のくす牧場
コンテンツ
牧場内検索
カウンタ
総計:126,331,536人
昨日:no data人
今日:
最近の注目
人気の最安値情報
    VIP以外のSS書庫はSS+をご利用ください。

    元スレ美希「ミュウツー……?」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : - アイドルマスター + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
    1 2 3 4 5 6 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitter

    1 :

     
    ガチャッ

    美希「おはようございますなのー」

    ミュウツー「……」

    美希「えっ、誰?」

    小鳥「ああ、おはよう美希ちゃん」

    美希「小鳥、この紫っぽい人、誰? 角生えてるけど」

    小鳥「プロデューサーさんよ」

    美希「プロデューサー?」

    ミュウツー「みゅー」

    小鳥「そう! うふふ、765プロに、ついに待望のプロデューサーさんがやってきたのよ!」

    美希「へー……」

    2 :

    市川さんはミューなんて言わない!

    3 :

    ミュウツーならテレパシー使えるだろ

    4 :

    いや、しゃべれよ

    5 = 1 :

    高木「街で偶然彼に出会ってね、一目見た瞬間にティンときたのだよ。
       『この若者は只者じゃない!』とね」

    美希「ふーん」

    高木「美希君も、自己紹介するといい。これから彼と私達は、
       長い時間を共に過ごすことになるのだからね」

    美希「うん! ミキの名前は星井美希だよ、よろしくね、プロデューサー!」

    ミュウツー「……」

    美希「あれ? ねぇプロデューサー、あの……うっ」

    『よろしくおねがいします』

    美希「な、なに!? 頭に直接、声が……」

    ミュウツー「ミュー」

    高木「彼はどうやら物静かなタイプらしく、口をあけても『ミュー』としか言わないのだ。
       でも大丈夫、こんな風にテレパシーが使えるようだから、コミュニケーションに支障はないだろう」

    美希「そ、そうなんだ……」

    ミュウツー「……」ティーン

    『これから一生懸命頑張ります!』

    美希(みょんみょんって頭の中で声が響いてる……ちょっと気持ちワルイの……)

    6 :

    幼少時ミュウツー「しょうなのぉ?」

    7 :

    森久保かよ

    8 :

    ウニュヒュヒヒみたいな鳴き声だろ

    9 = 1 :

    美希(目つきも悪いし、肌の色もちょっとヘンだし、スーツに穴あけて尻尾生やしてるし……)

    美希(あんまり、ミキのタイプじゃないかも……あーあ、もっとカッコいい人なら良かったのにな)

    ミュウツー「……みゅー」シュン

    美希「? どうしたの、なんかガッカリしてるみたいだけど……」


    ガチャッ


    春香「おっ、おはようございますっ! すみません、遅刻しちゃ……」

    くらっ

    春香「う、うわっ、うわわあ! 転んじゃ──」

    ミュウツー「……」スッ

    ミュウツーの サイコキネシス!▼

    春香「……? あ、あれ? 転んでない?」フワフワ

    美希「え!? は、春香、なんで浮いてるの!?」

    春香「浮いて……わぁっ!? ほ、ほんとだっ!」

    10 :

    スーツ着てたのかよ

    11 :

    スーツ着てるミュウツーとか想像出来ない

    12 = 1 :

    春香「わ、私、いつの間にこんな力を……! やったぁ、これでもう転ばなくて済むかも!」

    高木「ウォッホン! あー、天海君。残念だがそれは、君の力ではないのだよ」

    春香「え?」

    ミュウツー「……」ミョンミョン

    美希「? 目が光ってる……もしかしてこれって、プロデューサーがやったの?」

    ミュウツー「ミュー」コクン

    高木「彼はテレパシーだけでなく、このように手を触れなくても物体を動かす力……
       いわゆる超能力も嗜んでいるようだ。今天海君が浮いてるのは、その力だよ」

    春香「そうなんですか……あーあ、ちょっとガッカリ」

    ストン

    春香「っていうか、あの……その、あなたは?」

    小鳥「春香ちゃん、この人はね──……」


    美希「……」

    美希(プロデューサー、春香を助けてくれたんだ)

    美希(見た目はちょっと気持ちワルイけど、案外優しいところあるのかも……)

    13 = 2 :

    見た目が気持ち悪いとかちょっと表に出ようか

    14 :

    ミュウツー(ファミチキください)

    美希「こいつ脳内に直接なの」

    15 = 1 :

    美希「……ねぇねぇ、プロデューサー!」

    ミュウツー「?」

    美希「プロデューサーのお名前は、なんていうの?」

    ミュウツー「……」

    『私の名前……研究所では、ミュウツーと呼ばれていました』

    美希「ミュウツー……?」

    『はい』

    美希「っていうか、ケンキュージョ? プロデューサーは学者さんだったの?」

    ミュウツー「みゅー……」

    美希「……」

    美希(なんだろ、声も聞こえなくなって、ちょっとしょんぼりしてるみたい。
       あんまり昔のこと、思い出したくないのかな? イジめられっ子だったのかも……)

    『……私のことを呼ぶなら、プロデューサーで結構です』

    美希「う、うん」

    美希(きっとこんな見た目だから、いろいろ苦労してたんだね……ちょっとかわいそう)

    16 = 1 :

     
    ……

    美希「すぅ、すぅ……むにゃむにゃ」

    ミュウツー「……!」

    『星井さん、星井さん!』

    美希「う、頭が……プロデューサー……?」

    『レッスンの時間ですよ、起きてください!』

    美希「わ、わかったの! わかったから、あんまりおっきな声、直接頭に聞かせないで!」

    ……

    美希「あふぅ……あれ、春香は?」

    『仕事にいきました。他のアイドルの皆さんも、星井さんが眠っている間に』

    美希「そっか~。みんな忙しいんだね」

    ミュウツー「……」

    『他の皆さんは、仕事が少なくても自分達で取りにいっているようですが、
    星井さんはそうしないんですか?』

    美希「んー、ミキはそういうの、ちょっと……」

    17 = 1 :

    美希「ミキ的には、のーんびり、自分のペースでアイドルが出来れば、それでいいかなーって」

    ミュウツー「……」

    美希「一生懸命お仕事を探してるみんなはとっても偉いって思うけど、
       ミキにはそういうの合ってないって思うな。疲れちゃうし……」

    『……いいんですか?』

    美希「え?」

    『せっかくの人生の若い時間を、そんな風に無為に過ごして、
    星井さんはそれでいいんですか?』

    美希「な、何? プロデューサー、怒っちゃった……? 目がもっと怖くなってるよ」

    ミュウツー「……ミュー」

    『見たところ、星井さんの個体値はかなり高いようです』

    美希「コタイチ?」

    『才能があるということです。それなのに、努力値がまったく振られていない。
    それではもったいないですよ』

    『……個体値が低いという理由だけで捨てられる者を、私はたくさん見てきました。
    それなのに星井さんは、天から才能を授かったにも関わらず……!』

    美希「や、やめてやめて! 頭、いたいよ!
       そんなにいっぺんに頭に話しかけないで~!」

    18 :

    あれミュウツーってもっとタメじゃなかったか?映画版黒歴史扱いされたのか

    20 = 1 :

    美希(なんかよくわかんないけど、怒られちゃった)

    美希(ミキの考えって、そんなにダメなことかな?
       アイドルって楽しいお仕事でしょ? それなのに……)


    テクテク……


    ミュウツー「……」

    美希「……」

    美希(……もう話しかけてもこないし)

    美希(さっきは優しい人かな? って思ったけど……
       やっぱりプロデューサーって、あんまりミキとは合わない人かも)


    『……レッスンスタジオが見えてきましたよ』

    美希「……うん」


    美希(あーあ。これから、どうなっちゃうのかな……)

    21 = 1 :

     
    一方その頃……


    黒井「……ええい! まだ奴は見つからないのか!」ドンッ

    研究員「す、すみません!」

    黒井「クソっ! だからあれほど、目を離すなと……」

    黒井「ミュウツー……。我が961プロが長年研究し生み出した、
       最強のアイドル……」

    黒井「誰かの手に渡る前に、一刻も早く連れ戻すのだ!」

    研究員「はいぃっ!」タタッ


    ……バタン

    22 = 11 :

    あの見た目でアイドルは無理だろ

    23 = 1 :

    ガタガタ……!

    黒井「ん? ……ククク、どうした、怒っているのか?」

    黒井「それはそうだろうな。しかし、ボールの中にいる限り、貴様には何も出来まい」

    ミュウ『……!』

    黒井「──奴の強大な力さえあれば、この芸能界は私達961プロのもの……」

    黒井「見た目はちょっぴり怖くなってしまったが、問題ない。
       これから更に改造を重ね、イケメンフェイスにさえすればそれでいいのだ」

    ミュウ『……』

    黒井「貴様はこのボールの中で、自分の子供が華麗なるアイドルデビューを果たす瞬間を見ているがいい」

    黒井「ククク……ハーッハッハ!」

    ──────
    ────
    ──

    24 = 18 :

    あいつ性別メスだったのか

    25 = 1 :

     
    数日後……

    ガチャッ

    美希「ふわぁ~……おはようございまーす……」


    春香「えへへ、本当ですか?」

    ミュウツー「ミュー」モグモグ

    『本当においしいですよ、この天海さん特製のポロック。
    思わずうつくしさが上がってしまいそうだ』

    春香「よかったぁ、頑張って本読んで練習したかいがありました!」


    美希「……」

    美希(春香とプロデューサーが、楽しそうに話してるの)

    美希(初めてプロデューサーが事務所に来て春香を助けてあげたときから、
       あのふたりはずっと仲良しなんだよね……)

    美希(……もしかして春香って、あーいう怖い系の男の人がタイプなのかな?
       春香ならもっと普通の人を好きになりそうだけど……人は見かけによらないってカンジ)

    26 = 1 :

    春香「……あっ! 美希、おはよ!」

    美希「おはよーなの。……ねぇ、春香、耳貸して」

    春香「え? なになに?」


    ヒソヒソ……

    美希「……あんまり、良い趣味じゃないって思うな」

    春香「趣味? なんのこと……?」

    美希「プロデューサーのこと、お気に入りなんでしょ?」

    春香「お気に入り、って……」

    春香「……」

    春香「……ちっ、ちち、ちがうわよ! 何言ってるの、美希!」カァァ

    美希「アハッ☆ 隠さなくてもいーの。なんとなくわかっちゃうんだから」

    春香「ちょ、ちょちょ、やめてよ、もうっ!」


    ミュウツー「……」

    27 = 1 :

    春香「もう……っていうか、私がどう思ってるかっていうのはともかく、
       見た目でそんな風に判断するなんてダメだよ。
       プロデューサーさんが優しい人っていうのは、美希だってわかるでしょ?」

    美希「うーん、そうだけど~……」

    美希(あれからプロデューサーは、あんまりミキに怒ってこなくなったの。
       毎日遅くまでみんなのためにお仕事してるみたいだし、
       悪い人じゃないっていうのはわかるんだけど……)

    美希「でも、ミキ的には、もっと肌色っぽい人のほうが良いなぁ。
       それにプロデューサー、髪の毛も散っちゃってるみたいだし」

    春香「髪の毛って……」


    ガチャリ……

    「おっはようございまーす!」

    ミュウツー「っ!」ガタッ

    『お、おはようございます、菊地さん!』

    「あ、プロデューサー! へへっ、今日も元気そうですねっ!」

    『は、はい……』


    春香美希「……あれ?」

    28 = 1 :

    「あっ、ていうかプロデューサー。なんかよそよそしく感じるし、
      ボクのことは菊地さんじゃなくて、真って呼んでくださいって言ってるじゃないですか。
      それに敬語だっていりません!」

    ミュウツー「……」モジモジ

    『そ、そうか? それじゃあ……真』

    「はいっ! なんですか?」

    『いや、特に用はないんだけど……へへ』


    春香美希「……」

    美希「……ね、春香」

    春香「な、なによ」

    美希「真くんとプロデューサー、なんか仲良いね」

    春香「……うん」

    美希「……プロデューサーってもしかして、真くんみたい子が好きだったり」

    春香「か、関係ないでしょ!」

    29 = 11 :

    ミュウツーってかしこさ向きじゃなかったか?

    30 = 1 :

    「いやーでもやっぱり、初めて会ったときとは見違えるなぁ!」

    美希(初めて会ったとき?)

    「あのときはなんていうか、荒れてたみたいだったけど……
      それが今では、スーツ着て、ボク達のプロデューサーをやってるんですもんね!」

    『も、もういいじゃないか、そんなこと』

    「へへ、そうですね! それじゃあプロデューサー、今日もバリバリ頑張っていきましょう!」

    ……

    美希「……ねぇ、真くん」

    「え? どうしたの、美希」

    美希「さっき、初めて会ったときって言ってたけど、
       真くんが会ったときはプロデューサー、今とは違ってたの?」

    「ああ、そのこと? 実はね……」

    「ボクとプロデューサーは、プロデューサーが765プロに来る前に、
      一回会ってるんだ」

    美希春香「え!?」

    「あれはいつだったかなぁ、確か、二週間くらい前……」

    31 = 1 :

    ~回想~

    チャリンチャリン

    「……好きだよ♪ 心込めて♪ 好きだよ♪ 力込めて♪」

    「うーん、やっぱり良いなぁ、このニュー自転車!
      さっすが百万円もするだけあるよね、最高の乗り心地だ!」

    「まさかそれが商店街の福引で当たっちゃうなんて、本当にラッキーだったよ」


    シャー……


    「好きだよ♪ 声をあげ──」


    ──ドガァァァァァン!!!!


    「っ!? な、なんだ!? 爆発!? あっちから……」チラッ


    パラパラ……


    ミュウツー「……! ……!」

    「……なに、あの人……?」

    32 = 1 :

    ミュウツー「……」ギロッ

    『人間……?』

    (や、やばい、目が合った! なんだかよくわかんないけど、あの人は絶対ヘンだ!
      早くここから逃げないと……!)

    ググッ……

    「……!? な、なんだ……ペダルが、重い?」

    ミュウツー「……」ミョンミョン

    「くそうっ、全然動かない……!」


    『──人間、人間人間人間……!』


    (それに、さっきからなんだよ、この頭に響く声……!)


    ミュウツー「……!」ブンッ

    ミュウツーの シャドーボール!▼

    ゴォォォォ!!


    「……うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」

    33 = 1 :

    パラパラ……

    「……ハァ、ハァ……! いつつ……」

    『……避けられた? いや、かすかに当たった。
    格闘タイプか……効果はいまひとつのようだ』

    (なんだよ、今の……!? とにかく本当にやばい!)

    「早く自転車乗って──って」

    自転車だったもの「」ボロ……

    「……」

    ミュウツー「……」

    『しかし、格闘タイプなら話が早い。サイコブレイクで──』

    「ちょっとぉぉぉぉぉ!!!!」

    『えっ』

    「じ、自転車! 壊れちゃったじゃないか!! どうしてくれるんだよ!!」

    『いや、その……』

    「ボクの大事な自転車だったんだぞ! 百万円もするんだから!!」

    『百万円……だと……?』

    34 = 1 :

    ミュウツー「……」オロオロ

    『……いや、そんなことは関係ない!
    確かに百万円は大金だけど、ここで口を封じてしまえば……』

    「フンっ!!」

    まことの インファイト!▼

    ミュウツー「ゴフッ」

    『速い……! それに、効果はいまひとつなのに……この威力……!』

    「……勘違いするなよ。ボクは、そう簡単に人に暴力なんて振るわない」

    ミュウツー「……?」

    「でも、あの爆発もお前の仕業だろ? さっきの不思議な力でやったんだな」

    『それがなんだと言う……』

    「人に迷惑をかけるお前は、悪い奴だ! それならボクは容赦しない!」

    「正義の鉄拳を食らえっ!」

    がっし! ぼか!

    ミュウツー「……!? ……!!?」

    『つ、強い……! 本当に人間か!?』

    36 = 11 :

    しかも素早さミュウツー以上か…

    37 = 1 :

     
    ……

    「ハァ、ハァ……」

    ミュウツー(瀕死)「……」

    「反省したか?」

    『お前は一体……人間じゃないのか? ポケモン?』

    「ポケモン? なに言ってるんだ?」

    『人間の力を大きく超えている……』

    「……ボクは、人間だよ。人間の、アイドルだ。
     まだ全然仕事はないけどね」

    ミュウツー「……」

    「……って、やばっ! レッスンにいかないと!
      もう悪いことするんじゃないぞ! じゃあねっ!」


    タッタッタ……


    ミュウツー「……」

    『アイドル……』

    38 :

    まこりんは可愛いなあ!

    39 = 1 :

    ~回想おわり~

    「ってことがあって」

    春香美希「……」

    高木「おそらく、そのあとだろうね。私は街中で、
       スーツを着て職を探していた彼に出会ったのだよ」

    春香「しゃ、社長!? いつの間に……」

    高木「ハハ、いいじゃないかそんなことは」

    ……

    高木「……どうやら彼は、すぐにでも大金が必要だったらしい。
       もしかしたらそれは、菊地君の自転車を弁償するつもりだったのかもしれないな」

    高木「しかし、世界は実にせまいようだねぇ。菊地君と彼との間にそんなことがあり、
       今ではこうしてアイドルとプロデューサーという関係になっているとは……」

    「へへっ、本当ですね!」

    美希「……真くん、もう怒ってないの? 自転車壊されちゃったのに……」

    「うん! 今はもう反省してくれたみたいだし……
      プロデューサーがボク達のために頑張ってくれてるのは、ちゃんとわかってるからね」

    40 = 1 :

    ミュウツー「……ミュー」

    『……皆さん、そろそろ仕事の時間ですよ。
    久しぶりのテレビの仕事、頑張っていきましょう』

    春香「はーい!」

    美希「……」


    美希(真くんの話だったら、今よりもっともっと怖い人だったみたいだけど……、
       プロデューサーは今ではミキ達のために、頑張ってくれてる)

    美希(……それって、なんでかな? なんでそんなに、変われたんだろ)


    『星井さん』

    美希「……うん。今行くの」


    美希(……あとで、聞いてみよっと)

    41 = 1 :

    ──────
    ────
    ──


    司会『……はい、ナムコエンジェルの皆さんでした!
       三人ともとっても可愛らしく歌ってくれましたね』

    司会『続いては……』


    ……


    テクテク……

    「いやぁ、やっぱりテレビの仕事って楽しいね!」

    春香「うん! でも私、ちゃんと喋れたかなぁ……
       うぅ、緊張しちゃって頭真っ白だったよ」

    「大丈夫だよ! 春香はちゃんとおしり──って、美希? どこいくの?」

    美希「あ、えーっと……ちょっと、おトイレ」

    「そ、そっか。ごめん、ヘンなこと聞いちゃった」

    美希「……すぐ戻るから、ふたりは先に行ってて!」タタッ

    42 = 1 :

    ~収録スタジオ~

    アイドル「~♪」


    美希「あ、いた……プロデューサー!」

    ミュウツー「……?」

    『星井さん? どうしたんですか、衣装のままで』

    美希「……プロデューサーこそ、何やってるの?
       もうミキ達の出番おわったのに、まだスタジオにいるなんて」

    『研究です。他のアイドルの皆さんから、少しでも技術を盗まないと』

    美希「研究? でも、見てるだけでしょ?」

    『……記憶力には、自信があるんですよ』

    ……

    美希「……ねぇ、プロデューサー」

    『はい』

    美希「プロデューサーは、どうして、ミキ達のために頑張ってくれてるの?」

    ミュウツー「……」

    43 = 1 :

    美希「真くんの自転車壊しちゃったみたいだけど……それをベンショーするため?」

    『……それもあります』

    美希「……でもそんなの、知らんぷりしちゃえばよかったんじゃないかな。
       百万円なんてお金、簡単に用意できないよ、たぶん……」

    『星井さんが私の立場だった場合、そうするんですか?』

    美希「ち、ちがうよ! ミキだって、壊しちゃったらちゃんとベンショーする!」

    美希「……でも前のプロデューサーは、今よりもっと、
       なんていうか……怖い人だったんだって聞いたの。
       そういう人って、そうするんじゃないの? 知らんぷり……」

    ミュウツー「……」

    『……確かに、真の自転車のことを無視することも出来ました。
    それに正直に言ってしまえば、私はそれほど、あのことを悪いとは思っていません』

    美希「じゃあ、なんで?」

    『……私は、人類──特にその中でも、
    アイドルという種族の人間について興味を持ったんですよ』

    44 = 1 :

    『……アイドルという存在は、圧倒的な力をもって人々を支配するものだと聞いていました』

    美希「え!? なにそれっ!?」

    『研究所で、そう教えられていたのです。そして私は──……』

    ミュウツー「……」

    美希「? プロデューサーは……どうしたの?」

    『……いえ』


    ……

    ミュウツー「みゅー……」

    『……しかしあのとき──真の拳を受ける中で、
    不思議なことが起こったのです』

    『私の中の暴力的な部分が静かになっていく……
    それはまるで、母に抱きしめられているときのようでした』

    美希「お母さん?」

    『……もう随分と会っていませんが、私は確かに覚えている。
    母の胸のあたたかさを……』

    美希(こういうの確か、マザコンっていうんだよね。小鳥が言ってたの)

    45 = 1 :

    『……本気を出してしまえば、反撃し真を傷つけることも出来たでしょう。
    しかしそのとき私には、そんなことをする気にもならなかった』

    『そして、去り際に真は言いました。「自分はアイドルだ」、と……』

    美希「……」

    『……アイドルは、私が思っているような暴力的な存在ではない。
    なぜなら私の中の「はかいのいでんし」は、真によって全て消え去ってしまったのですから』

    『だから私はその後、スーツに身を包み、アイドルに関わる仕事を探し始めたのです。
    人間の世界ではこうすることが通例だと聞いていましたから』

    『「アイドル」とは何か──その本当の存在理由を、知るために』

    美希「……そーだったんだ」

    ……

    ミュウツー「……ミュー」

    『あなた達をプロデュースし、真のアイドルといえるまで育て上げる。
    そうすることで私は、「アイドル」について深く知ることができる……』

    『それが、先ほどのあなたの質問の答えです。
    なぜ私が星井さんたちのために頑張るのか、という質問の……』

    美希「……ふーん」

    『だから結局は、自分のためですよ。ご期待に沿う答えでなく、申し訳ありませんが』

    46 :

    違うわよでお茶吹いた

    47 = 1 :

    美希「……なーんか、ムズかしいこと考えてるんだね。
       アイドルがどんな人かだなんて、そんなの、考えなくても簡単にわかるのに」

    ミュウツー「?」

    『簡単?』

    美希「そーなの! アイドルはね……」

    美希「ステージの上でキラキラ輝いて、みんなを笑顔にする人のことだよ」

    『……笑顔……ですか』

    美希「うん!」ニコッ

    ミュウツー「……、」

    美希「……あっ! プロデューサー、今ちょっと笑った?」

    『え?』

    美希「アハッ☆ もしかして、プロデューサーが笑うとこ、初めて見たかもしれないな~。
       いつもは怖い顔してるけど、笑うとちょっとだけ、可愛いんだねっ!」

    『か、可愛いって……』

    美希「そうやって、ずっと笑ってればいいの! そうしたらきっと、今よりモテると思うよ?
       どーせ彼女、いないんでしょ?」

    『そ、そう言われても……どうせ私は、タマゴみはっけんグループですから』

    48 :

    今更だが美希はおはようなの~じゃね?

    49 :

    イーブイシスターズをアイドルプロデュース!

    50 = 1 :

     
    ミュウツー「……」

    ミュウツー(無邪気に笑う彼女の姿を見ていたら、
          この顔の筋肉が、私の意志とは関係なく、自然に弛緩してしまった)

    ミュウツー(……これが、笑顔……。これが、アイドルの力)


    美希「それじゃあ、もういこ? 研究なんてつまんないことしてないで、
       みんなで事務所に帰ろーよ」


    ミュウツー(……今、少しだけ、知ることが出来たのかもしれない)

    ミュウツー(この私が生まれた理由──『アイドル』について……)


    『……はい! そうですね──』



    カツ、カツ……

    黒井「……ようやく見つけたぞ、ミュウツー……!」



    ミュウツー「っ!?」


    1 2 3 4 5 6 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS一覧へ
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : - アイドルマスター + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。

    類似してるかもしれないスレッド


    トップメニューへ / →のくす牧場書庫について