「次の人食券見せてー」

    91 = 78 :

    垣根「それはそうと、なんかやけに店内が殺伐としてるのはなんでだよ……、刺々しい空気だ」

    一方「ここはいつもこンなもンだぞ、気にすンじゃねえ」

    垣根「それに正直なんかここ店汚くねえか?」ボソボソ

    一方「ここはいつもそンなもンだぞ、気にすンじゃねえ」

    垣根「床の滑り方がやばかったじゃねえか、こけかけたし。油でも撒いてんのか?」ボソボソ

    一方「ここはいつも(ry」

    店員「ニンニクは入れますか」

    一方「ン。あ、俺ァ野菜マシで」

    垣根「え? あ? お、俺は普通で」

    店員「あいよ。ニンニクありね」

    92 = 78 :

    垣根「野菜マシとかってタダで出来んのか、サービス精神旺盛ってやつだ」

    一方「まあそォだな」

    垣根「俺は取り合えず最初だしそのまま食うか、ってな。もし次来た時増やしゃいいし」

    一方「ま、何回来ても増やさねェ奴ァ一生増やさねェよ」

    垣根「どういうこった」

    一方「増やせねェ、のが正確だな」

    93 = 78 :

    店員「はいどうぞ、ラーメン普通と野菜マシね」

    一方「ン」
    垣根「」

    垣根「え? なにこのモヤシマウンテン?」

    垣根「え?    …………え?」

    一方「初めての奴は大抵そンな反応すンだよなァ」

    垣根「麺が見えねェ」

    一方「とりあえず食えよ」ズルズル

    垣根「あ、ああ……なんつう極太麺、まるでうどんじゃねえか……」ズルズル

    一方「あ、モヤシは最初に食おうとすンなよォ、麺と一緒に食うンだ。後で泣き見るぞ」ズルズル

    垣根「おう。なんつうか濃いとかこってりとか以前に……大味なラーメンだな」ズルズル

    一方「……」ズルズル

    垣根(にしても量が多い……、食べても食べても無くならねえぞ……。あ、この肉うめえ)モグモグ

    一方「……」ズルズル

    垣根(モヤシとか具の性か中々冷めねえな)ゴクゴク

    一方「……」ズルズル

    垣根(……なんか最初はキツかったが段々美味しく感じてきやがる)ズルズル

    一方「……」ズルズル

    垣根(……)ズルズル

    一方「……」ズルズル

    垣根(……あ、やっぱこれキツい)

    94 = 78 :

    垣根「苦しい……、動けねえ、動きたくねえ……」

    一方「おーおー、アツいのに吊られて水飲みすぎるからだろォが。ンでも完食した根性は褒めてやるぜェ」

    垣根「普通でアレとか大なんざどんな人外魔境だっつんだ…………」

    一方「素人さンが大に手を出すのは間接的な自殺だ、判って進むなら止めはしねェが知らずに行くなら全力で止める」

    垣根「あそこまで印象が二転三転するラーメンは初めてだ……」

    一方「また今度来るか?」

    垣根「今は食いもんの話をしないでくれ、リアルに人間ポンプになっちまう」

    一方「そォか、頑張れ」サスサス

    垣根「背中さすってんじゃねえぞぉ、そりゃ吐く時じゃねえかリアルやべえぞ……」

    95 = 78 :

    垣根「だいぶ落ち着いてきた」

    一方「おォ。ンじゃどっか入るか」

    垣根「私、貴方にはもうついていけないの」

    一方「メシ食うわけじゃねェ、コーヒーが飲みてェ」

    垣根「オマエ胃に穴開くぞ、中毒じゃねえか」

    一方「テメェは間違いなく糖尿病だな」

    垣根「ま、じゃあ昼のジョジョで良いか」

    一方「よしきた」

    垣根「んじゃ、行くとするか」ドッコイショ

    一方「オヤジくせェな」

    垣根「うっせえ」

    96 :

    実物見たこと無いが、一方さんがあれを食えるとは思えん
    ベクトル操作で圧縮でもしたか?

    97 = 78 :

    二人「」カランカラン

    店員「いらっしゃいませー、二名様でしょうか」

    一方「ン」

    店員「かしこまりました。喫煙か禁煙かご希望はございますか?」

    一方「禁煙で。ァ、あそこの席良いスか」

    店員「はい、ごゆっくりどうぞ」


    二人「」スタスタ、ガタガタン

    垣根「何度目かわからねえがとりあえず儀礼的に言っとく。お疲れー」

    一方「ン」

    垣根「とりあえずドリンクバー二つで良いよな」

    一方「構わねェ」

    垣根「」ピッ    ピンポーン

    店員「お待たせいたしました」

    垣根「ドリンクバー二つで」

    店員「かしこまりました、ドリンクバーの(ry」

    一方「――――し、行くかァ」

    垣根「うし」

    98 = 78 :

    垣根「抹茶ラテうめえ」
    一方「コーヒーうめェ」


    垣根「にしてもよ、さっきのラーメン屋。二郎っつったか」

    一方「ン?」

    垣根「結構ヤバかったが、今考えてみればアレはアレでアリ、だな。悪くはねえ」

    一方「――――テメェ『入門』したな? ジロリアンの『世界』に」

    垣根「いや、暫くは食べたくねえぞ。そもそもジロリアンってそりゃなんだ」

    一方「あそこに連れて行かれた人間は、おおよそ二種類に分類できてなァ」

    垣根「ほぉ」

    一方「二度と行くかと覚悟を決める奴と、いつか来ようと思う奴にな」

    垣根「俺は後者だった訳だ」

    一方「俺も一番最初はなンだあの体に悪そうなのは、と思った。小で精一杯だった」

    一方「が、徐々に体が適応していくのを感じた。『人の意思』とはッ! それが望む方向へと伸びていく。そして、あの二郎! 確かにあのラーメンには『意思』があるッ!」

    一方「オマエも、このままやがて時を経る内に体が二郎のラーメンを求めて行くンだァ……」

    垣根「なにそれこわい」

    99 = 78 :

    垣根「……」←抹茶ラテ二杯目
    一方「……」←コーヒー二杯目

    垣根「――――ん、オイ」

    一方「どォしたァ」

    垣根「ケータイ光ってんぞ」

    一方「ァ? …………ンだよ、木原くンじゃねぇか。ちょっと悪ィ」

    垣根「良いぜ」



    ンダヨ、キハラクゥーン  カエルジカンダァ? ンナモンワカンネェ、テキトーダァ ン、ン、ンジャナ

    垣根「…………」ズズッ

    100 = 78 :

    一方「終わった」

    垣根「おう」

    一方「…………? なンか変なメールも一緒に来てやがった、……ンだこりゃ」

    垣根「どうしたよ」

    一方「『絶対能力進化! 20,000回の単純かつ簡単な作業をこなすだけで、楽々レベル6へシフトアップ! 貴方だけに与えられたチャンスです! 連絡先はこのURL~~~~』云々だってよォ」

    垣根「典型的なスパムじゃねえか。ほっとけよ、相手すんのも馬鹿らしい」

    一方「それもそォだな」


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