元スレ紅莉栖「今年の夏も岡部に会える♪」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
251 = 1 :
岡部「・・・」
紅莉栖「・・・」
ペタシ、ペタシ、カラン、コロン。
紅莉栖が横に並びながら岡部の顔を覗き込むと、目が合った瞬間プイと目を逸らした。
紅莉栖「あ、なんでよ」
岡部「いや、別に・・・」
紅莉栖「・・・似合って、ないかな」
岡部「あ、いや、そうじゃない。その・・・そこまで気合入れた格好をしてくるとは思わなくてな」
紅莉栖「って、そっちだって浴衣着てきてるじゃないの。変なの」
フワリ、フワリとポニーテールが規則正しく揺れる。
岡部「・・・いぞ」
紅莉栖「なんか言った?」
253 = 1 :
紅莉栖「うわ、凄い人の数。みんな花火大会に行く人なの?これ」
夏の風物詩、柴又駅は黒山の人だかり。
岡部「毎年数十万人が集まるらしいからな。ここではぐれてしまっては生きて帰還することは困難となるぞ。ほら」
紅莉栖「くす、何よそれ」
差し出された右手を、強く、左手で握り返した。
数分後。
「なんだこの人数は!これが噂に聞く”通勤ラッシュ”というものなのか!?どっちに向かえばいいのだ」
「おう、どうした?花火か?よかったら案内してやるが」←英語
「わー、外人さん」
(あ、英語喋れるのね。意外)
さらに数分後。
柴又公園近辺、人ごみを華麗に避けながら猛スピードで駆け抜けるキックボードが目撃された。
254 :
ポニテ紅莉栖とか俺得すぎマグマ
255 = 152 :
ちぃーす
256 = 1 :
紅莉栖「ふおぉ・・・!」
高々と打ち上げられた花火が色鮮やかに爆ぜる。その一つ一つに思わず感嘆の声が漏れてしまう。
紅莉栖「綺麗・・・!ふおっ」
岡部「おお、でかいな、今の」
紅莉栖の横顔をチラリと見る。
岡部(喜んでくれているようだ。”花火よりも、お前のほうが綺麗だよ”か・・・さもありなん)
「おぉ・・・これはすごい・・・!アートだ!ジャパニーズ・アートだ!」←英語
携帯電話のカメラを起動しようとした所を、案内人の男に止められる。
天王寺「やめときな」←ry
「なぜだ?この美しい光景は是非写真に収めたいのだが」
天王寺「花火の美しさってぇのは写真じゃ残せねぇ。心のアルバムにしまっておくものだ」
「心のアルバム・・・なんて綺麗な言葉だ・・・!日本人のスピリットはブリリアントだ!」
萌郁(あ、なんかわかんないけどいい事言ったのね、多分)
鈴羽「おー、きれー。写真撮っとこ」
257 = 189 :
鈴羽ww
258 = 1 :
岡部「どうだった?」
紅莉栖「すごかった!」
岡部「子供かっ」
紅莉栖「なんていうか、その・・・すごかった!」
岡部「・・・かわいいぞ」
紅莉栖「ふぇっ!?な、なんでこのタイミングで?」///
岡部「さっき言いそびれたのでな。その姿、とてもよく似合っている」
紅莉栖「ぅ、あ・・・そ、そっちだって、よく似合ってるわよ!かっこいいから!」///
岡部「惚れ直したか?」
紅莉栖「惚れ直してない!最初からずっと惚れっぱなし!って言わせんな恥ずかしい!」///
「すいませーん、イチャイチャしてる所申し訳ないけど、ちょっと時間もらえないですかねー」
岡部「ん?」
紅莉栖「ん?」
261 = 1 :
男から差し出された名刺の会社名には、見覚えがあった。
岡部「『アーク・リライト』って、秋葉原にある編プロの?」
男「あ、ご存知?いやぁ光栄っすねー」
女「浴衣姿の女の子特集のために写真撮らせてもらってるんですけど、お時間大丈夫ですか?」
女はそう言うと、肩から下げた鞄から一冊のファッション雑誌を取り出す。
紅莉栖「あ、ラボで読んだことある」
岡部「ああ、まゆりがたまに買ってる雑誌だ」
岡部「撮ってもらえばいいではないか。どうせ今はまだ駅も混んでいる」
紅莉栖「うーん・・・じゃ、いいですよ」
男「お、彼氏さん、話がわかる!それじゃ、2~30分で終わりますんでー」
262 :
やばい匂い
266 = 1 :
男がカメラマン、女は指示を受けてレフ板を動かしている。
岡部「さすがにカメラ慣れしているな。振舞いに余裕がある」
手持ち無沙汰なので、携帯を取り出し、メールを打つ。
送信メール
7/26 20:14
件名:
本文:
アーク・リライトという編集プロダクションを知っているか?
受信メール
7/26 20:15
件名:突然どうしたの?(・_・?)
本文:
ごめん、返信遅れちゃった。
聞いたことないけど、それがどうしたの?
萌郁
岡部「そうか、ならいい・・・と」
268 = 1 :
男「お、いいよーその表情かわいいねー。ところで、学生さん?」
紅莉栖「え、ええと、そうです。大学生です」
こんな所で身元バレは恥ずかしいので、一部の情報は隠すことにした。
男「そうなんだ。どこの大学?」
紅莉栖「えっと、ヴィクトル・コンドリア大学です」
男「へっ、ヴィクコン!?アメリカの?本当に?」
紅莉栖「はい、脳科学専攻です」
男「ヒャー驚いた!今日イチの可愛いコが今日イチの高学歴!こりゃ一面決まりだよ!」
女「じゃあ今は夏休みで帰国中ですか?」
紅莉栖「はい、彼に会いに来ました」
男「アッツイねぇー。彼氏さんからしたら自慢の彼女でしょ! ハイ撮影終わりー」
269 = 27 :
この頭の悪そうな男が紅莉栖の大学を知っているのに違和感
270 = 1 :
撮影が終わったらしく、紅莉栖が指示を受けて書類を書いている。
アシスタントの女が、暇そうにしている俺に話しかけてきた。
女「お待たせしました。もうすぐ終わりますから」
岡部「ご苦労様です。男女で取材なんて珍しいのでは」
女「女性を撮影する場合は結構多いですよ。男だけだと怪しまれたり断られたりが多くて」
岡部「なるほど、納得です」
女「彼女さん、アメリカの大学に通ってるんですね。超遠距離恋愛ですか?」
そうか、素性を隠したか。
岡部「ええ、年に数回しか会えないので、こうやって思い出作りの為にここまで」
女「ふむふむ・・・素敵ですね」
女はメモを取り出し、今の台詞を書き連ねた。
岡部「えっ、これも取材?」
271 = 189 :
波乱の予感
272 :
この今書いてるSSのシリーズって
ダル「牧瀬氏、オカリンのこと好きっしょ?」紅莉栖「ふぇ!?」
紅莉栖「明日は5ヶ月ぶりに岡部に会える♪」
の他にある?
なければ今から読み進めたいとおも
273 = 167 :
>>269
有名な大学なんじゃね?ハーバードやMITみたいな。
もしくは頭いいとか
274 = 1 :
男「じゃ、ここに必要事項書いて欲しいの。書けるところだけでいいから」
紅莉栖(名前、か・・・)
牧瀬紅莉栖。
こんな名前、ググられたら一発で身元が割れる。
しかもそれがデート中なんて知れたら、恥死する。
紅莉栖(偽名にしとこ。・・・あっ)
ボールペン。書き直しはきかない。
紅莉栖(・・・まあ、いいわ)
紅莉栖「書けました」
男「はいどーもありがとねー。はい、少ないけど謝礼」
紅莉栖「えっ、いいんですか?」
男「タダで写真撮らせてもらうわけにはいかないっしょ。これで彼氏さんとご飯行っちゃいなよ!んじゃお疲れ様ー」
女「あ、待ってくださいよー!それじゃ、ありがとうございましたー!」
岡部「・・・この仕事、昔の萌郁にはできなかっただろうな」
275 = 1 :
紅莉栖「5千円入ってた」
岡部「よかったじゃないか。レンタル代の足しになったろう」
紅莉栖「あとでご飯食べに行きましょ。奢ってあげる」
岡部「いいのか?」
紅莉栖「ええ、気分がいいから。どこに行く?」
岡部「うーむ、お互い浴衣を汚すわけにはいかないからな。ひとまずラボで着替えるか」
紅莉栖「そのほうがいいわね。じゃあ、もう一駅くらい歩かない?」
岡部「なぜだ?遅くなってしまうぞ」
紅莉栖「だって折角の浴衣デートですもの、もう少しこのままでいたい」
岡部「次に見られるのは早くても1年後か。ああ、お前に任せる」
紅莉栖「じゃあラボまで歩いちゃうけど?」
岡部「やめてくださいしんでしまいます」
ペタシ、ペタシ。カラン、コロン。
277 :
ラボがラブホに見えて仕方が無い
278 = 1 :
ねぇパパ、花火ってどうやって火にに色を付けてるか、知ってる?
ん?うーん、知らないな。どうしてだ?
えー、知らないの?あれは炎色反応を利用しているのよ。
白い花火はアルミニウム、青い花火は酸化銅でしょ、赤い花火は炭酸・・・なんだっけ?
そういう色んな薬品を火薬に混ぜて色を変えてるんだって!
ほう、さすが紅莉栖は物知りだな。
さっき調べたの。だって、昨日の花火、すごく綺麗だったもの!
そうか。なんでもすぐ調べるのは偉いぞ。きっと将来は物知りな学者さんになれるな。
本当?パパみたいになれるかな?
ああ、なれるさ、もっともっと勉強するんだぞ。そうしたらまた来年も連れて行ってやるからな。
うん!勉強する!
279 = 27 :
>>277
まゆり「ラボはみんなのラブホなのです♪」
ドタバタエロになりそうだな・・・
280 = 189 :
まだだ、まだ眠らんよ
281 = 1 :
紅莉栖「っ・・・」
岡部「疲れたか?乗って2駅目で寝るとは」
岡部にもたれかかって静かに寝息を立てていた紅莉栖は、すれ違う電車の警笛に目を覚ました。
紅莉栖「あ・・・ごめん、つい」
岡部「構わん。リア充を満喫していたところだ」
なんだろう、とても懐かしく、悲しい夢をみていた気がする。
紅莉栖「私、なんか寝言言ってたりした?」
岡部「いや、よく眠っていた。乗換えまでまだある。もう少しそうしていろ」
紅莉栖「・・・うん・・・」
焦点の定まらぬままの虚ろな目を瞑り、岡部の肩にまた頭を乗せる。
岡部(・・・知られたくない、忘れたい過去など、誰にでもある)
苦しく、喉の奥から搾り出すような、か細い声。
それは、確かに岡部の耳に届いていた。
―――パパ、ごめんなさい―――
282 = 260 :
切ない…
285 = 1 :
俺も疲れていたのだろう。
ラボに戻り、着替えて食事から帰ってきてソファーに座ったところまでは覚えている。確か夜の10時ほどだったであろうか。
気が付けば、朝の8時である。
岡部「く・・・大事な時間を睡眠に回してしまった・・・!」
”明日は早めに来るね、おやすみ”と書かれた置手紙。
岡部「悪いことをしてしまった。怒っては・・・いないか」
テレビを点ける。
「それでは本日の特集です。秋葉原を訪れた外国人観光者に魅力を語ってもらいました。VTR、どうぞ」
岡部「お、ダルが言ってたやつか」
・
・
・
「続いては笑顔が素敵なこちらのイケメン男性。大学の研究所の所長というエリートマン」
『いやぁ、ここはジャパニメーションファンの聖地だろ?どうしても来たかったんだ』
岡部「お、吹き替え大塚芳忠。無駄遣いすぎる」
286 = 1 :
「お目当ては?」
『今日はBLOOD-TUNEのセイラのフィギュアを探しに来たんだ』
「ブラッドチューンとは、一昨年に放送された深夜アニメ。海外にも配信され、ヒロインの天之河星来が―――」
『既にノーマルver.は手に入れてるんだが、覚醒後と制服姿ver.が向こうじゃ売っていないんだよ』
「そうとうのめり込んでらっしゃるようですね」
『ああ、彼女は俺のオアシスさ。ハッハー!BLOOD-TUNEサイコー!ボケナスー!』
「ヒロインの名台詞を叫び、意気揚々と店内へ突入する男性。すると」
『あった!2体ともあったぞ!』
「なんと、わずか数分でお目当てのフィギュアを発見。これには男性も大喜び!」
『おお、なんてキュートでセクシーなんだ!我が女神よ!』
「フィギュアを2体ともご購入。そのお値段、なんと3万円!」
『ああ、日本に来てよかったよ。オレは今最高にハッピーさ!』
岡部「”残念なイケメン”とはこのことなのだろうな・・・」
288 = 1 :
10時過ぎ。
ドアノブをガチャガチャと回す音が聞こえた。
しかし、入ってくる気配がない。
岡部「?」
玄関の鍵がかかっている。
開錠してドアを開くと、配電盤の上の合鍵を取ろうと目一杯に腕を伸ばす紅莉栖がいた。
紅莉栖「あっ、起こしちゃった?」
岡部「いや、もう起きていた。なぜ鍵が閉まっていたのだ?」
紅莉栖「ご飯から帰ってきた時にそこの合鍵とってもらったじゃない。覚えてないの?」
岡部「そういえばそんな気がするな」
紅莉栖「で、帰るときに鍵閉めて、配電盤の上に放り投げたら取れなくなっちゃって」
岡部「すまない、先に開けておくべきだったな。入れ」
289 = 218 :
メイドverと水着verはいいのか
評価高い&個人的に悪くない(byタク)らしいけど
とりあえず覚醒後は最高傑作、ふひひ
290 = 189 :
頑張れ
291 = 1 :
岡部「昨日はすまなかったな、勝手に寝てしまって」
紅莉栖「疲れてたんでしょ?しょうがないわよ。私だって電車で寝ちゃってたし」
岡部「大事な時間を無駄にしてしまった」
紅莉栖「ううん、昨日はありがとう。とても素敵なデートだった」
岡部「そうか。また来年、連れて行ってやるからな」
紅莉栖「っ・・・」
突然、笑顔が消える。
紅莉栖「・・・本当?」
岡部「ああ、またお前の浴衣姿を見たい」
紅莉栖「・・・絶対行くって、約束してくれる?」
岡部「お?いいだろう。誓約書だって書いてやろうか?」
紅莉栖「私の前から、突然・・・いなくなったりとか、しないよね?」
その涙は、あまりにも予想外だった。
292 = 1 :
岡部「・・・どうした」
嗚咽を漏らす紅莉栖を胸に抱き、動揺を隠しつつできる限りの優しい声をかける。
何を泣くことがある、泣き虫少女め。そういった冗談を口走る空気ではないと、さすがの彼にも察知できた。
紅莉栖「楽しみだったのに・・・ずっと・・・ひっく、楽しみにしてたのに・・・」
岡部「何か、思い出させてしまったか」
紅莉栖「わかってる・・・私が悪いんだって。でも、褒めてもらえたのが、ひっく、嬉しくて・・・」
岡部「気が済むまで泣くといい。昨日のお詫びだ」
紅莉栖「気持ち・・・考えてあげられなくて・・・ごめんなさい・・・!」
岡部「来年も日本に来れるのなら、また花火を見に行くことを約束する。絶対だ」
紅莉栖「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
子供のように泣きじゃくるその姿は大変愛しく、
岡部「お前の悲しむ顔は見たくない。泣き止んだら、また、笑顔を見せてくれ」
大変、心が痛んだ。
293 = 189 :
あ、あれ?
295 :
男だけどこの倫太郎は濡れるわ
296 = 1 :
「アキハバラで有名なメイド・カフェに行ってみたい。オススメはあるか?なるべく印象に残るような」
そうツイートをしてみると、過去に来日を果たしている”仲間”から画像付きで返信が届いた。
「有名な老舗のメイド・カフェです。英語が堪能な方もいらっしゃるので、楽しめると思います」
「ふむ、ここか。”メイクイーン・ニャンニャン”・・・なんとも心が躍るネーミングだ」
カランコローン。
「お帰りなさいませ、ご主、あっ」
「ハーイ!キュートガール」
「ウェ、ウェイト!ウェイトプリーズ!」
慌てふためいた何某ニャンニャンが、奥へと引っ込んだ。
「フェ、フェイリスちゃーん、外国人の方来ちゃったよー。行ってもらっていい?」
フェイリス「ニャフフ、任せるニャーン」
フェイリス「お待たせニャンニャーン!お帰りなさいませ、ご主人様!」←英語
「おお、なんてキュートな子猫だ。フェイリスというのか。チャーミングだ!」
297 = 1 :
「これが、メイド・カフェというものか。心がエキサイトだ」
フェイリス「お待たせしましたニャン、ノンカフェインのアイスコーヒーですニャーン♪」
フェイリスが営業スマイル120%、いつも以上の身振りと声色でアイスコーヒーを運んでくる。
フェイリス「ミルクとガムシロップはどういたしますニャ?」
「そうだな、両方もらえるかな」
フェイリスは手馴れた手つきでガムシロップとミルクをコーヒーに入れ、顔を近づけ、目を見てかき混ぜる!
客たちの心の声
(で、で、出たァーーーッ!!!あれはフェイリス・ニャンニャン必殺「目を見て混ぜ混ぜ ”チェシャーズ・アプローチ”」!
従来の目を見て混ぜ混ぜの場合、我々とフェイリスたんの顔の距離は平均34.5cm!!
で、でもあの距離は、推定”15cm”!!! ま、まさか生きている内にこの目であの秘技が見られるなんて!
そして、わー、ガイジンだ!イケメンだ!なに一つ勝てる要素がない!)
「気分はエクスタシーだ!」
フェイリス「これが日本猫のおもてなしなのニャ♪」
「ハッハー!もはやこれはリスペクトだ!」
298 = 189 :
な、なんだと…?
300 :
やだ…この>>1…スゴイ…
みんなの評価 : ★★
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