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元スレP「安価でアイドルプロデュースしてIA大賞獲得を目指す」
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P「……だから、真美の言う通りだ。きっとお前なら……俺がいなくても、大丈夫」
真美「……っ……」
P「もしも、アイドルをやめたくなったら……そのときはやめてもいい」
P「もちろん俺は……真美にはアイドルを続けて欲しいし、続けてくれると信じているけど……」
P「……なにより、真美自身がつまらなくなったなら……続けることに意味は無い」
真美「……いーの? そ、そんなこと言ったら、ホントに……」
P「ああ。だって俺は最初から……、お前達には、心から楽しんでアイドルをしていて欲しかったんだ」
P「だから俺は……最後まで、そういうプロデューサーで……そういう、真美の兄ちゃんでいたいんだよ……」
真美「……」
P「……」
真美「……兄ちゃん」
P「……なんだ?」
真美「……前にさ、兄ちゃんは……真美のお願い、なんでも一個だけ叶えてくれる、って言ったよね」
P「……ああ」
真美「ホントは、真美が十六歳になるまで取っとくつもりだったんだけど……それ、今、聞いてもらっていい?」
P「……なんでも言ってくれ。俺に出来ることなら、どんなことでもするから」
真美「……それじゃあ……」
真美「真美のこと、もっかい、ぎゅってしてくれる?」
P「……」
真美「それで……真美はホントに、オトナになるから。子どもだった真美はもう、卒業するから……」
P「……」
1 こっちにおいで
2 だめだ
>>105
P「真美……こっちにおいで」
真美「……」
P「……」
ぎゅ
真美「……えへへ。兄ちゃんの体って、やっぱ大きいね」
P「……そうか?」
真美「うん……真美もいつか、兄ちゃんみたいにでっかくなれるかな」
P「……きっと真美なら、俺くらい、すぐに追い越せるさ」
真美「そうかな」
P「そうだよ……俺が今まで、真美にウソついたこと、あったか?」
真美「いっぱいあったよ……んっふっふ~。あのときも、その前も……」
P「……そ、そうだな」
―――
P(そのあとしばらく……俺に肩を抱かれながら、真美は静かに泣いていた)
P(大人と子どもの境目を、行ったり来たりして……時には、迷いそうになることもあるけれど)
P(きっと、真美ならもう……大丈夫だ)
真美「……兄ちゃん。ついでに、もう一個お願い!」
P「しかたないな……なんだ?」
真美「あのね、兄ちゃんが帰ってきたら……またいっぱい、遊んで?」
P「……もちろん、約束するよ。それまでに真美が成長しすぎて、俺と遊ばない、なんて言わないかぎりな」
真美「んっふっふ~! オトナになっても、それはベル薔薇だから心配ないよっ!」
P「あはは……別腹、な」
P(雪歩、真美、あずささん……これで、全員だ)
P(全員に、隠していたすべてを話して……みんな、俺のハリウッド行きのことを納得してくれた)
P(……明日から、もう一度リスタートだ。そして、最後まで……!)
【ある日の風景10 おわり】
【活動50週目 首都エリア/ドーム 朝】
P(真美と話をした、あの日から……一ヶ月の時間が経った)
P(その間、俺達は営業もそこそこに、ひたすらにレッスンを重ね……)
P(今日この日のために、準備を重ねてきたのである)
P(そして、ついに……本当の本当に……! この日がやってきたんだ!)
P「みんな……、気合入れていくぞ!」
みんな「はいっ!」
P(今日は……待ちに待った、ドームでのコンサート……!)
【舞台袖】
雪歩「……」チラーリ
ざわ……
ざわ……
雪歩「うう……ひ、人があんなに……ぷ、プロデューサぁ~……」パタパタ
P「どうした、こわいのか? ……って、こんなやり取り、前にもした気がするな」
雪歩「そ、そうでしたっけ? あの……こわくは、ないですけど……」
P「……チケットは全部、即日完売した。つまり今日のライブは、満席ってことだ」
P「4万人を越えるファンに囲まれても……本当にこわくはないか?」
雪歩「……はい! でも……なんだか、胸がドキドキしちゃって」
P「……」
雪歩「ソワソワするんですぅ。いても立ってもいられなくて、早く舞台に立ちたい、って……」
P「……」ワッシャワシャ
雪歩「え、え? な、なんであたま……」
P「雪歩……でっかくなったなぁ……俺は嬉しいよ……!」
P「さて……」
P(みんな、もう準備は万端のようだ)
P(歌もダンスも、今日この日まで、完璧にこなせるようにレッスンを重ねた)
P(あとは、開演を待つだけ……三人とも、集中してその時を待っている)
P「……」ソワソワ
P「……いかんいかん。俺自身がソワソワしてどうする。し、しかし……」
P(なんだか、落ち着かないな……誰かに、話しかけてみようか?)
1 雪歩
2 真美
3 あずさ
4 誰にも話しかけない
>>122
P(雪歩に、話しかけよう)
P「……雪歩」
雪歩「は、はいっ! なんですか?」
P「何か、心配はないか? 忘れ物はないか?」
雪歩「えっ、わ、忘れ物……ですかぁ?」
P「衣装は着たか? ダンスは覚えているか? ハンカチは、ティッシュは?」
雪歩「ティッシュ!? う、うう……わ、忘れちゃいましたぁ……」
P「そ、それはいけない! ほら、このティッシュを持って」スッ
雪歩「あ、ありがとうございます! ……あれ?」
P「ど、どうした?」
雪歩「ティッシュって……いつ使うんですか?」
P「……」
P「……使わないな」
雪歩「そうですよね……」
P「す、すまん。いや、なんだか、落ち着かなくて……動転していたみたいだ」
雪歩「……えへへ」
P「な、なんだよ……」
雪歩「なんだか、いつもと逆で……プロデューサーの方が慌ててるのが、嬉しくて」
P「う、嬉しい? なんでまた」
雪歩「プロデューサーの、そういう一面を見れたから、嬉しいんですぅ」
雪歩「私は……プロデューサーのことなら、なんでも知りたいんですから」
P「……」
P(将来雪歩の旦那になる人は……きっとこの子に頭が上がらなくなるんだろうなあ)
P(……ん? 旦那? なんかそれを想像したら、腹が立ってきたぞ)
雪歩「プロデューサー?」
P「あ、ああ。なんだ?」
雪歩「私達なら心配ありません。だって今日この日まで……ずっとずっと、頑張ってきたんですから」
P「……そうだな」
雪歩「それはプロデューサーが一番よく知ってくれているはずです。だから……」
雪歩「今日は安心して、見ていてくださいっ! ゼッタイ、ゼッタイ成功させてみせますから!」
P(そう言って、雪歩はみんなの元へと走っていった)
P(いつだって怖がりで、泣き虫だった雪歩は……もういないんだな)
P(……いけないいけない。泣くのは、ぜんぶ終わってからだ!)
―――
スタッフ「皆さん、そろそろ本番なので、準備をお願いしますっ!」
みんな「はいっ!」
P「……みんな、これが、俺達全員でやる最後のライブだ」
真美「兄ちゃん兄ちゃん! 最後、じゃないっしょ~!」
あずさ「ええ、そうですよ。これから先も、私たちはずっと……でしょう?」
雪歩「……プロデューサーは、これから先もずっとずっと……たとえ離れていたって」
みんな「「「私達の、プロデューサーです!」」」
P「……っ……み、みんな……!」
ゴシゴシ
P「あ、ああ! そうだなっ!」
―――
雪歩「……みんな、気合を入れていきますぅっ!」
真美・あずさ「「はいっ!」」
雪歩「プロデューサーに、見せてあげましょう! 私達の成長した姿を……!」
真美「兄ちゃんが、真美達のこと、忘れらないくらいにっ!」
あずさ「ふふっ、すぐに帰ってきたくなっちゃうくらいにっ」
雪歩「日本での……、最高の思い出にしてあげるんですっ!」
あずさ「3!」
真美「2っ!」
雪歩「……1!」
「「「765プロぉー……ファイトぉー!!!!」」」
ワー ワー
雪歩「……」
雪歩(輝いたステージ……私たちのためだけに来てくれた、ファンの皆さん……)
トクン トクン…
雪歩「……」スッ
雪歩(体が軽い……でも、こんな気持ちは……、初めてじゃない)
雪歩(これまで、何度も味わってきた……この気持ち。楽しくて、ワクワクして……)
雪歩(……もう本当に、何もこわくない。だって、私には……)
真美「~♪」
あずさ「……」ニコッ
雪歩(……仲間がいるから……。そして……)
雪歩(これまでみんなで歩いてきた、この道があるから!)
スゥ……
……―― ARE YOU READY!! I'M LADY!! 始めよう ――……
ワァァアアアア!!!
―――
P(……ライブが、終わった)
ヴーン……
……タタタタッ
雪歩「……っ……んっ……はぁっ、はぁっ! ぷ、プロデューサーっ!!」
真美「兄ちゃんっ! 兄ちゃん兄ちゃん! 見てた!? 見てくれてた!?」
P「ああ、ああ! 見ていたぞ……最高のステージだった、みんなっ!!」
あずさ「ふ、ふふっ……とっても楽しかった、です~……!」
P「こんなに、こんなに素晴らしいライブが出来るなんて――
ワァァァアア!!
P「っ!」
アンコール! アンコール!
P「すごい……アンコールの声が、まだ鳴り止まない……!」
雪歩「……プロデューサーっ! 私達、まだやれますっ!!」
P(……どうする? 無理は禁物だけど……)
真美「兄ちゃん! 悩んでる場合じゃないっしょ!」
あずさ「ファンの方達は、今も待っていますよ~?」
P「……」
P「……わかった! みんな行ってこいっ!!」
みんな「はいっ!!」
P「それじゃあ、アンコールの曲は……」
雪歩「……それはもうっ、決まってますぅっ!」
P「ええ!? そんな、勝手に……」
雪歩「いいえ、決めましたっ! 私が……、私があのときプロデューサーに言った、あの歌をっ!」
P「……5thシングルのときのことか? でもあれは、まだ完成していないって……」
雪歩「千早ちゃんとか、作曲家の方とか……もう、たっくさん、たっくさんの人に協力してもらって、完成させたんです!」
P「……まったく、とんだサプライズだよ」
雪歩「……っ」
P「歌は大丈夫なのか? 振り付けは?」
雪歩「ばっちりですぅ! みんなで秘密特訓していましたからっ!」
P「……よし、わかった! それなら……行ってこいっ!」
雪歩「! は、はいっ!」
たったった……
P「……雪歩っ!」
雪歩「な、なんですかっ?」
P「行く前に……歌のタイトルを、教えてくれっ!」
雪歩「……タイトルは……」
雪歩「 『 i 』 ですぅっ!!」
―――
雪歩「……」
スゥ……
―――――――――――――――――――――――
新しい服 着替えて出掛けよう
―――――――――――――――――――――――
ワァァァアア……!!
ファンA「……って、あれ?」
―――――――――――――――――――――――
靴も鞄も 買いたて下したて
―――――――――――――――――――――――
ざわ……
ざわ……
―――――――――――――――――――――――
青い空には 太陽眩しいな
―――――――――――――――――――――――
P(……な、なんだ?)
―――――――――――――――――――――――
人目気にせず 歌でも口ずさもう
―――――――――――――――――――――――
P(伴奏が……流れていない?)
P(雪歩達、アカペラで歌って……まさか音響のトラブルか!?)
P「どうする……!?」
1 止める!
2 とぅどぅけさせてください!
>>152
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