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元スレあかり「ずっと贈りたかった言葉があるんだよ」
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ちなつ「……うん」
だけど。
唐突の、おめでとう。
私はありがとう、と小さく心の中でしか言えなかった。
誕生日プレゼント、なにがいい?
形式的な問い掛け。
それであかりちゃんは、私が何か言っても何か言わなくても、このまま終わらせて
しまうつもりなんだと思った。
私たちが本当の友達だった頃。
あかりちゃんはそこから動く気なんてないんだきっと。
そして私は。
それでも私は。
ちなつ「あかりちゃんに会いたい」
さっき直接伝えられなかったこと。
今度はあかりちゃんに伝わるように、あかりちゃんがちゃんと聞こえるくらいの声で、
私は言った。
これは本当に私のわがまま。
もう誕生日でもなんでもないけど、18歳になってはじめての、わがまま。
だけど。
唐突の、おめでとう。
私はありがとう、と小さく心の中でしか言えなかった。
誕生日プレゼント、なにがいい?
形式的な問い掛け。
それであかりちゃんは、私が何か言っても何か言わなくても、このまま終わらせて
しまうつもりなんだと思った。
私たちが本当の友達だった頃。
あかりちゃんはそこから動く気なんてないんだきっと。
そして私は。
それでも私は。
ちなつ「あかりちゃんに会いたい」
さっき直接伝えられなかったこと。
今度はあかりちゃんに伝わるように、あかりちゃんがちゃんと聞こえるくらいの声で、
私は言った。
これは本当に私のわがまま。
もう誕生日でもなんでもないけど、18歳になってはじめての、わがまま。
読んでるとこんな顔になってくる
/ ̄ ̄ ̄ ̄\
/;;:: ::;ヽ
|;;:: ィ●ァ ィ●ァ::;;|
|;;:: ::;;|
|;;:: c{ っ ::;;|
|;;:: __ ::;;;|
ヽ;;:: ー ::;;/
\;;:: ::;;/
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>>752-754
オイコラ
オイコラ
/.:.:.:.:. 、:.:.:/:.:.:,イ/|:.:.:.:.|!:.:.:.:.:.:.ヽ
,'.:/.:./:.:.:.:7x∠_/_, !:.:.:/|ハ:.:.:.:.:.:.:.',
j:/.:.:,':.:.:./,ィチ:て` j:.:/、_斗:.:.:.:.:.ハ}
〃.:.:.{:.:.:イ ' 弋zノ / チ圷Z}:.:/
/.:, イ:∧ハ{ :.:.:.:.:.:. 弋ノ//Ⅵ >>752-754
// |:.\ゝ ' .:.: ハ.:.ヘ
レヘ:.:` フ - 、 ノ ヾ '、
,∠三 ̄ヽト{ ヽ , イ \ ・・・
/ `ヽ ヽ /`zチ…-x、
/ ヽ ヘ. ハ 、 , -| j| ハ
/.! \ ! !、__.ノ| 〃/ !
/.::| ヽ|\ |`…ソ /,イ |
ちなつ「今は無理でも、いいの。あかりちゃんの受験が終わってからでも、いつだって私は」
何も言わないあかりちゃんに、私は焦って言った。
今じゃなくてもいい。
またあかりちゃんに会えるチャンスがあるなら、それでいいから。
あかり『……ねえ、ちなつちゃん。今、外出れる?』
ちなつ「え、外?」
私は立ち上がって、窓から外を覗いた。
夜中なのだから当たり前に真っ暗で、おまけに少し風が強そうだった。
私は「出られるよ」それでも、頷いた。
何も言わないあかりちゃんに、私は焦って言った。
今じゃなくてもいい。
またあかりちゃんに会えるチャンスがあるなら、それでいいから。
あかり『……ねえ、ちなつちゃん。今、外出れる?』
ちなつ「え、外?」
私は立ち上がって、窓から外を覗いた。
夜中なのだから当たり前に真っ暗で、おまけに少し風が強そうだった。
私は「出られるよ」それでも、頷いた。
―――――
―――――
あかりちゃんは、そこにいた。
私の見間違いなんかじゃなくって、本当にそこにいて。
真夜中の公園。
よく、二人で帰ったときは愚痴だったり結衣先輩への気持ちだったり、そんなものを
垂れ流しに寄り道していたことを思い出す。
ちなつ「……」
あかり「……」
公園の入口に立ったままでいる私を見つけると、ブランコを小さく揺らしながら寒そうに身を
縮めていたあかりちゃんは立ち上がった。
急いで出てきたとはいえ部屋着の上に適当に上着を羽織っただけの格好だった私とは対照的に、あかりちゃんは
きちんとした服装で、恥ずかしくなって髪に手をあてた。せめて髪だけでもちゃんと
梳き直してくればよかった。
言い訳みたいなものだけど、まさかあかりちゃんが本当にこの場所にいるとは思わなくて。
―――――
あかりちゃんは、そこにいた。
私の見間違いなんかじゃなくって、本当にそこにいて。
真夜中の公園。
よく、二人で帰ったときは愚痴だったり結衣先輩への気持ちだったり、そんなものを
垂れ流しに寄り道していたことを思い出す。
ちなつ「……」
あかり「……」
公園の入口に立ったままでいる私を見つけると、ブランコを小さく揺らしながら寒そうに身を
縮めていたあかりちゃんは立ち上がった。
急いで出てきたとはいえ部屋着の上に適当に上着を羽織っただけの格好だった私とは対照的に、あかりちゃんは
きちんとした服装で、恥ずかしくなって髪に手をあてた。せめて髪だけでもちゃんと
梳き直してくればよかった。
言い訳みたいなものだけど、まさかあかりちゃんが本当にこの場所にいるとは思わなくて。
だから普通は、「どうして」や、それとも「久し振り」とか、そう言うべきだと
思うのだけど。
私はそのどれとも違って、最初に発した言葉は「髪、切ったんだ」
あかり「……あ、うん」
ちなつ「伸ばすって言ってたのに」
あかり「お姉ちゃんの真似、するのはもういいかなぁって」
ちなつ「そっか……」
髪を切ったあかりちゃんは、暗い中で顔を合わせているせいか少し幼く見えた。
身体自体は成長しているはずなのに、中学生の頃のあかりちゃんを見ているみたいだった。
ちなつ「似合ってたのに」
あかり「えへへ」
あかりちゃんは曖昧に笑っただけだった。
目が合って、すぐに逸らした。
実際に会ってみると、何を話せば良いかわからない。ただ、あかりちゃんの元気そうな姿を
見られただけで、それでもいいかなとも思って。
すぐに今あかりちゃんがいるべき場所に帰っちゃうんだろうなと察しはついたから。
あかりちゃんの持つ、鞄。あかりちゃんが行ってしまったあの日と同じものだった。
思うのだけど。
私はそのどれとも違って、最初に発した言葉は「髪、切ったんだ」
あかり「……あ、うん」
ちなつ「伸ばすって言ってたのに」
あかり「お姉ちゃんの真似、するのはもういいかなぁって」
ちなつ「そっか……」
髪を切ったあかりちゃんは、暗い中で顔を合わせているせいか少し幼く見えた。
身体自体は成長しているはずなのに、中学生の頃のあかりちゃんを見ているみたいだった。
ちなつ「似合ってたのに」
あかり「えへへ」
あかりちゃんは曖昧に笑っただけだった。
目が合って、すぐに逸らした。
実際に会ってみると、何を話せば良いかわからない。ただ、あかりちゃんの元気そうな姿を
見られただけで、それでもいいかなとも思って。
すぐに今あかりちゃんがいるべき場所に帰っちゃうんだろうなと察しはついたから。
あかりちゃんの持つ、鞄。あかりちゃんが行ってしまったあの日と同じものだった。
気持ちを伝えたって、あかりちゃんがここにいないのなら意味がない気がした。
だから初めて、伝わらなくてもいいや。
そんなことを考えて。
ちなつ「……寒いね」
あかり「もう11月だもんね」
ちなつ「あかりちゃん。風邪、引いちゃうよ」
あかり「……平気」
少し震えてるくせに、あかりちゃんはそう言って首を振った。
このまま帰って欲しい。
一瞬そう思ったりもしたけど、もう少し傍にいてくれると知ってやっぱりほっとした。
だから初めて、伝わらなくてもいいや。
そんなことを考えて。
ちなつ「……寒いね」
あかり「もう11月だもんね」
ちなつ「あかりちゃん。風邪、引いちゃうよ」
あかり「……平気」
少し震えてるくせに、あかりちゃんはそう言って首を振った。
このまま帰って欲しい。
一瞬そう思ったりもしたけど、もう少し傍にいてくれると知ってやっぱりほっとした。
――――― ――
自販機で熱い缶コーヒーを二人分買って、あかりちゃんに手渡す。
あかりちゃんは「ありがとぉ」と落としそうになりながらも受取った。
ちなつ「お金、また返すから」
あかり「いいよー、百円ちょっとくらい」
ちなつ「でも……」
あかり「ちなつちゃん、お誕生日なんだからコーヒー奢るくらいはさせて」
ベンチに座りながら私を見上げてそう言うあかりちゃんは相変わらずにこにこと
笑っている。
出かけるとき携帯以外何も持ってこなかったことを後悔しつつ、「わかった」と
私は頷いてプルタブを開ける。あかりちゃんも真似して開け、コーヒーを喉へ流し込んだ。
あかり「……苦っ」
ちなつ「え、ブラックだった?」
慌てて今飲もうとしていた缶を確かめる。
いつ間違えたのか、無糖と書かれた黒い缶。
自販機で熱い缶コーヒーを二人分買って、あかりちゃんに手渡す。
あかりちゃんは「ありがとぉ」と落としそうになりながらも受取った。
ちなつ「お金、また返すから」
あかり「いいよー、百円ちょっとくらい」
ちなつ「でも……」
あかり「ちなつちゃん、お誕生日なんだからコーヒー奢るくらいはさせて」
ベンチに座りながら私を見上げてそう言うあかりちゃんは相変わらずにこにこと
笑っている。
出かけるとき携帯以外何も持ってこなかったことを後悔しつつ、「わかった」と
私は頷いてプルタブを開ける。あかりちゃんも真似して開け、コーヒーを喉へ流し込んだ。
あかり「……苦っ」
ちなつ「え、ブラックだった?」
慌てて今飲もうとしていた缶を確かめる。
いつ間違えたのか、無糖と書かれた黒い缶。
気付かずに、購入しようとしていたコーヒーの横にあったブラックコーヒーの
ボタンを押してしまったらしい。
あかりちゃんは「の、飲めるようになったから……」と言いつつそれでもけほけほ
している。
ちなつ「ご、ごめん……」
変えようかと言おうにも私のも同じくブラックだし。
あかりちゃんと再会した日も、そういえばミルクはいれないまでも砂糖はしっかり
いれてたんだっけ。
心配げな私に、あかりちゃんはもう一度「飲めるよ!」と言いながらこくんと
黒い液体を流し込んだ。
今度は咳き込まずに飲み込んで、「ほら」と得意げに笑ってみせる。
優しいんだから、とぼんやり思う。
私もあかりちゃんの真似をして熱いコーヒーを喉に流し込んだ。
やっぱり熱くて味なんてわからなかったから、よかった。
あかり「ちなつちゃん、立ってないで座ったら?」
ちなつ「えっ……あ、うん」
私は躊躇いがちに頷きつつも、あかりちゃんの隣に腰を下ろす。
少し開いた距離。どうしてもあかりちゃんのすぐ隣には座れなかった。
ボタンを押してしまったらしい。
あかりちゃんは「の、飲めるようになったから……」と言いつつそれでもけほけほ
している。
ちなつ「ご、ごめん……」
変えようかと言おうにも私のも同じくブラックだし。
あかりちゃんと再会した日も、そういえばミルクはいれないまでも砂糖はしっかり
いれてたんだっけ。
心配げな私に、あかりちゃんはもう一度「飲めるよ!」と言いながらこくんと
黒い液体を流し込んだ。
今度は咳き込まずに飲み込んで、「ほら」と得意げに笑ってみせる。
優しいんだから、とぼんやり思う。
私もあかりちゃんの真似をして熱いコーヒーを喉に流し込んだ。
やっぱり熱くて味なんてわからなかったから、よかった。
あかり「ちなつちゃん、立ってないで座ったら?」
ちなつ「えっ……あ、うん」
私は躊躇いがちに頷きつつも、あかりちゃんの隣に腰を下ろす。
少し開いた距離。どうしてもあかりちゃんのすぐ隣には座れなかった。
しばらく、微妙な距離を保ったまま私たちは苦いコーヒーを身体の奥へと
流し込んでいた。
昼間よく眠ったせいか、それともあかりちゃんが隣にいるからなのかはわからないけど、
目は完全に冴えてしまっていて、ぱちぱちと乾いた目で何度も瞬きした。
ようやく全部飲み終えかけたとき、あかりちゃんが言い訳をするような口調で
「休みの日は家に帰ってきなさいって言われてるから」ぽつりと言った。
ちなつ「……そうなんだ」
あかり「……うん」
上手く言葉が出てこず、出てきたとしても繋がらない。
電話と違ってあかりちゃんが近くにいることで、よけいにそれが目立って私は
少しばかり焦った。
本当にこのままでいいのかな。
私は私の中で、自問自答を繰り返す。
冷えてきた缶と、そして冷たい風が吹きつけて徐々に体温を失っていく身体。
そのくせ、頭の中だけは悶々と熱かった。
ちなつ「あかりちゃん」
あかりちゃんの「なあに?」
顔はこちらに向けてくれない。だから私はあかりちゃんの横顔を見詰めた。
流し込んでいた。
昼間よく眠ったせいか、それともあかりちゃんが隣にいるからなのかはわからないけど、
目は完全に冴えてしまっていて、ぱちぱちと乾いた目で何度も瞬きした。
ようやく全部飲み終えかけたとき、あかりちゃんが言い訳をするような口調で
「休みの日は家に帰ってきなさいって言われてるから」ぽつりと言った。
ちなつ「……そうなんだ」
あかり「……うん」
上手く言葉が出てこず、出てきたとしても繋がらない。
電話と違ってあかりちゃんが近くにいることで、よけいにそれが目立って私は
少しばかり焦った。
本当にこのままでいいのかな。
私は私の中で、自問自答を繰り返す。
冷えてきた缶と、そして冷たい風が吹きつけて徐々に体温を失っていく身体。
そのくせ、頭の中だけは悶々と熱かった。
ちなつ「あかりちゃん」
あかりちゃんの「なあに?」
顔はこちらに向けてくれない。だから私はあかりちゃんの横顔を見詰めた。
友達としてあかりちゃんの傍にいた中学生の頃。
卒業式の日のキスの意味。
再会して好きになってしまった、私の気持ち。
伝えたいことも聞きたいこともこんなに沢山あるのに。
何から言えばいいのか、どんなふうに聞いてしまえばいいのか、わからなかった。
ちなつ「……あかりちゃん、去年やその前の誕生日、私にメールくれた?」
あかり「えぇっ、忘れたの!?」
何言ってるんだろうと思ったけれど。顔をあげたあかりちゃん。
一旦飛び出した言葉に釣られるように、「だけど」と私は続けた。
ちなつ「……今年はずっと、あかりちゃんからのメールだけ、待ってたんだよ」
卒業式の日のキスの意味。
再会して好きになってしまった、私の気持ち。
伝えたいことも聞きたいこともこんなに沢山あるのに。
何から言えばいいのか、どんなふうに聞いてしまえばいいのか、わからなかった。
ちなつ「……あかりちゃん、去年やその前の誕生日、私にメールくれた?」
あかり「えぇっ、忘れたの!?」
何言ってるんだろうと思ったけれど。顔をあげたあかりちゃん。
一旦飛び出した言葉に釣られるように、「だけど」と私は続けた。
ちなつ「……今年はずっと、あかりちゃんからのメールだけ、待ってたんだよ」
あかり「……」
ちなつ「……それだけ」
何が言いたかったのかと聞かれそうだけど。
今私が言える精一杯のことだった。
本当に欲しかったのはあかりちゃんからのメールだけ。
一番大切な人から、おめでとうだけでもいい、そんなメールが欲しかった。
目の前で、言ってもらえたことはすごく嬉しい。
だけどそれが終わりを前提してだったのなら、おめでとうなんて言葉、聞きたくは
なかった。
やっぱり、あかりちゃんと離れたくない。
突然、そんな気持ちが湧き上がってきた。あかりちゃんと一緒にいたい。
あかりちゃんの傍にいたいし傍にいてほしい。
あかり「だって今年は、別のこと、送っちゃいそうだったんだもん」
ちなつ「……それだけ」
何が言いたかったのかと聞かれそうだけど。
今私が言える精一杯のことだった。
本当に欲しかったのはあかりちゃんからのメールだけ。
一番大切な人から、おめでとうだけでもいい、そんなメールが欲しかった。
目の前で、言ってもらえたことはすごく嬉しい。
だけどそれが終わりを前提してだったのなら、おめでとうなんて言葉、聞きたくは
なかった。
やっぱり、あかりちゃんと離れたくない。
突然、そんな気持ちが湧き上がってきた。あかりちゃんと一緒にいたい。
あかりちゃんの傍にいたいし傍にいてほしい。
あかり「だって今年は、別のこと、送っちゃいそうだったんだもん」
あかりね。
ほんとはおめでとうの他に、ずっと贈りたかった言葉があるんだよ。
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