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    元スレ伊織「メロディーズ・オブ・ライフ」

    SS覧 / PC版 /
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    みんなの評価 :
    タグ : - アイドルマスター + - 美希「イッツ・マイ・ライフ!」 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    151 = 5 :

    私がどんな感情を抱いてようと、季節は勝手に巡る
    高校1年生のとき、竜宮小町と千早は紅白に呼ばれた
    その発表があった日、765プロに所属してから初めて、パパから仕事の話を聞かれた

    「さすがは私の娘だ」

    そんな言葉にも、腹は立たなかった
    だって、ずっとアイツの姿を見てきて学んだから
    『自分の責任』を果たしてる人の尊さを
    パパは水瀬グループのすべてと、私たち家族に対する責任を果たしてる
    それに比べたら、パパに対する私の思いなんてちっぽけなもの

    もう、『パパの娘』って呼ばれても気にならない
    自分に自信が無い人ほど、「自分は自分」って言いたがる
    だから私は、なんて呼ばれようと、もう気にしない

    153 = 133 :

    154 = 24 :

    155 = 5 :

    高校2年生の夏休み
    多忙なみんなのスケジュールを調整して、2泊3日で海の見える温泉に行った

    「伊織ちゃんは、プロデューサーのことが好きなんでしょ?」

    やよいと2人て夜の砂浜を歩いているとき、いきなりそう言われた

    「なんでそう思うの?」

    「うーん……親友だから、かなぁ?」

    いつの間にか私と同じくらいの身長になったやよい
    もう、あの口癖を聞くことは無くなった
    だけど私たちは、あの頃と何も変わらない

    「うん。アンタと同じくらいにね」

    「えへへー」

    そのあとやよいと手を繋いで歩いた夜の砂浜には、波の音だけが満ちてた

    157 = 145 :

    158 = 5 :

    いまから3ヵ月前の、高校最後の冬休み
    学校の友達たちと、夜の教室に忍び込んだ
    持ち寄ったお菓子をほうばりながら、朝までとりとめの無い話をしてた

    そこにも確かに、私の仲間がいた
    765プロとは別のストーリーがあった

    それはアイツややよいや竜宮小町と同じくらい、大切なもの
    私の人生を豊かにしてくれた人たち

    159 = 144 :

    160 = 5 :

    そして今日
    高校を卒業して、最初の土曜日
    私たちの新しいストーリーが始まろうとしていた

    「4年半経つのね」

    「そうだな。一瞬だった気がするよ」

    3月の柔らかな風に包まれながら、私たちは事務所の屋上にいた
    この人は明日、アメリカに旅立つ
    プロデューサーとして、もっと上を目指すために
    2年間という期間も、きっとあっという間
    だけどその前に、私には伝えなきゃいけないことがある

    161 = 145 :

    162 = 5 :

    「最初の日の約束、覚えてる?」

    「うん。途中からは、なんの手助けもしてやれなかったけどな」

    「それは仕方ないわ。私は…覚えててくれただけで嬉しい」

    『なろう。トップアイドルに』

    あの日そう言ってくれたから、いまの私がある
    まだ頼りなかったこの人と、子供だった私
    いまは2人とも、少しだけ大きくなれた

    まだまだトップアイドルとは呼べないけど、目の前に高い山があるのは、きっと良いことだから

    165 = 5 :

    「帰ってきたら……」

    「うん」

    「もう一度、約束するところから始めましょ?」

    「うん」

    「何も成長してなかったら許さないんだからねっ!」

    「うん、分かった」

    いつの間にか握りしめ合ってた手が、スッとほどけた
    そして私は、あの日の胸の中で言えなかった大切な言葉を、あの日と同じ胸の中で言った

    「私は、アンタのことが好き」

    2人を包んだ3月の風は、どこまでも優しく、柔らかかった

    166 :

    俺も好き

    168 :

    俺も俺も

    169 = 5 :

    慌ただしい毎日の中で、私はけっこう幸せ
    素敵な仲間と、帰りを待つことができる人がいるから

    「伊織ちゃん、お待たせ!」

    「アンタねぇ……免許取ったのは良いけど、ホントに大丈夫なんでしょうね……?」

    「大丈夫だよ!無事故無違反だもん!」

    「免許取り立てなんだから当たり前でしょう!
     つーか、ホントに助手席に乗らなきゃダメ?」

    「うん!ダメ!」

    相変わらずこの笑顔には弱いのよね、私……

    「ちゃんとシートベルト締めてね?」

    「当たり前よ!自殺願望なんてないんだからっ!」

    やよいの運転する車がゆっくりと動き始める
    窓からは、5月の香りが流れ込んできた

    171 = 5 :

    「ノンストップで行ってみーましょ って思ったらまた赤信号」

    車の中響く、やよいの歌声

    ゆっくりゆっくりと走る車の中で、いつしか2つの歌声が重なり始めた

    「ゴーマイウェーイ!ゴー前へー! ガンバーってゆっきましょ!」

    雲も時間も、車に負けないにくらいゆっくりと流れてる
    あんまり急ぎすぎると、アイツを置いていっちゃうかもしれないから
    だからいまは、このままゆっくりと……

    あの日から始まった、私たちのストーリー
    私を幸せにしてくれる、いくつものメロディー


    お し ま い

    172 = 5 :

    終わり
    短いのにやたら時間かかってすいません
    支援してくれた人たち、ホントにありがとう!
    読み返してきます

    175 = 68 :

    >>1
    長時間の投下、本当に乙です!
    感謝と共に志宴。(あ、竜宮成分を入れてなかtt)

    176 :

    乙!
    きれいな話っていいな

    177 = 125 :

    乙でした

    178 :

    乙!
    こういう細かい心情が描かれてるSS好きです

    181 :

    おつ

    183 :

    ぉっ

    184 = 74 :

    おつ

    えがったえがった

    185 :

    おつ

    186 = 5 :

    >>175
    ひょっとして描いて下さったんですか?
    ありがたく保存させていただきます

    187 = 185 :

    >>175
    まーた神が現れたか

    188 = 74 :

    >>175
    短時間の1つのSSにここまで良い絵が描けるとは…良い文章には良いものが集まるな

    189 = 68 :

    >>186
    いつかまこりんを…!期待して待ってます。
    ありがとうございました!

    190 = 5 :

    >>24 >>107
    遅くなったけど、書き終わったので過去作を

    春香「イン・マイ・ライフ」
    美希「イッツ・マイ・ライフ!」
    雪歩「ライフ・イズ・ビューティフル」

    です

    191 :


    全員分やるの?

    192 = 28 :

    おつん
    今までのも読んでます
    次も楽しみです

    193 = 33 :

    >>175
    またお前か(いい意味で)

    194 :

    乙! よかったよー!

    195 = 14 :

    おつ

    197 :


    >>175も可愛い


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