元スレ上条「……サイレン?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×4
501 = 1 :
Side.望月朧 霧崎カブト
謎の少女、絹旗の襲撃を受け車を失った二人は徒歩でホームへとたどり着く。
朝河がどうなったのか、二人は知らない。けれども、自らのやるべきことは解っていた。
「……『ワイズ』の構成員が一時在籍していた研究所、か」
監視を掻い潜り、研究所内部に侵入した朧が呟いた。
「どうせ人権など無視した実験が続けられていたんだろうね」
「それ自体を悪いとは思わないさ。どんなリスクを負ってでも手に入れたい絶対的な力……!」
「ほら、さっさと行くぞ。危なくなったら俺が言う。さ、進め、進め」
常に朧の後ろに立つカブトが言う。
「脅威というのは恐れるモノじゃない。乗り越えるモノなんだ」
得意げに言う朧にカブトは、
「それはオマエだけだろ」
502 :
おはよう
今日は良い天気だな
503 = 500 :
おかえり!!
504 = 489 :
来た来た
505 = 1 :
「……霧崎、この先は?」
曲がり角で朧は立ち止まり、カブトの指示を求める。
そっと、カブトが曲がり角から頭を出してその先にある景色を確認すると、
「大丈夫だ。この先には視えない」
カブトの言葉をきいて、朧が曲がり角から飛び出る。
その言葉の通り、朧達を襲う者はおろか発見する者すら現れない。
「やっぱり君の能力は面白いね。……脅威を避けるとは。まさに運命を捻じ曲げる力だ……!」
「何言ってんだ。避けれるモノは避けてすすまねーと損だろ。あ、そこ、右は危ないぞ」
506 :
保守ついでに画像でも張ろうと思ってたけど再開してた!まあいいや>>1頑張れ!
508 :
>506
やっぱ俺のマリーが一番かわいいな
509 = 1 :
「ここ、か」
厳重に閉ざされた扉の前で朧とカブトは立ち止まる。
扉の横にあるプレートには"資料室"と刻まれていた。
「霧崎、この先はどうだ?」
「あー、大丈夫だ。部屋の中には何に……ッ!?」
途端、カブトが後ろを振り向く。一瞬、何かの人影が見えて、
「今すぐ離れろ!」
大声を上げた。咄嗟に朧がカブトを抱きかかえて、その場から大きく離れる。
次の瞬間。朧とカブトが立っていた扉の前で激しい爆発が巻き起こった。
510 = 489 :
まさか!?
511 = 508 :
ついに我々のドルキさんが!?
512 = 474 :
地域警備員か!?
513 :
爆発…だと…?
514 = 1 :
「敵……! 能力者か……!」
先程まで自分がいた地点をにらみ、朧が言う。
粉々になった壁。爆風の余波で辺り一体が黒焦げになっていた。
「や、ヤバイ……! 逃げろ、朧!」
カブトが青い顔をして言い放つ。朧は後ろを振り向かずに走り出した。
再びの爆発が朧の背中に熱風を叩きつける。
「くっ……! 座標指定の爆撃……!? 狭い場所じゃ不利だ……!」
「外、外に行くぞ! こっちだ!」
カブトは朧の前を走り、朧はカブトの後ろを行く。
能力者はその二人を見据え、
「クソ共が……! 糞をクソほど浴びて死ね!」
516 = 489 :
ドルキさんきったあああああああああ!!!!!!!!!
517 = 1 :
霧崎カブトは脅威をなるべく避けて生きていこうと思う人間だった。
その信念が彼の能力、自らに迫る脅威を視る『脅威幻視(メナスヴィジョン)』にも現れている。
対して望月朧は自ら進んで脅威に立ち向かっていく人間だった。脅威が何だろうと、自らが面白いと感じればよいと。
彼の能力は『身体向上(ライズ&キュア)』。身体能力を飛躍的に向上させ、その応用で他人の回復をも行える。
危険を避ける者と、危険に立ち向かう者。
「……右ッ!」
カブトがいい、朧がカブトを強引に引き連れて右に回る。
瞬間、爆撃がカブトの背中の数センチ後ろを包む。冷や汗を流しながら、カブトは言う。
「……とにかくアレは室内で戦っちゃダメだ。勝ち目が無い」
一方、能力者は標的が確実に出口へと近づいていることなど知らずに爆撃を続ける。
彼は圧倒的な力で一方的な破壊を望む者。これもカブトや朧とは違った理念だった。
518 :
ドルキさんきた!
これで勝つる!!!
519 :
>>518
勝ったら駄目だろww
520 = 513 :
もちろん勝つのは朧たちだぞ?
それを確信してるんだよ、俺たちは。ドルキさんによって
521 = 519 :
あら、ID素敵
522 = 1 :
Side.朝河飛龍 浜面仕上 絹旗最愛
「こんな大層な研究所に何か用でもあんのかよ?」
渋々絹旗の待機命令を承諾した浜面が面倒そうに呟く。
「超うるさいです超浜面。とりあえず待機していてくださ―――」
絹旗が言葉を止める。というよりも爆音が絹旗の言葉を遮った。
響き渡る轟音。砕け散る研究所の外壁。
「お、おい! う、うわぁぁ!?」
浜面が叫び声をあげる。ふと、絹旗が上を見上げると爆撃によって飛んできた瓦礫が宙を舞っていた。
総重量数十キロの瓦礫の塊。人間に激突すれば一瞬でグチャグチャになるであろうそれと浜面の距離、約1m。
523 = 1 :
「油断するな。ここにいる以上、オマエも標的になる可能性がある」
朝河の放ったドラゴンテイルは浜面に迫る瓦礫を強引に叩き潰す。
瓦礫が地面にぶつかり、砕け散り車のボディにのめりこむ。車は使い物にならなくなった。
「わ、悪い……。って、あァ!? 車が……!」
エンジンすら掛からなくなった車を見て浜面が嘆く。
絹旗は後戻りできなくなったですね、と少し嬉しそうな顔で言った。
「さて、超ヤバそうですね。朝河さん、お仲間に連絡は?」
「……ああ」
朝河は短く答えると、携帯電話を取り出して霧崎カブトの番号を押す。
524 = 1 :
すいません、ちょっとでかけてきまうs。
一時間ぐらい?で戻れると思います・・・多分。
526 = 518 :
俺も保守を手伝おう
527 :
ドルキさんの活躍に期待して保守
529 = 469 :
あねどるきっ
530 :
今日はいい天気だな
531 = 502 :
パタン
533 = 1 :
すいません更に時間かかりそうです
534 = 500 :
>>533
ケータイからか。いいぞ!保守してやろう!!
535 = 506 :
保守ついでに>>1のやる気が出るようなおっぱいマウスパッドの画像を張ってやろう!
>>1のやる気が出るといいな…
536 = 530 :
そして誰もいなくなった・・・
538 = 1 :
Side.望月朧 霧崎カブト
入り組んだ迷路のような研究施設を朧とカブトは駆ける。
単純に最短ルートで外を目指すのではない。そんな事をすれば途端に爆撃の餌食となる。
その為、爆撃から逃れながらの最短ルートを模索する必要があったのだ。
「次、左っ!」
普通ならば余程の訓練を積み、敵の情報を熟知していない限り不可能な逃走。
しかし霧崎カブトの能力『脅威幻視』によってその行動は可能となる。
「……止まって、少したったら右!」
遠回りをしながらも、確実に外への距離は狭まっている。
地下1階にいた二人は階段を駆け上り1階に飛び出る。そして灰色の通路をひた走る。
そんな中、カブトのポケットにしまわれた携帯電話が軽快なメロディーを奏でた。
539 = 1 :
「このクソ忙しい時に……!」
慌てて携帯電話を落としそうになりながらも、カブトは画面を確認する。
液晶画面に表示された"朝河飛龍"の文字。カブトは通話ボタンを押すと、
「なんだよ!? 今、すっげーヤバイんだって!」
「どうした!? 今、ホームの前にいるんだが……爆発は……!」
「ああ、そうだよ! って、朧、右! ……絶賛追われ中だ! つーかお前、外にいるのか!?」
「ああ。そうだ、お前らはどうなって……!」
「いいからそこで待ってろ!」
カブトは一方的に怒鳴り電話を切った。
540 = 506 :
キテター!
そうか…おっぱいマウスパッドはお気に召さなかったか…じゃあセミヌードやスマイルならきっと>>1も気に入るだろう
これ以上はスレ汚しだから止めとくね
541 = 465 :
おっと、支援
542 = 1 :
Side.上条当麻
上条当麻は不幸だ。
科学の街、学園都市ではオカルトの類は殆ど信じられていない。
けれども彼の不幸具合を見て人が「ああ、やっぱり運っていうのはあるんだな」と思えるほどに。
「はぁ……不幸だ」
ひょんな事から一緒にいた美琴をデリカシーの無い一言で怒らしてしまった上条。
その後、いつも通りの一方的な追いかけっこに発展し美琴から逃れたと思えば知らない場所にいた。
携帯電話の付属アプリ、GPSで自らの居場所を探す。なんとそこは上条の住む第七学区から大きく離れた場所だった。
「第二十三学区の近くじゃねーか……」
辺りを見回しても何も無い。もうこの付近は人が住む場所ではないのだから。
一度、大きなため息をついて、上条は空を見上げる。大きく息を吸い込みお決まりの台詞、
「不幸だァァァァ!」
543 = 1 :
気づけばよく知らない場所にいた。更に上条の不幸は続く。
バスや電車などの公共交通機関を利用して家に帰ろうとズボンのポケットを探す。
「え……?」
無い。現金をいれた財布が無い。
更にポケットを探ると底に穴が開いていた。丁度、財布が通れるぐらいの。
幸い財布に入っていたのは二千円ほど。クレジットカードの類はすぐに電話をすればよい。
「……忘れてたぜ。おサイフケータイっていうシステムが……」
携帯の説明書の端っこに書いてあったシステムを上条は思い出す。
ハッ、と携帯電話を取り出してみると、待ち受け画面に表示された"バテッリーを充電してください"の文字。
ピーピーと音を立てた後、携帯電話の画面は真っ暗になってしまう。
「だぁぁぁぁ!!!」
あまりの不幸に上条は叫び声を上げる。
その時だった。遠くで爆音が鳴り、上条の耳に届く。
544 = 465 :
さすがカミジョーさんはフラグ関連除けば不幸の鑑だな
545 = 1 :
「……?」
爆発音に恐怖を覚えなくなった自分が怖い。
トラブルに慣れてきた自分に呆れながらも、上条は音のした方向を向く。
第二十三学区の方向。みると黒煙があがっているのも確認できた。
「……無視するわけには、いかないよな、いかねぇよ」
一人で呟く。
爆発。普通の一般生活では起こり得ない事態。
そこに困っている人がいるなら。困っているであろう人がいるなら。困っている人がいる可能性が少しでもあるなら。
上条はそこがどんな地獄だろうと突き進んでいく。ただ、自らの右手に宿る力を信じて。
546 = 1 :
Side.朝河飛龍 絹旗最愛 浜面仕上
「……アイツらは中にいる。敵に追われていて、外に来るらしい」
通話を一方的に切られ、朝河は携帯電話をしまう。
「そうですか。ということは出てくる敵を超叩けばいいんですね?」
絹旗が言う。朝河はうなづき、
「一応はそうしたいが……絹旗、オマエは俺らと一緒に戦っていいのか?」
朝河と絹旗は敵同士。仮にも十数分前に激闘を繰り広げた仲である。
それにこれは二人個人の問題ではない。絹旗も朝河も学園都市暗部に所属し、直属の上司がいるのだ。
下手をすれば『サイレン』の全員と敵対しなければならない状況になるのだが、絹旗は気楽に、
「超大丈夫ですよ。……そんな組織の命令とか、関係なしに超ヤバイ状況ですし」
548 :
インで抽出して絶望した
フレデリカ様まだー?
549 = 1 :
「来た、か」
「来ましたね」
朝河と絹旗が一歩前に出て、浜面は車の陰に隠れる。
施設の正面入り口から朧とカブトが飛び出した瞬間、施設の正面ロビーが爆発に包まれた。
「あぁ! 朝河ぁ!」
カブトが叫んで、朝河の後ろに隠れる。朧は立ち止まり、振り向いて爆発した建物をにらんだ。
「って、えぇ!? お、オイ。コイツ、さっき俺らを……!」
「詳しい話は後だ! 戦う気が無いなら下がってろ!」
「来たよ。アイツだ」
爆風を背に、一人の男が現れる。
銀色の長い髪にバイザーをつけた目つきの悪い男。
550 :
現代で既にバイザー着けてんのかwww
みんなの評価 : ★★★×4
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