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元スレ紅莉栖「今年の夏も岡部に会える♪」
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岡部「・・・」
紅莉栖「・・・」
ペタシ、ペタシ、カラン、コロン。
紅莉栖が横に並びながら岡部の顔を覗き込むと、目が合った瞬間プイと目を逸らした。
紅莉栖「あ、なんでよ」
岡部「いや、別に・・・」
紅莉栖「・・・似合って、ないかな」
岡部「あ、いや、そうじゃない。その・・・そこまで気合入れた格好をしてくるとは思わなくてな」
紅莉栖「って、そっちだって浴衣着てきてるじゃないの。変なの」
フワリ、フワリとポニーテールが規則正しく揺れる。
岡部「・・・いぞ」
紅莉栖「なんか言った?」
紅莉栖「・・・」
ペタシ、ペタシ、カラン、コロン。
紅莉栖が横に並びながら岡部の顔を覗き込むと、目が合った瞬間プイと目を逸らした。
紅莉栖「あ、なんでよ」
岡部「いや、別に・・・」
紅莉栖「・・・似合って、ないかな」
岡部「あ、いや、そうじゃない。その・・・そこまで気合入れた格好をしてくるとは思わなくてな」
紅莉栖「って、そっちだって浴衣着てきてるじゃないの。変なの」
フワリ、フワリとポニーテールが規則正しく揺れる。
岡部「・・・いぞ」
紅莉栖「なんか言った?」
紅莉栖「うわ、凄い人の数。みんな花火大会に行く人なの?これ」
夏の風物詩、柴又駅は黒山の人だかり。
岡部「毎年数十万人が集まるらしいからな。ここではぐれてしまっては生きて帰還することは困難となるぞ。ほら」
紅莉栖「くす、何よそれ」
差し出された右手を、強く、左手で握り返した。
数分後。
「なんだこの人数は!これが噂に聞く”通勤ラッシュ”というものなのか!?どっちに向かえばいいのだ」
「おう、どうした?花火か?よかったら案内してやるが」←英語
「わー、外人さん」
(あ、英語喋れるのね。意外)
さらに数分後。
柴又公園近辺、人ごみを華麗に避けながら猛スピードで駆け抜けるキックボードが目撃された。
夏の風物詩、柴又駅は黒山の人だかり。
岡部「毎年数十万人が集まるらしいからな。ここではぐれてしまっては生きて帰還することは困難となるぞ。ほら」
紅莉栖「くす、何よそれ」
差し出された右手を、強く、左手で握り返した。
数分後。
「なんだこの人数は!これが噂に聞く”通勤ラッシュ”というものなのか!?どっちに向かえばいいのだ」
「おう、どうした?花火か?よかったら案内してやるが」←英語
「わー、外人さん」
(あ、英語喋れるのね。意外)
さらに数分後。
柴又公園近辺、人ごみを華麗に避けながら猛スピードで駆け抜けるキックボードが目撃された。
紅莉栖「ふおぉ・・・!」
高々と打ち上げられた花火が色鮮やかに爆ぜる。その一つ一つに思わず感嘆の声が漏れてしまう。
紅莉栖「綺麗・・・!ふおっ」
岡部「おお、でかいな、今の」
紅莉栖の横顔をチラリと見る。
岡部(喜んでくれているようだ。”花火よりも、お前のほうが綺麗だよ”か・・・さもありなん)
「おぉ・・・これはすごい・・・!アートだ!ジャパニーズ・アートだ!」←英語
携帯電話のカメラを起動しようとした所を、案内人の男に止められる。
天王寺「やめときな」←ry
「なぜだ?この美しい光景は是非写真に収めたいのだが」
天王寺「花火の美しさってぇのは写真じゃ残せねぇ。心のアルバムにしまっておくものだ」
「心のアルバム・・・なんて綺麗な言葉だ・・・!日本人のスピリットはブリリアントだ!」
萌郁(あ、なんかわかんないけどいい事言ったのね、多分)
鈴羽「おー、きれー。写真撮っとこ」
高々と打ち上げられた花火が色鮮やかに爆ぜる。その一つ一つに思わず感嘆の声が漏れてしまう。
紅莉栖「綺麗・・・!ふおっ」
岡部「おお、でかいな、今の」
紅莉栖の横顔をチラリと見る。
岡部(喜んでくれているようだ。”花火よりも、お前のほうが綺麗だよ”か・・・さもありなん)
「おぉ・・・これはすごい・・・!アートだ!ジャパニーズ・アートだ!」←英語
携帯電話のカメラを起動しようとした所を、案内人の男に止められる。
天王寺「やめときな」←ry
「なぜだ?この美しい光景は是非写真に収めたいのだが」
天王寺「花火の美しさってぇのは写真じゃ残せねぇ。心のアルバムにしまっておくものだ」
「心のアルバム・・・なんて綺麗な言葉だ・・・!日本人のスピリットはブリリアントだ!」
萌郁(あ、なんかわかんないけどいい事言ったのね、多分)
鈴羽「おー、きれー。写真撮っとこ」
岡部「どうだった?」
紅莉栖「すごかった!」
岡部「子供かっ」
紅莉栖「なんていうか、その・・・すごかった!」
岡部「・・・かわいいぞ」
紅莉栖「ふぇっ!?な、なんでこのタイミングで?」///
岡部「さっき言いそびれたのでな。その姿、とてもよく似合っている」
紅莉栖「ぅ、あ・・・そ、そっちだって、よく似合ってるわよ!かっこいいから!」///
岡部「惚れ直したか?」
紅莉栖「惚れ直してない!最初からずっと惚れっぱなし!って言わせんな恥ずかしい!」///
「すいませーん、イチャイチャしてる所申し訳ないけど、ちょっと時間もらえないですかねー」
岡部「ん?」
紅莉栖「ん?」
紅莉栖「すごかった!」
岡部「子供かっ」
紅莉栖「なんていうか、その・・・すごかった!」
岡部「・・・かわいいぞ」
紅莉栖「ふぇっ!?な、なんでこのタイミングで?」///
岡部「さっき言いそびれたのでな。その姿、とてもよく似合っている」
紅莉栖「ぅ、あ・・・そ、そっちだって、よく似合ってるわよ!かっこいいから!」///
岡部「惚れ直したか?」
紅莉栖「惚れ直してない!最初からずっと惚れっぱなし!って言わせんな恥ずかしい!」///
「すいませーん、イチャイチャしてる所申し訳ないけど、ちょっと時間もらえないですかねー」
岡部「ん?」
紅莉栖「ん?」
男から差し出された名刺の会社名には、見覚えがあった。
岡部「『アーク・リライト』って、秋葉原にある編プロの?」
男「あ、ご存知?いやぁ光栄っすねー」
女「浴衣姿の女の子特集のために写真撮らせてもらってるんですけど、お時間大丈夫ですか?」
女はそう言うと、肩から下げた鞄から一冊のファッション雑誌を取り出す。
紅莉栖「あ、ラボで読んだことある」
岡部「ああ、まゆりがたまに買ってる雑誌だ」
岡部「撮ってもらえばいいではないか。どうせ今はまだ駅も混んでいる」
紅莉栖「うーん・・・じゃ、いいですよ」
男「お、彼氏さん、話がわかる!それじゃ、2~30分で終わりますんでー」
岡部「『アーク・リライト』って、秋葉原にある編プロの?」
男「あ、ご存知?いやぁ光栄っすねー」
女「浴衣姿の女の子特集のために写真撮らせてもらってるんですけど、お時間大丈夫ですか?」
女はそう言うと、肩から下げた鞄から一冊のファッション雑誌を取り出す。
紅莉栖「あ、ラボで読んだことある」
岡部「ああ、まゆりがたまに買ってる雑誌だ」
岡部「撮ってもらえばいいではないか。どうせ今はまだ駅も混んでいる」
紅莉栖「うーん・・・じゃ、いいですよ」
男「お、彼氏さん、話がわかる!それじゃ、2~30分で終わりますんでー」
男がカメラマン、女は指示を受けてレフ板を動かしている。
岡部「さすがにカメラ慣れしているな。振舞いに余裕がある」
手持ち無沙汰なので、携帯を取り出し、メールを打つ。
送信メール
7/26 20:14
件名:
本文:
アーク・リライトという編集プロダクションを知っているか?
受信メール
7/26 20:15
件名:突然どうしたの?(・_・?)
本文:
ごめん、返信遅れちゃった。
聞いたことないけど、それがどうしたの?
萌郁
岡部「そうか、ならいい・・・と」
岡部「さすがにカメラ慣れしているな。振舞いに余裕がある」
手持ち無沙汰なので、携帯を取り出し、メールを打つ。
送信メール
7/26 20:14
件名:
本文:
アーク・リライトという編集プロダクションを知っているか?
受信メール
7/26 20:15
件名:突然どうしたの?(・_・?)
本文:
ごめん、返信遅れちゃった。
聞いたことないけど、それがどうしたの?
萌郁
岡部「そうか、ならいい・・・と」
男「お、いいよーその表情かわいいねー。ところで、学生さん?」
紅莉栖「え、ええと、そうです。大学生です」
こんな所で身元バレは恥ずかしいので、一部の情報は隠すことにした。
男「そうなんだ。どこの大学?」
紅莉栖「えっと、ヴィクトル・コンドリア大学です」
男「へっ、ヴィクコン!?アメリカの?本当に?」
紅莉栖「はい、脳科学専攻です」
男「ヒャー驚いた!今日イチの可愛いコが今日イチの高学歴!こりゃ一面決まりだよ!」
女「じゃあ今は夏休みで帰国中ですか?」
紅莉栖「はい、彼に会いに来ました」
男「アッツイねぇー。彼氏さんからしたら自慢の彼女でしょ! ハイ撮影終わりー」
紅莉栖「え、ええと、そうです。大学生です」
こんな所で身元バレは恥ずかしいので、一部の情報は隠すことにした。
男「そうなんだ。どこの大学?」
紅莉栖「えっと、ヴィクトル・コンドリア大学です」
男「へっ、ヴィクコン!?アメリカの?本当に?」
紅莉栖「はい、脳科学専攻です」
男「ヒャー驚いた!今日イチの可愛いコが今日イチの高学歴!こりゃ一面決まりだよ!」
女「じゃあ今は夏休みで帰国中ですか?」
紅莉栖「はい、彼に会いに来ました」
男「アッツイねぇー。彼氏さんからしたら自慢の彼女でしょ! ハイ撮影終わりー」
撮影が終わったらしく、紅莉栖が指示を受けて書類を書いている。
アシスタントの女が、暇そうにしている俺に話しかけてきた。
女「お待たせしました。もうすぐ終わりますから」
岡部「ご苦労様です。男女で取材なんて珍しいのでは」
女「女性を撮影する場合は結構多いですよ。男だけだと怪しまれたり断られたりが多くて」
岡部「なるほど、納得です」
女「彼女さん、アメリカの大学に通ってるんですね。超遠距離恋愛ですか?」
そうか、素性を隠したか。
岡部「ええ、年に数回しか会えないので、こうやって思い出作りの為にここまで」
女「ふむふむ・・・素敵ですね」
女はメモを取り出し、今の台詞を書き連ねた。
岡部「えっ、これも取材?」
アシスタントの女が、暇そうにしている俺に話しかけてきた。
女「お待たせしました。もうすぐ終わりますから」
岡部「ご苦労様です。男女で取材なんて珍しいのでは」
女「女性を撮影する場合は結構多いですよ。男だけだと怪しまれたり断られたりが多くて」
岡部「なるほど、納得です」
女「彼女さん、アメリカの大学に通ってるんですね。超遠距離恋愛ですか?」
そうか、素性を隠したか。
岡部「ええ、年に数回しか会えないので、こうやって思い出作りの為にここまで」
女「ふむふむ・・・素敵ですね」
女はメモを取り出し、今の台詞を書き連ねた。
岡部「えっ、これも取材?」
この今書いてるSSのシリーズって
ダル「牧瀬氏、オカリンのこと好きっしょ?」紅莉栖「ふぇ!?」
紅莉栖「明日は5ヶ月ぶりに岡部に会える♪」
の他にある?
なければ今から読み進めたいとおも
ダル「牧瀬氏、オカリンのこと好きっしょ?」紅莉栖「ふぇ!?」
紅莉栖「明日は5ヶ月ぶりに岡部に会える♪」
の他にある?
なければ今から読み進めたいとおも
男「じゃ、ここに必要事項書いて欲しいの。書けるところだけでいいから」
紅莉栖(名前、か・・・)
牧瀬紅莉栖。
こんな名前、ググられたら一発で身元が割れる。
しかもそれがデート中なんて知れたら、恥死する。
紅莉栖(偽名にしとこ。・・・あっ)
ボールペン。書き直しはきかない。
紅莉栖(・・・まあ、いいわ)
紅莉栖「書けました」
男「はいどーもありがとねー。はい、少ないけど謝礼」
紅莉栖「えっ、いいんですか?」
男「タダで写真撮らせてもらうわけにはいかないっしょ。これで彼氏さんとご飯行っちゃいなよ!んじゃお疲れ様ー」
女「あ、待ってくださいよー!それじゃ、ありがとうございましたー!」
岡部「・・・この仕事、昔の萌郁にはできなかっただろうな」
紅莉栖(名前、か・・・)
牧瀬紅莉栖。
こんな名前、ググられたら一発で身元が割れる。
しかもそれがデート中なんて知れたら、恥死する。
紅莉栖(偽名にしとこ。・・・あっ)
ボールペン。書き直しはきかない。
紅莉栖(・・・まあ、いいわ)
紅莉栖「書けました」
男「はいどーもありがとねー。はい、少ないけど謝礼」
紅莉栖「えっ、いいんですか?」
男「タダで写真撮らせてもらうわけにはいかないっしょ。これで彼氏さんとご飯行っちゃいなよ!んじゃお疲れ様ー」
女「あ、待ってくださいよー!それじゃ、ありがとうございましたー!」
岡部「・・・この仕事、昔の萌郁にはできなかっただろうな」
紅莉栖「5千円入ってた」
岡部「よかったじゃないか。レンタル代の足しになったろう」
紅莉栖「あとでご飯食べに行きましょ。奢ってあげる」
岡部「いいのか?」
紅莉栖「ええ、気分がいいから。どこに行く?」
岡部「うーむ、お互い浴衣を汚すわけにはいかないからな。ひとまずラボで着替えるか」
紅莉栖「そのほうがいいわね。じゃあ、もう一駅くらい歩かない?」
岡部「なぜだ?遅くなってしまうぞ」
紅莉栖「だって折角の浴衣デートですもの、もう少しこのままでいたい」
岡部「次に見られるのは早くても1年後か。ああ、お前に任せる」
紅莉栖「じゃあラボまで歩いちゃうけど?」
岡部「やめてくださいしんでしまいます」
ペタシ、ペタシ。カラン、コロン。
岡部「よかったじゃないか。レンタル代の足しになったろう」
紅莉栖「あとでご飯食べに行きましょ。奢ってあげる」
岡部「いいのか?」
紅莉栖「ええ、気分がいいから。どこに行く?」
岡部「うーむ、お互い浴衣を汚すわけにはいかないからな。ひとまずラボで着替えるか」
紅莉栖「そのほうがいいわね。じゃあ、もう一駅くらい歩かない?」
岡部「なぜだ?遅くなってしまうぞ」
紅莉栖「だって折角の浴衣デートですもの、もう少しこのままでいたい」
岡部「次に見られるのは早くても1年後か。ああ、お前に任せる」
紅莉栖「じゃあラボまで歩いちゃうけど?」
岡部「やめてくださいしんでしまいます」
ペタシ、ペタシ。カラン、コロン。
ねぇパパ、花火ってどうやって火にに色を付けてるか、知ってる?
ん?うーん、知らないな。どうしてだ?
えー、知らないの?あれは炎色反応を利用しているのよ。
白い花火はアルミニウム、青い花火は酸化銅でしょ、赤い花火は炭酸・・・なんだっけ?
そういう色んな薬品を火薬に混ぜて色を変えてるんだって!
ほう、さすが紅莉栖は物知りだな。
さっき調べたの。だって、昨日の花火、すごく綺麗だったもの!
そうか。なんでもすぐ調べるのは偉いぞ。きっと将来は物知りな学者さんになれるな。
本当?パパみたいになれるかな?
ああ、なれるさ、もっともっと勉強するんだぞ。そうしたらまた来年も連れて行ってやるからな。
うん!勉強する!
紅莉栖「っ・・・」
岡部「疲れたか?乗って2駅目で寝るとは」
岡部にもたれかかって静かに寝息を立てていた紅莉栖は、すれ違う電車の警笛に目を覚ました。
紅莉栖「あ・・・ごめん、つい」
岡部「構わん。リア充を満喫していたところだ」
なんだろう、とても懐かしく、悲しい夢をみていた気がする。
紅莉栖「私、なんか寝言言ってたりした?」
岡部「いや、よく眠っていた。乗換えまでまだある。もう少しそうしていろ」
紅莉栖「・・・うん・・・」
焦点の定まらぬままの虚ろな目を瞑り、岡部の肩にまた頭を乗せる。
岡部(・・・知られたくない、忘れたい過去など、誰にでもある)
苦しく、喉の奥から搾り出すような、か細い声。
それは、確かに岡部の耳に届いていた。
―――パパ、ごめんなさい―――
岡部「疲れたか?乗って2駅目で寝るとは」
岡部にもたれかかって静かに寝息を立てていた紅莉栖は、すれ違う電車の警笛に目を覚ました。
紅莉栖「あ・・・ごめん、つい」
岡部「構わん。リア充を満喫していたところだ」
なんだろう、とても懐かしく、悲しい夢をみていた気がする。
紅莉栖「私、なんか寝言言ってたりした?」
岡部「いや、よく眠っていた。乗換えまでまだある。もう少しそうしていろ」
紅莉栖「・・・うん・・・」
焦点の定まらぬままの虚ろな目を瞑り、岡部の肩にまた頭を乗せる。
岡部(・・・知られたくない、忘れたい過去など、誰にでもある)
苦しく、喉の奥から搾り出すような、か細い声。
それは、確かに岡部の耳に届いていた。
―――パパ、ごめんなさい―――
俺も疲れていたのだろう。
ラボに戻り、着替えて食事から帰ってきてソファーに座ったところまでは覚えている。確か夜の10時ほどだったであろうか。
気が付けば、朝の8時である。
岡部「く・・・大事な時間を睡眠に回してしまった・・・!」
”明日は早めに来るね、おやすみ”と書かれた置手紙。
岡部「悪いことをしてしまった。怒っては・・・いないか」
テレビを点ける。
「それでは本日の特集です。秋葉原を訪れた外国人観光者に魅力を語ってもらいました。VTR、どうぞ」
岡部「お、ダルが言ってたやつか」
・
・
・
「続いては笑顔が素敵なこちらのイケメン男性。大学の研究所の所長というエリートマン」
『いやぁ、ここはジャパニメーションファンの聖地だろ?どうしても来たかったんだ』
岡部「お、吹き替え大塚芳忠。無駄遣いすぎる」
ラボに戻り、着替えて食事から帰ってきてソファーに座ったところまでは覚えている。確か夜の10時ほどだったであろうか。
気が付けば、朝の8時である。
岡部「く・・・大事な時間を睡眠に回してしまった・・・!」
”明日は早めに来るね、おやすみ”と書かれた置手紙。
岡部「悪いことをしてしまった。怒っては・・・いないか」
テレビを点ける。
「それでは本日の特集です。秋葉原を訪れた外国人観光者に魅力を語ってもらいました。VTR、どうぞ」
岡部「お、ダルが言ってたやつか」
・
・
・
「続いては笑顔が素敵なこちらのイケメン男性。大学の研究所の所長というエリートマン」
『いやぁ、ここはジャパニメーションファンの聖地だろ?どうしても来たかったんだ』
岡部「お、吹き替え大塚芳忠。無駄遣いすぎる」
「お目当ては?」
『今日はBLOOD-TUNEのセイラのフィギュアを探しに来たんだ』
「ブラッドチューンとは、一昨年に放送された深夜アニメ。海外にも配信され、ヒロインの天之河星来が―――」
『既にノーマルver.は手に入れてるんだが、覚醒後と制服姿ver.が向こうじゃ売っていないんだよ』
「そうとうのめり込んでらっしゃるようですね」
『ああ、彼女は俺のオアシスさ。ハッハー!BLOOD-TUNEサイコー!ボケナスー!』
「ヒロインの名台詞を叫び、意気揚々と店内へ突入する男性。すると」
『あった!2体ともあったぞ!』
「なんと、わずか数分でお目当てのフィギュアを発見。これには男性も大喜び!」
『おお、なんてキュートでセクシーなんだ!我が女神よ!』
「フィギュアを2体ともご購入。そのお値段、なんと3万円!」
『ああ、日本に来てよかったよ。オレは今最高にハッピーさ!』
岡部「”残念なイケメン”とはこのことなのだろうな・・・」
『今日はBLOOD-TUNEのセイラのフィギュアを探しに来たんだ』
「ブラッドチューンとは、一昨年に放送された深夜アニメ。海外にも配信され、ヒロインの天之河星来が―――」
『既にノーマルver.は手に入れてるんだが、覚醒後と制服姿ver.が向こうじゃ売っていないんだよ』
「そうとうのめり込んでらっしゃるようですね」
『ああ、彼女は俺のオアシスさ。ハッハー!BLOOD-TUNEサイコー!ボケナスー!』
「ヒロインの名台詞を叫び、意気揚々と店内へ突入する男性。すると」
『あった!2体ともあったぞ!』
「なんと、わずか数分でお目当てのフィギュアを発見。これには男性も大喜び!」
『おお、なんてキュートでセクシーなんだ!我が女神よ!』
「フィギュアを2体ともご購入。そのお値段、なんと3万円!」
『ああ、日本に来てよかったよ。オレは今最高にハッピーさ!』
岡部「”残念なイケメン”とはこのことなのだろうな・・・」
10時過ぎ。
ドアノブをガチャガチャと回す音が聞こえた。
しかし、入ってくる気配がない。
岡部「?」
玄関の鍵がかかっている。
開錠してドアを開くと、配電盤の上の合鍵を取ろうと目一杯に腕を伸ばす紅莉栖がいた。
紅莉栖「あっ、起こしちゃった?」
岡部「いや、もう起きていた。なぜ鍵が閉まっていたのだ?」
紅莉栖「ご飯から帰ってきた時にそこの合鍵とってもらったじゃない。覚えてないの?」
岡部「そういえばそんな気がするな」
紅莉栖「で、帰るときに鍵閉めて、配電盤の上に放り投げたら取れなくなっちゃって」
岡部「すまない、先に開けておくべきだったな。入れ」
ドアノブをガチャガチャと回す音が聞こえた。
しかし、入ってくる気配がない。
岡部「?」
玄関の鍵がかかっている。
開錠してドアを開くと、配電盤の上の合鍵を取ろうと目一杯に腕を伸ばす紅莉栖がいた。
紅莉栖「あっ、起こしちゃった?」
岡部「いや、もう起きていた。なぜ鍵が閉まっていたのだ?」
紅莉栖「ご飯から帰ってきた時にそこの合鍵とってもらったじゃない。覚えてないの?」
岡部「そういえばそんな気がするな」
紅莉栖「で、帰るときに鍵閉めて、配電盤の上に放り投げたら取れなくなっちゃって」
岡部「すまない、先に開けておくべきだったな。入れ」
メイドverと水着verはいいのか
評価高い&個人的に悪くない(byタク)らしいけど
とりあえず覚醒後は最高傑作、ふひひ
評価高い&個人的に悪くない(byタク)らしいけど
とりあえず覚醒後は最高傑作、ふひひ
岡部「昨日はすまなかったな、勝手に寝てしまって」
紅莉栖「疲れてたんでしょ?しょうがないわよ。私だって電車で寝ちゃってたし」
岡部「大事な時間を無駄にしてしまった」
紅莉栖「ううん、昨日はありがとう。とても素敵なデートだった」
岡部「そうか。また来年、連れて行ってやるからな」
紅莉栖「っ・・・」
突然、笑顔が消える。
紅莉栖「・・・本当?」
岡部「ああ、またお前の浴衣姿を見たい」
紅莉栖「・・・絶対行くって、約束してくれる?」
岡部「お?いいだろう。誓約書だって書いてやろうか?」
紅莉栖「私の前から、突然・・・いなくなったりとか、しないよね?」
その涙は、あまりにも予想外だった。
紅莉栖「疲れてたんでしょ?しょうがないわよ。私だって電車で寝ちゃってたし」
岡部「大事な時間を無駄にしてしまった」
紅莉栖「ううん、昨日はありがとう。とても素敵なデートだった」
岡部「そうか。また来年、連れて行ってやるからな」
紅莉栖「っ・・・」
突然、笑顔が消える。
紅莉栖「・・・本当?」
岡部「ああ、またお前の浴衣姿を見たい」
紅莉栖「・・・絶対行くって、約束してくれる?」
岡部「お?いいだろう。誓約書だって書いてやろうか?」
紅莉栖「私の前から、突然・・・いなくなったりとか、しないよね?」
その涙は、あまりにも予想外だった。
岡部「・・・どうした」
嗚咽を漏らす紅莉栖を胸に抱き、動揺を隠しつつできる限りの優しい声をかける。
何を泣くことがある、泣き虫少女め。そういった冗談を口走る空気ではないと、さすがの彼にも察知できた。
紅莉栖「楽しみだったのに・・・ずっと・・・ひっく、楽しみにしてたのに・・・」
岡部「何か、思い出させてしまったか」
紅莉栖「わかってる・・・私が悪いんだって。でも、褒めてもらえたのが、ひっく、嬉しくて・・・」
岡部「気が済むまで泣くといい。昨日のお詫びだ」
紅莉栖「気持ち・・・考えてあげられなくて・・・ごめんなさい・・・!」
岡部「来年も日本に来れるのなら、また花火を見に行くことを約束する。絶対だ」
紅莉栖「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
子供のように泣きじゃくるその姿は大変愛しく、
岡部「お前の悲しむ顔は見たくない。泣き止んだら、また、笑顔を見せてくれ」
大変、心が痛んだ。
嗚咽を漏らす紅莉栖を胸に抱き、動揺を隠しつつできる限りの優しい声をかける。
何を泣くことがある、泣き虫少女め。そういった冗談を口走る空気ではないと、さすがの彼にも察知できた。
紅莉栖「楽しみだったのに・・・ずっと・・・ひっく、楽しみにしてたのに・・・」
岡部「何か、思い出させてしまったか」
紅莉栖「わかってる・・・私が悪いんだって。でも、褒めてもらえたのが、ひっく、嬉しくて・・・」
岡部「気が済むまで泣くといい。昨日のお詫びだ」
紅莉栖「気持ち・・・考えてあげられなくて・・・ごめんなさい・・・!」
岡部「来年も日本に来れるのなら、また花火を見に行くことを約束する。絶対だ」
紅莉栖「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
子供のように泣きじゃくるその姿は大変愛しく、
岡部「お前の悲しむ顔は見たくない。泣き止んだら、また、笑顔を見せてくれ」
大変、心が痛んだ。
「アキハバラで有名なメイド・カフェに行ってみたい。オススメはあるか?なるべく印象に残るような」
そうツイートをしてみると、過去に来日を果たしている”仲間”から画像付きで返信が届いた。
「有名な老舗のメイド・カフェです。英語が堪能な方もいらっしゃるので、楽しめると思います」
「ふむ、ここか。”メイクイーン・ニャンニャン”・・・なんとも心が躍るネーミングだ」
カランコローン。
「お帰りなさいませ、ご主、あっ」
「ハーイ!キュートガール」
「ウェ、ウェイト!ウェイトプリーズ!」
慌てふためいた何某ニャンニャンが、奥へと引っ込んだ。
「フェ、フェイリスちゃーん、外国人の方来ちゃったよー。行ってもらっていい?」
フェイリス「ニャフフ、任せるニャーン」
フェイリス「お待たせニャンニャーン!お帰りなさいませ、ご主人様!」←英語
「おお、なんてキュートな子猫だ。フェイリスというのか。チャーミングだ!」
そうツイートをしてみると、過去に来日を果たしている”仲間”から画像付きで返信が届いた。
「有名な老舗のメイド・カフェです。英語が堪能な方もいらっしゃるので、楽しめると思います」
「ふむ、ここか。”メイクイーン・ニャンニャン”・・・なんとも心が躍るネーミングだ」
カランコローン。
「お帰りなさいませ、ご主、あっ」
「ハーイ!キュートガール」
「ウェ、ウェイト!ウェイトプリーズ!」
慌てふためいた何某ニャンニャンが、奥へと引っ込んだ。
「フェ、フェイリスちゃーん、外国人の方来ちゃったよー。行ってもらっていい?」
フェイリス「ニャフフ、任せるニャーン」
フェイリス「お待たせニャンニャーン!お帰りなさいませ、ご主人様!」←英語
「おお、なんてキュートな子猫だ。フェイリスというのか。チャーミングだ!」
「これが、メイド・カフェというものか。心がエキサイトだ」
フェイリス「お待たせしましたニャン、ノンカフェインのアイスコーヒーですニャーン♪」
フェイリスが営業スマイル120%、いつも以上の身振りと声色でアイスコーヒーを運んでくる。
フェイリス「ミルクとガムシロップはどういたしますニャ?」
「そうだな、両方もらえるかな」
フェイリスは手馴れた手つきでガムシロップとミルクをコーヒーに入れ、顔を近づけ、目を見てかき混ぜる!
客たちの心の声
(で、で、出たァーーーッ!!!あれはフェイリス・ニャンニャン必殺「目を見て混ぜ混ぜ ”チェシャーズ・アプローチ”」!
従来の目を見て混ぜ混ぜの場合、我々とフェイリスたんの顔の距離は平均34.5cm!!
で、でもあの距離は、推定”15cm”!!! ま、まさか生きている内にこの目であの秘技が見られるなんて!
そして、わー、ガイジンだ!イケメンだ!なに一つ勝てる要素がない!)
「気分はエクスタシーだ!」
フェイリス「これが日本猫のおもてなしなのニャ♪」
「ハッハー!もはやこれはリスペクトだ!」
フェイリス「お待たせしましたニャン、ノンカフェインのアイスコーヒーですニャーン♪」
フェイリスが営業スマイル120%、いつも以上の身振りと声色でアイスコーヒーを運んでくる。
フェイリス「ミルクとガムシロップはどういたしますニャ?」
「そうだな、両方もらえるかな」
フェイリスは手馴れた手つきでガムシロップとミルクをコーヒーに入れ、顔を近づけ、目を見てかき混ぜる!
客たちの心の声
(で、で、出たァーーーッ!!!あれはフェイリス・ニャンニャン必殺「目を見て混ぜ混ぜ ”チェシャーズ・アプローチ”」!
従来の目を見て混ぜ混ぜの場合、我々とフェイリスたんの顔の距離は平均34.5cm!!
で、でもあの距離は、推定”15cm”!!! ま、まさか生きている内にこの目であの秘技が見られるなんて!
そして、わー、ガイジンだ!イケメンだ!なに一つ勝てる要素がない!)
「気分はエクスタシーだ!」
フェイリス「これが日本猫のおもてなしなのニャ♪」
「ハッハー!もはやこれはリスペクトだ!」
やだ…この>>1…スゴイ…
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