元スレ垣根「まずはそのふざけた常識をぶち殺す」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★
201 :
スレタイみてパクリと思ったがまさか続きだったとは
応援してるぜ支援
202 = 201 :
さげてた
203 = 107 :
………ふと歩くのをやめる。
無論、何かを忘れたわけでは、ない。
垣根「…………今度は何の用だ」
いつぞやのように、誰もいないはずの方向へ話しかける。
「あら、やっぱり気付いちゃうんだ」
204 :
定規…
205 = 107 :
そこにいたのはドレスの少女―――――――心理定規だった。
相変わらず年に合わないドレスと雰囲気を纏い、妖艶な笑みを浮かべている。
垣根「…………?」
気のせいだろうか。
目の前の少女が、僅かに悲しそうな表情を浮かべたような気がしたのだ。
再度見直すが、そのようなことは見られない。
……俺の勘違いだったのか。
心理定規「やっぱり、行くのね。そんな気はしてたのだけれど」
どうやらこちらの動きはお見通しらしく、そんな言葉を投げかけられる。
垣根「……残念だが、テメエと話してる暇は無え」
206 = 107 :
そう言って垣根が歩き出す
だが、心理定規が垣根の目の前に立ちふさがった。
垣根「……俺は急いでんだ。そこをどけ」
垣根が冷たく突き放す。
だが心理定規はいたずらに微笑むのみで、そこから動こうとしない。
心理定規「やだって言ったら?」
垣根「舐めてんのか?痛い目見たくなかったらそこをどけ」
心理定規「あなたには出来ないわ。絶対にね」
207 = 107 :
垣根「やらないと思うか?」
ゆっくりと歩み寄る。
脅す気はない。ただの本気だ。
心理定規「やらないわよ。私にはわかるわ」
心理定規まであと一歩の距離まで迫る。
もう、手を伸ばせば届く距離だ。
垣根「最後にもう一回だけ言ってやる。怪我する前にそこをどけ」
心理定規「いやよ」
208 = 107 :
最後通牒を発する。
だが、心理定規はそれでも動こうとしない。
心理定規「覚えてるかしら?前会った時に、一つだけ言わせて欲しいっていった言葉」
心理定規が垣根へ語りかける。
それは、愛する恋人に語りかけるように。
わが子を思う母親のように。
心理定規「言ったわよね。あなたには元の世界が似合ってるって」
心理定規「――――――――そう。この平和な世界が」
210 = 107 :
垣根「…………は?」
何を言ってんだこいつは。訳がわからない。
垣根が呆気にとられる。
一体こいつは、何を――――――――――
心理定規「あなたは優しい人」
心理定規「今だって、昔のあなたを知って動揺してるんでしょ?」
心理定規「あなたに裏の世界は似合わないわ」
悲しそうな微笑を浮かべながら心理定規が語りかける。
目を見ても、それが本心か虚言かはわからない。
こいつは俺に何を言おうとしている?
この女は、俺の敵か?
――――――それとも味方か?
211 = 107 :
垣根「……何が言いたい。お前に何がわかる?」
強がりを見せるが、それに対し心理定規はかすかに笑っただけだった。
心理定規「分かるわよ。だって私は心のエキスパートだから」
心理定規「自分を殺して、それで裏の世界で生きてきた。自分を騙して、自分に騙されて」
心理定規「それが、理由は分からないけど、あなたは表の世界に戻れた。この平和な世界に」
心理定規「もしあなたが一方通行と戦うというなら、どんな結果にしろあなたはまた裏の世界に戻る事になるわ。必ずね」
心理定規「私は、そうなってほしくないの」
212 = 107 :
垣根「………矛盾してるな。ならなぜ俺に接触した?なにもしなきゃいいだけだろ」
いまだに心理定規の目的が理解できない。
俺を連れ戻したいのか、連れ戻したくないのか。
俺を、どうしたいのか。
心理定規「そうね………お節介、てところかしら」
心理定規「あなたに私達側には戻って来てほしくない。でも、あなたの手助けをしたいって気持ちもあるのよ」
心理定規「だから――――――――選んで頂戴」
心理定規「引き返して表の世界で暮らすか――――――――」
心理定規「私を殺していくか、ね」
214 :
続編きたあああああああああああああああああ
215 = 107 :
垣根「………意味がわからねえよ。なんでテメェを殺す必要がある?」
無茶苦茶だ。意味がない。
そう垣根は思ったが、目の前にいる心理定規を見る限り、本気で言っていることは間違いない。
ますます心理定規の考えていくことが分からなくなっていく。
心理定規「きっかけ、ってとこかしら」
心理定規「あなたは優しい人だから。裏の世界には向かない人だから」
心理定規「だからこうしてきっかけをあげるのよ。――――――心を完全に殺すきっかけを、ね」
心理定規「さて、どうするのかしら?あなたはどっちを選ぶの?」
心理定規「表にとどまるか、それとも覚悟を決めて裏に堕ちるか」
216 = 107 :
―――――――――ここにきて垣根は、なんとなくわかった気がした。
こいつの考えが。こいつの思いが。
こいつは――――――――
自分を、俺に殺させたいのだ。
俺が甘さを捨てる為に。
俺が、裏で生き抜く為に。
こいつとしては、俺に表で生きて欲しいのだろう。
だから、力づくで俺を引き戻すような事はしなかった。
だが、それとは別に分かっているのだ。
俺が、いずれ裏の世界へいってしまうのだという事を。
217 :
上条さんと美琴センセーが逆になったような状態だな
218 = 107 :
俺はそのうち、心理定規以外の暗部の人間にも発見されるのだろう。
学園都市第一位の人間と戦えば、それはなおさらだ。
そうなれば、否応なしに裏の世界へ引きずりこまれる。
だから、決別させたいのだろう。
心理定規を殺すことで。
俺の中にある『優しさ』とやらと。
だから今、こうして俺の前に立ちふさがったのではないか。
俺が行くことを、分かっていながら。
垣根「………そんなもの、決まってんだろ」
219 = 187 :
しえん
220 = 107 :
ああ、そうだな
どちらにせよ。ついさっき、覚悟は決まったばかりだ
答えは、決まっている―――――――――
垣根が背中の翼を広げ、心理定規を包み込む。
心理定規「………そう、そうだと思ったわ」
そして―――――――――その翼をはためかせた。
――――――――――――さようなら。
221 = 107 :
………5秒、10秒、
――――――――――生きてる?
そんな筈は無い。
確かに、私と『垣根帝督』の『距離』は離したはず。
帝督が、私を殺さない訳がないはずなのに。
一体、何が―――――――――――?
心理定規が、恐る恐る目を開けた。
222 = 107 :
心理定規「―――――――――へ?」
目の前に広がるビル群。
街の人たちはもう見えないほどになっている。
そして後ろには―――――――――――
垣根「空の旅はいかがでしょうか、ってな」
垣根帝督が、そこにはいた。
垣根「誰が殺してやるかよ。バーカ」
大きなおせっかいだ、そう垣根が呟く。
223 = 107 :
心理定規「へ?………あ、え?一体―――――?」
心理定規が混乱した頭で言葉を紡ぎだそうとする。
だが、思ったように言葉が出ない。
垣根「うっせえんだよ。テメエの言い分なんざ知るか」
垣根「覚悟?裏の世界?――――――――はっ!バカにしてんのかテメエは」
224 = 110 :
カッキーまじメルヘン
225 = 107 :
垣根「んなもん、とっくに出来た」
垣根「こうやって、過去も今も背負って生きる覚悟がな」
垣根「誰が表でのんびりしてやるか。だれが裏に堕ちてやるか」
垣根「俺は俺のしたいようにする。俺の助けたいように助ける。俺の生きたいように生きる」
垣根「それでどうなろうと、知ったこっちゃねえ。全部乗り越えるだけだ」
垣根「ただ、それだけだろうが」
226 :
帝督△
227 :
かっけえ
228 :
かっこよすぎだろ
229 = 107 :
心理定規が思わず呆然とする。
なんとも自由な人だ。なんとも自分勝手な人だ。
…だが、すぐに笑みがこぼれた。
心理定規「………相変わらずあなたはカッコつけで見栄っ張りでメルヘンチックよね」
垣根「……前二つはまだいい、メルヘンだけはやめろ。最近になって自覚してきちまってんだよ」
心理定規「でも、自分に正直になった事は成長したってことかしら」
いつもの笑みを取り戻し、垣根へと語りかける。
その顔に、先ほどの悲しさは一切ない。
心理定規「もう私がサポートする必要もないみたいね」
垣根「誰がサポートしたよ。ただのおせっかいだろうが」
心理定規「まあそうともいうわね」
230 = 107 :
私がこの人を助けるつもりだったのに。
助けているつもりだったのに。
知らないところで、随分と成長してしまったようね―――――――
心理定規は、そう思ったのだった。
心理定規「ああそうそう、これはあくまで一人言なんだけれど」
心理定規「御坂美琴さん。今、○○学区の橋のところにいるらしいわね。もしかしたら一方通行の所に行くつもりなんじゃないかしら」
心理定規「あくまで、一人言だけど」
231 :
帝督△
ていとくんとか帝凍庫くんなんて言わせねーよ
232 = 107 :
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
垣根「よお」
あれから数分後。心理定規と別れ、橋までやってきた。
そして、橋にもたれかかっていた少女に声をかける。
御坂美琴。第三位の『超電磁砲』
御坂美琴は思わぬ出会いに驚いたのか、美琴がこちらをじっと見つめる。
美琴「………垣根さん、だったっけ?偶然ね」
垣根「ああ、とんだ偶然だな」
そういって御坂美琴の横に移動し、同じように橋にもたれかかる。
垣根「お前の妹さん、なかなか変わってるな。面白えやつだよ」
美琴「そう。それはよかったわね」
234 = 107 :
美琴「それにしても、こんなところに何しに来たの?非行?」
垣根「見た目で決めんな。だれが非行少年だ」
思わず垣根が突っ込みを入れる。
だがすぐ、真面目な顔に戻る。
今はそんな場合じゃない。
垣根「テメエに話があってきた―――――っていったら驚くか?」
垣根がそう言うと、御坂美琴は少し目を見開き―――――垣根のほうに向きなおった。
美琴「そうね………その話によるけど」
235 = 107 :
垣根「なら、ひとつ聞きてえんだがよ」
垣根「―――――お前の妹ってのは、一体何人いる?」
御坂美琴が思わず垣根のほうを振り向く。
その顔は驚きに染まり、口は大きくあいたままだ。
垣根「教えちゃくれねえか。ありゃ一体何をしてる。あのモヤシ野郎の目的はなんだ?」
美琴「………あんた、どこまで知って―――――――」
垣根「俺が知ってんのは、テメエの軍用クローンとやらがたくさんいる事」
垣根「そして、そいつらがあのクソモヤシに殺されてるって事だ」
体を起こし、御坂美琴と真正面から向き合う。
垣根「教えてくれ。あれは何の実験だ?あいつは、今どこにいる?」
236 = 107 :
鋭い口調で御坂美琴を問いただす。
そう簡単に教えてもらえるとは思っていない。
だが、これが最後のカギなのだ。
美琴「……そう、一方通行にも会ったんだ」
御坂美琴が大きくため息を吐く。
そして、
美琴「………いいわよ。そこまで知ってるんなら話してあげる」
意外にも、とうとうと話し始めた。
237 = 107 :
美琴「『ツリーダイアグラムによる演算の結果、128通りの方法で128回『超電磁砲』を殺害することで、被験者『一方通行』はレベル6に進化することが判明した』」
美琴「『『超電磁砲』を128人用意することは不可能なため、同時に進行していた『レベル5量産計画』の『妹達』に着目』」
美琴「『再演算の結果、2万通りの方法で2万人の『妹達』を殺害することで同じ結果が得られることが分かった』………」
美琴「笑っちゃうでしょ?私の妹達は、実験の為に勝手に生み出されて、勝手に殺されているのよ」
とんだ悲劇であろうはずなのに、もはや慣れてしまったのか、
ははっ、とかすれた笑い声を出しながら垣根に笑いかける。
垣根「………笑えねえ冗談だ。冗談ですらない」
238 = 107 :
垣根「で、お前は何をしようとしてるんだ?」
垣根「まさかあの野郎に無謀にも挑もうとか思ってるんじゃねえだろうな?」
御坂美琴の体がビクッと震える。
顔はこわばり、眉がつりあがった。
答えとしてはそれで十分だ。
垣根「………なるほど。ここにも大バカが一人ってか」
239 = 107 :
垣根「テメエ自身わかってんだろ?テメエがあいつとやっても結果ははっきりしてる」
戦わずともおおよそわかる。
おそらく、俺と戦ってもこいつは勝てない。
第二位と第三位の差は、それほど確実なものなのだ。
ならば、そんなこいつが第一位と戦った所で、確実な死が待っているだけだ。
天地がひっくりかえってもその結果は揺るぎない。
――――――――それでも、目の前の少女は戦いに挑むつもりだったのだろう。
実験を終わらせる為に。
それこそ、自らの命を賭けて。
垣根「誇りと命を天秤にかけるな。感傷的だが現実的じゃねえんだよ」
240 = 107 :
美琴「………なら!ただ黙ってろっての?!今だって妹達があいつに殺されるっていうのに!」
美琴「そんなの、我慢できないわ。私が死ぬことになったって、それで実験が止められるならっ!!!」
それは垣根にも本心からのものだとわかる程の悲痛な叫びだった。
おそらく、これまでも実験を止めようとしてきたのだろう。
そして、結局かなわなかった。
それゆえの特攻。最後の手段。
この少女は、もはやそこまでの覚悟を決めていたのだろう。
241 = 107 :
垣根「最後まで人の話を聞けと教わんなかったのか?」
垣根「第三位じゃ、第一位とは話にならない。それは絶対だ」
垣根「――――――だから、代わりにやってやるって言ってんだよ。この垣根帝督サマがよ」
242 :
ていとくんはいつモヤシが一位って気付いたの?
243 = 117 :
メルヘン冷蔵庫が調子にのんな
しえん
244 = 226 :
帝督△
だけどミンチになる未来しかみえない
245 = 107 :
>>242
>>237の会話のとこに入れるつもりだったの忘れてた……orz
×被験者『一方通行』
○序列『第一位』である被験者『一方通行』
書き忘れです。申し訳ない
246 = 107 :
御坂美琴の顔が怪訝な表情になり――――――そしてすぐ、驚きの表情に変わった。
美琴「垣根……帝督……?……あんたまさか?!」
垣根「そのまさかなんだな、これが」
垣根が話を進める。
垣根「第二位である俺が第一位を倒せば研究者共はこう考える。
『我々は間違っていた。レベル6に近いのは、第一位ではなく第二位のほうだった』ってな」
垣根「そうなりゃすべて万事解決、ハッピーエンドって訳だ。違うか?」
247 :
垣根「限界なんてもんは超えるためにあるもんだ。……お前だってそうだろ?」
248 = 107 :
美琴「で、でも………!あいつはあの『一方通行』なのよ?!あいつが第一位である事は揺るぎない事実で、第二位のあんただって勝てるかどうか!」
第二位と第三位の差と言うものは、同じレベル5であっても圧倒的なものだ。
それは力の差、などと言う生易しいものではない。次元が違うのだ。
だがそれは、第一位と第二位にも言えることである。
例え第二位である垣根であっても、一方通行に勝てるかどうかなどわからない。
そもそも、戦いにすらならない可能性だってあるのだ。
249 = 107 :
垣根「………っは!なら、一言だけ言っといてやる。よーく聞いとけよお嬢ちゃん」
そんなことはとっくに承知の上だ。
言ったはずだ。とうに覚悟は出来ていると。
垣根「第二位が第一位に勝てない、なんて言うなら―――――――」
垣根「いいぜ、」
「まずはそのふざけた常識をぶち殺す」
250 = 226 :
そじょぶキターーーーーーーーーー
みんなの評価 : ★★★
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