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    元スレあかり「君と好きな人が百年続きますように」

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    みんなの評価 :
    タグ : - とある科学の超電磁砲 ×4+ - ちなあか + - ゆるゆり + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    51 = 41 :


    京子「ほんっと寒くなっちゃったなあ」

    外に出るなり呟いた京子ちゃんの声に、私たちまで思わず震えてしまった。
    もうマフラーをしていない生徒のほうが少ないくらいのこの時期、結衣ちゃんが
    「もうすぐ冬休みかー」とぽつりと言う。

    あかり「中学生になってからはじめての冬休みだからすっごく楽しみ!」

    結衣「べつに変わったことはなにもないけどな」

    京子「お年玉が増えるとか?」

    結衣「あー、それはうちあったなあ」

    ちなつ「結衣先輩羨ましいです!」

    結衣「えっ、そう?」

    52 = 41 :

    四人で並んで校門をくぐりながら、いつものように流れていく会話。
    私はこんな時間がすごく好きだった。
    一番端っこ、ちなつちゃんの隣。ちなつちゃんの結衣ちゃんに向けた一生懸命な言葉を、その表情を
    そっと盗み見ることがいつのまにか習慣になっていて。

    それで、きっとあかりは、もうずっと前からちなつちゃんのことを好きだったんだなぁと
    感じるのだ。

    京子「あかりは?」

    突然話を振られて、はっとする。
    みんなの視線が私に向けられていた。

    53 = 9 :

    ちなあかの人か
    支援

    54 = 41 :

    あかり「えっ、なにが?」

    ちなつ「あー、またあかりちゃん話聞いてなかったな」

    ちなつちゃんに言われて、私は曖昧に笑った。
    今日はなんだか、こんなことばかりだ。

    結衣「冬休み、どこか行こうかって話」

    あかり「あ、行く行く!あかり行きたい!」

    京子「さすがあかりだ!食いつきがいいな!」

    あかり「あかり犬じゃないよ!?」

    55 = 41 :

    京子「私は犬とは言ってない」

    あかり「あっ」

    自覚あるんだ、と結衣ちゃんとちなつちゃんが苦笑する。
    自覚があるというよりも、誰だってそんな言い方されれば……うぅ、どうなんだろう。

    結衣「それでどこ行くんだ?」

    一人悶々としていると、助け舟を出すように、結衣ちゃんが話題を変えてくれた。
    京子ちゃんが「うーん」と腕を組む。

    結衣ちゃんは優しいなぁと思う。
    優しいからこそ、ちなつちゃんはそんな結衣ちゃんのことが好きで。
    わかっているから、よけいに結衣ちゃんの優しさにどんな気持ちを抱けばいいのか
    わからなくなる。

    57 = 41 :

    京子「どこか行きたいとこある?」

    ちなつ「なにも考えてなかったんですね……さすが京子先輩」

    京子「よしちなつちゃんに褒められた!」

    結衣「いやどう考えても褒めてないから」

    私はそっと、ちなつちゃんの隣から一歩、離れてみた。
    ちなつちゃんはきっと、なにも気付いていないから大丈夫。
    私の気持ちが落ち着いてくれるまでちなつちゃんから離れなきゃ、私はたぶん、
    いつものあかりじゃいられなくなる。

    京子「ていうかうち、今年はあんまり遊べる時間ないんだよな……」

    結衣「あぁ、おばあちゃんとこ行くんだっけ?」

    京子「なんか体調崩したっぽくてさー、行かなきゃなんないみたい」

    58 = 41 :

    ちなつ「なら四人でどこか行くのって無理じゃないですか?」

    京子「……なんだよなー」

    結衣「なら最初からどっか行こうぜなんてこと言うなよ」

    京子「忘れてた」

    ちなつ「忘れないで下さいよ」

    ね、あかりちゃん。
    そう声をかけられて、私は顔を上げた。まさかちなつちゃんが私に話を振ってくるとは
    思わなくて、「う、うん……!」とただこくこくと頷くことしかできなかったけど。

    59 = 5 :

    いつものちなあかの人っぽいね
    >>32が正しかったな

    61 = 41 :

    あかりって単純なのかなぁ。

    そんなことを思った。
    結衣ちゃんに助けられたら、ちなつちゃんへの気持ちと結衣ちゃんへの気持ちが
    ごちゃ混ぜになって苦しかったのに、ちなつちゃんに少しでも優しくされてしまえば、
    こんなふうにもう、どうだってよくなってしまう。

    京子「あ、あかりまでそんなこと言うなんて……三対一で私の負けだと……!」

    結衣「別に勝負なんかしてねえよ」

    結局、冬休みのことはなにも決まらずじまいでいつもの別れ道。
    私たちはそれぞれ別れて家へ帰っていく。
    最後までみんなに手を振りながら、私は「だめだなぁ」と小さく溜息を吐いた。

    62 = 41 :

    ―――――
     ―――――

    あかね「おかえりなさい、あかり」

    あかり「あ、お姉ちゃんただいま!」

    家に着くと、待っていたようにお姉ちゃんが玄関のドアを開けて中へ入れてくれた。
    のんびり歩いていたせいかいつのまにか周囲は真っ暗で、冷え冷えとしていた。
    手袋をしていない手がかちこちと痛かった。

    あかね「中学生になってからは帰りがちょっと遅くて心配しちゃうわー」

    あかり「えへへ、ごめんねお姉ちゃん」

    64 :

    いつものちなあかの人って
    「ともこさんが好きだったんだぁ」と「贈りたかった言葉」以外にどんなss書いた?

    65 = 41 :

    そんなふうに心配されてしまうと、なんだか少しだけでも大人になった気分だ。
    私が謝ると、お姉ちゃんは「ちゃんと帰って来てくれるだけで充分だけど」と
    慌てたように言って。

    あかね「悪い虫でもついちゃったら大変だから」

    ふふっとお姉ちゃんが笑う。
    恋愛ごとに関して疎いとは言っても、その言葉の意味くらいはわかるから、
    ちなつちゃんのことが頭に浮かんで私はなんだかお姉ちゃんと目を合わせ辛くなってしまった。
    ちなつちゃんが悪い虫だなんて、そんなわけはないけれど。

    66 = 9 :

    >>64
    結衣「一人よりみんなで」がゆるくて好き

    67 = 41 :

    あかり「お、お姉ちゃんは心配しすぎだよぉ」

    あかね「そう?」

    首を傾げるお姉ちゃんの横を、私は慌ててすり抜けた。
    すり抜けざまに、お姉ちゃんが「あかりったらもう」とおかしそうに笑ったのが見えた。

    ――――― ――

    68 = 9 :

    69 :

    お前ら文章だけであの人だとか分かるのな
    すごいわ

    70 = 41 :

    ご飯とお風呂を先に済ませて、私はようやく部屋に落ち着いた。
    ベッドにぼふんとダイブすると、「はーあ」と大きく息を吐く。
    お母さんかお姉ちゃんのどちらかが洗濯してくれていたのか、くらげのまくらが
    ふわふわと気持ちよかった。

    ごろんと寝返りをうって、仰向けに寝転ぶ。
    天上をじっと見上げながら、私はぼんやりと物思いに沈む。

    ちなつちゃん、今どうしてるかなぁ、とかそんなこと。

    私はきっと、一度好きになってしまえばその人のことしか見えなくなってしまうのだ。
    もちろん、他の友達のことだって大好きなことには変わり無いのに。

    あかり「……」

    今日はちなつちゃん、結衣ちゃんと電話する日だって昼休みに言っていた様な気がする。
    だったらあかりはもう寝ちゃおうかな。
    そう思って目を閉じたとき、「あかりー」とお姉ちゃんの声がした。

    72 = 41 :

    ぱっと身体を起こして、「なあにー?」と返事を返す。
    お姉ちゃんが部屋に入ってきてにこにことうさぎさんのリンゴを差し出してきた。

    あかり「あ……」

    一瞬、ちなつちゃんからの電話なんかを期待してしまっていた自分に気付いて、
    私は恥ずかしくなって「ありがとぉ」と俯いてリンゴを受取った。
    お姉ちゃんが「もう寝るならちゃんと布団かけて寝るのよ」とお母さんみたいなことを言って
    部屋を出て行くのを見送る。

    カリッ
    齧ったリンゴは少しぬるかった。

    あかり「……」

    ウサギさんの頭まで全部を食べてしまうと、私は机の上に無造作に置いてあった携帯を
    そっと手にとってみた。

    73 = 5 :

    >>64
    俺が把握してる範囲では、

    あかり「それならあかりに恋してよ!」
    あかり「あかりにとって、初恋はあなたでした」
    ちなつ「好きだよ、あかりちゃん」
    結衣「雨」

    あたりか

    >>66
    それ読んだこと無かった
    後で読むわ

    74 = 41 :

    >>73
    途中レスすまん
    ちなつ「好きだよ、あかりちゃん」は違う

    75 = 5 :

    >>74
    そうなのか、悪い

    76 = 41 :

    携帯を開けて、時間を確認。
    もうすぐ9時だ。寝なくちゃいけない時間帯。

    あかり「……」

    今ちなつちゃんに電話してしまったら、迷惑がられるかもしれない。
    それよりなにより、まだ結衣ちゃんと電話してるのかも。
    そう思うと、私は開けた携帯を閉じるしかなかった。

    おやすみ。

    誰にともなくそう呟くと、私は部屋の電気を消した。
    真っ暗な部屋、布団にもぐりこんで。
    身体を丸めて、声が聞きたいとか、そんな衝動を押さえ込んだ。

    78 = 41 :

    ―――――
     ―――――
    結衣ちゃんのことが好きだと言われたのは、たぶん夏休みだったと思う。
    その時はまだ、その好きという意味が友達としての好きなのだと、先輩への憧れとしての
    好きなのだと、そう思っていた。

    けれどきっと、本当はそうじゃなくって、ちなつちゃんは本気なのだと。
    そう気付いたのはちなつちゃんがふとしたときに見せた泣き顔だった。
    ちなつちゃんが泣いているところを見て、私もちなつちゃんのことが普通とは違う好きなのだと
    気付いてしまった。

    それでも、ちなつちゃんの笑顔を見るには、結衣ちゃんが必要だ。
    それに私は嘘吐きになんてなりたくないから。

    ちなつちゃんが、結衣ちゃんへの想いを叶えられるように。
    私はちゃんと、ちなつちゃんに気付かれないように笑わなきゃ。

    79 = 41 :


    あかり「おはよー」

    京子「お、きたきた」

    いつもどおりの時間。
    いつもの恰好で、いつもの待ち合わせ場所。

    ただ、今日はいつもと違うことが一つだけ。

    ちなつ「おはよ、あかりちゃん」

    あかり「うん、おはよぉ」

    京子「んじゃあ行こっか」

    81 = 9 :

    82 = 41 :

    そう言って京子ちゃんが歩き出そうとするのを、私は「えっ」と引きとめた。
    「なんだよー?」と京子ちゃんが振り向く。

    あかり「だ、だって結衣ちゃんは?」

    ちなつ「今日休みなんだって……」

    はあ、とちなつちゃんが溜息を吐いて言った。
    京子ちゃんが「熱あるらしくてさ」とちなつちゃんの言葉を引き継ぐ。

    京子「道端に落ちてた舐めかけの飴なんて食べるから……」

    ちなつ「するのは京子先輩でしょ」

    京子「さすがに私もそこまではやらないし!」

    すたすたとちなつちゃんが歩き始めて、私たちは慌ててその後を追う。
    いつもの朝なのに、結衣ちゃんがいないだけでなんだか少し、私たちのバランスが
    崩れたような気がした。

    83 :

    しえん

    84 = 41 :

    >>82
    ちなつ「するのは京子先輩でしょ」

    ちなつ「それするのは京子先輩でしょ」

    85 = 41 :

    教室に着くと、ちなつちゃんが「あーもう!」とどかっと自分の席に座り込んだ。
    私もその後ろの席に鞄を置くと、「あの、ちなつちゃん?」と声をかける。
    なんだかすごくイライラしてるみたいだった。

    ちなつ「なによー」

    あかり「ど、どうかしたのかなぁって」

    ちなつ「……どうかしたっていうか」

    突然ちなつちゃんは大人しくなると、机に突っ伏した。
    そのまま脱力したように動かなくなる。

    86 = 41 :

    ちなつ「……失敗しちゃった」

    あかり「へ?」

    昨日、結衣先輩に電話するって言ったでしょ。
    ちなつちゃんが言う。
    私はちなつちゃんの髪に触れようとして、やめておいた。

    ちなつ「……冬休みのこと、なにも決まってないし、結衣先輩も決まってなかったみたいだから」

    あかり「うん……」

    ちなつ「クリスマスも空いてるかなって思って」

    その先はちなつちゃんはなにも言わなかったけど、きっとちなつちゃんのことだから
    結衣ちゃんを誘おうとしたのだろう。

    87 :

    その言葉の端が終らぬ間にあかりの右手が揺らいだ
    と、その時已にちなつの腕は無意識の内に真円の形をなぞりまさに両眼を貫かんとする鉤爪の様に迫るあかりの指突を弾いた
    「ッ!」
    眼前のあかりの顔が歪む、と見るや瞬間視界から消えた
    体駆を捩るように沈め腿力と腰の回転稼働を利し低姿勢からの鷹爪後連撃、順、逆を囮に側面からの時差を逸した双撃、そして止めの接身から猿臂
    常態からでも到底回避は出来ぬ神速の連撃
    『鉄の爪』の忌み名をもつあかりにして会心の奇襲

    だが、しかしちなつも只の鼠ではない
    彼女の手足は固有意識の命令を待つこと無く自然と迎撃に動いていた
    驚くなどという無駄な処理は勝手に脳にやらせておき、体は日夜染み付い動きを精確に再現する
    それは、傍見すれば自意識さえ要さぬ究極の防禦
    即ち――護身開眼と見えただろう
    だがそれは錯覚である
    日常においてちなつ本人が効率的な体惟の操作を意識していた事と、自動的な彼女自身の思考が有機に結びつき化学反応を起こしただけのことだった

    88 :

    えっ

    90 = 41 :

    あかり「断られちゃったの……?」

    聞いていいのかだめなのかわからないままに、けれど何も言わないちなつちゃんに
    聞くしかなくて、私は控えめにそう訊ねた。

    ちなつ「……ううん」

    あかり「へ?」

    ちなつ「断られたっていうか、怒られちゃった」

    結衣ちゃんに?
    きょとんと訊ねると、ちなつちゃんは今度はこくんと頷く。

    ちなつ「怒られちゃったというより、京子先輩のことをそんなふうに言わないでって」

    92 = 41 :

    あかり「……え」

    ちなつ「最初は二人でどこか行こうってうまくいってたのにさ、結衣先輩が京子先輩や
        あかりちゃんも誘おうかって言うから、つい、京子先輩の不満とか、ぶつけちゃったの」

    結衣ちゃん、ひどいね。
    そう言おうとしたけど、言えなかった。結衣ちゃんがちなつちゃんに京子ちゃんのことを
    悪く言ってほしくなかったみたいに、きっとちなつちゃんだって私に結衣ちゃんのことを
    悪く言ってほしくなんてないはずだ。

    それにたぶん、結衣ちゃんは熱があって心が不安定になっていたりもしただろうから――
    そうは思っても。
    やっぱり私が結衣ちゃんに対して抱く気持ちはぐちゃぐちゃだった。

    94 = 41 :

    ちなつ「やな子だって思われちゃったよね、きっと」

    ようやく顔を上げたちなつちゃんが、「失敗しちゃったなあ」と弱弱しく笑った。
    ちなつちゃんは私の前じゃ、どうしても結衣ちゃんたちの前みたいな笑顔は見せてくれない。

    あかり「……ちなつちゃん」

    こういうときになんと声をかければいいのか、あいにく私にはどんな言葉も持ち合わせていなかった。
    だから私は、ちなつちゃんと一緒に悲しくなることしかできない。
    ちなつちゃんにとっては、必要の無いことでも。

    ちなつ「せっかくのクリスマスだったのになあ」

    あかり「……うん」

    ちなつ「……ねえ、あかりちゃん」

    ふいに、ちなつちゃんがじっと私を見た。「うん?」と返事を返す。
    教室は、だんだんと登校してきたクラスメイトたちでいっぱいになる。
    運んでくる冷気よりも、みんなの体温が教室全体の温度を高くしていって、ストーブも
    ついていないはずなのになんだかぼっと熱かった。

    あかり、期待しちゃってるのかな。

    95 = 41 :



    ちなつ「こうなったらもう、クリスマス二人で過ごしちゃおっか」


    96 = 41 :

    少し離席
    6時までには戻ってくる

    98 = 9 :

    99 = 9 :


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