元スレ伊織「メロディーズ・オブ・ライフ」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
101 = 68 :
続きが楽しみ。
志宴
102 :
バイト行ってくるから落とすなよ支援
103 = 84 :
問題ない
続けてくれ
104 = 5 :
再開します
支援してくれてる人、心から感謝!
105 = 49 :
あずさと千早って一緒に暮らしたことあったっけ?
106 :
>千早とは一時期一緒に住んでたこともある
普段、アイマスSSで使われないようなちょいマニアック(でも無いか?)なネタまで使うとはなかなかやるな
これは支援せざるを得ない
107 = 100 :
>>1の他のスレタイって晒せない?
108 = 5 :
「おっ、伊織!また雑誌インタビューの申し込みがあったぞ!」
あれ以降、毎日のように仕事やオーディションのオファーが届くようになった
内容は様々だし、ごく小さな仕事もあったけど、着実にステップアップしてるのが自分でも分かったわ
だけどまだまだ通過点
ここで油断したら、すぐに落ちていってしまうってことも分かってた
「驕れる者久しからず」ってやつね
765プロ自体の業界内での知名度も着実に上がっていて、仕事先での扱われ方も変わってきてた
最初のころはヒドかったんだから
オーディションの順番がいつも最後の方だり、スタッフの対応も適当だったりね
109 = 106 :
>>105
MA05で千早が「あずささんと一時期同棲してたんだけど…」と言ってる
犬がどうとか言ってるけど、実際はあずささんと犬の関係は「実家で飼っているけど、一人暮らしの今は飼ってない」と別で言っていてこの辺は曖昧
110 = 94 :
いおりん支援
111 = 5 :
「自分、我那覇響っていうんだ!沖縄出身で特技はダンス!よろしくね!」
「四条貴音と申します。素性を明かすことはできませんが、よろしくお願いいたします」
5月1日
765プロにまた新しい仲間が加わった
2人とも別な事務所に所属してたみたいだけど、いろいろあって移籍してきたみたい
社長の昔の同僚が経営してた事務所らしいけど、あんまり良い噂は聞かなかったのよね
「あら~。可愛いハムスターちゃんね~」
「へへー!ハム蔵っていうんだ!」
「ぢゅう!」
「なんだか、春香さんの声と似てますぅ!」
「そ、そうかな?『ぢゅう!』」
「あはっ。ホントそっくりなの!」
さっそく馴染んでたのを見て、一緒にやっていけるって確信した
113 = 5 :
「伊織ちゃん、お誕生日おめでとう!」
5月5日
私の15歳の誕生日
やよいの声のあとに、15本のクラッカーの音が続いた
「お、大げさなのよアンタたち!ただの誕生日じゃない!」
「おやおや~。15歳になっても、いおりんは素直じゃないですな~」
「う、うるさいわよ亜美!」
「ふふ。真、賑やかな事務所ですね、ここは」
「うん!前のとこじゃ考えられないよ!」
他の事務所のことは分からないけど、ここが特別だってことはよく分かってるわ
765プロじゃなかったら、この中の半分くらいはアイドルを諦めてたかもしれないもの
115 = 5 :
「みんな、ちょっと良いかしら?」
誕生日パーティーが盛り上がってる中、律子が私たちの前に立った
「今日はおめでたい席だから、それに便乗させて貰うわ」
ケーキの載ったお皿やグラスを持ったまま、私たちは律子の声に耳を傾けた
「このたび、私が専任プロデューサーとなって新ユニットを結成することになりました
メンバーは3人で、もう決めてあるわ」
おお、っていうどよめきを片手を挙げて制して、律子が続ける
「これから名前を呼ぶ3人は、前に出てきてちょうだい」
みんながお互いに顔を見合わせてたっけ
116 = 5 :
「まずは、本日の主役でもある伊織」
「えっ?私?」
みんなの視線が自分に集まるのを感じながら、律子に促されるまま前に出た
「伊織にはこのユニットのリーダーを任せるつもりよ」
「リ、リーダー!?つーか、もうそんなことまで決めてんの?」
「当然よ。2人目のメンバーは、あずささん!」
「わ、私ですか?」
キョトンとした顔で自分を指差してるあずさを、律子が笑顔で手招きした
118 = 5 :
「そして3人目は……亜美!」
「えっ?亜美?」
「そうよ、アンタよ。ほら、前にいらっしゃい」
こうしてみんなの前に並んだのは、個性バラバラな3人
もっとも、その『バラバラ』こそが律子の狙いだったってことが、あとになって分かるんだけどね
「伊織をリーダーとしたこの3人で、これからはユニットとして活動をしていくわ
ユニット名は……『竜宮小町』!」
……正直言うと、律子ってあんまりネーミングセンス無いわよね
ユニット名の理由が、
「名字に『水』に関係した漢字が使われてるから」
って聞いたときは、なおさらそう思ったわ
119 = 5 :
パーティーのあと、3人であらためて活動方針についての説明を受けた
「伊織をリーダーにしたのには2つ理由があるわ
1つ目は、純粋にリーダー向きだとおもったから」
「2つ目はなによ?」
「現時点で一番名前が売れてるから」
「それってつまり……?」
「そう。アンタの名前に乗っかるってこと
もちろん、最初だけね」
……敵に回したくないタイプよね、律子って
目的のためなら徹底してリアリスト
それに加えて、自分が嫌われることなんて何とも思ってない
他の2人が聞いてる前で、あえてそれを言っちゃうんだから
もちろん、ハッパをかけるためなんだろうけどね
122 = 5 :
「実は、3人コスチュームも発注済み。デビュー曲も候補曲の中から絞り込んでるところよ」
「うふふ。律子さん、私たちが辞退するかもなんて、思ってもいなかったんですね?」
「ふふ…はい。辞退するメリットも無いでしょうし」
「亜美はちょっと不安だよ……」
「大丈夫よ。アンタは竜宮のメンバーとしてやっていける
真美だってちゃんと1人で活動していけるわ。強い子だもん」
「うん…そだね。亜美、頑張るよ!」
私もユニット活動自体に不安は無かった
だけど……
アイツとの『約束』はどうなっちゃうんだろって、そのことばっかり考えてた
最初の日に交わした、あの約束のことを……
124 = 5 :
それから3日後、竜宮小町のコスチュームが事務所に届いた
『水』に関連しているユニット名らしく、青と白を基調とした可愛らしいコスチューム
「いいなぁ。ミキもこういうの着たいの」
「私の名字にも『海』って漢字が入ってるんだけどなぁ…」
どうやら、美希と春香は竜宮小町に入りたかったみたい
でも、入らなくて正解だったと思うわ
どう考えてもソロ向きだもん、2人とも
「あ、あずささん、その髪は!?」
真の声に入り口の方を振り返ると、腰まであった髪をショートカットにしたあずさが、照れくさそうに立ってた
「うふふ。『髪を短くすると若く見える』って聞いたから~」
十分若いんだけどね、あずさも
亜美と一緒じゃ、気にするなってのが無理なのかもしれないけどさ
125 :
しえん
126 :
いおりん支援
127 = 5 :
竜宮小町のデビューは『水』無月の6月半ばに決まった
「『水無』月 じゃダメじゃない?」
って意見もあったけど、15分ほどの討論の結論、「ま、いっか」って結論に達したのよね
まぁ、真剣に議論するようなコトでも無いしね
そこから逆算して、翌週からはデビューシングルのレコーディングも始まった
タイトルは『SMOKY THRILL』
小悪魔で小生意気で小粋な、竜宮小町のテーマ曲
レコーディングはスムーズだったんだけど……
ダンスレッスンのときの律子の鬼軍曹っぷりったら、ちょっとしたトラウマレベルだわ
128 = 5 :
自分たちのことに精一杯だったせいもあるけど、アイツとの『約束』のことを考えてる余裕は無かった
つーか、アイツとまともに話す機会もなかったし
まぁ、あっちはあっちで9人の面倒を見なきゃいけないワケだし
しかも売れる前だったあの頃とは違って、『それなりに仕事のある』9人のね
「お疲れさま」
「おう!気を付けて帰れよ!」
たまに挨拶をするときも、デスクに積み上げられたら書類に目を落としたままだった
何か言おうとして立ち止まっても、やっぱり何も言えなかったのよね、私は
129 = 5 :
『次のリクエストは、PN「しそっぱ」さんから。現在着実にヒットチャート上昇中。 竜宮小町で、SMOKY THRILL』
三者三様の個性が受けたというべきかしら?
竜宮小町はどんどん知名度を上げていった
自分で言うのもアレだけど、最初は『水瀬伊織と他2名』って扱いを受けることも多かった
だけどデビューから1ヵ月も経つ頃には、3人それぞれの個性に光が当たるようになってた
この辺りは、律子の慧眼を素直に讃えるべきよね?
130 = 28 :
しえん
131 = 5 :
「では行ってきます。明後日の夜には戻りますから」
知名度が上がるにつれて、都外への泊まりがけの仕事も増えてきた
長いときで3日ほど事務所に顔を出せないこともあったっけ?
もっともいまは、半月近く日本から離れちゃう仕事も入ってきたりするんだけどね
だけど当時の私には、3日の『留守』も物凄く長く感じられた
その頃になるとさすがに気付いてたのよね
自分の抱いてる『感情』が何なのか、ってことに
もちろん、アイツに対する、ね
132 = 125 :
いおりんは本当にかわいいなぁ
133 :
しえん
134 = 23 :
いおりん支援
135 = 5 :
あっという間に中学校生活最後の夏休みが過ぎて、9月も半ばを迎えた頃
竜宮小町としてだけじゃなく、3人それぞれに個別の仕事も入ってくるようになってた
もちろん竜宮の仕事も順調に増えてたから、アイツと話す機会はますます減ってた
アイツもアイツで忙しそうで、765プロ全体が上昇気流に乗ってたわ
なんせ、事務所にエアコンが取り付けられたんだから!
そういえばついでに、ソファーとテレビも新しくなったっけ
要するに、私の『個人的な感情』以外は、すべてが上手く回り始めてた、ってワケ
そんな中で私1人がワガママ言うわけには行かないもの
それも、「もっとアンタ話したい!」なんてコトをね
136 = 14 :
気づかないだけで色々細かいとこ凝ってそう
支援
137 = 5 :
「……何してんのよ、アンタ」
あれは10月半ばの雨の強かった日
私はソロの仕事を終えて、楽屋で律子が迎えに来るの待ってた
だけど楽屋のドアを開けたのは……
律子じゃなくてアイツだった
「律子が急な仕事が入ってな。手の空いてた俺が迎えに来たんだ」
「そう…なんだ」
恥ずかしながら、目を見ることが出来なかったわ
だって、完全な不意打ちだったんだから!話したいと思ってた相手がホントに目の前に現れたら、誰だって私と同じようになるわよ!
138 = 5 :
「よし、それじゃあ帰るか。事務所で次の仕事の準備しないとな」
次の仕事は竜宮小町としての泊まりがけの仕事
その日の夕方出発して、帰ってくるのは2日後の夕方
つまり、2日間ほどは顔を見ることもできない
「だから何だ」って言われると返す言葉も無いけど……
ちょっとだけ、甘えたかった
仕方ないじゃない
まだ子供だったんだから……
139 = 31 :
まだやってるのか
頑張ってるな
140 = 126 :
支援しちゃうんだから!
141 :
しえん
142 = 5 :
「雨、強いんでしょ?」
「ん?まぁ、しばらくはこの調子だろうな」
「濡れるのはイヤ」
「いや、入り口から車まですぐだから」
うさちゃんを抱いたまま、ふくれっ面で俯いてる私
「構ってちゃん」って言われたとしても、甘んじて受け入れるわ……
「お前、しばらく話してなかったけど相変わらずだな」
「……相変わらずってどういう意味よ?」
「子供だって意味だよ」
それくらい分かってたわよ
だけど、自分で思うのと人から言われるのは違うのよね
143 = 5 :
「アンタが……しなさいよ」
「え?何だって?」
「じゃあ、アンタが大人にしなさいよ!」
「はぁ?お前なぁ……あんまり大人を」
ーからかうんじゃない
そう言われる前に、身体が勝手に動いてた
だって、「からかってる」なんて言葉で、私の気持ちを否定されたくなかったから
「お、おい、伊織!」
思い切り飛び込んでやったわ
アイツの胸にね
その時の私の、ありったけの気持ちを込めて
145 :
ほ
146 = 5 :
「ど、どうしたんだよ伊織?」
「アンタなんか…アンタなんか!」
抱き付いたまま、涙声で何か言おうとした
だけど案の定、言葉にならなかった
抱き付いた拍子に床に落ちたうさちゃんが、いつも変わらない眼差しで私を見てたっけ
「えっと…子供扱いしたことは謝るよ。すまなかった」
「いい…別に……子供だもん」
「開き直るなよ……」
「ホントに子供だもん……分かってんのよ、それくらい……」
こういう女は面倒くさいわ、って思う「ズバリそのもの」な女が、そのときの私だった
だけど、アイツのシャツを握りしめた両手を、どうしても離すことが出来なかった
147 = 5 :
「はぁ……いいよ、気の済むまでそうしてろ」
「……何時間かかるか分かんないわよ?」
「付き合ってやるよ」
「……頭くらい撫でなさいよ」
ああ、恥ずかしいわ……
こんなときでも素直になれない自分が
まぁ、いまだって似たようなもんだけどさ
アイツの手のひらが私の頭を包んで、ゆっくりと動いてた
2人とも何も言わずに、しばらくそうしてたっけ
心の中で何度も唱えてた「ごめんなさい」って言葉は、ついに私の口からは零れなかった
そして、「私はアンタのことが……」っていう、大切な言葉も
148 = 144 :
ほ
149 :
撫で鯛
150 = 49 :
>>106
へー。俺が見逃してただけでそういう台詞があったんだ。
教えてくれてありがとう。
>>1
頑張れ!見てるぞ!
みんなの評価 : ☆
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