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元スレ魔王「ああ勇者、なぜあなたは勇者なの!?」

みんなの評価 : ★★★
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<深夜>
魔王「……そんな約束、守るバカはいない」
魔王「これだけ夜が更ければ、さすがの側近も寝てるでしょ」
魔王「うふふふふ、こっそり勇者のベッドに侵入して悪戯しちゃおっかな」
魔王「それで怒った勇者とじゃれ合ったりして……えへへぇ」
魔王「それじゃ、早速部屋から抜け出してっと――あれ?」
魔王「ドアが……開かない」
魔王「んんんんんんんんん!!」
魔王「ダメ……全然ビクともしない」
魔王「さては側近め、つっかえ棒かなにか仕込んだな」
魔王「これは困ったわ」
魔王「……そんな約束、守るバカはいない」
魔王「これだけ夜が更ければ、さすがの側近も寝てるでしょ」
魔王「うふふふふ、こっそり勇者のベッドに侵入して悪戯しちゃおっかな」
魔王「それで怒った勇者とじゃれ合ったりして……えへへぇ」
魔王「それじゃ、早速部屋から抜け出してっと――あれ?」
魔王「ドアが……開かない」
魔王「んんんんんんんんん!!」
魔王「ダメ……全然ビクともしない」
魔王「さては側近め、つっかえ棒かなにか仕込んだな」
魔王「これは困ったわ」
魔王「私がちょっと本気を出せばつっかえ棒ごとき破壊するのは容易……」
魔王「だけどそんなことをしたら破壊音を立ててしまう」
魔王「眠りが浅い上に、超がつくくらい地獄耳の側近がその音を聴き逃すとは考えにくい……」
魔王「かといって窓から脱出したら勇者の部屋まで遠回りになり、それだけ他の部下に発見されるリスクが高くなる」
魔王「考えなさい、魔王。どうするのが最善の方法なの……」
魔王「あらゆる可能性を想定して。思考をクールでシャープにするのよ!」
魔王「……」
魔王「……そうよ、発想を逆転させればいいんだわ!」
魔王「道を自分で切り開くことができないなら、代わりに道を作ってもらえばいいんだわ!」
魔王「そうとなれば――」
魔王「だけどそんなことをしたら破壊音を立ててしまう」
魔王「眠りが浅い上に、超がつくくらい地獄耳の側近がその音を聴き逃すとは考えにくい……」
魔王「かといって窓から脱出したら勇者の部屋まで遠回りになり、それだけ他の部下に発見されるリスクが高くなる」
魔王「考えなさい、魔王。どうするのが最善の方法なの……」
魔王「あらゆる可能性を想定して。思考をクールでシャープにするのよ!」
魔王「……」
魔王「……そうよ、発想を逆転させればいいんだわ!」
魔王「道を自分で切り開くことができないなら、代わりに道を作ってもらえばいいんだわ!」
魔王「そうとなれば――」
魔物「……はあ、だるい。夜の見回りとかとっとと終わらせて、とっとと寝よ」
魔王「……ハァ、ハァ」
魔物「ん? なんだか艶っぽい喘ぎ声がするぞ?」
魔王「だ、誰か……」
魔物「魔王様の部屋から? 魔王様、どうかしましたか?」
魔王「急に、胸が苦しくなって……助けて」
魔物「えっ!? そ、それは大変だ。すぐに誰かを――」
魔王「その前にこの部屋から出して」
魔物「え? 側近様から魔王様を部屋から絶対に出すなと言われているのでそれは……」
魔王「アッーー! 胸が、胸がぁ!」
魔物「魔王様!?」
魔物はつっかえ棒を取り外して魔王の部屋のドアを開け放った!
しかし次の瞬間、魔王の拳が魔物の鳩尾にクリーンヒットし、魔物は気を失ってしまった!
魔物「……うふふ。計画通り」
魔王「……ハァ、ハァ」
魔物「ん? なんだか艶っぽい喘ぎ声がするぞ?」
魔王「だ、誰か……」
魔物「魔王様の部屋から? 魔王様、どうかしましたか?」
魔王「急に、胸が苦しくなって……助けて」
魔物「えっ!? そ、それは大変だ。すぐに誰かを――」
魔王「その前にこの部屋から出して」
魔物「え? 側近様から魔王様を部屋から絶対に出すなと言われているのでそれは……」
魔王「アッーー! 胸が、胸がぁ!」
魔物「魔王様!?」
魔物はつっかえ棒を取り外して魔王の部屋のドアを開け放った!
しかし次の瞬間、魔王の拳が魔物の鳩尾にクリーンヒットし、魔物は気を失ってしまった!
魔物「……うふふ。計画通り」
魔王「やっぱり私は冴えてるわね」
魔王「……それにしても側近のやつ、やっぱり他の魔物にも手を回していてみたいね」
魔王「さすがは側近。用意が周到のようね」
魔王「これはこの先も油断できそうにないわ。慎重に行きましょ」
・
・
・
魔王「……いつも以上に見張りの数が多かったわ。なんて傍迷惑なやつなのかしら、側近ったら」
魔王「たかだかこんなことのために夜遅くに見回りをさせられてる魔物たちの身にもなりなさいよね」
魔王「まあいいわ。そんなことは私には関係ない。所詮は雑魚、欺くのは簡単だったし」
魔王「ようやく着いたわ。この部屋が勇者の眠る部屋ね」
魔王「マスターキーをさっき倒した見回りから盗み出しておいたから、あとは開錠して侵入するだけ」
魔王「……突入!」
魔王「……それにしても側近のやつ、やっぱり他の魔物にも手を回していてみたいね」
魔王「さすがは側近。用意が周到のようね」
魔王「これはこの先も油断できそうにないわ。慎重に行きましょ」
・
・
・
魔王「……いつも以上に見張りの数が多かったわ。なんて傍迷惑なやつなのかしら、側近ったら」
魔王「たかだかこんなことのために夜遅くに見回りをさせられてる魔物たちの身にもなりなさいよね」
魔王「まあいいわ。そんなことは私には関係ない。所詮は雑魚、欺くのは簡単だったし」
魔王「ようやく着いたわ。この部屋が勇者の眠る部屋ね」
魔王「マスターキーをさっき倒した見回りから盗み出しておいたから、あとは開錠して侵入するだけ」
魔王「……突入!」
魔王「……」
魔王(気配を殺して、こっそりと……)
魔王(あれがベッドね。あそこに勇者が――)
魔王(ベッドに侵入完了。……ああ、こんな安っぽいベッドでなんて寝て。私と一緒ならもっと寝心地いいのに)
魔王(……はあ、勇者の体、あったかい)
魔王(さてと、どんな悪戯しましょうか。あんまり騒がれても困るからなぁ……)
魔王(……ちょっとベタだけど耳を甘噛みなんてどうかな)
魔王「……」
はむっ
側近「……あら大胆」
魔王「ぶっ!?」
魔王(気配を殺して、こっそりと……)
魔王(あれがベッドね。あそこに勇者が――)
魔王(ベッドに侵入完了。……ああ、こんな安っぽいベッドでなんて寝て。私と一緒ならもっと寝心地いいのに)
魔王(……はあ、勇者の体、あったかい)
魔王(さてと、どんな悪戯しましょうか。あんまり騒がれても困るからなぁ……)
魔王(……ちょっとベタだけど耳を甘噛みなんてどうかな)
魔王「……」
はむっ
側近「……あら大胆」
魔王「ぶっ!?」
魔王「ど、どうして側近がこの部屋に!?」
側近「それはこっちのセリフです。ここは魔王様の部屋ではないはずですが?」
魔王「側近の部屋でもないでしょ!」
側近「まあ、どうせ魔王様のことですから、約束なんて守らないと思って――」
側近「勇者さんとすり替わっておいたのです!」
魔王「え!? な、なら勇者は……」
側近「別の部屋で今頃ぐっすり眠っていますよ」
魔王「そんなぁ……」
側近「さてと、それでは魔王様?」
魔王「え、なに……かしら?」
側近「せっかくここまで来たんです。私と愛を語り合いましょうか、一晩中」
魔王「え、遠慮しておくわ……」
側近「そんなつれないこと言わないでくださいよ」
側近「……ただ、私の愛は、……痛いですよ?」
魔王「ひぃぃぃぃぃ!」
側近「それはこっちのセリフです。ここは魔王様の部屋ではないはずですが?」
魔王「側近の部屋でもないでしょ!」
側近「まあ、どうせ魔王様のことですから、約束なんて守らないと思って――」
側近「勇者さんとすり替わっておいたのです!」
魔王「え!? な、なら勇者は……」
側近「別の部屋で今頃ぐっすり眠っていますよ」
魔王「そんなぁ……」
側近「さてと、それでは魔王様?」
魔王「え、なに……かしら?」
側近「せっかくここまで来たんです。私と愛を語り合いましょうか、一晩中」
魔王「え、遠慮しておくわ……」
側近「そんなつれないこと言わないでくださいよ」
側近「……ただ、私の愛は、……痛いですよ?」
魔王「ひぃぃぃぃぃ!」
ちょっと席を外します
それにしても凄まじい過疎っぷりw
まめに支援してくれた人たちに多謝
それにしても凄まじい過疎っぷりw
まめに支援してくれた人たちに多謝
側近→魔王
魔王→勇者
勇者→側近
みたいな三角関係期待www
魔王→勇者
勇者→側近
みたいな三角関係期待www
>>1
俺は好きだから頑張れ
俺は好きだから頑張れ
<翌朝>
こんこん
側近「勇者さん、起きてらっしゃいますか?」
勇者「ああ、起きてるよ」
側近「朝食の用意ができましたので、食堂までご案内します」
勇者「あいよ。今部屋から出るよ」
がちゃ
勇者「おはよう」
側近「おはようございます」
勇者「ん?」
魔王「ぁぅぁぅぁぅ……」
勇者「……なにこれ?」
側近「これは気にしないでください。よくあることなので」
勇者「ふぅん」
魔王「モウヤダ、コワイコワイコワイ……」
こんこん
側近「勇者さん、起きてらっしゃいますか?」
勇者「ああ、起きてるよ」
側近「朝食の用意ができましたので、食堂までご案内します」
勇者「あいよ。今部屋から出るよ」
がちゃ
勇者「おはよう」
側近「おはようございます」
勇者「ん?」
魔王「ぁぅぁぅぁぅ……」
勇者「……なにこれ?」
側近「これは気にしないでください。よくあることなので」
勇者「ふぅん」
魔王「モウヤダ、コワイコワイコワイ……」
側近「ここが食堂です」
勇者「……だだっ広いな」
側近「こういう所での食事は初めてですか?」
勇者「いや。とある国の王に食事に誘われたときもこんな感じの場所で飯食った」
勇者「だけどこうも広いと、やっぱり落ち着かんな」
側近「じきに慣れますよ」
魔王「そうよ。住んでるむうちにこれが普通になってくるわ」
勇者「あ、復活してる」
魔王「あの程度のことでいつまでも凹んでるようじゃ魔王なんて務まらないわ」
側近「じゃあ、これからはもっと厳しくしましょうか?」
魔王「そ、それには及ばないわ!」
魔王「さあ、食事にしましょ。勇者のお口に合えばいいんだけど」
勇者「……だだっ広いな」
側近「こういう所での食事は初めてですか?」
勇者「いや。とある国の王に食事に誘われたときもこんな感じの場所で飯食った」
勇者「だけどこうも広いと、やっぱり落ち着かんな」
側近「じきに慣れますよ」
魔王「そうよ。住んでるむうちにこれが普通になってくるわ」
勇者「あ、復活してる」
魔王「あの程度のことでいつまでも凹んでるようじゃ魔王なんて務まらないわ」
側近「じゃあ、これからはもっと厳しくしましょうか?」
魔王「そ、それには及ばないわ!」
魔王「さあ、食事にしましょ。勇者のお口に合えばいいんだけど」
勇者「……」
魔王「どう、おいしい?」
勇者「……くそ、めちゃくちゃ美味いじゃないか」
魔王「そう! それは良かったぁ!」
魔王「なら私の分もあげる!」
勇者「……いいのか? 俺は遠慮なんてしないぞ?」
魔王「私はいいの。どうせこんなに食べきれないから」
勇者「それじゃ遠慮なく……」
側近「……すっかり餌付けされてますね」
勇者「う……」
魔王「はい、あーん」
勇者「それはいいッ!!」
魔王「どう、おいしい?」
勇者「……くそ、めちゃくちゃ美味いじゃないか」
魔王「そう! それは良かったぁ!」
魔王「なら私の分もあげる!」
勇者「……いいのか? 俺は遠慮なんてしないぞ?」
魔王「私はいいの。どうせこんなに食べきれないから」
勇者「それじゃ遠慮なく……」
側近「……すっかり餌付けされてますね」
勇者「う……」
魔王「はい、あーん」
勇者「それはいいッ!!」
勇者「それにしても……魔物もこんないいもん食べてるんだな」
勇者「てっきり生肉をそのまま貪ってるのかと思った」
側近「なんというひどいイメージ……」
勇者「いやいや、でも本当に美味いよ。これ何の肉?」
側近「あ、それは人げ――いえ、牛です」
勇者「……ちょ、……え?」
側近「牛です」
勇者「嘘付けッ! お前、今人間って言いかけただろ!?」
側近「この地方名産のニンゲ牛です」
勇者「ニンゲ牛ってなんだよ!? アレか、牛みたいに脂の乗った美味しい人間って意味か!?」
側近「……ふふ、勇者さんは筋張ってて美味しくなさそうですね」
勇者「……」
勇者「てっきり生肉をそのまま貪ってるのかと思った」
側近「なんというひどいイメージ……」
勇者「いやいや、でも本当に美味いよ。これ何の肉?」
側近「あ、それは人げ――いえ、牛です」
勇者「……ちょ、……え?」
側近「牛です」
勇者「嘘付けッ! お前、今人間って言いかけただろ!?」
側近「この地方名産のニンゲ牛です」
勇者「ニンゲ牛ってなんだよ!? アレか、牛みたいに脂の乗った美味しい人間って意味か!?」
側近「……ふふ、勇者さんは筋張ってて美味しくなさそうですね」
勇者「……」
側近「……ぷぷ。あははははは! 冗談ですよ、冗談」
側近「ちゃんとした普通の牛肉ですよ、それ」
勇者「……」
側近「あら、ひょっとして拗ねちゃいました?」
勇者「……お前、魔王とは違った意味で絡みづらい」
魔王「駄目よ、側近。私の勇者をいじめちゃ」
側近「あらあら、私のなんて。独占欲、むき出しですね」
魔王「私のなんだからいいじゃない!」
勇者「……はぁ、なんか食欲失せた」
側近「おや、まだおかわりはいくらでもありますよ?」
勇者「いや、もういい。ごちそうさま」
側近「ちゃんとした普通の牛肉ですよ、それ」
勇者「……」
側近「あら、ひょっとして拗ねちゃいました?」
勇者「……お前、魔王とは違った意味で絡みづらい」
魔王「駄目よ、側近。私の勇者をいじめちゃ」
側近「あらあら、私のなんて。独占欲、むき出しですね」
魔王「私のなんだからいいじゃない!」
勇者「……はぁ、なんか食欲失せた」
側近「おや、まだおかわりはいくらでもありますよ?」
勇者「いや、もういい。ごちそうさま」
魔王「じゃあ、食事も済んだことだし、一緒にお庭でお話ししましょ?」
勇者「えぇ~」
側近「あれだけたくさんご飯を食べたんだから、今さら渋らないでください」
勇者「……分かったよ」
魔王「やったー! 昨日お話しできなかった分、いっぱいするわよ」
勇者「うへぇ……」
側近「うふふふふ。魔王様、嬉しいのは分かりますけど、くれぐれも羽目を外しすぎないようにお願いしますね」
魔王「分かってるわよ」
魔王「さ、行きましょ勇者」
勇者「おいちょっと! 手を引っ張るなよ!」
側近「……さて、私はお仕事お仕事っと」
勇者「えぇ~」
側近「あれだけたくさんご飯を食べたんだから、今さら渋らないでください」
勇者「……分かったよ」
魔王「やったー! 昨日お話しできなかった分、いっぱいするわよ」
勇者「うへぇ……」
側近「うふふふふ。魔王様、嬉しいのは分かりますけど、くれぐれも羽目を外しすぎないようにお願いしますね」
魔王「分かってるわよ」
魔王「さ、行きましょ勇者」
勇者「おいちょっと! 手を引っ張るなよ!」
側近「……さて、私はお仕事お仕事っと」
魔王「見て勇者! これは私の城の自慢の中庭よ!」
勇者「……なんつーか、すごいな」
勇者「一面のお花畑、やたら可愛らしい装飾の噴水、楽しそうに走り回っている動物たち……」
勇者「これが魔王城の庭とは思えん……」
魔王「お父様がいない隙に私好みの庭に変えたの」
勇者「……帰ってきたら卒倒するかもな」
魔王「お父様だってこの庭の美しさを見れば、きっと怒ったりなんかしないわ」
勇者「どうだか」
魔王「ほら、あそこのベンチに座りましょ」
勇者「だから引っ張るなって言ってるだろ!」
勇者「……なんつーか、すごいな」
勇者「一面のお花畑、やたら可愛らしい装飾の噴水、楽しそうに走り回っている動物たち……」
勇者「これが魔王城の庭とは思えん……」
魔王「お父様がいない隙に私好みの庭に変えたの」
勇者「……帰ってきたら卒倒するかもな」
魔王「お父様だってこの庭の美しさを見れば、きっと怒ったりなんかしないわ」
勇者「どうだか」
魔王「ほら、あそこのベンチに座りましょ」
勇者「だから引っ張るなって言ってるだろ!」
魔王「うーん、いい天気!!」
勇者「……そうだな」
魔王「ねえねえ、勇者のこと、色々聞かせて!」
勇者「俺のこと?」
魔王「そうそう。貴方のこと、いっぱい知りたいの!」
勇者「俺のことなんて知ってどうするんだよ」
魔王「あら、将来を誓い合った相手のことを知りたいと思うのは自然なことだと思うけど?」
勇者「誓い合ってねえよ!! 妄想と現実をごっちゃにするな!!」
魔王「ほら、早く早く。話して」
勇者「ったく、相変わらず人の話を聞かないな……」
勇者「……そうだな」
魔王「ねえねえ、勇者のこと、色々聞かせて!」
勇者「俺のこと?」
魔王「そうそう。貴方のこと、いっぱい知りたいの!」
勇者「俺のことなんて知ってどうするんだよ」
魔王「あら、将来を誓い合った相手のことを知りたいと思うのは自然なことだと思うけど?」
勇者「誓い合ってねえよ!! 妄想と現実をごっちゃにするな!!」
魔王「ほら、早く早く。話して」
勇者「ったく、相変わらず人の話を聞かないな……」
勇者「俺のことったって、いったいどんな事を話せばいいんだ?」
魔王「例えば……勇者になる前は何をしてたの?」
勇者「別に普通だよ。学校行きながら働いて、弟や妹の面倒見て――」
魔王「兄弟がいるのね!!」
勇者「ああ、まあな。生意気な奴らで可愛くないけどな」
魔王「素敵ね。私も妹や弟が欲しかったから羨ましいわ」
勇者「いたって鬱陶しいだけだぞ?」
魔王「そんなことないわよ。毎日が賑やかできっと楽しいと思うわ」
勇者「賑やか、ねぇ。ただうるさいだけだと思うが」
魔王「でもよかったわ。勇者に兄弟がいて」
勇者「は? なんで?」
魔王「だってそれっていずれは私にも弟や妹できるってことでしょ?」
勇者「……」
魔王「私にもすぐに懐いてくれるといいなぁ!」
魔王「例えば……勇者になる前は何をしてたの?」
勇者「別に普通だよ。学校行きながら働いて、弟や妹の面倒見て――」
魔王「兄弟がいるのね!!」
勇者「ああ、まあな。生意気な奴らで可愛くないけどな」
魔王「素敵ね。私も妹や弟が欲しかったから羨ましいわ」
勇者「いたって鬱陶しいだけだぞ?」
魔王「そんなことないわよ。毎日が賑やかできっと楽しいと思うわ」
勇者「賑やか、ねぇ。ただうるさいだけだと思うが」
魔王「でもよかったわ。勇者に兄弟がいて」
勇者「は? なんで?」
魔王「だってそれっていずれは私にも弟や妹できるってことでしょ?」
勇者「……」
魔王「私にもすぐに懐いてくれるといいなぁ!」
おお神よ!なぜ私はこれほどまでに四円したくなるのでしょう・・・
魔王「でも兄弟の世話をしないと駄目なのに、旅なんてしてても平気なの?」
勇者「弟や妹がもう働ける年齢になったからな。だから俺一人抜けてもなんとかなるんだよ」
魔王「そう」
勇者「それに旅に出たのは家族に行くように言われたからだから」
魔王「どうして?」
勇者「父親が昔冒険者だったからな」
勇者「『男たるもの、一度は旅に出て世の中のことを知らなくてはならない』とか言われてさ」
勇者「それに魔王、つまりお前を討伐すれば家族が一生遊んで暮らせるだけのお金が手に入る」
魔王「……そう」
勇者「……なのに俺はここで何やってんだろうな」
魔王「……運命はえてして厳しいものよ。だけど二人の絆は永遠よ」
勇者「……やっぱり何か噛み合わないな、会話」
勇者「弟や妹がもう働ける年齢になったからな。だから俺一人抜けてもなんとかなるんだよ」
魔王「そう」
勇者「それに旅に出たのは家族に行くように言われたからだから」
魔王「どうして?」
勇者「父親が昔冒険者だったからな」
勇者「『男たるもの、一度は旅に出て世の中のことを知らなくてはならない』とか言われてさ」
勇者「それに魔王、つまりお前を討伐すれば家族が一生遊んで暮らせるだけのお金が手に入る」
魔王「……そう」
勇者「……なのに俺はここで何やってんだろうな」
魔王「……運命はえてして厳しいものよ。だけど二人の絆は永遠よ」
勇者「……やっぱり何か噛み合わないな、会話」
魔王「あら、あそこを歩いているのは叔父様じゃない」
勇者「叔父様?」
魔王「そう。私のお父様の弟に当たる人よ」
魔王「叔父様はこの城からだいぶん離れた所に住んでいるのだけど、今日は一体何の用かしら」
魔王「少しご挨拶をしてくるから、待っててくれる?」
勇者「ああ」
勇者(あれが魔王の叔父か。魔王と違ってまじめそうで少しおっかない顔だな)
勇者「……」
勇者(……ん、魔王の方をちらりとも見ずに素通りしちまったぞ)
勇者「叔父様?」
魔王「そう。私のお父様の弟に当たる人よ」
魔王「叔父様はこの城からだいぶん離れた所に住んでいるのだけど、今日は一体何の用かしら」
魔王「少しご挨拶をしてくるから、待っててくれる?」
勇者「ああ」
勇者(あれが魔王の叔父か。魔王と違ってまじめそうで少しおっかない顔だな)
勇者「……」
勇者(……ん、魔王の方をちらりとも見ずに素通りしちまったぞ)
魔王「お待たせ」
勇者「……なんだかそっけないな、お前の叔父さん」
魔王「んー、私、あまり叔父様と仲良くないから」
魔王「叔父様、私のこと、あまりよく思ってないみたい……」
勇者「そりゃ、こんなふざけた魔王だったらしょうがないわな」
魔王「ひっどーい! ここは『そんなことないよ、マイハニー』って慰める所よ」
勇者「そんなことないよ、マイハニー」
魔王「今頃言ったっておっそーい!」
勇者「……マジこいつメンドくせぇ」
勇者「……なんだかそっけないな、お前の叔父さん」
魔王「んー、私、あまり叔父様と仲良くないから」
魔王「叔父様、私のこと、あまりよく思ってないみたい……」
勇者「そりゃ、こんなふざけた魔王だったらしょうがないわな」
魔王「ひっどーい! ここは『そんなことないよ、マイハニー』って慰める所よ」
勇者「そんなことないよ、マイハニー」
魔王「今頃言ったっておっそーい!」
勇者「……マジこいつメンドくせぇ」
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