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    元スレ唯「ぎゃるげ!」

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    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★
    タグ : - 飲尿 + - けいおん! + - とある魔術 + - みなみけ + - もんはん + - ギャルゲー + - ハッピーエンド + - ハルヒ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    504 :

    ちんぺー早く

    508 = 417 :

    申し訳ねえっす
    保守ありがとうございます

    510 = 417 :

    その後、学園祭で劇(何故私がジュリエット?)やらライブをやったりしたのだが、特に誰かと親交を深めようとは思わなかった。
    和の言葉の言葉が心の奥でずっと引っかかってるからだ。
    だって……チャラ男て。

    【平沢唯】
    好き度☆☆☆☆☆☆
    友達度☆☆☆☆☆
    隊員度☆☆☆☆☆☆☆☆

    【秋山澪】
    好き度☆☆☆☆
    友達度☆☆☆☆☆
    信頼度☆☆☆☆☆☆☆

    【琴吹紬】
    好き度☆☆☆☆
    友達度☆☆☆☆☆☆☆
    憧れ度☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

    【中野梓】
    好き度
    後輩度☆☆☆☆
    お財布度☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

    511 = 477 :

    待ってました

    512 = 417 :

    りつんち!

    (パラで見れば唯狙いが一番なんだろうけど……。
      だからと言って私は唯のことが好きなのか? 彼女にしたいのか?
      ただ現実世界に戻りたいだけだろうが)

    「……」

    (かと言ってこのままじゃ戻れないしなぁ……一体どうすれば……)

    「……」

    「誰かを好きになるとか……わかんねーって……」

    prrrrr。
    携帯電話が鳴る。ムギから電話だ。
    そういえば最近色々ありすぎてムギからの電話やメールをスルーしていた。
    悪いことしちゃったな。何か言いたいことがあっただろうに。

    513 = 417 :

    「ムギー?」

    『りっちゃん、今電話大丈夫?』

    「大丈夫だぞー。で、何か用?」

    能天気に話す私に対して、心なしかムギの声は低い。

    『うん、前にりっちゃんと遊園地行ったときに、悩みがあるなら相談しろって言ってたから』

    しまった。迂闊すぎる。
    確かに言った。あの日、急に元気のなくなったムギに「何か悩みがあったら私に言えよ、なんでも相談乗るぜ」って。
    それなのに今までムギからの相談を私はスルーし続けていた。修学旅行中やその他にも色々兆候はあった。
    私は一体今まで何を……。

    514 = 417 :

    『りっちゃん?』

    「ああ、うん、それで悩みって?」

    『悩みっていうかね……私、りっちゃんに謝らなければいけないことがあるの』

    「謝る? 何を?」

    『嘘ついてごめんなさい……』

    「はい?」

    『私ね、ホントはN女子大に進学しないの!』

    「え?」

    515 = 417 :

    意味が分からない。どういうことだ。
    あの日、確かにムギはN女子大に行くと言ったはずだが。

    「それじゃあどこ大に行くんだ?」

    私はごくごく普通の質問をした。

    『フィンランドの……』

    What's?

    『夏休みに避暑のため、フィンランドに行ってたっていうのも嘘なの。
      全てあっちの大学入学の手続きをするために……』

    何がなんだかわからない。

    「ちょ、ちょっと待てよ!」

    これ以上ムギの言葉を聞くのが怖くなった私は、ムギの言葉を遮った。

    517 = 417 :

    『……』

    「急にそんなこと言われても……わけわかんねーよ……」

    『ごめんなさい……遊園地の時はまだ心の準備ができてなくて咄嗟に嘘をついてしまったの……。
      まさかりっちゃんたちもN女子大に行くなんて思ってなくて……。
      何度も本当のことを言おうとしたけど……中々チャンスがなくて……』

    それは私がムギの電話をスルーしてたから……。

    『でも言えて良かったぁ。そうだ! 他のみんなにも謝っておかなくちゃ! それじゃあね、りっちゃん!』

    何か吹っ切れたような声でそう言うとムギは電話を切ってしまった。
    私は携帯電話を落とし、しばしその場で呆然としていた。

    518 :

    なぜだあああああああぁぁぁぁぁ…

    519 = 417 :

    「律! おい律!」

    「ん、ああ澪か」

    「どうしたんだよ」

    「何が?」

    「ずっとぶすっとしてるから」

    「別に」

    3月のある日、私達は音楽室でパーティーを楽しんでいた。
    音楽室には軽音部員だけでなく、和をはじめ同じクラスメイトや憂ちゃんも顔を出していた。
    卒業パーティーとムギの送別会を兼ねているためだ。

    私は部屋の端のほうで不機嫌な顔をしながらチビチビジュースを飲んでいた。

    520 :

    なんだバッドエンドか

    521 = 417 :

    「ムギとちゃんと話さなくていいのか? 来週にはフィンランドに行くんだぞ」

    「わかってるわい」

    「そうか……ならいいけど……」

    そう言うと、澪はファンクラブメンバーの輪の中に入っていった。
    澪、唯、梓、みんな……ムギがいなくなてしまうっていうのになんでそんな平気な顔してんだよ。
    寂しくないのかよ。

    (そりゃあ決まってんだろ。こいつらはみんなゲームキャラだ。プログラムで動いてるだけの人形だ。
      だからムギがいなくなろうが誰が死のうが悲しいなんて思うことはない。だってゲームなんだからな!)

    (けれど……なんでだろう……)

    (ムギは……ムギだけは……)

    522 = 417 :

    私は無言で立ち上がり、クラスメイトに囲まれていたムギの手を取った。
    急にズカズカ入り込んで乱暴にムギを引っ張ったものだから、周りのクラスメイトもムギも驚きを隠せない様子だ。
    それでも関係ない。私は周りの目も気にせず音楽室を後にした。

    ムギはなされるがまま私の後ろに付いてくる。
    私は例のよくわからない銅像の前で止まった。

    「りっちゃん、一体これは……」

    「なぁムギ。質問していいか?」

    私は有無を言わさずムギの言葉を遮った。
    ムギは無言で頷く。

    「マジで行くのか、フィンランド」

    523 = 417 :

    「……どういう意味?」

    「そのままの意味だよ。私はムギをフィンランドに行かせたくない」

    「……!」

    ムギの顔がみるみる赤くなっていく。

    「そ、そんな……どうして」

    「好きだからに決まってんだろーがっ!」

    私は恥ずかしい台詞を恥ずかしげもなく叫んでやった。
    好きって言うのは……まあ、まだ正直わからない。
    でもひとつだけわかるのはムギと離れるのは心が痛くて痛くてたまらないってことだ。

    澪が国立の大学に行くって言ってた時は応援しようという気持ちにしかならなかった。
    唯の進路が未定だった時、あいつがどこへ行くにしても私の知ったこっちゃないと思っていた。
    梓と離れるのは寂しいけど、卒業なんだから仕方ない。

    けれどムギだけは……ムギとだけは絶対に離れたくない。

    524 :

    むぎゅうううううう

    525 :

    唯は知ったこっちゃないのかwww

    526 = 417 :

    「頼む! もう一度N女子大に……むぐっ!?」

    不意に唇がふさがれた。
    目の前には目を閉じたムギがいる。
    髪の匂いまでわかるほどの距離。
    きっと高級なシャンプーを使っているんだろうな、ムギは。
    すごくいい匂いがする。

    数分間とも思える数秒間だった。
    唇と唇が離れ、ムギの顔を見ると頬が紅潮し目はトロンとしている。
    おそらく私も同じような顔をしているのではないだろうか。
    確認する術はないけれど。

    「あ、あの……ム……」

    「ごめんねりっちゃん。それ以上は聞けないの。聞いたらきっと私の決心が鈍るから」

    「あっ……」

    そのままムギは俯いて私の横を素通りして歩いていった。
    すれ違い様、何か聞こえた気がしたが私の耳には全く届いていなかった。

    527 :

    卒業式の日、音楽室には5人の姿。
    私、唯、澪、梓、そしてさわちゃん。
    ムギはフライトの時間の都合上、卒業式が終わってすぐに空港に向かった。
    あの日以来、私はムギと言葉を交わしていない。
    そりゃあそうだろう、あんなことがあって一体どんな顔して話せばいいのか。
    わかる奴がいたらすぐに私に教えるように。

    「いよいよ私達も卒業だね~」

    「だな。ここに来るのも今日で最後か」

    「さ、最後なんて言わないでください!」

    梓が涙目で言う。

    「いつでも……待ってますから……お茶を用意して……待ってますから! だから……」

    528 :

    ちくしょう、唯の扱いちくしょう

    529 :

    あれ・・・この梓、結構・・・

    530 = 527 :

    唯は俯いて今にも泣き出しそうな梓を抱きしめた。

    「唯せんぱ……」

    唯は何も言わずに梓の髪を撫でる。梓は目を閉じ唯に身を委ねた。
    その顔は眠ったように安らかで、見ているこっちまで思わず顔が綻んでしまいそうだった。

    「やれやれ」

    さわ子「ふふ、唯ちゃんの先輩っぽい姿、初めて見たわ」

    唯と梓の姿を見ているといてもたってもいられなくなった。
    私は無言でその場に立ち上がった。

    531 :

    走れ、風のように!!律ぅ!!!

    532 = 527 :

    「律……行くのか?」

    「ああ」

    「そうか……」

    澪はどこか悲しそうな顔をしている。

    「悪かったな、迷惑かけて」

    「いや、律が決めたなら私はそれでいい」

    無理な笑顔を作って話す澪を見るのは心が痛んだ。
    私がフラフラしてたせいで……ごめんな。

    「本当にありがとう……それじゃあ」

    私は脱兎のごとく駆け出した。

    「……」

    「バイバイ、私の初恋」

    533 = 527 :

    靴を履きながらとんでもないことに気付いてしまった。
    足がない。
    空港まで走っていける距離じゃないし、タクシーを呼ぶ金もない。
    音楽室に戻ってさわちゃんに車を出してと頼むのも恥ずかしすぎる。

    ふと周りを見渡すとクラスメイトの自転車を漕いでるいちごの姿があった。
    しめた、自転車ならフライトの時間に間に合う。
    自慢ではないが、私は本気を出せば自転車で50km/hは出せるのだ。

    「おーい! いちご~!」

    いちご「ん」

    「すまん! 急用なんだ! 自転車貸してくれ!」

    いちご「やだ」

    ものすごい反応速度で断られてしまった。

    534 :

    ああああああ澪切ねえ

    535 = 529 :

    澪、お前には俺がいr

    536 = 527 :

    「た、頼む! 500円あげるから!」

    確か財布には700円ちょっとが入っていたと記憶している。

    いちご「無理」

    「ろ、600円! 600円でどうだ!?」

    いちご「しつこい」

    「そんな……700円しか持ってないのに……」

    私はその場にうな垂れた。

    いちご「手を打とう」

    「え?」

    いちご「700円で手を打つ」

    700円基準かよ。

    537 = 527 :

    「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

    私はものすごい勢いでペダルを漕いだ。
    初心者マーク、若葉マークの車を追い抜いてしまうほどの爆走っぷりだ。

    カーブでは地面スレスレまで体を倒す。将来競輪選手にでもなろうか。

    空港が見えてきた。フライトの時間まであと10分。
    自動ドアの前で自転車を乗り捨て、ロビーの中へ。残り3分。

    私は目の前にいたANAの受付嬢に駆け寄った。

    「ムギの飛行機は!? ムギの乗ってる飛行機はどこ!?」

    「はい?」

    「あーもう! フィンランド行きだよ! ムギが乗ってんだ! 早く教えろ!」

    受付嬢は面倒くさい客が来たとでも言いたげな顔をしながら「もう出発しました」と告げた。
    私にとっては死刑宣告と同様だった。

    539 :

    いちごの財布度が(ry

    540 = 527 :

    私はその場に蹲った。
    もう一度、もう一度だけムギに会いたかった。
    会って抱きしめたかった。

    「まあ、展望台デッキに行けば飛行機を見送ることは可能ですけど~」

    「は?」

    「展望デッ」

    私は受付嬢が言い終える前に走り出していた。

    階段を駆け上がり、デッキでると強い風が吹き抜けた。
    金網の方には飛行機を見送る人間でごった返していた。
    私も金網に駆け寄り、目を凝らす。
    今まさに滑走路に出ようとしている飛行機があった。
    あの中にムギが?

    542 = 527 :

    「ムギイイイイイイイイイイイイイ!」

    叫んだところで聞こえるはずがないけど。

    叫ばずにはいられなかった。

    もちろんどこからかムギの声が聞こえるわけもなく。

    無常にも飛行機はフィンランドへ向け飛び立ってしまった。

    私は自分の無力さとヘタレさに打ちひしがれ、その場で人目も憚らず泣いた。
    こんなに泣いたのはいつ以来だろうか。

    わかっていること、それは私の恋が終わったということだけだ。

    543 :

    700円は犠牲になったのだ・・・

    545 :

    展開読めてしまった

    546 :

    ど真ん中の王道な流れだな
    和のパラメーターを知りたかった
    和ルートはまだですか

    547 :

    唯のフェードアウトっぷりがギャルゲだな

    548 = 527 :

    ひとしきり泣いた後、私は絶望感に打ちひしがれながら空港ロビーをトボトボと歩いていた。

    「田井中律様~、田井中律様~。おりましたら受付ロビーまでまでお越しください」

    なぜか館内放送で私の名前が呼ばれる。なぜ名前を知っている……。
    私は疑問に思いながらも受付ロビーに自分が田井中律である旨を伝えた。
    受付嬢が言うには、ある客からフィンランド行きの便を尋ねる女の子がいたら手紙を渡すように頼まれたらしい。
    その客は時間ギリギリまで私のことを待っていたそうだ。

    バカな奴だな。私が来る保障なんてどこにもないのに。

    中身を開くと綺麗な字で簡潔な言葉が書かれていた。

    涙というものは枯れないもので。つい今さっき一生分の涙を流したと思っていたのだが。
    私はその手紙を読んで、声をあげて泣いた。
    空港ロビーには私の泣き声が響いていた。 

    549 = 543 :

    こんなのがトゥルーエンドなエロゲがわんさかあるから困る

    550 :

    エロゲとギャルゲってなにがちがうの?


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