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元スレP「律子が薬をやってるだと?」
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それからの2週間は地獄だった。
律子がいないせいで俺の負担は3割増しだった。
俺は通常の三倍のスピードで仕事をすることなどできないから、必然的に残業時間が増えた。
だが、律子を失う苦しみに比べたらこんなものはどうということはない。
残念だったのは律子の見舞いに行く時間が取れないことだった。
アイドル達は暇を見つけては律子の見舞いに行ってるらしい。
話を聞く限りでは律子はもう元気になっているようだ。
亜美と真美の2人でお見舞いに行ったところ、病院でうるさくするなと怒られた、と嬉しそうに言っていた。
俺がそれを羨ましそうに眺めていたら音無さんにまた笑われてしまった。
社長が俺の仕事を手伝ってくれたおかげで今日はオフだ。
ようやく律子のお見舞いに行ける。
病院の前の道を歩いていると、父親が死んだときのことを思い出した。
あの日はどんよりと曇っていたが今日は爽快な青空が広がっていた。
父親の時とは違い、律子は元気だから足取りは軽い。
交差点に差し掛かる。
信号は青だった。
俺は注意深く左右を確認してから渡った。
律子が信号無視の車に撥ねられたのに助かったのは奇跡だ、と医者は言っていた。
あれだけのスピードを出していた車と接触したら普通は死んでしまうだろう。
そんなことを考えながら渡っていたら、交差点を渡り終えたところに一匹の蛙が死んでいるのを見つけた。
俺はそれを踏みそうになったが、既のところで避けた。
それは大きい蛙だった。
20センチはありそうだった。
恐らく病院の庭にある池から逃げてきたのだろうと考えた。
種類は分からないが、背中は綺麗な緑色をしていた。
蛙は白い腹を上に向けてひっくり返っていた。
白い腹は避けており、内臓が見えてしまっている。
小学生の頃の理科の教科書に乗っていた写真を思い出した。
蛙はなんで死んだのだろうかと考えた。
この潰れ具合から車に撥ねられたのかもしれないと思った。
そう思うとあの時地面に横たわっていた律子の姿が思い起こされた。
俺には蛙と律子が重なって見えた。
蛙は死んだ。
しかし、律子は死ななかった。
その二つを隔てたものを思った。
そこには何も無かった。
理由はなく、原因もない。
あるのは偶然だけだった。
昔読んだ小説でもこんなシーンがあったのを思い出した。
その作品では蛙ではなかったと思うが。
そう思うとあの時地面に横たわっていた律子の姿が思い起こされた。
俺には蛙と律子が重なって見えた。
蛙は死んだ。
しかし、律子は死ななかった。
その二つを隔てたものを思った。
そこには何も無かった。
理由はなく、原因もない。
あるのは偶然だけだった。
昔読んだ小説でもこんなシーンがあったのを思い出した。
その作品では蛙ではなかったと思うが。
>>259
うん、俺もそれ思い出してた
うん、俺もそれ思い出してた
俺は蛙をそこに残して病院の敷地に入った。
病院の中にはほとんど人がいなかった。
一階のロビーも閑散としていた。
俺はエレベーターに向かって歩いていた。
律子の部屋は確か5階だったはずだ。
エレベーターに乗りこむと、1人の妊婦がゆっくりとこちらを目指して歩いてきた。
俺は急いでるわけでもなかったので、開ボタンを押したまま待った。
妊婦は俺にお礼を言ってから3階のボタンを押した。
扉が閉まって、エレベーターは上に登っていく。
3階に着くと妊婦は再び俺にお礼を言って降りていった。
エレベーターの扉が閉まると、再び上に引き上げられていく。
軽快なベルが鳴って5階についたことを告げた。
エレベーターから降りた俺は以前ここに来たことがある気がした。
その時ようやく父親が入院していたのも同じ階だったことを思い出した。
律子の部屋へと向かう。
病院の中にはほとんど人がいなかった。
一階のロビーも閑散としていた。
俺はエレベーターに向かって歩いていた。
律子の部屋は確か5階だったはずだ。
エレベーターに乗りこむと、1人の妊婦がゆっくりとこちらを目指して歩いてきた。
俺は急いでるわけでもなかったので、開ボタンを押したまま待った。
妊婦は俺にお礼を言ってから3階のボタンを押した。
扉が閉まって、エレベーターは上に登っていく。
3階に着くと妊婦は再び俺にお礼を言って降りていった。
エレベーターの扉が閉まると、再び上に引き上げられていく。
軽快なベルが鳴って5階についたことを告げた。
エレベーターから降りた俺は以前ここに来たことがある気がした。
その時ようやく父親が入院していたのも同じ階だったことを思い出した。
律子の部屋へと向かう。
ブビュルブブッブリブリブリブービュブビビブボブビュビュビュー!!!!!
予感はあった。
記憶を辿って歩く。
やはりそうだった。
律子の病室は父親の病室と同じだった。
俺は開けるのを躊躇した。
扉の向こうに死にかけた父親がいるような気がして怖くなった。
だが、そんなことはあるはずがない。
俺はドアをノックした。
「はーい」
中から元気な律子の声がした。
俺は安心してドアを開けた。
中の様子は俺の記憶と全く同じだった。
記憶を辿って歩く。
やはりそうだった。
律子の病室は父親の病室と同じだった。
俺は開けるのを躊躇した。
扉の向こうに死にかけた父親がいるような気がして怖くなった。
だが、そんなことはあるはずがない。
俺はドアをノックした。
「はーい」
中から元気な律子の声がした。
俺は安心してドアを開けた。
中の様子は俺の記憶と全く同じだった。
違うのはベッドの中にいるのが父親ではなく、律子だということだけだった。
律子は読んでいる本から顔を上げて言った。
律子は足を吊っていたが元気そうだった。
「お父さんと同じ部屋ですね」
律子はポツリと言った。
俺は心の中が読まれたような驚きを味わった。
それは律子が知らないはずのことだった。
「どうして律子がそれを……?」
「まだ気がついてないんですか?」
「何のことだ?」
「あの日電話したのが私だってことです」
雷が落ちたような衝撃を受けた。
「まさか……いや……そんな……あれって」
俺は親父の愛人とかだろうと思っていた。
病院に提出する書類に俺の電話番号を書くはずはないと思っていたから。
律子は読んでいる本から顔を上げて言った。
律子は足を吊っていたが元気そうだった。
「お父さんと同じ部屋ですね」
律子はポツリと言った。
俺は心の中が読まれたような驚きを味わった。
それは律子が知らないはずのことだった。
「どうして律子がそれを……?」
「まだ気がついてないんですか?」
「何のことだ?」
「あの日電話したのが私だってことです」
雷が落ちたような衝撃を受けた。
「まさか……いや……そんな……あれって」
俺は親父の愛人とかだろうと思っていた。
病院に提出する書類に俺の電話番号を書くはずはないと思っていたから。
正直話の内容はあまり好きではない
しかし外野のレスに一切反応せずに淡々と投下し続けるのは好感が持てるな
しかし外野のレスに一切反応せずに淡々と投下し続けるのは好感が持てるな
しかし、葬式にそんな女性は顔を出さず、俺は不思議に思ったことを思い出した。
「あれが律子だっただと?」
「ええ。私はプロデューサーのお父さんと知り合いでしたから」
「そんな、だってその頃の律子は中学生だろ?」
「そうですよ。糖尿病を発病してここに通院し始めた頃でした」
ああ、そうだったのか。
疑問が一気に溶けていった。
いろいろなことが俺の見えないところで繋がっていた。
だが、それを知ってもまだわからないことがあった。
「どうして律子は俺の電話番号を知っていたんだ?」
「これです」
律子は読んでいた本を俺に見せた。
「それがどうした?」
「これ、プロデューサーのお父さんから借りたものなんです」
「なんだと?」
「あれが律子だっただと?」
「ええ。私はプロデューサーのお父さんと知り合いでしたから」
「そんな、だってその頃の律子は中学生だろ?」
「そうですよ。糖尿病を発病してここに通院し始めた頃でした」
ああ、そうだったのか。
疑問が一気に溶けていった。
いろいろなことが俺の見えないところで繋がっていた。
だが、それを知ってもまだわからないことがあった。
「どうして律子は俺の電話番号を知っていたんだ?」
「これです」
律子は読んでいた本を俺に見せた。
「それがどうした?」
「これ、プロデューサーのお父さんから借りたものなんです」
「なんだと?」
「この本の中にあなたの名前と電話番号が書かれた紙が挟まっていたんです」
「そんな……」
「これ、返します」
俺は律子からその本を受け取った。
和解というシンプルな題名は俺の心を打ちのめした。
「お父さんはこの本が嫌いだって言って私にくれたんです」
「……」
「現実はこんな簡単にいかないって怒りながら」
「……」
これは作者自身の体験をもとにした小説だから、内容も現実のことのはずだった。
ただ、父親の思っていたことを知って俺の目からは涙が零れた。
「そんな……」
「これ、返します」
俺は律子からその本を受け取った。
和解というシンプルな題名は俺の心を打ちのめした。
「お父さんはこの本が嫌いだって言って私にくれたんです」
「……」
「現実はこんな簡単にいかないって怒りながら」
「……」
これは作者自身の体験をもとにした小説だから、内容も現実のことのはずだった。
ただ、父親の思っていたことを知って俺の目からは涙が零れた。
申し訳ないが毎回アイマスキャラをボロクソに堕とす変態オナニー野郎はNG
律子の前だったが、もう律子に隠すことなどなかった。
俺は声をあげて泣いた。
律子は俺が泣き止むのを待っていてくれた。
「ごめんな」
「いえ。ところでその本はどうするんですか?」
「これは大事なものだからな。大切にするよ」
「そうですか」
律子は嬉しそうに言った。
「だけど、俺の大事な人に持っていて欲しい」
「え……?」
俺は声をあげて泣いた。
律子は俺が泣き止むのを待っていてくれた。
「ごめんな」
「いえ。ところでその本はどうするんですか?」
「これは大事なものだからな。大切にするよ」
「そうですか」
律子は嬉しそうに言った。
「だけど、俺の大事な人に持っていて欲しい」
「え……?」
「これは父親との家族の証みたいなものだから。新しく俺の家族になる人に持っていて欲しい」
俺は律子にそれを渡した。
「……」
「もう一度ちゃんと言うよ」
「……」
律子は黙ったまま俺の言葉を待っている。
俺は大きく息を吸い込むと言った。
「俺は律子が好きだ。俺と結婚してくれ」
「……はい」
俺は律子にそれを渡した。
「……」
「もう一度ちゃんと言うよ」
「……」
律子は黙ったまま俺の言葉を待っている。
俺は大きく息を吸い込むと言った。
「俺は律子が好きだ。俺と結婚してくれ」
「……はい」
そろそろ落ち着いてきたからまあもう叩かずに最後まで見るけど
だからと言って、よりにもよって誕生日にこんな目に合わせる>>1は死ね
だからと言って、よりにもよって誕生日にこんな目に合わせる>>1は死ね
律子が仕事に復帰できたのはそれから2ヶ月後のことだった。
今日は事務所で律子の誕生パーティー兼復帰祝いを行うことになっていた。
朝から、オフのアイドルが集まってその支度をしていた。
事務所の中はうるさいが律子のためにしてくれてることなので我慢して仕事をしていた。
そんな喧騒のなかで伊織はソファの上で寝ている美希を怒っていた。
「もう!寝てないで働きなさいよ!」
「嫌なの!美希のハニー取った律子なんか嫌いなの!」
そんなことを言いながらも、オフなのにわざわざ事務所に来てくれた美希に感謝していた。
きっと律子も喜ぶと思った。
そろそろ律子が来るころだと思って窓から外を眺めた。
ちょうどその時、事務所の前の道に一台のタクシーが止まった。
中から降りて来たのはいつものスーツではなく、私服の律子だった。
タクシーは走り去った。
律子は窓から覗いている俺に気づくと、少し恥ずかしそうに笑った。
そして律子は俺に向かって左手を振った。
俺が贈った指輪が太陽の光を反射して煌めいた。
すぐに律子は事務所の中に入ってしまい俺からは見えなくなった。
俺は空を見上げた。
青空にいくつか雲が流れていた。
とてもいい天気だった。
日差しの強さはもう春のそれではなく、夏を感じさせていた。
普段ならなんとも思わないことでも、今日は凄く嬉しいことのように思えた。
きっと律子のおかげだ。
こんなにも世界が素晴らしく思えるのは、俺が律子に魔法をかけられてしまったせいかもしれないなとも思った。
終
タクシーは走り去った。
律子は窓から覗いている俺に気づくと、少し恥ずかしそうに笑った。
そして律子は俺に向かって左手を振った。
俺が贈った指輪が太陽の光を反射して煌めいた。
すぐに律子は事務所の中に入ってしまい俺からは見えなくなった。
俺は空を見上げた。
青空にいくつか雲が流れていた。
とてもいい天気だった。
日差しの強さはもう春のそれではなく、夏を感じさせていた。
普段ならなんとも思わないことでも、今日は凄く嬉しいことのように思えた。
きっと律子のおかげだ。
こんなにも世界が素晴らしく思えるのは、俺が律子に魔法をかけられてしまったせいかもしれないなとも思った。
終
P「律子、薬なんてやめてくれ」
律子「これ、糖尿病のインスリンですよ」
P「誤解だったか、結婚してくれ律子」
律子「はい///」
おい、4行で終わったぞ
律子「これ、糖尿病のインスリンですよ」
P「誤解だったか、結婚してくれ律子」
律子「はい///」
おい、4行で終わったぞ
>>282
わろたww
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>>282
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乙!感動した!
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