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元スレ勇者「はじめからから始まるまで」

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勇者「まとめると、こうだ」
・<解放のとびら>に飛び込む
↓
・もし元の世界で魔王が倒されていたなら、魔王討伐後の時間軸に(勇者以外の存在へ)転生
or
・もし元の世界でまだ魔王が倒されていなかったから
勇者が旅立つ以前の時間軸に(勇者以外の存在へ)転生
のちにプログラムに巻き込まれる ← どうしようもなく、記号化される
勇者「……これが俺の、<解放のとびら>に関する結論だ」
勇者E「……」
女勇者「……」
勇者C「なあ」
勇者「ん」
勇者C「『俺』たちは、どっちの時間に転生したのかな……」
勇者「……」
勇者「俺は、魔王戦をもう一度やるなら、絶対に負けないと思う」
勇者「だからきっと、俺の後に続いた勇者が魔王を討ち果たした……平和な世界だと思う……」
・<解放のとびら>に飛び込む
↓
・もし元の世界で魔王が倒されていたなら、魔王討伐後の時間軸に(勇者以外の存在へ)転生
or
・もし元の世界でまだ魔王が倒されていなかったから
勇者が旅立つ以前の時間軸に(勇者以外の存在へ)転生
のちにプログラムに巻き込まれる ← どうしようもなく、記号化される
勇者「……これが俺の、<解放のとびら>に関する結論だ」
勇者E「……」
女勇者「……」
勇者C「なあ」
勇者「ん」
勇者C「『俺』たちは、どっちの時間に転生したのかな……」
勇者「……」
勇者「俺は、魔王戦をもう一度やるなら、絶対に負けないと思う」
勇者「だからきっと、俺の後に続いた勇者が魔王を討ち果たした……平和な世界だと思う……」
勇者「まあ、あれだ!」
勇者「あくまで俺の仮説だから、今の推理が事実かどうかは別の話だ」
勇者C「そ、そうだよな。あくまで証拠のない仮説だよな!」
女勇者「さ、参考にはなったけどね」
勇者E「……話を続けてくれよ」
勇者「え?」
勇者E「もう、粗方考えもまとまってるんだろ?」
勇者E「続きを頼むよ。<転生のとびら>に飛び込んだらどうなるのかを」
勇者C「お、おう、知りたいなそれも」
女勇者「『転生』って言葉、さっきの話にも出てきたけど、それとは別なの?」
勇者「……ああ」
勇者「<転生のとびら>は……まず、立て札の内容をおさらいしてみよう」
<転生のとびら>
・基礎データのみ保持および転送
・新規プログラムの実行
勇者「あくまで俺の仮説だから、今の推理が事実かどうかは別の話だ」
勇者C「そ、そうだよな。あくまで証拠のない仮説だよな!」
女勇者「さ、参考にはなったけどね」
勇者E「……話を続けてくれよ」
勇者「え?」
勇者E「もう、粗方考えもまとまってるんだろ?」
勇者E「続きを頼むよ。<転生のとびら>に飛び込んだらどうなるのかを」
勇者C「お、おう、知りたいなそれも」
女勇者「『転生』って言葉、さっきの話にも出てきたけど、それとは別なの?」
勇者「……ああ」
勇者「<転生のとびら>は……まず、立て札の内容をおさらいしてみよう」
<転生のとびら>
・基礎データのみ保持および転送
・新規プログラムの実行
勇者C「まず、基礎データってなんだろうね」
女勇者「それを保持はともかく、転送ってどこに?」
勇者E「そりゃ、新規の『プログラム』だろう。つまり」
勇者「『新しい冒険』だ」
勇者C「えっ! 新しい冒険」
勇者「これまでの話をそのまま踏襲したら、すんなり推察できる」
勇者「データというのは多分、プログラム内における『勇者』のことだ」
勇者「つまり、新しい勇者として、新しい冒険の場に転生するってわけだ」
勇者C「さ、最高じゃないのそれ!」
女勇者「ボク決めた!」
勇者E「まぁ待て」
勇者E「『基礎』データ『のみ』ってどういうことだよ」
勇者E「とても『何のリスクもありません』、って響きには聞こえないぞ」
勇者「ああ……多分、察しの通りだ」
勇者「おそらく今の俺たちの……存在性とでもいうのかな。それは全部パァになる」
女勇者「それを保持はともかく、転送ってどこに?」
勇者E「そりゃ、新規の『プログラム』だろう。つまり」
勇者「『新しい冒険』だ」
勇者C「えっ! 新しい冒険」
勇者「これまでの話をそのまま踏襲したら、すんなり推察できる」
勇者「データというのは多分、プログラム内における『勇者』のことだ」
勇者「つまり、新しい勇者として、新しい冒険の場に転生するってわけだ」
勇者C「さ、最高じゃないのそれ!」
女勇者「ボク決めた!」
勇者E「まぁ待て」
勇者E「『基礎』データ『のみ』ってどういうことだよ」
勇者E「とても『何のリスクもありません』、って響きには聞こえないぞ」
勇者「ああ……多分、察しの通りだ」
勇者「おそらく今の俺たちの……存在性とでもいうのかな。それは全部パァになる」
勇者C「つ、つまりどういうこと?」
女勇者「存在が消えちゃうの?」
勇者「ああ」
勇者「新規プログラムとやらに必要なのは、『魂』だけということだ」
勇者「あとは肉体も記憶もすべて消滅し、新しく組み替えられるだろう」
勇者E「でもそれだったら、さっきの<解放のとびら>と似たようなもんじゃないか」
勇者「あのとびらは、100%元の世界へ帰ることができる点で違う」
勇者「今度の転生は、いつのどこに飛ばされるのかまったく不明だ」
勇者「ただ一つの見当は、転生先が『勇者』であるかもしれない、ということだけだ」
勇者C「え……てことは……」
勇者「選べってことさ」
勇者「元の世界には帰還するが、勇者には戻れない<解放のとびら>か」
勇者「勇者として転生する可能性はあるが、どこに飛ばされるか分からない<転生のとびら>か」
勇者「……いや待て」
勇者「……まさか……この<転生のとびら>は……」
女勇者「存在が消えちゃうの?」
勇者「ああ」
勇者「新規プログラムとやらに必要なのは、『魂』だけということだ」
勇者「あとは肉体も記憶もすべて消滅し、新しく組み替えられるだろう」
勇者E「でもそれだったら、さっきの<解放のとびら>と似たようなもんじゃないか」
勇者「あのとびらは、100%元の世界へ帰ることができる点で違う」
勇者「今度の転生は、いつのどこに飛ばされるのかまったく不明だ」
勇者「ただ一つの見当は、転生先が『勇者』であるかもしれない、ということだけだ」
勇者C「え……てことは……」
勇者「選べってことさ」
勇者「元の世界には帰還するが、勇者には戻れない<解放のとびら>か」
勇者「勇者として転生する可能性はあるが、どこに飛ばされるか分からない<転生のとびら>か」
勇者「……いや待て」
勇者「……まさか……この<転生のとびら>は……」
勇者E「どうした? 何に気付いた?」
勇者「……」
勇者「なあ。俺たち、どこから来たんだ?」
勇者E「はぁ?」
勇者C「突然何を言い出すの」
女勇者「そりゃあ、お母さんのお腹の中からに決まってるでしょ」
勇者「違う。『プログラム』における『俺』だ」
勇者「俺たちには、旅立ちの日の朝、以前の記憶がない」
勇者「そのこと自体は、『プログラム』の設定による改ざんか何かよるものなんだろうが」
勇者「いまこうしてプログラムを経たこの『魂』は、どこから来たんだ?」
勇者C「え、お母さんのお腹の中に宿ったんじゃないの?」
勇者「その魂は……元からその世界にあったその魂はきっと」
勇者「『創造主』による乗っ取りの影響で、弾き飛ばしてしまった……んだと思う……」
女勇者「え、そ、そうなの?」
勇者E「まぁそうとでも解釈しないと、『魂』説が立ち行かなくなるしな。……で、答えは?」
勇者「……」
勇者「なあ。俺たち、どこから来たんだ?」
勇者E「はぁ?」
勇者C「突然何を言い出すの」
女勇者「そりゃあ、お母さんのお腹の中からに決まってるでしょ」
勇者「違う。『プログラム』における『俺』だ」
勇者「俺たちには、旅立ちの日の朝、以前の記憶がない」
勇者「そのこと自体は、『プログラム』の設定による改ざんか何かよるものなんだろうが」
勇者「いまこうしてプログラムを経たこの『魂』は、どこから来たんだ?」
勇者C「え、お母さんのお腹の中に宿ったんじゃないの?」
勇者「その魂は……元からその世界にあったその魂はきっと」
勇者「『創造主』による乗っ取りの影響で、弾き飛ばしてしまった……んだと思う……」
女勇者「え、そ、そうなの?」
勇者E「まぁそうとでも解釈しないと、『魂』説が立ち行かなくなるしな。……で、答えは?」
勇者「俺たちの世界における『俺』の魂は」
勇者「元をたどれば」
勇者「この<転生のとびら>から来たんじゃないのか?」
勇者E「な、何だと?」
勇者C「はー?」
女勇者「な、何かすごいこと発見した雰囲気?」
勇者「つまり繰り返しているんだよ!」
勇者「いまここに飛び込むとするだろ?」
勇者「すると俺の魂は別世界の勇者に植えつけられ、プログラムを強行される」
勇者「もし……そのプログラム内で、目的を達成できず全滅してしまったら」
勇者「またこの世界、何もない荒野に漂着してしまうんじゃないのか?」
勇者E「……」
勇者C「つ、つまり……?」
勇者「俺たちのそれぞれの『魂』が」
勇者「重ね重ね、再利用されていた可能性があるってことだ」
勇者「元をたどれば」
勇者「この<転生のとびら>から来たんじゃないのか?」
勇者E「な、何だと?」
勇者C「はー?」
女勇者「な、何かすごいこと発見した雰囲気?」
勇者「つまり繰り返しているんだよ!」
勇者「いまここに飛び込むとするだろ?」
勇者「すると俺の魂は別世界の勇者に植えつけられ、プログラムを強行される」
勇者「もし……そのプログラム内で、目的を達成できず全滅してしまったら」
勇者「またこの世界、何もない荒野に漂着してしまうんじゃないのか?」
勇者E「……」
勇者C「つ、つまり……?」
勇者「俺たちのそれぞれの『魂』が」
勇者「重ね重ね、再利用されていた可能性があるってことだ」
女勇者「よ、よく分かんないけど、分かんないことがあるよ」
勇者「ん」
女勇者「それじゃあ、最初の『ボク』自身の魂は、どこからきたの?」
女勇者「プログラムとか関与する前の、一番最初の『ボク』は……?」
勇者C「……そ、そうだそうだ。『俺』の原初はどこなんだよ?」
勇者「……それは……」
勇者E「……まさか……」
勇者E「旅立ちの朝を迎える前の、元からその世界にあった『俺』の魂……か?」
勇者E「さっき『創造主』によって弾き飛ばされたって言ってた……」
勇者E「あれ? そうなると矛盾しないか? 今の『俺』が過去の俺の魂で……?」
勇者「……その辺は正直、俺も自信がない。ただ、『創造主』は」
勇者「『プログラム』に関することであれば、時系列を任意にいじることができると思う」
勇者「多分、その世界の乗っ取りさえ成功すれば、死んだ者の魂の在り処は思いのままなんだろう」
勇者「これまで幾度となく、それぞれの世界に存在した適年齢の魂を、適当に抜き取り」
勇者「プログラムのたびに配置を書き換え、あるいは再利用してきた……んだと思う……」
勇者「ん」
女勇者「それじゃあ、最初の『ボク』自身の魂は、どこからきたの?」
女勇者「プログラムとか関与する前の、一番最初の『ボク』は……?」
勇者C「……そ、そうだそうだ。『俺』の原初はどこなんだよ?」
勇者「……それは……」
勇者E「……まさか……」
勇者E「旅立ちの朝を迎える前の、元からその世界にあった『俺』の魂……か?」
勇者E「さっき『創造主』によって弾き飛ばされたって言ってた……」
勇者E「あれ? そうなると矛盾しないか? 今の『俺』が過去の俺の魂で……?」
勇者「……その辺は正直、俺も自信がない。ただ、『創造主』は」
勇者「『プログラム』に関することであれば、時系列を任意にいじることができると思う」
勇者「多分、その世界の乗っ取りさえ成功すれば、死んだ者の魂の在り処は思いのままなんだろう」
勇者「これまで幾度となく、それぞれの世界に存在した適年齢の魂を、適当に抜き取り」
勇者「プログラムのたびに配置を書き換え、あるいは再利用してきた……んだと思う……」
勇者C「なるほど……分からん」
女勇者「分からないけど」
女勇者「なんだか『創造主』ってのに酷いことされてる、って感じは伝わる……」
勇者E「ああ。勝手に人の世界に押し入って、人の魂を弄ぶなんてな……」
勇者「でも、あながち悪い奴とも言い切れない……かもしれない」
勇者C「へ? どうして?」
勇者「そいつによる『プログラム』があれば……少なくとも、その世界で魔王は倒せる」
勇者「『プログラム』なしのその世界の歴史には、勇者という概念はないのかもしれない」
勇者「もし魔王が本気で侵略を考えたら、その世界は魔王に滅ぼされていたかもしれない」
勇者E「その魔王だって、『プログラム』によって生み出された悪役かもしれないだろ!」
勇者「……あくまで仮定の話さ」
勇者「俺が言いたかったのは、『創造主=悪』だとも言い切れないってことだ」
勇者E「……お前が、そいつの肩を持ちたがる理由は何だ?」
勇者「それは……これだ。この3つの旅のとびらだ」
勇者「最後の最後に、この魂の結末を選択する場を与えてくれたことだよ」
女勇者「分からないけど」
女勇者「なんだか『創造主』ってのに酷いことされてる、って感じは伝わる……」
勇者E「ああ。勝手に人の世界に押し入って、人の魂を弄ぶなんてな……」
勇者「でも、あながち悪い奴とも言い切れない……かもしれない」
勇者C「へ? どうして?」
勇者「そいつによる『プログラム』があれば……少なくとも、その世界で魔王は倒せる」
勇者「『プログラム』なしのその世界の歴史には、勇者という概念はないのかもしれない」
勇者「もし魔王が本気で侵略を考えたら、その世界は魔王に滅ぼされていたかもしれない」
勇者E「その魔王だって、『プログラム』によって生み出された悪役かもしれないだろ!」
勇者「……あくまで仮定の話さ」
勇者「俺が言いたかったのは、『創造主=悪』だとも言い切れないってことだ」
勇者E「……お前が、そいつの肩を持ちたがる理由は何だ?」
勇者「それは……これだ。この3つの旅のとびらだ」
勇者「最後の最後に、この魂の結末を選択する場を与えてくれたことだよ」
女勇者「ど、どういう意味?」
勇者C「それが『創造主』がいい奴だってことになるの?」
勇者「だって考えてもみろ」
勇者「こんだけ人様の冒険を『プログラム』として自在に設定できる相手だぞ」
勇者「目的を果たせなかった有象無象の『魂』なんか、好きに処分すればいいじゃないか」
勇者「それを一つ残らず一箇所にかき集めて、最後に行く末をそれぞれに委ねるんだぞ」
勇者「俺には、どことなく親切っていうか――」
勇者E「だったら!」
勇者E「なんで俺たちの望む選択肢がないんだよ!!」
勇者E「帰らせてくれよ! もう一度全滅したところから、『この俺の魂』をさ!」
勇者「……それが」
勇者「できなかったんだと思う」
勇者「さっきも言ったろ。一つの世界に、勇者は一人しか存在できないんだ」
勇者「だからこれは、せめてもの措置……なんじゃないかと思う……」
勇者E「……そんなの、納得できるかよ……」
勇者C「それが『創造主』がいい奴だってことになるの?」
勇者「だって考えてもみろ」
勇者「こんだけ人様の冒険を『プログラム』として自在に設定できる相手だぞ」
勇者「目的を果たせなかった有象無象の『魂』なんか、好きに処分すればいいじゃないか」
勇者「それを一つ残らず一箇所にかき集めて、最後に行く末をそれぞれに委ねるんだぞ」
勇者「俺には、どことなく親切っていうか――」
勇者E「だったら!」
勇者E「なんで俺たちの望む選択肢がないんだよ!!」
勇者E「帰らせてくれよ! もう一度全滅したところから、『この俺の魂』をさ!」
勇者「……それが」
勇者「できなかったんだと思う」
勇者「さっきも言ったろ。一つの世界に、勇者は一人しか存在できないんだ」
勇者「だからこれは、せめてもの措置……なんじゃないかと思う……」
勇者E「……そんなの、納得できるかよ……」
女勇者「えっとじゃあ、何」
女勇者「いまこの光景は、勝手に魂を弄んだ『創造主』からのお詫びの印、ってこと?」
勇者C「それは信じられない! だったらなんで」
勇者C「なんで立て札に、わざわざ意味不明の言葉を選ぶんだよー!」
勇者「……そういう言葉遣いでしか伝えられなかったか、それとも」
勇者「真実に至る手がかりを残し、自分の存在に気付いて欲しかったのかもしれない……」
勇者E「どちらにしろ、結局は手前勝手でとても感心できない奴だぜ」
勇者「……」
女勇者「で、でも、でもさ」
女勇者「さっきちょろっと挙がってて、逸れていっちゃったけどさ」
勇者「なんだ?」
女勇者「なんでその『創造主』は」
女勇者「わざわざ手間をかけて『プログラム』なんてのを創ったのかなーって話」
女勇者「魔王を勇者に倒させるため? みたいなことさっき言ってたけど」
女勇者「それだったら、もっと短くて簡単な旅にしてくれても良かったのにね」
女勇者「いまこの光景は、勝手に魂を弄んだ『創造主』からのお詫びの印、ってこと?」
勇者C「それは信じられない! だったらなんで」
勇者C「なんで立て札に、わざわざ意味不明の言葉を選ぶんだよー!」
勇者「……そういう言葉遣いでしか伝えられなかったか、それとも」
勇者「真実に至る手がかりを残し、自分の存在に気付いて欲しかったのかもしれない……」
勇者E「どちらにしろ、結局は手前勝手でとても感心できない奴だぜ」
勇者「……」
女勇者「で、でも、でもさ」
女勇者「さっきちょろっと挙がってて、逸れていっちゃったけどさ」
勇者「なんだ?」
女勇者「なんでその『創造主』は」
女勇者「わざわざ手間をかけて『プログラム』なんてのを創ったのかなーって話」
女勇者「魔王を勇者に倒させるため? みたいなことさっき言ってたけど」
女勇者「それだったら、もっと短くて簡単な旅にしてくれても良かったのにね」
勇者C「おーそうだそうだ。最終目標がその世界の魔王を倒すことなら」
勇者C「俺たち勇者一行が全滅するなんておかしいだろー」
勇者E「……言われてみればそうだな。どんな意図があるんだ?」
勇者「それは」
勇者「人類に、試練を乗り越えて魔王を討ち果たして欲しかったため」
勇者「種としての成長を図ったから。それが『プログラム』の主旨――」
勇者C「な、なるほど」
勇者「――と。ここに辿り着くまでは思っていた」
女勇者「え? 今は違うの?」
勇者E「聞かせろ」
勇者「……」
勇者「頭に引っかかって離れないことがあるんだ」
勇者「『全滅してしまうとは情けない!』と」
勇者「『所持金が半分になった事件』」
女勇者「なあにそれ?」
勇者C「俺たち勇者一行が全滅するなんておかしいだろー」
勇者E「……言われてみればそうだな。どんな意図があるんだ?」
勇者「それは」
勇者「人類に、試練を乗り越えて魔王を討ち果たして欲しかったため」
勇者「種としての成長を図ったから。それが『プログラム』の主旨――」
勇者C「な、なるほど」
勇者「――と。ここに辿り着くまでは思っていた」
女勇者「え? 今は違うの?」
勇者E「聞かせろ」
勇者「……」
勇者「頭に引っかかって離れないことがあるんだ」
勇者「『全滅してしまうとは情けない!』と」
勇者「『所持金が半分になった事件』」
女勇者「なあにそれ?」
勇者C「その二つは、あれだ」
勇者E「先に飛び込んだ『俺』二人の、置き土産だ。だがそれがどうした?」
勇者「……そもそも俺たち、全滅のたびに記憶を受け継いで復活する、みたいな話だったろ」
勇者E「ああ。お前と最初に会ったとき、俺が話したことだな」
勇者「それ、後から疑問に思ってたんだが」
勇者「じゃあ、いったい、俺たちは『どこ』から再開していたんだ?」
勇者C「へ? どこって?」
勇者「全滅の記憶がない以上、その時点より巻き戻ってるのは確実なんだが……」
勇者E「でも俺たちの記憶では、それぞれ旅立って一度しか全滅してないんだぜ」
勇者E「そんなポイント、あったとしても自覚できっこないだろ」
勇者「『できたかもしれなかった奴』が、いた」
勇者「先に飛び込んでしまった、二人の『俺』だ」
勇者E「あの最後の話か? 分からないな。再開のポイントは、いつだっていうんだ」
勇者「『全滅してしまうとは情けない!』って言われた時か」
勇者「『所持金が半分になった』時……あるいは、それらが同時に発生したときだ」
勇者E「先に飛び込んだ『俺』二人の、置き土産だ。だがそれがどうした?」
勇者「……そもそも俺たち、全滅のたびに記憶を受け継いで復活する、みたいな話だったろ」
勇者E「ああ。お前と最初に会ったとき、俺が話したことだな」
勇者「それ、後から疑問に思ってたんだが」
勇者「じゃあ、いったい、俺たちは『どこ』から再開していたんだ?」
勇者C「へ? どこって?」
勇者「全滅の記憶がない以上、その時点より巻き戻ってるのは確実なんだが……」
勇者E「でも俺たちの記憶では、それぞれ旅立って一度しか全滅してないんだぜ」
勇者E「そんなポイント、あったとしても自覚できっこないだろ」
勇者「『できたかもしれなかった奴』が、いた」
勇者「先に飛び込んでしまった、二人の『俺』だ」
勇者E「あの最後の話か? 分からないな。再開のポイントは、いつだっていうんだ」
勇者「『全滅してしまうとは情けない!』って言われた時か」
勇者「『所持金が半分になった』時……あるいは、それらが同時に発生したときだ」
勇者E「同時に発生?」
勇者「ああ。この二点はいずれも」
勇者「冒険に深く関わっている俺たちなら、まず忘れるはずがない出来事のはず」
勇者「それなのに酷く曖昧な記憶になってる。恐らくこの再開ポイントと関係がある」
勇者E「でもあれは、二人とも自信なさげだっただろ?」
勇者E「単に勘違いしただけか、その時点でのみ発生した出来事なのかもしれん」
勇者「……『全滅してしまうとはなさけない』」
勇者「勇者である俺に、面と向かってそう言ってのけられる人物といえば?」
勇者E「……まぁ……」
勇者E「勇者である俺を派遣した、王様ぐらいなもんじゃないの?」
勇者「そのときってさ。何となく」
勇者「全滅後に巻き戻って、冒険を再開するには、丁度いい位置だと思わないか?」
勇者E「はあ~?」
勇者「話は変わって、所持金が半分になったってとき」
勇者「それって、全滅直後の話だったら、冒険に失敗したペナルティとして丁度良くはないか?」
勇者「ああ。この二点はいずれも」
勇者「冒険に深く関わっている俺たちなら、まず忘れるはずがない出来事のはず」
勇者「それなのに酷く曖昧な記憶になってる。恐らくこの再開ポイントと関係がある」
勇者E「でもあれは、二人とも自信なさげだっただろ?」
勇者E「単に勘違いしただけか、その時点でのみ発生した出来事なのかもしれん」
勇者「……『全滅してしまうとはなさけない』」
勇者「勇者である俺に、面と向かってそう言ってのけられる人物といえば?」
勇者E「……まぁ……」
勇者E「勇者である俺を派遣した、王様ぐらいなもんじゃないの?」
勇者「そのときってさ。何となく」
勇者「全滅後に巻き戻って、冒険を再開するには、丁度いい位置だと思わないか?」
勇者E「はあ~?」
勇者「話は変わって、所持金が半分になったってとき」
勇者「それって、全滅直後の話だったら、冒険に失敗したペナルティとして丁度良くはないか?」
勇者E「待て待て、いきなり話が飛躍しすぎて訳が分からん」
勇者E「つまり何が言いたいんだ? 結論から言え」
勇者「つまり……」
勇者「これは後から思いついたことなんだが……」
勇者「『創造主』とは別の、『プログラム進行者』が存在するんじゃないかって話だ」
勇者E「進行者……?」
勇者「そいつは、創造主ほど全能ではないけれども」
勇者「俺たち『勇者』を操ることができるんだ」
勇者「でも俺たちは、それに気付くことができない。動かされるままに動いてるだけだ」
勇者E「はあ……また何を言い出すんだ」
勇者「だから!」
勇者「『創造主』は、その『進行者』のために、わざわざプログラムを組み立てたってことだよ!」
勇者E「……その『進行者』に、俺たち『勇者』を使って、魔王を倒させるため?」
勇者「そうだ。操られてるんだ。そいつは俺たちを使って遊んでいるんだ!」
勇者「言うなれば『遊戯者』なんだよ!」
勇者E「つまり何が言いたいんだ? 結論から言え」
勇者「つまり……」
勇者「これは後から思いついたことなんだが……」
勇者「『創造主』とは別の、『プログラム進行者』が存在するんじゃないかって話だ」
勇者E「進行者……?」
勇者「そいつは、創造主ほど全能ではないけれども」
勇者「俺たち『勇者』を操ることができるんだ」
勇者「でも俺たちは、それに気付くことができない。動かされるままに動いてるだけだ」
勇者E「はあ……また何を言い出すんだ」
勇者「だから!」
勇者「『創造主』は、その『進行者』のために、わざわざプログラムを組み立てたってことだよ!」
勇者E「……その『進行者』に、俺たち『勇者』を使って、魔王を倒させるため?」
勇者「そうだ。操られてるんだ。そいつは俺たちを使って遊んでいるんだ!」
勇者「言うなれば『遊戯者』なんだよ!」
>>1はお出かけ
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