私的良スレ書庫
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元スレ伊織「メロディーズ・オブ・ライフ」
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私がどんな感情を抱いてようと、季節は勝手に巡る
高校1年生のとき、竜宮小町と千早は紅白に呼ばれた
その発表があった日、765プロに所属してから初めて、パパから仕事の話を聞かれた
「さすがは私の娘だ」
そんな言葉にも、腹は立たなかった
だって、ずっとアイツの姿を見てきて学んだから
『自分の責任』を果たしてる人の尊さを
パパは水瀬グループのすべてと、私たち家族に対する責任を果たしてる
それに比べたら、パパに対する私の思いなんてちっぽけなもの
もう、『パパの娘』って呼ばれても気にならない
自分に自信が無い人ほど、「自分は自分」って言いたがる
だから私は、なんて呼ばれようと、もう気にしない
高校1年生のとき、竜宮小町と千早は紅白に呼ばれた
その発表があった日、765プロに所属してから初めて、パパから仕事の話を聞かれた
「さすがは私の娘だ」
そんな言葉にも、腹は立たなかった
だって、ずっとアイツの姿を見てきて学んだから
『自分の責任』を果たしてる人の尊さを
パパは水瀬グループのすべてと、私たち家族に対する責任を果たしてる
それに比べたら、パパに対する私の思いなんてちっぽけなもの
もう、『パパの娘』って呼ばれても気にならない
自分に自信が無い人ほど、「自分は自分」って言いたがる
だから私は、なんて呼ばれようと、もう気にしない
高校2年生の夏休み
多忙なみんなのスケジュールを調整して、2泊3日で海の見える温泉に行った
「伊織ちゃんは、プロデューサーのことが好きなんでしょ?」
やよいと2人て夜の砂浜を歩いているとき、いきなりそう言われた
「なんでそう思うの?」
「うーん……親友だから、かなぁ?」
いつの間にか私と同じくらいの身長になったやよい
もう、あの口癖を聞くことは無くなった
だけど私たちは、あの頃と何も変わらない
「うん。アンタと同じくらいにね」
「えへへー」
そのあとやよいと手を繋いで歩いた夜の砂浜には、波の音だけが満ちてた
多忙なみんなのスケジュールを調整して、2泊3日で海の見える温泉に行った
「伊織ちゃんは、プロデューサーのことが好きなんでしょ?」
やよいと2人て夜の砂浜を歩いているとき、いきなりそう言われた
「なんでそう思うの?」
「うーん……親友だから、かなぁ?」
いつの間にか私と同じくらいの身長になったやよい
もう、あの口癖を聞くことは無くなった
だけど私たちは、あの頃と何も変わらない
「うん。アンタと同じくらいにね」
「えへへー」
そのあとやよいと手を繋いで歩いた夜の砂浜には、波の音だけが満ちてた
いまから3ヵ月前の、高校最後の冬休み
学校の友達たちと、夜の教室に忍び込んだ
持ち寄ったお菓子をほうばりながら、朝までとりとめの無い話をしてた
そこにも確かに、私の仲間がいた
765プロとは別のストーリーがあった
それはアイツややよいや竜宮小町と同じくらい、大切なもの
私の人生を豊かにしてくれた人たち
学校の友達たちと、夜の教室に忍び込んだ
持ち寄ったお菓子をほうばりながら、朝までとりとめの無い話をしてた
そこにも確かに、私の仲間がいた
765プロとは別のストーリーがあった
それはアイツややよいや竜宮小町と同じくらい、大切なもの
私の人生を豊かにしてくれた人たち
そして今日
高校を卒業して、最初の土曜日
私たちの新しいストーリーが始まろうとしていた
「4年半経つのね」
「そうだな。一瞬だった気がするよ」
3月の柔らかな風に包まれながら、私たちは事務所の屋上にいた
この人は明日、アメリカに旅立つ
プロデューサーとして、もっと上を目指すために
2年間という期間も、きっとあっという間
だけどその前に、私には伝えなきゃいけないことがある
高校を卒業して、最初の土曜日
私たちの新しいストーリーが始まろうとしていた
「4年半経つのね」
「そうだな。一瞬だった気がするよ」
3月の柔らかな風に包まれながら、私たちは事務所の屋上にいた
この人は明日、アメリカに旅立つ
プロデューサーとして、もっと上を目指すために
2年間という期間も、きっとあっという間
だけどその前に、私には伝えなきゃいけないことがある
「最初の日の約束、覚えてる?」
「うん。途中からは、なんの手助けもしてやれなかったけどな」
「それは仕方ないわ。私は…覚えててくれただけで嬉しい」
『なろう。トップアイドルに』
あの日そう言ってくれたから、いまの私がある
まだ頼りなかったこの人と、子供だった私
いまは2人とも、少しだけ大きくなれた
まだまだトップアイドルとは呼べないけど、目の前に高い山があるのは、きっと良いことだから
「うん。途中からは、なんの手助けもしてやれなかったけどな」
「それは仕方ないわ。私は…覚えててくれただけで嬉しい」
『なろう。トップアイドルに』
あの日そう言ってくれたから、いまの私がある
まだ頼りなかったこの人と、子供だった私
いまは2人とも、少しだけ大きくなれた
まだまだトップアイドルとは呼べないけど、目の前に高い山があるのは、きっと良いことだから
「帰ってきたら……」
「うん」
「もう一度、約束するところから始めましょ?」
「うん」
「何も成長してなかったら許さないんだからねっ!」
「うん、分かった」
いつの間にか握りしめ合ってた手が、スッとほどけた
そして私は、あの日の胸の中で言えなかった大切な言葉を、あの日と同じ胸の中で言った
「私は、アンタのことが好き」
2人を包んだ3月の風は、どこまでも優しく、柔らかかった
「うん」
「もう一度、約束するところから始めましょ?」
「うん」
「何も成長してなかったら許さないんだからねっ!」
「うん、分かった」
いつの間にか握りしめ合ってた手が、スッとほどけた
そして私は、あの日の胸の中で言えなかった大切な言葉を、あの日と同じ胸の中で言った
「私は、アンタのことが好き」
2人を包んだ3月の風は、どこまでも優しく、柔らかかった
慌ただしい毎日の中で、私はけっこう幸せ
素敵な仲間と、帰りを待つことができる人がいるから
「伊織ちゃん、お待たせ!」
「アンタねぇ……免許取ったのは良いけど、ホントに大丈夫なんでしょうね……?」
「大丈夫だよ!無事故無違反だもん!」
「免許取り立てなんだから当たり前でしょう!
つーか、ホントに助手席に乗らなきゃダメ?」
「うん!ダメ!」
相変わらずこの笑顔には弱いのよね、私……
「ちゃんとシートベルト締めてね?」
「当たり前よ!自殺願望なんてないんだからっ!」
やよいの運転する車がゆっくりと動き始める
窓からは、5月の香りが流れ込んできた
素敵な仲間と、帰りを待つことができる人がいるから
「伊織ちゃん、お待たせ!」
「アンタねぇ……免許取ったのは良いけど、ホントに大丈夫なんでしょうね……?」
「大丈夫だよ!無事故無違反だもん!」
「免許取り立てなんだから当たり前でしょう!
つーか、ホントに助手席に乗らなきゃダメ?」
「うん!ダメ!」
相変わらずこの笑顔には弱いのよね、私……
「ちゃんとシートベルト締めてね?」
「当たり前よ!自殺願望なんてないんだからっ!」
やよいの運転する車がゆっくりと動き始める
窓からは、5月の香りが流れ込んできた
「ノンストップで行ってみーましょ って思ったらまた赤信号」
車の中響く、やよいの歌声
ゆっくりゆっくりと走る車の中で、いつしか2つの歌声が重なり始めた
「ゴーマイウェーイ!ゴー前へー! ガンバーってゆっきましょ!」
雲も時間も、車に負けないにくらいゆっくりと流れてる
あんまり急ぎすぎると、アイツを置いていっちゃうかもしれないから
だからいまは、このままゆっくりと……
あの日から始まった、私たちのストーリー
私を幸せにしてくれる、いくつものメロディー
お し ま い
車の中響く、やよいの歌声
ゆっくりゆっくりと走る車の中で、いつしか2つの歌声が重なり始めた
「ゴーマイウェーイ!ゴー前へー! ガンバーってゆっきましょ!」
雲も時間も、車に負けないにくらいゆっくりと流れてる
あんまり急ぎすぎると、アイツを置いていっちゃうかもしれないから
だからいまは、このままゆっくりと……
あの日から始まった、私たちのストーリー
私を幸せにしてくれる、いくつものメロディー
お し ま い
終わり
短いのにやたら時間かかってすいません
支援してくれた人たち、ホントにありがとう!
読み返してきます
短いのにやたら時間かかってすいません
支援してくれた人たち、ホントにありがとう!
読み返してきます
>>175
まーた神が現れたか
まーた神が現れたか
>>175
短時間の1つのSSにここまで良い絵が描けるとは…良い文章には良いものが集まるな
短時間の1つのSSにここまで良い絵が描けるとは…良い文章には良いものが集まるな
>>175
またお前か(いい意味で)
またお前か(いい意味で)
乙
>>175も可愛い
>>175も可愛い
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