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    元スレ勇者「狩人に魔法使いをNTRれたんだよ!」 まおう「えぇ!?」

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    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★
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    51 :

    >>45
    何言ってるのこいつ

    52 :

    しえんた

    53 = 12 :

     決して新しくない宿。その2階の廊下をまっすぐ歩き、突き当りの扉を開く。

    まおう「わぁー広い玄関ですぅ」

    勇者「回りくどい説明は面倒だからハッキリ言うとこれで全部だ。帝国のスイートルームならともかく、民間の中等宿なんざこんなもんさ」

    まおう「え、そうなのです?」

    勇者「そうなのです。……はぁ、別にやる事はなにもねぇんだ。俺は水あびてくっからてめぇは1人で飯を見繕ってろ」

    まおう「えー私1人で水浴びした事……」

    勇者「……冗談じゃねえぞ」

    54 = 12 :

    勇者「……冗談じゃねえぞ」

     お風呂……と言う名の水浴び部屋。

    まおう「お水、ちょっと温いですね」

    勇者「魔王の城は温水シャワー完備だったかもしれんが、この辺の水は地熱で温められたぬるま湯がある。
        土地の恩恵が無きゃ冷や水で流す事になるんだぞ」

     素っ裸になったまおうを、ひっくり返した桶の上に座らせる。凹凸のない身体はまさに板とか棒とか言うにふさわしい。

    勇者「(最初は躊躇ったが……これならどうもしない)」

    まおう「あはは、勇者さまそこはくすぐったいですよぉ、きゃはは! ああもうっ!」

    勇者「……なんか悪い事してるみたいだ」

    まおう「綺麗にしてるんじゃないですか?」

    勇者「いや……世間的に」

    まおう「……?」

    55 = 12 :

     濡れた長髪は拭くだけでも大変だった。魔法使いが要れば温風ですぐ乾かせたのに……。

    勇者「よいしょっと……」

    まおう「わー誰かと一緒のベッドで寝るって初めてですー! なんだかわくわくします」

    勇者「そうかい。普通だったら、俺はベッドを譲ってソファに寝るのが流儀だが……それはアホらしい」

    まおう「私はうれしいですよぉ」

    勇者「…………」

     絶え間ない会話がやっと途切れ、しばらく静かに横になる。

    56 = 12 :

    まおう「ねえ勇者さま」

    勇者「どうしたガキ」

    まおう「なんで最初、この宿に泊まりたくないと言ったのです? 城主の方ともお知り合いみたいですし……なにか、あるのですか?」

    勇者「あー……まぁ黙っているよりは知ってくれた方が良いかもな」

    まおう「どおぞ」

    57 = 12 :

    まおう「どおぞ」

    勇者「お前が城からここまで歩いてきた通り、この街は魔城に対する最前線の拠点だったんだ。
        魔王討伐のためにパーティを組んでいた俺たちは、城の前で力尽きない為に、レベル上げをしつつこの街に連泊してた。
        そろそろレベルも良い塩梅だし、魔王倒しに行こうかなっていた頃合いだった。
        奴が病気で死んだという報道が流れ、外の世界は明らかに変わっていた」

    まおう「お父さんが死んでから、供給する魔力が変化してみんな混乱していましたね」

    勇者「俺たちはそこで魔王の死を確信し、次いで自分たちの義務も終わった事を知った。
        最初の日こそ乾杯して朝まで飲んだが、その次の日からはみんな今後の自分を考え始めていたんだ」

    まおう「えーと……今後の自分って、それからどうしようって事ですよね」

    勇者「ああ。だが魔王討伐までは、自分が明日生きているなんて保証はなかった。
        考えない奴は本当に何も考えていなかった。だから、その飲み会を最後に全員が集まる事はもう1度もなかった」

    58 = 12 :

    まおう「そう、だったんですか……もしかしてそれが悲しくて、ここの宿へ泊るのをためらったんです?」

    勇者「バカかクソガキ。飲み会や宴会に誘われなかっただけで死ぬなら、俺はもうどこにも行けない」

    まおう「ち、違うんです?」

    勇者「問題は3日目の夜だった。俺は恋人であったはずの魔法使いと話そうとした。魔王が死んだら、
        一緒に故郷へ帰って結婚するんだと。ずっと前から互いに約束していた。それが……なんで……」

    まおう「魔法使いさん、まさか死……」

    勇者「まさにこの部屋……このベッドで、狩人のアレを受け入れて善がっていた」

    まおう「あ、あれ……? (何の事だろう)」

    勇者「拍手みたいな音がしたんだ。それでドアを開けて覗いて見ると、魔法使いは自分の口を手でふさぎながら、少し声を漏らしていた。
     狩人が動きを止めたかと思うと、魔法使いは白い足をピンと張って痙攣した。何が起きたのかは考えるまでもない光景だったよ」

    まおう「(やっぱり仲間討ち……!)」

    60 = 12 :

    勇者「しばらく2人抱き合ってから、狩人は自分のモノを引き抜いた。ドロッと何かが垂れているのがはっきり見えたよ。あいつは俺のより2倍は長かったな」

    まおう「(勇者さまの剣より2倍も大きいなんて……魔法使いさん、そんな死に方って……)」

    勇者「あそこまで見せられたらもう疑いようも問い質す必要もねぇ。それとなく約束の事を聞いてみたら……そこからはお前や神官に話した通りだ」

    まおう「(やっぱり落ち込んでる……ここは私が、しっかり励ましてあげないと!)」

    勇者「だからここに泊まるのは嫌だった。どうせ俺を通すならこの部屋になるだろうし。かといって善意を断れないし」

    まおう「あの! 勇者さま!」

    勇者「耳元で大声出すなガキ」

    まおう「あの……私で良かったら……」

    勇者「はぁ?」

    まおう「代わりに私が出来る事なら何でもやります! どうかなんでも申し付けてください!」

    61 = 12 :

    どうかなんでも申し付けてください!」

    勇者「お前、自分で何言ってるのか解ってんのか?」

    まおう「もちろん! (今日の感謝も重ねて、今私が出来る何かを精いっぱいしてあげないと!)」

    勇者「……ふふっ、じゃあその――あいや、やっぱりお前じゃ役不足だわ」

    まおう「えー! どうしてです!」

    勇者「あんなぁ! テメェにローブの上からでもはっきりと形の判るおっぱいを3年以上見せつけられて、
        かつそれにありつく約束をされたうえで、最後の最後にどんでん返しを喰らった俺の気持ちが解るとでも思ってんのか畜生ガァァ―――ッ!!」

    まおう「わっ私はただ勇者さまを励まそうと思っただけであっ、だめ、鼻、はにゃちゅまみゅのひゃめてふだひゃい……」

    62 = 37 :

    狩人がブツが立派なのか勇者のそれが粗末すぎるのか両方なのか

    63 :

    まあお前らが居る限り俺はVIPPERを続けるよ

    64 :

    >>5
    スリッピー! 何をしている 早く分析しろ!

    65 = 12 :

    勇者「……チッ。もう寝る」

    まおう「えーもう寝るのです?」

    勇者「審議拒否」

    まおう「ぶぅー……」

     無理矢理寝込むような格好をしばらく見せていたら、あいつは静かになって寝息を立て始めた。

    勇者「本当に面倒な奴だ……何でこんなことに」

     俺も疲れていない訳が無かった。緊張の糸の最後をほどくと、支えを失った人形のように眠りへ就いた。

    67 = 37 :

    つーかまおうがガキすぎてちょっぴりというかかなりうぜぇ

    68 :

    ないわ。つーか変なレスだな

    69 = 12 :

     ガサ……カサ……

    勇者「(ぁ……まおう……?)」

    まおう「…………」

    勇者「(ベッド抜け出して何処へ……トイレか)」

    まおう「…………」とてとて  バタム

     扉の音がしてからしばらくもしない内に事は起きた。

    まおう「……うぶぅぇっ!!」

    勇者「ま、まおう!」

    まおう「けほっ……かはっ……うぅー……うぅぅぅぅ……! くふっ……おええッ!!」

    勇者「何やってんだクソガキ! 大丈夫か!?」

    まおう「うぅー……うぅ……」

    勇者「黒い血、魔族の血か……それを吐出するってことは……まさかお前」

    まおう「げほっ、げほ……」

    勇者「この街のゲートで、やっぱり対魔族の魔法が効いてたんじゃねえか! どうしてずっと……今まで我慢してたんだよ!」

    70 = 12 :

    まおう「だって……あんなところで……騒いだら、きっと勇者さまの……迷惑に……」

    勇者「そんなの当たり前だろうが……だが、何故その事を俺に言わなかったんだ。
        耐えられるなら、こんなことになる前にそれなりの処置は出来たはずだ」

    まおう「だってだって……こんな状態じゃ……すぐに城へ返されちゃうし……」

    勇者「まおう……」

    まおう「今日みたいな楽しい日……もうずっと味わえなくなるんだもん……」

    勇者「……ドが付くアホガキめ」

    71 = 12 :

     その時は俺の応急処置魔法と、ツボの刺激によって容体を安定させた。
    そして宿主に用意してもらった牛乳とバターを混ぜて飲ませ、呼吸が安定してから蜂蜜を塗りたくったレモンを噛ませた。
     最後の方は意識を失うように寝てしまったが、しばらく様子を見ていると、眉間から力が抜けていくのがはっきり見えた。

    勇者「これでやっと……ふぅぁーあ……」

     ここ数日の戦闘よりよっぽど疲れた。もうさすがに瞼の重さに耐え切れない。

    勇者「……お休み」

    72 = 12 :

     ……日の光が地平線から映し出される少し前……

    宿主「ゆっ勇者さm! むぐぃぃ!!」

     突然扉を激しくたたく音で目を覚ました。

    勇者「どうした!?」

    宿主「――ッ!!」

    勇者「布で口を塞がれてる……」

     何かの襲撃である事はすぐに理解した。しかしそれが誰によるものかは検討が付かなかった。

    盗賊「ヘーイらぶらぶ事後のクソ野郎おはようございますどうも。ちょっと用事があって来ましたよ」

    勇者「何者だ。答える気がないならとっとと用を済ませろ」

    盗賊「そんな受け答え方は初めてだなぁ。まぁ仕事はとっとと終わらせたいけど、それだけじゃ味気ないんだよなぁ。
     だが俺はこの辺の盗賊じゃ天辺張ってんだ。自己紹介なんて真似は脅されたってしたくねぇ。お望みの通り仕事だけ済まさせてもらうぜ」

    73 = 12 :

     咄嗟に盗賊の背後から出てきた影がベッドを取り囲む。俺は背を起したままで盗賊の顔を睨み続ける。

    盗賊「怖くて動けないか? まぁいい。おめぇらとっととそこの少女を掻っ攫え。首領がお望みのブツはそいつだ」

    その仲間「「エッヒヒヒヒ……」」

    勇者「こいつをさらってどうやって逃げるつもりなんだ。クソ真面目にゲートから抜けたりしないよな」

    盗賊「バカよぉ、そんな事しか出来ない奴にこの仕事はもっと出来ねえよ。俺たち全員、崖を飛び越えられる跳躍の術を持っている。この街の壁なんか余裕さ」

    勇者「そうか」

    盗賊「……かっ、その余裕が返ってムカつくな。まぁいい。腰抜けの付帯騎士なんぞ相手にしたって時間の無駄だ。日が昇る前にずらかっぞ」

    まおう「……むぅ……」

    盗賊の仲間「ヘヒヒヒヒイイ……」

    勇者「…………」

    74 :

    「ヘヒヒヒヒイイ……」

    お前ら「「エッヒヒヒヒ……」」

    75 :

    ロリコン犯罪判決死刑

    76 :

    これ、前にいた荒らし?

    77 = 12 :

     荒野の街フィールド外  盗賊団の砦

    まおう「あ……あ、ここは……」

    首領「おおようやく目が覚めたか。日が高く昇っても起きないとはお母さんに叱られるぞ」

    まおう「おかあ……さん……ってうわぁ! なんですこの縄は! あなたがた誰ですか!」

    首領「ちょっと欲張りな大人たちさ。君に少し質問をさせてはくれないか」

    まおう「な、何ですか……」

    首領「君は……昨日崩壊した魔城の主、つまり魔王直系の娘、まおうではないのか?」

    まおう「ええっ……」

    首領「情報は掴み、ある程度の確信はあるのだが……何分俺達には判別する術がない。だから」

    まおう「だ、だから……?」

    首領「クライアントが欲しいのは印鑑だ。俺たちが欲しいのは金。だったら君には、象牙になってもらおうと言うのが私たちの考えだ」

    まおう「何の事言ってるの……勇者さまはど――」

     ガッ ボコッ ビリッ

    まおう「うあぁッ!?」

    78 = 12 :

    首領「さぁ認めろ。既に自白認知の方陣は完成している。あとは貴様がまおうであると認めれば、それが本当だろうが嘘だろうが、お前は自分をまおうと言う」

     ゲシッ ガスッ パァン

    まおう「ひぃぃ……やめっ、痛――」

     ボフゥゥン

    まおう「――――!!」

    首領「おお……腹に私のストレートが入ってもまだ失神しない。体は小さいのにこの耐久力、やはりまおうで間違いないだろうな」

    仲間「首領どの、失神させては自白認知の術が――」

     ザクッ

    仲間「…………ッ!!」 どさっ

    首領「俺の腹パンはガキのハラワタも潰せないとでも言うのかぁ……ええ……?
        それでもまだ生きてんだ。こいつはまおうに違いねぇ。自白も認知もあるか」

    まおう「カッ……カク…………」プルプル

    首領「あーあ。お前がトロいから野郎が1人死んじまっただろうが。しかしまあいい。
        これからクライアントのところまで連れて行くが……逃げ出そうとしたり暴れでもしたら、
        刺してくれと懇願する程の苦痛を味あわせてやるから覚悟しろよ」

    80 :

    >>31
    お前もBOTになれよ http://www55.atwiki.jp/vipmind/

    >>70
    お前アフィブロガーだろ

    81 = 12 :

    まおう「……は……はぁぁ……!」

    首領「よし野郎共。出発だ」

    「…………」

    首領「俺に返事しねえったどういう事だ糞共!!」

    「熱心な仲間の寝言に期待するんだったな」

    首領「だ、誰だてめぇ……!」

    勇者「子守りのサービスを頼んだ覚えはないぜ」

    首領「バカな、侵入者の報告なんて誰も」

    勇者「ばれないようにやれば簡単だろ。俺も昔は、努力するつもりで全力で楽な方向へと転がろうとしていたけど……旅のおかげで、その方が面倒と知ってな」

    首領「何をゴタゴタと……! うらぁぁッ!!」

    勇者「――っ!」

    首領「フンッ、フンッ! 糞がぁ……避けるので精一杯なのかぁ!? どうなんじゃ!!」

    勇者「……言っておくが、確かに俺は普通の性癖ではない。魔法使いのおっぱいを頭に乗せて破魔の兜とかやってみたかったクチだ」

    82 :

    まおう「れ」ってなんですか

    83 :

    俺、スクリプトじゃねーーし!俺、スクリプトじゃねーーーーーーーーーーすぃ!

    84 = 12 :

    首領「頭大丈夫かこいつ……?」

    勇者「だが、1つだけ断らせてもらう」

    首領「死ねェェェ―――ッ!!」

    勇者「俺はロリコンじゃないッ!!」

     ――……

    首領「かっ………………ぁ……」

    勇者「そいつで遊んでいいのは俺だけだ。そう任されたんだからな」

    85 = 12 :

    まおう「ゆう……し……さ……」

    勇者「ほら無駄にしゃべんな。もしお前がまおうじゃなかったら、今頃イケナイものを垂れ流して死んでたところなんだぞ」

    まおう「でも……私がまおうだったから…………ゆうしゃさま、助けに来てくれた……」

    勇者「……勘違いするな」

    86 :

    YES.ロリコン
    NO.タッチ

    87 :

    >>12
    いやいやいや、おかしくね?

    >>57
    これはOUT

    88 = 12 :

     静まり返った砦の階段を、まおうをかかえながら下りる。そして地上の出口に差し掛かると――

    盗賊「おい……クソ野郎……」

    勇者「お、心配すんなぬすっと。お前に急所は当ててないし、
       親玉にはちょっと記憶が危なくなるツボを刺激しただけだ。誰も殺しちゃいねえ」

    盗賊「俺が聞きたいのはそういう事じゃねえ……何でそんな実力があるのに、俺が襲撃した時に助けなかったんだよ……」

    勇者「ちょうど、こいつをゲート通さずに外へ出す方法を考えあぐねていた所だったからな。
       質問してみたら都合良いから様子を見たのさ」

    盗賊「しかし……俺たちがそいつをどこに連れていくかなんて誰も……いや、この砦の存在は、盗賊団以外知らないはずなのに……」

    勇者「この濁った石ころ、意外に便利だぞ。共通の白魔法を掛けておくと、
       互いの位置や今見ている光景、距離にもよるが音も伝わる。良い買い物したぜ」

    盗賊「…………そうか。で、俺たちをどうするつもりだ。連れをそんなにしちまったんだぞ、街の公安とかに通報しないのか?」

    勇者「自惚れんな。いつまでも誰かが世話してくれると思うな。
        お前らを捕まえたところで何になる。それに事情聴取や捜査協力をしている暇もない」

    盗賊「……ふっ、そうか」

    勇者「そうだよ。せいぜい意識混濁のした首領に、お前は下っ端だとでも教え込ませてやれ」

    89 = 75 :

    スタイリッシュロリコン

    91 = 12 :

     3時間後 荒野の中

    勇者「もう1人で歩けるだろ」

    まおう「えー、もっとこのままがいいです」

    勇者「冗談言うな。いつまでも俺の手を塞ぐんじゃないこのクソガキ」

    まおう「……うー、片方なら塞いでていいです?」

    勇者「それはどういう――」

     隣に並んだ彼女は、左手をそっと俺の右手に重ねた。訊き返したのは他でもない。俺にそんな発想は無かったから。

    92 = 12 :

    勇者「……面倒な奴」

    まおう「これからどうするんです?」

    勇者「昨日街で買ったアイテムで転送魔方陣を作る」

    まおう「ワープ魔法みたいなものですか?」

    勇者「魔族はそう大して移動しないから戦闘の為にしか瞬間移動系の魔法を使わないらしいが……まあいい。
        これは長距離用の転送魔方陣。次の街まで一気に飛んで、
        またそこでアイテムを揃えて飛ぶのを繰り返して俺の国に戻る。それでも時間はかかるが、陸路を歩くよりは遥かに速い」

    93 = 12 :

    まおう「へぇー。確かに魔族は、その土地を守るために生きているようなものですから」

    勇者「お前はもうちょっと自分の言葉を――」

     俺はいつもの調子で言うのをためらった。命のためとはいえ、家を失い、魔族の性(さが)に背き、
      こんな所まで付いて来るには、きっと今の笑顔を裏返しにしたような悲しみの上に、覚悟を重ねているかもしれない。

    まおう「ねーねー勇者さま! 向こうにおっきな山があるよー!」

    勇者「……いや、やっぱりアホらしい」

    94 = 12 :

     1時間ほどかけて丁寧に方陣を作り、転送するための魔力を充填させる。

    勇者「こんなもんだろう。これで一気に機械の国まで行けるはず……」

    まおう「えと、勇者さま」

    勇者「あ?」

    まおう「このまま、手を繋いでいればいいです?」

    勇者「……いいんじゃねーの。知らないけど」

     特に覚悟も決めることなく、術を開放する。

    勇者「ん……」
    まおう「ふわぁっ」

     ―――……

    95 :

    ふむふむ

    96 :

    いいじゃん

    97 :

    >>82
    スクリプトと遊んでこそVIPだろ

    98 = 12 :

    勇者「ここが機械の国か」

    まおう「ねえ勇者さま勇者さま、またおっきな山があるんですけど」

    勇者「あれは工場が積み重なって出来たy……あれ?」

     どう見ても荒野のままだ。

    勇者「ありゃおかしいな……幻覚でも見てるのか」
    ぎゅううう
    まおう「痛いです痛いです! 私の頬つねって幻覚が醒めるんですかぁ!?」

    勇者「おかしい……なんで転送出来ないんだ」

    まおう「まだ痛いですぅ……」ヒリヒリ

    勇者「…………」

    99 = 12 :

     赤くなった頬を擦るまおうを見つめると、ふと心当たりに行き着いた。

    勇者「お前……レベルいくつだ?」

    まおう「え、レベルって何です?」

    勇者「…………」

     転送魔法も万能じゃない。高レベル同士が1つの魔法陣で移動しようとすると、移動させる魔力がオーバーフローして安全のために転送を中止する。
     従来なら1人1人が魔法陣を作ればいいが、まおうはおそらく作れないだろうし、俺の目的としている国など知る由もないだろう。


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