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元スレ美希「ミュウツー……?」

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1 :

 
ガチャッ

美希「おはようございますなのー」

ミュウツー「……」

美希「えっ、誰?」

小鳥「ああ、おはよう美希ちゃん」

美希「小鳥、この紫っぽい人、誰? 角生えてるけど」

小鳥「プロデューサーさんよ」

美希「プロデューサー?」

ミュウツー「みゅー」

小鳥「そう! うふふ、765プロに、ついに待望のプロデューサーさんがやってきたのよ!」

美希「へー……」

2 :

市川さんはミューなんて言わない!

3 :

ミュウツーならテレパシー使えるだろ

4 :

いや、しゃべれよ

5 = 1 :

高木「街で偶然彼に出会ってね、一目見た瞬間にティンときたのだよ。
   『この若者は只者じゃない!』とね」

美希「ふーん」

高木「美希君も、自己紹介するといい。これから彼と私達は、
   長い時間を共に過ごすことになるのだからね」

美希「うん! ミキの名前は星井美希だよ、よろしくね、プロデューサー!」

ミュウツー「……」

美希「あれ? ねぇプロデューサー、あの……うっ」

『よろしくおねがいします』

美希「な、なに!? 頭に直接、声が……」

ミュウツー「ミュー」

高木「彼はどうやら物静かなタイプらしく、口をあけても『ミュー』としか言わないのだ。
   でも大丈夫、こんな風にテレパシーが使えるようだから、コミュニケーションに支障はないだろう」

美希「そ、そうなんだ……」

ミュウツー「……」ティーン

『これから一生懸命頑張ります!』

美希(みょんみょんって頭の中で声が響いてる……ちょっと気持ちワルイの……)

6 :

幼少時ミュウツー「しょうなのぉ?」

7 :

森久保かよ

8 :

ウニュヒュヒヒみたいな鳴き声だろ

9 = 1 :

美希(目つきも悪いし、肌の色もちょっとヘンだし、スーツに穴あけて尻尾生やしてるし……)

美希(あんまり、ミキのタイプじゃないかも……あーあ、もっとカッコいい人なら良かったのにな)

ミュウツー「……みゅー」シュン

美希「? どうしたの、なんかガッカリしてるみたいだけど……」


ガチャッ


春香「おっ、おはようございますっ! すみません、遅刻しちゃ……」

くらっ

春香「う、うわっ、うわわあ! 転んじゃ──」

ミュウツー「……」スッ

ミュウツーの サイコキネシス!▼

春香「……? あ、あれ? 転んでない?」フワフワ

美希「え!? は、春香、なんで浮いてるの!?」

春香「浮いて……わぁっ!? ほ、ほんとだっ!」

10 :

スーツ着てたのかよ

11 :

スーツ着てるミュウツーとか想像出来ない

12 = 1 :

春香「わ、私、いつの間にこんな力を……! やったぁ、これでもう転ばなくて済むかも!」

高木「ウォッホン! あー、天海君。残念だがそれは、君の力ではないのだよ」

春香「え?」

ミュウツー「……」ミョンミョン

美希「? 目が光ってる……もしかしてこれって、プロデューサーがやったの?」

ミュウツー「ミュー」コクン

高木「彼はテレパシーだけでなく、このように手を触れなくても物体を動かす力……
   いわゆる超能力も嗜んでいるようだ。今天海君が浮いてるのは、その力だよ」

春香「そうなんですか……あーあ、ちょっとガッカリ」

ストン

春香「っていうか、あの……その、あなたは?」

小鳥「春香ちゃん、この人はね──……」


美希「……」

美希(プロデューサー、春香を助けてくれたんだ)

美希(見た目はちょっと気持ちワルイけど、案外優しいところあるのかも……)

13 = 2 :

見た目が気持ち悪いとかちょっと表に出ようか

14 :

ミュウツー(ファミチキください)

美希「こいつ脳内に直接なの」

15 = 1 :

美希「……ねぇねぇ、プロデューサー!」

ミュウツー「?」

美希「プロデューサーのお名前は、なんていうの?」

ミュウツー「……」

『私の名前……研究所では、ミュウツーと呼ばれていました』

美希「ミュウツー……?」

『はい』

美希「っていうか、ケンキュージョ? プロデューサーは学者さんだったの?」

ミュウツー「みゅー……」

美希「……」

美希(なんだろ、声も聞こえなくなって、ちょっとしょんぼりしてるみたい。
   あんまり昔のこと、思い出したくないのかな? イジめられっ子だったのかも……)

『……私のことを呼ぶなら、プロデューサーで結構です』

美希「う、うん」

美希(きっとこんな見た目だから、いろいろ苦労してたんだね……ちょっとかわいそう)

16 = 1 :

 
……

美希「すぅ、すぅ……むにゃむにゃ」

ミュウツー「……!」

『星井さん、星井さん!』

美希「う、頭が……プロデューサー……?」

『レッスンの時間ですよ、起きてください!』

美希「わ、わかったの! わかったから、あんまりおっきな声、直接頭に聞かせないで!」

……

美希「あふぅ……あれ、春香は?」

『仕事にいきました。他のアイドルの皆さんも、星井さんが眠っている間に』

美希「そっか~。みんな忙しいんだね」

ミュウツー「……」

『他の皆さんは、仕事が少なくても自分達で取りにいっているようですが、
星井さんはそうしないんですか?』

美希「んー、ミキはそういうの、ちょっと……」

17 = 1 :

美希「ミキ的には、のーんびり、自分のペースでアイドルが出来れば、それでいいかなーって」

ミュウツー「……」

美希「一生懸命お仕事を探してるみんなはとっても偉いって思うけど、
   ミキにはそういうの合ってないって思うな。疲れちゃうし……」

『……いいんですか?』

美希「え?」

『せっかくの人生の若い時間を、そんな風に無為に過ごして、
星井さんはそれでいいんですか?』

美希「な、何? プロデューサー、怒っちゃった……? 目がもっと怖くなってるよ」

ミュウツー「……ミュー」

『見たところ、星井さんの個体値はかなり高いようです』

美希「コタイチ?」

『才能があるということです。それなのに、努力値がまったく振られていない。
それではもったいないですよ』

『……個体値が低いという理由だけで捨てられる者を、私はたくさん見てきました。
それなのに星井さんは、天から才能を授かったにも関わらず……!』

美希「や、やめてやめて! 頭、いたいよ!
   そんなにいっぺんに頭に話しかけないで~!」

18 :

あれミュウツーってもっとタメじゃなかったか?映画版黒歴史扱いされたのか

20 = 1 :

美希(なんかよくわかんないけど、怒られちゃった)

美希(ミキの考えって、そんなにダメなことかな?
   アイドルって楽しいお仕事でしょ? それなのに……)


テクテク……


ミュウツー「……」

美希「……」

美希(……もう話しかけてもこないし)

美希(さっきは優しい人かな? って思ったけど……
   やっぱりプロデューサーって、あんまりミキとは合わない人かも)


『……レッスンスタジオが見えてきましたよ』

美希「……うん」


美希(あーあ。これから、どうなっちゃうのかな……)

21 = 1 :

 
一方その頃……


黒井「……ええい! まだ奴は見つからないのか!」ドンッ

研究員「す、すみません!」

黒井「クソっ! だからあれほど、目を離すなと……」

黒井「ミュウツー……。我が961プロが長年研究し生み出した、
   最強のアイドル……」

黒井「誰かの手に渡る前に、一刻も早く連れ戻すのだ!」

研究員「はいぃっ!」タタッ


……バタン

22 = 11 :

あの見た目でアイドルは無理だろ

23 = 1 :

ガタガタ……!

黒井「ん? ……ククク、どうした、怒っているのか?」

黒井「それはそうだろうな。しかし、ボールの中にいる限り、貴様には何も出来まい」

ミュウ『……!』

黒井「──奴の強大な力さえあれば、この芸能界は私達961プロのもの……」

黒井「見た目はちょっぴり怖くなってしまったが、問題ない。
   これから更に改造を重ね、イケメンフェイスにさえすればそれでいいのだ」

ミュウ『……』

黒井「貴様はこのボールの中で、自分の子供が華麗なるアイドルデビューを果たす瞬間を見ているがいい」

黒井「ククク……ハーッハッハ!」

──────
────
──

24 = 18 :

あいつ性別メスだったのか

25 = 1 :

 
数日後……

ガチャッ

美希「ふわぁ~……おはようございまーす……」


春香「えへへ、本当ですか?」

ミュウツー「ミュー」モグモグ

『本当においしいですよ、この天海さん特製のポロック。
思わずうつくしさが上がってしまいそうだ』

春香「よかったぁ、頑張って本読んで練習したかいがありました!」


美希「……」

美希(春香とプロデューサーが、楽しそうに話してるの)

美希(初めてプロデューサーが事務所に来て春香を助けてあげたときから、
   あのふたりはずっと仲良しなんだよね……)

美希(……もしかして春香って、あーいう怖い系の男の人がタイプなのかな?
   春香ならもっと普通の人を好きになりそうだけど……人は見かけによらないってカンジ)

26 = 1 :

春香「……あっ! 美希、おはよ!」

美希「おはよーなの。……ねぇ、春香、耳貸して」

春香「え? なになに?」


ヒソヒソ……

美希「……あんまり、良い趣味じゃないって思うな」

春香「趣味? なんのこと……?」

美希「プロデューサーのこと、お気に入りなんでしょ?」

春香「お気に入り、って……」

春香「……」

春香「……ちっ、ちち、ちがうわよ! 何言ってるの、美希!」カァァ

美希「アハッ☆ 隠さなくてもいーの。なんとなくわかっちゃうんだから」

春香「ちょ、ちょちょ、やめてよ、もうっ!」


ミュウツー「……」

27 = 1 :

春香「もう……っていうか、私がどう思ってるかっていうのはともかく、
   見た目でそんな風に判断するなんてダメだよ。
   プロデューサーさんが優しい人っていうのは、美希だってわかるでしょ?」

美希「うーん、そうだけど~……」

美希(あれからプロデューサーは、あんまりミキに怒ってこなくなったの。
   毎日遅くまでみんなのためにお仕事してるみたいだし、
   悪い人じゃないっていうのはわかるんだけど……)

美希「でも、ミキ的には、もっと肌色っぽい人のほうが良いなぁ。
   それにプロデューサー、髪の毛も散っちゃってるみたいだし」

春香「髪の毛って……」


ガチャリ……

「おっはようございまーす!」

ミュウツー「っ!」ガタッ

『お、おはようございます、菊地さん!』

「あ、プロデューサー! へへっ、今日も元気そうですねっ!」

『は、はい……』


春香美希「……あれ?」

28 = 1 :

「あっ、ていうかプロデューサー。なんかよそよそしく感じるし、
  ボクのことは菊地さんじゃなくて、真って呼んでくださいって言ってるじゃないですか。
  それに敬語だっていりません!」

ミュウツー「……」モジモジ

『そ、そうか? それじゃあ……真』

「はいっ! なんですか?」

『いや、特に用はないんだけど……へへ』


春香美希「……」

美希「……ね、春香」

春香「な、なによ」

美希「真くんとプロデューサー、なんか仲良いね」

春香「……うん」

美希「……プロデューサーってもしかして、真くんみたい子が好きだったり」

春香「か、関係ないでしょ!」

29 = 11 :

ミュウツーってかしこさ向きじゃなかったか?

30 = 1 :

「いやーでもやっぱり、初めて会ったときとは見違えるなぁ!」

美希(初めて会ったとき?)

「あのときはなんていうか、荒れてたみたいだったけど……
  それが今では、スーツ着て、ボク達のプロデューサーをやってるんですもんね!」

『も、もういいじゃないか、そんなこと』

「へへ、そうですね! それじゃあプロデューサー、今日もバリバリ頑張っていきましょう!」

……

美希「……ねぇ、真くん」

「え? どうしたの、美希」

美希「さっき、初めて会ったときって言ってたけど、
   真くんが会ったときはプロデューサー、今とは違ってたの?」

「ああ、そのこと? 実はね……」

「ボクとプロデューサーは、プロデューサーが765プロに来る前に、
  一回会ってるんだ」

美希春香「え!?」

「あれはいつだったかなぁ、確か、二週間くらい前……」

31 = 1 :

~回想~

チャリンチャリン

「……好きだよ♪ 心込めて♪ 好きだよ♪ 力込めて♪」

「うーん、やっぱり良いなぁ、このニュー自転車!
  さっすが百万円もするだけあるよね、最高の乗り心地だ!」

「まさかそれが商店街の福引で当たっちゃうなんて、本当にラッキーだったよ」


シャー……


「好きだよ♪ 声をあげ──」


──ドガァァァァァン!!!!


「っ!? な、なんだ!? 爆発!? あっちから……」チラッ


パラパラ……


ミュウツー「……! ……!」

「……なに、あの人……?」

32 = 1 :

ミュウツー「……」ギロッ

『人間……?』

(や、やばい、目が合った! なんだかよくわかんないけど、あの人は絶対ヘンだ!
  早くここから逃げないと……!)

ググッ……

「……!? な、なんだ……ペダルが、重い?」

ミュウツー「……」ミョンミョン

「くそうっ、全然動かない……!」


『──人間、人間人間人間……!』


(それに、さっきからなんだよ、この頭に響く声……!)


ミュウツー「……!」ブンッ

ミュウツーの シャドーボール!▼

ゴォォォォ!!


「……うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」

33 = 1 :

パラパラ……

「……ハァ、ハァ……! いつつ……」

『……避けられた? いや、かすかに当たった。
格闘タイプか……効果はいまひとつのようだ』

(なんだよ、今の……!? とにかく本当にやばい!)

「早く自転車乗って──って」

自転車だったもの「」ボロ……

「……」

ミュウツー「……」

『しかし、格闘タイプなら話が早い。サイコブレイクで──』

「ちょっとぉぉぉぉぉ!!!!」

『えっ』

「じ、自転車! 壊れちゃったじゃないか!! どうしてくれるんだよ!!」

『いや、その……』

「ボクの大事な自転車だったんだぞ! 百万円もするんだから!!」

『百万円……だと……?』

34 = 1 :

ミュウツー「……」オロオロ

『……いや、そんなことは関係ない!
確かに百万円は大金だけど、ここで口を封じてしまえば……』

「フンっ!!」

まことの インファイト!▼

ミュウツー「ゴフッ」

『速い……! それに、効果はいまひとつなのに……この威力……!』

「……勘違いするなよ。ボクは、そう簡単に人に暴力なんて振るわない」

ミュウツー「……?」

「でも、あの爆発もお前の仕業だろ? さっきの不思議な力でやったんだな」

『それがなんだと言う……』

「人に迷惑をかけるお前は、悪い奴だ! それならボクは容赦しない!」

「正義の鉄拳を食らえっ!」

がっし! ぼか!

ミュウツー「……!? ……!!?」

『つ、強い……! 本当に人間か!?』

36 = 11 :

しかも素早さミュウツー以上か…

37 = 1 :

 
……

「ハァ、ハァ……」

ミュウツー(瀕死)「……」

「反省したか?」

『お前は一体……人間じゃないのか? ポケモン?』

「ポケモン? なに言ってるんだ?」

『人間の力を大きく超えている……』

「……ボクは、人間だよ。人間の、アイドルだ。
 まだ全然仕事はないけどね」

ミュウツー「……」

「……って、やばっ! レッスンにいかないと!
  もう悪いことするんじゃないぞ! じゃあねっ!」


タッタッタ……


ミュウツー「……」

『アイドル……』

38 :

まこりんは可愛いなあ!

39 = 1 :

~回想おわり~

「ってことがあって」

春香美希「……」

高木「おそらく、そのあとだろうね。私は街中で、
   スーツを着て職を探していた彼に出会ったのだよ」

春香「しゃ、社長!? いつの間に……」

高木「ハハ、いいじゃないかそんなことは」

……

高木「……どうやら彼は、すぐにでも大金が必要だったらしい。
   もしかしたらそれは、菊地君の自転車を弁償するつもりだったのかもしれないな」

高木「しかし、世界は実にせまいようだねぇ。菊地君と彼との間にそんなことがあり、
   今ではこうしてアイドルとプロデューサーという関係になっているとは……」

「へへっ、本当ですね!」

美希「……真くん、もう怒ってないの? 自転車壊されちゃったのに……」

「うん! 今はもう反省してくれたみたいだし……
  プロデューサーがボク達のために頑張ってくれてるのは、ちゃんとわかってるからね」

40 = 1 :

ミュウツー「……ミュー」

『……皆さん、そろそろ仕事の時間ですよ。
久しぶりのテレビの仕事、頑張っていきましょう』

春香「はーい!」

美希「……」


美希(真くんの話だったら、今よりもっともっと怖い人だったみたいだけど……、
   プロデューサーは今ではミキ達のために、頑張ってくれてる)

美希(……それって、なんでかな? なんでそんなに、変われたんだろ)


『星井さん』

美希「……うん。今行くの」


美希(……あとで、聞いてみよっと)

41 = 1 :

──────
────
──


司会『……はい、ナムコエンジェルの皆さんでした!
   三人ともとっても可愛らしく歌ってくれましたね』

司会『続いては……』


……


テクテク……

「いやぁ、やっぱりテレビの仕事って楽しいね!」

春香「うん! でも私、ちゃんと喋れたかなぁ……
   うぅ、緊張しちゃって頭真っ白だったよ」

「大丈夫だよ! 春香はちゃんとおしり──って、美希? どこいくの?」

美希「あ、えーっと……ちょっと、おトイレ」

「そ、そっか。ごめん、ヘンなこと聞いちゃった」

美希「……すぐ戻るから、ふたりは先に行ってて!」タタッ

42 = 1 :

~収録スタジオ~

アイドル「~♪」


美希「あ、いた……プロデューサー!」

ミュウツー「……?」

『星井さん? どうしたんですか、衣装のままで』

美希「……プロデューサーこそ、何やってるの?
   もうミキ達の出番おわったのに、まだスタジオにいるなんて」

『研究です。他のアイドルの皆さんから、少しでも技術を盗まないと』

美希「研究? でも、見てるだけでしょ?」

『……記憶力には、自信があるんですよ』

……

美希「……ねぇ、プロデューサー」

『はい』

美希「プロデューサーは、どうして、ミキ達のために頑張ってくれてるの?」

ミュウツー「……」

43 = 1 :

美希「真くんの自転車壊しちゃったみたいだけど……それをベンショーするため?」

『……それもあります』

美希「……でもそんなの、知らんぷりしちゃえばよかったんじゃないかな。
   百万円なんてお金、簡単に用意できないよ、たぶん……」

『星井さんが私の立場だった場合、そうするんですか?』

美希「ち、ちがうよ! ミキだって、壊しちゃったらちゃんとベンショーする!」

美希「……でも前のプロデューサーは、今よりもっと、
   なんていうか……怖い人だったんだって聞いたの。
   そういう人って、そうするんじゃないの? 知らんぷり……」

ミュウツー「……」

『……確かに、真の自転車のことを無視することも出来ました。
それに正直に言ってしまえば、私はそれほど、あのことを悪いとは思っていません』

美希「じゃあ、なんで?」

『……私は、人類──特にその中でも、
アイドルという種族の人間について興味を持ったんですよ』

44 = 1 :

『……アイドルという存在は、圧倒的な力をもって人々を支配するものだと聞いていました』

美希「え!? なにそれっ!?」

『研究所で、そう教えられていたのです。そして私は──……』

ミュウツー「……」

美希「? プロデューサーは……どうしたの?」

『……いえ』


……

ミュウツー「みゅー……」

『……しかしあのとき──真の拳を受ける中で、
不思議なことが起こったのです』

『私の中の暴力的な部分が静かになっていく……
それはまるで、母に抱きしめられているときのようでした』

美希「お母さん?」

『……もう随分と会っていませんが、私は確かに覚えている。
母の胸のあたたかさを……』

美希(こういうの確か、マザコンっていうんだよね。小鳥が言ってたの)

45 = 1 :

『……本気を出してしまえば、反撃し真を傷つけることも出来たでしょう。
しかしそのとき私には、そんなことをする気にもならなかった』

『そして、去り際に真は言いました。「自分はアイドルだ」、と……』

美希「……」

『……アイドルは、私が思っているような暴力的な存在ではない。
なぜなら私の中の「はかいのいでんし」は、真によって全て消え去ってしまったのですから』

『だから私はその後、スーツに身を包み、アイドルに関わる仕事を探し始めたのです。
人間の世界ではこうすることが通例だと聞いていましたから』

『「アイドル」とは何か──その本当の存在理由を、知るために』

美希「……そーだったんだ」

……

ミュウツー「……ミュー」

『あなた達をプロデュースし、真のアイドルといえるまで育て上げる。
そうすることで私は、「アイドル」について深く知ることができる……』

『それが、先ほどのあなたの質問の答えです。
なぜ私が星井さんたちのために頑張るのか、という質問の……』

美希「……ふーん」

『だから結局は、自分のためですよ。ご期待に沿う答えでなく、申し訳ありませんが』

46 :

違うわよでお茶吹いた

47 = 1 :

美希「……なーんか、ムズかしいこと考えてるんだね。
   アイドルがどんな人かだなんて、そんなの、考えなくても簡単にわかるのに」

ミュウツー「?」

『簡単?』

美希「そーなの! アイドルはね……」

美希「ステージの上でキラキラ輝いて、みんなを笑顔にする人のことだよ」

『……笑顔……ですか』

美希「うん!」ニコッ

ミュウツー「……、」

美希「……あっ! プロデューサー、今ちょっと笑った?」

『え?』

美希「アハッ☆ もしかして、プロデューサーが笑うとこ、初めて見たかもしれないな~。
   いつもは怖い顔してるけど、笑うとちょっとだけ、可愛いんだねっ!」

『か、可愛いって……』

美希「そうやって、ずっと笑ってればいいの! そうしたらきっと、今よりモテると思うよ?
   どーせ彼女、いないんでしょ?」

『そ、そう言われても……どうせ私は、タマゴみはっけんグループですから』

48 :

今更だが美希はおはようなの~じゃね?

49 :

イーブイシスターズをアイドルプロデュース!

50 = 1 :

 
ミュウツー「……」

ミュウツー(無邪気に笑う彼女の姿を見ていたら、
      この顔の筋肉が、私の意志とは関係なく、自然に弛緩してしまった)

ミュウツー(……これが、笑顔……。これが、アイドルの力)


美希「それじゃあ、もういこ? 研究なんてつまんないことしてないで、
   みんなで事務所に帰ろーよ」


ミュウツー(……今、少しだけ、知ることが出来たのかもしれない)

ミュウツー(この私が生まれた理由──『アイドル』について……)


『……はい! そうですね──』



カツ、カツ……

黒井「……ようやく見つけたぞ、ミュウツー……!」



ミュウツー「っ!?」


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