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    元スレ勇者「なんかこう、俺を慕ってくれる仲間はいないのかな?」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★
    タグ : - レヴィ ×2+ - エルフ + - ロリババア + - + - 勇者 + - 安価 + - 未完 + - 神スレ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    602 :

    ほすほす

    606 :

    609 :

    ほしゆ

    611 :

    スレ主まだかー

    612 :

    >>611

    613 :

    >>612
    釣りはスルーしなさいよ

    保守

    616 :

    619 = 616 :

    ほほ

    620 :

    623 = 592 :

    624 = 566 :

    627 = 577 :

    ぷしゅっ!

    628 :

    あぁ

    630 :

    632 :

    ストーリーきちんと組まれてて面白いと思うよ。ここまでやったならしっかり書いて欲しいかも。

    633 :

    >>547から気になってたんだんだけど、もしかして魔法使いっておっさんなん……?

    634 :

    そうだよ、君の言うとおりだ
    ゆとりだけに、ぷくく

    635 :

    おっさん口調の妹キャラ、新ジャンルだな

    636 = 564 :

    北東の街・宿屋

    剣士「全員揃ったか」
    勇者「ああ、とりあえず何も問題がなくて良かった」
    剣士「ああ」

    魔法使い「おや?その服はどうしたのじゃ?ん?ん?」
    盗賊「う、うっせぇな!!黙ってろ!!」
    魔法使い「勇者も中々……やるではないか」
    盗賊「か、関係ねぇよボケ!!!!」
    魔法使い「くくく……」

    剣士「街で、気になることがあった」
    勇者「ん?」
    盗賊「あんだ?」
    剣士「この街で一カ月に一度だけ開催されるという、祭のことだ」
    勇者「あー!今思い出した!服屋の店主さんも一カ月に一度とか言ってて、なんか引っ掛かってたんだよな」
    盗賊「……女が人質に出される、あの話のことだろ?」
    剣士「おや、気付いていたのか」
    盗賊「気付くも何も、忘れてすらいなかったぜ。私はずっと……」
    勇者「……ん?」
    盗賊「いや、なんでもねぇ」

    637 = 564 :

    剣士「そのことだが、どうも臭う」
    勇者「どういうことだ?」
    魔法使い「訓練場の労働者がな、言っておったのじゃ。『この祭は神に人質を捧げる掟に従うものだ』と。……引っ掛からないか?」
    盗賊「そいつぁ、おかしな話だな。運搬係は『魔物による支配の影響で、月に一度人質を捧げ、街の平和を保っている』と言っていたはずだぜ?」

    剣士「その通りだ。それに、その訓練場員だが、まるで人質は実際に捧げるものでなく、
       あくまで形式的なものでしかないと、そう信じこんでいるようだった」

    勇者「ど、どういうことだ?人質は必要ないのか?」
    盗賊「ちげぇ、ちげぇよ勇者。上の人間が隠してんだろぉなぁ」
    魔法使い「ああ、違いないだろう」

    剣士「大方、事実を述べてしまったら街の民が混乱を起こしてしまうからだろう。
       訓練場員が言っていたが、人質の場へ向かう姫様には『付人』と言われるこの街以外の人間が付き添うことになっているらしい。
       そしてその訓練場員はよそ者である俺達を『護衛人』と勘違いした。
       つまり、姫様の周りは街の部外者で固めるという徹底ぶりだ。
       このことから、この街の上の人間が事実を隠したがっていることが手に取るようにわかる」

    勇者「な、なるほど……」

    剣士「勘違いしてはいけないことが一つある。先程から出ているように、上の人間は街の混乱を避けている。
       事実を述べると街が崩壊してしまうから、それを危惧しての隠蔽工作だろうな。
       そこから推測されるに、ここの街の上層部はまだまともな組織であると思う。
       もしもこれが極悪非道で性根の腐ったような連中だとしたら、徹底的に街の民を管理し、人っ子一人逃げられないようにするだろうからな。
       つまり、真の悪の元凶は魔物そのもの。そいつさえ消してしまえば、これらの問題は一度に解消される。
       敵を見誤るな、ということだ」

    勇者「わ、わかった……」
    魔法使い「さすが剣士じゃ……賢明じゃな」
    盗賊(……確かに問題は一度に解決される。でもな、おっさんよぉ。テメェはまだ、気付いてねぇことが一つだけあるぜ)

    638 = 564 :

    剣士「ということで、提案があるんだが」
    魔法使い「なんじゃ?」
    剣士「提案というよりも……そうだな、決定事項の報告、と言うべきか」
    勇者「決定事項?」
    盗賊「あんだよ、もったいぶらずにさっさと言いやがれ」

    剣士「まあそう急くな。実は、この宿屋に向かう途中……。
       そうだな、魔法使いと別れて、俺が滞在証明書を提出しに行った時、その窓口の人間に聞いたんだ。
       『姫様の護衛人は決定しているのか?』と。すると、返ってきた答えは……」

    盗賊「『いいえ』って訳か。やるじゃねぇか、おっさん」

    剣士「ああ、その通りだ。そこでだ、俺はすかさず立候補した」
    魔法使い「なんじゃと!?」
    勇者「本当か?」

    盗賊「当然だ。中々おもしれぇぜ、おっさん。問題を解決したけりゃ、自ら進んで参加すりゃいい。
       つまりだ、それには姫様の護衛として、人質の間までついていくのが最良の手段ってこった。
       何も考え無くていい、単純で分かりやすい方法だぜ」

    勇者「な、なるほど……」

    剣士「ということで、3日後、俺達は顔も知らぬ姫様と共に人質の間へ向かい、魔物を殲滅する。いいな?」
    勇者「あ、ああ!」
    魔法使い「よしっ!」
    盗賊「いいねぇ……気合いが入るぜ」

    639 = 564 :


    翌日・街中

    勇者「結局俺一人で買い出しか……。ま、もうこの街は前の街みたいに危険じゃないって分かったからいいけどさ」

    ドンッ!

    勇者「いたっ!」
    「きゃっ!」

    勇者「……あ、そ、その、大丈夫ですか?」
    「あ……だ、大丈夫です、すみません」
    勇者「いえいえ、こちらもボーっとしてましたから……」
    「……」
    勇者「あ、あの……何か、俺の顔についてますか?」
    「……ハッ!い、いえ!……そ、その……あの……」
    勇者「えーっと、なんですか?」
    「た、助けてください!!!!!」
    勇者「えぇ!?ちょ、えぇ!?ちょ……えぇ!?!?」
    「お願いします!!助けてください!!」
    勇者「わ、わかった!わかったから!!とりあえず叫ぶのやめて?ね?俺すっごい変態みたいな目で見られてるから!」
    「あ!……え、えっと……ごめんなさい」
    勇者「と、とりあえず、宿屋でゆっくり話を聞くからさ!」
    「……」
    勇者「ち、違う違う!宿屋は宿屋だけど変な意味はないから!!本当に!!」
    「……し、信じます」
    勇者(……何これ……俺が助けてほしいよ)

    640 = 564 :


    宿屋

    盗賊「で、これがテメェがナンパした女だと」
    勇者「だから違うって!そんなの俺にできる訳ないじゃん!な?」
    「……」
    盗賊「へぇー……」
    勇者「え!?なんで何も言わないの!?ねぇ!一方的な救済だけ求めるつもり!?理不尽だよ君!!」
    盗賊「うっせーんだよ、テメェはちょっと黙ってろ」
    勇者(えぇぇぇー……)

    剣士「何故、勇者に助けを求めた」
    「……わ、私と同じ、匂いがしたからです」
    盗賊「……」ギロッ
    勇者「ひぃぃ!なんで睨むんだよ!いや、なんか確かに卑猥だけど!」
    魔法使い「勇者……そなたがそのような男じゃったとは……」
    盗賊「もうほっとけ、魔法使い。こいつぁ、脳まで性欲で出来てる変態野郎だぜ、きっと」
    勇者(もうどうにでもなーれっ♪)

    642 = 564 :


    「私と同じ、この街の人じゃない匂いがしたからです……」
    剣士「……ということは、お前さんは……」
    「ここから遥か東にある、水源の街を御存じでしょうか?」
    剣士「聞いたことはあるな。人口がとても多い街だとか」
    「その通りです……。私はそこから、この街に無理矢理連れてこられたのです」
    盗賊「あんだと?」ピクッ
    魔法使い「まさか……人さらい、か?」
    盗賊「……」
    「はい……。この街の祭で、姫様になれと命じられました。しかし、私は聞いてしまったのです」
    勇者「聞いた?」
    「はい……見張りの人が、『この娘も気の毒だ。知らぬ街のために命を落とすなんて』と、言っていたのを……」
    魔法使い「なんと……」

    姫様「はい……だから、そんな悲惨なことを聞かされた私は……」

    剣士「命からがら逃げ出してきた、と……。そういうことか?」
    姫様「その通りです……」

    643 = 564 :


    剣士「どうする?」

    勇者「どうするも何も、放っておけないだろ。人さらいなんて方法は、間違ってる。
       この人を解放してあげるべきだと思う」

    魔法使い「そなたにしては、ハッキリとした物の言い方じゃな」
    盗賊「こんのクソボケはやっぱり変態だったか」
    勇者「なんでそうなる!」

    剣士「しかし、助けると言っても……一体どうすれば」
    盗賊「なぁに、簡単さ」
    剣士「ん?な、何か策があるのか?」
    盗賊「なぁ姫様よ、私のこの服装に、見覚えがあるか?」
    姫様「服装…………そ、その服は!」
    魔法使い「ん?盗賊の服が何かあるのか?」

    勇者「そういえば、服屋の店主さんが言ってたな!
       『その服は月に一度開催される祭の踊り子モデル』だ、って」

    魔法使い「なんじゃと!?」

    姫様「はい……間違いありません。私が閉じ込められていた部屋に置いてあった衣装と、とてもよく似ています」
    盗賊「まあ……そんなとこだ」
    剣士「お前さん……それがどういうことか分かってるのか?」
    盗賊「ああ、重々承知してるつもりだぜ、おっさん。……私が、姫様になる」
    姫様「そ、そんな!」

    644 = 564 :


    剣士「しかし……」
    勇者「ダ、ダメだ!それじゃあ、盗賊の身に危険が……」
    盗賊「何言ってんだ、護衛としてテメェらがついてんだろ?」
    勇者「で、でも……万が一のことが」
    盗賊「だったらなんだ、あぁん?そこにいる「本当の」姫様なら、姫様をしたって構わねぇってか?」
    勇者「そんなことは言ってない!もっと他の方法があるだろって話だ……」
    盗賊「他の方法?例えばなんだ、言ってみろよ、勇者」
    勇者「……お、俺が……一人で」
    盗賊「ケッ、つまんねぇこと言ってんじゃねぇよ。それこそ無駄死にだぜ」
    盗賊「大体な、人質は女だって決まってんだよ。テメェ一人で何ができる。街の人間も騙さねぇといけねぇんだぞ?」

    剣士「確かに……俺達が直々にその魔物を退治させて欲しいと申し出ても、恐らく門前払いだろうな。
       見知らぬ部外者に街を崩壊させられる不安が大きい。そのようなリスクを背負うはずがない」

    勇者「ま、魔法使いはどうなんだ?さっきからずっと黙ってるけど、どう思うんだ?」

    魔法使い「わ、私は……私は……盗賊の意見に、全面的に賛成じゃ」
    勇者「なっ!」
    盗賊「……」

    645 = 564 :


    時は遡り、北東の街道を走る馬車の中(>>371-372の辺り)

    盗賊「……魔法使い、こんな話を聞かせちまったテメェだから言う」
    魔法使い「……ん?」
    盗賊「……一つだけ、頼みがあんだ」
    魔法使い「……そなたの、そのような真剣な目は初めて見た。……私でよければ、そなたの話を聞こう」

    盗賊「私の……旅の目的ってのを手短に話す。あんまり、身の上話ってのが好きじゃねぇんだ」
    魔法使い「ああ……」

    盗賊「……私は、幼い頃から母親一人に育てられてきた。
       父親がとんでもねぇやつで、母親は幼い私を連れて逃げ出したらしい。
       毎日夜遅くまで働いている母親を、私はその日もいつもと同じように一人で待ってた。
       しかし、その夜我が家の玄関を開いたのは母親じゃなかった」

    魔法使い「……誰だったのじゃ?」

    盗賊「長だ。そしてその長が、開口一番発した言葉はこうだ。
       『お前の母親が人さらいにあった。探すのは諦めろ』」

    魔法使い「な、なんと……あ、あの長がそのような……」

    盗賊「別に長は怨んじゃいねぇさ。事実、母親をさらったやつらは妙に手慣れていて、一瞬で闇へと消えちまったらしい。
       それ以上深追いすると、被害が拡大する恐れがあった。長からしたら、当然の判断だろうよ。
       でも、当時10歳ほどだった私は違った。泣き叫び、母親の名を呼んださ。
       だがな、それから母親が私の元に帰ってくることはなかった。そっからは、地獄のような施設で暮らす日々さ……」

    646 = 564 :

    盗賊「私は、私にそんな辛い思いをさせやがったやつらが許せねェ。
       私の旅の目的は、復讐さ。絶対に見つけ出して、その元凶をぶっ殺してやるってな」

    魔法使い「そこで舞い込んできたのが……運搬係が言っていた北東の街の話か」
    盗賊「その通りだ。これは私にとって絶対に無視できねぇことだ」
    魔法使い「それで……頼みというのは、なんじゃ?」
    盗賊「北東の街で……そうだな、恐らく私は、自らを人質の身に置くような行動にでると思う」
    魔法使い「なっ……!」

    盗賊「復讐心ってのはな、一方的なものなんだ。それを果たすには、こっちから向かわねぇといけねぇ。
       復讐の元凶がノコノコとやってくるなんて優しいお話は、お子様が読む絵本の世界でしかありえねぇんだ」

    魔法使い「しかし……」

    盗賊「覚悟はガキの時からできてる。どうか、そういう私を止めねぇでくれ。
       それが、テメェにしたかった頼みってやつだ。
       テメェがそうしてくれるだけで、勇者と剣士の気持ちは揺らぐ」

    魔法使い「そ、それなら……最初から、みなに旅の目的を話せば良いのではないか?
         そうすれば、誰もそなたを止めようとは……」

    盗賊「言ったろ?私は、身の上話をするのが大嫌いなんだ。
       めんどくせぇことをしてるってのは、自分でも分かってる。
       だからこそ、テメェに頼んでんだ」

    魔法使い「……」

    648 = 564 :

    北東の街・宿屋

    剣士「何故だ、魔法使い。盗賊が危険な目にあってもいいとでも?」

    魔法使い「それは違う」
    魔法使い「よく考えてみてほしい。
         盗賊がそこまで頑固に言い張るのは何故じゃ?
         損得勘定で動くあの盗賊が、姫様を助けて何の利益を得る?
         そこには、盗賊なりの大きな何かがあるのじゃろう。
         私は、その意志を尊重したい。そう思ったからじゃ」

    勇者「ま、魔法使い……」

    盗賊「……そういうこった。何、テメェらの護衛がついてんだ。
       私は目の前で仲間を死なせちまうような奴と、仲間になった覚えはねぇぜ?」

    剣士「……仕方がないな。そこにお前さんの意志が懸かってるってなら、それを俺が止めることはできない」
    勇者「……無茶は、しないでくれよ」

    盗賊「わぁーってるよ。じゃ、決まりだな」

    649 = 564 :

    さるさん食らってた&書き溜め切れた
    こっから速度下がる
    というか美少女魔王のスレ落ちてるじゃねぇかくそっ

    650 = 587 :

    あそこ見てたのか


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