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元スレP「律子が薬をやってるだと?」

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今日はもう仕事をする気にはなれなかった。
律子の写真とSDカードはカバンの中にしまった。
俺は社長に失望していた。
律子の写真を見せれば、何らかの対応をしてくれると思っていた。
しかし結果は違った。
社長は律子が薬をやっているのを黙認していたのだ。
律子を呼んで話を聞くぐらいはするだろうと思っていた俺の期待は大きく裏切られた。
薬物乱用を黙認しないだろうと高をくくっていた俺のミスだ。
こうなったら俺が直接律子と話すしかなかった。
しかし、律子は営業でそのまま直帰することになっていた。
地の文大量なのに読みやすくさせる努力が皆無なのが痛いな。面白くなりそうなんだけど。
明日は仕事が終わったら事務所に戻ってくるようだから、そのときに話すことにした。
荷物を持って事務所を出た。
外はまだ明るかった。
夕暮れの街は深夜と違って人通りが多く、活気があった。
こんなに明るいうちに帰ったのはいつ以来だろうか。
スーパーで食材を買ってから家に帰った。
のんびり風呂に入って凝り固まった全身を解す。
風呂から上がって夕食を手早く用意してから、グラスにビールを注いで1人で乾杯した。
ビールを飲みつつバラエティ番組を眺める。
テレビの中ではお笑い芸人達が楽しげに笑いながら、和やかな雰囲気でトークしていた。
俺は芸人のネタで声を出して笑ってしまった。
こんなにまったりした夕食は久しぶりだ。
荷物を持って事務所を出た。
外はまだ明るかった。
夕暮れの街は深夜と違って人通りが多く、活気があった。
こんなに明るいうちに帰ったのはいつ以来だろうか。
スーパーで食材を買ってから家に帰った。
のんびり風呂に入って凝り固まった全身を解す。
風呂から上がって夕食を手早く用意してから、グラスにビールを注いで1人で乾杯した。
ビールを飲みつつバラエティ番組を眺める。
テレビの中ではお笑い芸人達が楽しげに笑いながら、和やかな雰囲気でトークしていた。
俺は芸人のネタで声を出して笑ってしまった。
こんなにまったりした夕食は久しぶりだ。
普段は飯の時間も惜しんで仕事をしていて、食べるにしてもコンビニ弁当を掻き込むかウイダーゼリーだけだった。
穏やかな時間の中で俺の心は酷く落ち着いていた。
しかし、ふと律子のことを思い出して俺の心は乾いてしまった。
心の中に今にも壊れそうな律子の姿が居座ったままでは何をしても楽しくなかった。
さっきまで笑えたバラエティ番組もつまらなく思われた。
リモコンを取ってテレビを消した。
部屋には音を出す物は無くなり、静けさだけが残った。
グラスに小気味良い音を立ててビールを注ぐ。
それを一気に飲み干しても苦いだけで気分はちっとも良くならなかった。
俺は明日律子と話そうと改めて思った。
穏やかな時間の中で俺の心は酷く落ち着いていた。
しかし、ふと律子のことを思い出して俺の心は乾いてしまった。
心の中に今にも壊れそうな律子の姿が居座ったままでは何をしても楽しくなかった。
さっきまで笑えたバラエティ番組もつまらなく思われた。
リモコンを取ってテレビを消した。
部屋には音を出す物は無くなり、静けさだけが残った。
グラスに小気味良い音を立ててビールを注ぐ。
それを一気に飲み干しても苦いだけで気分はちっとも良くならなかった。
俺は明日律子と話そうと改めて思った。
このままでは俺まで壊れてしまう気がしたからだ。
こんな気持ちを抱え続けるのはあまりにも辛い。
でも、亜美が撮った写真はなるべく使わないようにしたいと考えた。
それを使ってしまえばただの脅迫になる気がした。
何より律子の弱みに付け込んで本当のことを言わせるというのは考えただけで不愉快だった。
律子に対してそんなことをしたくはなかった。
残された手は俺の気持ちを律子に伝えて、自首してくれるよう頼むしかないと思った。
そんなものが何の役に立つのだと俺の中に潜むリアリストが笑った。
愛が何かを救う話はファンタジーと呼ぶのだ、と。
現実に愛が解決できる事など、どれほどあるだろうか。
こんな気持ちを抱え続けるのはあまりにも辛い。
でも、亜美が撮った写真はなるべく使わないようにしたいと考えた。
それを使ってしまえばただの脅迫になる気がした。
何より律子の弱みに付け込んで本当のことを言わせるというのは考えただけで不愉快だった。
律子に対してそんなことをしたくはなかった。
残された手は俺の気持ちを律子に伝えて、自首してくれるよう頼むしかないと思った。
そんなものが何の役に立つのだと俺の中に潜むリアリストが笑った。
愛が何かを救う話はファンタジーと呼ぶのだ、と。
現実に愛が解決できる事など、どれほどあるだろうか。
リアルな話、ここまでのヤク中の人間って回復する見込みはあるん?
俺はビールを再び注ぎ、今度は少しずつ飲みながら考えた。
でも、こんな非現実的な状況を打破するのは愛のような普遍的なものに違いないと思った。
そもそも、他人に言われただけで止められるなら薬物乱用など問題にならないはずだ。
俺の中には薬物に対する嫌悪が依然あった。
そして、かつての俺は自ら薬物に手を出す人間を憎悪していた。
それは今も変わらない。
だから、律子が薬をやってると聞いたとき、俺には律子が嫌いになるような予感があった。
しかし、それは外れた。
薬物乱用者への憎悪を差し引いても、律子への愛は残った。
もう俺自身にはどうしようも無いほどに律子のことを愛してしまっていた。
でも、こんな非現実的な状況を打破するのは愛のような普遍的なものに違いないと思った。
そもそも、他人に言われただけで止められるなら薬物乱用など問題にならないはずだ。
俺の中には薬物に対する嫌悪が依然あった。
そして、かつての俺は自ら薬物に手を出す人間を憎悪していた。
それは今も変わらない。
だから、律子が薬をやってると聞いたとき、俺には律子が嫌いになるような予感があった。
しかし、それは外れた。
薬物乱用者への憎悪を差し引いても、律子への愛は残った。
もう俺自身にはどうしようも無いほどに律子のことを愛してしまっていた。
どうして運命はこうも残酷なのだろう。
律子が薬に手を出していなければ、薬に手を出しているのが他の人間だったら。
俺はこんなに悩むことは無かった。
もう寝ることにした。
俺の心は決まっていた。
電気を消す。
暗闇の中に律子が浮かんだが、すぐに消えた。
俺はそのまま眠りに落ちた。
律子が薬に手を出していなければ、薬に手を出しているのが他の人間だったら。
俺はこんなに悩むことは無かった。
もう寝ることにした。
俺の心は決まっていた。
電気を消す。
暗闇の中に律子が浮かんだが、すぐに消えた。
俺はそのまま眠りに落ちた。
>>108
回数は関係なく、一回でもやったらもう絶対にやってなかった頃には戻らない
回数は関係なく、一回でもやったらもう絶対にやってなかった頃には戻らない
◇
私は自室で一冊の文庫本を読んでいた。
それは私の本ではなかった。
ずいぶん昔に借りたまま返しそびれていたのだ。
私はこの本を借りたときのことを思い出していた。
あれはまだ私が中学生だった頃のことだ。
晴れた日の午後に私はその老人と初めて言葉を交わした。
ある用事で病院に行った帰り、病院の前庭でベンチに座って読書をしている老人がいた。
その老人は年老いていたが身なりがよく、たまに読書をしているのを見かけた。
私が家に帰ろうと思い、病院から出ようとしていたとき、少し強い風が吹いて老人の被っていた帽子が私の足元まで飛ばされてきた。
私は咄嗟にしゃがみ、その帽子を拾った。
地面に転がって砂ぼこりがついたので軽く手で払い、杖を突きながら帽子を追いかけてきた老人に手渡した。
私は自室で一冊の文庫本を読んでいた。
それは私の本ではなかった。
ずいぶん昔に借りたまま返しそびれていたのだ。
私はこの本を借りたときのことを思い出していた。
あれはまだ私が中学生だった頃のことだ。
晴れた日の午後に私はその老人と初めて言葉を交わした。
ある用事で病院に行った帰り、病院の前庭でベンチに座って読書をしている老人がいた。
その老人は年老いていたが身なりがよく、たまに読書をしているのを見かけた。
私が家に帰ろうと思い、病院から出ようとしていたとき、少し強い風が吹いて老人の被っていた帽子が私の足元まで飛ばされてきた。
私は咄嗟にしゃがみ、その帽子を拾った。
地面に転がって砂ぼこりがついたので軽く手で払い、杖を突きながら帽子を追いかけてきた老人に手渡した。
老人は朗らかに笑って私にお礼を言った。
私はそこで老人と少し世間話をしたのを覚えている。
葉だけになった桜の木の下は日差しが遮られ、ひんやりとして涼しかった。
ずいぶん昔のことだから、どんな話をしたかまでは流石にはっきりとは覚えていない。
ただ、流れで老人が読んでいた本の話になった。
老人が読んでいたのは有名な小説家の作品で、親子の確執と和解について書かれたものだった。
老人はその本についてやけに怒っていた。
長年の確執が簡単に解消されたのが気に入らなかったようだ。
作者がとっくの昔に死んでいる作品に対して真剣に怒っている姿はなんだか面白かった。
当時の私はまだその作品を読んだことが無かった。
それを何気無く老人に言うと、老人は貸してくれると言った。
普段なら遠慮しただろうが、そのときの私は何故かその老人から本を借りることにした。
それがきっかけで私たちは病院で会うと何度か話をした。
何度かその老人に借りた本を返そうとしたが、いらないなら捨てて欲しいと言われ返せなかった。
そうこうしているうちに老人は亡くなってしまい、私の手元にこの本が残った。
私はそこで老人と少し世間話をしたのを覚えている。
葉だけになった桜の木の下は日差しが遮られ、ひんやりとして涼しかった。
ずいぶん昔のことだから、どんな話をしたかまでは流石にはっきりとは覚えていない。
ただ、流れで老人が読んでいた本の話になった。
老人が読んでいたのは有名な小説家の作品で、親子の確執と和解について書かれたものだった。
老人はその本についてやけに怒っていた。
長年の確執が簡単に解消されたのが気に入らなかったようだ。
作者がとっくの昔に死んでいる作品に対して真剣に怒っている姿はなんだか面白かった。
当時の私はまだその作品を読んだことが無かった。
それを何気無く老人に言うと、老人は貸してくれると言った。
普段なら遠慮しただろうが、そのときの私は何故かその老人から本を借りることにした。
それがきっかけで私たちは病院で会うと何度か話をした。
何度かその老人に借りた本を返そうとしたが、いらないなら捨てて欲しいと言われ返せなかった。
そうこうしているうちに老人は亡くなってしまい、私の手元にこの本が残った。
私は老人に借りた本をじっくりと眺めた。
捨てるに捨てられず今日まで持ち続けてきた。
だが、そろそろこの本を持っているべき人に返すべきだと考えた。
返すチャンスは今までに何度もあったが、何故か踏ん切りがつかなかったのだ。
これを返してしまったら、もう今までの関係でいられなくなる気がしていた。
その段階に進むためには私自身の弱さをさらけ出さなければいけないのだ。
この本を手に入れるきっかけを話すなら必然的にその話をしないわけにはいかなかった。
私は自分自身のそれを欠点と認めたくなかった。
それを認めてしまったら、人間は運命の奴隷であることを認めることになると思った。
私はそんなことを気にせずに自由でいたかった。
だが、嘘で塗り固めて作り上げてきた偽物の私は今にも崩れそうだった。
信頼してくれている人達を騙している罪悪感は夜毎に私を苛んだ。
私は他の人に話すことで楽になるであろうことを理解してはいた。
困ったときに手を貸してもらえるようになれば今よりもリスクは減るだろう。
現に社長からはプロデューサーだけには話しておくことを勧められていた。
捨てるに捨てられず今日まで持ち続けてきた。
だが、そろそろこの本を持っているべき人に返すべきだと考えた。
返すチャンスは今までに何度もあったが、何故か踏ん切りがつかなかったのだ。
これを返してしまったら、もう今までの関係でいられなくなる気がしていた。
その段階に進むためには私自身の弱さをさらけ出さなければいけないのだ。
この本を手に入れるきっかけを話すなら必然的にその話をしないわけにはいかなかった。
私は自分自身のそれを欠点と認めたくなかった。
それを認めてしまったら、人間は運命の奴隷であることを認めることになると思った。
私はそんなことを気にせずに自由でいたかった。
だが、嘘で塗り固めて作り上げてきた偽物の私は今にも崩れそうだった。
信頼してくれている人達を騙している罪悪感は夜毎に私を苛んだ。
私は他の人に話すことで楽になるであろうことを理解してはいた。
困ったときに手を貸してもらえるようになれば今よりもリスクは減るだろう。
現に社長からはプロデューサーだけには話しておくことを勧められていた。
>>105
お前が速報とここでネガキャンしてんだろ?
お前が速報とここでネガキャンしてんだろ?
まぁ、作者は好意的な反応だけを得られると思って書いてないだろ。
それでも律子に薬をキメさせたかったんだろう。わざわざ誕生日を狙って。
それでも律子に薬をキメさせたかったんだろう。わざわざ誕生日を狙って。
>>118
速報の方にはしてねぇよ
速報の方にはしてねぇよ
しかし、私はそれを断った。
プロデューサーに知られることで今まで通り接してもらえなくなるかもしれないと思うと足が竦んだのだ。
私はカバンの中にその本を閉まった。
明日この本を返そう。
そう決意した。
私は私のことを話すことに決めた。
その結果、プロデューサーに嫌われても仕方ないと思った。
電気を消して布団に入ると、目を瞑った。
瞼の裏には笑顔のプロデューサーの姿が浮かんでいた。
涙が頬を伝って流れ、枕を濡らした。
◇
朝が来た。
希望の朝というものには久しくお目にかかっていない。
ここ最近お馴染みの絶望が胃の辺りに溜まってムカムカしていた。
一晩経って、俺の決心は少し揺らいでいた。
だが、話さないわけにはいかないという思いが俺の中にあった。
俺はカーテンを開けて外を眺めた。
空は晴れていた。
雲ひとつ無かった。
雀が電線に止まり、首を傾げながら囀っていた。
窓を開けると、春の柔らかい風が部屋の中に流れ込んできた。
朝にしては強い日差しが今日も暑くなりそうな気配を漂わせている。
俺の心の内とは裏腹に外は酷く長閑だった。
しかし薬中春香という前例があるのに作者はこの話がウケると思ったんだろうか。
応援はしないが、完結させろよ。
応援はしないが、完結させろよ。
俺は平和な世界に苛立った。
寝ている間に世界が滅んでいたら、律子と話し合う必要は無かったのにと馬鹿なことを考えた。
しかし、主観的にはその問題は世界の危機だった。
俺と俺を取り巻く世界を根底から破壊してしまう危険性があった。
そんなことを考えていても、俺は自分が律子と話をすることを確信していた。
俺は本質的に臆病なのだ。
律子を放置することによって起きうる問題を考えるだけで、恐怖で背筋が凍った。
錯乱した律子がアイドルを殺すかもしれない。
それはあり得ないことではなかった。
異常な人間が何をするかなど、俺たち正常な人間には予測不能だ。
真っ先に浮かんだのは律子が竜宮小町のメンバーを惨殺している光景だった。
寝ている間に世界が滅んでいたら、律子と話し合う必要は無かったのにと馬鹿なことを考えた。
しかし、主観的にはその問題は世界の危機だった。
俺と俺を取り巻く世界を根底から破壊してしまう危険性があった。
そんなことを考えていても、俺は自分が律子と話をすることを確信していた。
俺は本質的に臆病なのだ。
律子を放置することによって起きうる問題を考えるだけで、恐怖で背筋が凍った。
錯乱した律子がアイドルを殺すかもしれない。
それはあり得ないことではなかった。
異常な人間が何をするかなど、俺たち正常な人間には予測不能だ。
真っ先に浮かんだのは律子が竜宮小町のメンバーを惨殺している光景だった。
ネタバレすんのは嫌だったんだけど
オマエらがあまりにもネガってるから言ってやるわ
これは765プロのタレントが主演の薬物仕様防止を呼び掛ける為のドラマ
最後にみんなで「ダメ絶対」とか言って終わる
オマエらがあまりにもネガってるから言ってやるわ
これは765プロのタレントが主演の薬物仕様防止を呼び掛ける為のドラマ
最後にみんなで「ダメ絶対」とか言って終わる
幻の中の亜美は何度も律子に腹部を刺されていた。
肩を掴まれ、包丁を腹部に開いた穴に何度も出し入れされていた。
律子が包丁を抜くと亜美の温かい血液が吹き出して、律子の包丁を持った手と上半身を汚した。
亜美のお腹にぽっかり開いた穴からはピンク色の腸がはみ出て見えた。
亜美は激痛にのたうちまわり、床に血反吐を撒き散らしている。
次に、律子が襲ったのは伊織だった。
驚いて動けなくなっている伊織との距離を一気に詰める。
律子の包丁は亜美の脂で切れ味を落としているはずなのに、あっさり伊織の頸動脈を刎ねた。
伊織は一瞬何が起きたのかわからないとでもいうようにぼんやりと立ち尽くしていた。
一拍置いて、切断された頸動脈が真っ赤な血を噴水のように吹き上げた。
肩を掴まれ、包丁を腹部に開いた穴に何度も出し入れされていた。
律子が包丁を抜くと亜美の温かい血液が吹き出して、律子の包丁を持った手と上半身を汚した。
亜美のお腹にぽっかり開いた穴からはピンク色の腸がはみ出て見えた。
亜美は激痛にのたうちまわり、床に血反吐を撒き散らしている。
次に、律子が襲ったのは伊織だった。
驚いて動けなくなっている伊織との距離を一気に詰める。
律子の包丁は亜美の脂で切れ味を落としているはずなのに、あっさり伊織の頸動脈を刎ねた。
伊織は一瞬何が起きたのかわからないとでもいうようにぼんやりと立ち尽くしていた。
一拍置いて、切断された頸動脈が真っ赤な血を噴水のように吹き上げた。
伊織は白眼を向いて後ろ向きに倒れ込んだ。
部屋が真っ赤に染まる。
床だけでは飽き足らず、壁や天井まで伊織の血で汚れた。
床に横たわった伊織はそのまま声も上げず、絶命した。
最後に残ったあずささんは全身を切り刻まれた。
白い肌の至るところに真っ赤な傷口が開いていた。
あずささんは致命傷はなかったが、おびただしい量の血を流していて助かりそうになかった。
胸も刺されていたが、心臓に上手く刺さらなかったようだ。
2人分の血と脂で切れ味が大分悪くなっていたせいだろう。
しばらく床の上で跳ねていたが、少しずつ動かなくなる。
焦点の合わない虚ろな目を見開いたまま天井を見上げていた。
やがて血を流しすぎたあずささんは冷たくなり、全く動かなくなった。
そして、血塗れの包丁を持ったまま律子は立ち尽くしていた。
三人の死体を見下ろしながら、血溜まりの中で仁王立ちしていた。
愉快で仕方がないというように哄笑しながら。
部屋が真っ赤に染まる。
床だけでは飽き足らず、壁や天井まで伊織の血で汚れた。
床に横たわった伊織はそのまま声も上げず、絶命した。
最後に残ったあずささんは全身を切り刻まれた。
白い肌の至るところに真っ赤な傷口が開いていた。
あずささんは致命傷はなかったが、おびただしい量の血を流していて助かりそうになかった。
胸も刺されていたが、心臓に上手く刺さらなかったようだ。
2人分の血と脂で切れ味が大分悪くなっていたせいだろう。
しばらく床の上で跳ねていたが、少しずつ動かなくなる。
焦点の合わない虚ろな目を見開いたまま天井を見上げていた。
やがて血を流しすぎたあずささんは冷たくなり、全く動かなくなった。
そして、血塗れの包丁を持ったまま律子は立ち尽くしていた。
三人の死体を見下ろしながら、血溜まりの中で仁王立ちしていた。
愉快で仕方がないというように哄笑しながら。
俺は頭を振ってその光景を打ち消した。
こんなことを考えるなんて、俺は既におかしくなっているのかもしれない。
こんなことは起きるはずがない。
自分の心配性を呪った。
しかし、少しでも可能性があるなら、こんな事態にならないためにも律子と話さなくてはならない。
俺は腹を括り、出勤する準備を始めた。
事務所に着くと、竜宮小町と律子がいた。
「みんな、おはよう」
4人に挨拶すると、眠たげな声で挨拶が返ってきた。
亜美は俺の側にやって来ると小声で話しかけてきた。
「兄ちゃん……どうするの?」
「今日話すよ……」
「そっか……」
亜美は嬉しいような、嬉しくないような微妙な顔をした。
このことは素直に喜べることじゃないのを亜美も理解しているようだ。
俺は亜美の頭を掻き回す。
「ちょっ!?兄ちゃん!?」
亜美は戸惑って悲鳴にも似た声で俺に抗議した。
これなら、今日の仕事も問題ないだろう。
俺は亜美の頭から手を離すとそっと耳打ちした。
「何とか律子を助けられるような道を考える」
「今日話すよ……」
「そっか……」
亜美は嬉しいような、嬉しくないような微妙な顔をした。
このことは素直に喜べることじゃないのを亜美も理解しているようだ。
俺は亜美の頭を掻き回す。
「ちょっ!?兄ちゃん!?」
亜美は戸惑って悲鳴にも似た声で俺に抗議した。
これなら、今日の仕事も問題ないだろう。
俺は亜美の頭から手を離すとそっと耳打ちした。
「何とか律子を助けられるような道を考える」
「……うん、お願いね?」
俺と亜美が話してるのを見て、伊織が突っかかってくる。
「ちょっと?なに内緒話してるのよ?」
「いおりんには教えてあーげない!」
亜美はわざと明るく振る舞っている。
こんな年下の女の子に心配させなくてはいけない自分の不甲斐なさを改めて反省した。
「なによ!教えなさいよ!」
「やーだーよー。ふふっ、でこちゃんが追いつけたら教えてあげるよー?」
「でこちゃん言うな!」
俺と亜美が話してるのを見て、伊織が突っかかってくる。
「ちょっと?なに内緒話してるのよ?」
「いおりんには教えてあーげない!」
亜美はわざと明るく振る舞っている。
こんな年下の女の子に心配させなくてはいけない自分の不甲斐なさを改めて反省した。
「なによ!教えなさいよ!」
「やーだーよー。ふふっ、でこちゃんが追いつけたら教えてあげるよー?」
「でこちゃん言うな!」
亜美は笑いながら伊織から走って逃げ出した。
伊織は怒って亜美と追っかけっこを始めた。
それをあずささんが微笑みながら見守っていた。
「全く、あの二人は……」
律子はその横でため息をついていた。
「律子……ちょっといいか?」
「はい?何ですか?」
「ちょっと会議する必要が出てきたから、仕事終わったら少し時間をくれないか?」
「会議ですか……?」
「ああ。非常に重要な問題なんだ。仕事は何時に終わるんだ?」
伊織は怒って亜美と追っかけっこを始めた。
それをあずささんが微笑みながら見守っていた。
「全く、あの二人は……」
律子はその横でため息をついていた。
「律子……ちょっといいか?」
「はい?何ですか?」
「ちょっと会議する必要が出てきたから、仕事終わったら少し時間をくれないか?」
「会議ですか……?」
「ああ。非常に重要な問題なんだ。仕事は何時に終わるんだ?」
「今日は16時まで竜宮の撮影ですから……アイドルを車で送ると……18時には事務所に戻って来れます」
「そうか……じゃあ18時半から会議やるから」
「ええ、わかりましたけど……何の会議ですか?」
「今後の765プロの方針について話し合うんだ」
「てことは社長も出るんですか?」
「いや、まずは俺たちだけで意見をまとめて欲しいそうだ」
「そうなんですか。わかりました。18時半ですね?」
「ああ。撮影が押して遅くなりそうだったら連絡してくれ」
「わかりました。それじゃ、行ってきます」
「あんた、サボってないでちゃんと仕事するのよ?」
「そうか……じゃあ18時半から会議やるから」
「ええ、わかりましたけど……何の会議ですか?」
「今後の765プロの方針について話し合うんだ」
「てことは社長も出るんですか?」
「いや、まずは俺たちだけで意見をまとめて欲しいそうだ」
「そうなんですか。わかりました。18時半ですね?」
「ああ。撮影が押して遅くなりそうだったら連絡してくれ」
「わかりました。それじゃ、行ってきます」
「あんた、サボってないでちゃんと仕事するのよ?」
「プロデューサーさん、行ってきます~」
「兄ちゃん頑張ってねー?」
「いってらっしゃい」
俺は亜美の応援に頷いて、みんなを仕事へと送り出した。
「ふぅ……」
「お疲れですか?」
音無さんがコーヒーの入ったマグカップを手渡してくれる。
湯気とともにコーヒーの良い香りが立ち上っていた。
「ああ、ありがとうございます……なんか悩みが多くて……」
「へー……」
「兄ちゃん頑張ってねー?」
「いってらっしゃい」
俺は亜美の応援に頷いて、みんなを仕事へと送り出した。
「ふぅ……」
「お疲れですか?」
音無さんがコーヒーの入ったマグカップを手渡してくれる。
湯気とともにコーヒーの良い香りが立ち上っていた。
「ああ、ありがとうございます……なんか悩みが多くて……」
「へー……」
こういう荒れるのをわざと載せてアフィで稼ぐのがエレ速
お前らエレ速様の小遣い稼ぎのためにちゃんと>>1を叩くんだぞ
お前らエレ速様の小遣い稼ぎのためにちゃんと>>1を叩くんだぞ
音無さんは自分の席についてコーヒーを飲み始めた。
俺もそれに習い、コーヒーを啜る。
2人の間に沈黙が流れた。
しかし、嫌な感じはしなかった。
ここしばらく無いぐらいに落ち着いていた。
「ところで音無さんって律子のことを知ってたんですか?」
「へ?律子さんがどうかしたんですか?」
どうやら聞かされてないみたいだ。
「いや、なんでもないです」
「気になりますね……教えてくれないんですか?」
俺もそれに習い、コーヒーを啜る。
2人の間に沈黙が流れた。
しかし、嫌な感じはしなかった。
ここしばらく無いぐらいに落ち着いていた。
「ところで音無さんって律子のことを知ってたんですか?」
「へ?律子さんがどうかしたんですか?」
どうやら聞かされてないみたいだ。
「いや、なんでもないです」
「気になりますね……教えてくれないんですか?」
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