元スレ美希「ミュウツー……?」

みんなの評価 : ☆
1 :
ガチャッ
美希「おはようございますなのー」
ミュウツー「……」
美希「えっ、誰?」
小鳥「ああ、おはよう美希ちゃん」
美希「小鳥、この紫っぽい人、誰? 角生えてるけど」
小鳥「プロデューサーさんよ」
美希「プロデューサー?」
ミュウツー「みゅー」
小鳥「そう! うふふ、765プロに、ついに待望のプロデューサーさんがやってきたのよ!」
美希「へー……」
2 :
市川さんはミューなんて言わない!
3 :
ミュウツーならテレパシー使えるだろ
4 :
いや、しゃべれよ
5 = 1 :
高木「街で偶然彼に出会ってね、一目見た瞬間にティンときたのだよ。
『この若者は只者じゃない!』とね」
美希「ふーん」
高木「美希君も、自己紹介するといい。これから彼と私達は、
長い時間を共に過ごすことになるのだからね」
美希「うん! ミキの名前は星井美希だよ、よろしくね、プロデューサー!」
ミュウツー「……」
美希「あれ? ねぇプロデューサー、あの……うっ」
『よろしくおねがいします』
美希「な、なに!? 頭に直接、声が……」
ミュウツー「ミュー」
高木「彼はどうやら物静かなタイプらしく、口をあけても『ミュー』としか言わないのだ。
でも大丈夫、こんな風にテレパシーが使えるようだから、コミュニケーションに支障はないだろう」
美希「そ、そうなんだ……」
ミュウツー「……」ティーン
『これから一生懸命頑張ります!』
美希(みょんみょんって頭の中で声が響いてる……ちょっと気持ちワルイの……)
6 :
幼少時ミュウツー「しょうなのぉ?」
7 :
森久保かよ
8 :
ウニュヒュヒヒみたいな鳴き声だろ
9 = 1 :
美希(目つきも悪いし、肌の色もちょっとヘンだし、スーツに穴あけて尻尾生やしてるし……)
美希(あんまり、ミキのタイプじゃないかも……あーあ、もっとカッコいい人なら良かったのにな)
ミュウツー「……みゅー」シュン
美希「? どうしたの、なんかガッカリしてるみたいだけど……」
ガチャッ
春香「おっ、おはようございますっ! すみません、遅刻しちゃ……」
くらっ
春香「う、うわっ、うわわあ! 転んじゃ──」
ミュウツー「……」スッ
ミュウツーの サイコキネシス!▼
春香「……? あ、あれ? 転んでない?」フワフワ
美希「え!? は、春香、なんで浮いてるの!?」
春香「浮いて……わぁっ!? ほ、ほんとだっ!」
10 :
スーツ着てたのかよ
11 :
スーツ着てるミュウツーとか想像出来ない
12 = 1 :
春香「わ、私、いつの間にこんな力を……! やったぁ、これでもう転ばなくて済むかも!」
高木「ウォッホン! あー、天海君。残念だがそれは、君の力ではないのだよ」
春香「え?」
ミュウツー「……」ミョンミョン
美希「? 目が光ってる……もしかしてこれって、プロデューサーがやったの?」
ミュウツー「ミュー」コクン
高木「彼はテレパシーだけでなく、このように手を触れなくても物体を動かす力……
いわゆる超能力も嗜んでいるようだ。今天海君が浮いてるのは、その力だよ」
春香「そうなんですか……あーあ、ちょっとガッカリ」
ストン
春香「っていうか、あの……その、あなたは?」
小鳥「春香ちゃん、この人はね──……」
美希「……」
美希(プロデューサー、春香を助けてくれたんだ)
美希(見た目はちょっと気持ちワルイけど、案外優しいところあるのかも……)
13 = 2 :
見た目が気持ち悪いとかちょっと表に出ようか
14 :
ミュウツー(ファミチキください)
美希「こいつ脳内に直接なの」
15 = 1 :
美希「……ねぇねぇ、プロデューサー!」
ミュウツー「?」
美希「プロデューサーのお名前は、なんていうの?」
ミュウツー「……」
『私の名前……研究所では、ミュウツーと呼ばれていました』
美希「ミュウツー……?」
『はい』
美希「っていうか、ケンキュージョ? プロデューサーは学者さんだったの?」
ミュウツー「みゅー……」
美希「……」
美希(なんだろ、声も聞こえなくなって、ちょっとしょんぼりしてるみたい。
あんまり昔のこと、思い出したくないのかな? イジめられっ子だったのかも……)
『……私のことを呼ぶなら、プロデューサーで結構です』
美希「う、うん」
美希(きっとこんな見た目だから、いろいろ苦労してたんだね……ちょっとかわいそう)
16 = 1 :
……
美希「すぅ、すぅ……むにゃむにゃ」
ミュウツー「……!」
『星井さん、星井さん!』
美希「う、頭が……プロデューサー……?」
『レッスンの時間ですよ、起きてください!』
美希「わ、わかったの! わかったから、あんまりおっきな声、直接頭に聞かせないで!」
……
美希「あふぅ……あれ、春香は?」
『仕事にいきました。他のアイドルの皆さんも、星井さんが眠っている間に』
美希「そっか~。みんな忙しいんだね」
ミュウツー「……」
『他の皆さんは、仕事が少なくても自分達で取りにいっているようですが、
星井さんはそうしないんですか?』
美希「んー、ミキはそういうの、ちょっと……」
17 = 1 :
美希「ミキ的には、のーんびり、自分のペースでアイドルが出来れば、それでいいかなーって」
ミュウツー「……」
美希「一生懸命お仕事を探してるみんなはとっても偉いって思うけど、
ミキにはそういうの合ってないって思うな。疲れちゃうし……」
『……いいんですか?』
美希「え?」
『せっかくの人生の若い時間を、そんな風に無為に過ごして、
星井さんはそれでいいんですか?』
美希「な、何? プロデューサー、怒っちゃった……? 目がもっと怖くなってるよ」
ミュウツー「……ミュー」
『見たところ、星井さんの個体値はかなり高いようです』
美希「コタイチ?」
『才能があるということです。それなのに、努力値がまったく振られていない。
それではもったいないですよ』
『……個体値が低いという理由だけで捨てられる者を、私はたくさん見てきました。
それなのに星井さんは、天から才能を授かったにも関わらず……!』
美希「や、やめてやめて! 頭、いたいよ!
そんなにいっぺんに頭に話しかけないで~!」
18 :
あれミュウツーってもっとタメじゃなかったか?映画版黒歴史扱いされたのか
20 = 1 :
美希(なんかよくわかんないけど、怒られちゃった)
美希(ミキの考えって、そんなにダメなことかな?
アイドルって楽しいお仕事でしょ? それなのに……)
テクテク……
ミュウツー「……」
美希「……」
美希(……もう話しかけてもこないし)
美希(さっきは優しい人かな? って思ったけど……
やっぱりプロデューサーって、あんまりミキとは合わない人かも)
『……レッスンスタジオが見えてきましたよ』
美希「……うん」
美希(あーあ。これから、どうなっちゃうのかな……)
21 = 1 :
一方その頃……
黒井「……ええい! まだ奴は見つからないのか!」ドンッ
研究員「す、すみません!」
黒井「クソっ! だからあれほど、目を離すなと……」
黒井「ミュウツー……。我が961プロが長年研究し生み出した、
最強のアイドル……」
黒井「誰かの手に渡る前に、一刻も早く連れ戻すのだ!」
研究員「はいぃっ!」タタッ
……バタン
22 = 11 :
あの見た目でアイドルは無理だろ
23 = 1 :
ガタガタ……!
黒井「ん? ……ククク、どうした、怒っているのか?」
黒井「それはそうだろうな。しかし、ボールの中にいる限り、貴様には何も出来まい」
ミュウ『……!』
黒井「──奴の強大な力さえあれば、この芸能界は私達961プロのもの……」
黒井「見た目はちょっぴり怖くなってしまったが、問題ない。
これから更に改造を重ね、イケメンフェイスにさえすればそれでいいのだ」
ミュウ『……』
黒井「貴様はこのボールの中で、自分の子供が華麗なるアイドルデビューを果たす瞬間を見ているがいい」
黒井「ククク……ハーッハッハ!」
──────
────
──
24 = 18 :
あいつ性別メスだったのか
25 = 1 :
数日後……
ガチャッ
美希「ふわぁ~……おはようございまーす……」
春香「えへへ、本当ですか?」
ミュウツー「ミュー」モグモグ
『本当においしいですよ、この天海さん特製のポロック。
思わずうつくしさが上がってしまいそうだ』
春香「よかったぁ、頑張って本読んで練習したかいがありました!」
美希「……」
美希(春香とプロデューサーが、楽しそうに話してるの)
美希(初めてプロデューサーが事務所に来て春香を助けてあげたときから、
あのふたりはずっと仲良しなんだよね……)
美希(……もしかして春香って、あーいう怖い系の男の人がタイプなのかな?
春香ならもっと普通の人を好きになりそうだけど……人は見かけによらないってカンジ)
26 = 1 :
春香「……あっ! 美希、おはよ!」
美希「おはよーなの。……ねぇ、春香、耳貸して」
春香「え? なになに?」
ヒソヒソ……
美希「……あんまり、良い趣味じゃないって思うな」
春香「趣味? なんのこと……?」
美希「プロデューサーのこと、お気に入りなんでしょ?」
春香「お気に入り、って……」
春香「……」
春香「……ちっ、ちち、ちがうわよ! 何言ってるの、美希!」カァァ
美希「アハッ☆ 隠さなくてもいーの。なんとなくわかっちゃうんだから」
春香「ちょ、ちょちょ、やめてよ、もうっ!」
ミュウツー「……」
27 = 1 :
春香「もう……っていうか、私がどう思ってるかっていうのはともかく、
見た目でそんな風に判断するなんてダメだよ。
プロデューサーさんが優しい人っていうのは、美希だってわかるでしょ?」
美希「うーん、そうだけど~……」
美希(あれからプロデューサーは、あんまりミキに怒ってこなくなったの。
毎日遅くまでみんなのためにお仕事してるみたいだし、
悪い人じゃないっていうのはわかるんだけど……)
美希「でも、ミキ的には、もっと肌色っぽい人のほうが良いなぁ。
それにプロデューサー、髪の毛も散っちゃってるみたいだし」
春香「髪の毛って……」
ガチャリ……
真「おっはようございまーす!」
ミュウツー「っ!」ガタッ
『お、おはようございます、菊地さん!』
真「あ、プロデューサー! へへっ、今日も元気そうですねっ!」
『は、はい……』
春香・美希「……あれ?」
28 = 1 :
真「あっ、ていうかプロデューサー。なんかよそよそしく感じるし、
ボクのことは菊地さんじゃなくて、真って呼んでくださいって言ってるじゃないですか。
それに敬語だっていりません!」
ミュウツー「……」モジモジ
『そ、そうか? それじゃあ……真』
真「はいっ! なんですか?」
『いや、特に用はないんだけど……へへ』
春香・美希「……」
美希「……ね、春香」
春香「な、なによ」
美希「真くんとプロデューサー、なんか仲良いね」
春香「……うん」
美希「……プロデューサーってもしかして、真くんみたい子が好きだったり」
春香「か、関係ないでしょ!」
29 = 11 :
ミュウツーってかしこさ向きじゃなかったか?
30 = 1 :
真「いやーでもやっぱり、初めて会ったときとは見違えるなぁ!」
美希(初めて会ったとき?)
真「あのときはなんていうか、荒れてたみたいだったけど……
それが今では、スーツ着て、ボク達のプロデューサーをやってるんですもんね!」
『も、もういいじゃないか、そんなこと』
真「へへ、そうですね! それじゃあプロデューサー、今日もバリバリ頑張っていきましょう!」
……
美希「……ねぇ、真くん」
真「え? どうしたの、美希」
美希「さっき、初めて会ったときって言ってたけど、
真くんが会ったときはプロデューサー、今とは違ってたの?」
真「ああ、そのこと? 実はね……」
真「ボクとプロデューサーは、プロデューサーが765プロに来る前に、
一回会ってるんだ」
美希・春香「え!?」
真「あれはいつだったかなぁ、確か、二週間くらい前……」
31 = 1 :
~回想~
チャリンチャリン
真「……好きだよ♪ 心込めて♪ 好きだよ♪ 力込めて♪」
真「うーん、やっぱり良いなぁ、このニュー自転車!
さっすが百万円もするだけあるよね、最高の乗り心地だ!」
真「まさかそれが商店街の福引で当たっちゃうなんて、本当にラッキーだったよ」
シャー……
真「好きだよ♪ 声をあげ──」
──ドガァァァァァン!!!!
真「っ!? な、なんだ!? 爆発!? あっちから……」チラッ
パラパラ……
ミュウツー「……! ……!」
真「……なに、あの人……?」
32 = 1 :
ミュウツー「……」ギロッ
『人間……?』
真(や、やばい、目が合った! なんだかよくわかんないけど、あの人は絶対ヘンだ!
早くここから逃げないと……!)
ググッ……
真「……!? な、なんだ……ペダルが、重い?」
ミュウツー「……」ミョンミョン
真「くそうっ、全然動かない……!」
『──人間、人間人間人間……!』
真(それに、さっきからなんだよ、この頭に響く声……!)
ミュウツー「……!」ブンッ
ミュウツーの シャドーボール!▼
ゴォォォォ!!
真「……うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」
33 = 1 :
パラパラ……
真「……ハァ、ハァ……! いつつ……」
『……避けられた? いや、かすかに当たった。
格闘タイプか……効果はいまひとつのようだ』
真(なんだよ、今の……!? とにかく本当にやばい!)
真「早く自転車乗って──って」
自転車だったもの「」ボロ……
真「……」
ミュウツー「……」
『しかし、格闘タイプなら話が早い。サイコブレイクで──』
真「ちょっとぉぉぉぉぉ!!!!」
『えっ』
真「じ、自転車! 壊れちゃったじゃないか!! どうしてくれるんだよ!!」
『いや、その……』
真「ボクの大事な自転車だったんだぞ! 百万円もするんだから!!」
『百万円……だと……?』
34 = 1 :
ミュウツー「……」オロオロ
『……いや、そんなことは関係ない!
確かに百万円は大金だけど、ここで口を封じてしまえば……』
真「フンっ!!」
まことの インファイト!▼
ミュウツー「ゴフッ」
『速い……! それに、効果はいまひとつなのに……この威力……!』
真「……勘違いするなよ。ボクは、そう簡単に人に暴力なんて振るわない」
ミュウツー「……?」
真「でも、あの爆発もお前の仕業だろ? さっきの不思議な力でやったんだな」
『それがなんだと言う……』
真「人に迷惑をかけるお前は、悪い奴だ! それならボクは容赦しない!」
真「正義の鉄拳を食らえっ!」
がっし! ぼか!
ミュウツー「……!? ……!!?」
『つ、強い……! 本当に人間か!?』
36 = 11 :
しかも素早さミュウツー以上か…
37 = 1 :
……
真「ハァ、ハァ……」
ミュウツー(瀕死)「……」
真「反省したか?」
『お前は一体……人間じゃないのか? ポケモン?』
真「ポケモン? なに言ってるんだ?」
『人間の力を大きく超えている……』
真「……ボクは、人間だよ。人間の、アイドルだ。
まだ全然仕事はないけどね」
ミュウツー「……」
真「……って、やばっ! レッスンにいかないと!
もう悪いことするんじゃないぞ! じゃあねっ!」
タッタッタ……
ミュウツー「……」
『アイドル……』
38 :
まこりんは可愛いなあ!
39 = 1 :
~回想おわり~
真「ってことがあって」
春香・美希「……」
高木「おそらく、そのあとだろうね。私は街中で、
スーツを着て職を探していた彼に出会ったのだよ」
春香「しゃ、社長!? いつの間に……」
高木「ハハ、いいじゃないかそんなことは」
……
高木「……どうやら彼は、すぐにでも大金が必要だったらしい。
もしかしたらそれは、菊地君の自転車を弁償するつもりだったのかもしれないな」
高木「しかし、世界は実にせまいようだねぇ。菊地君と彼との間にそんなことがあり、
今ではこうしてアイドルとプロデューサーという関係になっているとは……」
真「へへっ、本当ですね!」
美希「……真くん、もう怒ってないの? 自転車壊されちゃったのに……」
真「うん! 今はもう反省してくれたみたいだし……
プロデューサーがボク達のために頑張ってくれてるのは、ちゃんとわかってるからね」
40 = 1 :
ミュウツー「……ミュー」
『……皆さん、そろそろ仕事の時間ですよ。
久しぶりのテレビの仕事、頑張っていきましょう』
春香・真「はーい!」
美希「……」
美希(真くんの話だったら、今よりもっともっと怖い人だったみたいだけど……、
プロデューサーは今ではミキ達のために、頑張ってくれてる)
美希(……それって、なんでかな? なんでそんなに、変われたんだろ)
『星井さん』
美希「……うん。今行くの」
美希(……あとで、聞いてみよっと)
41 = 1 :
──────
────
──
司会『……はい、ナムコエンジェルの皆さんでした!
三人ともとっても可愛らしく歌ってくれましたね』
司会『続いては……』
……
テクテク……
真「いやぁ、やっぱりテレビの仕事って楽しいね!」
春香「うん! でも私、ちゃんと喋れたかなぁ……
うぅ、緊張しちゃって頭真っ白だったよ」
真「大丈夫だよ! 春香はちゃんとおしり──って、美希? どこいくの?」
美希「あ、えーっと……ちょっと、おトイレ」
真「そ、そっか。ごめん、ヘンなこと聞いちゃった」
美希「……すぐ戻るから、ふたりは先に行ってて!」タタッ
42 = 1 :
~収録スタジオ~
アイドル「~♪」
美希「あ、いた……プロデューサー!」
ミュウツー「……?」
『星井さん? どうしたんですか、衣装のままで』
美希「……プロデューサーこそ、何やってるの?
もうミキ達の出番おわったのに、まだスタジオにいるなんて」
『研究です。他のアイドルの皆さんから、少しでも技術を盗まないと』
美希「研究? でも、見てるだけでしょ?」
『……記憶力には、自信があるんですよ』
……
美希「……ねぇ、プロデューサー」
『はい』
美希「プロデューサーは、どうして、ミキ達のために頑張ってくれてるの?」
ミュウツー「……」
43 = 1 :
美希「真くんの自転車壊しちゃったみたいだけど……それをベンショーするため?」
『……それもあります』
美希「……でもそんなの、知らんぷりしちゃえばよかったんじゃないかな。
百万円なんてお金、簡単に用意できないよ、たぶん……」
『星井さんが私の立場だった場合、そうするんですか?』
美希「ち、ちがうよ! ミキだって、壊しちゃったらちゃんとベンショーする!」
美希「……でも前のプロデューサーは、今よりもっと、
なんていうか……怖い人だったんだって聞いたの。
そういう人って、そうするんじゃないの? 知らんぷり……」
ミュウツー「……」
『……確かに、真の自転車のことを無視することも出来ました。
それに正直に言ってしまえば、私はそれほど、あのことを悪いとは思っていません』
美希「じゃあ、なんで?」
『……私は、人類──特にその中でも、
アイドルという種族の人間について興味を持ったんですよ』
44 = 1 :
『……アイドルという存在は、圧倒的な力をもって人々を支配するものだと聞いていました』
美希「え!? なにそれっ!?」
『研究所で、そう教えられていたのです。そして私は──……』
ミュウツー「……」
美希「? プロデューサーは……どうしたの?」
『……いえ』
……
ミュウツー「みゅー……」
『……しかしあのとき──真の拳を受ける中で、
不思議なことが起こったのです』
『私の中の暴力的な部分が静かになっていく……
それはまるで、母に抱きしめられているときのようでした』
美希「お母さん?」
『……もう随分と会っていませんが、私は確かに覚えている。
母の胸のあたたかさを……』
美希(こういうの確か、マザコンっていうんだよね。小鳥が言ってたの)
45 = 1 :
『……本気を出してしまえば、反撃し真を傷つけることも出来たでしょう。
しかしそのとき私には、そんなことをする気にもならなかった』
『そして、去り際に真は言いました。「自分はアイドルだ」、と……』
美希「……」
『……アイドルは、私が思っているような暴力的な存在ではない。
なぜなら私の中の「はかいのいでんし」は、真によって全て消え去ってしまったのですから』
『だから私はその後、スーツに身を包み、アイドルに関わる仕事を探し始めたのです。
人間の世界ではこうすることが通例だと聞いていましたから』
『「アイドル」とは何か──その本当の存在理由を、知るために』
美希「……そーだったんだ」
……
ミュウツー「……ミュー」
『あなた達をプロデュースし、真のアイドルといえるまで育て上げる。
そうすることで私は、「アイドル」について深く知ることができる……』
『それが、先ほどのあなたの質問の答えです。
なぜ私が星井さんたちのために頑張るのか、という質問の……』
美希「……ふーん」
『だから結局は、自分のためですよ。ご期待に沿う答えでなく、申し訳ありませんが』
46 :
違うわよでお茶吹いた
47 = 1 :
美希「……なーんか、ムズかしいこと考えてるんだね。
アイドルがどんな人かだなんて、そんなの、考えなくても簡単にわかるのに」
ミュウツー「?」
『簡単?』
美希「そーなの! アイドルはね……」
美希「ステージの上でキラキラ輝いて、みんなを笑顔にする人のことだよ」
『……笑顔……ですか』
美希「うん!」ニコッ
ミュウツー「……、」
美希「……あっ! プロデューサー、今ちょっと笑った?」
『え?』
美希「アハッ☆ もしかして、プロデューサーが笑うとこ、初めて見たかもしれないな~。
いつもは怖い顔してるけど、笑うとちょっとだけ、可愛いんだねっ!」
『か、可愛いって……』
美希「そうやって、ずっと笑ってればいいの! そうしたらきっと、今よりモテると思うよ?
どーせ彼女、いないんでしょ?」
『そ、そう言われても……どうせ私は、タマゴみはっけんグループですから』
48 :
今更だが美希はおはようなの~じゃね?
49 :
イーブイシスターズをアイドルプロデュース!
50 = 1 :
ミュウツー「……」
ミュウツー(無邪気に笑う彼女の姿を見ていたら、
この顔の筋肉が、私の意志とは関係なく、自然に弛緩してしまった)
ミュウツー(……これが、笑顔……。これが、アイドルの力)
美希「それじゃあ、もういこ? 研究なんてつまんないことしてないで、
みんなで事務所に帰ろーよ」
ミュウツー(……今、少しだけ、知ることが出来たのかもしれない)
ミュウツー(この私が生まれた理由──『アイドル』について……)
『……はい! そうですね──』
カツ、カツ……
黒井「……ようやく見つけたぞ、ミュウツー……!」
ミュウツー「っ!?」
みんなの評価 : ☆
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