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元スレ魔王「ああ勇者、なぜあなたは勇者なの!?」
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全然書きだめできてないけど
少しずつ投下していきます
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勇者「……あ、そういえば。さっきから父親の話ばかりだけど、母親は?」
魔王「私、お母様のことは知らないの」
勇者「知らない?」
魔王「私が物心つく頃にはもういなかったみたいで、顔も知らないの」
勇者「いなかったって、……亡くなってしまったのか?」
魔王「さあ? ……だってお父様、お母様のこと何にも話してくれないのよ」
勇者「ふぅん……」
魔王「ま、私のお母様なんだからきっと私そっくりの美人に違いないわ」
勇者「頭の中までそっくりじゃないといいがな」
魔王「なによそれ」
魔王「私、お母様のことは知らないの」
勇者「知らない?」
魔王「私が物心つく頃にはもういなかったみたいで、顔も知らないの」
勇者「いなかったって、……亡くなってしまったのか?」
魔王「さあ? ……だってお父様、お母様のこと何にも話してくれないのよ」
勇者「ふぅん……」
魔王「ま、私のお母様なんだからきっと私そっくりの美人に違いないわ」
勇者「頭の中までそっくりじゃないといいがな」
魔王「なによそれ」
側近「……失礼します」
魔王「あら、側近。叔父様とのお話は済んだの?」
側近「ええ、とりあえず」
魔王「そう」
魔王「それで、ここには一体何の用なの?」
側近「先ほど勇者さんに紹介出来ませんでしたから、一度彼を紹介しようと思いまして」
勇者「彼?」
側近「ほら、入っていらっしゃい」
近衛「……」
魔王「あら、側近。叔父様とのお話は済んだの?」
側近「ええ、とりあえず」
魔王「そう」
魔王「それで、ここには一体何の用なの?」
側近「先ほど勇者さんに紹介出来ませんでしたから、一度彼を紹介しようと思いまして」
勇者「彼?」
側近「ほら、入っていらっしゃい」
近衛「……」
勇者「ああ、さっきの近衛兵の人ね」
側近「彼は、この城の近衛兵隊の隊長です。これから色々顔を合わせることも多いと思いますから、一応と思いまして」
勇者「そっか。んじゃまあ、よろしく」
近衛「……」
勇者「?」
近衛「……」
勇者「……なあ、なんか俺すごく睨まれてるんだけど?」
側近「コラ、近衛兵。もっと愛想良くしないとダメですよ」
近衛「……ふん」
勇者「こ、こいつ……」
側近「全く、この子は……」
側近「彼は、この城の近衛兵隊の隊長です。これから色々顔を合わせることも多いと思いますから、一応と思いまして」
勇者「そっか。んじゃまあ、よろしく」
近衛「……」
勇者「?」
近衛「……」
勇者「……なあ、なんか俺すごく睨まれてるんだけど?」
側近「コラ、近衛兵。もっと愛想良くしないとダメですよ」
近衛「……ふん」
勇者「こ、こいつ……」
側近「全く、この子は……」
近衛「……顔見せは済んだし、もう行っていいかな、姉さん」
勇者「え、ちょっと待て。……姉さん?」
側近「あ、はい。言い遅れましたが、近衛兵は私の弟なんですよ」
勇者「はぁ!? お前、弟いたのかよ!」
側近「はい。言ってませんでしたっけ?」
勇者「聞いてねえよ!」
側近「まあ、言う機会も無かったですしね」
勇者「それはまあそうだが……」
近衛「……おい」
勇者「え、……なに?」
近衛「姉さんをお前呼ばわりするな」
勇者「……は?」
勇者「え、ちょっと待て。……姉さん?」
側近「あ、はい。言い遅れましたが、近衛兵は私の弟なんですよ」
勇者「はぁ!? お前、弟いたのかよ!」
側近「はい。言ってませんでしたっけ?」
勇者「聞いてねえよ!」
側近「まあ、言う機会も無かったですしね」
勇者「それはまあそうだが……」
近衛「……おい」
勇者「え、……なに?」
近衛「姉さんをお前呼ばわりするな」
勇者「……は?」
近衛「あと、魔王様とあまり馴れ馴れしくするな」
勇者「いや、何なんだよお前さっきから」
近衛「さっきから偉そうにして、お前は何様のつもりだ」
近衛「姉さんや魔王様の一体何なんだよ」
勇者「なっ、このガキ。生意気な口ききやが――」
近衛「ガキじゃない。人間のお前なんかよりずっと長く生きている」
魔王「勇者は私の運命の人よ!」
近衛「……」
勇者「……だそうだ」
近衛「……調子に乗るなよ」
勇者「いや、何なんだよお前さっきから」
近衛「さっきから偉そうにして、お前は何様のつもりだ」
近衛「姉さんや魔王様の一体何なんだよ」
勇者「なっ、このガキ。生意気な口ききやが――」
近衛「ガキじゃない。人間のお前なんかよりずっと長く生きている」
魔王「勇者は私の運命の人よ!」
近衛「……」
勇者「……だそうだ」
近衛「……調子に乗るなよ」
近衛も勇者より強いんだろうなあ。この勇者もしかして雑魚なんじゃ・・・
近衛「姉さん、僕は仕事があるからもう行くよ。これ以上時間を浪費するのは嫌だから」
側近「ちょっと、近衛兵!」
近衛「……あ、最後にお前」
勇者「な、なんだよ」
近衛「……姉さんや魔王様に無礼を働いたら、相応の報いを受けてもらうぞ」
勇者「……」
近衛「……ふん」
側近「ちょっと、近衛兵!」
近衛「……あ、最後にお前」
勇者「な、なんだよ」
近衛「……姉さんや魔王様に無礼を働いたら、相応の報いを受けてもらうぞ」
勇者「……」
近衛「……ふん」
ヒント:既に勇者は魔王の間まで自立で到達している
ただ、おかしな真似しようものなら手首がさようならだからなぁw
ただ、おかしな真似しようものなら手首がさようならだからなぁw
雑魚モンスターには楽勝だけど中ボスラスボスには勝てないレベルか
側近「……まったく、あの子ったら」
勇者「敵意むき出し、って感じ」
側近「すみません、勇者さん。近衛兵は少し真面目すぎるだけで、別に悪気があるわけでは」
勇者「言葉の端々に悪意を感じたけどな」
側近「……すみません」
勇者「……なんつーか、お前ら全然似てないな」
勇者「顔もそうだし、性格も全然違うぞ」
側近「……まあ、そうかもしれませんね」
側近「私たち、異母姉弟ですから」
勇者「敵意むき出し、って感じ」
側近「すみません、勇者さん。近衛兵は少し真面目すぎるだけで、別に悪気があるわけでは」
勇者「言葉の端々に悪意を感じたけどな」
側近「……すみません」
勇者「……なんつーか、お前ら全然似てないな」
勇者「顔もそうだし、性格も全然違うぞ」
側近「……まあ、そうかもしれませんね」
側近「私たち、異母姉弟ですから」
勇者「母親が違うのか」
側近「ええ」
勇者「……ふぅん」
勇者「そういえば、側近のこと全然知らないな。いい機会だから教えてくれよ」
側近「私のこと、ですか?」
勇者「どういう経緯で魔王の側近になったんだ?」
側近「うーん、……あまり楽しい話じゃないですよ?」
勇者「いいから」
側近「そうですか……。でしたら、簡潔に」
側近「ええ」
勇者「……ふぅん」
勇者「そういえば、側近のこと全然知らないな。いい機会だから教えてくれよ」
側近「私のこと、ですか?」
勇者「どういう経緯で魔王の側近になったんだ?」
側近「うーん、……あまり楽しい話じゃないですよ?」
勇者「いいから」
側近「そうですか……。でしたら、簡潔に」
側近「私と近衛兵は、ここに来る前はスラム街で育ちました」
勇者「……いきなり重いな」
側近「そのスラム街は、親がいなかったりお尋ね者であったり、そういう訳ありな者達が住んでいました」
側近「そこでは魔物も人も関係無く、様々な人種がいました」
勇者「魔物も人も……」
側近「だからとにかくいさかいが絶えませんでしたね」
側近「だって、中には魔物に両親を殺されたという人もいますし、その逆もまた然り」
側近「食料だって豊富にありませんし。毎日がデッドオアアライブって感じでした」
勇者「……側近も、なのか?」
側近「え、なにがですか?」
勇者「……人間に、その、親を殺された、とか」
勇者「……いきなり重いな」
側近「そのスラム街は、親がいなかったりお尋ね者であったり、そういう訳ありな者達が住んでいました」
側近「そこでは魔物も人も関係無く、様々な人種がいました」
勇者「魔物も人も……」
側近「だからとにかくいさかいが絶えませんでしたね」
側近「だって、中には魔物に両親を殺されたという人もいますし、その逆もまた然り」
側近「食料だって豊富にありませんし。毎日がデッドオアアライブって感じでした」
勇者「……側近も、なのか?」
側近「え、なにがですか?」
勇者「……人間に、その、親を殺された、とか」
側近「ああ、私は違いますよ」
側近「私は、……捨てられたんです」
勇者「……」
側近「父は私を身ごもった母を捨て、私を育ててくれた母も、私を残して病死してしまいました」
側近「それからは死ぬ気でスラムで生きていきましたよ」
側近「お金も食料も何もありませんから、それはすごくひもじい生活でした」
側近「そんな境遇の中で、私は密かに野心を燃やしたものです」
側近「『絶対私はのし上がって、将来美味しいものをいっぱい食べてやるんだ』って」
側近「それから必死に努力して、このお城で雇ってもらい、仕事仕事仕事でここまでのし上がってやりましたよ」
側近「これぞ、執念の勝利ですね」
側近「今では毎日贅沢な食事にありつけますし」
側近「まあ、その仕事漬けの生活のせいで、いまだに素敵な男性に出会えないのですけどね……」
側近「私は、……捨てられたんです」
勇者「……」
側近「父は私を身ごもった母を捨て、私を育ててくれた母も、私を残して病死してしまいました」
側近「それからは死ぬ気でスラムで生きていきましたよ」
側近「お金も食料も何もありませんから、それはすごくひもじい生活でした」
側近「そんな境遇の中で、私は密かに野心を燃やしたものです」
側近「『絶対私はのし上がって、将来美味しいものをいっぱい食べてやるんだ』って」
側近「それから必死に努力して、このお城で雇ってもらい、仕事仕事仕事でここまでのし上がってやりましたよ」
側近「これぞ、執念の勝利ですね」
側近「今では毎日贅沢な食事にありつけますし」
側近「まあ、その仕事漬けの生活のせいで、いまだに素敵な男性に出会えないのですけどね……」
勇者「……」
側近「ちょ、勇者さん! どうしてそんなに涙目なんですか!?」
勇者「くっそ……。すまん、俺、こういう話にめっぽう弱いんだ」
勇者「俺の家も、決して生活が裕福だったわけじゃないから。ズズーッ」
側近「ああもう、鼻水までたらしちゃって! ほら、ちり紙で鼻かんでください」
勇者「うぅ、すまね」
側近「ちょ、勇者さん! どうしてそんなに涙目なんですか!?」
勇者「くっそ……。すまん、俺、こういう話にめっぽう弱いんだ」
勇者「俺の家も、決して生活が裕福だったわけじゃないから。ズズーッ」
側近「ああもう、鼻水までたらしちゃって! ほら、ちり紙で鼻かんでください」
勇者「うぅ、すまね」
魔王「……うぅ」
側近「え、魔王様まで!?」
側近「魔王様はもうすでにご存じでしょ!」
魔王「いえ、何度聞いても泣けるわ……。そうよね、貴方も運命に翻弄されて生きてきたのよね」
側近「そ、そんな大げさな」
魔王「私、側近が私の側近で本当に良かったと思ってるのよ」
魔王「側近、大好きよ!」
側近「ああ、抱きつかないでください! 服に鼻水が付きます!」
側近「ほら、魔王様もこれで鼻をチーンしてください」
魔王「うぅ……チーンッ!」
側近「え、魔王様まで!?」
側近「魔王様はもうすでにご存じでしょ!」
魔王「いえ、何度聞いても泣けるわ……。そうよね、貴方も運命に翻弄されて生きてきたのよね」
側近「そ、そんな大げさな」
魔王「私、側近が私の側近で本当に良かったと思ってるのよ」
魔王「側近、大好きよ!」
側近「ああ、抱きつかないでください! 服に鼻水が付きます!」
側近「ほら、魔王様もこれで鼻をチーンしてください」
魔王「うぅ……チーンッ!」
側近「はぁ……、なんで私こんなこと話しちゃったんだろ」
勇者「うぅ……」
魔王「うぅ……」
側近「……ふふ。この調子なら、しばらくおしゃべりは無理そうですね」
側近「それじゃ、私も仕事に戻ります。これでお暇しますね」
勇者「……ああ。こんなつらいこと話させてしまって、ゴメンな」
側近「あらあら、今日の勇者さんはずいぶんと殊勝ですこと」
側近「勇者さんのそんな珍しい姿を見れただけでも、話した甲斐があったというものですよ」
側近「それじゃ、失礼しますね」
勇者「うぅ……」
魔王「うぅ……」
側近「……ふふ。この調子なら、しばらくおしゃべりは無理そうですね」
側近「それじゃ、私も仕事に戻ります。これでお暇しますね」
勇者「……ああ。こんなつらいこと話させてしまって、ゴメンな」
側近「あらあら、今日の勇者さんはずいぶんと殊勝ですこと」
側近「勇者さんのそんな珍しい姿を見れただけでも、話した甲斐があったというものですよ」
側近「それじゃ、失礼しますね」
勇者「……あー、不覚にも数年ぶりに感動しちまったぜ」
魔王「……そうよね。側近は頑張ってるものね。それを行き遅れだなんてからかっちゃダメよね」
勇者「そうだぞ。あんなにいい奴なんだ。すぐにいい相手が見つかるさ」
魔王「私にとっての勇者みたいな運命の相手が、ね」
勇者「あれなら、近衛兵がシスコンになるのも頷けるな。俺も側近の弟だったらなってるかも」
魔王「でも浮気は駄目よ」
勇者「……ん? あれ、ちょっと待て」
魔王「ん? どうかした、勇者?」
魔王「……そうよね。側近は頑張ってるものね。それを行き遅れだなんてからかっちゃダメよね」
勇者「そうだぞ。あんなにいい奴なんだ。すぐにいい相手が見つかるさ」
魔王「私にとっての勇者みたいな運命の相手が、ね」
勇者「あれなら、近衛兵がシスコンになるのも頷けるな。俺も側近の弟だったらなってるかも」
魔王「でも浮気は駄目よ」
勇者「……ん? あれ、ちょっと待て」
魔王「ん? どうかした、勇者?」
勇者「いや、側近と近衛兵はどうやって出会ったのかなって思って」
魔王「え、どういうこと?」
勇者「だってさ、側近は父親に捨てられ、そのままスラムで育ったわけだろ」
勇者「母親が違う近衛兵と、いつ出会ったんだろ。というか、どうやって自分の弟だった分かったんだろ」
魔王「ん? ん~?」
勇者「……まあ、いろいろと事情がありそうだし。あんまり深く追求しない方が良いのかな」
魔王「んー、よく分からないけど、多分その方が良いと思うわ」
魔王「え、どういうこと?」
勇者「だってさ、側近は父親に捨てられ、そのままスラムで育ったわけだろ」
勇者「母親が違う近衛兵と、いつ出会ったんだろ。というか、どうやって自分の弟だった分かったんだろ」
魔王「ん? ん~?」
勇者「……まあ、いろいろと事情がありそうだし。あんまり深く追求しない方が良いのかな」
魔王「んー、よく分からないけど、多分その方が良いと思うわ」
魔王「あの二人、けっこう複雑なのよ。実は私もよく分かってないし」
魔王「……特に近衛兵の方は、すごく苦労してきたみたいだから」
勇者「そうなのか?」
魔王「勝手に話しちゃったら、私近衛兵に嫌われちゃうから言わないけど、ね」
勇者「……まあ、本人がいない所で詮索するのはあまりい趣味とは言えないか」
魔王「うん、お利口さん。なでなで」
勇者「頭撫でんな!」
魔王「……特に近衛兵の方は、すごく苦労してきたみたいだから」
勇者「そうなのか?」
魔王「勝手に話しちゃったら、私近衛兵に嫌われちゃうから言わないけど、ね」
勇者「……まあ、本人がいない所で詮索するのはあまりい趣味とは言えないか」
魔王「うん、お利口さん。なでなで」
勇者「頭撫でんな!」
<一週間後>
側近「おはようございます、勇者さん」
勇者「ふぁぁぁぁ、……おはよ、側近」
側近「朝食の準備が整いましたよ。洗顔が済み次第、食堂にいらしてください」
勇者「うーい」
勇者(……ここに来てから、それなりに経ったな)
勇者(普通に馴染みつつある自分が怖い)
側近「おはようございます、勇者さん」
勇者「ふぁぁぁぁ、……おはよ、側近」
側近「朝食の準備が整いましたよ。洗顔が済み次第、食堂にいらしてください」
勇者「うーい」
勇者(……ここに来てから、それなりに経ったな)
勇者(普通に馴染みつつある自分が怖い)
魔王「あら、勇者おはよう!」
勇者「うぃ」
魔王「ねえねえ。今日は何をして遊びましょうか!」
勇者「どうせまたおしゃべりだろ」
魔王「あら、なんだったら魔王様ゲームでもいいわよ」
勇者「……なんだその遊び」
魔王「人数分の割り箸を一斉に引き合って、印の入ったのを引き当てた人が他の人に好きな命令を出せるというゲームよ」
勇者「……ただの王様ゲームじゃねえか」
魔王「ただし、リアル魔王には拒否権がある上に、毎回必ず命令を下せる」
勇者「ずいぶんとお前に都合のいいゲームだな!」
勇者「うぃ」
魔王「ねえねえ。今日は何をして遊びましょうか!」
勇者「どうせまたおしゃべりだろ」
魔王「あら、なんだったら魔王様ゲームでもいいわよ」
勇者「……なんだその遊び」
魔王「人数分の割り箸を一斉に引き合って、印の入ったのを引き当てた人が他の人に好きな命令を出せるというゲームよ」
勇者「……ただの王様ゲームじゃねえか」
魔王「ただし、リアル魔王には拒否権がある上に、毎回必ず命令を下せる」
勇者「ずいぶんとお前に都合のいいゲームだな!」
側近「あらあら、朝っぱらから元気ですね、二人とも」
勇者「俺だって、朝からこんな大声出したくねえよ……」
側近「勇者さんはボケに対して、高らかに突っ込みを入れてくれますからね」
勇者「俺は漫才なんかしてるつもりはないぞ」
魔王「漫才!? 私と勇者で夫婦漫才というわけね。夫婦、夫婦、ふふふふふ……」
側近「あらあら、また魔王様が変な妄想に入っちゃいましたね」
勇者「勝手にさせとけ」
魔王「……子供は三人は欲しいわね。どこか都会の喧騒から離れた地に白くて大きな家を建てて、牛さんや豚さんも飼って……」
側近「……随分と具体的で牧歌的な妄想ですこと」
勇者「俺だって、朝からこんな大声出したくねえよ……」
側近「勇者さんはボケに対して、高らかに突っ込みを入れてくれますからね」
勇者「俺は漫才なんかしてるつもりはないぞ」
魔王「漫才!? 私と勇者で夫婦漫才というわけね。夫婦、夫婦、ふふふふふ……」
側近「あらあら、また魔王様が変な妄想に入っちゃいましたね」
勇者「勝手にさせとけ」
魔王「……子供は三人は欲しいわね。どこか都会の喧騒から離れた地に白くて大きな家を建てて、牛さんや豚さんも飼って……」
側近「……随分と具体的で牧歌的な妄想ですこと」
勇者「……あ、そういえばさ。俺、全然近衛兵の姿を見ないんだけど、あいつ今どこか行ってるの?」
側近「え? いえ、近衛兵はここ最近はずっとこの城内にいたはずですけど」
魔王「ええ、私も何度も会ったし、遠出はしてないはずよ」
勇者「じゃあ、なんで俺は一度も会えてないんだ?」
勇者「……ひょっとして、俺、避けられてるのか?」
側近「……かもしれないですね」
側近「え? いえ、近衛兵はここ最近はずっとこの城内にいたはずですけど」
魔王「ええ、私も何度も会ったし、遠出はしてないはずよ」
勇者「じゃあ、なんで俺は一度も会えてないんだ?」
勇者「……ひょっとして、俺、避けられてるのか?」
側近「……かもしれないですね」
勇者「せっかく知り合ったんだし、少し話をしてみようと思ったんだけどな」
勇者「今のところ、すごく俺の印象悪いみたいだし……」
側近「うーん、私も勇者さんと仲良くしてくれるように言ってはいるんですけどねぇ……」
勇者「……まあ、とりあえずこちらから一回接触してみるから、あいつのよく行く場所とか教えてくれないか?」
側近「ええ。それでしたらお昼頃に裏庭に行ってみてください。よくそこで昼食をとってますから」
勇者「そっか。なら行ってみるよ」
魔王「それまでは私と魔王様ゲームね!」
勇者「誰がするかッ!?」
勇者「今のところ、すごく俺の印象悪いみたいだし……」
側近「うーん、私も勇者さんと仲良くしてくれるように言ってはいるんですけどねぇ……」
勇者「……まあ、とりあえずこちらから一回接触してみるから、あいつのよく行く場所とか教えてくれないか?」
側近「ええ。それでしたらお昼頃に裏庭に行ってみてください。よくそこで昼食をとってますから」
勇者「そっか。なら行ってみるよ」
魔王「それまでは私と魔王様ゲームね!」
勇者「誰がするかッ!?」
勇者「結局させられたし……」
魔王「あー、面白かった!」
勇者「そりゃお前は面白かったよな! 独裁政権だったし!」
魔王「また今度も見せてね、荒ぶる勇者の舞」
勇者「誰が見せるかッ!」
勇者「……ていうか、なんでお前もついてきてるんだよ」
魔王「あら、私がいないと多分、近衛兵は勇者に見向きもせずにどこかに行っちゃうわよ」
勇者「……それは、そうかもしれんが」
勇者「……まあ、いっか」
魔王「あー、面白かった!」
勇者「そりゃお前は面白かったよな! 独裁政権だったし!」
魔王「また今度も見せてね、荒ぶる勇者の舞」
勇者「誰が見せるかッ!」
勇者「……ていうか、なんでお前もついてきてるんだよ」
魔王「あら、私がいないと多分、近衛兵は勇者に見向きもせずにどこかに行っちゃうわよ」
勇者「……それは、そうかもしれんが」
勇者「……まあ、いっか」
近衛「……」
勇者「……お、本当にいた」
魔王「近衛兵、こんにちは!」
近衛「……あ、魔王様。こ、こんにちは」
近衛「……」
勇者「おいおい、なんで俺には無言で睨みつけるんだよ」
近衛「……ふん」
勇者「つれないな」
勇者「それにしても……なんでこんな所で飯食ってるんだ。しかも一人で」
近衛「……」
勇者「……お、本当にいた」
魔王「近衛兵、こんにちは!」
近衛「……あ、魔王様。こ、こんにちは」
近衛「……」
勇者「おいおい、なんで俺には無言で睨みつけるんだよ」
近衛「……ふん」
勇者「つれないな」
勇者「それにしても……なんでこんな所で飯食ってるんだ。しかも一人で」
近衛「……」
魔王「……ちょっと勇者」
勇者「え、なに?」
魔王「そういうことをずけずけと無遠慮に言っちゃだめよ」
勇者「……あ、ごめん」
魔王「近衛兵にだって、色々事情があるんだから」
勇者「事情?」
近衛「……」
勇者「あ、おい。何処に行くんだよ」
勇者「え、なに?」
魔王「そういうことをずけずけと無遠慮に言っちゃだめよ」
勇者「……あ、ごめん」
魔王「近衛兵にだって、色々事情があるんだから」
勇者「事情?」
近衛「……」
勇者「あ、おい。何処に行くんだよ」
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