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元スレQB「シャワーでも浴びておいで」さやか「な、何…?」

みんなの評価 : ★★★×6
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さやか「抜け駆けしたくないからって、わざわざそのこと教えてくれたんだ…
それで仁美、丸一日だけ待って、明日の放課後、恭介に告白するって…」
QB「…」
膝に置いた拳を強く握って泣き出すさやか
さやか「恭介の手を治したのはあたしなのに…あたしはずっと恭介に会いに行ってたのに…!
それなのに、黙って見てるしかないんだよ…! 仁美と恭介が付き合うとこ…!」
QB「…!」
QB(何だろう…この感じは…)
QB「さやか、志筑仁美は君にチャンスをくれたんだね…?」
なぜか声が震えた
さやか「…うん。だけど、あたし…!」
QB「…」
さやかは出かかった言葉を飲み込んだ
QB「…君は、生きてるよ」
さやか「…」
それで仁美、丸一日だけ待って、明日の放課後、恭介に告白するって…」
QB「…」
膝に置いた拳を強く握って泣き出すさやか
さやか「恭介の手を治したのはあたしなのに…あたしはずっと恭介に会いに行ってたのに…!
それなのに、黙って見てるしかないんだよ…! 仁美と恭介が付き合うとこ…!」
QB「…!」
QB(何だろう…この感じは…)
QB「さやか、志筑仁美は君にチャンスをくれたんだね…?」
なぜか声が震えた
さやか「…うん。だけど、あたし…!」
QB「…」
さやかは出かかった言葉を飲み込んだ
QB「…君は、生きてるよ」
さやか「…」
QB「ゾンビじゃないよ…」
さやか「…だって…」
ソウルジェムを手のひらに乗せた
さやか「これがあたしの姿なんでしょ…?」
QB「…」
キュゥべえはベッドから降りて鏡の前に立った
QB「君は喜びも悲しみも感じてる」
さやか「…」
QB「人間は感情の生き物。感じることが全てだ…」
さやか「…?」
QB「…知り合いがそう言ってた…」
さやか「…うん」
QB「僕は感情をもらってから、いつも苦しくて、苦しくて、それでも我慢して、
泣いて、泣いて…死にたい時もあった…。だから、感情は病気だと思ってた…」
さやか「……」
QB「だけど、よかったんじゃないかなって、時々思う…」
さやか「…だって…」
ソウルジェムを手のひらに乗せた
さやか「これがあたしの姿なんでしょ…?」
QB「…」
キュゥべえはベッドから降りて鏡の前に立った
QB「君は喜びも悲しみも感じてる」
さやか「…」
QB「人間は感情の生き物。感じることが全てだ…」
さやか「…?」
QB「…知り合いがそう言ってた…」
さやか「…うん」
QB「僕は感情をもらってから、いつも苦しくて、苦しくて、それでも我慢して、
泣いて、泣いて…死にたい時もあった…。だから、感情は病気だと思ってた…」
さやか「……」
QB「だけど、よかったんじゃないかなって、時々思う…」
さやか「…?」
QB「マミやさやかのこと、こんなに好きになれたから…」
さやか「…!」
QB「辛いことばかりだけど、気がついたら『幸せだな』って感じてる時があるんだ…」
さやか「…そっか」
QB「君は恭介のことが好きだろう?」
さやか「…」
QB「さやかは人間だ。これ以上自分をいじめないで…」
さやか「…そんなこと言ったって」
QB「…君の想いを封殺させたりしない…。それは、僕が許さない…」
さやか「え…?」
QB(汚い手だって構わない…!)
QB「…シャワーでも浴びておいで」
さやか「な、何…?」
QB「マミやさやかのこと、こんなに好きになれたから…」
さやか「…!」
QB「辛いことばかりだけど、気がついたら『幸せだな』って感じてる時があるんだ…」
さやか「…そっか」
QB「君は恭介のことが好きだろう?」
さやか「…」
QB「さやかは人間だ。これ以上自分をいじめないで…」
さやか「…そんなこと言ったって」
QB「…君の想いを封殺させたりしない…。それは、僕が許さない…」
さやか「え…?」
QB(汚い手だって構わない…!)
QB「…シャワーでも浴びておいで」
さやか「な、何…?」
QB「話すことは話した。あとは君が笑顔で戻って来るのを待つだけだ」
さやか「な…」
QB「止まない雨は降らない。特に嵐の翌日は天気がいいものだ」
さやか「う、うん…」
QB「僕はそれに期待してる。それだけだ」
さやか「…ありがとう」
QB「はは」
さやか「なんか…気味悪いな、急に。はいはい、じゃ行って来るね」
QB「行ってらっしゃい」
さやかを見送るキュゥべえ
QB「……」
QB(寄り道か…? 時間はないのに。感情というのはワガママだ…
…逆だ。急がば回れ。これでいい。さあ行こう…。いいのか? そんなこと…
いいも悪いもない。さやかの為だ…
違う。さやかを利用する為だ…まどかと契約する為だ…!)
キュゥべえは密かに家を抜け出した
さやか「な…」
QB「止まない雨は降らない。特に嵐の翌日は天気がいいものだ」
さやか「う、うん…」
QB「僕はそれに期待してる。それだけだ」
さやか「…ありがとう」
QB「はは」
さやか「なんか…気味悪いな、急に。はいはい、じゃ行って来るね」
QB「行ってらっしゃい」
さやかを見送るキュゥべえ
QB「……」
QB(寄り道か…? 時間はないのに。感情というのはワガママだ…
…逆だ。急がば回れ。これでいい。さあ行こう…。いいのか? そんなこと…
いいも悪いもない。さやかの為だ…
違う。さやかを利用する為だ…まどかと契約する為だ…!)
キュゥべえは密かに家を抜け出した
―――――――――
(ほむら『どこまで虫のいいことを言うつもり?』)
QB(人間にわかるのかい? 遊びじゃないんだ。戦争と同じだ
僕は聖人でも独裁者でもない。狡猾な蛇で愚かな悪魔
希望という麻薬の売人であり、宇宙という機械の歯車。やるべきことをやるんだ…)
―――――――――
――仁美の部屋
寝ぼけ眼の仁美にキュゥべえが向かい合う
(杏子『だからって強硬手段かよ? それでさやかが満足すると思うか?』)
QB(仕方ないじゃないか。こうでもしないと次の戦いへ進めないんだ
僕はさやかをワルプルギスの夜と会わせる…まどかを追い詰めて契約させる為に
まどかはやがて人類全てを地球ごと破壊し尽くすだろう…それでいい
少女達が魔女になって行く姿を、僕はもう見たくない)
仁美「あなたは…?」
QB「僕は……死神だよ」
仁美「死神…?」
(ほむら『どこまで虫のいいことを言うつもり?』)
QB(人間にわかるのかい? 遊びじゃないんだ。戦争と同じだ
僕は聖人でも独裁者でもない。狡猾な蛇で愚かな悪魔
希望という麻薬の売人であり、宇宙という機械の歯車。やるべきことをやるんだ…)
―――――――――
――仁美の部屋
寝ぼけ眼の仁美にキュゥべえが向かい合う
(杏子『だからって強硬手段かよ? それでさやかが満足すると思うか?』)
QB(仕方ないじゃないか。こうでもしないと次の戦いへ進めないんだ
僕はさやかをワルプルギスの夜と会わせる…まどかを追い詰めて契約させる為に
まどかはやがて人類全てを地球ごと破壊し尽くすだろう…それでいい
少女達が魔女になって行く姿を、僕はもう見たくない)
仁美「あなたは…?」
QB「僕は……死神だよ」
仁美「死神…?」
QB「…志筑仁美。君に伝えたいことがあって来た」
キュゥべえは耳の羽で仁美の額に触れた
仁美「!」
QB「今から見せるのは、ある魔法少女が下した決断と、その結果だ」
仁美の頭に映像を送り込むキュゥべえ
仁美「さやか…さん…?」
QB「そう…君の友達だ。彼女は自分の魂と引き換えに、僕と契約して上条恭介の手を癒した
『契約』した者は、願い事が1つ叶う代わりに、魔法少女となる…
さやかは今、君達の為に血を流して戦っている」
ハコの魔女に操られる仁美達が見えた
仁美「これは…私…! ですの…?」
QB「…ああ。よく見るんだ。君は魔女に取り憑かれ、集団自殺の現場に入った…
あの時さやかが現れなければ、君は今頃この世にいない」
仁美「…!」
映像の中のさやかがまどかと抱き合って泣いている
キュゥべえは耳の羽で仁美の額に触れた
仁美「!」
QB「今から見せるのは、ある魔法少女が下した決断と、その結果だ」
仁美の頭に映像を送り込むキュゥべえ
仁美「さやか…さん…?」
QB「そう…君の友達だ。彼女は自分の魂と引き換えに、僕と契約して上条恭介の手を癒した
『契約』した者は、願い事が1つ叶う代わりに、魔法少女となる…
さやかは今、君達の為に血を流して戦っている」
ハコの魔女に操られる仁美達が見えた
仁美「これは…私…! ですの…?」
QB「…ああ。よく見るんだ。君は魔女に取り憑かれ、集団自殺の現場に入った…
あの時さやかが現れなければ、君は今頃この世にいない」
仁美「…!」
映像の中のさやかがまどかと抱き合って泣いている
QB「さやかは魂を抜かれた体で恭介と会うことを恐れた
泣いているのは、志筑仁美に恭介を取られると思ったからだ」
仁美「うぅ…」
QB「誰の為に払った犠牲なのか。…そして何を得られるのか。…何を失ったのか」
仁美「…もう、やめてください」
QB「君にも最低限の素質はあるだろう。志筑仁美。君はなかなか興味深い
僕と契約すれば、魂は取り出され、あの子のような過酷な運命を背負うことになる」
仁美「お願いですわ、こんなお話、やめてください!」
耳を塞いでうずくまる仁美
QB「…」
仁美「もう聞きたく――」
QB「『お願い』と言ったね。『話をやめろ』…それが君の願い事か」
仁美「!?」
QB「いいだろう。どんな奇跡も君の望むまま。容易い御用だ。君の祈りは遂げられる」
仁美「!!」
泣いているのは、志筑仁美に恭介を取られると思ったからだ」
仁美「うぅ…」
QB「誰の為に払った犠牲なのか。…そして何を得られるのか。…何を失ったのか」
仁美「…もう、やめてください」
QB「君にも最低限の素質はあるだろう。志筑仁美。君はなかなか興味深い
僕と契約すれば、魂は取り出され、あの子のような過酷な運命を背負うことになる」
仁美「お願いですわ、こんなお話、やめてください!」
耳を塞いでうずくまる仁美
QB「…」
仁美「もう聞きたく――」
QB「『お願い』と言ったね。『話をやめろ』…それが君の願い事か」
仁美「!?」
QB「いいだろう。どんな奇跡も君の望むまま。容易い御用だ。君の祈りは遂げられる」
仁美「!!」
わかめには最低限の素質もないはずでは?
いや、野暮な事は言うまい……
いや、野暮な事は言うまい……
――――――――――
――午前3時
さやかの部屋。土砂降り雨の音がする
キュゥべえがよろよろと机に上った
QB「はぁ…はぁ…」
さやかがベッドで横向きに眠っている
QB(さやか…)
コトッ…
口にくわえていたソウルジェムを机の上に転がした
透き通った『緑色』をしている
QB(杏子もさやかには甘いね…。僕もさやかに振り回されてばかりだ…)
鈍痛を抱えた腹を庇いながらベッドに飛び移った
さやかの横顔を見下ろす
QB「はぁ…はぁ…」
QB(後悔しないと誓ったはずだろう…? 体は元に戻らないけど、それが全てじゃない…
自分によく尋ねるといい…結果がどうなろうと後悔しない選択が見つかるはず…
なぜなら、君の運命は君自身のものでしかないからだ…)
――午前3時
さやかの部屋。土砂降り雨の音がする
キュゥべえがよろよろと机に上った
QB「はぁ…はぁ…」
さやかがベッドで横向きに眠っている
QB(さやか…)
コトッ…
口にくわえていたソウルジェムを机の上に転がした
透き通った『緑色』をしている
QB(杏子もさやかには甘いね…。僕もさやかに振り回されてばかりだ…)
鈍痛を抱えた腹を庇いながらベッドに飛び移った
さやかの横顔を見下ろす
QB「はぁ…はぁ…」
QB(後悔しないと誓ったはずだろう…? 体は元に戻らないけど、それが全てじゃない…
自分によく尋ねるといい…結果がどうなろうと後悔しない選択が見つかるはず…
なぜなら、君の運命は君自身のものでしかないからだ…)
キュゥべえは丸くなって、頭をさやかの額にくっつけた
(ほむら『今は自分でも何をやってるのかわからなくなる時がある』)
QB(僕もそうだ…。こうして奔走しているのが、さやかの為なのか、宇宙の為なのか…
どっちかを選べば、片方は犠牲になる…だけど比べたら価値の違いは一目瞭然じゃないか
僕は宇宙を優先するよ…
なのに、感情が邪魔するんだ…。まるで自分が2人いるみたいに)
QB「うぅ…」
QB(明日は辛い1日になるだろう…ここからが腕の見せ所だ…)
QB「おやすみ…さやか」
(ほむら『今は自分でも何をやってるのかわからなくなる時がある』)
QB(僕もそうだ…。こうして奔走しているのが、さやかの為なのか、宇宙の為なのか…
どっちかを選べば、片方は犠牲になる…だけど比べたら価値の違いは一目瞭然じゃないか
僕は宇宙を優先するよ…
なのに、感情が邪魔するんだ…。まるで自分が2人いるみたいに)
QB「うぅ…」
QB(明日は辛い1日になるだろう…ここからが腕の見せ所だ…)
QB「おやすみ…さやか」
――――――――
――朝。ワルプルギスの夜出現まで、あと2日
さやか「ん…」
さやかが目を覚ました
キュゥべえは机の上で、さやかに背を向けたまま呼吸を整える
さやか「…キュゥべえ」
QB「おはよう。さやか」
さやか「ごめん。泣き疲れてたのかな…先に寝ちゃったみたい。…どこ行ってたの?」
QB「人をさらっていた。魔女の代わりに」
さやか「…はぁ…?」
QB「今日は恐らく君にとって大事な日のはずだ。諦めたつもりなら、考え直したほうがいい」
さやか「…何言ってんのよ」
QB「…すまないね。君が恭介から身を引こうとしているのが気に食わなかったんだ」
さやか「……」
――朝。ワルプルギスの夜出現まで、あと2日
さやか「ん…」
さやかが目を覚ました
キュゥべえは机の上で、さやかに背を向けたまま呼吸を整える
さやか「…キュゥべえ」
QB「おはよう。さやか」
さやか「ごめん。泣き疲れてたのかな…先に寝ちゃったみたい。…どこ行ってたの?」
QB「人をさらっていた。魔女の代わりに」
さやか「…はぁ…?」
QB「今日は恐らく君にとって大事な日のはずだ。諦めたつもりなら、考え直したほうがいい」
さやか「…何言ってんのよ」
QB「…すまないね。君が恭介から身を引こうとしているのが気に食わなかったんだ」
さやか「……」
QB「仁美は待ってくれると言っていたんだろう?」
さやか「…うん」
QB「事態を甘く考えるな。急いだほうがいい」
さやか「そ、そんな…また大袈裟な…。いいんだよ、あたしなんか…」
コッ コン コト…
緑色のソウルジェムを尻尾で落とすキュゥべえ
さやか「えっ……?」
QB「君1人が我慢すれば済む問題だと思ったら大間違いだ」
さやか「ちょ、ちょっと…これって…」
QB「あの子は緑色の目をしていた」
さやか「…!」
QB「志筑仁美を人質に取った。無理やり契約させて、誰にも見つからない場所へ誘い込んで、
そこでソウルジェムを盗んだんだ」
さやか「あ…あんたどういう――!」
キュゥべえが目を光らせて振り向く
さやか「…うん」
QB「事態を甘く考えるな。急いだほうがいい」
さやか「そ、そんな…また大袈裟な…。いいんだよ、あたしなんか…」
コッ コン コト…
緑色のソウルジェムを尻尾で落とすキュゥべえ
さやか「えっ……?」
QB「君1人が我慢すれば済む問題だと思ったら大間違いだ」
さやか「ちょ、ちょっと…これって…」
QB「あの子は緑色の目をしていた」
さやか「…!」
QB「志筑仁美を人質に取った。無理やり契約させて、誰にも見つからない場所へ誘い込んで、
そこでソウルジェムを盗んだんだ」
さやか「あ…あんたどういう――!」
キュゥべえが目を光らせて振り向く
QB「あの子の死体はこうしている間にも少しずつ腐食しているだろう
そして仁美の居場所は僕だけが知っている」
さやか「…!!」
立ち上がって机を叩くさやか
さやか「何てことするの!? 一体どういうつもりよ!」
QB「これは、僕からの、君に対する脅迫だ。日常は終わってしまった
恭介に全て打ち明けるんだ。君の気持ちも、契約のことも」
さやか「仁美は全く関係ないでしょ!?」
QB「そう思うなら尚更だ。言う通りにすれば仁美に会わせてあげる。迷っている時間はない
カラスについばまれてボロボロになった仁美にソウルジェムを返したいか?」
さやか「くっ…!」
俯いて膝をつくさやか
さやか「何なの…?」
QB「……」
さやか「なんでこんなことするのよ…!」
そして仁美の居場所は僕だけが知っている」
さやか「…!!」
立ち上がって机を叩くさやか
さやか「何てことするの!? 一体どういうつもりよ!」
QB「これは、僕からの、君に対する脅迫だ。日常は終わってしまった
恭介に全て打ち明けるんだ。君の気持ちも、契約のことも」
さやか「仁美は全く関係ないでしょ!?」
QB「そう思うなら尚更だ。言う通りにすれば仁美に会わせてあげる。迷っている時間はない
カラスについばまれてボロボロになった仁美にソウルジェムを返したいか?」
さやか「くっ…!」
俯いて膝をつくさやか
さやか「何なの…?」
QB「……」
さやか「なんでこんなことするのよ…!」
QB(立ち上がってほしいからだよ…。君は自分のことはすぐに諦めてしまう…
けれど誰かの為なら必死になれるはずだ。さあ、自分の力で走るんだ…!)
さやか「…仁美はどこ?」
QB「恭介に会えばわかる」
さやか「教えて」
QB「…誰の為に?」
さやか「それは…仁美の為だし、あたしの為…!」
QB「…口を割るつもりはない。君自身が放課後までに結果にたどり着けば間に合うだろう
僕は最後まで見守っている」
さやか「こんなこと…いくらあんたでも赦さないから…!」
QB(悪魔は悪魔らしく…)
QB「…それでどうする? 僕を殺せば仁美はこのまま時間をかけて白骨化するだろう」
さやか「…」
QB「簡単なことだ。恭介に告白すれば仁美は助かる。それが僕の提示した条件だ」
けれど誰かの為なら必死になれるはずだ。さあ、自分の力で走るんだ…!)
さやか「…仁美はどこ?」
QB「恭介に会えばわかる」
さやか「教えて」
QB「…誰の為に?」
さやか「それは…仁美の為だし、あたしの為…!」
QB「…口を割るつもりはない。君自身が放課後までに結果にたどり着けば間に合うだろう
僕は最後まで見守っている」
さやか「こんなこと…いくらあんたでも赦さないから…!」
QB(悪魔は悪魔らしく…)
QB「…それでどうする? 僕を殺せば仁美はこのまま時間をかけて白骨化するだろう」
さやか「…」
QB「簡単なことだ。恭介に告白すれば仁美は助かる。それが僕の提示した条件だ」
さやか「…あんたさ…」
QB「…?」
さやか「…もしかして、あたしの為にやってるつもりなの?」
QB「……」
さやか「…だとしたら、あんたは間違ってるよ…。何も悪くない仁美を巻き込むなんて!
こんなことされて嬉しい訳ないじゃん!!」
QB「僕の真意が何なのかも、君にとって最善かどうかも、どうでもいい
問題は『諦める』という選択肢がなくなったことだ」
さやか「…見損なった。こんな奴だったなんて」
QB「…」
QB(これでいいんだ…今は…)
QB「…?」
さやか「…もしかして、あたしの為にやってるつもりなの?」
QB「……」
さやか「…だとしたら、あんたは間違ってるよ…。何も悪くない仁美を巻き込むなんて!
こんなことされて嬉しい訳ないじゃん!!」
QB「僕の真意が何なのかも、君にとって最善かどうかも、どうでもいい
問題は『諦める』という選択肢がなくなったことだ」
さやか「…見損なった。こんな奴だったなんて」
QB「…」
QB(これでいいんだ…今は…)
――――――――――
――学校
仁美の姿がない
まどか「――さやかちゃん…それ、本当なの…?」
さやか「うん…ついさっきのこと。どうしよう、あたしがウジウジしてたせいで、仁美が…」
まどか「さやかちゃんのせいじゃないよ…」
さやか「それにしても、キュゥべえは本当何考えてんだろ…
あたしが仁美のこと助けなきゃよかったなんて言っちゃったから…?」
まどか「さやかちゃん…」
さやか「…やっぱわかんないよ。あのキュゥべえが、あたしの恋愛なんかのことで
そこまでムキになってこんなことするなんて、やっぱ信じらんないよ…」
まどか「……」
さやか「今朝のあいつ、いつもと違った…。普段あんなに優しくて泣き虫で、
どんな時も親身になってくれたのに、なんか、人が変わったみたいに…
それこそ氷みたいに冷たくて、あたしが何言っても何とも思ってないみたいで…
…顔も少し怖かった」
――学校
仁美の姿がない
まどか「――さやかちゃん…それ、本当なの…?」
さやか「うん…ついさっきのこと。どうしよう、あたしがウジウジしてたせいで、仁美が…」
まどか「さやかちゃんのせいじゃないよ…」
さやか「それにしても、キュゥべえは本当何考えてんだろ…
あたしが仁美のこと助けなきゃよかったなんて言っちゃったから…?」
まどか「さやかちゃん…」
さやか「…やっぱわかんないよ。あのキュゥべえが、あたしの恋愛なんかのことで
そこまでムキになってこんなことするなんて、やっぱ信じらんないよ…」
まどか「……」
さやか「今朝のあいつ、いつもと違った…。普段あんなに優しくて泣き虫で、
どんな時も親身になってくれたのに、なんか、人が変わったみたいに…
それこそ氷みたいに冷たくて、あたしが何言っても何とも思ってないみたいで…
…顔も少し怖かった」
まどか「…き、きっとキュゥべえはさやかちゃんに遠慮してほしくなかったんだよ…
上条君のこと、そのまま諦めないでほしかったんだよ…
キュゥべえは、さやかちゃんのことが好きで…」
さやか「…あんたはいいよね…気楽でいられて」
まどか「…!?」
さやか「あんたは魔法少女じゃないから、あたしが戦ってる時は後ろで見てるだけでいいもんね
それで、こんな時も結局傍観者でさ…大変な思いするのは、あたしばっかだ…」
まどか「……」
涙目で下を向くまどか
さやか「大切な友達を人質にされて、助ける為には仁美を出し抜かなきゃいけない…
どっちにしろあたしが悪者になるんじゃん…」
握っていた仁美のソウルジェムを見つめるさやか
まどか「さやか…ちゃん…」
上条君のこと、そのまま諦めないでほしかったんだよ…
キュゥべえは、さやかちゃんのことが好きで…」
さやか「…あんたはいいよね…気楽でいられて」
まどか「…!?」
さやか「あんたは魔法少女じゃないから、あたしが戦ってる時は後ろで見てるだけでいいもんね
それで、こんな時も結局傍観者でさ…大変な思いするのは、あたしばっかだ…」
まどか「……」
涙目で下を向くまどか
さやか「大切な友達を人質にされて、助ける為には仁美を出し抜かなきゃいけない…
どっちにしろあたしが悪者になるんじゃん…」
握っていた仁美のソウルジェムを見つめるさやか
まどか「さやか…ちゃん…」
――昼休み
屋上でさやかがフェンスに指をかけてうなだれている
その後ろに恭介
上条「さやか…。話って、何…? 深刻そうな顔して…」
さやか「……」
上条「…えっ、と…」
さやか「…恭介」
上条「うん…?」
深いため息をつくさやか
さやか「…仁美のこと、どう思う…?」
上条「志筑さんのこと…? 志筑さんが、どうかしたの?」
さやか(何から話そう…)
さやか「…前からあんたのこと、好きだったんだってさ…」
上条「え…?」
屋上でさやかがフェンスに指をかけてうなだれている
その後ろに恭介
上条「さやか…。話って、何…? 深刻そうな顔して…」
さやか「……」
上条「…えっ、と…」
さやか「…恭介」
上条「うん…?」
深いため息をつくさやか
さやか「…仁美のこと、どう思う…?」
上条「志筑さんのこと…? 志筑さんが、どうかしたの?」
さやか(何から話そう…)
さやか「…前からあんたのこと、好きだったんだってさ…」
上条「え…?」
さやか「昨日聞いちゃった…。それで、本当は今日の放課後、あんたに告白するはずだった…」
上条「…」
さやか「…だけど、仁美は学校休んでる…」
上条「…うん」
さやか「…あのさ、恭介」
上条「…何? さやか」
さやか(…なんでこんなことになっちゃったんだろ…)
不意に涙がこぼれた
さやか(…やばい…何泣いてんのよ)
さやか「ちょっと、待ってて」
恭介に背を向けたまま
上条「…」
さやか(止まってよ…。これじゃ何も言えないじゃんか…)
さやか「……」
上条「…」
さやか「…だけど、仁美は学校休んでる…」
上条「…うん」
さやか「…あのさ、恭介」
上条「…何? さやか」
さやか(…なんでこんなことになっちゃったんだろ…)
不意に涙がこぼれた
さやか(…やばい…何泣いてんのよ)
さやか「ちょっと、待ってて」
恭介に背を向けたまま
上条「…」
さやか(止まってよ…。これじゃ何も言えないじゃんか…)
さやか「……」
恭介が松葉杖をついて近づいて来る
フェンスを掴む手に力が入った
さやか「ごめん、待って」
横からさやかの顔を覗く恭介
さやかは顔を背けた
上条「…さやか?」
さやか「待ってってば…」
上条「…」
恭介は空いている手をポケットに突っ込んでフェンスに寄りかかった
目を閉じて少しうつむいている
さやか(あー駄目だ…頭真っ白…。仁美のこととか契約のこととか理路整然と話せそうにない…)
さやか「あたし…」
上条「……」
さやか「実は、その…」
さやか(言うぞ、言うぞ…)
フェンスを掴む手に力が入った
さやか「ごめん、待って」
横からさやかの顔を覗く恭介
さやかは顔を背けた
上条「…さやか?」
さやか「待ってってば…」
上条「…」
恭介は空いている手をポケットに突っ込んでフェンスに寄りかかった
目を閉じて少しうつむいている
さやか(あー駄目だ…頭真っ白…。仁美のこととか契約のこととか理路整然と話せそうにない…)
さやか「あたし…」
上条「……」
さやか「実は、その…」
さやか(言うぞ、言うぞ…)
上条「うん…」
さやか「恭介のこと…」
声が震えた
さやか「好きだよ…」
恭介が目を開けた
上条「……」
さやか(言っちゃった…)
上条「…そっか」
さやか「…?」
上条「それで、あんなによくお見舞いに来てくれてたんだ」
さやか「…うん」
上条「ありがとうね。色々と」
さやか「……」
さやか「恭介のこと…」
声が震えた
さやか「好きだよ…」
恭介が目を開けた
上条「……」
さやか(言っちゃった…)
上条「…そっか」
さやか「…?」
上条「それで、あんなによくお見舞いに来てくれてたんだ」
さやか「…うん」
上条「ありがとうね。色々と」
さやか「……」
上条「…さやかの気持ちは、とっても嬉しい」
さやか「……」
上条「…だけど、それならもっと早く言ってくれるべきじゃないかな…」
さやか「な…なんで…?」
上条「…さやかは志筑さんから僕のことを相談されたんじゃないのか…?
志筑さんの気持ちを知って、焦って抜け駆けするっていうのは、よくないと思うんだ…」
さやか「…!?」
上条「さやかのことは、友達としてこれからも変わらず大事にするよ
でも…そういう裏を知ってしまうと、恋人になろうっていう気にはなれない…ごめんね」
さやか「違う…」
上条「本当にありがとう。好きって言ってくれて」
さやか「違う…!」
上条「本当、ごめん…。でも、さやかに感謝してるのは嘘じゃない…
これからも、よろしくね」
泣き崩れるさやか
さやか「……」
上条「…だけど、それならもっと早く言ってくれるべきじゃないかな…」
さやか「な…なんで…?」
上条「…さやかは志筑さんから僕のことを相談されたんじゃないのか…?
志筑さんの気持ちを知って、焦って抜け駆けするっていうのは、よくないと思うんだ…」
さやか「…!?」
上条「さやかのことは、友達としてこれからも変わらず大事にするよ
でも…そういう裏を知ってしまうと、恋人になろうっていう気にはなれない…ごめんね」
さやか「違う…」
上条「本当にありがとう。好きって言ってくれて」
さやか「違う…!」
上条「本当、ごめん…。でも、さやかに感謝してるのは嘘じゃない…
これからも、よろしくね」
泣き崩れるさやか
上条「…ごめんね…さやか」
さやか「違うって…! 抜け駆けとかじゃないよ…!」
さやかの肩に手をかける恭介
上条「さやか…気持ちはわかるし、こんなことでさやかを嫌いになったりしないから…」
さやか「仕方なかったんだってば…!」
恭介がさやかから目を逸らした
上条(やめよう…言い訳をしたくなるのは仕方ないことだ、さやかは悪くない…
これ以上聞く耳を持つのは返ってかわいそうだ…そっとしておこう)
上条「ごめんね…先に戻るね…」
歩き出す恭介
さやかは歯を食いしばったまま、震える手で床を殴った
それから少しの間だけ泣くと、走って恭介を押しのけた
上条「!」
泣きながら校舎に駆け込んで行くさやか
上条「さやか…」
さやか「違うって…! 抜け駆けとかじゃないよ…!」
さやかの肩に手をかける恭介
上条「さやか…気持ちはわかるし、こんなことでさやかを嫌いになったりしないから…」
さやか「仕方なかったんだってば…!」
恭介がさやかから目を逸らした
上条(やめよう…言い訳をしたくなるのは仕方ないことだ、さやかは悪くない…
これ以上聞く耳を持つのは返ってかわいそうだ…そっとしておこう)
上条「ごめんね…先に戻るね…」
歩き出す恭介
さやかは歯を食いしばったまま、震える手で床を殴った
それから少しの間だけ泣くと、走って恭介を押しのけた
上条「!」
泣きながら校舎に駆け込んで行くさやか
上条「さやか…」
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