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元スレQB「シャワーでも浴びておいで」さやか「な、何…?」
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上条「今までごめん…こんなになるまで、さやかを追い詰めてしまって…」
さやか「…信じるんだ」
上条「……?」
さやか「…魔法だとか、魂の契約だとか、そんなおとぎ話、本当に真に受けるんだ…」
上条「僕は、『さやかを』信じる…」
さやか「…!」
上条「いや…どうだっていいんだ…。奇跡が偶然でも必然でも、そんなのは関係ない
さやかが、どんな気持ちで会いに来てくれてたか、やっとわかったから…」
涙ぐむさやか
上条「その気持ちさえ本当なら、僕は安心してさやかを抱ける…。君に与えられたこの手で…」
さやか「……」
上条「今までの僕を赦してくれるなら、こっちを向いてくれ…」
さやか「…ねぇ、いいの? 恭介…あたしの体がどんなものか、知ってるんだよね…?」
上条「…うん」
さやか「…信じるんだ」
上条「……?」
さやか「…魔法だとか、魂の契約だとか、そんなおとぎ話、本当に真に受けるんだ…」
上条「僕は、『さやかを』信じる…」
さやか「…!」
上条「いや…どうだっていいんだ…。奇跡が偶然でも必然でも、そんなのは関係ない
さやかが、どんな気持ちで会いに来てくれてたか、やっとわかったから…」
涙ぐむさやか
上条「その気持ちさえ本当なら、僕は安心してさやかを抱ける…。君に与えられたこの手で…」
さやか「……」
上条「今までの僕を赦してくれるなら、こっちを向いてくれ…」
さやか「…ねぇ、いいの? 恭介…あたしの体がどんなものか、知ってるんだよね…?」
上条「…うん」
あれ?…あれ?え?期待して良いの?あたしたち期待しても良いのこれ
さやか「…あたしは嫌。だって、死んだ体で、中身もないのに動いたり喋ったりするんだよ…!?
恭介に触らせられないよ…こんな体…!」
上条「……」
さやかの耳に、鼻をすする音が聞こえた
さやか「あたし…」
上条「そんな思いをしてまで、どうして…!」
さやか「決まってんじゃん…恭介に立ち直ってほしかったからだよ…!
幸せになってほしかったからだよ…! たったそれだけのことじゃん…!」
上条「それがさやかの望みなんだね…?」
さやか「…うん…」
恭介が後ろからさやかを抱き締めた
さやか「…!」
上条「だったら、こうしていたい…」
さやか「なんで…」
上条「……」
恭介に触らせられないよ…こんな体…!」
上条「……」
さやかの耳に、鼻をすする音が聞こえた
さやか「あたし…」
上条「そんな思いをしてまで、どうして…!」
さやか「決まってんじゃん…恭介に立ち直ってほしかったからだよ…!
幸せになってほしかったからだよ…! たったそれだけのことじゃん…!」
上条「それがさやかの望みなんだね…?」
さやか「…うん…」
恭介が後ろからさやかを抱き締めた
さやか「…!」
上条「だったら、こうしていたい…」
さやか「なんで…」
上条「……」
さやか「…放してよ」
上条「放さない」
さやか「…放してってば」
腕を振り解くさやか
上条「…」
恭介に向き直る
さやか「…こうでしょ」
向かい合ったまま、遠慮気味に抱き付いた
上条「! ……」
恭介がさやかの頭を抱き寄せる
上条「…ありがとう」
さやか(…どうしよう…嬉しすぎ…)
涙が流れた
上条「泣いてるの?」
首を振るさやか
上条「放さない」
さやか「…放してってば」
腕を振り解くさやか
上条「…」
恭介に向き直る
さやか「…こうでしょ」
向かい合ったまま、遠慮気味に抱き付いた
上条「! ……」
恭介がさやかの頭を抱き寄せる
上条「…ありがとう」
さやか(…どうしよう…嬉しすぎ…)
涙が流れた
上条「泣いてるの?」
首を振るさやか
上条「さやかは天邪鬼だな…」
さやか「うるさいな…」
上条「……」
さやか「…何、考えてる?」
上条「さやかの息が聞こえる」
さやか「…」
上条「心臓も動いてる」
さやか「…」
上条「これでも『死んでる』って言い張るの…?」
さやか「…あたしは…『ゾンビ』なんだよ…」
上条「さやかはさやかだよ。少なくとも、僕にとっては」
さやか「…うん」
上条「僕のさやかでいて」
さやか「…もう」
さやか「うるさいな…」
上条「……」
さやか「…何、考えてる?」
上条「さやかの息が聞こえる」
さやか「…」
上条「心臓も動いてる」
さやか「…」
上条「これでも『死んでる』って言い張るの…?」
さやか「…あたしは…『ゾンビ』なんだよ…」
上条「さやかはさやかだよ。少なくとも、僕にとっては」
さやか「…うん」
上条「僕のさやかでいて」
さやか「…もう」
―――――――――――
――廃屋の倉庫
ガンッ ガンッ ビキ
QB「はぁ、はぁ…!」
ドカ バリ
キュゥべえが壁に立てかけられたガラスに頭を打ち付けている
ガシャン
QB「うっ…く…」
額が何箇所か切れている
QB「はぁ、はぁ…」
QB(目を醒ませ。事態がどこへ向かっているかわかるだろう?)
ガン ガン ガン
――廃屋の倉庫
ガンッ ガンッ ビキ
QB「はぁ、はぁ…!」
ドカ バリ
キュゥべえが壁に立てかけられたガラスに頭を打ち付けている
ガシャン
QB「うっ…く…」
額が何箇所か切れている
QB「はぁ、はぁ…」
QB(目を醒ませ。事態がどこへ向かっているかわかるだろう?)
ガン ガン ガン
>>409
お前はさやかが嫌いなのか仁美好きなのか
お前はさやかが嫌いなのか仁美好きなのか
>>411
不覚にもwwwwww
不覚にもwwwwww
QB(腐り始めた手足を自分で切り落とすことぐらい人間でさえやっている…!
とっくに手遅れの魔法少女に一体何を入れ込んでいるんだ!)
ドン カシャン
QB(もうすぐ決着をつける時が来る。揺さぶりをかければまどかなら折れてくれるだろう
扇情でも脅迫でも何でもいい。『魔法少女になる』とさえ言わせればいいんだ
大丈夫、僕ならできる…! さやかもろとも首をはねてやろうじゃないか…!
人間との違いを見せ付けろ!)
ガシャーン
QB「はぁ、はぁ、はぁ…」
QB(やるんだ…いや、やれ! インキュベーター!!)
とっくに手遅れの魔法少女に一体何を入れ込んでいるんだ!)
ドン カシャン
QB(もうすぐ決着をつける時が来る。揺さぶりをかければまどかなら折れてくれるだろう
扇情でも脅迫でも何でもいい。『魔法少女になる』とさえ言わせればいいんだ
大丈夫、僕ならできる…! さやかもろとも首をはねてやろうじゃないか…!
人間との違いを見せ付けろ!)
ガシャーン
QB「はぁ、はぁ、はぁ…」
QB(やるんだ…いや、やれ! インキュベーター!!)
―――――――――
――夜。さやかの部屋
さやかがベッドの上で足を下ろしたまま寝転んでいる
さやか「……」
QB「ただいま」
さやか「おかえり」
ぼんやりと天井を見つめたまま
QB「…顔が赤いよ…?」
さやかは両手で顔を覆った
QB「…そばに行ってもいい?」
さやか「おいで」
片手を伸ばすさやか
キュゥべえがさやかの胸の上に乗って丸くなる
さやかは軽く手を添えた
QB「顔つきが変わったね」
さやか「そうかな…」
QB「…誤解、解けたみたいだね」
――夜。さやかの部屋
さやかがベッドの上で足を下ろしたまま寝転んでいる
さやか「……」
QB「ただいま」
さやか「おかえり」
ぼんやりと天井を見つめたまま
QB「…顔が赤いよ…?」
さやかは両手で顔を覆った
QB「…そばに行ってもいい?」
さやか「おいで」
片手を伸ばすさやか
キュゥべえがさやかの胸の上に乗って丸くなる
さやかは軽く手を添えた
QB「顔つきが変わったね」
さやか「そうかな…」
QB「…誤解、解けたみたいだね」
キュゥべえを抱いたまま体を横に向けて膝を引き付ける
さやか「…あー。…やばいわ」
QB「心臓の音、すごいよ」
さやか「…だよね」
QB「うん…」
さやか「あたし…ちょっと、大人になっちゃった…」
QB「?」
さやかが唇を濡らす
さやか「…あー恥ずかし」
QB「はは」
さやか「キス…されちゃった…」
QB「…そう」
さやか「…あーやだやだ! 何だろこれ…」
キュゥべぇを手放して再び顔を隠す
QB「……」
さやかから目を逸らしたまま尻尾でくるくると8の字を描いた
さやか「…あー。…やばいわ」
QB「心臓の音、すごいよ」
さやか「…だよね」
QB「うん…」
さやか「あたし…ちょっと、大人になっちゃった…」
QB「?」
さやかが唇を濡らす
さやか「…あー恥ずかし」
QB「はは」
さやか「キス…されちゃった…」
QB「…そう」
さやか「…あーやだやだ! 何だろこれ…」
キュゥべぇを手放して再び顔を隠す
QB「……」
さやかから目を逸らしたまま尻尾でくるくると8の字を描いた
QB(『希望から絶望へ』…こんなにも残酷で悲しいものなのか…)
閉じた目から涙が溢れる
QB(なるほど…だから感情エネルギーは強いんだ)
顔を濡らしたままさやかに近寄った
さやかは虚ろな目で脱力し切っている
QB(さやか…)
さやかの頬にキス
さやか「え?」
QB「…」
QB(さよならだ)
さやか「ちょ、何…?」
QB「悪い知らせがある…」
さやか「あ、っていうか、あんた怪我してんじゃん。どうしたの?」
QB「どうでもいいよ」
さやか「…」
閉じた目から涙が溢れる
QB(なるほど…だから感情エネルギーは強いんだ)
顔を濡らしたままさやかに近寄った
さやかは虚ろな目で脱力し切っている
QB(さやか…)
さやかの頬にキス
さやか「え?」
QB「…」
QB(さよならだ)
さやか「ちょ、何…?」
QB「悪い知らせがある…」
さやか「あ、っていうか、あんた怪我してんじゃん。どうしたの?」
QB「どうでもいいよ」
さやか「…」
QB「君に最後の決断が迫っている…」
さやか「何よ、それ…」
QB「明後日、この町にワルプルギスの夜が来る…」
さやか「…?」
QB「魔法少女の間に伝わる、伝承の巨大魔女だ…
それは結界に身を潜める必要がないほど強大な力を持っていて、
具現しただけで天変地異が起こる、規格外の存在だ…」
さやか「……」
QB「魔法少女である君は、2つの選択肢から、1つを選ばなきゃならない
――『逃げる』か、『戦う』か」
さやか「…」
QB「失礼を承知で忠告させてもらうなら、君では到底歯が立たない相手だ…
まともに戦えば、恐らく再起不能…完全に『死ぬ』ことになるだろうね」
さやか「…!」
QB「さやかを失いたくない人がいる…。君自身は気に入ってなくても、大切な体だ…
ワルプルギスの夜には、杏子とほむらが対抗する…
勝てる保証はないけれど、『魔法少女だから』という理由で君が無理をする必要はない…」
さやか「何よ、それ…」
QB「明後日、この町にワルプルギスの夜が来る…」
さやか「…?」
QB「魔法少女の間に伝わる、伝承の巨大魔女だ…
それは結界に身を潜める必要がないほど強大な力を持っていて、
具現しただけで天変地異が起こる、規格外の存在だ…」
さやか「……」
QB「魔法少女である君は、2つの選択肢から、1つを選ばなきゃならない
――『逃げる』か、『戦う』か」
さやか「…」
QB「失礼を承知で忠告させてもらうなら、君では到底歯が立たない相手だ…
まともに戦えば、恐らく再起不能…完全に『死ぬ』ことになるだろうね」
さやか「…!」
QB「さやかを失いたくない人がいる…。君自身は気に入ってなくても、大切な体だ…
ワルプルギスの夜には、杏子とほむらが対抗する…
勝てる保証はないけれど、『魔法少女だから』という理由で君が無理をする必要はない…」
さやか「…つまりさ…『逃げろ』って言いたいんでしょ…?」
QB「…確認したいだけだ」
さやかはしばらく手の中でソウルジェムを転がしながら考えた
さやか「…うん。やっぱり…逃げても、いいかな…」
QB「…!?」
さやか「あたしさ…恭介の手が治ってくれれば、他に見返りなんか要らないと思ってた…
魔女と戦うのだって、マミさんはずっと独りでやってたんだし、
あたしも『誰にもわかってもらえなくたっていい』、
『どんなに傷ついても1人で陰からみんなを守るんだ』って、そんな風に考えてた…」
QB「ああ…」
さやか「…なんだけど、今日…初めてはっきりと『生きたい』って思ったの…
あいつと離れ離れになるのが、嫌で嫌で仕方ない
それこそ『一生くっついていたい』って思った」
ソウルジェムを握り締めた
さやか「…だから…あたしが戦っても勝てっこないような魔女が現れるなら…
あたし…逃げるしかないよね…? あの転校生にヒーロー面されるのは悔しいけど…
あたしなんかが加わったら、きっと足手まといだし…」
QB(いつもいつも…君は…)
QB「…確認したいだけだ」
さやかはしばらく手の中でソウルジェムを転がしながら考えた
さやか「…うん。やっぱり…逃げても、いいかな…」
QB「…!?」
さやか「あたしさ…恭介の手が治ってくれれば、他に見返りなんか要らないと思ってた…
魔女と戦うのだって、マミさんはずっと独りでやってたんだし、
あたしも『誰にもわかってもらえなくたっていい』、
『どんなに傷ついても1人で陰からみんなを守るんだ』って、そんな風に考えてた…」
QB「ああ…」
さやか「…なんだけど、今日…初めてはっきりと『生きたい』って思ったの…
あいつと離れ離れになるのが、嫌で嫌で仕方ない
それこそ『一生くっついていたい』って思った」
ソウルジェムを握り締めた
さやか「…だから…あたしが戦っても勝てっこないような魔女が現れるなら…
あたし…逃げるしかないよね…? あの転校生にヒーロー面されるのは悔しいけど…
あたしなんかが加わったら、きっと足手まといだし…」
QB(いつもいつも…君は…)
QB「ねぇ、さやか。君は今、幸せかい?」
さやか「うん…めちゃくちゃ幸せだよ。なんか罰当たるんじゃないのってくらい」
さやかが体を起こして笑いかけた
QB「…!」
QB(…苦しい…!)
QB「さや、か…」
さやか「ん?」
QB(さやかが笑ってる…。ここ最近落ち込んでばかりいたさやかが…)
QB「……僕から、大事なお願いがある」
さやか「な、何?」
QB(降参だ…僕は君を殺せない…。こんな切ない笑顔を見た後で、
君が惨たらしく切り刻まれる姿に耐えられる訳がない…!!)
QB「今から言うことを必ず守ってくれ…」
さやかは体をキュゥべえに向けて背筋を伸ばした
さやか「はい」
さやか「うん…めちゃくちゃ幸せだよ。なんか罰当たるんじゃないのってくらい」
さやかが体を起こして笑いかけた
QB「…!」
QB(…苦しい…!)
QB「さや、か…」
さやか「ん?」
QB(さやかが笑ってる…。ここ最近落ち込んでばかりいたさやかが…)
QB「……僕から、大事なお願いがある」
さやか「な、何?」
QB(降参だ…僕は君を殺せない…。こんな切ない笑顔を見た後で、
君が惨たらしく切り刻まれる姿に耐えられる訳がない…!!)
QB「今から言うことを必ず守ってくれ…」
さやかは体をキュゥべえに向けて背筋を伸ばした
さやか「はい」
QB「いいかい? 絶対に守るんだ。理由も聞かないで、黙って従ってくれ」
さやか「な…何なのよ」
QB「明後日、町の住民は大規模な避難を強いられると思う…
君は、明日のうちに恭介を連れてもっと遠くへ逃げるんだ」
さやか「ええ…?」
QB「誰にも言わないで、こっそり町を抜け出して、
戦いが始まってから駆けつけることができないくらい遠い所で待っててくれ」
さやか「ちょっと、それまさか…あたし達だけが助かるようにってこと…?
ただ『避難』するだけじゃ間に合わなくて…みんな死んじゃうってこと…!?」
QB「…先にはっきりさせておくと、それは全くの見当違いだ」
さやか「え…じゃあ、なんでなの…?」
キュゥべえは窓辺に立って月を見上げた
QB「…『理由は聞くな』って言ってるんだ」
さやか「…」
QB(目くらまし…ちゃんと別れを言えないのが心残りだ…)
さやか「な…何なのよ」
QB「明後日、町の住民は大規模な避難を強いられると思う…
君は、明日のうちに恭介を連れてもっと遠くへ逃げるんだ」
さやか「ええ…?」
QB「誰にも言わないで、こっそり町を抜け出して、
戦いが始まってから駆けつけることができないくらい遠い所で待っててくれ」
さやか「ちょっと、それまさか…あたし達だけが助かるようにってこと…?
ただ『避難』するだけじゃ間に合わなくて…みんな死んじゃうってこと…!?」
QB「…先にはっきりさせておくと、それは全くの見当違いだ」
さやか「え…じゃあ、なんでなの…?」
キュゥべえは窓辺に立って月を見上げた
QB「…『理由は聞くな』って言ってるんだ」
さやか「…」
QB(目くらまし…ちゃんと別れを言えないのが心残りだ…)
QB「…僕を信じて。さやか」
さやか「……わかった。あんたが間違ってたこと、1回もないから…」
QB(君のいなくなったこの町の中で、まどかには『さやかは戦っている』と伝える…
ほんの1分で終わらせてやる…。大災害という異常な状況に放り込まれれば、
後先なんて考えられるはずがない…。殊に、あの素直なまどかなら…)
QB「…ありがとう」
QB(僕は君もまどかも裏切って、全てを終わりにする…
まどかとの契約が済めば、あとは目を閉じて耳を塞いでいればいい…
時が来たら、何も考えず、エネルギーを手に入れて、この星を去る…単純な作業だ…
君はまどかが地球を壊すまで、幸せな夢を見ていてくれ…)
QB「さやか」
さやか「…?」
QB「…幸せにね」
さやか「…! まったく…」
さやか「……わかった。あんたが間違ってたこと、1回もないから…」
QB(君のいなくなったこの町の中で、まどかには『さやかは戦っている』と伝える…
ほんの1分で終わらせてやる…。大災害という異常な状況に放り込まれれば、
後先なんて考えられるはずがない…。殊に、あの素直なまどかなら…)
QB「…ありがとう」
QB(僕は君もまどかも裏切って、全てを終わりにする…
まどかとの契約が済めば、あとは目を閉じて耳を塞いでいればいい…
時が来たら、何も考えず、エネルギーを手に入れて、この星を去る…単純な作業だ…
君はまどかが地球を壊すまで、幸せな夢を見ていてくれ…)
QB「さやか」
さやか「…?」
QB「…幸せにね」
さやか「…! まったく…」
――――――――――
――ワルプルギスの夜出現まで、あと1日。天気は土砂降り
さやかが神妙な面持ちで制服に着替えている
QB「学校へ行くのかい? さやか」
さやか「…昨日の話、間違いないの…?」
QB「ああ。残念ながら」
さやか「町中が避難するほどの事件が起きるなら、当分学校には行けなくなるよね…」
QB「…そうだね」
さやか「だったら、今日ぐらいはしっかり決めてかないとね」
QB「…怖いかい?」
さやか「…。ねぇキュゥべえ…。みんなは、助かるの…? 友達や先生達は…大丈夫なの?」
QB「ワルプルギスの夜によって引き起こされる災害は、一般人にも関知できるものだ
普通に避難すれば問題ないはずさ。あとは杏子達を信じるしかない」
さやか「…そっか」
QB「心配しないで。あの2人なら必ずやってくれる。君は僕の言った通りにすればいい」
さやか「…うん」
――ワルプルギスの夜出現まで、あと1日。天気は土砂降り
さやかが神妙な面持ちで制服に着替えている
QB「学校へ行くのかい? さやか」
さやか「…昨日の話、間違いないの…?」
QB「ああ。残念ながら」
さやか「町中が避難するほどの事件が起きるなら、当分学校には行けなくなるよね…」
QB「…そうだね」
さやか「だったら、今日ぐらいはしっかり決めてかないとね」
QB「…怖いかい?」
さやか「…。ねぇキュゥべえ…。みんなは、助かるの…? 友達や先生達は…大丈夫なの?」
QB「ワルプルギスの夜によって引き起こされる災害は、一般人にも関知できるものだ
普通に避難すれば問題ないはずさ。あとは杏子達を信じるしかない」
さやか「…そっか」
QB「心配しないで。あの2人なら必ずやってくれる。君は僕の言った通りにすればいい」
さやか「…うん」
――通学路
ザー
土砂降り雨の中、仁美が傘を肩にかけて歩いている
さやか「おっはよーう!」
仁美「あら、さやかさん。それにキュゥべえさんも」
QB「おはよう、仁美」
仁美「おはようございます」
さやか「あの、仁美…?」
仁美「何ですか? さやかさん」
さやか「えっと…その…。昨日は、なんか…」
仁美「…恭介君のこと…?」
さやか「あ、う、うん…」
仁美「……」
さやか「…ありがとうね」
ザー
土砂降り雨の中、仁美が傘を肩にかけて歩いている
さやか「おっはよーう!」
仁美「あら、さやかさん。それにキュゥべえさんも」
QB「おはよう、仁美」
仁美「おはようございます」
さやか「あの、仁美…?」
仁美「何ですか? さやかさん」
さやか「えっと…その…。昨日は、なんか…」
仁美「…恭介君のこと…?」
さやか「あ、う、うん…」
仁美「……」
さやか「…ありがとうね」
仁美「…」
さやか「……」
仁美「いいんですの。気にしないで」
少し寂しそうに笑う仁美
さやか「うぅ…」
QB「志筑仁美…。あの時はごめんね」
仁美「…」
QB「僕は、どうかしていた…」
仁美「…あの言葉、本気でしたの?」
QB「……本気だったよ。今は反省してる」
仁美「……」
さやか「何? 『あの言葉』って」
仁美「ううん。過ぎたことですわ。それより、まどかさん遅いですわね」
さやか「……」
仁美「いいんですの。気にしないで」
少し寂しそうに笑う仁美
さやか「うぅ…」
QB「志筑仁美…。あの時はごめんね」
仁美「…」
QB「僕は、どうかしていた…」
仁美「…あの言葉、本気でしたの?」
QB「……本気だったよ。今は反省してる」
仁美「……」
さやか「何? 『あの言葉』って」
仁美「ううん。過ぎたことですわ。それより、まどかさん遅いですわね」
バシャバシャ
まどか「おーい!」
まどかが半分濡れながら駆けて来る
まどか「はぁ、はぁ…おはよう!」
仁美「おはようございます」
さやか「おっす、まどか! もう、遅いぞ」
まどか「ごめーん」
まどか(さやかちゃん…もう平気なの…?)
さやか(うん! ごめんね、心配かけちゃって)
まどか(あれからすぐ上条君がさやかちゃん探しに来たの)
顔を赤くして下を向くさやか
まどかは口を閉じたまま笑った
まどか「おーい!」
まどかが半分濡れながら駆けて来る
まどか「はぁ、はぁ…おはよう!」
仁美「おはようございます」
さやか「おっす、まどか! もう、遅いぞ」
まどか「ごめーん」
まどか(さやかちゃん…もう平気なの…?)
さやか(うん! ごめんね、心配かけちゃって)
まどか(あれからすぐ上条君がさやかちゃん探しに来たの)
顔を赤くして下を向くさやか
まどかは口を閉じたまま笑った
―――――――――
――教会堂
杏子が両手を組んでひざまずいている
息だけの声で早口に祈った
杏子「1つ目の祈りは告白の祈りです
私は罪深い娘です。あなたに背きました。あなたを惑わしました
何度もあなたを盗みました。あなたを殺しました
あなたを見捨てました。あなたを傷つけました
私は魔女を殺す者としてあなたの魂を売りました
私は魔法の力によってあなたの業を否定しました
私は自分の意思によって罪に堕ちた娘です」
杏子は短く息をついた
――教会堂
杏子が両手を組んでひざまずいている
息だけの声で早口に祈った
杏子「1つ目の祈りは告白の祈りです
私は罪深い娘です。あなたに背きました。あなたを惑わしました
何度もあなたを盗みました。あなたを殺しました
あなたを見捨てました。あなたを傷つけました
私は魔女を殺す者としてあなたの魂を売りました
私は魔法の力によってあなたの業を否定しました
私は自分の意思によって罪に堕ちた娘です」
杏子は短く息をついた
杏子「2つ目の祈りは懺悔の祈りです
あなたの慈悲によって私をお赦しください
私の盗みをお赦しください。殺しの罪をお赦しください
魔法の力にまつわる沢山の過ちをお見逃しください
願わくば私への罰が明日より後に下されますように」
目を閉じたまま額の汗を拭った
杏子「3つ目の祈りは問いの祈りです
あなたはなぜ敬虔な父をお救いくださらなかったのですか
なぜ私を罪への堕落から遠ざけなかったのですか
なぜ魔女と戦わせるのですか
願わくば私の苦しみが一生のうちに犯す全ての罪への罰であり、
全ての葛藤があなたに近づく為の試練でありますように」
両手をついて目を開いた
杏子「はぁ…はぁ…」
あなたの慈悲によって私をお赦しください
私の盗みをお赦しください。殺しの罪をお赦しください
魔法の力にまつわる沢山の過ちをお見逃しください
願わくば私への罰が明日より後に下されますように」
目を閉じたまま額の汗を拭った
杏子「3つ目の祈りは問いの祈りです
あなたはなぜ敬虔な父をお救いくださらなかったのですか
なぜ私を罪への堕落から遠ざけなかったのですか
なぜ魔女と戦わせるのですか
願わくば私の苦しみが一生のうちに犯す全ての罪への罰であり、
全ての葛藤があなたに近づく為の試練でありますように」
両手をついて目を開いた
杏子「はぁ…はぁ…」
ポタ ポタ
歯を食いしばって祈りの姿勢に戻る
杏子「最後の祈りは力の祈りです
私にあなたが下す罰に耐え抜く力をお与えください
あなたが課す試練を乗り越える力をお貸しください
明日の戦いを生き延びる力をください
魔女に打ち勝つ力を……」
ゴン
頭を落とした
杏子「はぁ、はぁ……願わくばワルプルギスの夜を無事に倒せますように」
杏子(…いよいよだ…。なるべくなら現れると同時に短期決戦で締めたい…
傷ついてからじゃ魔力を攻撃に回せなくなる。ほむらの実力もわからねーし…
何が起きてもおかしくない。今回ばっかは本気で覚悟しなきゃかもな…)
歯を食いしばって祈りの姿勢に戻る
杏子「最後の祈りは力の祈りです
私にあなたが下す罰に耐え抜く力をお与えください
あなたが課す試練を乗り越える力をお貸しください
明日の戦いを生き延びる力をください
魔女に打ち勝つ力を……」
ゴン
頭を落とした
杏子「はぁ、はぁ……願わくばワルプルギスの夜を無事に倒せますように」
杏子(…いよいよだ…。なるべくなら現れると同時に短期決戦で締めたい…
傷ついてからじゃ魔力を攻撃に回せなくなる。ほむらの実力もわからねーし…
何が起きてもおかしくない。今回ばっかは本気で覚悟しなきゃかもな…)
―――――――――
――学校
さやかが教室の入り口から恭介の姿を覗いている
さやか(キュゥべえはあたしに何をさせたいんだろう…
今朝の仁美のセリフも意味深だったし、なんか…やな予感するな…)
恭介がさやかに気付いて手を振った
上条「さやか」
さやか「あっ…」
上条「どうしたの?」
さやか「う、うん…」
さやか(でも、正しいのはいつだってキュゥべえだった…
あいつが色々してくれなかったら、あたしは今頃…)
歩み寄って小声で話すさやか
さやか「あのさ…。ちょっと、今日、時間あるかな」
上条「え? 悪いけど、今日は5時には帰らないと…」
さやか「うーん…じゃあ、夜でもいいんだ。何時頃なら会える?」
――学校
さやかが教室の入り口から恭介の姿を覗いている
さやか(キュゥべえはあたしに何をさせたいんだろう…
今朝の仁美のセリフも意味深だったし、なんか…やな予感するな…)
恭介がさやかに気付いて手を振った
上条「さやか」
さやか「あっ…」
上条「どうしたの?」
さやか「う、うん…」
さやか(でも、正しいのはいつだってキュゥべえだった…
あいつが色々してくれなかったら、あたしは今頃…)
歩み寄って小声で話すさやか
さやか「あのさ…。ちょっと、今日、時間あるかな」
上条「え? 悪いけど、今日は5時には帰らないと…」
さやか「うーん…じゃあ、夜でもいいんだ。何時頃なら会える?」
上条「あんまり遅くなければ大丈夫だと思うけど」
さやか「う…。そう」
さやか(そうだよねぇ…恭介のパパやママが外泊なんて許してくれるとは思えないし…
いっそのこと、ちょっと強引に連れ出して、事情は後から説明しようかな…
…でも、恭介はそれをどう思うの?
やっぱり、『みんなを置いて黙って逃げ出すなんて』って、怒る…?)
上条「何か…大事な用?」
さやか「あ…いや、ううん! ほら、何…夜中にこっそり、してみたいなーって…
えーと…手とか繋いでさ。その…デート…」
上条「……」
さやか「……」
恭介が笑った
上条「さやかは可愛いな」
さやか「え!? ど、どこが…!?」
上条「あはは。いいけど、傘はさやかが持つんだよ。僕はまだ杖が手放せないんだ」
さやか「う…うん! 任せて、傘ぐらいいくらでも持つから!」
さやか「う…。そう」
さやか(そうだよねぇ…恭介のパパやママが外泊なんて許してくれるとは思えないし…
いっそのこと、ちょっと強引に連れ出して、事情は後から説明しようかな…
…でも、恭介はそれをどう思うの?
やっぱり、『みんなを置いて黙って逃げ出すなんて』って、怒る…?)
上条「何か…大事な用?」
さやか「あ…いや、ううん! ほら、何…夜中にこっそり、してみたいなーって…
えーと…手とか繋いでさ。その…デート…」
上条「……」
さやか「……」
恭介が笑った
上条「さやかは可愛いな」
さやか「え!? ど、どこが…!?」
上条「あはは。いいけど、傘はさやかが持つんだよ。僕はまだ杖が手放せないんだ」
さやか「う…うん! 任せて、傘ぐらいいくらでも持つから!」
上条「ありがとう」
笑顔のままさやかを見つめている
さやか「ちょ…うぅ…。何見てんのさ…」
上条「…楽しみだなぁ」
さやか(うわあ…やばいってば。めちゃドキドキしてる…。顔赤いよ絶対…
…って、違うでしょ。何考えてんのよあたしは…浮かれてる場合じゃないのに)
さやか「何時頃行けばいい?」
上条「いや、僕が迎えに行くよ」
さやか「ううん! 恭介はまだ無理しなくていいの!」
上条「ははは、大丈夫だよ。それに、ご褒美があったほうがリハビリも捗るしね」
さやか「ご褒美…」
恭介がしきりに周りを気にしている
さやか「っていうか…さっきから何キョロキョロしてるの?」
上条「ちょっとしゃがんで」
笑顔のままさやかを見つめている
さやか「ちょ…うぅ…。何見てんのさ…」
上条「…楽しみだなぁ」
さやか(うわあ…やばいってば。めちゃドキドキしてる…。顔赤いよ絶対…
…って、違うでしょ。何考えてんのよあたしは…浮かれてる場合じゃないのに)
さやか「何時頃行けばいい?」
上条「いや、僕が迎えに行くよ」
さやか「ううん! 恭介はまだ無理しなくていいの!」
上条「ははは、大丈夫だよ。それに、ご褒美があったほうがリハビリも捗るしね」
さやか「ご褒美…」
恭介がしきりに周りを気にしている
さやか「っていうか…さっきから何キョロキョロしてるの?」
上条「ちょっとしゃがんで」
さやか「え? …こう?」
ゆっくり腰を落として恭介を見上げる
恭介は一瞬、目だけを動かして周りを見た
さやかの唇にキス
さやか「!」
上条「ごめんね、いきなり」
少し恥ずかしそうな恭介
さやかは下を向いた
さやか「学校で何てこと…! あんたって人は…」
上条「続きは今夜ね。親が寝てからとなると、12時過ぎると思うけど…」
さやか「う、うん! あたし、待ってるから。何時まででも」
ゆっくり腰を落として恭介を見上げる
恭介は一瞬、目だけを動かして周りを見た
さやかの唇にキス
さやか「!」
上条「ごめんね、いきなり」
少し恥ずかしそうな恭介
さやかは下を向いた
さやか「学校で何てこと…! あんたって人は…」
上条「続きは今夜ね。親が寝てからとなると、12時過ぎると思うけど…」
さやか「う、うん! あたし、待ってるから。何時まででも」
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