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    元スレ勇者「長老、なんかこの剣喋ってない?」長老「なんじゃと」聖剣「……」

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    701 :

    おっ始まったな

    702 = 686 :

    氷の魔「おのれ……お前たち、このわたしにこのような屈辱を……!」

    氷の魔「わたしが快復した後どうなるか、覚悟は出来ているのだろうな!」


    勇者「そんな袋から頭出しただけの状態で凄まれても」

    氷の魔「……くっ」

    703 = 686 :

    氷の魔(傷の治りと魔力の回復が遅い……よりによって、あの炎を纏った聖剣に貫かれたのが不味かったか)

    氷の魔(おのれ聖剣め……!)


    メロンパン職人「ゆ、勇者さん、めっちゃ睨まれてますよ……!」

    勇者「ほっとけよ。どうせ何も出来やしないんだ」

    氷の魔「この……!!」


    勇者「ほれほれ」ユッサユッサ

    氷の魔「や、やめろっ、袋を揺らすんじゃない!」

    704 :

    ムチッ…ムチッ…

    705 = 686 :

    傭兵「しかし、今は無害だとしてもその魔女がいつ力を取り戻すかはわからん。突然背中から不意を打たれては敵わんだろう」

    勇者「じゃあどうやって運ぶって言うんだよ。安価でもするか?」

    メロンパン職人「安価……?」


    聖剣「……」

    706 = 686 :

    カッ!!



    勇者「おわっ!?」

    傭兵「!」

    メロンパン職人「ゆ、勇者さんの聖剣が急に光った!」

    707 = 686 :

    勇者「どうしたって言うんだよ急に。今までこんなこと無かった……––––––––」

    勇者「!!」

    勇者「……」

    勇者「……あ、あぁ…………!」

    勇者「あなたは……!」


    「キィキィ」バサバサ


    勇者「主!!」

    709 :

    おお主よ…

    710 = 686 :

    勇者「主じゃないか! いやぁ、良かった。もう二度と会えないかと思ってた」

    傭兵「分離できたのか」

    メロンパン職人「でもなんだか、ちょっと小さくなってません?」

    勇者「氷の城で少し無理をし過ぎたのかな。でも元気そうで良かったよ」

    「キィ」

    711 = 686 :

    傭兵「……その鳥––––いや、主に魔女を運ばせてはどうか?」

    メロンパン職人「確かに。少し小さくなっているけど、それくらいなら余裕で持って飛んでくれそうですね」

    勇者「ばかやろう。主にそんなことさせられるか。荷物持ちなら俺がやる!」

    氷の魔「お前、今わたしのことを荷物と呼んだな!?」

    712 = 686 :

    「キィキィ」バササッ

    がしっ


    勇者「あ」

    氷の魔「あ」

    713 = 686 :

    勇者「そんな! 主よ、荷物持ちなら俺がやるって!」

    氷の魔「また荷物って言った!」

    傭兵「いいじゃないか。主が自分から持ったのだ。主の意思を尊重すべきではないのか?」

    勇者「で、でもっ」

    傭兵「それとも、君は主の意思に逆らうつもりなのか?」

    勇者「ぐぬぬ……!」

    714 :

    敵はシリアスなのに勇者一行ときたら…

    715 = 686 :

    勇者「おい、メロンパン職人! 主に供物を捧げろ! 主を労うんだ! 早く!」

    メロンパン職人「はいはい」


    メロンパン職人「ほーら。メロンパンだよー」ヒョイッ

    「キィ」パクパク


    勇者「あっ!!」

    716 = 686 :

    勇者「こら! 雑に投げ渡すな! もっと恭しくお供えしなさい!」

    勇者「相手は主だぞ! それは供物だぞ!」

    メロンパン職人「そんなこと言ったって、飛んでるし……」


    「キィキィ」

    シュボッ!


    氷の魔「お、おいっ……この鳥、少し燃えているぞっ」

    717 = 686 :

    氷の魔「袋に燃え移ったらどうするつもりだっ! すぐに止めさせろ!」

    勇者「そんなこと言ったって、俺は主の意思に逆らうつもりはないし、主が燃えたいなら好きにさせてあげたいと思っている」

    氷の魔「この鳥は聖剣の勇者の眷属であろう!」

    勇者「? 主はあくまでも俺の主であって、俺はただの一信徒でしかないぞ。失礼だから、そこ、勘違いするんじゃないぞ」

    氷の魔「このぉ……!」

    「キィ……」


    メロンパン職人「なんか、主の方が若干困惑してませんかね」

    傭兵「私が知るものか」

    傭兵「だが、触ると面倒だ……勇者はそういう所、無駄に意固地になるからな。適当に合わせておけ」

    718 = 709 :

    自己暗示(洗脳)が無茶苦茶得意な勇者

    720 :

    傭兵も慣れてきたな

    721 :

    パンティの件は放置か

    722 = 686 :

    王都

    騎士「王都の貴族の、抜き打ち調査ですか?」

    「ええ。お父様が決めたの。ほら、大臣の一件があったでしょう?」

    騎士「はい。……国の大臣が、まさかあんな物を所持しているとは」

    「大臣の他にもそういう物を所持している者がいないか、一斉に調査するの。これを機に膿を出し切るんだ、って張り切っていたわ」

    騎士「大臣の件同様、この平和な世の中、暇を持て余した貴族達がどんな趣味をしているのか。わかったものではありませんね……」

    「平和な世の中、ね……」

    723 = 686 :

    騎士「……北の都市のことをお考えですか?」

    「……えぇ」


    「勇者さま、今頃どうしているのかしら」

    騎士「……」

    724 = 686 :

    北の平原、夕暮れ

    勇者「日も暮れてきたし、今日はこの辺で休もうか」

    メロンパン職人「行きと違って雪が無くなってるから寝るのも快適そうですね」

    勇者「お前、ついこの間まで野宿に文句垂れてたくせにな」

    メロンパン職人「ははは。慣れですよ、慣れ」


    傭兵「……」

    725 = 686 :




    メロンパン職人「くかー、くこー、くかー……」

    「zzz……」

    ズタ袋「……」


    勇者「魔女のやつ、頭まで袋にすっぽり入って寝るんだな」

    勇者「……意外と居心地いいのかな?」

    726 = 686 :

    傭兵「……勇者」

    勇者「! 起きてたのか」

    傭兵「少し話がある。ついてこい」


    勇者「どうしたんだよ、こんな時間に話って」

    傭兵「……」

    727 :

    魔女の前世はカンガルーか

    728 = 686 :

    傭兵「私の荷物なのだがな」

    勇者「うん」

    傭兵「一つ失くなっているものがあった」

    勇者「なにっ」

    傭兵「……」

    729 = 686 :

    勇者「どこかで落っことしたのか? まさか北の都市でか」

    傭兵「おそらくな。だが、ずっと鞄に入れていた。落としたりするような物ではない。盗まれた線が濃いと見ている」

    勇者「あちゃー……もしかして、大事な物だったりするのか?」

    傭兵「……」

    730 :

    あっ

    731 :

    いったい何のことなんだ見当もつかない

    732 = 686 :

    勇者「うーん……盗まれたのかぁ」

    傭兵「私はそう考えている」

    勇者「犯人に心当たりはないのか?」

    傭兵「……ある」

    勇者「誰だよ」

    傭兵「お前だ」

    勇者「……」

    733 = 686 :

    勇者「……」

    勇者「はぁ!? ばっかお前、俺が仲間から物を盗む訳がないだろう?」

    勇者「俺を疑ってるのか!?」

    勇者「ちょっと待て、今俺の無実を証明するからな」

    勇者「ええと、盗まれたのは多分避難所でのことだよな?」

    勇者「鞄なら荷物置き場に置いてただろうし、日中なら誰か荷物取りに行ったりで人目もある」

    勇者「なら、きっと夜しかない」

    勇者「多分、みんなが寝ている間に……誰かが……」

    734 = 686 :

    勇者「寝ている……間に……」

    勇者「犯人が……」

    勇者「……」

    勇者「…………」

    勇者「………………」

    勇者「……………………」ダラダラダラダラ


    傭兵「わかりやすい男だな」

    735 = 686 :

    傭兵「さては、途中まで素で忘れていたな? 君にそんな演技が出来る訳がないと思っていたから、一瞬本当に無罪かと思ったぞ」

    勇者「ち、違うって! 俺、何もしてないし!」

    傭兵「色は?」

    勇者「白」

    傭兵「……」

    勇者「……む、俺の無実という意味のシロ、な」

    傭兵「自分で言ってて苦しくないか?」

    736 = 686 :

    勇者「お、俺がそんな変態に見えるって言うのかよ!」

    傭兵「変態かどうかはともかく、何をするかわからない男だとは思っている」

    勇者「あのなぁ……大体、あの時は決戦前夜で大変だっただろ」

    傭兵「そうだな」

    勇者「すごいシリアスな感じだったじゃん」

    傭兵「否定はしない」

    勇者「あの雰囲気の後で下着泥棒とか、ありえないって」

    傭兵「……私は盗まれた物が下着とは一言も言っていないのだが」

    勇者「………………あっ!」

    737 = 686 :

    勇者「いや、その、あの」

    傭兵「はぁ……いい加減、観念したらどうだ」

    勇者「べ、別に何もしてないし」

    傭兵「視線が泳いでいるぞ」

    勇者「気のせいだし」

    傭兵「そして、自分の体の一部分を何度もチラチラと見ているな。そこのポケットか」

    勇者「!!」

    738 :

    メロンパン職人が徐々に適応してんのが好き
    いつか見せ場来るといいな

    739 = 686 :

    勇者(こ、こうなったら、また赤ちゃん魔法を……!!)


    傭兵「……」

    傭兵「はぁ……別に、怒ってなどいない。返してくれればそれでいい」


    勇者「!」

    740 = 727 :

    赤ちゃん魔法ってえげつない魔法よな

    741 = 686 :

    勇者「お、怒ってないの?」

    傭兵「ああ」

    勇者「本当に?」

    傭兵「そうだ」

    勇者「……本当の本当に?」

    傭兵「くどいぞ」

    勇者「で、でも……」


    傭兵「いいから早く返せ。怒るぞ」

    勇者「すみませんでした」パッ

    744 = 686 :

    傭兵「まったく……何を考えているんだか」

    勇者「いや本当、すみませんでした」

    傭兵「何故盗んだのか、聞いても?」

    勇者「安価で……」

    傭兵「またそれか。君は事あるたびにそれを口走るが、一体何なのだ?」

    勇者「ひ、ひみつ……」

    745 = 686 :

    傭兵「……まあいいだろう。君は氷の城で、これを鳥の頭に被せていたな?」

    勇者「鳥じゃなくて––––––––」

    傭兵「……」

    勇者「あっ、何でもないです」

    傭兵「……」


    傭兵「……主に被せていたな?」


    勇者(あ、合わせてくれた)

    勇者(やっぱりこいつ、いいやつじゃん)

    746 = 686 :

    傭兵「仮にそういう目的で盗んだのであれば、わざわざこれを主の頭に被せようなどという発想にはならんだろう」

    傭兵「いや、主に被せるという発想も十分わからんが……」

    傭兵「君の今までの奇行を見るに、何か特殊な事情がありそうだな」

    勇者「……」

    傭兵「ダンマリか。まあ、答えられないことならばそれでいい」

    748 :

    ,メロンパン職人とか戯れ言のクソやろって
    思ってたんだけど…

    イチさん、すごいね

    749 = 686 :

    傭兵「とにかく、今回は魔女の一件を片付けたことで許しておいてやる。あれは、君にしかできないことだった」

    傭兵「それが必要だったと言うのなら仕方あるまい……何に必要だったのかはわからんが……」

    勇者「ありがとうございます……」


    勇者「まさか許してもらえるとは思わなかった……傭兵は心が広いんだな!」

    傭兵「言っておくが、二度目はないからな」

    勇者「あっ、はい」

    750 = 721 :

    火の鳥?的な主に被られても、無事なパンティ


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