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元スレ伊織「メロディーズ・オブ・ライフ」
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>千早とは一時期一緒に住んでたこともある
普段、アイマスSSで使われないようなちょいマニアック(でも無いか?)なネタまで使うとはなかなかやるな
これは支援せざるを得ない
普段、アイマスSSで使われないようなちょいマニアック(でも無いか?)なネタまで使うとはなかなかやるな
これは支援せざるを得ない
>>1の他のスレタイって晒せない?
「おっ、伊織!また雑誌インタビューの申し込みがあったぞ!」
あれ以降、毎日のように仕事やオーディションのオファーが届くようになった
内容は様々だし、ごく小さな仕事もあったけど、着実にステップアップしてるのが自分でも分かったわ
だけどまだまだ通過点
ここで油断したら、すぐに落ちていってしまうってことも分かってた
「驕れる者久しからず」ってやつね
765プロ自体の業界内での知名度も着実に上がっていて、仕事先での扱われ方も変わってきてた
最初のころはヒドかったんだから
オーディションの順番がいつも最後の方だり、スタッフの対応も適当だったりね
あれ以降、毎日のように仕事やオーディションのオファーが届くようになった
内容は様々だし、ごく小さな仕事もあったけど、着実にステップアップしてるのが自分でも分かったわ
だけどまだまだ通過点
ここで油断したら、すぐに落ちていってしまうってことも分かってた
「驕れる者久しからず」ってやつね
765プロ自体の業界内での知名度も着実に上がっていて、仕事先での扱われ方も変わってきてた
最初のころはヒドかったんだから
オーディションの順番がいつも最後の方だり、スタッフの対応も適当だったりね
>>105
MA05で千早が「あずささんと一時期同棲してたんだけど…」と言ってる
犬がどうとか言ってるけど、実際はあずささんと犬の関係は「実家で飼っているけど、一人暮らしの今は飼ってない」と別で言っていてこの辺は曖昧
MA05で千早が「あずささんと一時期同棲してたんだけど…」と言ってる
犬がどうとか言ってるけど、実際はあずささんと犬の関係は「実家で飼っているけど、一人暮らしの今は飼ってない」と別で言っていてこの辺は曖昧
「自分、我那覇響っていうんだ!沖縄出身で特技はダンス!よろしくね!」
「四条貴音と申します。素性を明かすことはできませんが、よろしくお願いいたします」
5月1日
765プロにまた新しい仲間が加わった
2人とも別な事務所に所属してたみたいだけど、いろいろあって移籍してきたみたい
社長の昔の同僚が経営してた事務所らしいけど、あんまり良い噂は聞かなかったのよね
「あら~。可愛いハムスターちゃんね~」
「へへー!ハム蔵っていうんだ!」
「ぢゅう!」
「なんだか、春香さんの声と似てますぅ!」
「そ、そうかな?『ぢゅう!』」
「あはっ。ホントそっくりなの!」
さっそく馴染んでたのを見て、一緒にやっていけるって確信した
「四条貴音と申します。素性を明かすことはできませんが、よろしくお願いいたします」
5月1日
765プロにまた新しい仲間が加わった
2人とも別な事務所に所属してたみたいだけど、いろいろあって移籍してきたみたい
社長の昔の同僚が経営してた事務所らしいけど、あんまり良い噂は聞かなかったのよね
「あら~。可愛いハムスターちゃんね~」
「へへー!ハム蔵っていうんだ!」
「ぢゅう!」
「なんだか、春香さんの声と似てますぅ!」
「そ、そうかな?『ぢゅう!』」
「あはっ。ホントそっくりなの!」
さっそく馴染んでたのを見て、一緒にやっていけるって確信した
「伊織ちゃん、お誕生日おめでとう!」
5月5日
私の15歳の誕生日
やよいの声のあとに、15本のクラッカーの音が続いた
「お、大げさなのよアンタたち!ただの誕生日じゃない!」
「おやおや~。15歳になっても、いおりんは素直じゃないですな~」
「う、うるさいわよ亜美!」
「ふふ。真、賑やかな事務所ですね、ここは」
「うん!前のとこじゃ考えられないよ!」
他の事務所のことは分からないけど、ここが特別だってことはよく分かってるわ
765プロじゃなかったら、この中の半分くらいはアイドルを諦めてたかもしれないもの
5月5日
私の15歳の誕生日
やよいの声のあとに、15本のクラッカーの音が続いた
「お、大げさなのよアンタたち!ただの誕生日じゃない!」
「おやおや~。15歳になっても、いおりんは素直じゃないですな~」
「う、うるさいわよ亜美!」
「ふふ。真、賑やかな事務所ですね、ここは」
「うん!前のとこじゃ考えられないよ!」
他の事務所のことは分からないけど、ここが特別だってことはよく分かってるわ
765プロじゃなかったら、この中の半分くらいはアイドルを諦めてたかもしれないもの
「みんな、ちょっと良いかしら?」
誕生日パーティーが盛り上がってる中、律子が私たちの前に立った
「今日はおめでたい席だから、それに便乗させて貰うわ」
ケーキの載ったお皿やグラスを持ったまま、私たちは律子の声に耳を傾けた
「このたび、私が専任プロデューサーとなって新ユニットを結成することになりました
メンバーは3人で、もう決めてあるわ」
おお、っていうどよめきを片手を挙げて制して、律子が続ける
「これから名前を呼ぶ3人は、前に出てきてちょうだい」
みんながお互いに顔を見合わせてたっけ
誕生日パーティーが盛り上がってる中、律子が私たちの前に立った
「今日はおめでたい席だから、それに便乗させて貰うわ」
ケーキの載ったお皿やグラスを持ったまま、私たちは律子の声に耳を傾けた
「このたび、私が専任プロデューサーとなって新ユニットを結成することになりました
メンバーは3人で、もう決めてあるわ」
おお、っていうどよめきを片手を挙げて制して、律子が続ける
「これから名前を呼ぶ3人は、前に出てきてちょうだい」
みんながお互いに顔を見合わせてたっけ
「まずは、本日の主役でもある伊織」
「えっ?私?」
みんなの視線が自分に集まるのを感じながら、律子に促されるまま前に出た
「伊織にはこのユニットのリーダーを任せるつもりよ」
「リ、リーダー!?つーか、もうそんなことまで決めてんの?」
「当然よ。2人目のメンバーは、あずささん!」
「わ、私ですか?」
キョトンとした顔で自分を指差してるあずさを、律子が笑顔で手招きした
「えっ?私?」
みんなの視線が自分に集まるのを感じながら、律子に促されるまま前に出た
「伊織にはこのユニットのリーダーを任せるつもりよ」
「リ、リーダー!?つーか、もうそんなことまで決めてんの?」
「当然よ。2人目のメンバーは、あずささん!」
「わ、私ですか?」
キョトンとした顔で自分を指差してるあずさを、律子が笑顔で手招きした
「そして3人目は……亜美!」
「えっ?亜美?」
「そうよ、アンタよ。ほら、前にいらっしゃい」
こうしてみんなの前に並んだのは、個性バラバラな3人
もっとも、その『バラバラ』こそが律子の狙いだったってことが、あとになって分かるんだけどね
「伊織をリーダーとしたこの3人で、これからはユニットとして活動をしていくわ
ユニット名は……『竜宮小町』!」
……正直言うと、律子ってあんまりネーミングセンス無いわよね
ユニット名の理由が、
「名字に『水』に関係した漢字が使われてるから」
って聞いたときは、なおさらそう思ったわ
「えっ?亜美?」
「そうよ、アンタよ。ほら、前にいらっしゃい」
こうしてみんなの前に並んだのは、個性バラバラな3人
もっとも、その『バラバラ』こそが律子の狙いだったってことが、あとになって分かるんだけどね
「伊織をリーダーとしたこの3人で、これからはユニットとして活動をしていくわ
ユニット名は……『竜宮小町』!」
……正直言うと、律子ってあんまりネーミングセンス無いわよね
ユニット名の理由が、
「名字に『水』に関係した漢字が使われてるから」
って聞いたときは、なおさらそう思ったわ
パーティーのあと、3人であらためて活動方針についての説明を受けた
「伊織をリーダーにしたのには2つ理由があるわ
1つ目は、純粋にリーダー向きだとおもったから」
「2つ目はなによ?」
「現時点で一番名前が売れてるから」
「それってつまり……?」
「そう。アンタの名前に乗っかるってこと
もちろん、最初だけね」
……敵に回したくないタイプよね、律子って
目的のためなら徹底してリアリスト
それに加えて、自分が嫌われることなんて何とも思ってない
他の2人が聞いてる前で、あえてそれを言っちゃうんだから
もちろん、ハッパをかけるためなんだろうけどね
「伊織をリーダーにしたのには2つ理由があるわ
1つ目は、純粋にリーダー向きだとおもったから」
「2つ目はなによ?」
「現時点で一番名前が売れてるから」
「それってつまり……?」
「そう。アンタの名前に乗っかるってこと
もちろん、最初だけね」
……敵に回したくないタイプよね、律子って
目的のためなら徹底してリアリスト
それに加えて、自分が嫌われることなんて何とも思ってない
他の2人が聞いてる前で、あえてそれを言っちゃうんだから
もちろん、ハッパをかけるためなんだろうけどね
「実は、3人コスチュームも発注済み。デビュー曲も候補曲の中から絞り込んでるところよ」
「うふふ。律子さん、私たちが辞退するかもなんて、思ってもいなかったんですね?」
「ふふ…はい。辞退するメリットも無いでしょうし」
「亜美はちょっと不安だよ……」
「大丈夫よ。アンタは竜宮のメンバーとしてやっていける
真美だってちゃんと1人で活動していけるわ。強い子だもん」
「うん…そだね。亜美、頑張るよ!」
私もユニット活動自体に不安は無かった
だけど……
アイツとの『約束』はどうなっちゃうんだろって、そのことばっかり考えてた
最初の日に交わした、あの約束のことを……
「うふふ。律子さん、私たちが辞退するかもなんて、思ってもいなかったんですね?」
「ふふ…はい。辞退するメリットも無いでしょうし」
「亜美はちょっと不安だよ……」
「大丈夫よ。アンタは竜宮のメンバーとしてやっていける
真美だってちゃんと1人で活動していけるわ。強い子だもん」
「うん…そだね。亜美、頑張るよ!」
私もユニット活動自体に不安は無かった
だけど……
アイツとの『約束』はどうなっちゃうんだろって、そのことばっかり考えてた
最初の日に交わした、あの約束のことを……
それから3日後、竜宮小町のコスチュームが事務所に届いた
『水』に関連しているユニット名らしく、青と白を基調とした可愛らしいコスチューム
「いいなぁ。ミキもこういうの着たいの」
「私の名字にも『海』って漢字が入ってるんだけどなぁ…」
どうやら、美希と春香は竜宮小町に入りたかったみたい
でも、入らなくて正解だったと思うわ
どう考えてもソロ向きだもん、2人とも
「あ、あずささん、その髪は!?」
真の声に入り口の方を振り返ると、腰まであった髪をショートカットにしたあずさが、照れくさそうに立ってた
「うふふ。『髪を短くすると若く見える』って聞いたから~」
十分若いんだけどね、あずさも
亜美と一緒じゃ、気にするなってのが無理なのかもしれないけどさ
『水』に関連しているユニット名らしく、青と白を基調とした可愛らしいコスチューム
「いいなぁ。ミキもこういうの着たいの」
「私の名字にも『海』って漢字が入ってるんだけどなぁ…」
どうやら、美希と春香は竜宮小町に入りたかったみたい
でも、入らなくて正解だったと思うわ
どう考えてもソロ向きだもん、2人とも
「あ、あずささん、その髪は!?」
真の声に入り口の方を振り返ると、腰まであった髪をショートカットにしたあずさが、照れくさそうに立ってた
「うふふ。『髪を短くすると若く見える』って聞いたから~」
十分若いんだけどね、あずさも
亜美と一緒じゃ、気にするなってのが無理なのかもしれないけどさ
竜宮小町のデビューは『水』無月の6月半ばに決まった
「『水無』月 じゃダメじゃない?」
って意見もあったけど、15分ほどの討論の結論、「ま、いっか」って結論に達したのよね
まぁ、真剣に議論するようなコトでも無いしね
そこから逆算して、翌週からはデビューシングルのレコーディングも始まった
タイトルは『SMOKY THRILL』
小悪魔で小生意気で小粋な、竜宮小町のテーマ曲
レコーディングはスムーズだったんだけど……
ダンスレッスンのときの律子の鬼軍曹っぷりったら、ちょっとしたトラウマレベルだわ
「『水無』月 じゃダメじゃない?」
って意見もあったけど、15分ほどの討論の結論、「ま、いっか」って結論に達したのよね
まぁ、真剣に議論するようなコトでも無いしね
そこから逆算して、翌週からはデビューシングルのレコーディングも始まった
タイトルは『SMOKY THRILL』
小悪魔で小生意気で小粋な、竜宮小町のテーマ曲
レコーディングはスムーズだったんだけど……
ダンスレッスンのときの律子の鬼軍曹っぷりったら、ちょっとしたトラウマレベルだわ
自分たちのことに精一杯だったせいもあるけど、アイツとの『約束』のことを考えてる余裕は無かった
つーか、アイツとまともに話す機会もなかったし
まぁ、あっちはあっちで9人の面倒を見なきゃいけないワケだし
しかも売れる前だったあの頃とは違って、『それなりに仕事のある』9人のね
「お疲れさま」
「おう!気を付けて帰れよ!」
たまに挨拶をするときも、デスクに積み上げられたら書類に目を落としたままだった
何か言おうとして立ち止まっても、やっぱり何も言えなかったのよね、私は
つーか、アイツとまともに話す機会もなかったし
まぁ、あっちはあっちで9人の面倒を見なきゃいけないワケだし
しかも売れる前だったあの頃とは違って、『それなりに仕事のある』9人のね
「お疲れさま」
「おう!気を付けて帰れよ!」
たまに挨拶をするときも、デスクに積み上げられたら書類に目を落としたままだった
何か言おうとして立ち止まっても、やっぱり何も言えなかったのよね、私は
『次のリクエストは、PN「しそっぱ」さんから。現在着実にヒットチャート上昇中。 竜宮小町で、SMOKY THRILL』
三者三様の個性が受けたというべきかしら?
竜宮小町はどんどん知名度を上げていった
自分で言うのもアレだけど、最初は『水瀬伊織と他2名』って扱いを受けることも多かった
だけどデビューから1ヵ月も経つ頃には、3人それぞれの個性に光が当たるようになってた
この辺りは、律子の慧眼を素直に讃えるべきよね?
三者三様の個性が受けたというべきかしら?
竜宮小町はどんどん知名度を上げていった
自分で言うのもアレだけど、最初は『水瀬伊織と他2名』って扱いを受けることも多かった
だけどデビューから1ヵ月も経つ頃には、3人それぞれの個性に光が当たるようになってた
この辺りは、律子の慧眼を素直に讃えるべきよね?
「では行ってきます。明後日の夜には戻りますから」
知名度が上がるにつれて、都外への泊まりがけの仕事も増えてきた
長いときで3日ほど事務所に顔を出せないこともあったっけ?
もっともいまは、半月近く日本から離れちゃう仕事も入ってきたりするんだけどね
だけど当時の私には、3日の『留守』も物凄く長く感じられた
その頃になるとさすがに気付いてたのよね
自分の抱いてる『感情』が何なのか、ってことに
もちろん、アイツに対する、ね
知名度が上がるにつれて、都外への泊まりがけの仕事も増えてきた
長いときで3日ほど事務所に顔を出せないこともあったっけ?
もっともいまは、半月近く日本から離れちゃう仕事も入ってきたりするんだけどね
だけど当時の私には、3日の『留守』も物凄く長く感じられた
その頃になるとさすがに気付いてたのよね
自分の抱いてる『感情』が何なのか、ってことに
もちろん、アイツに対する、ね
あっという間に中学校生活最後の夏休みが過ぎて、9月も半ばを迎えた頃
竜宮小町としてだけじゃなく、3人それぞれに個別の仕事も入ってくるようになってた
もちろん竜宮の仕事も順調に増えてたから、アイツと話す機会はますます減ってた
アイツもアイツで忙しそうで、765プロ全体が上昇気流に乗ってたわ
なんせ、事務所にエアコンが取り付けられたんだから!
そういえばついでに、ソファーとテレビも新しくなったっけ
要するに、私の『個人的な感情』以外は、すべてが上手く回り始めてた、ってワケ
そんな中で私1人がワガママ言うわけには行かないもの
それも、「もっとアンタ話したい!」なんてコトをね
竜宮小町としてだけじゃなく、3人それぞれに個別の仕事も入ってくるようになってた
もちろん竜宮の仕事も順調に増えてたから、アイツと話す機会はますます減ってた
アイツもアイツで忙しそうで、765プロ全体が上昇気流に乗ってたわ
なんせ、事務所にエアコンが取り付けられたんだから!
そういえばついでに、ソファーとテレビも新しくなったっけ
要するに、私の『個人的な感情』以外は、すべてが上手く回り始めてた、ってワケ
そんな中で私1人がワガママ言うわけには行かないもの
それも、「もっとアンタ話したい!」なんてコトをね
「……何してんのよ、アンタ」
あれは10月半ばの雨の強かった日
私はソロの仕事を終えて、楽屋で律子が迎えに来るの待ってた
だけど楽屋のドアを開けたのは……
律子じゃなくてアイツだった
「律子が急な仕事が入ってな。手の空いてた俺が迎えに来たんだ」
「そう…なんだ」
恥ずかしながら、目を見ることが出来なかったわ
だって、完全な不意打ちだったんだから!話したいと思ってた相手がホントに目の前に現れたら、誰だって私と同じようになるわよ!
あれは10月半ばの雨の強かった日
私はソロの仕事を終えて、楽屋で律子が迎えに来るの待ってた
だけど楽屋のドアを開けたのは……
律子じゃなくてアイツだった
「律子が急な仕事が入ってな。手の空いてた俺が迎えに来たんだ」
「そう…なんだ」
恥ずかしながら、目を見ることが出来なかったわ
だって、完全な不意打ちだったんだから!話したいと思ってた相手がホントに目の前に現れたら、誰だって私と同じようになるわよ!
「よし、それじゃあ帰るか。事務所で次の仕事の準備しないとな」
次の仕事は竜宮小町としての泊まりがけの仕事
その日の夕方出発して、帰ってくるのは2日後の夕方
つまり、2日間ほどは顔を見ることもできない
「だから何だ」って言われると返す言葉も無いけど……
ちょっとだけ、甘えたかった
仕方ないじゃない
まだ子供だったんだから……
次の仕事は竜宮小町としての泊まりがけの仕事
その日の夕方出発して、帰ってくるのは2日後の夕方
つまり、2日間ほどは顔を見ることもできない
「だから何だ」って言われると返す言葉も無いけど……
ちょっとだけ、甘えたかった
仕方ないじゃない
まだ子供だったんだから……
「雨、強いんでしょ?」
「ん?まぁ、しばらくはこの調子だろうな」
「濡れるのはイヤ」
「いや、入り口から車まですぐだから」
うさちゃんを抱いたまま、ふくれっ面で俯いてる私
「構ってちゃん」って言われたとしても、甘んじて受け入れるわ……
「お前、しばらく話してなかったけど相変わらずだな」
「……相変わらずってどういう意味よ?」
「子供だって意味だよ」
それくらい分かってたわよ
だけど、自分で思うのと人から言われるのは違うのよね
「ん?まぁ、しばらくはこの調子だろうな」
「濡れるのはイヤ」
「いや、入り口から車まですぐだから」
うさちゃんを抱いたまま、ふくれっ面で俯いてる私
「構ってちゃん」って言われたとしても、甘んじて受け入れるわ……
「お前、しばらく話してなかったけど相変わらずだな」
「……相変わらずってどういう意味よ?」
「子供だって意味だよ」
それくらい分かってたわよ
だけど、自分で思うのと人から言われるのは違うのよね
「アンタが……しなさいよ」
「え?何だって?」
「じゃあ、アンタが大人にしなさいよ!」
「はぁ?お前なぁ……あんまり大人を」
ーからかうんじゃない
そう言われる前に、身体が勝手に動いてた
だって、「からかってる」なんて言葉で、私の気持ちを否定されたくなかったから
「お、おい、伊織!」
思い切り飛び込んでやったわ
アイツの胸にね
その時の私の、ありったけの気持ちを込めて
「え?何だって?」
「じゃあ、アンタが大人にしなさいよ!」
「はぁ?お前なぁ……あんまり大人を」
ーからかうんじゃない
そう言われる前に、身体が勝手に動いてた
だって、「からかってる」なんて言葉で、私の気持ちを否定されたくなかったから
「お、おい、伊織!」
思い切り飛び込んでやったわ
アイツの胸にね
その時の私の、ありったけの気持ちを込めて
「ど、どうしたんだよ伊織?」
「アンタなんか…アンタなんか!」
抱き付いたまま、涙声で何か言おうとした
だけど案の定、言葉にならなかった
抱き付いた拍子に床に落ちたうさちゃんが、いつも変わらない眼差しで私を見てたっけ
「えっと…子供扱いしたことは謝るよ。すまなかった」
「いい…別に……子供だもん」
「開き直るなよ……」
「ホントに子供だもん……分かってんのよ、それくらい……」
こういう女は面倒くさいわ、って思う「ズバリそのもの」な女が、そのときの私だった
だけど、アイツのシャツを握りしめた両手を、どうしても離すことが出来なかった
「アンタなんか…アンタなんか!」
抱き付いたまま、涙声で何か言おうとした
だけど案の定、言葉にならなかった
抱き付いた拍子に床に落ちたうさちゃんが、いつも変わらない眼差しで私を見てたっけ
「えっと…子供扱いしたことは謝るよ。すまなかった」
「いい…別に……子供だもん」
「開き直るなよ……」
「ホントに子供だもん……分かってんのよ、それくらい……」
こういう女は面倒くさいわ、って思う「ズバリそのもの」な女が、そのときの私だった
だけど、アイツのシャツを握りしめた両手を、どうしても離すことが出来なかった
「はぁ……いいよ、気の済むまでそうしてろ」
「……何時間かかるか分かんないわよ?」
「付き合ってやるよ」
「……頭くらい撫でなさいよ」
ああ、恥ずかしいわ……
こんなときでも素直になれない自分が
まぁ、いまだって似たようなもんだけどさ
アイツの手のひらが私の頭を包んで、ゆっくりと動いてた
2人とも何も言わずに、しばらくそうしてたっけ
心の中で何度も唱えてた「ごめんなさい」って言葉は、ついに私の口からは零れなかった
そして、「私はアンタのことが……」っていう、大切な言葉も
「……何時間かかるか分かんないわよ?」
「付き合ってやるよ」
「……頭くらい撫でなさいよ」
ああ、恥ずかしいわ……
こんなときでも素直になれない自分が
まぁ、いまだって似たようなもんだけどさ
アイツの手のひらが私の頭を包んで、ゆっくりと動いてた
2人とも何も言わずに、しばらくそうしてたっけ
心の中で何度も唱えてた「ごめんなさい」って言葉は、ついに私の口からは零れなかった
そして、「私はアンタのことが……」っていう、大切な言葉も
みんなの評価 : ☆
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