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    元スレ美希「ミュウツー……?」

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    151 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 17:16:57.90 ID:ZSRGNlky0 (+13,+28,-2)
    そうさ永遠にー
    152 : 保守ありがとうご - 2013/05/31(金) 17:19:38.23 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-130)
    ──────
    ────
    ──

    それからまた数週間後……765プロ事務所


    ミュウツー「みゅー」

    『それじゃあ、三人とも……今日の活動は以上だ。
    家に帰って、明日以降の英気を養ってくれ』

    春香・真・美希「はーい!」


    ……


    春香「最近プロデューサーさん、ちょっと変わったよね。
       真以外のみんなにも敬語で話さなくなったし……」

    「そうだね。なんていうか、前よりもっと優しくなったっていうか……
      何かあったのかな?」

    春香「ねぇ美希、なにか知ってる?」

    美希「知らな~い」


    美希(……ハニーとのことは、みんなにはヒミツなの)
    153 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 17:26:43.23 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-174)
     
    美希「ハ……じゃなくて、プロデューサーもきっと、
       事務所に慣れたんじゃないかな~。えへへ……」

    春香「むむ、あやしい……」

    美希「う……あっ! そろそろせんせいの散歩の時間なの!
       そ、それじゃあ春香、真くん! ばいばーいっ!」タタッ

    春香「あ、ちょっと! 待ちなさいよ~!」タッ

    「お、置いてかないでくれよー!
      あ、小鳥さん、プロデューサー、おっつかれさまでしたーっ!」

    春香美希「おつかれさまでーっす!」


    タッタッタ……

    バタン


    小鳥「……ふふっ、プロデューサーさんが来てからというもの、
       事務所もすっかり賑やかになっちゃいましたね」

    ミュウツー「みゅー」

    小鳥「ええ、ほんとに……私もそうだと思います」

    ミュウツー(あれ? まだテレパシー出してなかったんだけど……)
    155 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 17:37:41.07 ID:8s1CElAP0 (+24,+29,-5)
    ミュウツーにも先生がカモネギに見えてたのか
    156 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 17:41:09.01 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-177)
     

    プルルル……


    小鳥「あら、電話……」


    ガチャッ


    小鳥「はい、765プロダクションでございます」

    ミュウツー「……」



    ミュウツー(……ミキはあれから、私の言いつけを守り、
          休むときには休み努力するときには努力するという、
          オンとオフの切り替えがしっかりと出来るようなった)

    ミュウツー(そうして日々を過ごしていくうちに、彼女の才能はみるみる開花していく。
          ミキがステージに立つことを多くのファンが望んでいるし、
          彼女自身もまた、そんなファン達の声援に応えることに喜びを感じているようだ)

    ミュウツー(私は、そんな彼女のプロデューサーでいられることを誇りに思う。
          トップアイドルはまだ夢の先だが、この調子でいけば必ず……)
    157 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 17:44:18.13 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-148)
     
    小鳥「……はい、はい……ええ……え? か、かしこまりました」



    ミュウツー(……唯一気になることがあるとすれば、それは961プロダクションであった。
           黒井崇男はあの日以来、今日まで一度も私の前に姿を現していないのだ)

    ミュウツー(私のことはもう諦めたのか? いや……そう楽観的に考えるのは危険だろう。
           しつこい性格の奴のことだ、必ずやまた何か厄介ごとを運んでくるはず……)



    小鳥「……プロデューサーさん、お電話です」

    『電話?』

    小鳥「あの……961プロダクションの、黒井社長から……」

    ミュウツー「……」



    ミュウツー(……こんな具合に)
    158 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 17:53:49.46 ID:xjF0ID1n0 (+93,+30,-155)
     
    ミュウツー(……テレパシーを電話モードに切り替えて、と……)


    ミュウツー『……何の用だ』

    黒井『おやおや、いきなりご挨拶じゃないか、
       弱小765プロのおとぼけプロデューサー君』

    ミュウツー『なんだと……?』


    ミュウツー(……いや、こんな挑発のことなどどうでもいい。
          いまこの男は、私のことをプロデューサーと呼んだのか?)

    ミュウツー(何か、気にかかる……私が765プロのプロデューサーであると認めて、
          それを踏まえたうえで電話をかけてきたということだろうか)


    ……


    黒井『ククク……私がわざわざタウンページを開いてまでそちらに電話をかけてやったのはね、
       ある理由があるからなのだよ。それがなんだかわかるか?』

    ミュウツー『さっさと用件を言え』

    黒井『つれないねぇ……これだから「失敗作」は』

    ミュウツー『……、失敗作、だと?』
    160 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 18:03:15.00 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-176)
     
    黒井『ああそうだ。貴様のような、自分の使命を忘れ好き勝手に生きるモンスターなど、
       「失敗作」以外になんと呼べばいい?』

    ミュウツー『……』


    ミュウツー(この私が、失敗作……?)

    ミュウツー(かつてあれほど私に執着していた男が、今、そう言ったのか?)


    ミュウツー『っ! まさか、貴様ッ!』

    黒井『ククク……ああそうだ! ついに! 完成したのだよっ!』



    黒井『我が961プロダクションの研究により、
       全能『ミュウ』の遺伝子を引きつぐ、完璧なアイドルが誕生した!』

    ミュウツー『……!』

    ミュウツー(そん、な……!)
    161 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 18:16:07.57 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-194)
     
    黒井『ククク……さしずめ、貴様の弟といったところかな?
       奴は実に素晴らしい……王者にふさわしい器の持ち主だよ』

    ミュウツー『……研究所は破壊した。再び実験など出来ないはず!』

    黒井『ノンノン。もちろん、いずれ貴様の様な暴走する個体が現れるとは、こちらも予測済みだ。
       研究データのバックアップなどいくらでもあるのだよ。
       まぁ、壊すことしか脳が無い貴様には、想像もつかなかっただろうがね』

    ミュウツー『……!』ギリッ

    黒井『お前がのんきにアイドルプロデュースをしている間に、
       私達は再びミュウの遺伝子を……』

    ミュウツー『何度同じ過ちを繰り返せば気が済む!?
          命を生みそれを弄ぶなど、神にでもなったつもりか!!』

    黒井『神、か……そう呼ばれるのもまた面白い』

    ミュウツー『……』


    ミュウツー(……この男は、もうダメだ。人の心を失った化け物……)
    162 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 18:20:03.99 ID:aJvi/9cW0 (+29,+29,-8)
    タウンページwwww
    黒井はあれだな サカキポジションだな
    163 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 18:29:02.25 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-198)
     
    黒井『……ミュウツーよ。私はその最強のアイドルを、
       来週開催される○○というオーディションに参加させ、アイドルデビューさせようと考えている』

    ミュウツー『何……?』

    黒井『この私が、ただその自慢をするためだけに電話をかけたとでも思ったのか?』

    黒井『ククク……興味があれば、貴様が育てたアイドル共をそのオーディションに参加させることだな。
       そうすれば貴様は関係者としてテレビ局に入り、直接その目で、
       お前の弟の顔を拝むことが出来るかもしれんぞ』

    ミュウツー『……』

    黒井『まぁ、貴様のような運命から逃げ出す軟弱者には、そんな勇気はないとは思うがね!
       自分のアイドルが敗北し傷つくのはいやだろうからなぁ! ハーッハッハ!』

    ミュウツー『お、おい……』

    黒井『ではアデュー!』


    ピッ……


    ミュウツー「……」

    ミュウツー(……ず、随分と親切に教えてくれるんだな)

    ミュウツー(もしや、これは……罠か?)
    164 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 18:36:28.40 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-190)
     
    小鳥「お、お電話、終わりましたか?」

    ミュウツー「……?」

    『音無さん、どうして机の下に隠れてるんですか?』

    小鳥「プロデューサーさんが電話をしながら、超能力であっちこっちにものを飛ばすからですよぉ!
       私がいくら言っても気付いてくれないし……怖かったわ、もう……」

    『え……さ、サイコキネシス? 使ってました?』

    小鳥「そりゃあもう! ほら、見てください! この事務所の有様を!」


    ゴチャァ……


    ミュウツー(……まるで台風が過ぎ去ったようになっている。
          私としたことが、興奮し無意識のうちに力を使ってしまっていたようだ)


    小鳥「片付け、手伝ってもらいますからね!」プンプン

    ミュウツー「みゅー……」


    ──────
    ────
    ──
    165 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 18:46:08.10 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-188)
     
    ミュウツー「……」ミュンミュン


    ヒュンヒューン!


    小鳥「まぁ、どんどん片付いてく……超能力って本当に便利ですねぇ」

    ミュウツー(……こんな風に、誰も傷つかない使い方をすればの話だ。
          私はこの力を使って、何匹ものきょうだい達を──……)



    『さぁミュウツー150号よ。今日は貴様の力の強度を測るぞ。
    ……その失敗作共を処分しろ』

    『みゅー……』

    『どうした? やれないのか?
    いずれにせよそのミュウの子供達は、もう間もなく死ぬ運命。
    出来ぬならば、命令を聞かない失敗作として、貴様も処分するだけだが──……』



    ミュウツー(……)

    ミュウツー(……私には、奴に対して『化け物』と言う資格など、無いのかもしれない)

    ミュウツー(生れ落ちた瞬間、母の胸から離れた瞬間から──私はすでに、化け物だったのだから)
    166 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 18:46:28.39 ID:Qson0IcO0 (-27,-15,-1)
    167 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 18:52:36.49 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-85)
     
    『……終わりました』

    小鳥「はい、ありがとうございま──って、おでかけですか?」

    ミュウツー「……」コクン

    小鳥「……プロデューサーさん。電話で何を言われたのかは、わかりませんけど……
       あまり、思いつめないでくださいね」

    ミュウツー「……」

    小鳥「……お気をつけて」




    ミュウツー(──しかし、だからこそ)

    ミュウツー(だからこそ私は、この手で全てを終わらせなければならない)

    ミュウツー(化け物と呼ぶなら、それでもいい……)



    ミュウツー(……それが、私のけじめだ)
    168 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 18:57:18.71 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-53)
     


    ~961プロダクション前~


    コォォ……


    ミュウツー「……」

    ミュウツー(……趣味の悪い、ゴテゴテとしたビルだ。
          あの男が好みそうなデザインだな)




    ミュウツー(──音無さんは、私の机の上に置いてある辞表に、気付いてくれるだろうか?)
    169 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 19:04:51.51 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-132)
     
    ミュウツー(……私は、もう765プロには戻らない)

    ミュウツー(このビルを破壊し、ミュウを救い出し、そして……
          もういなくなってしまった、たくさんのきょうだい達の元へと向かおう)

    ミュウツー(目撃者が誰もいないままこの世を去れば、765プロに迷惑はかかるまい。
          それが、この私に与えられた、最後の使命だ……)




    ミュウツー「ミュー……!」

    ゴゴゴゴ……!




    ミュウツー(……アイドルとは何か)

    ミュウツー(ミキ達をプロデュースしていくうちに、
          私はその存在理由を理解することが出来た)

    ミュウツー(結局のところ、ミキが言ったとおりだったのだ。
          『アイドルとは、人を笑顔にする者』……その言葉が嘘ではないことは、
          彼女達のそばにいたこの私が一番知っている……)
    170 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 19:16:03.62 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-151)
     
    ミュウツー(だからもう、私は、満足だ……)

    ミュウツー(私が生み出された理由──アイドルが、こんなにも素晴らしい存在だった。
          それを知ることが出来たから……もう、この世界に未練は無い)



    ミュウツー「……みゅ、みゅぅ……!」


    ゴゴゴ……!



    ミュウツー(……本当、に)

    ミュウツー(私は、本当に……、たくさんの笑顔を、彼女達から……受け取った)



    ミュウツー(私は、間違いなく化け物だ)

    ミュウツー(それなのに、彼女達は、そんな私を、まるで一人の人間のように扱ってくれた……。
           いつだって笑顔で、いつだって明るく……)


    ミュウツー(……この世界に生まれてきて、良かった)

    ミュウツー(そうでなければ、私は、彼女達に出会えなかった……!)
    171 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 19:21:49.90 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-106)
     

    ミュウツー「みゅう……う、うぅ……!」



    ポロポロ……



    ミュウツー(……ひとつだけ、思い残すことがあるとすれば)

    ミュウツー(たった一瞬でもいいから……ミキがトップアイドルになり、
          胸を張ってきらめくステージに立つ姿を……見たかった)



    シュィィィン……



    ミュウツー(もしも、生まれ変われるなら……人間に──なれるといいな)
    172 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 19:22:50.55 ID:Qson0IcO0 (-27,-15,-1)
    173 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 19:25:59.02 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-75)
     

    ミュウツー「……、」

    ミュウツー(……力が、溜まった)

    ミュウツー(この最高威力のサイコブレイクで、全てを……!)



    シュィィィン……!



    ミュウツー「……?」

    ミュウツー(しかし、先ほどからなんだ? この、風を切る音は────)



        「……せんせいっ!」

                          「かもーっ!!」


    ミュウツー「……っ!?」



         「……ゴッドバァァァァァーーード!!!!!」
    174 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 19:29:42.42 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-75)
     


    カモネギの ゴッドバード!▼


    ミュウツー(な……あれ、は……!)


    カモネギ「かもぉぉぉ!!」シュィィィィン


    ミュウツー(──ミキの、ポケモン!?)



    ……ドガァァァァン!!!


    ミュウツー「がふっ……!」



    きゅうしょに当たった!

         ……ミュウツーは ひるんだ!
    175 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 19:34:28.20 ID:OZ8b7Il50 (+29,+29,-9)
    ゴッドバードとはいえ急所とひるみを同時に引くとはなかなかの強運
    176 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 19:38:29.67 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-165)
     
    ミュウツー「……っ」クラッ

    ミュウツー(……ダメージこそ少なかったものの、
          頭部に、モロに食らっ……! 意識が、薄れ──)

    ミュウツー(くそ、これがひるみか……! 立っていられない……!)


    美希「……先生、お疲れ様。ありがとね」

    カモネギ「くわー!」


    ……


    テク、テク……

    美希「……ハニー」

    ミュウツー(……ミ、キ? ああそうだ、これはミキの……私のアイドルの声だ)

    美希「ねぇ、なんでミキがこんなことしたか、わかる?
       どうしてミキがここにいるか、わかる?」

    美希「ミキの頭の中をのぞけば、すぐわかると思うよ。ねぇ、やってみて?」

    ミュウツー(頭の……中……?)
    177 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 19:38:40.10 ID:Fs3/E19DP (+29,+29,-22)
    美希は枝毛の数で全国模試1位を取っちゃう幸運持ちだからな
    そのポケモンも幸運なんだろう
    178 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 19:45:04.20 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-102)
     

    ミュウツー(……)

    ミュウツー(……わからない)

    ミュウツー(ひるみの影響か、しばらくは身体と脳が言うことをきかないのだろう……。
          ミキの考えていることが、私には、全くわからない……)



    ミュウツー「みゅ……」フルフル

    美希「……うん、それでいいんだよ」

    ミュウツー(え……?)

    美希「考えてることがなんでもわかっちゃうなんて、
       それってやっぱり、ヘンだよ」

    美希「相手がどんなことを考えてるのかなって想像して、
       あれかな、これかな? って、いろんなことを試して……
       そうやって、ミキ達人間は、絆を深めていくんだって思う」

    ミュウツー「……」
    179 : 忍法帖【Lv= - 2013/05/31(金) 19:46:24.21 ID:Noz83NJ50 (-27,-15,-1)
    180 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 19:49:23.44 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-109)
     

    美希「……今のハニー、すっごく人間っぽいよ。
       力に頼らないで、ミキのこと、いっぱい考えてくれてる」

    美希「ミキの考えてること、わかんなくてもいい。
       答えなんて見つからなくたって、そうしてくれるだけで、ミキは嬉しいの」

    ミュウツー「みゅー……」

    美希「えへへ……だって……だってハニー、ミ、ミキはね……!」



    ぎゅぅぅ……!



    美希「そんなハニーのことが、世界で一番、大好きだから……!」
    181 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 19:53:22.74 ID:xjF0ID1n0 (+90,+30,-23)
     

    ミュウツー「……みゅ、う」

    美希「……帰ろ?」

    ミュウツー「……?」

    美希「765プロに──ミキ達の場所に」

    ミュウツー「……」



    『……ああ、帰ろう』



    ──────
    ────
    ──
    182 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 19:58:07.75 ID:xjF0ID1n0 (+83,+30,-81)
     
    ~765プロ事務所~

    ……ガチャッ

    小鳥「!」ガタッ

    ミュウツー「みゅ」

    小鳥「──プロデューサーさんの、バカっ!」


    ……バッチーン!!


    ミュウツー「……?」

    小鳥「バカバカバカバカ!!」

    バチチチチチンッ!

    ことりの おうふくビンタ!▼


    『あ、ちょ、やめ……いたっいたた』

    小鳥「やめませんっ! わ、私が、どれだけ心配したと思って……!」

    小鳥「本当に……! 本当に、バカ……!」
    183 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 20:07:29.09 ID:XJjq/uW70 (+1,+11,-1)
    184 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 20:10:20.38 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-281)
     
    ミュウツー(……あとから聞いた話によると、ミキには、音無さんから連絡がいったらしい)

    ミュウツー(事務所を出る前の私の様子がおかしかったことから、音無さんはデスクの上の辞表にすぐに気付き、
          真っ先にミキにこのことを伝えたんだそうだ。もちろん、直前に961プロから電話があったということも)

    ミュウツー(ちょうどカモネギの散歩中だったミキは、音無さんから961プロの場所を教えてもらうと、
          カモネギの背に乗ってまっすぐに空を飛び……)

    ミュウツー(……そして、こうなった)

    ……

    美希「……ねぇねぇハニー、こっち向いて!」

    ミュウツー「……?」

    パシャッ!

    美希「アハッ☆ 小鳥にぶたれてボコボコになったハニーの変顔写真、ゲットなの~!」

    ミュウツー「……」


    ミュウツー(……先ほどのやり取りについては、実のところ、
          意識が朦朧としていたため、あまり覚えていない)

    ミュウツー(しかし、今ではミキはいつも通りのミキだ。
          そのことについて話したいなら、こんな顔はしていないはず。
          わざわざ自分から話を振るのはやめておこう……)
    185 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 20:20:58.02 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-184)
     
    美希「あは、あはは! ……はぁ……」

    ミュウツー「……?」

    美希「ね、ハニー。あ、あのね、さっき言ったことだけど……」

    『ミキは、その件について話したくないんだろう?』

    美希「え!? いつミキがそんなこと言ったの!?」

    『さっきまでいつも通りの顔だったから……
    おそらく、大事なことを伝えてくれたのということは想像出来る。
    それならいつも通りの顔はしないだろう?』

    美希「あ、や、それは、照れ隠しっていうかなんていうか……
       そ、それより! 『想像出来る』って、どういうこと!?」

    『……実は、ひるんでたせいでよく覚えてないんだ。
    ミキはさっき、私に対してなんて──』

    美希「」

    『……ミキ? どうした、顔が真っ青だが』

    美希「……もーいいの……ふーんだっ! ばかハニーっ!」



    ミュウツー(……力に頼らずにミキの考えることを見抜くのは、実に難しいな)
    186 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 20:25:29.40 ID:xjF0ID1n0 (+79,+29,+0)
    よるご飯食べる
    188 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 20:29:52.12 ID:Fs3/E19DP (+30,+30,-34)
    なんで全部マヨ入ってるんですか
    なんでシュークリームが混ざってるんですか
    なんでシュークリームにも海苔が付いてるんですか
    189 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 20:35:09.88 ID:dFuevSgkO (+24,+29,-1)
    何で具無しないんだよ間抜け
    190 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 20:38:01.63 ID:KQPDQhd40 (+19,+29,-3)
    ポケットの中はいつだって
    191 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 20:40:05.40 ID:K+poyHUj0 (+19,+24,-14)
    マヨネーズのみってのが一番イヤ
    192 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 20:42:43.52 ID:Fs3/E19DP (+0,+0,+0)
    美希用置いときますね

        (⌒'
       . '´` ⌒ヽ
        ! リ(ヾ))リ,i
      (ノ´(l.゚ ヮ゚ノ ゝ < なの!
      '爻 /i l i} ,.゙'   ,.-、     ,.-、   ,.-、     ,.-、   ,.-、   ,.-、     ,.-、   ,.-、    ,.-、     ,.-、
        く_0JJつ    (,,■)   (,,■)  (,,■)   (,,■)  (,,■)   (,,■)    (,,■)  (,,■)   (,,■)   (,,■)
               紀州梅  カリ梅 おかか ゆかり こんぶ トロロこんぶ  高菜 野沢菜 広島菜 わさび漬け
         ,.-、  ,.-、   ,.-、      ,.-、     ,.-、      ,.-、      ,.-、   ,.-、  ,.-、   ,.-、   ,.-、
        (,,■) (,,■)  (,,■)    (,,■)    (,,■)     (,,■)      (,,■)  (,,■) (,,■)  (,,■)  (,,■)
        筋子 いくら 明太子  焼きたらこ 生たらこ  ちりめんじゃこ 天むす タコ天 ツナマヨ エビマヨ らぁめん
         ,.-、    ,.-、     ,.-、   ,.-、     ,.-、      ,.-、    ,.-、    ,.-、     ,.-、       ,.-、
        (,,■)    (,,■)   (,,■)  (,,■)    (,,■)    (,,■)   (,,■)    (,,■)     (,,■)     (,,■)
       発芽玄米 栗ごはん 赤飯 茸おこわ 五目ひじき 鶏五目 鶏ごぼう バター醤油 沖縄油味噌 浅利の佃煮
          ,.-、    ,.-、     ,.-、      ,.-、    ,.-、      ,.-、       ,.-、      ,.-、   ,.-、
         (,,■)    (,,■)     (,,■)     (,,■)   (,,■)     (,,■)      (,,■)     (,,■)   (,,■)
       牛肉しぐれ 牛すき 牛すじ味噌和え 牛タン  炭火焼鳥 照焼ハンバーグ ゴーヤチャンプルー 唐揚  緑茶
         ,.-、    ,.-、     ,.-、    ,.-、     ,.-、      ,.-、        ,.-、      ,.-、   ,.-、
        (,,■)    (,,■)   (,,■)   (,,■)    (,,■)    (,,■)       (,,■)      (,,■)  (,,■)
       ドライカレー カレーピラフ エビピラフ チーズドリア カマンベール イチゴババロア  キャラメルマキアート  もやし 具なし
    193 : 保守ありがとうご - 2013/05/31(金) 20:54:11.57 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-160)
     
    美希「……あーあ、せっかくあんなにカッコよく言えたのになぁ~……」ブツブツ

    ミュウツー「……」コホン

    『……そんなことより、ミキ』

    美希「そんなことなんて言っちゃ、ヤ! ミキにとってはすっごく大事なことだったんだよ!?」

    『あ、ああ、すまない……』

    美希「……それで、なーに? ハニーが話したいことも、大事なことだったんでしょ?」


    ……


    美希「……そっか。ハニーの弟が、出来ちゃったんだ」

    『……黒井崇男は、一週間後のオーディションでそのアイドルをデビューさせると言っていた。
    しかし……罠という可能性もある』

    美希「ハニーが捕まっちゃう、とか?」

    『あるいは、765プロのアイドルであるミキ達になんらかの危害を与える、とか……』

    美希「……」
    194 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 21:01:03.71 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-206)
     
    美希「ハニーは、どうしたいの?」

    『私? 私は……』

    美希「……そのオーディション、行ってみたいんでしょ?」

    ミュウツー「……ミュー」コクン

    『……たとえこのような運命の下に生まれた存在とは言え、
    もしも黒井崇男が言っていたことが本当なら、
    それは私にとって、この世界に残された最後のきょうだいだ』

    『話し合いなど無駄かもしれない。しかし私は、
    何もしないままそのきょうだいが利用されるのを、黙って見ていたくはない』

    美希「出来るなら、説得して、961プロを辞めさせたいんだよね?」

    『……ああ』

    美希「それじゃあ、いこう!」

    ミュウツー「……、」

    『……良いのか? 自分達に危害が及ぶ可能性だってあるのに』

    美希「そしたらハニーが、ミキ達のこと守ってくれるでしょ?
       だからミキは、そんなこと、全然シンパイしてないよ!」
    195 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 21:03:05.54 ID:sy7/FFpLP (+29,+29,-8)
    これ今回で完結できなくてもいいから続けてほしい
    196 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 21:09:29.90 ID:OfGdPjOu0 (+22,+29,+0)
    ミュウツーかわいいよミュウツー
    197 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 21:10:07.03 ID:XJjq/uW70 (+29,+29,-16)
    スーツ、オーダーメイドだろうから高かったろうな。
    198 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 21:11:02.22 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-179)
     
    『守る……』

    美希「そうなの。さっきはなんか、こわーいカンジで超能力を使おうとしてたみたいだけど……、
       でもハニーのその不思議な力があれば、どんなことがあったって、ミキ達を守れる!」

    美希「……ミキは、ハニーのその力を、そういう風に使って欲しいって思うな。
       ほらほら、前に春香が転ぶのを助けたみたいにさ!」

    ミュウツー「……」


    ミュウツー(誰かを傷つけるのではなく……、守るために、この力を……)


    美希「……それともハニーは、そのオーディションでミキ達が負けちゃうって思ってるの?
       それでミキ達が泣いちゃうかもーってシンパイしてるの?」

    『そ、そんなわけないだろう! ミキ達は他のどんなアイドルよりも優れている!
    私が心配しているのはそうではなくて──……』

    美希「じゃーあ、不安は全部消えちゃったね!」

    『……』

    ミュウツー(ミキ……)
    199 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 21:16:25.82 ID:xjF0ID1n0 (+95,+30,-92)
     

    ミュウツー(これが、アイドルの本当の力……他者を笑顔にするエネルギー)

    ミュウツー(……不思議だ。力が湧き上がってくるようだ。
          彼女達にも、もしかしたら、私と同じように超能力があるのかもしれないな……)



    ミュウツー「……ミュー!」



    ミュウツー(アイドルが私をここまで信じてくれているなら、
          プロデューサーである私に出来ることはただひとつだけだ)

    ミュウツー(彼女達を、最高の舞台に立たせてやることだけ……!)



    『……行こう! ミキ!』

    美希「はいなの!」


    ──────
    ────
    ──
    200 : 以下、名無しにか - 2013/05/31(金) 21:18:37.67 ID:xjF0ID1n0 (+84,+29,-2)
     

    一週間後……

            さくらテレビ

     
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