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元スレあかり「ずっとずっと一緒にいられたらいいよね」
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あかり「それじゃあちなつちゃん、あかり行って来るね!」
一日の始まり。
ばたばたと忙しそうに家中を駆け回る足音を聞きながら目覚めた私は、
眠い目をこすりながら「いってらっしゃーい」と今まさに出て行こうとした
あかりちゃんに声をかけた。
あかり「あ……えへへ、行ってきます!」
私の声に気付いたあかりちゃんは、嬉しそうに笑ったあともう一度そう言って
駆け出していった。
一日の始まり。
ばたばたと忙しそうに家中を駆け回る足音を聞きながら目覚めた私は、
眠い目をこすりながら「いってらっしゃーい」と今まさに出て行こうとした
あかりちゃんに声をかけた。
あかり「あ……えへへ、行ってきます!」
私の声に気付いたあかりちゃんは、嬉しそうに笑ったあともう一度そう言って
駆け出していった。
◆
あまりにも突然だが、現在私、吉川ちなつと\アッカリーン/こと赤座あかりちゃんは同棲中である。
同棲中――なんていったらおかしな誤解を招きそうな気もするけれど。
中学生のときに出会ってそのまま、一緒の高校に進み、大学生になったと同時に
私たちは一緒に暮らし始めた。
他に好きな人がいたこともある。
けれど今は、あかりちゃんのことが誰よりも大切だ。
こんなこと言ったらあかりちゃんはどんな顔をするだろうか。はっきりと気持ちを
伝えないままここまできてしまったから、なにをいまさら、そんなふうに笑うだろうか。
あまりにも突然だが、現在私、吉川ちなつと\アッカリーン/こと赤座あかりちゃんは同棲中である。
同棲中――なんていったらおかしな誤解を招きそうな気もするけれど。
中学生のときに出会ってそのまま、一緒の高校に進み、大学生になったと同時に
私たちは一緒に暮らし始めた。
他に好きな人がいたこともある。
けれど今は、あかりちゃんのことが誰よりも大切だ。
こんなこと言ったらあかりちゃんはどんな顔をするだろうか。はっきりと気持ちを
伝えないままここまできてしまったから、なにをいまさら、そんなふうに笑うだろうか。
私は顔を洗って服を着替えると、大きな欠伸を一つ。
一緒に暮らし始めた理由の一つに、別々の大学に進学したことがある。
六年間、ずっと傍にいて、離れられるはずなんてなく、どちらの大学の距離からも
できるだけ近いこの部屋を選んだ。よくある学生寮みたいなものではないから、
それなりに充実している。
『ちなつちゃんへ
今日はあんまり時間がなかったから、目玉焼きとパンで食べといてね』
テーブルの上に、目玉焼きの乗ったお皿とともに置いてあった走り書き。
私は「はーい」と誰もいないのに小さく返事をすると、まだ眠い目を瞬かせながら
コーヒーを淹れに台所に立った。
一緒に暮らし始めた理由の一つに、別々の大学に進学したことがある。
六年間、ずっと傍にいて、離れられるはずなんてなく、どちらの大学の距離からも
できるだけ近いこの部屋を選んだ。よくある学生寮みたいなものではないから、
それなりに充実している。
『ちなつちゃんへ
今日はあんまり時間がなかったから、目玉焼きとパンで食べといてね』
テーブルの上に、目玉焼きの乗ったお皿とともに置いてあった走り書き。
私は「はーい」と誰もいないのに小さく返事をすると、まだ眠い目を瞬かせながら
コーヒーを淹れに台所に立った。
>>7
一人称の地の文の作品たとわりとあるぞ
一人称の地の文の作品たとわりとあるぞ
私は今、デザインを学べる大学に通っている。
そこが今日からしばらく長期休暇に入ったので、しばらくはのんびりと過ごせそうだ。
あかりちゃんのところはまだだから、あかりちゃんをいじっての暇潰しはできないけれど。
ちなつ「はーあ……」
溜息、を吐いても仕方ないのはわかっているが、どうしても吐きたくなってしまうのが
乙女の心情というものだ。
とりあえずあかりちゃんの用意してくれた朝食を食べて、目を覚ますことにする。
食べ終わったらなにをしようか。
そんなことを考えながらテーブルに散らかった葉書きなんかに適当に目を通していると、
ふと目に留まったものがあった。
そこが今日からしばらく長期休暇に入ったので、しばらくはのんびりと過ごせそうだ。
あかりちゃんのところはまだだから、あかりちゃんをいじっての暇潰しはできないけれど。
ちなつ「はーあ……」
溜息、を吐いても仕方ないのはわかっているが、どうしても吐きたくなってしまうのが
乙女の心情というものだ。
とりあえずあかりちゃんの用意してくれた朝食を食べて、目を覚ますことにする。
食べ終わったらなにをしようか。
そんなことを考えながらテーブルに散らかった葉書きなんかに適当に目を通していると、
ふと目に留まったものがあった。
ごくん、と口の中のパンを飲み干すと、マジマジとその手紙を見詰めてしまった。
あまりにも懐かしい名前が、差出人のところにあったから。
宛て先のところには私とあかりちゃん、二人分の名前があるから向こうはきちんと
私たちのことを知っていたのだろう。
ちなつ「……」
封は既に切ってあった。
どうしてあかりちゃん、手紙が来てたこと知らせてくれなかったんだろう。
ぼんやりそう思いながらも、確かに昔相手の好きだった人からの手紙なんてあんまり
見せたくないよね、とも納得して。
ちなつ「……やめとこ」
私は中身を見ずに、それをそっともとあった場所に戻しておいた。
あまりにも懐かしい名前が、差出人のところにあったから。
宛て先のところには私とあかりちゃん、二人分の名前があるから向こうはきちんと
私たちのことを知っていたのだろう。
ちなつ「……」
封は既に切ってあった。
どうしてあかりちゃん、手紙が来てたこと知らせてくれなかったんだろう。
ぼんやりそう思いながらも、確かに昔相手の好きだった人からの手紙なんてあんまり
見せたくないよね、とも納得して。
ちなつ「……やめとこ」
私は中身を見ずに、それをそっともとあった場所に戻しておいた。
>>12
SSの話だぞ?
SSの話だぞ?
>>15
ちなつ視点のSSは地の文の作品たとわりとあるぞって言いたかったんだろ
ちなつ視点のSSは地の文の作品たとわりとあるぞって言いたかったんだろ
―――――
―――――
食器洗いも済ませてしまい、いよいよやることのなくなってしまった私は
(家事なんかもあかりちゃんがほとんどやってくれるのだ)外に出てみることにした。
そろそろ年末で、どこを見たってみんな忙しそうに歩いている。
ちなつ「……さむっ」
クリスマスにあかりちゃんからもらったマフラーをしっかり巻いて出たはずなのに、
震えそうなほど寒かった。
行く宛てもないままに、私は歩き出す。
早くあかりちゃん、帰って来ないかな。
まだ昼にもなっていないのにそんなことを考え始めた私につい苦笑を漏らして。
―――――
食器洗いも済ませてしまい、いよいよやることのなくなってしまった私は
(家事なんかもあかりちゃんがほとんどやってくれるのだ)外に出てみることにした。
そろそろ年末で、どこを見たってみんな忙しそうに歩いている。
ちなつ「……さむっ」
クリスマスにあかりちゃんからもらったマフラーをしっかり巻いて出たはずなのに、
震えそうなほど寒かった。
行く宛てもないままに、私は歩き出す。
早くあかりちゃん、帰って来ないかな。
まだ昼にもなっていないのにそんなことを考え始めた私につい苦笑を漏らして。
この約半年間で、私は相当あかりちゃんといる生活に馴れてしまったようだった。
誰かと一緒にいるときは平気なのに、こうして一人になってみるとどうしても
あかりちゃんのことを思ってしまう。
重症かな、これは。
こうなってしまったのも、あかりちゃんがいつでも優しいからだ。
私もあかりちゃんになにかしてあげたいと思ってはいるものの、常に先を越されてしまう。
たまにエスパーかなにかなんじゃないかと疑ってしまうときがあるくらい。
それも一緒にいる時間が長くなったからこそなのかな、とも思ってみたりするけれど。
私ってきっと、とことん幸せなのだ。
ちなつ「……」
それでも。
たまに街で見かける、男女のカップルからいまだに目を逸らさずにはいられないけど。
誰かと一緒にいるときは平気なのに、こうして一人になってみるとどうしても
あかりちゃんのことを思ってしまう。
重症かな、これは。
こうなってしまったのも、あかりちゃんがいつでも優しいからだ。
私もあかりちゃんになにかしてあげたいと思ってはいるものの、常に先を越されてしまう。
たまにエスパーかなにかなんじゃないかと疑ってしまうときがあるくらい。
それも一緒にいる時間が長くなったからこそなのかな、とも思ってみたりするけれど。
私ってきっと、とことん幸せなのだ。
ちなつ「……」
それでも。
たまに街で見かける、男女のカップルからいまだに目を逸らさずにはいられないけど。
ああ、暗くなっちゃだめよチーナ!
べつに同性がなによ!同棲が許されるんだから同性でよかったじゃない!
はっきりと、親にも友達だって言えるんだから――
ちなつ「……寒い」
寒さが時々、こんなふうに私の思考にいたずらする。
温かくなってしまえばきっと問題ない。
私は一旦頭の中を空っぽにすると、あかりちゃん行き着けの本屋さんに飛び込んだ。
べつに同性がなによ!同棲が許されるんだから同性でよかったじゃない!
はっきりと、親にも友達だって言えるんだから――
ちなつ「……寒い」
寒さが時々、こんなふうに私の思考にいたずらする。
温かくなってしまえばきっと問題ない。
私は一旦頭の中を空っぽにすると、あかりちゃん行き着けの本屋さんに飛び込んだ。
むっとするほどの暖房が効いた店内で、ほっと一息吐いた私はすぐに「あっ」と
心臓が止まりそうになってしまった。
思わず本棚に隠れてしまったのは、今朝見た手紙の件があるからだ。
ちなつ「……先輩たち」
かつての私の好きだった人。と、その幼馴染であっという間に結衣先輩を掻っ攫っていった
泥棒猫――なんて、言ったら聞こえが悪いし今はまったくといっていいほど恨んでもいないし
妬んでもいない、京子先輩。
むしろ今では京子先輩が結衣先輩と一緒にいてくれることに感謝すらしている。
それで私はあかりちゃんと一緒にいられるのだから。
少しの強がりも入っていないかと言われれば嘘にはなるけど。
心臓が止まりそうになってしまった。
思わず本棚に隠れてしまったのは、今朝見た手紙の件があるからだ。
ちなつ「……先輩たち」
かつての私の好きだった人。と、その幼馴染であっという間に結衣先輩を掻っ攫っていった
泥棒猫――なんて、言ったら聞こえが悪いし今はまったくといっていいほど恨んでもいないし
妬んでもいない、京子先輩。
むしろ今では京子先輩が結衣先輩と一緒にいてくれることに感謝すらしている。
それで私はあかりちゃんと一緒にいられるのだから。
少しの強がりも入っていないかと言われれば嘘にはなるけど。
結衣先輩たちの大学もお休みなのか、それとも今の時間帯講義がないだけなのかは
わからないけれど、二人とも仲よさげになにかの雑誌をめくっていた。
遠目からでも、なんの雑誌なのかは見えた表紙でわかってしまった。
ちなつ「えっ……」
ウエディングドレス。
京子先輩が嬉しそうになにかを言って、結衣先輩が苦笑しつつも答えている。
それもとてつもなく楽しそうに。
結婚!?
とうとう結婚しちゃうんですか先輩方!
わからないけれど、二人とも仲よさげになにかの雑誌をめくっていた。
遠目からでも、なんの雑誌なのかは見えた表紙でわかってしまった。
ちなつ「えっ……」
ウエディングドレス。
京子先輩が嬉しそうになにかを言って、結衣先輩が苦笑しつつも答えている。
それもとてつもなく楽しそうに。
結婚!?
とうとう結婚しちゃうんですか先輩方!
思わず飛び出してしまった私は、飛び出してから激しく後悔。
思い切り結衣先輩たちと目が合ってしまった。
京子「あれ……」
結衣「ちなつちゃん……?」
ちなつ「え、えーっと……」
驚いたように固まる二人に、私は乾いた笑いを漏らした。
一体、他にどんな反応をすればいいというのだろう。
思い切り結衣先輩たちと目が合ってしまった。
京子「あれ……」
結衣「ちなつちゃん……?」
ちなつ「え、えーっと……」
驚いたように固まる二人に、私は乾いた笑いを漏らした。
一体、他にどんな反応をすればいいというのだろう。
結衣先輩は持っていた雑誌をぱっと後ろに隠して、「久し振り……」と困ったように
声をかけてきた。
私は少しだけほっとして、「はあ」と頷く。
京子「こんなとこで会うなんて珍しいね!」
京子先輩はといえば、最初のショックは忘れたのか嬉しそうに私に駆け寄ってきて
抱きつこうとしてきた。
「ちょっと、こんなとこでやめてくださいよ!」と逃げることすら懐かしく感じてしまう。
声をかけてきた。
私は少しだけほっとして、「はあ」と頷く。
京子「こんなとこで会うなんて珍しいね!」
京子先輩はといえば、最初のショックは忘れたのか嬉しそうに私に駆け寄ってきて
抱きつこうとしてきた。
「ちょっと、こんなとこでやめてくださいよ!」と逃げることすら懐かしく感じてしまう。
結衣先輩たちとは、同じ「ごらく部」という珍しい部活で活動(というよりほぼ遊び)
していた。
高校も同じところに上がったけれど、さすがの京子先輩でも「ごらく部」は作れなかったらしく
部活がばらばらで、学年が一緒だった私とあかりちゃんはともかく、学年が違う結衣先輩たちとは
ほとんど接点がなくなってしまったのだった。
その頃にはもう、結衣先輩への恋心も割り切っていたから、よけいに話すことはなくなって
今では二人の幼馴染のあかりちゃん伝いに近況を知る程度の関係。
京子「ちなつちゃん、今日は大学ないの?」
ちなつ「あ、うちの学校、今日から長期休暇で」
結衣「そっか、私たちのとこも昨日から」
していた。
高校も同じところに上がったけれど、さすがの京子先輩でも「ごらく部」は作れなかったらしく
部活がばらばらで、学年が一緒だった私とあかりちゃんはともかく、学年が違う結衣先輩たちとは
ほとんど接点がなくなってしまったのだった。
その頃にはもう、結衣先輩への恋心も割り切っていたから、よけいに話すことはなくなって
今では二人の幼馴染のあかりちゃん伝いに近況を知る程度の関係。
京子「ちなつちゃん、今日は大学ないの?」
ちなつ「あ、うちの学校、今日から長期休暇で」
結衣「そっか、私たちのとこも昨日から」
手紙のことはなにも言ってこないということは、あれはそんなにたいした内容では
なかったのかもしれない。
ただ、結衣先輩と話していると何も悪いことはしていないのに少しだけ、罪悪感。
ちなつ「そうですか……」
京子「にしても、いきなりそこの本棚からちなつちゃんがすごい形相で飛び出してくるから
すっごいびっくりしたよ。私を驚かせるなんてちなつちゃんも中々……」
うっ。
そんなつもりはなかったんですけど。
ちなつ「先輩たちがウエディング雑誌見てたからつい……」
なかったのかもしれない。
ただ、結衣先輩と話していると何も悪いことはしていないのに少しだけ、罪悪感。
ちなつ「そうですか……」
京子「にしても、いきなりそこの本棚からちなつちゃんがすごい形相で飛び出してくるから
すっごいびっくりしたよ。私を驚かせるなんてちなつちゃんも中々……」
うっ。
そんなつもりはなかったんですけど。
ちなつ「先輩たちがウエディング雑誌見てたからつい……」
今度は結衣先輩がげっという顔をした。
京子先輩が「あらー、見られてたかー」とどうでもよさそうに言って。
結衣「京子が見たいっていうからさ」
京子「結衣だって結構乗り気だったじゃん!」
結衣「で、でもどうせできないだろ」
照れ隠しなのか、結衣先輩が慌てたように言った言葉が私たちの空気を少しだけ
凍らせてしまった。
結衣先輩が後悔したように何か言おうとしたとき、けれど。
京子「私はしたい!結衣と結婚したい!」
結衣「は、はあ!?」
京子先輩が「あらー、見られてたかー」とどうでもよさそうに言って。
結衣「京子が見たいっていうからさ」
京子「結衣だって結構乗り気だったじゃん!」
結衣「で、でもどうせできないだろ」
照れ隠しなのか、結衣先輩が慌てたように言った言葉が私たちの空気を少しだけ
凍らせてしまった。
結衣先輩が後悔したように何か言おうとしたとき、けれど。
京子「私はしたい!結衣と結婚したい!」
結衣「は、はあ!?」
いきなりこんなところでなに言い出すんですか京子先輩は!
聞いてるこっちが恥ずかしくなるくらいの真直ぐな言葉に、言われてる結衣先輩が
真っ赤にならないはずがない。
結衣「ちょ、お前……」
京子「結衣だってそうでしょ?」
結衣「……それはまあ、そうだけど」
京子「ちなつちゃんは?」
突然話を振られて、私は「はい?」と訊ね返してしまった。
京子先輩はにやっと笑って「あかり」と一言。
聞いてるこっちが恥ずかしくなるくらいの真直ぐな言葉に、言われてる結衣先輩が
真っ赤にならないはずがない。
結衣「ちょ、お前……」
京子「結衣だってそうでしょ?」
結衣「……それはまあ、そうだけど」
京子「ちなつちゃんは?」
突然話を振られて、私は「はい?」と訊ね返してしまった。
京子先輩はにやっと笑って「あかり」と一言。
ちなつ「はいっ!?」
京子「ちなつちゃんもあかりと結婚したいって思わない?」
久し振りに会って何を言い出すんだこの人は。
あかりちゃんと結婚とか、そんな――
酸欠の金魚よろしく口をぱくぱくさせながら、それでも私はこくんと頷いた。
うぅ。
京子「ね?」
ちなつ「……はい」
京子「きっとあかりもそう思ってるし、結衣だってそう思ってるし、ならそれでいいじゃん」
京子「ちなつちゃんもあかりと結婚したいって思わない?」
久し振りに会って何を言い出すんだこの人は。
あかりちゃんと結婚とか、そんな――
酸欠の金魚よろしく口をぱくぱくさせながら、それでも私はこくんと頷いた。
うぅ。
京子「ね?」
ちなつ「……はい」
京子「きっとあかりもそう思ってるし、結衣だってそう思ってるし、ならそれでいいじゃん」
京子先輩が嬉しそうに笑って、言う。
今は同じ気持ちでいられるんだから。
結衣「……そうだな」
それでいっか。
結衣先輩も笑い返すと、隠していた雑誌を元あった場所に戻した。
京子先輩はいいな。そんなふうに考えられて。
私はそんなことを思って、こくりともう一度、大きく頷いた。
暗くなったって、しかたないのだ。
初めて結衣先輩と付き合う京子先輩ではなく、京子先輩みたいな人が恋人の結衣先輩が
羨ましくなった。
今は同じ気持ちでいられるんだから。
結衣「……そうだな」
それでいっか。
結衣先輩も笑い返すと、隠していた雑誌を元あった場所に戻した。
京子先輩はいいな。そんなふうに考えられて。
私はそんなことを思って、こくりともう一度、大きく頷いた。
暗くなったって、しかたないのだ。
初めて結衣先輩と付き合う京子先輩ではなく、京子先輩みたいな人が恋人の結衣先輩が
羨ましくなった。
◆
結衣「それじゃ、またね」
京子「あかりと仲良くしろよー」
本屋の前で先輩たちと別れ、私は寒い街をまた一人行き始めた。
ふと空を見上げる。
曇り空から、雪のような雨粒がちらほらと降ってきていた。
ちなつ「あちゃー、傘もってきてないや……」
鞄を探っても、もちろん折り畳み傘なんて入っているはずもない。
私はしかたなく近くのスーパーに走り寄った。
とにかく雨宿りだ。
結衣「それじゃ、またね」
京子「あかりと仲良くしろよー」
本屋の前で先輩たちと別れ、私は寒い街をまた一人行き始めた。
ふと空を見上げる。
曇り空から、雪のような雨粒がちらほらと降ってきていた。
ちなつ「あちゃー、傘もってきてないや……」
鞄を探っても、もちろん折り畳み傘なんて入っているはずもない。
私はしかたなく近くのスーパーに走り寄った。
とにかく雨宿りだ。
こういうとき、あかりちゃんがいればな。
またぼんやり浮かんでくるのはあかりちゃんのことで。
結衣先輩たちのラブラブっぷりを見せ付けられたせいか、あかりちゃんに会いたくて
仕方がなくなっていた。
ちなつ「……そうだ、電話」
今日は何時に終わるか聞いていないけど、この時間ならなにも講義はないはずだ。
そう思って、ポケットから携帯を取り出したちょうどその時、着信。
てのひらの中で震える携帯のディスプレイに映し出された名前は、やっぱりエスパーあかりちゃんだった。
またぼんやり浮かんでくるのはあかりちゃんのことで。
結衣先輩たちのラブラブっぷりを見せ付けられたせいか、あかりちゃんに会いたくて
仕方がなくなっていた。
ちなつ「……そうだ、電話」
今日は何時に終わるか聞いていないけど、この時間ならなにも講義はないはずだ。
そう思って、ポケットから携帯を取り出したちょうどその時、着信。
てのひらの中で震える携帯のディスプレイに映し出された名前は、やっぱりエスパーあかりちゃんだった。
ちなつ「はい、もしもし!」
つい声が弾んでしまう。
雨は少しきつくなってきたけれど、この分じゃ通り雨かなにかだろう。
あかり『あ、ちなつちゃん?良かったぁ、出てくれた』
ちなつ「あかりちゃんからの電話だもん、出るに決まってるよ」
あかり『そ、そう……?』
あっ、しまった。
いつもならこんなこと言わないはずの私なのに、つい本音がぽろりと出てしまった。
少し恥ずかしくなってしまったが、けれどあかりちゃんが『そっかぁ』と嬉しそうに
笑っているからまあいっか、なんて。
つい声が弾んでしまう。
雨は少しきつくなってきたけれど、この分じゃ通り雨かなにかだろう。
あかり『あ、ちなつちゃん?良かったぁ、出てくれた』
ちなつ「あかりちゃんからの電話だもん、出るに決まってるよ」
あかり『そ、そう……?』
あっ、しまった。
いつもならこんなこと言わないはずの私なのに、つい本音がぽろりと出てしまった。
少し恥ずかしくなってしまったが、けれどあかりちゃんが『そっかぁ』と嬉しそうに
笑っているからまあいっか、なんて。
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