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元スレP「安価でアイドルプロデュースしてIA大賞受賞を目指す」
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雪歩「うえぇええん!」
冬馬「……チッ! これだからホント、女はめんどくせーぜ……」
真美「……泣ーかした……」
P「泣ーかした、泣ーかした……」
あずさ「せーんせーに、言ってやろ♪」
冬馬「あああもうなんなんだよっ! マジでめんどくせー奴らだなっ!!」
P(よし、冬馬のペースを乱すことに成功したぞ……トドメだ……!)
1 俺達の意気込みを語ってやろう!
2 もうちょっとおちょくってやろう!
3 その他
>>509
P(俺達の意気込みを、語ってやろう!)
P「……いいか冬馬、よく聞け」
冬馬「ああ? なんなんだよ……」
P「今、この雪歩が言った通りだ……俺達だって、このIA大賞、本気でやっている」
冬馬「……」
P「団結する、力を合わせる……以前冬馬は、俺達のこのやり方が甘いと言ったな」
P「もちろん、君には君のやり方、考え方があるだろう。しかし、そんなこと知ったことじゃない!」
P「何も知らない君に、とやかく言われる筋合いはない! それでも、まだ気に入らないと言うのなら……」
P「俺達は俺達のやり方で、絶対に君を倒してみせるっ! そして……!」
雪歩「と、トップアイドルに……、なってやりますぅううっ!!」
冬馬「……フンッ! だったら、見せてみやがれ。お前らの団結って奴をな」
冬馬「俺はそれを、今まで通り……力でねじふせるだけだっ!」
冬馬「ハーッハッハ!」
P(……という捨て台詞を残して、冬馬はそそくさとこの場を去っていった)
―――
雪歩「う、うう……」
P「雪歩……よく言ったな。こわかっただろう?」
雪歩「こ……、こわくはなかったです……でも、私、なんてこと……」
P「……」
雪歩「あ、あのっ、私、みんながバカにされたとき、なんだか胸がかーってなっちゃって……!」
雪歩「気付いたら、泣きながら、あんなこと言ってて……うぅ、こんなの、私じゃないみたいですぅ……」
P「……あれでいいんだよ。お前達の真剣な気持ち、アイツにも少しは伝わっただろう」
P(雪歩、お前はもう……、自分のためだけじゃなくて)
P(誰かのために泣いたり、怒ったり……そういうことが出来る女の子に、成長したんだな)
―――
千早「……」
P「やあ、千早。調子はどうだ?」
千早「……あ、プロデューサー。調子は……大丈夫です、問題ありません」
千早「ただ……」
ゴロゴロ…
P「やっぱり、この天気が気になるか……」
千早「はい……中止になったり、しないといいんですけど。せっかく巡ってきたチャンスですから……」
P「……」
P(千早の瞳、そして言葉から……このフェス、本気で勝つ気でいることがひしひしと伝わってくる)
P(この子は意外と、こういう熱いところがあるんだよな……)
―――
スタッフ「如月千早さん! そろそろ時間なので、お願いします!」
千早「はい!」
スタッフ「お隣のステージでは、天ヶ瀬冬馬が本番の準備に入っています」
スタッフ「向こうに負けないくらい、ステージを盛り上げて下さいね!」
P「よし、それじゃあ……みんな!」
雪歩・真美・あずさ「はいっ!」
千早「……?」
雪歩「えへへ……今から千早ちゃんに、私たちの力……、ちょっとだけ分けてあげるね」
千早「……萩原さん……」
雪歩「わ、私の力なんかじゃ、頼りないかもしれないけど……私達、一生懸命、応援してるから」
千早「……ふふっ、ありがとう」
雪歩「それじゃあ……行くよっ!」
雪歩「みんなっ! 気合を入れていきましょうっ!」
真美・あずさ「はいっ!」
あずさ「3!」
真美「2っ!」
雪歩・千早「「……1!」」
「「「「765プロー……ファイトぉー!!!」」」」
【フェス ODYSSEY (如月千早 VS 天ヶ瀬冬馬)】
千早「……」
スゥ…
千早(みんな……ありがとう)
目と目が逢う 瞬間 好きだと気付いた――
ワァァァ!!
千早(私には、歌しかない……アイドルなんて、歌を歌うための、ただの手段だって、そう思ってた)
あなたは今 どんな気持ちでいるの――?
戻れない二人だと 分かっているけど――
千早(でも……あなた達は、変わった。そして私に、教えてくれた)
千早(あの頃の、くすぶっていたあなた達は、もういない)
少しだけこのまま瞳 そらさないで――
千早(変えたのは、きっと……)
千早(……私も……もう少し早く、あなたと出会っていれば……)
P「千早っ! がんば――
ピカッ!
P「っ!」
雪歩「ひぃっ!」
……ピシャーン!! ゴロゴロ……
ザァアア…… ザァアア……
P「くそっ、本格的に降ってきた……! だが……」
ワー ワー!
キャー!
P(……まだ、終わらない! 千早のファンも、冬馬のファンも……まだまだ歌を聴きたがっている!)
冬馬「キミヲミウシナウ……」
冬馬(……なんだってんだ……アイツ……如月千早!)
ワー ワー!
冬馬「ギルティ……」
冬馬(この悪天候の中、あれだけの歌を……くそっ、こっちのステージと五分五分の盛り上がりじゃねーか!)
冬馬「コ・エ・ノ~♪ トドカナイ メイロヲコ・エ・テ――
ピカッ!!!
冬馬「――っ!!」
ドォオオオン……!!
真美「ね、ねえ兄ちゃんっ! いま、雷があまとうに落ちなかったっ!?」
―――
ピンポンパンポーン
『……悪天候の為、本日のフェスは終了となります……』
『……チケットの払い戻しについては……』
冬馬「……チッ……ついてねえぜ」
P「冬馬、大丈夫か? なんか、髪がアフロみたいになってプスプスしてるけど」
冬馬「なってねえーよ嘘つくなっ! ったく、近くに落ちたくらいで皆騒ぎすぎだっつーの……」
千早「……」
冬馬「おい、あんた……如月千早、だっけ?」
千早「ええ……」
冬馬「……お前の名前は覚えとく。決着は、また今度だ」
P「ふん……命拾いしたな」
冬馬「は? あんた何言ってんの?」
P「……あのままやっていたら、負けていたのはきっと君の方だ。違うか?」
冬馬「んなわけねえだろ! っていうか、如月はあんたのユニットじゃないのに、そんな偉そうにするんじゃねえっ!」
P「うぐっ……ま、まあそうだが……」
冬馬「だが、ま、少しは楽しめたよ……今度は、全力で相手をしてやる」
P「今日は全力じゃなかったとでも? そんな子どもみたいなこと――
スタッフ「すみません天ヶ瀬さん! いやあ、雷のこともそうですけど、
直前に雨でステージのスピーカーが壊れてしまうなんて、完全にこちらのミスです!
お怪我はありませんか? これじゃあきっと、全力を出し切れませんでしたよね!
なんと言ってもスピーカー片方しか動いてなかったんですから! 多分50%の力しか出せなかったはずですよね。
もう一度言いますけど、なんと言ってもスピーカー片方しか壊れちゃってたんですから!
本当、申し訳なかったです! それじゃ、私はここらへんで……」
P「……」
冬馬「……そういうこと。今日の俺は、50%の俺だったんだよ!」ドヤァ
―――
P(50%の俺、か……何言ってんだアイツ)
P(まあ、それはともかく……フェスが終わり、ようやく俺達はひと段落ついたところである)
千早「……」
雪歩「千早ちゃん……」
真美「うあうあー! 雷ゴロゴロしてなかったら、ゼッタイゼッタイ、あまとうに勝ってたのにーっ!」
あずさ「本当よね~……残念だわ……」
P(みんな、それぞれ思うところがあるよな……誰かに、今の気持ちを聞いてみよう)
1 雪歩
2 真美
3 あずさ
4 千早
>>532
P「千早……残念だったな」
千早「……はい。正直、悔しい気持ちはあります」
P「あのままやっていたら、きっと千早は勝っていたさ。そう気を落とすな」
千早「ありがとうございます、プロデューサー……でも私、それほど気落ちしているわけでは、ありませんよ?」
P「え?」
千早「むしろ……どちらかと言えば、高揚しているくらいです」
千早「あんなに楽しい気持ちで歌えたのは……、随分と、久しぶりのことでしたから」
P(久しぶり……か)
千早「……この悔しい気持ちは、もっとステージに立っていたかった、という思いからです」
P「今までは、そんなに楽しくなかったか?」
千早「そういうわけではないですけど……」
P「……」
千早「……いえ、やっぱり、そうかもしれませんね」
千早「今日、私は生まれて初めて、アイドルとして歌っていた……そんな気がします」
千早「萩原さん達には、感謝しないといけませんね」
P「ステージ前の、あの掛け声か?」
千早「ええ……ユニットを組んで、アイドルをするということ……」
千早「それが、どれだけ心に温かさを与えてくれるか……教えてもらえました」
P「……」
千早「ふふっ。あのとき、美希の誘いも……、断らなければよかったかもしれません」
P「……え? 美希?」
千早「あ、聞いていませんでしたか? 私、美希に……ゼノグラシアに入らないかって、誘われていたんですよ」
P「そ、そうだったのか!?」
千早「はい。でも、あの頃の私は……」
千早「プロデューサーもいないのに、女の子たちだけで組んでも、何も得られないと思って……断ったんです」
P(そういう経緯があったのか……確かにヴォーカルでは、千早に匹敵する子はいないもんな。……春香には、少し悪いけど)
P(ここは……ずっと気になっていた、これを質問するしかないな!)
P「千早……少し聞きたいことがあるんだけど、いいかな? 大事なことだ」
千早(真剣な目をしている……)
千早「……はい。なんでしょうか?」
P「お前は……俺達に黙っている、秘密があるだろう?」
千早「っ……な、なんのことですか」
P「いつも俺達を欺いているわけではない。そう、それは……ステージの上に立っているときだけだ」
千早「……すっ、すみません、なんのことだかさっぱりで……」
P「本当は、気付いているんだろう? 俺が72を言いたいかということに」
千早「……」
P「千早、お前は……ステージ衣装を着ている、そのときに……」
P「……胸に、詰め物をしているな?」
千早「!!!!!」
つまり詰め物をしたことにより胸が圧迫されてそのせいで千早も本気を出せていなかった
そう言いたいんですねプロデューサーさん
そう言いたいんですねプロデューサーさん
千早「つ、詰め物? なんですか、何を詰めるって……」
P「わかりやすく言ってやろうか? それは……パッドだ」
千早「……っ……。し、心外ですっ! 私がそんなこと、するわけ――
P「おかしいと思っていたんだよ」
千早「……」
P「激しいダンスを踊ったら、そりゃあ、胸が揺れるときもあるだろう。だがな……」
千早「そ、そういうところしか見ていないんですか? そんな話なら、わ、私はもう、帰らせてもらいますっ!」
P「まあ落ち着くんだ……冷静になって聞いてくれ。大事なことだ、って言っただろう?」
千早「……」
P「……話を戻そう」
P「どれだけ激しい踊りを踊っても、地震が起きようとも……揺れないものが、この世にはたったひとつだけあるんだ」
P「揺れたらおかしい。何か……違和感を覚えてしまう。……それは……」
P「千早の胸だ」
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