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元スレあかり「ずっと贈りたかった言葉があるんだよ」
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私がずっと、京子のこと気付かなかったみたいに。
京子だって、私のこと気付かなかったみたいにさ。
自嘲気味にそう言ったあと、結衣先輩は『そろそろ切るね』と優しい声で。
私はこくんと頷いた。
電話なのに、見えないはずなのに。
結衣『勉強頑張って』
はい、と小さく答えた。
その返事を聞いた直後に、通話は切れる。
ツー、ツー、ツー
ちなつ「……」
勝てない。
そんなのわかりきってたことだ。だから、今更泣くなんてバカみたい。
京子だって、私のこと気付かなかったみたいにさ。
自嘲気味にそう言ったあと、結衣先輩は『そろそろ切るね』と優しい声で。
私はこくんと頷いた。
電話なのに、見えないはずなのに。
結衣『勉強頑張って』
はい、と小さく答えた。
その返事を聞いた直後に、通話は切れる。
ツー、ツー、ツー
ちなつ「……」
勝てない。
そんなのわかりきってたことだ。だから、今更泣くなんてバカみたい。
私はふるふると犬か猫みたいに頭を振った。
溢れてきそうになる涙を堪えながら、乱暴に制服を脱ぐ。
ブレザーやスカートはハンガーに吊るして、リボンは机の上に置いて。
置きっ放しの部屋着を適当に着て、私は机の前にどすんと座り込んだ。
ちなつ「……」
こういうとき、寂しさを紛らわすために電話をしていた子は、振られてしまったために
できるはずもなかった。
それなら誰に。
そう思った時浮かんだのは、他でもないあかりちゃんだった。
溢れてきそうになる涙を堪えながら、乱暴に制服を脱ぐ。
ブレザーやスカートはハンガーに吊るして、リボンは机の上に置いて。
置きっ放しの部屋着を適当に着て、私は机の前にどすんと座り込んだ。
ちなつ「……」
こういうとき、寂しさを紛らわすために電話をしていた子は、振られてしまったために
できるはずもなかった。
それなら誰に。
そう思った時浮かんだのは、他でもないあかりちゃんだった。
つい昨日までは、私からあかりちゃんに電話することなんてないと思っていたはずなのに。
私は携帯を取り上げて、アドレス帳のあ行を辿っていった。
赤座あかりと、最初の方にその名前を見つける。
今日会ったばかりとはいえ、久し振りに電話をかけるのは少し緊張した。
通話ボタンを押してしまえば済むことなのに、どうしてもそれを押すことが
できなかった。
そのうち、そんな自分までが嫌になってまたバカみたいに泣きそうになって。
思わず携帯を壁に投げつけてやろうと思った時だった。
携帯が震える。
メールだった、あかりちゃんからの。
『件名:久し振りにメールするね
本文:今から電話してもいいかな?』
私は携帯を取り上げて、アドレス帳のあ行を辿っていった。
赤座あかりと、最初の方にその名前を見つける。
今日会ったばかりとはいえ、久し振りに電話をかけるのは少し緊張した。
通話ボタンを押してしまえば済むことなのに、どうしてもそれを押すことが
できなかった。
そのうち、そんな自分までが嫌になってまたバカみたいに泣きそうになって。
思わず携帯を壁に投げつけてやろうと思った時だった。
携帯が震える。
メールだった、あかりちゃんからの。
『件名:久し振りにメールするね
本文:今から電話してもいいかな?』
そんな短い内容なのに。
今の私には、どんな長文の励ましメールよりも、誰かからの告白よりも嬉しくて
仕方が無かった。
そういえば、いつもそうだったなあと思った。
あかりちゃんは、いつも私が話したいと思った時必ず傍にいてくれた。
まるで私の気持ちがわかっているみたいに。
『件名:RE:
本文:待ってるね』
たった五文字が、あかりちゃんのもとへ。
そしてそう何分も――もしかして、何秒も経たないうちに電話は来た。
今の私には、どんな長文の励ましメールよりも、誰かからの告白よりも嬉しくて
仕方が無かった。
そういえば、いつもそうだったなあと思った。
あかりちゃんは、いつも私が話したいと思った時必ず傍にいてくれた。
まるで私の気持ちがわかっているみたいに。
『件名:RE:
本文:待ってるね』
たった五文字が、あかりちゃんのもとへ。
そしてそう何分も――もしかして、何秒も経たないうちに電話は来た。
ちなつ「はい」
少し待ったりなんてしなかった。
電話だってメールだって間をあけたほうがいいなんて聞いたことがあるけど、
たぶん相手があかりちゃんだからこそそんな小細工なんてする必要さえなくて。
あかり『えへへ、あかりだよ』
ちなつ「……うん」
あかり『ごめんね、突然電話していいかななんて』
ちなつ「ううん、大丈夫」
少し待ったりなんてしなかった。
電話だってメールだって間をあけたほうがいいなんて聞いたことがあるけど、
たぶん相手があかりちゃんだからこそそんな小細工なんてする必要さえなくて。
あかり『えへへ、あかりだよ』
ちなつ「……うん」
あかり『ごめんね、突然電話していいかななんて』
ちなつ「ううん、大丈夫」
電話してきてくれて嬉しかったよ。
心の中で、そうあかりちゃんに伝える。
あかり『そっか……』
ちなつ「うん」
どうしたのとは聞かなかった。
用があってもなくても、あかりちゃんに電話を切って欲しくない。せめて今だけは。
誰かと繋がっていられることを確認していたかった。
あかり『……ちなつちゃん、元気そうで良かった』
ふいに、あかりちゃんはそう言った。
私も「あかりちゃんだって」と返す。
心の中で、そうあかりちゃんに伝える。
あかり『そっか……』
ちなつ「うん」
どうしたのとは聞かなかった。
用があってもなくても、あかりちゃんに電話を切って欲しくない。せめて今だけは。
誰かと繋がっていられることを確認していたかった。
あかり『……ちなつちゃん、元気そうで良かった』
ふいに、あかりちゃんはそう言った。
私も「あかりちゃんだって」と返す。
あかり『ずっとちなつちゃんのこと、気になってたから』
ちなつ「……」
あかり『会えて良かったよ、久し振りに一緒にお茶も出来て嬉しかった』
なんだか、まるでその言い方はこれで最後みたいだと思った。
本当にそんな口調で言うから。
きっと、今抱えていた寂しさもあったんだと思う。だから私はあかりちゃんの声を
遮って、「いつ来るの?」
あかり『……え?』
ちなつ「お茶の淹れ方、教えてあげるって言ったもん。私はその約束ちゃんと守るよ」
ちなつ「……」
あかり『会えて良かったよ、久し振りに一緒にお茶も出来て嬉しかった』
なんだか、まるでその言い方はこれで最後みたいだと思った。
本当にそんな口調で言うから。
きっと、今抱えていた寂しさもあったんだと思う。だから私はあかりちゃんの声を
遮って、「いつ来るの?」
あかり『……え?』
ちなつ「お茶の淹れ方、教えてあげるって言ったもん。私はその約束ちゃんと守るよ」
夕方だって、あかりちゃんは来るって頷いたじゃん。
ありがとうって、そう言ってくれたじゃん。
私はあかりちゃんに何も無いのにありがとうなんて言われるような
人間じゃないし――本当はあの時だって、今でもどうしてありがとうなんて言われたのか
わからないけど。
あかり『……』
ちなつ「私は受験、もうすぐ終わるからいつでもいいよ」
あかり『……うん』
控えめにあかりちゃんは頷いた。
それから、次の土曜日でいいかな。そんな声がした。
ありがとうって、そう言ってくれたじゃん。
私はあかりちゃんに何も無いのにありがとうなんて言われるような
人間じゃないし――本当はあの時だって、今でもどうしてありがとうなんて言われたのか
わからないけど。
あかり『……』
ちなつ「私は受験、もうすぐ終わるからいつでもいいよ」
あかり『……うん』
控えめにあかりちゃんは頷いた。
それから、次の土曜日でいいかな。そんな声がした。
ちらっとカレンダーを見た。
何も無いことを確認する。ちゃんと確認する前に、頷いてしまっていたけど。
ちなつ「わかった」
あかり『ちなつちゃん』
ちなつ「どうしたの」
あかり『本当に、いいの?』
そんなあかりちゃんの声で、あかりちゃんだって何も気にして無いわけじゃないんだと
悟った。卒業式の日のことを。
ちなつ「あかりちゃんが来て、悪いことなんてないよ」
だったらやっぱり、私たちは友達だ。
まだ、友達でいられるし、友達でいたい。
あかり『……』
ちなつ「あかりちゃん?」
あかり『……そっか』
ちなつ「……うん」
何も無いことを確認する。ちゃんと確認する前に、頷いてしまっていたけど。
ちなつ「わかった」
あかり『ちなつちゃん』
ちなつ「どうしたの」
あかり『本当に、いいの?』
そんなあかりちゃんの声で、あかりちゃんだって何も気にして無いわけじゃないんだと
悟った。卒業式の日のことを。
ちなつ「あかりちゃんが来て、悪いことなんてないよ」
だったらやっぱり、私たちは友達だ。
まだ、友達でいられるし、友達でいたい。
あかり『……』
ちなつ「あかりちゃん?」
あかり『……そっか』
ちなつ「……うん」
それから私たちは他愛も無いことを話して、どうでもいいようなことを報告し合った。
中学校の一年生の頃担任だった先生がとうとう結婚したそうだとか、
同じクラスの○○ちゃんが誰々と駆け落ちしただとか、そんな噂話のようなものまで、
あまり話のできなかったこの数年間を埋めるように、私たちは話した。
一年のブランクなんてちっさいと思えるくらい長いブランクがあったはずなのに、
あかりちゃんとはそんな長い間の静寂なんて感じさせないくらい、以前のように
話すことが出来た。
やっぱり、あかりちゃんは一番の友達だったのだと、改めてそう思って。
『でもきっと、一番近くにいるからこそ気付かない事だって多いんだよ』
結衣先輩のその言葉を、私は忘れた振りをした。
中学校の一年生の頃担任だった先生がとうとう結婚したそうだとか、
同じクラスの○○ちゃんが誰々と駆け落ちしただとか、そんな噂話のようなものまで、
あまり話のできなかったこの数年間を埋めるように、私たちは話した。
一年のブランクなんてちっさいと思えるくらい長いブランクがあったはずなのに、
あかりちゃんとはそんな長い間の静寂なんて感じさせないくらい、以前のように
話すことが出来た。
やっぱり、あかりちゃんは一番の友達だったのだと、改めてそう思って。
『でもきっと、一番近くにいるからこそ気付かない事だって多いんだよ』
結衣先輩のその言葉を、私は忘れた振りをした。
ゆるゆりのキャラの中でもトップクラスの乙女だからな、チーナは
やがて電話を切った頃にはすっかり夜になってしまっていて。
結衣先輩の隣にいられない寂しさは、あかりちゃんの声によって埋もれてしまった。
その代わり、誰かの声が聞こえない寂しさに襲われる。
ちなつ「……」
『件名:RE:RE:
本文:また電話していい?』
『件名:もちろん!
本文:明日もあかりからかけるね』
やっぱり短いメール。
だけどなんだかほっとした。
結衣先輩の隣にいられない寂しさは、あかりちゃんの声によって埋もれてしまった。
その代わり、誰かの声が聞こえない寂しさに襲われる。
ちなつ「……」
『件名:RE:RE:
本文:また電話していい?』
『件名:もちろん!
本文:明日もあかりからかけるね』
やっぱり短いメール。
だけどなんだかほっとした。
すまん明日早いのでそろそろ書けない
午後には戻る、保守してくれたら嬉しいですすいません
午後には戻る、保守してくれたら嬉しいですすいません
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